説明

フローラルおよび/またはアニスタイプの芳香成分

本発明は、例えばフローラルおよび/またはグリーンタイプの香気のノートを付与するために、式 [式中、Rがフェニルのオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表す; R1は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す; R2は水素原子またはC1〜C3−アルキル基を表す; およびXはCHO、COOR3、CH(OR42またはCN基を表し、R3はメチルまたはエチル基であり、且つ、R4は別々に、メチルまたはエチル基であるか、または前記R4は共に、C2〜C5−アルケンジイル基である; 且つ、少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す] の化合物を芳香成分として用いる使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、香料業の分野に関する。より特定には、それは3−フェニル−4−ペンテナールのC12〜C17置換された誘導体に関連する。
【0002】
本発明は、前記の化合物の香料業における使用、並びに前記の化合物および前記の化合物のいくつかを含有する組成物または物品にも関連する。
【0003】
先行技術
我々の知る限り、本発明の化合物のいずれも芳香成分としては記載されていない。
【0004】
本発明の化合物の中で、2つだけが先行技術において公知である、4−メチル−3−フェニル−4−ペンテナール (K.Maruoka et al, J.A.C.S,1994,116,4131内参照)および2,4−ジメチル−3−フェニル−4−ペンテナール (S.Gladiali et al, Chimica e Industria,1981,63,506内参照)。両方の化合物が単純な化学的化合物として開示されており、それらの文献のいずれも芳香成分としての前記の化合物の使用を予想していない。
【0005】
我々の知る限り、公知の芳香成分の中で、近い構造類似物としてみなすことができるものはない。
【0006】
発明の詳細な説明
我々は今回、驚くべきことに式
【化1】

[式中、
Rはフェニルのオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表す;
1は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す;
2は水素原子またはC1〜C3−アルキル基を表す; 且つ、
XはCHO、COOR3、CH(OR42またはCN基を表し、R3はメチルまたはエチル基であり、且つ、R4は別々に、メチルまたはエチル基であるか、または前記R4は共に、C2〜C5−アルケンジイル基である; 且つ、
少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す]
の化合物を、芳香成分として、例えばフローラルおよび/またはグリーンタイプの香気のノートを付与するために使用できることを発見した。
【0007】
本発明の特定の実施態様によれば、前記の本発明の化合物は、合計で12、13または14個の炭素原子を有するものであり、好ましくは、それはC13〜C14−化合物である。
【0008】
本発明の特定の実施態様によれば、前記の本発明の化合物はR1およびR2の1つがメチル基であり、且つ、他が水素原子またはメチル基であるものである。
【0009】
本発明の特定の実施態様によれば、前記の本発明の化合物は、前記R、R1またはR2の少なくとも2つが少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表すものである。
【0010】
本発明の特定の実施態様によれば、前記化合物(I)は、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子、またはメトキシ、メチルまたはエチル基を表し;
1がメチルまたはエチル基を表し;
2が水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
XがCHO、COOR3またはCN基を表し、R3がメチルまたはエチル基であるものである。
【0011】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)は、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、メトキシ、メチルまたはエチル基を表すものである。
【0012】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)はR基がメチルまたはエチル基であるものである。
【0013】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)は、R基がパラ、メタまたはオルト置換基であり、且つ特にパラまたはメタ置換基、またはそれらの混合物であるものである。本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記化合物(I)は、パラまたはメタ異性体の混合物の形態であり、且つ、パラ異性体が前記の混合物の少なくとも90質量%、またはさらに少なくとも95%を占めるものである。
【0014】
本発明の上記の実施態様の任意の1つによれば、前記の本発明の化合物は、XがCHO基を表すものである。
【0015】
我々の知る限り、XがCHOまたはCN基である式(I)の化合物は新規であり、従って、上記で挙げた2つを除き、本発明の対象である。
【0016】
本発明の特定の実施態様によれば、前記の新規化合物は、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ、特にパラ置換基であり、且つメチルまたはメトキシ基を表し、R1がメチルまたはエチル基を表し、R2が水素原子またはメチルまたはエチル基を表し、且つXがCHO基を表すものである。
【0017】
上記の実施態様のいずれかによれば、前記化合物(I)がその立体異性体の任意の1つの形態、またはそれらの混合物の形態であってよいことも理解される。
【0018】
本発明の化合物の特定の例として、限定されない例として、2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを挙げることができ、それは、フルーティ−ヘキセナール−リンゴの態様と共に、アルデヒド、フローラル(マーガレット)、パウダリー−アニスの香気特性を有する。この化合物は、アニス、アロマの(バジル)、バーベナ、グリーン、および非常にアルデヒドノートのタイプの、興味深いボトムノートも付与する。
【0019】
非常に異なる化学的構造を有するにもかかわらず、前記の化合物は、公知の芳香成分3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナールによって付与されるものと3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナールによって付与されるものとの間にあるとみなすことができる香気を付与する。しかしながら、本発明の化合物は、挙げられた公知の2つの成分よりも強力で且つ実質的であり、且つ、実施例に示される新規の嗅覚効果を可能にする。
【0020】
この化合物は、特に調香師によって賞賛される本発明の実施態様を表す。
【0021】
他の例として、4−メチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを挙げることができ、それはグリーン、フローラルおよびアニスの香気を有する。その香気は、Trifernal(登録商標)(Firmenich SAの商標: 3−フェニルブタナール)のものと、2,4,6−トリメチル−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド (Arctander N°761))のものとの間であり、さらにカルボン、アニスのノートを伴う。本発明の化合物は、非常に実質的な香気を有する。
【0022】
本発明の化合物の他の特定の、しかし限定されない例として、以下の表1内のものを挙げることができる:
【表1−1】

