説明

フロートガラス製造用フロート槽、及びフロート槽の冷却方法

【課題】フロートガラス製造用フロート槽の溶融金属を貯蔵する煉瓦を囲むボトムケーシングを冷却させる構造が改善したフロートガラス製造用フロート槽、及びフロート槽の冷却方法を提供する。
【解決手段】フロートガラス製造用フロート槽に関するものであって、溶融金属M上にフロートガラスGを浮遊した状態で進行させることができるように溶融金属Mが貯蔵可能であり、複数の煉瓦Bから構成された煉瓦組立体110と、煉瓦組立体110の外側を区画するボトムケーシング120と、ボトムケーシング120の方へと冷却空気が供給可能にボトムケーシング120から離隔して設けられた送風機130とを備え、送風機130は、ボトムケーシング120を予め決定された温度に冷却させるために、約30mmの直径をそれぞれ有し、約250mmから300mmの間隔(ピッチ)で配置された複数のノズル132を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フロートガラス製造用フロート槽(float bath)、及びフロート槽の冷却方法に関するものであって、より詳しくは、溶融金属を貯蔵する煉瓦を囲むボトムケーシングを冷却させる構造が改善したフロートガラス製造用フロート槽、及びフロート槽の冷却方法に関する。
【0002】
本出願は、2010年8月12日出願の韓国特許出願第10‐2010‐0077856号に基づく優先権を主張し、該当出願の明細書および図面に開示された内容は、すべて本出願に援用される。
【背景技術】
【0003】
一般に、フロートガラス法による板ガラスの製造装置は、フロート槽に貯蔵されて流動する溶融金属上に溶融ガラスを連続的に供給し、溶融金属上に溶融ガラスを浮遊した状態で進行させながらガラスリボンを成形し、フロート槽の出口に隣接した徐冷炉に向けてガラスリボンを引っ張ることで、一定幅及び厚さを有する帯(リボン)状の板ガラスを製造する装置である。
【0004】
ここで、溶融金属は、例えば、溶融錫または溶融錫合金を含んでおり、溶融ガラスより比重が大きく、還元性水素(H)及び/または窒素(N)ガスで充填されたフロートチャンバー(float chamber)内に収容されている。フロートチャンバーは、溶融金属が貯蔵されているボトムと、ボトムを覆っているルーフとを含む。また、溶融金属を収容するボトム(またはフロート槽)は特殊耐火材料が内蔵された、長さ方向に延びた構造になっている。溶融ガラスはフロート槽の上流側から下流側に向けて移動しながら、溶融金属の表面でガラスリボンとして成形され、フロート槽の下流側に設定された離隔位置(以下、テイクオフポイント(take off point)とする)で溶融金属から離されて引き上げられ、次の工程の徐冷炉に向けて送られる。
【0005】
一方、フロートチャンバー内の溶融金属は高温(約600℃〜1,100℃)状態に維持され、溶融金属の溶融温度は232℃であるため、フロート槽のボトムは所定温度に冷却させる必要がある。なぜなら、溶融金属とカーボンスチール材質のベースケーシングとの間に反応が生じてベースケーシングに穴が開いて溶融金属がフロート槽の外部に流出する危険性が存在するからである。また、品質面において、フロート槽内部の温度変化(例えば、−5℃〜+5℃)は溶融金属の流動を変化させ、気泡が生じるようになる。このような現象は最終的なフロートガラス製品の表面欠陥(OBB(Open Bottom Bubble)またはBOS(Bottom Open Seed))の原因になる。したがって、フロート槽で生産される最終的なフロートガラス製品は特に品質面において、またはOBB面において、フロート槽内部の温度分布を均一に維持する必要がある。
【0006】
ところが、従来のフロート槽システムは、送風機(air blower)を利用して冷却空気をボトムケーシングに吹き込むことでフロート槽のボトムを冷却させる方式を採用する。このような従来の送風機を利用した冷却装置は複数のノズルを利用している。ここで、それぞれのノズルの直径は約60mmであり、ノズル間のピッチは約500mmであり、ノズルの端とボトムケーシングとの間隔は約300mmである。このような従来のフロート槽システムのボトムの温度を測定してみれば、ボトムの最大温度が146.8℃であり、ボトムの最小温度が69.1℃であり、その平均温度が103.5℃である。