説明

ブック状組み立ておもちゃ

【課題】
平面に描かれた絵や文字での遊びと、立体的なおもちゃの組み立てとを行うことができ、多様な遊びを行うことができて子供の創造性を豊かに育むことができるブック状組み立ておもちゃを提供する。
【解決手段】
多角形をなす複数の板材1、2をそれらの辺どうしを互いに折り畳み可能な連設部3として繋いでなり、略箱状に組み立てることができるとともに、ブック状に折り畳むことができるように構成し、前記板材1、2を展開した状態において、一方の面には略箱状に組み立てた場合に外面4となる絵や文字等の印刷5を施し、他方の面6には各板材に絵7と文字8よりなる印刷を施し、折り畳んだ状態では絵本として使用できるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絵本状ではあるが、立体的に組み立てておもちゃとして遊ぶこともできるようにした新規なおもちゃに関する。
【背景技術】
【0002】
絵本状のおもちゃや組み立て式のおもちゃには、実に多種多様のものがあり、たとえば絵本状のおもちゃとしては、折り畳み方に特徴があるもの(例えば、特許文献1参照)や、パズルタイプのもの(例えば、特許文献2参照)などがある。
【0003】
ところで幼児期においては、絵本のように平面上での物語や絵で遊んだりすることと、積み木のように立体的な構成のおもちゃで遊んだりすることにより、平面上の遊びで得た情報を立体的なおもちゃでの遊びに結び付けることができて、物語りの深い理解と空間の柔軟な認識を得るトレーニングができ、幅広い学習効果が得られる。
【0004】
しかしながら、平面と立体との結び付けて遊べるようなおもちゃは、頁を開くと絵が立体的に立ち上がる絵本のようなものや、人形やミニカーのような立体的なおもちゃが絵本に付属しているようなものがある程度で、立体を構築するような遊びができるようなものはなかった。
【特許文献1】特開2004−025643号公報(第1〜5頁、図1〜9)
【特許文献2】特開2003−144776号公報(第1〜4頁、図1〜5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的とするところは、平面に描かれた絵や文字での遊びと、立体的なおもちゃの組み立てとを行うことができ、多様な遊びを行うことができて子供の創造性を豊かに育むことができるブック状組み立ておもちゃを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るブック状組み立ておもちゃは、多角形をなす複数の板材をそれらの辺どうしを互いに折り畳み可能な連設部として繋いでなり、略箱状に組み立てることができるとともに、ブック状に折り畳むことができるようにした構成のものとしてある。
【0007】
また前記板材を展開した状態において、一方の面には略箱状に組み立てた場合に外面となる絵や文字等の印刷を施し、他方の面には各板材に絵と文字よりなる印刷を施し、折り畳んだ状態では絵本として使用できるようにした構成のものとしてある。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ブック状に折り畳んだ状態では絵本等の読み物や図鑑などの本として使用することができ、また展開してから立体的に組み立てることによって乗り物や建物などの立体おもちゃとして遊ぶことができる。
【0009】
したがって、平面上での遊びと立体物を組み立てる空間的な遊びの両方を行うことができて子供の創造性を育むのに格好のおもちゃとすることができ、しかも展開した場合の一方の面に組み立ておもちゃの絵柄を、他方の面に組み立ておもちゃの絵柄と関係のある物語や図鑑等の印刷を施すことにより、折り畳んで絵本や図鑑として使用した後に、絵本の物語や図鑑の内容と関連するおもちゃを組み立てて遊ぶことができ、子供の好奇心を引き出して学習効果を得ることができる。
【0010】
また、一般的な組み立ておもちゃは嵩張って収納に不便であったり、部品を分解するのが煩雑であったりという問題があるが、本発明のおもちゃはブック状に折り畳むことができるものとしてあるので、収納が容易であるというメリットもある。
【実施例】
【0011】
以下、本発明に係るおもちゃの実施例を添付図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
本発明に係るおもちゃは、略正方形をなす複数枚(図1、2では6枚)の板材1、1と、矩形をなす複数枚(図1、2では2枚)の板材2、2をそれぞれの辺どうしが連設部3となるように連設してあって、各連設部3にて折り畳むことができるようになっている。
