説明

ブドウ球菌クランピング因子Aの変異体を含む免疫原性組成物

本出願はClfAポリペプチドであって、アミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸が、Y474またはY474に隣接するアミノ酸の変異を有しない同等のClfAポリペプチドと比較してフィブリノゲン結合活性が減少するように変異しているClfAポリペプチドに関する。ブドウ球菌疾患の治療における、このように変異させたClfAポリペプチドの免疫原性組成物、ワクチン、方法および使用も特許請求される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブドウ球菌フィブリノゲン結合タンパク質、特に、クランピング因子A(ClfA)の変異体の分野に関し、そのフィブリノゲン結合は、このブドウ球菌フィブリノゲン結合タンパク質の非変異型と比較して減少する。かかるタンパク質を含む免疫原性組成物およびかかる免疫原性組成物の製造法、ならびにかかる免疫原性組成物を用いる予防法または治療法についても記載する。
【背景技術】
【0002】
黄色ブドウ球菌感染は抗生物質(最適な薬物はペニシリン)で治療されるが、バンコマイシンはメチシリン耐性分離株に対して使用される。抗生物質に広範な耐性を示すブドウ球菌株の割合は1980年代以後増加しており(Panlilo et al 1992,Infect.Control.Hosp.Epidemiol.13;582)、効果的な抗菌薬治療に対して脅威となっている。さらに、最近のバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌株の出現は、効果的な治療がないメチシリン耐性黄色ブドウ球菌株が出現し、蔓延する恐れを喚起している。
【0003】
受動免疫療法でブドウ球菌抗原に対する抗体を用いる代替的アプローチが研究されている。ポリクローナル抗血清の投与を含む治療が開発中である(WO00/15238、WO00/12132)。
【0004】
代替的アプローチは、ブドウ球菌に対する免疫反応を引き起こすために活性ワクチンを使用する。ワクチン成分として含有するためのいくつかの候補が同定されている。これらには、フィブロネクチン結合タンパク質(米国特許第5840846号)、MHC II類似体(米国特許第5648240号)、フィブリノゲン結合タンパク質のClfAおよびClfB(米国特許第6008341号、WO99/27109)、GehD(米国特許公開第2002/0169288号)、コラーゲン結合タンパク質(米国特許第6288214号)、SdrC、SdrD、SdrE、SdrF、SdrGおよびSdrH(WO99/27109、WO00/12689、WO08/19162)、SEAおよびSEB外毒素変異体(WO00/02523)、52kDaのビトロネクチン結合タンパク質(WO01/60852)、IsdA、IsdB、IsdCおよびIsdH(WO05/09379、WO08/152447)が含まれる。
【0005】
クランピング因子A(ClfA)は、黄色ブドウ球菌のフィブリノゲン結合タンパク質と同定され(米国特許第6008341号)、多糖類の有望な担体タンパク質と同定され、これを用いてブドウ球菌感染に対して免疫することができた(WO04/80490)。
【0006】
近年、ClfAのアミノ酸P336およびY338がフィブリノゲン結合部位として認められ、これらの変異はフィブリノゲン結合の喪失をもたらす(Josefsson et al 2008,PLOS One volume 3,Issue 5,page1−7)。これらの変異体のフィブリノゲン結合の喪失は、免疫マウスの敗血症による死を防ぐ能力の増加につながり、組換えClfAのワクチンの可能性は、フィブリノゲンに結合するClfAの能力を取り除くことによって改善されるという結論を導く。
【0007】
ブドウ球菌疾患から身を守るワクチンを開発するニーズが依然としてある。黄色ブドウ球菌の莢膜多糖体を用いるアプローチは規制認可を獲得することができず(WO03/61558)、追加のブドウ球菌成分を含むより複雑なワクチンは、効果的な予防を与えることを要求され得る。
【発明の概要】
【0008】
したがって、ClfAポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質を提供し、その中のアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸が変異していない同等のClfA(すなわち、関連する野生型ClfA)ポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【0009】
本発明の第2の態様において、ClfAポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供し、その中のアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸が変異していない同等のClfA(すなわち、関連する野生型ClfA)ポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【0010】
本発明の第3の態様において、ClfAポリペプチドならびに医薬的に許容される賦形剤を含む免疫原性組成物を提供し、そのClfAポリペプチドのアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸が変異していない同等のClfA(すなわち、関連する野生型ClfA)ポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【0011】
本発明の第4の態様において、このClfAのポリペプチド、断片または融合タンパク質に、医薬的に許容される賦形剤を添加するステップを含む、本発明の免疫原性組成物を作製する方法を提供し、その中のアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸が変異していない同等のClfA(すなわち、関連する野生型ClfA)ポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【0012】
本発明の第5の態様において、ブドウ球菌の感染もしくは疾患の治療または予防に使用するためのClfAのポリペプチド、断片または融合タンパク質を提供し、その中のアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸が変異していない同等のClfA(すなわち、関連する野生型ClfA)ポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【0013】
本発明の第6の態様において、ブドウ球菌疾患の治療または予防のための医薬の製造における、ClfAのポリペプチド、断片または融合タンパク質の使用を提供し、その中のアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸が変異していない同等のClfA(すなわち、関連する野生型ClfA)ポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【0014】
本発明の第7の態様において、ClfAのポリペプチド、断片または融合タンパク質を、それを必要としている患者に投与することを含むブドウ球菌疾患の治療法または予防法を提供し、その中のアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸が変異していない同等のClfA(すなわち、関連する野生型ClfA)ポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】ClfAコーティングプレートへのフィブリノゲン接着を測定する接着アッセイの結果を示すグラフである。ダイヤモンドマークの線はClfA N123の474変異体へのフィブリノゲン結合を示し、四角マークの線はClfA N123の野生型へのフィブリノゲン結合を示す。
【図2】フィブリノゲンコーディングプレートへのClfA接着を測定する接着アッセイの結果を示すグラフである。暗いダイヤモンドマークの線はフィブリノゲンへのClfA N123の野生型の結合を示し、明るいダイヤモンドマークの線はフィブリノゲンへのClfA N123の474変異体の結合を示し、四角マークの線は陰性対照を示す。
【図3】ClfA N123コーティングプレートへのフィブリノゲンの結合を阻害する、ClfA N123の野生型および474変異体に対して作られた抗体の能力を示すグラフである。
【図4】ClfA N123コーティングプレートへの黄色ブドウ球菌の結合を阻害する、ClfAの野生型および474変異体に対して作られた抗体の能力を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、ClfAポリペプチド、任意に、組換え型ClfAポリペプチド、単離したClfAポリペプチド、または精製したClfAポリペプチドを提供し、その中のアミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸の変異を有しない同等のClfAポリペプチドまたはその断片と比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異している。
【0017】
このアミノ酸Y474は、黄色ブドウ球菌株NCTC8325由来のClfAの全長配列を表す配列番号3の474番目のアミノ酸である。同様に、全体として、本出願の中のアミノ酸の番号づけは配列番号3に関するので、アミノ酸464は、配列番号3の464番目のアミノ酸を表す。異なる株由来のClfA、またはClfAの断片もしくは融合タンパク質を用いる場合において、Y474は、配列番号3のY474と合わせたチロシン残基を表す。他のアミノ酸についての言及は、同様に、すなわち、配列番号3と合わせたアミノ酸に関して理解されるべきである。
【0018】
Y474に隣接するアミノ酸は、Y474の隣のN末端側もしくはC末端側にあるアミノ酸か、またはY474に対してN末端側もしくはC末端側に2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10個離れたアミノ酸のいずれ一方を表す。
【0019】
「変異」とは、Y474または隣接アミノ酸が異なるアミノ酸残基で置換されるか、もしくは除去されるか、または追加のアミノ酸がY474のN末端側もしくはC末端側のいずれか一方に挿入されるかのいずれかを意味する。
【0020】
「同等のClfA」とは、この同等のClfAが、474番目または474番目に隣接するアミノ酸の位置での変異(複数可)を除いて、本発明のClfAポリペプチド、断片または融合タンパク質と同じアミノ酸配列を有することを意味する。
【0021】
フィブリノゲン結合活性を、実施例2に記載のアッセイなどの接着アッセイを用いて測定することができる。本発明のClfAポリペプチドはフィブリノゲン結合活性を有し、この活性は、このポリペプチドの大部分にわたって同一配列であるが、アミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸の位置に野生型配列を有するClfAポリペプチドのフィブリノゲン結合活性よりも弱い。
【0022】
本発明の一実施形態において、本発明のClfAポリペプチドは、アミノ酸Y474またはY474にすぐ隣接するアミノ酸の位置で変異している。「Y474にすぐ隣接する」とは、Y474の隣のアミノ酸を表すことを意味する。任意に、すぐ隣接するアミノ酸残基の両方が変異している。
【0023】
本発明の一実施形態において、このClfAポリペプチドは、474番目のアミノ酸のチロシン残基が異なるアミノ酸で置換されることにより、474番目のアミノ酸に変異を含む。異なるアミノ酸は、もともとその位置に存在するアミノ酸以外の任意にアミノ酸である。異なるアミノ酸の例として、セリン、スレオニン、アスパラギンもしくはグルタミンなどの極性はあるが無電荷の残基、リジン、アルギニンもしくはヒスチジンなどの正電荷(塩基性)の残基、グルタミン酸もしくはアスパラギン酸などの負電荷(酸性)の残基、システイン、グリシンもしくはプロリンなどの特別なアミノ酸、またはアラニン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファンもしくはバリンなどの別の疎水性残基が挙げられる。
【0024】
本発明の一実施形態において、このClfAポリペプチドは、塩基性アミノ酸、例えば、ヒスチジンへのY474の変異を含む。
【0025】
本発明の一実施形態において、このClfAポリペプチドを、Y474に隣接するアミノ酸の置換によって変異させる。例えば、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、475、476、477、478、479、480、481、482、483および/または484番目のアミノ酸が、異なるアミノ酸で置換される。
【0026】
本発明の一実施形態において、Y474と少なくとも1つの隣接アミノ酸の両方が、異なるアミノ酸で置換される。例えば、アミノ酸Y474、ならびに464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、475、476、477、478、479、480、481、482、483および/または484の少なくとも1つ(のアミノ酸)が異なるアミノ酸で置換される。例えば、Y474を含む少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸が除去される。
【0027】
本発明の一実施形態において、少なくともアミノ酸Y474が、ClfAポリペプチドのアミノ酸から除去される。例えば、Y474が除去されるか、または464〜474、465〜474、466〜474、467〜474、468〜474、469〜474、470〜474、471〜474、472〜474、473〜474、474〜475、474〜476、474〜477、474〜478、474〜479、474〜480、474〜481、474〜482、474〜483、473〜475、472〜476、471〜477、470〜478または469〜479番目のアミノ酸が除去される。
【0028】
本発明の一実施形態において、少なくとも1つのアミノ酸が、このClfAポリペプチドのY474に隣接するか、またはすぐ隣接する位置に挿入される。例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸が、Y474のN末端側またはC末端側のいずれか一方のY474に隣接する位置に挿入される。本発明の一実施形態において、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個のアミノ酸が、Y474のN末端側またはC末端側のいずれか一方のY474にすぐ隣接する位置に挿入される。
【0029】
一実施形態において、本発明のClfAポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質は、Y474またはY474に隣接するアミノ酸の変異を除いて同一のアミノ酸配列を有するClfAポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質が起こす免疫反応よりも防御性が高い免疫反応を引き起こすことができる。
