説明

フロートガラス製造システム用レイアウト、フロートガラス処理方法、及びそれによるフロートガラス

【課題】フロートガラスを製造する過程において、高温工程から製品出荷までの様々な工程(例えば、包装、アンローディングなど)を減らし、連続ラインとして最適化なフロートガラス製造システム用レイアウトを提供する。
【解決手段】原料バッチプラント111、溶融タンク113、リボン状のガラスを成形するフロート槽115、徐冷炉117、徐冷炉に連結されガラスリボンを1次切断する冷却終端119を含む高温工程部110;及び冷却終端119から供給されたシートガラスを予め定められた最終規格のシートガラスに切断するための最終切断セクター、切断したガラスを面取り処理しエッチングする面取り及びエッチングセクター、エッチングセクターによってエッチングされたガラスを検査する1次検査セクターを含むエッチング工程部120を備え、高温工程部110とエッチング工程部120は単一のコンベヤーによって連結され連続ラインを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートガラス製造システム用レイアウト、フロートガラス処理方法、及びそれによるフロートガラスに関し、より詳しくは、フロートガラス法(float glass process)によってフロートガラスを製造する過程において、高温工程から製品出荷までの様々な工程(例えば、包装、アンローディングなど)を減らし、連続ラインとして最適化することで、物流の流れを改善して工場敷地の活用度を高めることができるフロートガラス製造システム用レイアウト、フロートガラス処理方法、及びそれによるフロートガラスに関する。
【0002】
本出願は、2010年2月9日出願の韓国特許出願第10−2010−0011912号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
一般に、フロートガラス法はフロート槽(float bath)に貯蔵された溶融金属上に溶融ガラスを連続的に供給し、溶融金属上に溶融ガラスが浮遊した状態で溶融ガラスを進行させながら、一定幅及び厚さを有する帯(リボン)状のフロートガラスを製造する工法である。
【0004】
ここで、溶融金属は、例えば、溶融錫または溶融錫合金を含んでおり、溶融ガラスより比重が大きく、還元性水素(H)及び/または窒素(N)ガスで満たされたフロートチャンバー(float chamber)内に収容されている。また、溶融金属を収容するフロート槽は特殊耐火材料が内蔵された、水平に長く延びた構造になっている。溶融ガラスはフロート槽の上流側から下流側に向かって移動しながら、溶融金属の表面でリボン状のフロートガラスとして成形された後、徐冷炉(annealing lehr)に供給される。
【0005】
図1は、従来のフロートガラス法によるフロートガラス生産設備のレイアウト及びそれぞれの工程のための工場の層別構造及び機能を示した概略図である。
【0006】
図1を参照すれば、従来のフロートガラス法によるTFT−LCD用フロートガラスの生産及び処理設備のレイアウト1は、ガラス原料を投入してリボン状のガラスを成形する高温工程12が行われる第1工場10、ガラスをエッチングする1次処理工程22及びエッチング後のガラスを研磨する2次処理工程32が行われる第2工場20を備える。
【0007】
前記高温工程12は、バッチプラント(Batch Plant)11に投入された原料をタンク13で溶融させてフロート槽15を通過しながらリボン状のガラスを成形する工程を含む。高温工程12で、ガラスリボンは冷却終端(cold end)に設けられた異物検査機(図示せず)を通過し、既に入力された規格に従って自動でデザインされる。また、高温工程12で、ガラスリボンはそれぞれのデザインに従って幅及び長さ方向に切断された後、包装工程19に進む。高温工程12で包装された半製品は、オフライン形態の移送手段(図示せず)によって第2工場20に運ばれる。一方、第1工場10の2階には通常高温工程12に係わる装置が設けられ、第1工場10の1階には各種配管、冷却ファン、ガラス屑処理用コンベヤーなどが設けられる。
【0008】
半製品形態のガラスを1次処理工程22に投入するためには、まず高温工程12の包装工程19でガラスを包んだ紙を除去し、ロボットシステム(図示せず)を用いてそれぞれのガラスをアンローディングさせる。アンローディングされた半製品形態のガラスは、最終切断工程23、面取り処理(beveling)工程25を経た後、エッチング工程27及び検査工程29を経て2次包装工程24に進む。このように2次包装されたガラスは再び移送手段によって2次処理工程32に運ばれる。