【0023】
【表1−2】

【0024】
本発明の特定の実施態様によれば、式(I)の化合物は、2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールまたは4−メチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、並びに4−メチル−3−フェニル−4−ペンテナールである。
【0025】
上記の表からわかる通り、本発明の化合物の正確な調性が化合物の精密な構造によって変化することがあるにもかかわらず、グリーンおよび/またはフローラルタイプのノートが特徴的である。Rがメチル基であり、且つXがCHO基である場合、化合物(I)は非常に賞賛されるアニスのノートを有する。
【0026】
上述の通り、本発明は式(I)の化合物の芳香成分としての使用に関する。言い換えれば、芳香組成物または着香物品の香気特性を付加し、強化し、改善または修正する方法であって、少なくとも前記の組成物または物品に効果的な量の式(I)の化合物を添加することを含む方法に関する。「式(I)の化合物の使用」とは、ここで、化合物(I)を含有する任意の組成物の使用としても理解されるべきであり、且つ、香料産業において活性成分として有利に用いることができる。
【0027】
実際に、芳香成分として有利に用いることができる前記の組成物も、本発明の対象である。
【0028】
従って、本発明の他の対象は、以下を含む芳香組成物である:
i) 芳香成分として、上記で定義された少なくとも1つの本発明の化合物;
ii) 香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分; および
iii) 場合により少なくとも1つの香料補助剤。
【0029】
「香料担体」とは、ここで、香料の観点から実質的に中性である、即ち、芳香成分の官能特性を著しく変更しない材料を意味する。前記の担体は液体または固体であってよい。
【0030】
液体担体としては、限定されない例として、乳化系、即ち、溶剤および界面活性剤系、または香料業において一般に使用される溶剤を挙げることができる。香料業において一般に使用される溶剤の性質および種類の詳細な説明は、網羅できない。しかしながら、限定されない例として、溶剤、例えばジプロピレングリコール、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、安息香酸ベンジル、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノールまたはクエン酸エチルを挙げることができ、それらが最も一般的に使用されている。
【0031】
固体担体として、限定されない例として、吸収ゴムまたはポリマー、またはさらにカプセル化された材料を挙げることができる。かかる材料の例は、壁形成材料および可塑化材料、例えば単糖類、二糖類または三糖類、天然または化工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質またはペクチン、またはさらに参考文献、例えばH.Scherz, Hydrokolloids:Stabilisatoren,Dickungs− und Geliermittel in Lebensmittel,Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie,Lebensmittelqualitaet,Behr’s Verlag GmbH & Co.,ハンブルグ,1996内に挙げられている材料を含んでよい。カプセル化は当業者によく知られた方法であり、且つ、例えば噴霧乾燥、凝塊形成またはさらに押出しなどの技術を使用して実施できるか、または、例えばコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含む、被覆カプセル化からなる。
【0032】
「香料ベース」とは、ここで、少なくとも1つの芳香相互成分を含む組成物を意味する。
【0033】
前記の芳香相互成分は、式(I)のものではない。さらに、「芳香相互成分」とは、ここで、芳香調製物または組成物中で快い効果を付与するために使用される化合物を意味する。言い換えれば、芳香性のものであるとしてみなされるかかる相互成分は、当業者によって、良い方向にまたは心地よく、組成物の香気を付与または修正でき、且つ、単に香気を有するだけではないとして認識されなければならない。
【0034】
ベース中に存在する芳香相互成分の性質および種類は、ここでより詳細な説明を請け負わず、それはいずれにせよ網羅できず、当業者はその一般的な知識に基づき、且つ、意図される使用または用途および所望の官能効果によって、それらを選択できる。一般的な用語においては、これらの芳香相互成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素含有または硫黄含有複素環式化合物および精油にまでわたる化学的分類に属し、且つ、前記の芳香相互成分は天然または合成由来であってよい。これらの相互成分の多くはいずれにせよ、参考文献、例えばS.Arctanderによる本、Perfume and Flavor Chemicals、1969、Montclair、ニュージャージー、米国、またはそのより最近の版、または同様の性質の他の著作、並びに香料業の分野における豊富な特許文献内に列記されている。前記の相互成分は、様々な種類の芳香化合物を制御して放出することが知られている化合物であってもよいとも理解される。