【0030】
本発明の一実施形態において、このClfAポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質は、フィブリノゲン結合活性を減少させる複数の変異を含む。例えば、474の変異は、ClfAのP336および/またはY338の変異と組み合わせてもよい。
【0031】
本発明のさらなる態様は、フィブリノゲン結合ドメインを含む、本発明のポリペプチドのうちのClfAポリペプチドの断片を提供する。ClfAのN1、N2およびN3ドメインはフィブリノゲン結合に関与し、N1ドメインは40〜220番目のアミノ酸に、N2ドメインは221〜369番目のアミノ酸に、N3ドメインは370〜559番目のアミノ酸に存在する。これらのドメインは、もう1つの方法として、配列番号3のポリペプチド配列のわずかに短い断片と定義することができ、上記で述べたドメインサイズよりも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20または25個少ないアミノ酸を有している。
【0032】
一実施形態において、本発明の断片はN3ドメインを含む。例えば、この断片は、配列番号3などのClfA配列の370〜559、370〜550、370〜545、365〜559、365〜550または365〜545番目のアミノ酸を含む。
【0033】
一実施形態において、本発明の断片はN2ドメインを含む。例えば、この断片は、配列番号3などのClfA配列の221〜369、217〜369、229〜369、217〜364、221〜364、229〜364、217〜545、221〜545、229〜545、217〜550、221〜550、229〜550、217〜559、221〜559または229〜559番目のアミノ酸を含む。
【0034】
一実施形態において、本発明の断片はN1ドメインを含む。例えば、この断片は、配列番号3などのClfA配列の41〜216、41〜220、41〜228、41〜369、41〜364、41〜545、41〜550、221〜550または41〜559番目のアミノ酸を含む。
【0035】
本発明は、上記に記載の本発明のClfA断片を含むポリペプチドも包含する。かかるポリペプチドは、このポリペプチドの精製に有用な配列の付加、異種ポリペプチド由来の追加配列の付加を含み、融合タンパク質の形成をもたらす。この異種タンパク質は、黄色ブドウ球菌のタンパク質(特に、以下に記載のタンパク質)または異なる種由来のタンパク質であってもよい。
【0036】
本発明は、本発明のClfAポリペプチドの免疫原性断片、すなわち、配列番号3のポリペプチド配列を含むポリペプチドと同一または実質的に同一の免疫原性活性を有するClfAポリペプチドの連続部分も提供する。すなわち、(必要ならば、担体と結合している時)この断片は、ClfAポリペプチドを認識する免疫反応を引き起こすことができる。かかる免疫原性断片には、例えば、N末端リーダー配列、膜貫通ドメイン、および/またはC末端アンカードメインを欠くClfAポリペプチドが含まれ得る。好ましい態様において、本発明によるClfAの免疫原性断片は、実質的に、配列番号3のポリペプチドと、前記配列の全長にわたって、少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性、より好ましくは、少なくとも95%の同一性、最も好ましくは、少なくとも97〜99%の同一性を有するポリペプチドの細胞外ドメインの全てを含む。
【0037】
断片は、本発明の任意のポリペプチドの任意のアミノ酸配列の全部ではなく一部と完全に同一であるアミノ酸配列を有するポリペプチドである。断片は「独立」しているか、または断片が一部または領域を形成する巨大ポリペプチド内に含まれるか、最も好ましくは、単一巨大ポリペプチド内の単一連続領域として含まれ得る。
【0038】
好ましい断片には、例えば、アミノ末端のアミノ酸配列を含む連続した一連の残基などの、配列番号3またはその変異体のアミノ酸配列の一部を有する切断ポリペプチドが含まれる。宿主細胞によって、または宿主細胞内で産生される本発明のポリペプチドの分解型も好ましい。αヘリックス領域およびαヘリックス形成領域、βシート領域およびβシート形成領域、回転領域および回転形成領域、コイル領域およびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β両親媒性領域、フレキシブル領域、表面形成領域、基質結合領域、ならびに高い抗原指標領域を含む断片などの構造的または機能的特質によって特徴づけられる断片がさらに好ましい。
【0039】
さらに好ましい断片には、配列番号3のアミノ酸配列に由来する少なくとも15、20、30、40、50または100個の連続アミノ酸を有するアミノ酸配列を含む単離したポリペプチドが含まれる。
【0040】
本発明のさらなる実施形態は、本発明のClfAポリペプチドまたは断片の融合タンパク質を提供する。かかる融合タンパク質は組換えで作製されてもよく、少なくとも2、3、4、5または6個のブドウ球菌タンパク質の一部、例えば、以下にまとめたブドウ球菌タンパク質の組み合わせを含んでもよい。あるいは、融合タンパク質は、少なくとも2、3、4または5個のブドウ球菌タンパク質の複数部分を含んでもよい。これらは、同一タンパク質内の異なるブドウ球菌タンパク質またはその断片を組み合わせてもよい。あるいは、本発明には、T細胞エピトープもしくは精製タグ、例えば、βガラクトシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、緑色蛍光タンパク質(GFP)、FLAG、mycタグ、ポリヒスチジンなどのエピトープタグのプロバイダー、インフルエンザウイルス赤血球凝集素などのウイルス表面タンパク質、または破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、CRM197などの細菌タンパク質などの異種配列を有する融合タンパク質として、このClfAポリペプチドまたはその断片の個々の融合タンパク質も含まれる。この融合タンパク質は、遊離タンパク質として免疫原性組成物中に存在してもよく、または糖類と結合した担体タンパク質であってもよい。
【0041】
一実施形態において、本発明のClfAのポリペプチド、断片、または融合タンパク質は、配列番号8〜44から選択される対応する配列の長さにわたって、配列番号8〜44のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、93%、95%、95%、97%、98%、99%または100%同一であるアミノ酸配列を含む。
【0042】
本発明のポリヌクレオチド
本発明のさらなる態様は、本発明のポリペプチド、断片または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0043】
本発明のポリヌクレオチドは、ブドウ球菌種、例えば、黄色ブドウ球菌に由来する完全なゲノムDNAを包含しない。
【0044】
本発明のさらなる態様として、例えば、未処理のRNA、リボザイムRNA、mRNA、cDNA、B−DNAおよびZ−DNAを含む、ClfAのポリペプチドおよびポリヌクレオチドをコードする、かつ/または発現する単離した核酸分子を提供する。本発明のさらなる実施形態は、生物学的に、診断的に、予防的に、臨床的にまたは治療的に有用なポリヌクレオチドおよびポリペプチド、それらの変異体、ならびにそれらを含む組成物、好ましくは、免疫原性組成物を含む。
【0045】
本発明の別の態様は、本発明のClfAポリペプチドをコードする少なくとも1つの全長遺伝子を含む単離したポリヌクレオチド、およびそれと密接に関連するポリヌクレオチドならびにそれらの変異体に関する。
【0046】
本発明の別の特に好ましい実施形態は、配列番号3〜44から選択されるアミノ酸配列含むか、もしくはそれらからなる黄色ブドウ球菌に由来する本発明のClfAポリペプチドまたはその変異体に関する。
【0047】
さらなる態様において、本発明は、
(a)配列番号2のポリヌクレオチド配列の全長にわたって、配列番号2の全ての配列と少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性、より好ましくは、少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは、少なくとも97、98もしくは99%または正確な同一性を有するポリヌクレオチド配列;または、
(b)配列番号4〜44のアミノ酸配列の全長にわたって、配列番号4〜44から選択される任意のアミノ酸配列と少なくとも85%の同一性、好ましくは、少なくとも90%の同一性、より好ましくは、少なくとも95%の同一性、さらにより好ましくは、少なくとも97、98もしくは99%または100%正確な同一性を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列;
を含む、またはそれらからなる単離したポリヌクレオチドを提供する。
【0048】
当技術分野で知られる「同一性」は、場合によっては、配列を比較することによって決定される2つ以上のポリペプチド配列間または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。当技術分野において、「同一性」は、場合によっては、このような配列の鎖間の整合によって決定されるポリペプチド配列間またはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度も意味する。「同一性」は、Computational Molecular Biology, Lesk, A.M., ed., Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects, Smith, D.W., ed.,Academic Press, New York, 1993;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., and Griffin, H.G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994;Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heine,G.,Academic Press,1987;and Sequence Analysis Primer, Gribskov, M.and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991;and Carillo, H., and Lipman, D., SIAM J. Applied Math., 48:1073(1988)に記載の方法を含むが、それらに限定されない公知の方法によって容易に計算することができる。
【0049】
同一性を決定するための方法は、調べる配列間で最大の整合性が得られるようにデザインされる。さらに、同一性を決定するための方法は、公的に入手可能なコンピュータープログラムで分類される。2つの配列間の同一性を決定するコンピュータープログラムの方法は、GCGプログラムパッケージの中のGAPプログラム(Devereux, J., et al., Nucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BLASTP、BLASTN(Altschul, S.F. et al., J.Molec. Biol. 215:403−410(1990)、およびFASTA(Pearson and Lipman Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85;2444−2448(1988)を含むが、これらに限定されない。プログラムのBLASTファミリーは、NCBIおよび他の供給源から公的に入手可能である(BLAST Manual, Altschul, S., et al., NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894;Altschul, S., et al., J. Mol. Biol. 215:403−410(1990))。公知のスミス−ウォーターマンアルゴリズムを用いて同一性を決定してもよい。
【0050】
ポリペプチド配列比較のためのパラメータには、以下のものが含まれる:
アルゴリズム:Needleman and Wunsch,J.Mol Biol.48:443−453(1970)
比較行列:HenikoffおよびHenikoff, Proc. Natl. Acad.Sci. USA.89:10915−10919(1992)のBLOSSUM62
ギャップペナルティ:8
ギャップ長ペナルティ:2
これらのパラメータを用いるのに有用なプログラムは、ウィスコンシン州マディソンにあるGenetics Computer Groupの「gap」プログラムとして公的に入手可能である。前述のパラメータは、ペプチド比較のデフォルトパラメータである(末端ギャップに対するペナルティはなし)。
【0051】
ポリヌクレオチド比較のためのパラメータには以下のものが含まれる:
アルゴリズム:Needleman and Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443−453(1970)
比較行列:整合=+10、不整合=0
ギャップペナルティ:50
ギャップ長ペナルティ:3
ウィスコンシン州マディソンにあるGenetics Computer Groupの「gap」プログラムとして入手可能である。これらは、核酸比較のデフォルトパラメータである。
【0052】
本発明は、実施例4に記載のコード配列(オープンリーディングフレーム)と、その全長にわたって同一であるポリヌクレオチド配列を提供する。本発明は、成熟ポリペプチドまたはその断片のコード配列それ自体、ならびにリーダー配列もしくは分泌配列、プレタンパク質配列、プロタンパク質配列もしくはプレプロタンパク質配列をコードする配列などの別のコード配列を有する読み枠内の成熟ポリペプチドまたは断片のコード配列も提供する。本発明のポリヌクレオチドは、例えば、転写はされるが翻訳されない配列などの少なくとも1つの5’および3’非コード配列、(rho依存的およびrho非依存的な終止シグナルなどの)終止シグナル、リボソーム結合部位、コザック配列、mRNAを安定化させる配列、イントロン、ならびにポリアデニル化シグナルを含むが、これらに限定されない少なくとも1つの非コード配列も含んでもよい。このポリヌクレオチド配列は、追加のアミノ酸をコードする追加のコード配列も含んでもよい。例えば、融合ポリペプチドの精製を促進させるマーカー配列をコードすることができる。本発明のいくつかの実施形態において、このマーカー配列は、pQEベクター(Qiagen社)に備えられ、Gentz et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA 86:821−824(1989)に記載の6つのヒスチジンペプチド、またはHAペプチドタグ(Wilson et al.,Cell 37:767(1984))であり、これらの両方とも、それらに融合したポリペプチド配列を精製するのに有用であり得る。本発明のポリヌクレオチドは、構造遺伝子および遺伝子発現を制御するその天然の関連配列を含むポリヌクレオチドも含むが、これらに限定されない。