【0009】
2次処理工程32では、1次処理工程22で包装されたガラスをアンローディング31した後、研磨機(図示せず)を用いてガラスの面を研磨する研磨工程33、研磨されたガラスを洗浄する洗浄工程35、最終検査工程37、及び最終包装工程39を経て包装されて出荷される。このように出荷された完製品のガラスはパネル業者に供給される。
【0010】
ところが、従来のフロートガラス生産過程及びそのレイアウト1によれば、それぞれ2回の包装用紙の挿入と除去、ガラスのアンローディング、及び3回にも及ぶ包装の後、出荷されることになる。よって、従来のフロートガラス生産設備用レイアウト1によれば、包装に係わる品質の低下要因が増加し、包装用紙、人件費、メンテナンス費、及び投資費などのような運営費が過度になるという問題点があった。また、工程毎にそれぞれの工場を使用しなければならず、施設の浪費にもなった。特に、物流の流れがかなり非経済的且つ非生産的であった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、従来のフロートガラス生産過程に存在する無駄なプロセスを除去し、且つ、ガラス製品の品質に影響を及ぼし得る包装及びアンローディング工程を減らすことで、連続ラインとして最適化するだけでなく、物流の流れを改善して敷地の活用度を高めることができるフロートガラス製造システム用レイアウト、フロートガラス処理方法、及びそれによるフロートガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明によるフロートガラス製造システム用レイアウトは、ガラス成形原料が貯蔵されたバッチプラント、前記バッチプラントから供給されるガラス原料を溶融させて貯蔵するタンク、前記タンクから溶融ガラスの供給を受けてリボン状のガラスを成形するフロート槽、前記フロート槽で成形されたガラスリボンが通過しながら冷却される徐冷炉、前記徐冷炉に連結された冷却終端を含む高温工程部;及び1次切断されて前記冷却終端から供給されるシートガラスを予め定められた最終規格のシートガラスに切断するための最終切断セクター、切断されたガラスを面取り処理してエッチングするための面取り及びエッチングセクター、エッチングされたガラスを検査する1次検査セクターを含むエッチング工程部を備え、前記高温工程部と前記エッチング工程部とは単一のコンベヤーによって連結されて連続ラインを形成する。
【0013】
望ましくは、前記高温工程部及び前記エッチング工程部は工場の2階に配置される。
【0014】
望ましくは、前記エッチング工程部が前記1次検査セクターによって検査された前記シートガラスを包装するためにその終端に設けられた1次包装セクターをさらに備える。
【0015】
望ましくは、前記1次包装セクターが前記1次検査セクターによって検査された前記シートガラスを2つの品質等級に分離して包装し得る。
【0016】
望ましくは、前記工場の1階に配置され、前記エッチング工程部の終端にその前端が連結される研磨工程部をさらに備える。
【0017】
望ましくは、前記研磨工程部が研磨機を用いて前記シートガラスの少なくとも一面を研磨する研磨セクター、前記研磨セクターによって研磨されたガラスの表面を洗浄する洗浄セクター、及び洗浄されたガラスの表面を検査する最終検査セクターを備える。
【0018】
望ましくは、前記研磨工程部が前記1次包装セクターによって包装された半製品形態の前記シートガラスをアンローディングするために前記研磨工程部の前記前端に設けられたアンローディングセクターをさらに備える。
【0019】
望ましくは、前記研磨工程部が前記最終検査セクターによって検査された前記シートガラスを最終的に包装するためにその終端に設けられた最終包装セクターをさらに備える。
【0020】
望ましくは、前記冷却終端が少なくとも2つのサイドラインに分岐される。
【0021】
望ましくは、前記エッチング工程部が複数の前記サイドラインに対応する少なくとも2つのラインを形成する。
【0022】
望ましくは、前記サイドラインのうち少なくとも1つに異常が発生したとき、前記シートガラスを臨時に積載し、異常が発生したサイドラインが正常になったとき、前記シートガラスを前記サイドラインに供給し得るローディング/アンローディング部材をさらに備える。
【0023】
上記の目的を達成するため、本発明の望ましい実施例によるフロートガラス処理方法は、フロートガラス法によって高温工程部でリボン状のガラスを成形する(a)ステップ;コンベヤーによって前記高温工程部に連結されたエッチング工程部で、冷却終端で1次切断されたガラスを予め定められた最終規格のシートガラスに切断した後、エッチングする(b)ステップ;及び前記コンベヤーによって前記エッチング工程部に連結された研磨工程部で前記シートガラスを研磨する(c)ステップを含む。