これは、従来のフロート槽のボトムを冷却させるための送風機のノズルの直径が大きすぎ、ピッチが大きすぎ、ノズルとボトムケーシングとの間隔が大きすぎることから、温度の均一性維持に問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものであって、フロート槽を冷却させるための送風機の冷却空気の流量、入口温度が一定であると仮定した上で、送風機ノズルの適切な直径、ノズル間のピッチ、及びノズルとボトムケーシングとの適切な間隔を提示することで、フロート槽のボトムケーシング温度の均一性が維持できるように構造が改善したフロートガラス製造用フロート槽、及びフロート槽の冷却方法を提供することをその技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を達成するために、本発明の例示的実施例によるフロートガラス製造用フロート槽は、溶融金属上にフロートガラスを浮遊した状態で進行させることができるように溶融金属が貯蔵可能であり、複数の煉瓦から構成された煉瓦組立体(brick assembly)と、上記煉瓦組立体の外側を区画するボトムケーシングと、上記ボトムケーシングの方へと冷却空気が供給可能に上記ボトムケーシングから離隔して設けられた送風機とを備え、上記送風機は、上記ボトムケーシングを予め決定された温度に冷却させるために、約30mmの直径をそれぞれ有し、約250mmから300mmの間隔(ピッチ)で配置された複数のノズルを備える。
【0009】
望ましくは、上記ノズルは、上記ボトムケーシングから約100mmから200mmの間隔で離隔して設けられる。
【0010】
上記のような課題を達成するために、本発明の例示的実施例によるフロートガラス製造用フロート槽の冷却方法は、溶融金属上にフロートガラスを浮遊した状態で進行させることができるように溶融金属が貯蔵可能な煉瓦組立体を囲むボトムケーシングの下部に設けられた複数のノズルから供給されるエアを利用して上記ボトムケーシングを冷却させる方法において、(a)上記ノズル間の予め決定されたピッチを調節するステップと、(b)上記ノズルそれぞれの直径を調節するステップと、(c)上記ノズルと上記ボトムケーシングとの距離を調節するステップのうち、少なくとも何れか一つのステップによって冷却均一度を維持させる。
【0011】
望ましくは、上記(a)ステップは、上記ピッチを約250mmから300mmの範囲に維持させる。
【0012】
望ましくは、上記(b)ステップは、上記ノズルそれぞれの直径を約30mmに維持させる。
【0013】
望ましくは、上記(c)ステップは、上記ノズルと上記ボトムケーシングとの間隔を約100mmから200mmの範囲に維持させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によるフロートガラス製造用フロート槽、及びフロート槽の冷却方法は、送風機ノズルの直径、及びノズル間のピッチを従来より小さく構成し/またはノズルとボトムケーシングとの間隔を従来より近く維持させることで、定められた冷却空気の流量、入口温度の条件下で、最適の冷却効果が期待できる。
【0015】
したがって、フロート槽のボトムケーシングを有効温度範囲内で均一化できることから、最終的に生産されるフロートガラス製品の品質をさらに高めることができ、工程の安定性も期することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書に添付される下記の図面は本発明の望ましい実施例を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項にのみ限定されて解釈されてはいけない。
【図1】本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造用フロート槽の構成を概略的に示す正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造用フロート槽のボトムケーシングの温度分布と従来例とを比較した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書及び請求範囲に使われた用語や単語は通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはいけず、発明者は自らの発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に則して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念とに解釈されなければならない。従って、本明細書に記載された実施例は本発明の最も望ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想の全てを代弁するものではないため、本出願時点においてこれらに代替できる多様な均等物と変形例があり得ることを理解しなければならない。