【0012】
具体的には、厚手のボール紙よりなる板材1、2を、布材で接続して連設部3を構成してあり、子供が乱暴に扱っても連設部が破れたり、板材が変形したりすることがないようにしてある。
【0013】
しかして、展開した状態における一方の面である外面4には、おもちゃを組み立てて使用する際に外側に現れるべき絵柄5が印刷されており、例えば図1に示すものでは自動車の絵を印刷してある。
【0014】
そして展開した状態における他方の面である内面6には、上記一方の面の絵と関連性のある絵7や物語の文字8が印刷されていて、例えば図2に示すものでは自動車と関連のある道路の絵7が印刷されていて、各板材をひとつのページとする絵本状に構成されており、本実施例のものでは道路を描いてあるので、プレイマットとしても遊べるように構成してある。
【0015】
図3は本発明のおもちゃを折り畳んだ状態を示しており、図2に示される展開した状態から連設部3、3にて互い違いに折り畳むことにより、絵本状のコンパクトな状態とすることができ、この状態から谷折りの連設部を順に開くことによって絵本等の本として使用できる。
【0016】
上述した構成のおもちゃを組み立てて使用する場合には、例えば図4に示されるように外面4が外側となるように、横方向に連設された6枚の略正方形の板材1、1を四角筒状に組み立てて自動車のボディ部分に見立てた部分を構成し、2枚の矩形状の板材2、2を自動車のボンネットとフロントガラスに見立てた部分を構成する。
なお、上記フロントガラスに見立てた部分には窓2aをあけてあり、透明フィルムを貼付してある。
【0017】
そして、組み立ての際に接続される各板材1、2どうしは、例えば一方の板材に基端が接続され、先端に面ファスナーの一方の係止部9を備えるテープ10を設け、他方の板材に、面ファスナーの他方の係止部11を設け、面ファスナーどうしの係合によって簡単に着脱ができるようにしてある。
【0018】
なお、図1、2、4中の符号12は自動車の扉部分を構成するための切り込みを示しており、おもちゃを組み立ててこの部分を開くことにより、おもちゃの内部に子供が乗り込んで遊ぶことができるようになっている。
【0019】
上述した実施例のものでは、板材を正方形や矩形のもので構成してあるが、三角形や六角形など他の多角形で構成する場合もある。
また、上述した実施例では自動車のおもちゃを組み立てることができるものとしてあるが、自動車等の乗り物のほかにも、家やビルなどの建物を組み立てることができるようにするのにも好適であり、特に、組み立てたおもちゃの内部に入って遊べるようにするのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るおもちゃの展開状態を外面側から示す斜視図。
【図2】本発明に係るおもちゃの展開状態を内面側から示す斜視図。
【図3】ブック状に折り畳んだ状態を示す斜視図。
【図4】おもちゃを立体状に組み立てた状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0021】
1、2 板材
3 連設部
4 外面
5 絵柄
6 内面
7 絵
8 文字
9 面ファスナーの係止部
10 テープ
11 面ファスナーの係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形をなす複数の板材をそれらの辺どうしを互いに折り畳み可能な連設部として繋いでなり、略箱状に組み立てることができるとともに、ブック状に折畳むことができるように構成してなるブック状組み立ておもちゃ。
【請求項2】
前記板材を展開した状態において、一方の面には略箱状に組み立てた場合に外面となる絵や文字等の印刷を施してなる請求項1に記載のブック状組み立ておもちゃ。
【請求項3】
前記板材を展開した状態において、他方の面には各板材に絵と文字よりなる印刷を施し、折り畳んだ状態では絵本として使用できるように構成してなる請求項2に記載のブック状組み立ておもちゃ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−167076(P2006−167076A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−362329(P2004−362329)
【出願日】平成16年12月15日(2004.12.15)
【出願人】(000205823)大昭和紙工産業株式会社 (28)
【Fターム(参考)】