【0035】
香料担体と香料ベースとの両方を含む組成物のために、先に特定されたものの他の適した香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標Isopar(登録商標) (製造元: Exxon Chemical)の下で公知のもの、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば商標Dowanol (登録商標)(製造元: Dow Chemical Company)の下で公知のものであってもよい。
【0036】
「香料補助剤」はここで、追加的に加えられる利益、例えば色、特定の耐光性、化学的安定性などを付与できる成分を意味する。芳香ベース中で一般に使用される補助剤の性質および種類の詳細な説明は網羅できないが、しかし、前記の成分は当業者にはよく知られていることに言及しなければならない。
【0037】
式(I)の少なくとも1つの化合物および少なくとも1つの香料担体からなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施態様、並びに少なくとも1つの式(I)の化合物、少なくとも1つの香料担体、少なくとも1つの香料ベース、および随意に少なくとも1つの香料補助剤を含む芳香組成物を表す。
【0038】
上述の組成物において、式(I)の1つより多くの化合物を有する可能性が重要であることに言及することが有用であり、なぜなら、それは調香師が本発明の様々な化合物の香気の調性を有する調和物、香料を調製することを可能にし、従って彼らの仕事のための新規のツールを創出するからである。
【0039】
好ましくは、例えば適切な精製をしないで、化学合成から直接的に得られる任意の混合物(その中に本発明の化合物が出発、中間または最終生成物として含まれることがある化合物)は、本発明による芳香成分としてみなされ得ない。
【0040】
さらには、前記の化合物(I)が添加される消費者製品の香気を良い方向に付与するかまたは修正するために、本発明の化合物を現代の香料業の全ての分野において有利に使用することもできる。それ故に、
i) 芳香成分として上記で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物、または本発明の芳香組成物; および
ii) 消費者製品ベース;
を含む着香物品も、本発明の対象である。
【0041】
明確性のために、「消費者製品ベース」とは、ここで、芳香成分と適合性のある消費者製品を意味することに言及するべきである。言い換えれば、本発明による着香物品は、機能性配合物、並びに、随意に追加的な利益剤(benefit agent)を含み、消費者製品、例えば洗剤または空気清浄剤に相応し、且つ、嗅覚的に有効な量の少なくとも1つの本発明の化合物を含む。
【0042】
消費者製品の成分の性質および種類は、ここではより詳細な説明を請け負わず、いずれにせよそれは網羅できず、当業者はその一般的な知識に基づき、且つ前記の製品の性質および所望の効果によってそれらを選択できる。
【0043】
適した消費者製品ベースの例は、固体または液体の洗剤および布地用柔軟剤、並びに香料業において一般的な他の物品、即ち香料、コロンまたはアフターシェーブローション、着香石鹸、シャワーまたはバスソルト、ムース、オイルまたはゲル、衛生製品またはヘアケア製品、例えばシャンプー、ボディケア製品、消臭剤または制汗剤、空気清浄剤およびさらに化粧品を含む。洗剤の場合、それが家庭用のために意図されているかまたは産業用途のために意図されているかにかかわらず、意図された用途、例えば、様々な表面を洗い上げるかまたは洗濯するための洗剤組成物または洗浄製品があり、例えばテキスタイル、皿または硬質表面用に意図されている。他の着香物品は、布地用柔軟剤、布地用清浄剤、アイロン水、紙、ワイプまたは漂白剤である。
【0044】
上述の消費者製品ベースのいくつかは、本発明の化合物について攻撃的な媒体を表すことがあり、従って、後者を例えばカプセル化によって時期尚早な分解から保護することが必要である場合がある。
【0045】
様々な上述の物品または組成物中に混合できる、本発明による化合物における割合は、広範な値に及ぶ。それらの値は着香される物品の性質、および所望の官能効果、並びに、本発明による化合物が当該技術分野で通常使用される芳香相互成分、溶剤または添加剤と混合される場合、所定のベース中での相互成分の性質に依存する。
【0046】
例えば、芳香組成物の場合、典型的な濃度は、0.001質量%〜10質量%のオーダーであるか、またさらには、それが混合される組成物の質量に対する本発明の化合物のオーダーである。それらの化合物が着香物品中に混合される場合、それより低い濃度、例えば0.001質量%〜1質量%のオーダーを使用でき、該パーセンテージは物品の質量に対するものである。
【0047】
本発明の化合物を、還元によってアルコールに変換され、最終的に前記のアルコールの酸化で本発明のアルデヒドに変換され得る本発明のエステルの調製を含む方法によって調製できる。該アルデヒドを引き続き、本発明によれば当該技術分野で公知の標準的な方法を使用して、アセタールまたはシアニドに転換できる。エステル自体を、適切なオルトエステルと適切なアリル−ベンジルアルコールとを、クライゼン転位条件下で、下記に示されるスキームの通りに反応させることによって調製することができる:
【化2】