【0018】
以下、添付した図面を参照しながら本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造用フロート槽、及びフロート槽の冷却方法を詳しく説明する。
【0019】
図1は本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造用フロート槽の構成を概略的に示す正面図であり、図2は図1の側面図である。
【0020】
図1及び図2を参照すれば、本実施例によるフロートガラス製造用フロート槽100は、溶融金属Mを貯蔵できるように複数の煉瓦Bが連結されて形成する煉瓦組立体110と、煉瓦組立体110の外側を囲むように設置されたスチール材質のボトムケーシング120と、ボトムケーシング120を冷却させるために冷却空気をボトムケーシング120側に噴射できる送風機130とを備える。
【0021】
本実施例によるフロート槽100は、いわゆる、フロートガラス法によってフロートガラスを製造するためのものであって、下部のボトム112、ボトム112の上部を覆い、電気抵抗加熱要素114が設けられたルーフ116、入口111、及び出口113を含む密閉された構造のフロートチャンバー118を備える。
【0022】
ボトム112には、溶融錫、溶融錫合金などの溶融金属Mが貯蔵される。溶融炉から入口111を通じて供給される溶融ガラスGは敷居117と水平調整トゥイール(tweel)119とを通じて計量されてフロートチャンバー118の内部に流入する。溶融ガラスGがフロートチャンバー118の上流側(図面の左側)から下流側(図面の右側)に移動する過程で、溶融金属Mは溶融ガラスGによって流動される。また、溶融金属Mはフロートチャンバー118内部の温度勾配によって比較的高温に保持されるフロートチャンバー118の上流側から下流側に流動すると同時に、フロートチャンバー118の長手方向の中心からその両側に流動する。溶融ガラスGは上流側から下流側に向いて移動しながら好適な厚さ及び幅を持つリボン状のガラスリボンGに成形され、フロートチャンバー118の出口113側に設けられたリフトアウトローラー115によって引き上げられ、テイクオフポイントで溶融金属Mの表面から離される。リフトアウトローラー115を通過したガラスリボンGは次の工程の徐冷炉(図示せず)に送られる。
【0023】
フロートチャンバー118の内部雰囲気は窒素と水素との混合気体からなり、このような混合気体は外部大気より若干高い圧力で維持され、溶融金属M及びリボン状の溶融ガラスGは電気抵抗加熱要素114によって約800〜1300℃程度に維持される。溶融ガラスGは無アルカリガラスまたはソーダ石灰ガラス(soda‐lime glass)などである。フロートチャンバー118内部における溶融金属Mの流動発生原理と構造、及び溶融ガラスGの投入、リボン化、移動及び排出などは一般的なフロートガラス法で公知されているため、本実施例ではその詳細な説明を省略する。
【0024】
上記煉瓦組立体110は、例えば、耐火煉瓦のような複数の煉瓦Bがライニング結合されたものであり、溶融金属Mを直接貯蔵しているボトムライニング煉瓦と、このようなボトムライニング煉瓦を囲み、ボトムケーシング120の内面と接触するように配列されたボトム絶縁煉瓦とを含み得る。この場合、ボトムライニング煉瓦とボトム絶縁煉瓦の間には無機接着剤が充填されることが望ましい。煉瓦組立体110を構成する煉瓦B同士の間隔は、煉瓦の加熱による膨張などを考慮して決定することが望ましい。また、煉瓦Bには溶融金属Mに対する耐食性、溶融ガラス(G)内に含まれるKOやNaOに対する耐アルカリ性、ガラス製品の温度変化に対応する耐スポーリング性(spalling resistance)などが求められる。また、煉瓦組立体110は、フロートチャンバー118のボトム112を形成するボトム煉瓦Bと、その側面を形成するサイド煉瓦Bとからなる。
【0025】
上記ボトムケーシング120は、ボトム煉瓦Bの外周面を囲むように設けられたベースケーシング122と、サイド煉瓦Bを囲み、ベースケーシング122と連結されたサイドケーシング124とを含む。ボトムケーシング120は煉瓦組立体110を支持できる程度の剛性と厚さを持つ通常の金属で製造することが望ましい。
【0026】