【0053】
本発明は、さらに、実施例4の配列のいずれかの推定アミノ酸配列を有するポリペプチドの変異体をコードする、本明細書に記載のポリヌクレオチドの変異体に関する。本発明のポリヌクレオチドの断片を用いて、例えば、本発明の全長ポリヌクレオチドを合成してもよい。
【0054】
好ましい断片は、B細胞またはTヘルパーエピトープ、ならびに前記ポリヌクレオチド断片を含む組換え型キメラ遺伝子をコードするそれらのポリヌクレオチドである。
【0055】
さらなる特定の好ましい実施形態は、ClfA変異体をコードし、実施例4の全ての配列のClfAポリペプチドのアミノ酸配列を有するポリヌクレオチドであり、その中のいくつか、数個、5〜10、1〜5、1〜3、2、1個または0個のアミノ酸残基は、任意の組み合わせで、置換され、修飾され、除去され、かつ/または付加される。これらの中で、ClfAポリプチドの特性および活性を変えないサイレントな置換、付加および除去が特に好ましい。
【0056】
本発明のさらに好ましい実施形態は、実施例4の配列のいずれかに記載のアミノ酸配列を有するClfAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、ポリヌクレオチドの全長にわたって少なくとも85%同一であるポリヌクレオチド、およびかかるポリヌクレオチドと相補的なポリヌクレオチドである。あるいは、ClfAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、ポリヌクレオチドの全長にわたって少なくとも90%同一である領域を含むポリヌクレオチド、およびそれらと相補的なポリヌクレオチドが非常に好ましい。この関連で、ClfAポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと、ポリヌクレオチドの全長にわたって少なくとも95%同一であるポリヌクレオチドが特に好ましい。さらに、少なくとも97%の同一性を有するポリヌクレオチドは、少なくとも95%の同一性を有するポリヌクレオチドの中でもより好ましく、これらの中でも、少なくとも98%および少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチドは、特により好ましく、少なくとも99%の同一性を有するポリヌクレオチドがさらに好ましい。
【0057】
好ましい実施形態は、実施例4から選択されるDNA配列がコードする成熟ポリペプチドと同じ生物学的な機能または活性を実質的に保持するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
【0058】
本発明の特定の好ましい実施形態によると、特に、ストリンジェントな条件下で、実施例4のClfAポリヌクレオチドなどのClfAポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドを提供する。
【0059】
本発明は、さらに、本明細書に提供するポリヌクレオチド配列にハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。この点において、本発明は、特に、ストリンジェントな条件下で、本明細書に記載のポリヌクレオチドにハイブリダイズするポリヌクレオチドに関する。本明細書で使用する「ストリンジェントな条件」および「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、配列間で少なくとも95%、好ましくは、少なくとも97%の同一性がある場合のみに生じるハイブリダイゼーションを意味する。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の特定例として、50%ホルムアミド、5×SSC(150mM NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液(Denhardt’s solution)、10%硫酸デキストラン、および20μg/mlの変性し、剪断したサケ精子DNAを含む溶液中で、42℃にて一晩インキュベーションし、その後、ハイブリダイゼーション支持体を0.1×SSCで、約65℃にて洗浄することが挙げられる。ハイブリダイゼーション条件および洗浄条件は公知であり、Sambrook, et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Second Edition, Cold Spring Harbor, N.Y.,(1989)、特に、この中の11章に例証されている。溶液ハイブリダイゼーションを、本発明が提供するポリヌクレオチド配列と共に用いてもよい。
【0060】
本発明は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、実施例4の配列のいずれかに記載のポリヌクレオチド配列の完全な遺伝子を含む適切なライブラリーを、実施例4の対応する配列に記載の前記ポリヌクレオチド配列の配列、またはその断片を有するプローブでスクリーニングし、かつ前記ポリヌクレオチド配列を単離することによって得られるポリヌクレオチド配列からなる、またはそれを含むポリヌクレオチドも提供する。このようなポリヌクレオチドを取得するのに有用な断片には、例えば、本明細書のどこかに十分に記載するプローブおよびプライマーが含まれる。
【0061】
本発明のポリヌクレオチドアッセイに関して本明細書のどこかで論じるように、例えば、本発明のポリヌクレオチドを、RNA、cDNAおよびゲノムDNAのハイブリダイゼーションプローブとして用いて、ClfAをコードする全長cDNAおよびゲノムクローンを単離することができ、かつこのClfA遺伝子に高い同一性、特に高い配列同一性を有する他の遺伝子のcDNAおよびゲノムクローンを単離することができる。かかるプローブは、一般に、少なくとも15個のヌクレオチド残基または塩基対を含む。好ましくは、かかるプローブは少なくとも30個のヌクレオチド残基または塩基対を有し、少なくとも50個のヌクレオチド残基または塩基対を有してもよい。特に好ましいプローブは、少なくとも20個のヌクレオチド残基または塩基対を有し、30個未満のヌクレオチド残基または塩基対を有する。
【0062】
本発明は、(例えば、成熟型が2つ以上のポリペプチド鎖を有する時に、)成熟タンパク質+アミノ末端もしくはカルボキシル末端の追加のアミノ酸、またはこの成熟ポリペプチドの内部のアミノ酸であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドも提供する。かかる配列は、前駆体から成熟型へのタンパク質のプロセシングの役割を果たし、タンパク質輸送を可能にし、タンパク質の半減期を長くもしくは短くするか、またはとりわけ、アッセイもしくは産生するためのタンパク質の操作を容易にすることができる。一般的に、インビボの場合、この追加のアミノ酸は、細胞の酵素によって成熟タンパク質からプロセシングされ、取り除かれ得る。
【0063】
本発明の各々のおよび全てのポリヌクレオチドに対して、それと相補的なポリヌクレオチドを提供する。これらの相補的なポリヌクレオチドは、それらが相補的な各々のポリヌクレオチドと完全に相補的であることが好ましい。
【0064】
本発明の態様に従って、治療的または予防的な目的での、特定の遺伝子免疫における本発明のポリヌクレオチドの使用を提供する。
【0065】
遺伝子免疫における本発明のポリヌクレオチドの使用は、好ましくは、プラスミドDNAの筋肉内への直接注射(Wolff et al., Hum Mol Genet(1992)1:363, Manthorpe et al., Hum. Gene Ther.(1983)4:419)、特定のタンパク質担体と複合体を形成させたDNAの送達(Wu et al.,J Biol Chem.(1989)264:16985)、DNAとリン酸カルシウムとの共沈殿(Benvenisty&Reshef, PNAS USA,(1986)83:9551)、様々な形態のリポソームへのDNAの封入(Kaneda et al., Science(1989)243:375)、微粒子銃(Tang et al., Nature(1992)356:152, Eisenbraun et al., DNA Cell Biol(1993)12:791)およびクローン化したレトロウイルスベクターを用いるインビボ感染(Seeger et al., PNAS USA(1984)81:5849)などの適切な送達法を用いる。
【0066】
ベクター、宿主細胞、発現系
本発明は、本発明の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクターで遺伝子操作した宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプチドの産生にも関する。無細胞翻訳系を用いて、本発明のDNAコンストラクト由来のRNAを用いてかかるタンパク質を産生することもできる。
【0067】
本発明の組換えポリペプチドは、当該技術者に公知の方法によって、発現系を含む遺伝子操作した宿主細胞から調製することができる。したがって、さらなる態様において、本発明は、本発明の1つまたは複数のポリヌクレオチドを含む発現系、かかる発現系を用いて遺伝子操作した宿主細胞、および組換え技術による本発明のポリペプチドの産生に関する。
【0068】
本発明のポリペプチドの組換え産生のために、宿主細胞を遺伝子操作して、発現系もしくはその一部または本発明のポリヌクレオチドを組込むことができる。この宿主細胞へのポリヌクレオチドの導入は、Davis, et al.,BASIC METHODS IN MOLECULAR BIOLOGY,(1986)およびSambrook,et al., MOLECULAR CLONING:A LABORATORY MANUAL, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(1989)などの多くの標準的な実験室マニュアルに記載の方法、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、トランスベクション、マイクロインジェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、接合、形質導入、スクレープローディング(scrape loading)法、弾丸導入および感染によって達成され得る。
【0069】
適切な宿主の代表例として、連鎖球菌、ブドウ球菌、腸球菌、大腸菌、ストレプトマイセス、シアノバクテリア、枯草菌、髄膜炎菌、インフルエンザ菌およびカタル球菌の細胞などの細菌細胞、酵母、クリベロマイセス、サッカロマイセス、ピチア、担子菌、カンジダ・アルビカンスおよびアスペルギルスの細胞などの真菌細胞、ショウジョウバエS2およびスポドプテラSf9の細胞などの昆虫細胞、CHO、COS、HeLa、C127、3T3、BHK、293、CV−1およびBowesメラノーマの細胞などの動物細胞、ならびに裸子植物または被子植物の細胞などの植物細胞が挙げられる。
【0070】
多種多様な発現系を用いて、本発明のポリペプチドを産生することができる。かかるベクターには、特に、染色体、エピソームおよびウイルス由来のベクター、例えば、細菌プラスミド由来のベクター、バクテリオファージ由来のベクター、トランスポゾン由来のベクター、酵母エピソーム由来のベクター、挿入因子由来のベクター、酵母染色体エレメント由来のベクター、バキュロウイルス、SV40などのパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ピコルナウイルス、レトロウイルスおよびアルファウイルスなどのウイルス由来のベクター、ならびにプラスミドおよび(コスミドおよびファージミドなどの)バクテリオファージ遺伝因子由来のベクターなどのこれらの組み合わせ由来のベクターが含まれる。これらの発現系コンストラクトは、発現を調節し、かつ発現を生じさせる制御領域を含んでもよい。一般に、宿主においてポリヌクレオチドを維持するか、増やすか、もしくは発現させるのに適し、かつ/またはポリペプチドを発現させるのに適する任意の系またはベクターを、この点に関して、発現に用いることができる。適切なDNA配列を、例えば、Sambrook et al., MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL(上記)に記載の技術などの様々な公知の、日常的な技術のいずれかによって、この発現系に挿入することができる。
【0071】
真核生物の組換え発現系において、翻訳されたタンパク質を小胞体の内腔に、細胞膜周辺腔に、または細胞外環境に分泌させるために、適切な分泌シグナルをこの発現ポリペプチドに組み入れることができる。これらのシグナルはこのポリペプチドに対して内因性であってもよく、またはそれらは異種シグナルであってもよい。
【0072】
本発明のポリペプチドを、硫酸アンモニウム沈殿もしくはエタノール沈殿、酸抽出、陰イオンもしくは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む公知の方法によって、組換え細胞培養から回収および精製することができる。最も好ましくは、イオン金属アフィニティクロマトグラフィー(IMAC)が精製に用いられる。このポリペプチドが細胞内合成、単離および/または精製中に変性する場合には、タンパク質をリフォールディングさせる公知の技術を用いて、活性型高次構造を再び作ることができる。
【0073】
この発現系は、ウイルスまたは細菌などの組換え型の生きた微生物であってもよい。目的とする遺伝子を、生きた組換え型ウイルスまたは組換え型細菌のゲノムに挿入することができる。この生きたベクターを用いた接種およびインビボ感染は、抗原のインビボ発現および免疫反応の誘導をもたらす。この目的に用いられるウイルスおよび細菌は、例えば、ボックスウイルス(例えば、ワクシニア、鶏痘、カナリアポックス)、アルファウイルス(シンドビスウイルス、セムリキ森林ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ピコルナウイルス(ポリオウイルス、ライノウイルス)、ヘルペスウイルス(水痘帯状疱疹ウイルスなど)、リステリア、サルモネラ、シゲラ、BCG、連鎖球菌である。これらのウイルスおよび細菌は病原性があるか、または生ワクチンを取得するために様々な方法で弱毒化され得る。このような生ワクチンも本発明の一部をなす。
【0074】
免疫原性組成物におけるClfAおよび追加抗原の組み合わせ
本発明のさらなる態様は、組み合わせた時、ブドウ球菌感染に対する効果的な免疫原性組成物をもたらすブドウ球菌抗原の特定の組み合わせを開示する。この免疫原性組成物の有効性は、主に、黄色ブドウ球菌に対する防御反応を引き起こすその能力によって決定されるが、それらの免疫原性組成物は、表皮ブドウ球菌などの関連細菌に対する防御効果も生じさせることが好ましい。
【0075】