かかる方法論を使用して、本発明によるアルコールおよびエステルも式(I)のアルデヒドおよびシアニドを製造するために価値のある中間物である。
【0048】
選択的に、本発明の化合物を以下のキー段階を含む工程によって得ることができる:
【化3】

【0049】
アルデヒドをその後、標準的な方法を使用して、所望の本発明の化合物に転換できる。
【0050】
全ての前記の方法論の例を、以下の実施例内に提供する。
【0051】
実施例
本発明を、以下の実施例を用いてさらに詳細に説明し、ここで、省略形は当該技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示される; NMRスペクトルのデータは(特段述べられない限り)CDCl3において、360または400MHz機を用いて1Hおよび13Cについて記録され、ケミカルシフトδは標準としてのTMSに対するppmで示され、結合定数JはHzで表される。
【0052】
実施例1
式(I)の化合物の合成
1−[(1E)−3−(アリルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−4−メチルベンゼン
固体のカリウムtert−ブチレート(47g、0.411mol)を、E−3−(4−メチルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール(68.05g、0.420mol)の乾燥THF(800ml)中の溶液に、窒素下、室温で、小分けにして添加した(30℃に発熱)。室温でさらに1時間後、該反応物を5℃に冷却し、且つ、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(7.9g、0.021mol)を滴下し、次に臭化アリル(102.6g、0.840mol)を滴下した。該反応物を終夜、室温まで温め、且つ、水(800ml)に注いだ。該反応物を酢酸エチルで2回抽出した。各有機相を水およびブラインを用いて洗浄した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物を、真空下で20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留によって精製した。79gの所望の生成物が得られた(収率=93%)。B.P.=82℃/0.001mbar

【0053】
2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール
1−[(1E)−3−(アリルオキシ)−2−メチル−2−プロペニル]−4−メチルベンゼン(72.7g、0.359mol)、[RuCl2(PPh33](1.1mg)、BHT(50mg)およびベンゼン(250ml)を共に、165〜170℃の油浴内に設置されたオートクレーブ内で24時間加熱した。室温への冷却後、ベンゼンを真空下で蒸発させ、且つ、残留物をシリカゲル上でクロマトグラフし(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1ないし4:1)、その後、真空下で20cmのウィドマーカラム通じて蒸留した。21.3gの所望の生成物が、ジアステレオ異性体の40:60の混合物として得られた(収率29%)。B.P.=95℃/0.001mbar