上記送風機130は、フロート槽100を支持する支持フレーム(図示せず)と、フロート槽100のボトム112、すなわち、ボトムケーシング120の下面との間の空間に一定パターンで配置されたノズル132を通じて抜け出る冷却空気によってボトムケーシング120を所定温度に冷却させるためのものであって、例えば、ファンのような駆動源によって駆動される。すなわち、フロートチャンバー118内部の高温雰囲気によって加熱される煉瓦組立体110及びボトムケーシング120は送風機130によって冷却される。
【0027】
送風機130のノズル132は、ガラスリボンGの品質面(BOS)においてフロート槽100の均一な温度分布を維持するために、適切なパターンで設計することが望ましい。本発明の望ましい例示的実施例において、それぞれのノズル132の直径(D)は約30mmである。従来のノズルの直径に比べて約1/2に減少した大きさである。
【0028】
望ましい実施例において、ノズル132間のピッチ(P)は約250mmから300mmに維持される。ノズル132間のピッチ(P)が250mmより小さい場合、必要となるノズル132の数が多すぎて非効率的であり、ピッチ(P)を300mmより大きくすれば、均一な冷却効果が得られなくなる。
【0029】
望ましい実施例において、ノズル132とボトムケーシング120の下面との間隔(H)は約100mmから200mmに維持されるように送風機130が設けられる。ノズル132とボトムケーシング120との間隔(H)が100mmより小さくなるように送風機130を位置させれば、ノズル132から噴射される冷却空気の流動がボトムケーシング120の下面に均一に分散できず、ノズル132の孔の中心に対応するボトムケーシング120の表面に集中するため非効率的であり、ノズル132とボトムケーシング120との間隔(H)を200mmより大きくすれば、その分冷却空気の損失が発生して均一な冷却効果が得られなくなる。
【0030】
もちろん、前述の実施例において、ノズル132の直径(D)、ピッチ(P)、及びノズル132とボトムケーシング120との間隔(H)は、送風機130を通じて吹き込まれる冷却空気の流量が同一であり、また冷却空気の入口温度が同一であるということを前提としているのは当業者に十分理解できるであろう。
【0031】
[表1]は、本発明の望ましい実施例によるノズルサイズ、及びノズルとボトムケーシングとの間隔などを、従来技術である比較例と比較したものである。
【表1】

【0032】
図3は、本発明の望ましい実施例によるフロートガラス製造用フロート槽のボトムケーシングの温度分布と従来例とを比較した写真である。
【0033】
図3を参照すれば、図面の左側は本発明の望ましい実施例によるボトムケーシングの温度分布を示し、図面の右側は従来技術の比較例におけるボトムケーシングの温度分布を示す。図3の左側に示すボトムケーシングの温度分布を見てみると、濃色で表された低温領域は右側の比較例と比較すれば、より密に配列されており、淡色の高温領域が存在しないという点に特徴がある。従って、本発明によれば、ノズルの直径を従来に比べて1/2にし、ノズルのピッチを従来に比べて約1/2にし、ノズルとボトムケーシングとの間隔を従来に比べて約1/3にすることで、従来よりも一層均一な温度分布が得られることがわかる。
【0034】
[表2]は、上記[表1]に従って測定されたフロート槽のボトムケーシングの温度改善効果を示す。
【表2】

【0035】
[表2]から確認できるように、本発明の望ましい実施例によるフロート槽のボトムケーシング温度(平均、最大、最小)は比較例に比べて十分低くなったことがわかる。また、ボトムケーシングの最大及び最小温度差も比較例に比べて温度範囲が非常に小さくなったことがわかる。従って、本発明の実験例によれば、本発明のボトムケーシングの温度は、従来技術による比較例に比べて、より一層均一になる。
【0036】
本発明の望ましい例示的実施例によるフロートガラス製造用フロート槽の冷却方法は、溶融金属M上にフロートガラスを浮遊した状態で進行させることができるように溶融金属が貯蔵可能な煉瓦組立体110を囲むボトムケーシング120の下部に設けられた複数のノズル132から供給されるエアを利用して上記ボトムケーシング120を冷却させる方法において、(a)ノズル132間の予め決定されたピッチ(P)を調節するステップと、(b)ノズル132それぞれの直径(D)を調節するステップと、(c)ノズル132とボトムケーシング120との距離を調節するステップのうち、少なくとも何れか一つのステップによって冷却均一度を維持できる。すなわち、本実施例による方法は、ノズル132の直径(D)を小さくしノズル132間のピッチ(P)を小さくするか、或いはノズル132とボトムケーシング120との間隔(H)を小さくすることである。