ブドウ球菌抗原の好ましい組み合わせは、免疫原性組成物またはワクチンに組み合わせる場合、異なるブドウ球菌の機能がこの免疫反応によって標的にされることを可能にする。このような免疫反応は、ブドウ球菌感染をさらに望ましく治療または予防することができる。例えば、既知の病原性因子には、ClfA、ClfB、SdrC、SdrD、SdrE、SdrG、SdrH、SasA、SasB、SasC、SasD、SasE、SasF、SasG、FnbpAおよびFnbpBのようなアドヘシンが含まれ、これらは、宿主細胞へのブドウ球菌の付着に関わる。EsxA、EsxBなどの毒素は宿主の免疫系を無能にするのに関与し、IsdA、IsdB、IsdCおよびIsdHは、鉄スカベンジャーの機能を果たす。
【0076】
特に、異なるクラスの特定抗原の組み合わせは、これらのいくつかは宿主細胞への接着に関与し、これらのいくつかは鉄獲得に関与し、これらのいくつかはオートトランスポーターであり、これらのいくつかは毒素であるが、感染を持続させるのに必要とされるブドウ球菌の複数機能に対して防御する免疫反応を引き起こすことができる。このような抗原の組み合わせは、細菌の2つ以上の機能がこの免疫反応によって標的にされる場合、驚くほど、ブドウ球菌感染に対するワクチンの有効性の改善をもたらすことができる。好ましくは、このワクチンの有効性の改善は、黄色ブドウ球菌および/または表皮ブドウ球菌に対するものである。
【0077】
本発明のさらなる態様は、本発明のClfAポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質を含み、さらに、ブドウ球菌細胞外成分結合タンパク質またはその断片を含む免疫原性組成物を提供する。一実施形態において、この細胞外成分結合タンパク質は、ラミニン受容体、SitC/MntC/唾液結合タンパク質、EbhA、EbhB、エラスチン結合タンパク質(EbpS)、EFB(FIB)、SBI、自己溶菌酵素、SdrC、SdrD、SdrE、SdrG、SdrH、リパーゼGehD、SasA、SasB、SasC、SasD、SasE、SasF、SasG、FnbA、FnbB、Cna、ClfB、FbpA、Npase、IsaA/PisA、SsaA、EPB、SSP−1、SSP−2、ビトロネクチン結合タンパク質、フィブリノゲン結合タンパク質、コアグラーゼ、FigおよびMAPからなる群から選択される。
【0078】
細胞外成分結合タンパク質は、宿主の細胞外成分に結合するタンパク質である。この用語はアドヘシンを含むが、これに限定されない。配列を含む細胞外結合成分についての詳細は、WO07/113222、WO08/19162、EP163623、WO05/116064、US6008341、WO99/27109、WO97/48727、WO02/59148、WO05/115113、WO06/121664、WO07/01361で見つかる。
【0079】
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、さらに、IsdA、IsdB、IsdCおよびHarAからなる群から選択されるブドウ球菌トランスポータータンパク質またはその断片を含む。IsdA、IsdB、IsdCおよびHarAまたはIsdHについては、WO07/113222、WO08/19162、WO08/152447およびWO06/59247に記載されている。
【0080】
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、さらに、RNA III活性化タンパク質(RAP)、EsxA、EsxBまたはEsxAとEsxB、EsaCとEsaBの組み合わせからなる群から選択されるブドウ球菌の病原性調節因子、毒素またはその断片を含む。これらの病原性調節因子および毒素については、WO07/113222、WO08/19162、WO07/145689、WO05/09396、WO10/14304およびWO02/59148に記載されている。
【0081】
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、任意に、黄色ブドウ球菌または表皮ブドウ球菌のタンパク質である追加的ブドウ球菌タンパク質を含む。一実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、さらに、WO06/32475またはWO07/113222に記載のタンパク質の1つ以上を、任意にその中に記載されている配列(参照により組込まれる)またはそれらの免疫原性断片と共に含む。これらのタンパク質の多くが、細胞外成分結合タンパク質、トランスポータータンパク質または毒素および病原性調節因子のカテゴリーに分類される。本発明の免疫原性組成物は、任意に、さらに、ブドウ球菌の細胞外成分結合タンパク質、ブドウ球菌のトランスポータータンパク質またはブドウ球菌の毒素もしくは病原性調節因子を含む。本発明の免疫原性組成物は、任意に、少なくともまたは正確に、1、2、3、4、5もしくは6つのブドウ球菌タンパク質を含む。
【0082】
本発明の好ましい免疫原性組成物は、ブドウ球菌内で異なる機能を有する少なくとも2つの異なるタンパク質のカテゴリーから選択される複数のタンパク質を含む。タンパク質のかかるカテゴリーの例として、細胞外結合タンパク質、鉄獲得タンパク質などのトランスポータータンパク質、毒素または病原性調節因子および他の免疫優勢タンパク質が挙げられる。
【0083】
好ましい実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、さらに、
グループa)細胞外成分結合タンパク質;
グループb)トランスポータータンパク質;
グループc)毒素または病原性調節因子
グループd)構造タンパク質
から選択される2、3または4つの異なるグループから選択される2、3、4、5または6以上のいくつかのタンパク質を含む。
【0084】
好ましい実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、さらに、以下のグループの2、3または4から選択される2、3、4、5または6以上のいくつかのタンパク質を含む:
グループa)ラミニン受容体、SitC/MntC/唾液結合タンパク質、EbhA、EbhB、エラスチン結合タンパク質(EbpS)、EFB(FIB)、SBI、ClfA、SdrC、SdrD、SdrE、SdrG、SdrH、SasF、リパーゼGehD、SasA、SasB、SasC、SasD、SasK、FnbA、FnbB、Cna、ClfB、FbpA、Npase、IsaA/PisA、SsaA、EPB、SSP−1、SSP−2、HBP、ビトロネクチン結合タンパク質、フィブリノゲン結合タンパク質、コアグラーゼ、FigおよびMAPからなる群から選択される少なくとも1つのブドウ球菌細胞外成分結合タンパク質またはその断片;
グループb)免疫優性ABCトランスポーター、IsdA、IsdB、IsdC、Mg2+トランスポーター、HarA、SitCおよびNi ABCトランスポーターからなる群から選択される少なくとも1つのブドウ球菌トランスポータータンパク質またはその断片;
グループc)EsxA、EsxB、RNA III活性化タンパク質(RAP)からなる群から選択される少なくとも1つのブドウ球菌の病原性調節因子、毒素またはその断片;
グループd)MRPIIおよび自己溶菌酵素からなる群から選択される少なくとも1つのブドウ球菌構造タンパク質またはその免疫原性断片。
【0085】
本発明の免疫原性組成物中に存在する任意の組み合わせには、IsdA、IsdBとEsaC;SdrC、IsdAとEsaC;IsdAとEsxA;IsdBとEsxA;IsdA、IsdBとEsxA;SdrC、IsdAとEsxA;ClfA、IsdAとEsxB;IsdBとEsxB;IsdA、IsdBとEsxB;SdrC、IsdAとEsxB;SdrD、IsdAとIsdB;SdrC、IsdAとIsdB;SdrE、IsdAとIsdB;SdrG、IsdAとIsdB;IsdAとIsdB;ClfB、IsdAとIsdB;EsaCとIsdA;EsaCとIsdB;EsaCとEsxA;EsaCとEsxB;EsaCとSdrCが含まれる。
【0086】
糖類
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、ブドウ球菌の糖抗原および変異ClfAポリペプチドを含む。例えば、この免疫原性組成物は、任意に担体タンパク質に結合している黄色ブドウ球菌の5型および/または8型の莢膜糖類を含む。
【0087】
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、任意に担体タンパク質に結合しているPNAGを含む。任意に、このPNAGは、50%、40%、30%、20%または10%未満がNアセチル化されている。
【0088】
一実施形態において、この免疫原性組成物は、表皮ブドウ球菌の336抗原またはI型、II型もしくはII型の莢膜糖類を含む。
【0089】
ポリN−アセチル化グルコサミン(PNAG)
PNAGは多糖細胞間アドヘシンであり、任意に、N−アセチルおよび/またはO−スクシニル構成要素で置換されたβ−(1→6)結合グルコサミンのポリマーで構成されている。この多糖は黄色ブドウ球菌および表皮ブドウ球菌の両方に存在し、いずれかの供給源から単離することができる(Joyce et al 2003, Carbohydrate Research 338;903;Maira−Litran et al 2002,Infect.Imun.70;4433)。例えば、PNAGは、黄色ブドウ球菌株MN8mから単離することができる(WO04/43407)。dPNAGの調製については、WO04/43405に記載されている。
【0090】
以前にポリ−N−スクシニル−β−(1→6)−グルコサミン(PNSG)として知られた多糖は、N−スクシニル化の同定が不正確であったため、予想される構造を持たないことが最近示された(Maira−Litran et al 2002, Infect. Imun. 70;4433)。したがって、正式にはPNSGとして知られ、現在はPNAGであると判明した多糖も、PNAGという用語に包含される。
【0091】
PNAGは、400kDa超、75〜400kDa、10〜75kDaのサイズから、(任意に、N−アセチルおよびO−スクシニル構成要素で置換されたβ−(1→6)結合グルコサミンの)最高で30個の反復単位で構成されるオリゴ糖にまで変化する異なるサイズのものであってもよい。PNAG多糖またはオリゴ糖の全てのサイズを、本発明の免疫原性組成物に用いることができ、例えば、40kDa超のサイズを用いることができる。サイズ化は、当技術分野で公知の任意の方法、例えば、微小流動化、超音波照射または化学的切断によって達成することができる(WO03/53462、EP497524、EP497525)。
【0092】
PNAGのサイズ範囲は、例えば、40〜400kDa、50〜350kDa、40〜300kDa、60〜300kDa、50〜250kDaおよび60〜200kDaである。
【0093】
PNAGは、酢酸によるアミノ基上での置換により、アセチル化の程度が異なり得る。インビトロで生成したPNAGは、ほぼ完全にアミノ基上で置換されている(95〜100%)。あるいは、50%、40%、30%、20%、10%または5%未満のN−アセチル化を有する脱アセチル化PNAGを用いることができる。脱アセチル化PNAGの使用により、グラム陽性細菌、任意に、黄色ブドウ球菌および/または表皮ブドウ球菌(WO04/43405)のオプソニン殺傷が可能になる。一実施形態において、このPNAGは、40kDa〜300kDaの間のサイズを有し、50%、40%、30%、20%、10%または5%未満のアミノ基がN−アセチル化されるように脱アセチル化される。
【0094】
一実施形態において、このPNAGはO−スクシニル化されていないか、または25、20、15、10、5、2、1または0.1%未満の残基上でO−スクシニル化されている。
【0095】
脱アセチル化PNAG(dPNAG)という用語は、50%、40%、30%、20%、10%または5%未満のアミノ基がアセチル化されたPNAGの多糖またはオリゴ糖を表す。
【0096】
本明細書で使用するPNAGという用語は、糖類のアセチル化形態および脱アセチル化形態の両方を包含する。
【0097】
一実施形態において、PNAGは脱アセチル化され、天然多糖を化学的に処理することによってdPNAGを形成する。例えば、天然のPNAGを、pHが10以上に上昇するように塩基溶液で処理する。例えば、このPNAGを、0.1〜5M、0.2〜4M、0.3〜3M、0.5〜2M、0.75〜1.5Mもしくは1MのNaOH、KOHまたはNHOHで処理する。処理は、20〜100、25〜80、30〜60、30〜50または35〜45℃の温度で、少なくとも10もしくは30分間、または1、2、3、4、5、10、15もしくは20時間ある。dPNAGは、WO04/43405に記載される通りに調製され得る。
【0098】
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物に含まれる多糖(複数可)は、以下に記載の担体タンパク質に結合しているか、あるいは結合してない。
【0099】
黄色ブドウ球菌由来の5型多糖および8型多糖
ヒトに感染を引き起こす黄色ブドウ球菌のほとんどの株は、5型多糖または8型多糖のいずれか一方を含む。ヒト株の約60%が8型であり、約30%が5型である。5型および8型の莢膜多糖抗原の構造については、Moreau et al Carbohydrate Res. 201;285(1990)およびFournier et al Infect. Immun. 45;87(1984)に記載されている。両方ともそれらの反復単位中にFucNAcpおよびManNAcAを有し、ManNAcAはスルフヒドリル基を導入するために用いることができる。
【0100】
最近(Jones Carbohydrate Research 340、1097−1106(2005))、NMR分光法によりこれらの莢膜多糖の構造が以下のように修正された:
5型
→4)−β−D−ManNAcA−(1→4)−α−L−FucNAc(3OAc)−(1→3)−β−D−FucNAc−(1→
8型
→3)−β−D−ManNAcA(4OAc)−(1→3)−α−L−FucNAc(1→3)−α−D−FucNAc(1→
多糖は、例えば、米国特許第6294177号またはInfection and Immunity(1990)58(7);2367に記載の通りに、当該技術者に公知の方法を用いて、黄色ブドウ球菌の適切な株から抽出することができる。例えば、ATCC12902は5型黄色ブドウ球菌株であり、ATCC12605は、8型黄色ブドウ球菌株である。
【0101】
多糖類は天然サイズのものであるか、あるいは、例えば、微小流動化、超音波照射または化学的処理によってサイズ化され得る。本発明は、黄色ブドウ球菌の5型多糖および8型多糖に由来するオリゴ糖も対象とする。
【0102】