【0054】
4−メチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール
(3E)−(4−メチルフェニル)−2−メチル−2−プロペン−1−オール(17.33g、0.102mol)、トリ(エチレングリコール)ジビニルエーテル(Aldrich 98%、20.5g、0.102mol)および酢酸水銀(II)(1g、0.003mol)を共に、窒素下で155〜160℃(浴温)にて3時間加熱した。室温への冷却後、反応物をヘプタンで希釈し、水を用いて洗浄した(3回)。各水相をヘプタンで再抽出した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ヘプタンを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。粗生成物を、カラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル (11:1))、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(81℃/0.002mbar)。8.71gの所望の生成物が得られた(収率=43%)。
【0055】

【0056】
メチル 4−メチル−3−フェニル−4−ペンテノエート
3−フェニル−2−メチル−2−プロペン−1−オール(50g、0.32mol)およびトリメチルオルトアセテート(263g、2.2mol)を共に、145℃の浴内のプロピオン酸(0.3ml)の存在中で6時間加熱した一方、反応の間に形成されたメタノールを蒸留した。残留メタノールおよび過剰なオルトアセテートを真空下で除去後、生成物を20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留によって精製した。80gの所望の生成物が得られた(収率=78%)。B.P.=55℃/0.001mbar

【0057】
4−メチル−3−フェニル−4−ペンテン−1−オール
メチル 4−メチル−3−フェニル−4−ペンテノエート(258.3g、1.251mol)を、0℃、窒素下で、乾燥THF(1リットル)中の水素化リチウムアルミニウム(25g、0.625mol)に滴下した。30分後、冷却浴を除去し、且つ、該反応物を室温に到達させた。24時間後、さらなるTHF(1リットル)を添加し、且つ、該反応物を0℃に冷却し、引き続き、水(25ml)、5%の水性水酸化ナトリウム(75ml)および水(25ml)で処理した。該反応物を室温で30分間攪拌した。無水固体の硫酸ナトリウムを添加し(100g)、且つ、攪拌を5分間継続した。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、ろ液を真空下で蒸発させた。生成物を、20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留により精製した。214gの所望の生成物が得られた(収率=97%)。
【0058】

【0059】
4−メチル−3−フェニル−4−ペンテナール
固体のクロロクロム酸ピリジニウム(110.24g、0.5mol)を、4−メチル−3−フェニル−4−ペンテン−1−オール(70g、0.418mol)と無水酢酸ナトリウム(41.5g、0.5mol)との、乾燥ジクロロメタン(400ml)中の、予め冷却された(−10℃)混合物に窒素下で、小分けにして添加した。30分後、該反応物を室温まで温めた。4時間後、ジエチルエーテル(1リットル)を該反応物に添加した。30分間の攪拌後、該反応物を、シリカゲルを通してろ過し、ジエチルエーテルを用いて濯いだ。溶剤を真空下で除去し、且つ、残留物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 25:1ないし5:1)、次に20cmのウィドマーカラム通じて蒸留によって精製した。24g(収率=33%)の所望の生成物が得られた。B.P.=50℃/0.001mbar

【0060】
(1E)−[3−(アリルオキシ)−2−メチル−1−プロペニル]ベンゼン
固体のカリウムtert−ブチレート(110g、0.960mol)を、トランス−2−メチル−3−フェニル−2−プロペン−1−オール(100g、0.950mol)の乾燥THF(1リットル)中の溶液に、窒素下、室温で、小分けにして添加した(1時間)。室温でさらに1時間後、該反応物を5℃に冷却し、且つ、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(12.1g、0.032mol)を滴下し、次に塩化アリル(100g、1.280mol)を滴下した。該反応物を終夜、室温まで温め、且つ、水(2リットル)に注いだ。該反応物を酢酸エチルで2回抽出した。各有機相を水およびブラインを用いて洗浄した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させる。固形物をろ過除去し、ジエチルエーテルを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物を、20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留によって精製した。120.5gの所望の化合物が得られた(97%純度、0.620mol、97%)。B.P.=70℃/0.067mbar

【0061】
2.4−ジメチル−3−フェニル−4−ペンテナール
(1E)−[3−(アリルオキシ)−2−メチル−1−プロペニル]ベンゼン(107.79g、0.571mol)、[RuCl2(PPh33](3.13g)、BHT(1g)およびベンゼン(500ml)を共に、190℃の油浴内のオートクレーブ内で4時間加熱した。室温への冷却後、溶剤を蒸発させ、且つ、残留物を20cmのウィドマーカラムを通じて蒸留して85.9gの所望の化合物(0.457mol、80%)をジアステレオ異性体の3:1の混合物としてもたらした。B.P.=95℃/0.032mbar