【0024】
望ましくは、前記(a)ステップ及び前記(b)ステップは工場の2階で連続的に行われ、前記(c)ステップは前記工場の1階で行われる。
【0025】
望ましくは、前記(b)ステップが、前記エッチングの前に前記シートガラスを面取り処理するステップ、エッチングされた前記シートガラスを1次的に検査するステップ、及び検査完了した前記シートガラスを1次包装するステップを含む。
【0026】
望ましくは、前記(c)ステップが、研磨機を用いて前記シートガラスの少なくとも一面を研磨する研磨ステップ、研磨された前記シートガラスの表面を洗浄する洗浄ステップ、及び洗浄された前記シートガラスの表面を検査する最終検査ステップを含む。
【0027】
望ましくは、前記(c)ステップが前記最終検査ステップによって検査された前記シートガラスを最終的に包装する最終包装ステップをさらに含む。
【0028】
望ましくは、前記(b)ステップ及び前記(c)ステップが前記高温工程部の終端から分岐される少なくとも2つのサイドラインで並列的に行われる。
【0029】
望ましくは、前記サイドラインのうち少なくとも1つに異常が発生したとき、前記シートガラスを臨時に積載するステップ、及び前記サイドラインが正常になったとき、前記シートガラスを前記サイドラインに供給するステップをさらに含む。
【0030】
本発明は、前述した方法によって製造されたフロートガラスを提供する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によるフロートガラス製造システム用レイアウト及びフロートガラス処理方法は、次のような効果を奏する。
【0032】
第一、従来の工程上に存在した無駄なプロセス(例えば、包装工程)を減らすことで、生産されるフロートガラス製品の品質ロスを最小化することができる。
【0033】
第二、フロートガラスの包装に使用される包装紙、人力、メンテナンス、及び投資費などの運営費を節減することができる。
【0034】
第三、従来3つの工場棟でそれぞれ個別的に行われた高温工程、エッチング工程、研磨工程を1つの工場棟に設けられた一連のコンベヤー上で行うことができるため、物流の流れを改善することができ、工場敷地の活用度を増大させることができる。
【0035】
第四、冷却終端の工場の幅を最小化することができる。例えば、従来のレイアウトによれば、冷却終端の工場の幅が少なくとも60m以上である一方、本発明によればレイアウトの冷却終端の工場の幅を最大で40m以下に縮小することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図1】従来のフロートガラス法によるフロートガラス生産設備のレイアウト及びそれぞれの工場棟の層別構造及び機能を示した概略図である。
【図2】本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用レイアウトを示した概略図である。
【図3】本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用フロートガラス処理方法を示した工程図である。
【図4】本発明の他の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用フロートガラス処理方法を示した工程図である。
【図5】図4のローディング/アンローディング部材の動作を説明するための概路図である。
【図6】図4のレイアウトが正常状態であるときのフロートガラスのフローを説明するため、1次包装セクターの作動を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用レイアウト、フロートガラス処理方法、及びそれによるフロートガラスを詳しく説明する。
【0038】
本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施例及び図面に示された構成は、本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0039】
図2は本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用レイアウトを示した概略図であり、図3は本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用フロートガラス処理方法を示した工程図である。
【0040】