糖類の重量平均分子量は、1000〜2000000、5000〜1000000、10000〜500000、50000〜400000、75000〜300000、または100000〜200000であり得る。本明細書に記載の糖類の分子量または平均分子量は、結合前に測定された糖類の重量平均分子量(Mw)を表し、MALLSによって測定される。このMALLS技術は当該技術分野で公知であり、典型的には、実施例2に記載の通りに実行される。糖類のMALLS分析には、2つのカラム(TSKG6000および5000PWxl)を組み合わせて用いることができ、糖類を水中に溶出させる。糖類を、光散乱検出器(例えば、488nmでの10mWのアルゴンレーザーを備えるWyatt Dawn DSP)および干渉屈折計(例えば、P100セルおよび498nmでの赤色フィルターを備えたWyatt Otilab DSP)を用いて検出する。一実施形態において、糖類の多分散性は、1〜1.5、1〜1.3、1〜1.2、1〜1.1または1〜1.05であり、担体タンパク質への結合後には、この複合体の多分散性は、1.0〜2.5、1.0〜2.1.0〜1.5、1.0〜1.2、1.5〜2.5、1.7〜2.2または1.5〜2.0である。全ての多分散性測定はMALLSによる。
【0103】
本発明の免疫原性組成物中に含まれる5型および/もしくは8型の莢膜多糖またはオリゴ糖は、O−アセチル化されている。一実施形態において、5型の莢膜多糖またはオリゴ糖のO−アセチル化の程度は、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、90〜100%、50〜90%、60〜90%、70〜90%または80〜90%である。一実施形態において、8型の莢膜多糖またはオリゴ糖のO−アセチル化の程度は、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、90〜100%、50〜90%、60〜90%、70〜90%または80〜90%である。一実施形態において、5型および8型の莢膜多糖またはオリゴ糖のO−アセチル化の程度は、10〜100%、20〜100%、30〜100%、40〜100%、50〜100%、60〜100%、70〜100%、80〜100%、90〜100%、50〜90%、60〜90%、70〜90%または80〜90%である。
【0104】
この多糖またはオリゴ糖のO−アセチル化の程度を、当該技術分野で公知の任意の方法によって、例えば、プロトンNMR(Lemercinier and Jones 1996, Carbohydrate Resarch 296;83−96, Jones and Lemercinier 2002, J Pharmaceutical and Biomedical analysis 30;1233−1247、WO05/033148またはWO00/56357)によって決定することができる。さらに一般的に用いられる方法は、Hestrin(1949)J.Biol.Chem.180;249−261に記載されている方法である。
【0105】
O−アセチル基を加水分解によって、例えば、無水ヒドラジンなどの塩基での処理(Konadu et al 1994;Infect. Immun. 62;5048−5054)または1〜8時間、0.1NのNaOHでの処理によって除去することができる。5型および/または8型の多糖またはオリゴ糖上で高レベルのO−アセチル化を維持するために、O−アセチル基の加水分解をもたらす処理を最小限にする。例えば、極端なpHでの処理を最小限にする。
【0106】
本発明の免疫原性組成物中に含まれる5型および8型の多糖は、任意に、以下に記載の担体タンパク質に結合しているか、あるいは結合してない。
【0107】
あるいは、本発明の免疫原性組成物は、5型多糖または8型多糖のいずれか一方を含む。
【0108】
黄色ブドウ球菌336抗原
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物は、米国特許第6294177号に記載の黄色ブドウ球菌336抗原を含む。
【0109】
この336抗原はβ結合ヘキソサミンを含み、O−アセチル基を含まず、ATCC55804の登録番号で寄託された336型黄色ブドウ球菌に対する抗体に特異的に結合する。
【0110】
一実施形態において、この336抗原は天然サイズのものであるか、あるいは、例えば、微小流動化、超音波照射または化学的処理によってサイズ化され得る多糖である。本発明は、336抗原由来のオリゴ糖も対象である。
【0111】
本発明の免疫原性組成物中に含まれる336抗原は、任意に、以下に記載の担体タンパク質に結合しているか、あるいは結合してない。
【0112】
表皮ブドウ球菌のI型、II型およびIII型の多糖
表皮ブドウ球菌のATCC−31432株、SE−360株およびSE−10株は、それぞれ、I型、II型およびIII型の3つの異なる莢膜型の特徴を示す(Ichiman and Yoshida 1981, J. Appl. Bacteriol. 51;229)。表皮ブドウ球菌の各血清型から抽出された莢膜多糖は、I型、II型およびIII型の多糖を構成する。多糖類は、米国特許第4197290号に記載の方法またはIchiman et al 1991, J. Appl. Bacteriol. 71;176に記載の方法を含むいくつかの方法によって抽出され得る。
【0113】
本発明の一実施形態において、この免疫原性組成物は、表皮ブドウ球菌のI型および/もしくはII型および/もしくはIII型の多糖またはオリゴ糖を含む。
【0114】
多糖類は天然サイズのものであるか、あるいは、例えば、微小流動化、超音波照射または化学的切断によってサイズ化され得る。本発明は、表皮ブドウ球菌から抽出されたオリゴ糖も対象である。
【0115】
これらの多糖類は結合していないか、または、任意に、以下に記載の通りに結合している。
【0116】
多糖類の結合
ワクチン接種における多糖類の使用に関連する問題の中に、多糖類それ自体が弱い免疫原であるという事実がある。この免疫原性の欠如を克服するように設計されている戦略には、バイスタンダーT細胞ヘルプ(bystander T−cell help)を提供する巨大タンパク質担体への多糖の結合が含まれる。一実施形態において、本明細書で利用する多糖を、バイスタンダーT細胞ヘルプを提供するタンパク質担体に結合させる。多糖またはオリゴ糖の免疫原と結合させるのに用いられ得るこれらの担体の例として、ジフテリアおよび破傷風トキソイド(DT、DT Crm197およびTT)、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、緑膿菌エキソプロテインA(rEPA)およびツベルクリンの精製タンパク質誘導体(PPD)、インフルエンザ菌のプロテインD、ニューモリシンまたは上記のいずれかの断片が挙げられる。使用に適する断片には、ヘルパーTエピトープを包含する断片が含まれる。特に、プロテインD断片は、任意に、このタンパク質のN末端の1/3を含む。プロテインDは、インフルエンザ菌のIgD結合タンパク質である(EP0 594 610 B1)。
【0117】
一実施形態において、本発明の免疫原性組成物に用いられる担体タンパク質は、上記に記載のブドウ球菌Isdタンパク質の断片、ブドウ球菌細胞外成分結合タンパク質の断片または本発明の融合タンパク質の断片を含むか、またはこれらの断片からなる。
【0118】
一実施形態において、EsxA、EsxB、EsaCまたはEsaBは、結合していないタンパク質または遊離タンパク質として本発明の免疫原性組成物中に存在する(WO08/19162、WO10/14304)。
【0119】
これらの多糖類は、任意の公知の方法(例えば、Likhiteによる米国特許第4,372,945号、Armorらによる米国特許第4,474,757号、Jenningsらによる米国特許第4,356,170号)によって、この担体タンパク質(複数可)に結合することができる。任意に、CDAP結合化学が実行される(WO95/08348参照)。
【0120】
CDAPにおいて、シアニル化剤の1−シアノ−ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロボレート(CDAP)が、任意に、多糖−タンパク質複合体の合成に用いられる。このシアニル化反応を比較的穏やかな条件下で行うことができ、これによって、アルカリ感受性多糖の加水分解を阻止する。この合成により、担体タンパク質への直接結合が可能になる。
【0121】
この多糖を、水溶液または生理食塩水に可溶化することができる。CDAPをアセトニトリルに溶解させ、すぐにこの多糖溶液に添加してもよい。このCDAPはこの多糖のヒドロキシル基と反応して、シアネートエステルを形成する。活性化ステップ後、この担体タンパク質を添加する。リジンのアミノ基がこの活性化多糖と反応して、イソ尿素共有結合を形成する。この結合反応後、過剰のグリシンを添加し、残留活性化官能基をクエンチングする。その後、この生成物をゲル浸透カラムに透過させ、未反応担体タンパク質および残留試薬を除去する。
【0122】
組成物
本発明は、本発明のClfAのポリペプチド、断片または融合タンパク質および医薬的に許容される賦形剤を含む免疫原性組成物またはワクチンを提供する。
【0123】
本発明の免疫原性組成物およびワクチンは、特に、高齢者集団における使用だけでなく幼児集団における使用を対象とする時に、アジュバンド化することができる。適切なアジュバントには、水酸化アルミニウムゲルまたはリン酸アルミニウムまたはミョウバンなどのアルミニウム塩が含まれるが、カルシウム、マグネシウム、鉄または亜鉛の塩などの他の金属塩であってもよく、またはアシル化チロシン、もしくはアシル化糖、陽イオン誘導体化糖もしくは陰イオン誘導体化糖、またはポリフォスファゼンの不溶性懸濁液であってもよい。
【0124】
TH1型の反応の優先的な誘導因子であるアジュバントが選択されることが好ましい。かかる高レベルのTh1型サイトカインは、特定の抗原に対して細胞媒介性免疫反応の誘導を助ける傾向があるが、高レベルのTh2型サイトカインは、この抗原に対して体液性免疫反応の誘導を助ける傾向がある。
【0125】
Th1型およびTh2型の免疫反応の区別は絶対的ではない。実際には、個体が、主にTh1または主にTh2と説明される免疫反応を支持する。しかし、MosmannおよびCoffman(Mosmann, T.R. and Coffman, R.L.(1989)TH1 and TH2 cells:different patterns of lymphokine secretion lead to different functional properties.(Annual Review of Immunology, 7, p145−173)がマウスCD4+veT細胞クローンについて記載しているような観点から、サイトカインのファミリーを考慮することが好都合である場合が多い。慣例上、Th1型反応は、Tリンパ球によるINF−γサイトカインおよびIL−2サイトカインの産生と関連する。IL−12などの、Th1型免疫反応の誘導に直接関連する場合が多い他のサイトカインは、T細胞によって産生されない。対照的に、Th2型反応は、IL−4、IL−5、IL−6、IL−10の分泌と関連する。主にTh1反応を促進する適切なアジュバント系には、モノホスホリルリピドAもしくはその誘導体(または、一般に、解毒されたリピドA−例えば、WO2005107798参照)、特に、3−de−O−アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)(その調製については、GB2220211 A参照)、およびアルミニウム塩(例えば、リン酸アルミニウムもしくは水酸化アルミニウム)または水中油型エマルションのいずれか一方とモノホスホリルリピドA、好ましくは3−de−O−アシル化モノホスホリルリピドAとの組み合わせが含まれる。かかる組み合わせにおいて、同一の粒子構造に抗原および3D−MPLを含めることにより、抗原シグナルおよび免疫賦活性シグナルのより効率的な送達が可能になる。3D−MPLがミョウバン吸着抗原の免疫原性をさらに増強することができることを複数の研究が示している(Thoelen et al. Vaccine(1998)16:708−14; EP689454−B1)。
【0126】
増強した系には、モノホスホリルリピドAとサポニン誘導体の組み合わせ、特に、WO94/00153に開示されているQS21と3D−MPLの組み合わせ、またはWO96/33739に開示されているように、QS21がコレステロールでクエンチングされる低反応性組成物が含まれる。水中油型エマルション中のQS21、3D−MPLおよびトコフェロールを含む特に効力の高いアジュバント製剤については、WO95/17210に記載されている。一実施形態において、この免疫原性組成物は、QS21であり得るサポニンをさらに含む。この製剤は、水中油型エマルションおよびトコフェロールも含んでもよい(WO95/17210)。非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチド(WO96/02555)および他の免疫調節オリゴヌクレオチド(WO0226757およびWO03507822)も、TH1反応の好ましい誘導因子であり、本発明における使用に適する。
【0127】
本発明の組成物と共に用いられ得るさらなるアジュバントは、サポニン、リピドAもしくはその誘導体、免疫賦活性オリゴヌクレオチド、リン酸アルキルグルコサミニド、水中油型エマルションまたはそれらの組み合わせのグループから選択され得る。さらに好ましいアジュバントは、別のアジュバントと組み合わせた金属塩である。このアジュバントは、Toll様受容体アゴニスト、特に、Toll様受容体2、3、4、7、8もしくは9のアゴニスト、またはサポニン、特に、Qs21であることが好ましい。このアジュバント系が、上記のリストの2種類以上のアジュバントを含むことがさらに好ましい。特に、これらの組み合わせは、好ましくは、サポニン(特に、Qs21)アジュバントおよび/またはCpG含有免疫賦活性オリゴヌクレオチドなどのToll様受容体9アゴニストを含む。他の好ましい組み合わせには、サポニン(特に、QS21)とToll様受容体4アゴニスト、例えば、モノホスホリルリピドAもしくはその3脱アシル化誘導体3D−MPL、またはサポニン(特に、QS21)とToll様受容体4リガンド、例えば、リン酸アルキルグルコサミニドが含まれる。
【0128】
特に好ましいアジュバントは、3D−MPLとQS21の組み合わせ(EP0 671 948 B1)、3D−MPLおよびQS21を含む水中油型エマルション(WO95/17210、WO98/56414)、または他の担体で製剤化された3D−MPL(EP0 689 454 B1)である。他の好ましいアジュバント系には、米国特許第6558670号、同第6544518号に記載の3D−MPL、QS21とCpGオリゴヌクレオチドの組み合わせが含まれる。
【0129】
一実施形態において、このアジュバントはToll様受容体(TLR)4リガンド、好ましくはリピドA誘導体、具体的には、モノホスホリルリピドA、より具体的には、3脱アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)などのアゴニストである。
【0130】