【0062】
(1E)−3−(2’−ブテニルオキシ)−1−フェニル−1−プロペン
水素化ナトリウム(鉱油中60%、40g、1mol)を、シンナミルアルコール(103g、0.75mol)の乾燥THF(1リットル)中の溶液に窒素下、5℃で、小分けにして添加した。該反応物を室温まで温め、その後、還流させた。30分後、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(10g、0.027mol)を、次に塩化クロチル(100g、1.10mol)を、1時間の時間にわたって添加した。該反応物を終夜、室温に到達させた後、水に注いだ。有機相を水(3回)およびブラインを用いて洗浄した。各水相をヘプタンで再抽出した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ヘプタンを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物を、20cmのウィドマーカラムを通じた蒸留によって精製した。129.9gの所望の生成物が、E/Z異性体の4:1の混合物として得られた(0.69mol、92%)(クロチル二置換二重結合)。B.P.=87℃/0.001mbar

【0063】
2−エチル−3−フェニル−4−ペンテナール
(1E)−3−(2’−ブテニルオキシ)−1−フェニル−1−プロペン(95g、0.505mol)、[RuCl2(PPh33](0.5g)およびBHT(0.5g)を、プソイドクメン(100ml)中、アルゴン下で1時間還流させた。室温への冷却後、溶剤を真空下で蒸留し(40℃/5mbar)、且つ該化合物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(溶離剤: ヘプタン/酢酸エチル 50:1ないし10:1)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(98℃/1mbar)。11.4gの所望の生成物が、ジアステレオ異性体の1:1の混合物として得られた(0.060mol、12%)。
【0064】

【0065】
(E)−3−アリルオキシ−1−フェニル−1−プロペン
水素化ナトリウム(鉱油中60%、26g、0.60mol)を、シンナミルアルコール(40g、0.29mol)の乾燥THF(600ml)中の溶液に窒素下、5℃で、小分けにして添加した。該反応物を室温まで温め、その後、還流させた。30分後、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(4g、0.011mol)を、次に塩化アリル(45.6g、0.60mol)を、1時間の時間にわたって添加した。該反応物を終夜、室温に到達させた後、水に注いだ。有機相を水(3回)およびブラインを用いて洗浄した。各水相をヘプタンで再抽出した。混合された抽出物を固体の無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。固形物をろ過除去し、ヘプタンを用いて濯ぎ、且つ、溶剤を真空下で除去した。生成物をバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(80℃/0.062mbar)。50gの所望の化合物が得られた(0.287mol、99%)。
【0066】

【0067】
2−メチル−3−フェニル−4−ペンテナール
(E)−3−アリルオキシ−1−フェニル−1−プロペン(48.9g、0.28mol)および[RuCl2(PPh33](0.036g)を共に、プソイドクメン(100ml)中、アルゴン下で1時間還流させた。室温への冷却後、溶剤を真空下で蒸留し(40℃/5mbar)、且つ、該化合物をバルブトゥバルブ蒸留によって精製した(80℃/0.012mbar)。40gの所望の生成物が、ジアステレオ異性体の2:3の混合物として得られた(0.23mol、82%)。
【0068】

【0069】
(1E)−1−[3−(アリルオキシ)−1−プロペニル]−2−メトキシベンゼン
(1E)−3−(2’−ブテニルオキシ)−1−フェニル−1−プロペンについて記載された通り、以下の試薬を用いて調製した:
o−メトキシシンナミルアルコール (39g; 0.23mol)
水素化ナトリウム (鉱油中、55%; 20g; 0.48mol)。
【0070】
35.35gの所望の化合物が得られた(35.35g; 0.173mol; 74%)。B.p.=121℃/0.058mbar

【0071】
3−(2−メトキシフェニル)−2−メチル−4−ペンテナール
化合物2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールについて記載された通りに、以下の試薬を用いて調製した:
(1E)−1−[3−(アリルオキシ)−1−プロペニル]−2−メトキシベンゼン (35.35g; 0.173mol)
RuCl2(PPh32 (0.02g)
プソイドクメン (72ml)。
【0072】
32.1gの所望の生成物が、ジアステレオ異性体の1:1の混合物として得られた(0.157mol、収率=91%)。B.p.=88℃/0.7mbar