図2及び図3を参照すれば、本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用レイアウト100は、工場の2階に高温工程部110とエッチング工程部120とが一連の連続したコンベヤー150(図5及び図6を参照)によって連続的に配置され、エッチング工程部120と連結されるように工場の1階に研磨工程部130が配置される。図2の矢印はガラス原料の投入から最終的に生産されるガラス製品の移動経路を示す。
【0041】
前記高温工程部110には、バッチプラント111、タンク113、フロート槽115、徐冷炉117、冷却終端119が連続的に配置される。バッチプラント111にはガラス成形のための原料が投入されて貯蔵される。タンク113はバッチプラントから供給されるガラス原料を溶融させて溶融ガラスを貯蔵する。フロート槽115はタンク113から溶融ガラスの供給を受けてリボン状のガラスを成形する。徐冷炉117はフロート槽115で成形されたガラスリボンを冷却させる。冷却終端119は徐冷炉117の終端に設けられ、ガラスの厚さまたは応力を測定してガラスの欠陥を検出する検査装備、1次切断のための設備、欠陥のあるガラスを破棄するための設備などが設けられる。高温工程部110の構成及び作動原理は、一般的なフロートガラス法によるフロートガラス成形と同様であるので、その詳しい説明は省く。
【0042】
前記エッチング工程部120には、最終切断セクター121、面取り処理セクター123、エッチングセクター125、1次検査セクター127、及び1次包装セクター129が連続的に配置される。最終切断セクター121は1次切断されて冷却終端119から供給されるシートガラス(図示せず)を予め定められた最終規格のシートガラス(図示せず)に切断する。面取り処理セクター123は最終切断セクター121で切断されてコンベヤー150により移動されるそれぞれのシートガラスの4つの角の斜面を処理する。エッチングセクター125は面取り処理されたシートガラスをエッチングする。1次検査セクター127は面取り処理及びエッチング処理されたシートガラスを検査する。1次包装セクター129はエッチング工程部120の終端に設けられ、工場の2階から1階にシートガラスを移動させる過程におけるガラスの破損またはスクラッチ及び異物の浸透を防止するため、シートガラスを包装する。
【0043】
前述したように、高温工程部110とエッチング工程部120とは単一ラインのコンベヤー150によって連続的に連結され、連続したラインを形成する。
【0044】
前記研磨工程部130は、エッチング工程部120の終端、すなわち1次包装セクター129と、その前端、すなわちアンローディングセクター131が連結され、望ましくは垂直コンベヤー(図示せず)またはエレベーターなどのような連結移送手段によって2階のラインと連結される。
【0045】
研磨工程部130には、アンローディングセクター131、研磨セクター133、洗浄セクター135、最終検査セクター137及び最終包装セクター139が順次配置される。アンローディングセクター131は1次包装セクター129で包装されたシートガラスの包装紙を取り外した後、研磨工程部130のラインに積載する。研磨セクター133は研磨機(図示せず)を用いてシートガラスの少なくとも一面を研磨する。洗浄セクター135は研磨セクター133で研磨されたガラスの表面を洗浄する。最終検査セクター137は洗浄セクター135で洗浄されたガラスの表面を検査する。最終包装セクター139は最終検査セクター137で検査されたシートガラスを出荷する前に最終的に包装するため、研磨工程部130の終端に設けられる。
【0046】
図4は、本発明の他の望ましい実施例によるフロートガラス製造システム用レイアウトを示した工程図である。図3で説明した参照符号と同じ構成要素は同じ機能を持つ同一部材である。
【0047】
図4を参照すれば、本実施例によるフロートガラス製造システム用レイアウト200は、ガラスがリボン状に保持されるメインライン202と、ガラスリボンが切断されて分岐され、多数のシートガラスが移動する2つのサイドライン204、及びサイドライン204の少なくとも1つに異常が発生したとき、シートガラスを臨時に積載し、サイドライン204が正常になったとき、シートガラスを再びサイドライン204に供給するローディング/アンローディング部材240を備える。
【0048】
本実施例によれば、メインライン202は前述した実施例の高温工程部110と同じであり、それぞれのサイドライン204は前述した実施例のエッチング工程部120と研磨工程部130の同じセクターが相互並列に配置された構造である。それぞれのセクターの詳しい説明は省く。
【0049】