3D−MPLは、北米のGlaxoSmithKline Biologicals社から入手可能であり、主として、IFN−g(Th1)表現型を有するCD4+T細胞反応を促進する。3D−MPLは、GB 2 220 211 Aに開示されている方法に従って産生することができる。化学的には、3D−MPLは、3、4、5または6つのアシル化された鎖を有する3脱アシル化モノホスホリルリピドAの混合物である。好ましくは、本発明の組成物において、小粒子の3D−MPLを用いる。小粒子の3D−MPLは、0.22μmのフィルターを通して滅菌濾過できるような粒径を有する。かかる調製物については、国際特許出願WO94/21292に記載されている。リピドAの合成誘導体は公知であり、以下のものを含むが、これらに限定されないTLR4アゴニストであると考えられている:
OM174(2−デオキシ−6−o−[2−デオキシ−2−[(R)−3−ドデカノイルオキシテトラ−デカノイルアミノ]−4−o−ホスホノ−β−D−グルコピラノシル]−2−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]−α−D−グルコピラノシルジハイドロジェンホスフェート)、(WO95/14026)
OM294DP(3S,9R)−3−[(R)−ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]−4−オキソ−5−アザ−9(R)−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカン−1,10−ジオール,1,10−ビス(ジハイドロジェンホスフェート)、(WO99/64301およびWO00/0462)
OM197MP−AcDP(3S−,9R)−3−[(R)−ドデカノイルオキシテトラデカノイルアミノ]−4−オキソ−5−アザ−9−[(R)−3−ヒドロキシテトラデカノイルアミノ]デカン−1,10−ジオール,1−ジハイドロジェンホスフェート10−(6−アミノヘキサノエート)、(WO01/46127)。
【0131】
使用することできる他のTLR4リガンドは、WO9850399または米国特許第6303347号に開示されているものなどのアルキルグルコサミニドホスフェート(AGP)(AGPの調製方法についても開示されている)、または米国特許第6764840号に開示されているAGPの医薬的に許容される塩である。いくつかのAGPはTLR4アゴニストであり、いくつかはTLR4アンタゴニストである。これらの両方はアジュバントとして有用であると考えられている。
【0132】
本発明で使用するための別の好ましい免疫賦活剤はQuil Aおよびその誘導体である。Quil Aは、南米の木のキラヤ・サポナリア・モリナから単離されたサポニン製剤であり、最初に、1974年にDalsgaardら(“Saponin adjuvants”, Archiv.fur die gesamte Virusforschung, Vol.44, Springer Verlag, Berlin, p243−254)によってアジュバント活性を有すると記載された。Quil Aに付随する毒性、例えば、QS7およびQS21(QA7およびQA21とも知られる)を含まずアジュバント活性を保持するQuil Aの精製断片は、HPLCによって単離された(EP0 362 278)。QS−21はキラヤ・サポナリア・モリナの樹皮に由来する天然のサポニンであり、CD8+細胞毒性T細胞(CTL)、Th1細胞および主たるIgG2a抗体反応を誘発し、本発明の文脈における好ましいサポニンである。
【0133】
特に好ましいQS21の特定の製剤は、これらの製剤がさらにステロールを含むと記載されている(WO96/33739)。本発明のサポニン形成部分は、(優先的であるが、独占的ではない胆汁酸塩で)ミセル、混合ミセルの形態に分かれてもよく、またはISCOM基質の形態(EP 0 109 942 B1)、リポソームの形態、または虫様もしくは環状の多重結合複合体などの関連するコロイド構造の形態、またはコレステロールおよび脂質で製剤化された時は、脂質/層状構造およびラメラの形態、または(例えば、WO95/17210に記載の)水中油型エマルションの形態であってもよい。これらのサポニンは、好ましくは、水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムなどの金属塩と結合していてもよい(WO98/15287)。好ましくは、このサポニンは、リポソーム、ISCOMまたは水中油型エマルションの形態で存在する。
【0134】
増強した系には、モノホスホリルリピドAとサポニン誘導体の組み合わせ、特に、WO94/00153に開示されているQS21と3D−MPLの組み合わせ、またはWO96/33739に開示されているようにQS21がコレステロールでクエンチングされる低反応性組成物が含まれる。水中油型エマルション中にQS21および/または3D−MPLがあろうが無かろうがトコフェロールを含む特に効力の高いアジュバント製剤については、WO95/17210に記載されている。一実施形態において、この免疫原性組成物は、QS21であり得るサポニンをさらに含む。
【0135】
免疫賦活性オリゴヌクレオチドまたは任意の他のToll様受容体(TLR)9アゴニストも用いることができる。本発明のアジュバントまたはワクチンに使用するのに好ましいオリゴヌクレオチドはCpG含有オリゴヌクレオチドであり、好ましくは、少なくとも3つ、より好ましくは、少なくとも6つ以上のヌクレオチドによって分離された2つ以上のジヌクレオチドCpGモチーフを含む。CpGモチーフは、シトシンヌクレオチドに続くグアニンヌクレオチドである。本発明のCpGオリゴヌクレオチドは、典型的にはデオキシヌクレオチドである。好ましい実施形態において、このオリゴヌクレオチド内のヌクレオチド間は、ホスホロジチオエート結合、またはより好ましくは、ホスホロチオエート結合であるが、ホスホジエステル結合および他のヌクレオチド間結合は本発明の範囲内にある。混合ヌクレオチド間結合を有するオリゴヌクレオチドも本発明の範囲に含まれる。ホスホロチオエートオリゴヌクレオチドまたはホスホロジチオエートを作製する方法については、米国特許第5,666,153号、同第5,278,302号およびWO95/26204に記載されている。
【0136】
このアジュバントは水中油型エマルションであってもよく、または他のアジュバントと組み合わせた水中油型エマルションを含んでもよい。このエマルション系の油相は、好ましくは、代謝可能な油を含む。代謝可能な油という用語の意味は当該技術分野で公知である。代謝可能は、「代謝によって変換され得る」と定義することができる(Dorland’s Illustrated Medical Dictionary, W.B.Sanders Company, 25th edition(1974))。この油は、任意の植物油、魚油、動物性油または合成油であってもよく、これは受け手に対して毒性がなく、代謝によって変換され得る。ナッツ、種子、および穀物は一般的な植物油の供給源である。合成油類は本発明の一部でもあり、NEOBEE(登録商標)などの市販の油などを含むことができる。スクアレン(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサエン)は不飽和油であり、サメの肝油中に大量に見られ、オリーブ油、小麦胚芽油、ぬか油、および酵母中に少量見られ、本発明の使用に特に好ましい油である。スクアレンは、コレステロールの生合成の中間体であるという事実に基づき、代謝可能な油である(Merck index, 10th Edition, entry no.8619)。
【0137】
トコール類(例えば、ビタミンE)も、油エマルションアジュバント中で用いられる場合が多い(EP0 382 271 B1;米国特許第5667784号;WO95/17210)。本発明の油エマルション(好ましくは、水中油型エマルション)中で用いられるトコール類は、これらのトコールが、好ましくは、直径1ミクロン未満の、任意に乳化剤を含むトコール小滴の分散系であり得るという点において、EP0 382 271 B1に記載される通りに製剤化され得る。あるいは、これらのトコールを別の油と組み合わせて用い、油エマルションの油相を形成することができる。上記の記載の代謝可能な油などの、トコールと組み合わせて用いられ得る油エマルションの例を本明細書に記載する。
【0138】
水中油型エマルションアジュバントそれ自体は、アジュバント組成物として有用であることが示唆されており(EP0 399 843B)、水中油型エマルションと他の活性剤の組み合わせもワクチンのアジュバントとして記載されている(WO95/17210;WO98/56414;WO99/12565;WO99/11241)。油中水型エマルション(米国特許第5,422,109号;EP0 480 982 B2)および水中油中水型エマルション(米国特許第5,424,067号;EP0 480 981 B)などの他の油エマルションアジュバントについても記載されている。これらの全ては、(特に、トコール類を包含する時)アジュバントおよび本発明の組成物を形成するのに好ましい油エマルション系を形成する。
【0139】
最も好ましくは、この油エマルション(例えば、水中油型エマルション)は、TWEEN 80などの乳化剤および/またはコレステロールなどのステロールをさらに含む。
【0140】
好ましい油エマルション(好ましくは、水中油型エマルション)には、スクアラン、スクアレンなどの代謝可能な無毒の油、またはα−トコフェロールなどのトコフェロール(および、好ましくは、スクアレンおよびα−トコフェロールの両方)ならびに任意に、Tween 80などの乳化剤(または界面活性剤)が含まれる。ステロール(好ましくは、コレステロール)も含まれ得る。
【0141】
水中油型エマルションの生成法は当該技術者に公知である。一般に、この方法は、トコール含有油相と、PBS/TWEEN80(商標)溶液などの界面活性剤とを混合し、その後、ホモジナイザーを用いて均質化することを含み、この混合物を2回注射針に通すことを含む方法が、少量の液体を均質化するのに適することは当該技術者には明らかである。同様に、当該技術者は、微小流動化装置による乳化方法(M110S Microfluidics machine、最大50回通過、6barの最大入口圧力で2分間(出口圧力約850bar))を適合させて、小量または大量のエマルションを生成することができる。この適合は、必要とされる直径の油滴を有する製剤が得られるまで、得られたエマルションの測定を含む通常の実験によって達成することができる。
【0142】
水中油型エマルションにおいて、この油および乳化剤は水性担体中に存在するべきである。この水性担体は、例えば、リン酸緩衝生理食塩水であってもよい。
【0143】
安定な水中油型エマルション中に見られる油滴のサイズは、光子相関分光法により測定される場合に、好ましくは、直径が1ミクロン未満であり、実質的に30〜600nm、好ましくは、実質的に約30〜500nm、最も好ましくは、直径が実施的に150〜500nmの範囲、特に、直径が約150nmであり得る。この点で、数基準で油滴の80%は好ましい範囲内にあるべきであり、より好ましくは、数基準で油滴の90%以上、最も好ましくは、95%以上が規定のサイズの範囲内にある。本発明の油エマルション中に存在する成分量は、従来的には、スクアレンなどの油が0.5〜20%または2〜10%の範囲であり、存在する時、α−トコフェロールが2〜10%、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどの界面活性剤が0.3〜3%の範囲である。好ましくは、油(好ましくは、スクアレン):トコール(好ましくは、α−トコフェロール)の比は、これがより安定なエマルションを提供するように1以下である。Tween80またはSpan85などの乳化剤も、約1%のレベルで存在してもよい。いくつかの場合において、本発明のワクチンが安定剤をさらに含むことは好都合であり得る。
【0144】
好ましいエマルション系の例については、WO95/17210、WO99/11241およびWO99/12565に記載されており、これらは、任意に、免疫賦活剤QS21および/または3D−MPLで製剤化された、スクアレン、α−トコフェロールおよびTWEEN 80に基づくエマルションアジュバントを開示している。したがって、本発明の特に好ましい実施形態において、本発明のアジュバントは、LPSもしくはその誘導体、および/またはサポニンなどのさらなる免疫賦活剤を追加的に含んでもよい。さらなる免疫賦活剤の例については、本明細書および「Vaccine Design−The Subunit and Adjuvant Approach」1995, Pharmaceutical Biotechnology, Volume 6, Eds.Powell, M.F., and Newman, M.J., Plenum Press, New York and London, ISBN 0−306−44867−Xに記載されている。
【0145】
好ましい態様において、本発明によるアジュバントおよび免疫原性組成物は、上記に記載の油エマルション中に、任意に、ステロール(好ましくは、コレステロール)と共に、サポニン(好ましくは、QS21)および/またはLPS誘導体(好ましくは、3D−MPL)を含む。さらに、この油エマルション(好ましくは、水中油型エマルション)は、span85および/またはレシチンおよび/またはトリカプリリンを含んでもよい。水中油型エマルション、ステロールおよびサポニンを含むアジュバントについてはWO99/12565に記載されている。
【0146】
典型的には、ヒトへの投与には、サポニン(好ましくは、QS21)および/またはLPS誘導体(好ましくは、3D−MPL)は、1用量あたり1μg〜200μg、例えば、10〜100μg、好ましくは、10μg〜50μgの範囲のヒト用量の免疫原性組成物中に存在する。典型的には、この油エマルション(好ましくは、水中油型エマルション)は、2〜10%の代謝可能な油を含む。好ましくは、この油エマルションは、2〜10%のスクアレン、2〜10%のα−トコフェロール、および0.3〜3%(好ましくは、0.4〜2%)の乳化剤(好ましくは、tween 80(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート))を含む。スクアレンおよびα−トコフェロールの両方が存在する時、好ましくは、スクアレン:α−トコフェロールの比は、これがより安定なエマルションを提供するように1以下である。Span 85(ソルビタントリオレエート)も、本発明に使用するエマルション中に0.5〜1%のレベルで存在してもよい。いくつかの場合において、本発明の免疫原性組成物およびワクチンが、安定剤、例えば、カプリル酸(merck index 10th Edition, entry no.1739)(トリカプリリンが特に好ましい)を含む他の乳化剤/界面活性剤をさらに含むことは好都合であり得る。
【0147】
スクアレンおよびサポニン(好ましくは、QS21)が含まれる場合、このエマルション中の油の全レベルの減少を可能にするように、この製剤にステロール(好ましくは、コレステロール)も含めることは有益である。これは、製造コストの減少、ワクチン接種の全体的な快適性の改善、および、IFN−γ産生の改善などの結果として起こる免疫反応の定性的および定量的な改善ももたらす。したがって、本発明のアジュバント系は、典型的には、200:1〜300:1の範囲の代謝可能な油:サポニン(w/w)の比を含み、また本発明は、1:1:〜200:1、好ましくは、20:1〜100:1である好ましい範囲、最も好ましくは、実質的に48:1の「低油」形態で使用することができ、このワクチンは全ての成分の有益なアジュバント特性を保持し、反応原性プロファイルが非常に低減されている。したがって、特定の好ましい実施形態は、1:1〜250:1の範囲のスクアレン:QS21(w/w)の比を有し、好ましい範囲は20:1〜200:1、好ましくは20:1〜100:1、最も好ましくは、実質的に48:1である。好ましくは、本明細書に記載のサポニン:ステロールの比で存在するステロール(最も好ましくは、コレステロール)も含まれる。