【0073】
4−メチル−3−フェニル−4−ペンテンニトリル
4−メチル−3−フェニル−4−ペンテナール(15.27g; 0.077mol)および塩酸ヒドロキシルアミン(8.1g; 0.116mol)を共に、95%のエチルアルコール(125ml)中で還流させながら窒素下で3時間加熱した。エチルアルコールをロータベイパー(rotavapor)にて除去し、且つ、残留物をn−ヘプテンと水(各100ml)とに分割した。水相をn−ヘプタン(100ml)で再抽出した。各有機相を5%の水性HCl、水、水性飽和NaHCO3およびブライン(各100ml)を用いて洗浄した。混合された抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。生成物をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲル上で精製し(ヘプタン/酢酸エチル 10:1ないし5:1で溶離)、次にバルブトゥバルブ蒸留によって精製した。4.9gの所望の生成物が得られた(0.0285mol; 収率=37%)。B.p.=71℃/0.001mbar

【0074】
4−メチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテンニトリル
4−メチル−3−フェニル−4−ペンテンニトリルについてのものと同様の手順で、以下の試薬を使用:
4−メチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール (8.3g; 0.044mol)
塩酸ヒドロキシルアミン (4.6g; 0.066mol)。
【0075】
5.05gの所望の生成物が得られた(0.027mol; 収率=62%)。B.p.=80℃/0.001mbar

【0076】
実施例2
芳香組成物の調製
ムスク−ハーバルタイプの男性用オーデコロンを、以下の成分を混ぜ合わせることによって調製した:
【表2】

*ジプロピレングリコール中
**イソプロピルミリステート中
1) 8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダン; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
2) 3−(4/2−エチルフェニル)−2,2−ジメチルプロパナール; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
3) 1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピラン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
4) メチルシス−ジヒドロジャスモネート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
5) (1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノエート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
6) 1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
7) 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス
8) (1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
9) (5,6,7,8−テトラヒドロ−3,5,5,6,8,8−ヘキサメチル−2−ナフチル)−1−エタノン; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス。
【0077】
200質量部の2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールの上述のオーデコロンへの添加は、後者にアニスの内包を付与し、且つ、バジルの特色を提供することによってハーバルの特性を強化した。
【0078】
実施例3
芳香組成物の調製
フローラル−ウォータリータイプのコロンを、以下の成分を混ぜ合わせることによって調製した:
【表3】

*ジプロピレングリコール中
**イソプロピルミリステート中
1) 2,6−ジメチル−2−ヘプタノール; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス
2) ペンタデカノリド、製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
3) 1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−g−2−ベンゾピラン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
4) メチルジヒドロジャスモネート; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
5) 1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
6) 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス
7) 4/3−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)−3−シクロヘキセン−1−カルバルデヒド; 製造元: International Flavors & Fragrances、米国
8) (+)−メチル (1R)−シス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテート; 製造元: Givaudan SA、ジュネーブ、スイス。
【0079】
300質量部の2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールの上述のオーデコロンへの添加は、後者に、フルーティ−リンゴのノートを含む良好なパウダリー−アニスの態様を付与した。
【0080】
実施例4
芳香組成物の調製
布地用柔軟剤のための芳香組成物を、以下の成分を混ぜ合わせることによって調製した:
【表4−1】