フロートガラス製造システムのレイアウト200を複数のサイドラインに構成する理由は、次のようである。
【0050】
第一、複数のサイドラインは、メインライン202の多様な規格のデザインに対応することができる。
【0051】
第二、メインライン202の総負荷に対し、1つのサイドライン204の処理能では足りないとき、複数のサイドラインを用いる。
【0052】
第三、一方のサイドラインの異常に備え、スタンバイ状態のサイドラインを確保する必要があるとき、複数のサイドラインを用いる。
【0053】
図5は、図4のローディング/アンローディング部材の動作を説明するための概路図である。
【0054】
図4及び図5を参照すれば、ローディング/アンローディング部材240は、2つのサイドライン204のうちの1つに異常が発生したとき、それぞれのサイドラインを停止させ(図5のサイドライン上に「×」で示した)、メインライン202から移送されて最終切断セクター121で切断されたシートガラスを積載空間242に臨時に積載し得る。このときシートガラスは包装され得るが、シートガラスが1次検査セクター127で検査される前に臨時的に包装されるため、左右サイドライン204の位置のみを区分して包装される。図5でそれぞれの直線上に示された四角形はコンベヤー150を表す。一方、異常が発生したサイドライン204が正常になった後は、積載空間242に積載したシートガラスを該当するサイドライン204に供給し得る。
【0055】
図6は、図4のレイアウトが正常状態であるときのガラス製造工程を説明するため、1次包装セクターの作動を示した概略図である。
【0056】
図4及び図6を参照すれば、工場の2階でガラス製造システムが正常的に作動すれば、1次包装セクター129は1次検査セクター127の判定に従ってシートガラスを2つの品質等級に区分し、それぞれの等級に該当するトレイ128に区分して包装する。
【0057】
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、適切な変形、改良などが可能であり、高温工程部、エッチング工程部、研磨工程部の個別的なセクターの順番の変更及び具体的な形状、寸法、形態、数、サイドラインの数などは本発明の目的を達成できる範囲内で任意に選択することができる。
【0058】
以上、本発明を限定された実施例と図面に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス成形原料が貯蔵されたバッチプラント、前記バッチプラントから供給されたガラス原料を溶融させて貯蔵するタンク、前記タンクから溶融ガラスの供給を受けてリボン状のガラスを成形するフロート槽、前記フロート槽で成形されたガラスリボンが通過しながら冷却される徐冷炉、および前記徐冷炉に連結された冷却終端を含む高温工程部と、
1次切断されて前記冷却終端から供給されるシートガラスを予め定められた最終規格のシートガラスに切断するための最終切断セクター、切断されたガラスを面取り処理してエッチングするための面取り及びエッチングセクター、および前記エッチングセクターによってエッチングされたガラスを検査する1次検査セクターを含むエッチング工程部と
を備え、
前記高温工程部と前記エッチング工程部とは単一のコンベヤーによって連結されて連続ラインを形成することを特徴とするフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項2】
前記高温工程部及び前記エッチング工程部は、工場の2階に配置されることを特徴とする請求項1に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項3】
前記エッチング工程部が、前記1次検査セクターによって検査された前記シートガラスを包装するためにその終端に設けられた1次包装セクターをさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項4】
前記1次包装セクターが、前記1次検査セクターによって検査された前記シートガラスを2つの品質等級に分離して包装することを特徴とする請求項3に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項5】
前記工場の1階に配置され、前記エッチング工程部の終端にその前端が連結される研磨工程部をさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項6】
前記研磨工程部が、研磨機を用いて前記シートガラスの少なくとも一面を研磨する研磨セクター、前記研磨セクターによって研磨されたガラスの表面を洗浄する洗浄セクター、及び洗浄されたガラスの表面を検査する最終検査セクターを備えることを特徴とする請求項5に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項7】