【0037】
ここで、上記(a)ステップは、ピッチを約250mmから300mmの範囲に維持させることである。また、上記(b)ステップは、ノズル132それぞれの直径(D)を約30mmに維持させることである。そして、上記(c)ステップは、ノズル132とボトムケーシング120との間隔(H)を約100mmから200mmの範囲に維持させることである。
【0038】
上述のような条件で、フロートチャンバー118内部に投入される溶融ガラスGは、フロート槽100のボトムケーシング120の均一な温度分布の維持により、ガラスリボンGの成形中に発生し得るBOSのレベルを低めることができることから、より良い品質のフロートガラスを製造することが可能である。
【0039】
以上のように、本発明は、たとえ限定された実施例と図面とによって説明されたが、本発明はこれによって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を持つ者により本発明の技術思想と特許請求範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能なのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0040】
M…溶融金属
G…溶融ガラス、ガラスリボン
B…煉瓦
110…煉瓦組立体
111…入口
112…ボトム
113…出口
114…加熱要素
115…リフトアウトローラー
116…ルーフ
117…敷居
118…フロートチャンバー
119…水平調整トゥイール
120…ボトムケーシング
122…ベースケーシング
124…サイドケーシング
130…送風機
132…ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属上にフロートガラスを浮遊した状態で進行させることができるように溶融金属が貯蔵可能であり、複数の煉瓦から構成された煉瓦組立体と、
上記煉瓦組立体の外側を区画するボトムケーシングと、
上記ボトムケーシングの方へと冷却空気が供給可能に上記ボトムケーシングから離隔して設けられた送風機とを備え、
上記送風機は、上記ボトムケーシングを予め決定された温度に冷却させるために、30mmの直径をそれぞれ有し、250mmから300mmの間隔(ピッチ)で配置された複数のノズルを備えることを特徴とするフロートガラス製造用フロート槽。
【請求項2】
上記ノズルは、上記ボトムケーシングから100mmから200mmの間隔で離隔して設けられたことを特徴とする請求項1に記載のフロートガラス製造用フロート槽。
【請求項3】
溶融金属上にフロートガラスを浮遊した状態で進行させることができるように溶融金属が貯蔵可能な煉瓦組立体を囲むボトムケーシングの下部に設けられた複数のノズルから供給されるエアを利用して上記ボトムケーシングを備えたフロートガラス製造用フロート槽を冷却させる方法において、
(a)上記ノズル間の予め決定されたピッチを調節するステップと、
(b)上記ノズルそれぞれの直径を調節するステップと、
(c)上記ノズルと上記ボトムケーシングとの距離を調節するステップのうち、少なくとも何れか一つのステップによって冷却均一度を維持させることを特徴とするフロートガラス製造用フロート槽の冷却方法。
【請求項4】
上記(a)ステップは、上記ピッチを250mmから300mmの範囲に維持させることを特徴とする請求項3に記載のフロートガラス製造用フロート槽の冷却方法。
【請求項5】
上記(b)ステップは、上記ノズルそれぞれの直径を30mmに維持させることを特徴とする請求項3または4に記載のフロートガラス製造用フロート槽の冷却方法。
【請求項6】
上記(c)ステップは、上記ノズルと上記ボトムケーシングとの間隔を100mmから200mmの範囲に維持させることを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載のフロートガラス製造用フロート槽の冷却方法。
【請求項7】
請求項3から請求項6のうち何れか1項に記載の方法に従って冷却されたフロートガラス製造用フロート槽において冷却されて製造されたフロートガラス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−41262(P2012−41262A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176149(P2011−176149)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)