【0081】
【表4−2】

*ジプロピレングリコール中
1) 8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダン; 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
2) 製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
3) ペンタデカノリド、製造元: Firmenich SA、ジュネーブ、スイス
4) メチルイオノンの混合物; 製造元: Firmenich SA、スイス
5) 3−(4−tert−ブチルフェニル)−2−メチルプロパナール; 製造元: Givaudan−Roure SA、ヴェルニエ、スイス
6) 3−メチル−(4)−シクロペンタデセノン; 製造元: Firmenich SA、スイス
7) メチルジヒドロジャスモネート; 製造元: Firmenich SA、スイス
8) 1−(5,5−ジメチル−1−シクロヘキセン−1−イル)−4−ペンテン−1−オン; 製造元: Firmenich SA、スイス
9) 3,3−ジメチル−5−(2,2,3−トリメチル−3−シクロペンテン−1−イル)−4−ペンテン−2−オール、製造元: Firmenich SA、スイス
10) シクロヘキシリデン(フェニル)アセトニトリル; 製造元: Givaudan−Roure SA、ヴェルニエ、スイス。
【0082】
100質量部の2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナールを上述の香水に添加した場合、新規の香料は、本発明の化合物の代わりに同量のアニスアルデヒド、3−(4−メトキシフェニル)−2−メチルプロパナールまたは3−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)−2−メチルプロパナール(同様の香気のノートを付与することが公知である化合物)が使用された場合に得られるものとは異なるパウダリー−アニスの甘さを得た。実際に、本発明の化合物は、よりアルデヒド且つフローラルのノートを、乾燥した布地または湿った布地上で同様に提供した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

[式中、
Rはフェニルのオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表す;
1は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す;
2は水素原子またはC1〜C3−アルキル基を表す; 且つ、
XはCHO、COOR3、CH(OR42またはCN基を表し、R3はメチルまたはエチル基であり、且つ、R4は別々に、メチルまたはエチル基であるか、または前記R4は共に、C2〜C5−アルケンジイル基である; 且つ、
少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す]
の化合物の、芳香成分としての使用。
【請求項2】
前記化合物(I)は、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つ、水素原子、またはメトキシ、メチルまたはエチル基を表し;
1はメチルまたはエチル基を表し; 且つ
2は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表し;
XはCHO、COOR3またはCN基を表し、R3はメチルまたはエチル基であるものであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記化合物(I)は、XがCHO基を表すものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
前記化合物(I)は、2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、4−メチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、または4−メチル−3−フェニル−4−ペンテナールであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項5】

【化2】

[式中、
Rはフェニルのオルト、メタまたはパラ置換基であり、水素原子またはC1〜C2−アルキルまたはアルコキシル基を表す;
1は水素原子、またはメチルまたはエチル基を表す;
2は水素原子またはC1〜C3−アルキル基を表す; 且つ、
XはCHOまたはCN基を表し、R3はメチルまたはエチル基であり、且つ、R4は別々に、メチルまたはエチル基であるか、または前記R4は共に、C2〜C5−アルケンジイル基である; 且つ、
少なくとも1つの前記のR、R1またはR2は少なくとも1つの炭素原子を含有する基を表す]
の化合物であって、ただし、4−メチル−3−フェニル−4−ペンテナールおよび2,4−ジメチル−3−フェニル−4−ペンテナールを除く化合物。
【請求項6】
前記化合物(I)は、Rがフェニル環のオルト、メタまたはパラ置換基であり、且つメチルまたはメトキシ基を表し、R1がメチルまたはエチル基を表し、R2が水素原子またはメチルまたはエチル基を表し、且つXがCHO基を表すものであることを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物(I)は、2,4−ジメチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、4−メチル−3−(4−メチルフェニル)−4−ペンテナール、または4−メチル−3−フェニル−4−ペンテナールであることを特徴とする、請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
i) 請求項1で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物;
ii) 香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分; および
iii) 場合により少なくとも1つの香料補助剤
を含む芳香組成物。
【請求項9】
i) 請求項1で定義された式(I)の少なくとも1つの化合物; および
ii) 消費者製品ベース
を含む、着香物品。
【請求項10】
消費者製品ベースが、固体または液体洗剤、布地用柔軟剤、香料、コロンまたはアフターシェーブローション、着香石鹸、シャワーまたはバスソルト、ムース、オイルまたはジェル、衛生製品、ヘアケア製品、シャンプー、ボディケア製品、消臭剤または制汗剤、空気清浄剤、化粧品、布地用清浄剤、アイロン水、紙、ワイプまたは漂白剤であることを特徴とする、請求項9に記載の着香物品。

【公表番号】特表2012−508291(P2012−508291A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535192(P2011−535192)
【出願日】平成21年11月3日(2009.11.3)
【国際出願番号】PCT/IB2009/054865
【国際公開番号】WO2010/052636
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(390009287)フイルメニツヒ ソシエテ アノニム (146)
【氏名又は名称原語表記】FIRMENICH SA
【住所又は居所原語表記】1,route des Jeunes, CH−1211 Geneve 8, Switzerland
【Fターム(参考)】