前記研磨工程部が、前記1次包装セクターによって包装された半製品形態の前記シートガラスをアンローディングするため、前記研磨工程部の前記前端に設けられたアンローディングセクターをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項8】
前記研磨工程部が、前記最終検査セクターによって検査された前記シートガラスを最終的に包装するため、その終端に設けられた最終包装セクターをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項9】
前記冷却終端が、少なくとも2つのサイドラインに分岐されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項10】
前記エッチング工程部が、複数の前記サイドラインに対応される少なくとも2つのラインを形成することを特徴とする請求項9に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項11】
前記サイドラインのうち少なくとも1つに異常が発生したとき、前記シートガラスを臨時に積載し、前記サイドラインが正常になったとき、前記シートガラスを前記サイドラインに供給するローディング/アンローディング部材をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載のフロートガラス製造システム用レイアウト。
【請求項12】
フロートガラス製造システムのフロートガラス処理方法において、
フロートガラス法によって高温工程部でリボン状のガラスを成形する(a)ステップと、
コンベヤーによって前記高温工程部に連結されたエッチング工程部で、冷却終端で1次切断されたシートガラスを予め定められた最終規格のシートガラスに切断した後、エッチングする(b)ステップと、
前記コンベヤーによって前記エッチング工程部に連結された研磨工程部で前記シートガラスを研磨する(c)ステップと、を含むことを特徴とするフロートガラス処理方法。
【請求項13】
前記(a)ステップ及び前記(b)ステップは工場の2階で連続的に行われ、
前記(c)ステップは前記工場の1階で行われることを特徴とする請求項12に記載のフロートガラス処理方法。
【請求項14】
前記(b)ステップが、
エッチングする前に前記シートガラスを面取り処理するステップと、
エッチングされた前記シートガラスを1次的に検査するステップと、
検査完了した前記シートガラスを1次包装するステップと、を含むことを特徴とする請求項12または13に記載のフロートガラス処理方法。
【請求項15】
前記(c)ステップが、
研磨機を用いて前記シートガラスの少なくとも一面を研磨する研磨ステップと、
研磨された前記シートガラスの表面を洗浄する洗浄ステップと、
洗浄された前記シートガラスの表面を検査する最終検査ステップと、を含むことを特徴とする請求項12から14の何れか1項に記載のフロートガラス処理方法。
【請求項16】
前記(c)ステップが、前記最終検査ステップによって検査された前記シートガラスを最終的に包装する最終包装ステップをさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のフロートガラス処理方法。
【請求項17】
前記(b)ステップ及び前記(c)ステップが、前記高温工程部の終端から分岐される少なくとも2つのサイドラインで並列的に行われることを特徴とする請求項12から16の何れか1項に記載のフロートガラス処理方法。
【請求項18】
前記サイドラインのうち少なくとも1つに異常が発生したとき、前記シートガラスを臨時に積載するステップと、
前記サイドラインが正常になったとき、前記シートガラスを前記サイドラインに供給するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項17に記載のフロートガラス処理方法。
【請求項19】
請求項12から請求項18のうちいずれか1項に記載の方法によって製造されたフロートガラス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−162434(P2011−162434A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25147(P2011−25147)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)