【0148】
本発明のエマルション系は、好ましくは、サブミクロンの範囲の小さい油滴サイズを有する。最も好ましくは、この油滴サイズは、直径が120〜750nm、最も好ましくは、120〜600nmの範囲である。
【0149】
(本発明の免疫原性組成物におけるAlPO4との最高の組み合わせのために、)特定の有力なアジュバント製剤は、WO95/17210またはWO99/12565に記載のサポニン(好ましくは、QS21)、LPS誘導体(好ましくは、3D−MPL)および油エマルション(好ましくは、水中油型エマルション中のスクアレンおよびαトコフェロール)(特に、実施例2の表1のアジュバント製剤11)を含む。
【0150】
TLR2アゴニストの例として、ペプチドグリカンまたはリポタンパク質が挙げられる。イミキモドおよびレシキモドなどのイミダゾキノリン類は、既知のTLR7アゴニストである。一本鎖RNAも既知のTLRアゴニスト(ヒトにおいてはTLR8、およびマウスにおいてはTLR7)であるが、2本鎖RNAおよびpoly IC(ポリイノシン−ポリシチジン酸−ウイルスRNAの市販の合成模倣剤)は、TLR3アゴニストの例である。3D−MPLはTLR4アゴニストの例であり、CPGはTLR9アゴニストの例である。
【0151】
この免疫原性組成物は、金属塩上に吸着される抗原および免疫賦活剤を含んでもよい。抗原および免疫賦活剤3−de−O−アシル化モノホスホリルリピドA(3D−MPL)が同一粒子上に吸着されているアルミニウムベースのワクチン製剤については、EP0 576 478 B1、EP0 689 454 B1、およびEP0 633 784 B1に記載されている。これらの場合において、その後、抗原は、このアルミニウム塩に最初に吸着され、その後、同一のアルミニウム塩粒子上への免疫賦活剤3D−MPLの吸着が続く。かかる方法は、最初に、これらの粒子が80〜500nmの間のサイズに達するまで、水浴中の超音波処理による3D−MPLの懸濁を含む。この抗原を、通常、撹拌しながら、室温で1時間、アルミニウム塩上に吸着させる。その後、この3D−MPL懸濁液をこの吸着抗原に添加し、この製剤を室温で1時間インキュベートし、その後、使用するまで4℃で保つ。
【0152】
別の方法において、この免疫賦活剤およびこの抗原は、EP1126876に記載のとおり、別々の金属粒子上にある。改良した方法には、金属塩粒子上への免疫賦活剤の吸着、その後、別の金属塩粒子上への抗原の吸着、別の金属粒子の混合を経て、ワクチンを形成することが含まれる。本発明に使用するためのアジュバントは、金属塩粒子上に吸着させた免疫賦活剤を含むアジュバント組成物であってもよく、この金属塩粒子が実質的に他の抗原を含まないことを特徴とする。さらに、本発明はワクチンを提供し、これらのワクチンは、実質的に他の抗原を含まない金属塩の粒子上に免疫賦活剤を吸着させること、かつ抗原に吸着した金属塩の粒子は、実質的に他の免疫賦活剤を含まないことを特徴とする。
【0153】
したがって、本発明は、金属塩の粒子上に吸着させた免疫賦活剤を含むアジュバント製剤を提供し、この組成物が実質的に他の抗原を含まないことを特徴とする。さらに、このアジュバント製剤は、そのようなアジュバントを用いる場合、ワクチンの製造に必要とされる中間体であり得る。したがって、金属粒子上に吸着させた1種類以上の免疫賦活剤であるアジュバント組成物を抗原と混合することを含むワクチンの製造方法を提供する。好ましくは、この抗原を、金属塩上に前もって吸着させておく。前記金属塩は、この免疫賦活剤に吸着させる金属塩と同一であるか類似していてもよい。好ましくは、この金属塩は、アルミニウム塩、例えば、リン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムである。
【0154】
本発明は、さらに、金属塩の第1の粒子上に吸着させた免疫賦活剤、および金属塩上に吸着させた抗原を含み、金属塩の第1および第2の粒子が別々の粒子であることを特徴とするワクチン組成物を提供する。
【0155】
本明細に記載のLPSもしくはLOSの誘導体、またはLPSもしくはLOSの変異体、またはリピドA誘導体は、天然のリポ多糖よりも毒性が低いようにデザインされ(例えば、3D−MPL)、本明細書に記載のこれらの部分の全ての使用に関して互換性のある同等物である。
【0156】
一実施形態において、本発明の組成物に使用するアジュバントは、(公知の技術によって(ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)などの)リン脂質から作られた)リポソーム担体、任意に(コレステロールなどの)ステロールを含む。かかるリポソーム担体は、(3D−MPL(上記参照)などの)リピドA誘導体および/または(QS21(上記参照)などの)サポニンを保有していてもよい。一実施形態において、このアジュバントは、(0.5mL用量あたり)リン脂質(例えば、DOPC)を0.1〜10mg、0.2〜7mg、0.3〜5mg、0.4〜2mg、または0.5〜1mg(例えば、0.4〜0.6、0.9〜1.1、0.5または1mg)、ステロール(例えば、コレステロール)を0.025〜2.5、0.05〜1.5、0.075〜0.75、0.1〜0.3、または0.125〜0.25mg(例えば、0.2〜0.3、0.1〜0.15、0.25または0.125mg)、リピドA誘導体(例えば、3D−MPL)を5〜60、10〜50、または20〜30μg(例えば、5〜15、40〜50、10、20、30、40または50μg)、およびサポニン(例えば、QS21)を5〜60、10〜50、または20〜30μg(例えば、5〜15、40〜50、10、20、30、40または50μg)含む。
【0157】
一実施形態において、本発明の組成物に使用するアジュバントは、(スクアレンなどの)代謝可能な油、(Tween 80などの)乳化剤、および任意に(αトコフェロールなどの)トコールから作られた水中油型エマルションを含む。一実施形態において、このアジュバントは、(0.5mL用量あたり)(スクアレンなどの)代謝可能な油を0.5〜15、1〜13、2〜11、4〜8、または5〜6mg(例えば、2〜3、5〜6、または10〜11mg)、(Tween 80などの)乳化剤を0.1〜10、0.3〜8、0.6〜6、0.9〜5、1〜4、または2〜3mg(例えば、0.9〜1.1、2〜3または4〜5mg)、および任意に(αトコフェロールなどの)トコールを0.5〜20、1〜15、2〜12、4〜10、5〜7mg(例えば、11〜13、5〜6、または2〜3mg)含む。
【0158】
このアジュバントは、任意に、さらに、リピドA誘導体(例えば、3D−MPL)を5〜60、10〜50、または20〜30μg(例えば、5〜15、40〜50、10、20、30、40または50μg)含んでもよい。
【0159】
このアジュバントは、任意に、ステロール(例えば、コレステロール)を0.025〜2.5、0.05〜1.5、0.075〜0.75、0.1〜0.3、または0.125〜0.25mg(例えば、0.2〜0.3、0.1〜0.15、0.25または0.125mg)、リピドA誘導体(例えば、3D−MPL)を5〜60、10〜50、または20〜30μg(例えば、5〜15、40〜50、10、20、30、40または50μg)、サポニン(例えば、QS21)を5〜60、10〜50、または20〜30μg(例えば、5〜15、40〜50、10、20、30、40または50μg)含んでもよい。
【0160】
一実施形態において、本発明の組成物に使用するアジュバントは、リン酸アルミニウムおよび(3D−MPLなどの)リピドA誘導体を含む。このアジュバントは、(0.5mL用量あたり)リン酸アルミニウムとしてAlを100〜750、200〜500、または300〜400μg、およびリピドA誘導体(例えば、3D−MPL)を5〜60、10〜50、または20〜30μg(例えば、5〜15、40〜50、10、20、30、40または50μg)含んでもよい。
【0161】
本発明のワクチン製剤を用いて、全身経路または粘膜経路を介して前記ワクチンを投与することによって、感染の影響を受けやすい哺乳類を防御または治療することができる。これらの投与には、筋肉内経路、腹腔内経路、皮内経路もしくは皮下経路による注射、または、口腔/消化管、気管、尿生殖路への粘膜投与による注射が含まれ得る。肺炎または中耳炎の治療には、(肺炎球菌の鼻咽頭保菌をより効果的に防ぎ、その最も早い段階で感染を弱めることができるので、)ワクチンの鼻腔内投与が好ましい。本発明のワクチンを単回用量として投与することができるが、その成分を同時にまたは異なる時点で同時投与することもできる(例えば、肺炎球菌多糖類を、それぞれに対する免疫反応を最適に協調させるために、同時に別々に投与するか、またはワクチンの任意の細菌タンパク質成分の投与後1〜2週間目に別々に投与することができる)。同時投与には、任意のTh1アジュバントが、異なる投与のいずれかまたは全てに存在してもよく、例えば、Th1アジュバントは、このワクチンの細菌タンパク質成分と組み合わせて存在してもよい。単一の投与経路に加えて、2つの異なる投与経路を用いてもよい。例えば、多糖類をIM(またはID)投与し、細菌タンパク質をIN(またはID)投与してもよい。さらに、本発明のワクチンを、プライミング用量についてはIM投与し、追加免疫用量についてはIN投与してもよい。
【0162】
各ワクチン用量中の結合抗原量は、典型的なワクチンにおいて非常に有害な副作用なしに免疫防御反応を起こす量として選択される。かかる量は、どの特定の免疫原が利用されること、かつどのようにそれが存在するかによって変わる。一般に、各用量は、多糖を0.1〜100μg、典型的には、多糖複合体を0.1〜50μg、0.1〜10μg、1〜10μgまたは1〜5μg含むことが期待される。
【0163】
このワクチン中のタンパク質抗原の含有量は、典型的には、1〜100μg、5〜50μgまたは5〜25μgの範囲である。最初のワクチン接種後、対象は1回または、適切な間隔をあけて、数回の追加免疫を受けてもよい。
【0164】
ワクチン製剤については、一般に、ワクチン設計(「The subunit and adjuvant approach」(eds Powell M.F. & Newman M.J.)(1995)Plenum Press New York))に記載されている。リポソーム内へのカプセル化については、Fullertonの米国特許第4,235,877号に記載されている。
【0165】
本発明のワクチンは溶液中で保存されるか、または凍結乾燥されてもよい。任意に、この溶液は、ショ糖、トレハロースまたはラクトースなどの糖の存在下で凍結乾燥される。これらのワクチンは凍結乾燥され、使用前に即座に再構成されることが典型的である。凍結乾燥は、より安定な組成物(ワクチン)をもたらし得る。
【0166】
本発明のさらなる態様は、本発明のClfAポリペプチド、その断片またはその融合タンパク質に医薬的に許容される賦形剤を添加するステップを含む、本発明の免疫原性組成物またはワクチンを作製する方法である。
【0167】
本発明は、ブドウ球菌感染、特に、院内感染の治療法も包含する。
【0168】
本発明の免疫原性組成物またはワクチンは、待機手術の場合に使用するのに特に都合がよい。かかる患者は、あらかじめ手術の日が分かっており、あらかじめ接種され得る。この患者が、黄色ブドウ球菌感染または表皮ブドウ球菌感染に暴露されるか否かは分からないので、上記に記載のように、両方に効く本発明のワクチンを接種することが好ましい。典型的には、待機手術を待つ16歳以上の成人が、本発明の免疫原性組成物およびワクチンで治療される。あるいは、待機手術を待つ3〜16歳の子供達が本発明の免疫原性組成物およびワクチンで治療される。
【0169】
本発明のワクチンを医療従事者に接種することも可能である。
【0170】
本発明のワクチン製剤を用いて、全身経路または粘膜経路を介して前記ワクチンを投与することによって、感染の影響を受けやすい哺乳類を防御または治療することができる。これらの投与には、筋肉内経路、腹腔内経路、皮内経路もしくは皮下経路による注射、または、口腔/消化管、気管、尿生殖路への粘膜投与による注射が含まれ得る。
【0171】
各ワクチン用量中の抗原量は、典型的なワクチンにおいて非常に有害な副作用なしに免疫防御反応を起こす量として選択される。かかる量は、どの特定の免疫原が利用されるか、かつどのようにそれが存在するかによって変わる。このワクチンのタンパク質含有量は、典型的には、1〜100μg、5〜50μgの範囲、典型的には、10〜25μgの範囲である。特定のワクチンの最適量は、対象における適切な免疫反応の観察を含む標準的な試験によって確かめることができる。最初のワクチン接種後、対象は1回または、適切な間隔をあけて、数回の追加免疫を受けてもよい。
【0172】
本発明の実施形態は、本発明のClfAのポリペプチド、断片、融合タンパク質、免疫原性組成物またはワクチンを、それを必要としている患者に投与するステップを含む、ブドウ球菌の感染もしくは疾患を予防するか、または治療する方法である。
【0173】
本発明のさらなる実施形態は、ブドウ球菌の感染もしくは疾患、任意に、手術後のブドウ球菌の感染もしくは疾患の治療または予防に使用する、本発明のClfAポリペプチド、その断片、その融合タンパク質または免疫原性組成物である。
【0174】
本発明のさらなる実施形態は、ブドウ球菌の感染もしくは疾患、任意に、手術後のブドウ球菌感染の治療または予防のためのワクチンの製造における、本発明のClfAポリペプチド、その断片、その融合タンパク質または免疫原性組成物の使用である。
【0175】
「ブドウ球菌感染」という用語は、哺乳類、任意に、ヒトの宿主において、感染を引き起こすことができる黄色ブドウ球菌および/または表皮ブドウ球菌ならびに他のブドウ球菌株によって引き起こされる感染を包含する。
【0176】
「含む(comprising)」、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」という用語は、本明細書で、全ての場合において、それぞれ、「からなる(consisting of)」、「からなる(consist of)」および「からなる(consists of)」という用語と任意に代用可能であると発明者らは意図する。
【0177】
本明細書内で引用される全ての参考文献または特許出願は、参照により本明細書に組込まれる。
【0178】
本発明がよりよく理解され得るために、以下の実施例を説明する。これらの実施例は、例示のみの目的であり、いかなる方法によっても、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0179】
実施例1 ClfA N123ドメインの発現および精製
B2312:
黄色ブドウ球菌NCTC8325株由来の40〜559番目のアミノ酸をコードするclfA遺伝子断片のコドンを最適化し、GeneArt(レーゲンスブルク、ドイツ)によって2つの部分に合成した。この遺伝子断片は、N1、N2およびN3と同定された3つの構造ドメインをコードし、ClfAのフィブリノゲン結合活性を含む。ライゲーションができるようにするために、制限酵素部位のNdeIおよびSacIIを第一の合成遺伝子部分の末端に加え、SacIIおよびXhoIを第2の合成遺伝子部分に加えた。
【0180】
PCR反応を用いて、XhoI部位のすぐ前のその3’末端にストップコドンを加え、第2の合成断片中の474番目の位置のチロシン残基をヒスチジン残基に置換した。このようにして、これらの2つの断片を、rapid DNA ligation kit(Roche,マンハイム、ドイツ)を用いてpET24b(+)発現ベクター(Novagen)にクローニングし、それによって、このDNA断片およびこのプラスミドを同時に構築した。最後に、標準手順に従って、(mut474を有する)N123ドメインを含む発現ベクターで大腸菌BLR(DE3)株を形質転換した後に、最終コンストラクトが作られた。
【0181】
大腸菌BLR(DE3)株:F ompT hsdS(r)gal dcm(DE3)(srl−recA)306::Tn10(Tet)(Novagen)
BLRは、プラスミドモノマーの収率を改善するBL21のrecA誘導体であり、反復配列を含む標的プラスミドを安定化するのを助けることができるか、またはその生成物はDE3プロファージの減少をもたらすことができる。この株はテトラサイクリン耐性(12.5μg/ml)である。
【0182】
DE3は、この宿主がDE3の溶原菌であるので、lacUV5プロモーターの制御下でT7RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを保因することを示す。かかる株は、IPTGでの誘導により、pETベクターにクローニングされた標的遺伝子からタンパク質を産生するのに適する。
【0183】
B2378:
鋳型として(mut474を有する)N123変異を含む発現ベクターを用いる部位特異的変異誘発(Quickchange Site−directed Mutagenesis Kit;Stratagene)により、N123ドメインの野生型配列(474番目に変異がない40〜559番目のアミノ酸)を修復した。標準手順に従って、N123ドメイン(野生型配列)を含む発現ベクターで大腸菌BLR(DE3)株を形質転換することにより、最終株が作られた。
【0184】
精製
pET−ClfAコンストラクトで形質転換した大腸菌を、培養槽(ClfA−N1N2N3 H474)または振盪フラスコ(ClfA−N1N2N3野生型)のいずれか一方で培養し、IPTGを用いて発現を誘導した。大腸菌細胞ペーストを収集し、50mM NaCl、2mM EDTAおよび1mM PMSFを含む50mMリン酸緩衝液pH7.2に懸濁し、OD650nmは120に達した。この懸濁液を機械的に破砕し、4℃で30分間、12200gで遠心分離して、上清を含むClfA N1N2N3を生成した。ClfAを、平衡化したSephacryl HR300カラムを用いて上清から精製し、10mM ホウ酸ナトリウム pH9.5で溶出した。ClfAを含む画分を、SDS−PAGEによる純度に基づいて選択し、収集して、0.22μmで滅菌濾過した。
【0185】
実施例2 フィブリノゲン結合実験
コーティングしたClfAへのフィブリノゲン接着
ClfAタンパク質を、4℃で一晩、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mlで高結合マイクロタイタープレート(Nunc Maxisorp)上にコーティングした。これらのプレートを、振盪しながら室温で30分間、PBS−1%BSAでブロッキングした。
【0186】
洗浄後、ヒトフィブリノゲン(ref:SIGMA F4883−16)を、1mg/mlの出発濃度で添加し、その後、マイクロプレート中でさらに2倍希釈し、これを振盪しながら37℃で1時間インキュベートした。
【0187】
洗浄後、この結合したフィブリノゲンを、PBS−0.2%BSA−0.05%Tweenで1:5000希釈したペルオキシダーゼ結合抗フィブリノゲンヤギポリクローナル抗体(ref:ABCAM 7539−1)を用いて検出した。この検出抗体を、撹拌しながら室温で60分間インキュベートした。
【0188】
pH4.5の0.1M クエン酸緩衝液10mlあたりOPD(Sigma)4mg+H2O2 5μlを用いて、暗所で、室温で15分間発色させた。この反応をHCl50μlで停止させ、光学密度を620nmに対する490nmで読みとった。
【0189】
これらの結果を図1に示し、図1は、ClfA N123の474変異体タンパク質が、ClfA N123の野生型タンパク質に比べてフィブリノゲンへの結合が弱いことを示す。
【0190】
コーティングしたフィブリノゲンへのClfA接着
ヒトフィブリノゲン(ref:SIGMA F4883−16)を、4℃で一晩、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mlで高結合マイクロタイタープレート(Nunc Maxisorp)上にコーティングした。これらのプレートを、振盪しながら室温で30分間、PBS−1%BSAでブロッキングした。
【0191】
洗浄後、このClfAを50μg/mlの出発濃度で添加し、その後、マイクロプレート中でさらに2倍希釈し、これを振盪しながら37℃で1時間インキュベートした。
【0192】
洗浄後、この結合したClfAを、PBS−0.2%BSA−0.05%Tweenで1:500希釈した(hisタグ付きClfA N123で免疫した後に得た)抗ClfAウサギポリクローナル(抗体)を用いて検出し、振盪しながら37℃で1時間インキュベートした。
【0193】
洗浄後、結合したウサギ抗体を、PBS−0.05%Tweenで1:5000希釈したJackson ImmunoLaboratories社のペルオキシダーゼ結合affiniPureヤギ抗ウサギIgG(ref:111−035−003)を用いて検出した。この検出抗体を、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。
【0194】
pH4.5の0.1M クエン酸緩衝液10mlあたりOPD(Sigma)4mg+H2O2 5μlを用いて、暗所で、室温で15分間発色させた。この反応をHCl50μlで停止させ、光学密度を、620nmに対する490nmで読みとった。
【0195】
図2に示す結果は、ClfA N123の474変異体タンパク質が、ClfA N123の野生型タンパク質に比べてフィブリノゲンへの結合が弱いことを再度証明する。
【0196】
実施例3 コーティングしたClfAへのフィブリノゲン接着の阻害アッセイ
20匹のマウスのグループに、0、14および28日目に、アジュバントAS02Vで製剤化したClfA N123またはClfAの474変異体10μgを筋肉注射により接種した。対照グループにはアジュバントのみを接種した。
【0197】
42日目に、血清をこれらのマウスから収集し、各グループから集めた血清を、コーティングしたClfAへのフィブリノゲン接着の阻害アッセイで試験した。
【0198】
精製したClfAを、4℃で一晩、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mlで高結合マイクロタイタープレート(Nunc Maxisorp)上にコーティングした。これらのプレートを、撹拌しながら室温で30分間、PBS−1%BSAでブロッキングした。洗浄後、マウス抗血清を最初に10倍希釈で添加し、その後、マイクロプレート中でさらに2倍希釈し、これを振盪しながら室温で1時間インキュベートした。洗浄ステップをせず、ヒトフィブリノゲン(Ref:SIGMA F4883−16)を、PBS−0.2%BSA−0.05%Tween中400μg/ml濃度で添加し、振盪しながら37℃で1時間インキュベートした。
【0199】
洗浄後、結合したフィブリノゲンを、PBS−0.2%BSA−0.05%Tweenで1:5000希釈したペルオキシダーゼ結合抗フィブリノゲンヤギポリクローナル抗体(ref:ABCAM 7539−1)を用いて検出した。この検出抗体を、撹拌しながら室温で60分間インキュベートした。pH4.5の0.1M クエン酸緩衝液10mlあたりOPD(Sigma)4mg+H2O2 5μlを用いて、暗所で、室温で15分間発色させた。この反応をHCl 50μlで停止させ、光学密度を620nmに対する490nmで読みとった。
【0200】
図3に示す結果は、ClfA N123の野生型および474変異体の両方に対する抗体は、ほぼ同じ程度で、ClfA N123コーティングプレートへのフィブリノゲンの結合を阻害することができたことを証明する。
【0201】
コーティングフィブリノゲンへの黄色ブドウ球菌接着の阻害アッセイ
20匹のマウスのグループに、0、14および28日目に、アジュバントAS02Vで製剤化したClfAのN123または474変異体10μgを筋肉注射により接種した。対照グループにはアジュバントのみを接種した。
【0202】
42日目に、血清をこれらのマウスから収集し、各グループから集めた血清を、コーティングしたフィブリノゲンへの黄色ブドウ球菌接着の阻害アッセイで試験した。
【0203】
ヒトフィブリノゲン(ref:SIGMA F4883−16)を、4℃で一晩、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)中10μg/mlで高結合マイクロタイタープレート(Nunc Maxisorp)上にコーティングした。これらのプレートを、振盪しながら室温で30分間、PBS−1%BSAでブロッキングした。
【0204】
この飽和ステップ中、別のマイクロプレートで、マウス抗血清の(1/10から始める)連続2倍希釈をPBS−0.2%BSA−0.05%Tweenで行った。その後、熱失活させたNewman D spa 黄色ブドウ球菌(2 10e6 CFU/ウェル)を添加し、これらのマイクロプレートを、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。
【0205】
フィブリノゲンコーティングプレートの洗浄後、抗血清−細菌混合物を添加し、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。
【0206】
洗浄後、結合した細菌を、PBS−0.2%BSA−0.05%Tweenで1:50000希釈した(死滅させた黄色ブドウ球菌Lowensteinで免疫した後に得た)抗死滅全細胞ウサギポリクローナル(抗体)を用いて検出し、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。
【0207】
洗浄後、結合したウサギ抗体を、PBS−0.05%Tweenで1:5000希釈したJackson ImmunoLaboratories社のペルオキシダーゼ結合affiniPureヤギ抗ウサギIgG(ref:111−035−003)を用いて検出した。この検出抗体を、振盪しながら室温で30分間インキュベートした。
【0208】
pH4.5の0.1M クエン酸緩衝液10mlあたりOPD(Sigma)4mg+H2O2 5μlを用いて、暗所で、室温で15分間発色させた。この反応をHCl50μlで停止させ、光学密度を、620nmに対する490nmで読みとった。
【0209】
図4に示す結果は、ClfA N123の野生型および474変異体の両方に対する抗体が、ほぼ同じ程度で、フィブリノゲンコーティングプレートへの黄色ブドウ球菌の結合を阻害することができたことを証明する。
【0210】
実施例4 本発明のいくつかのClfAポリペプチドをコードする核酸配列およびポリペプチド配列
配列番号1 ClfA N1N2N3の核酸
ATG
AGCGAAAACAGCGTGACCCAGAGCGATAGCGCGAGCAACGAAAGCAAAAGCAACGATAGCAGCAGCGTTAGCGC
AGCGCCGAAAACCGATGATACCAACGTGAGCGATACCAAAACCAGCAGCAACACCAACAACGGCGAAACCAGCGTGGCGC
AGAATCCGGCGCAGCAGGAAACCACCCAAAGCTCTAGCACCAACGCGACCACCGAAGAAACCCCGGTGACCGGCGAAGCG
ACCACCACGACGACCAACCAGGCGAATACCCCGGCGACCACCCAGTCTAGCAATACCAATGCGGAAGAACTGGTGAACCA
GACCAGCAACGAAACCACCTCTAATGATACCAACACCGTGAGCAGCGTGAACAGCCCGCAGAACAGCACCAATGCCGAAA
ACGTGAGCACCACCCAGGATACCAGCACCGAAGCGACCCCGAGCAACAACGAAAGCGCACCGCAAAGCACCGATGCGAGC
AACAAAGATGTGGTGAACCAGGCGGTGAATACCAGCGCACCGCGTATGCGTGCGTTTAGCCTGGCCGCGGTTGCGGCGGA
TGCGCCGGTTGCGGGCACCGATATCACCAACCAGCTGACGAACGTGACCGTGGGCATTGATAGCGGCACCACCGTGTATC
CGCATCAGGCGGGCTATGTGAAACTGAACTATGGCTTTAGCGTGCCGAACAGCGCGGTGAAAGGCGATACCTTTAAAATT
ACCGTGCCGAAAGAACTGAACCTGAACGGCGTGACCAGCACCGCGAAAGTGCCGCCGATTATGGCGGGCGATCAGGTGCT
GGCCAACGGCGTGATTGATAGCGATGGCAACGTGATTTATACCTTCACCGATTATGTGAACACCAAAGATGATGTGAAAG
CGACCCTGACCATGCCGGCGTATATTGATCCGGAAAACGTGAAAAAAACCGGCAACGTGACCCTGGCCACCGGCATTGGT
AGCACCACCGCGAACAAAACCGTGCTGGTTGATTATGAAAAATACGGCAAATTCTATAACCTGAGCATCAAAGGCACCAT
TGATCAGATCGATAAAACCAACAACACCTATCGCCAGACCATTTATGTGAATCCGAGCGGCGATAACGTGATTGCGCCGG
TGCTGACCGGCAACCTGAAACCGAACACCGATAGCAACGCGCTGATTGATCAGCAGAACACCAGCATCAAAGTGTACAAA
GTGGATAACGCGGCGGATCTGAGCGAAAGCTATTTTGTGAATCCGGAAAACTTTGAAGATGTGACCAACAGCGTGAACAT
TACCTTTCCGAATCCGAACCAGTATAAAGTGGAATTTAACACCCCGGATGATCAGATTACCACCCCGTATATTGTGGTGG
TGAACGGCCATATTGATCCGAACAGCAAAGGCGATCTGGCCCTGCGTAGCACCCTGTATGGCTATAACAGCAACATTATT
TGGCGTAGCATGAGCTGGGATAACGAAGTGGCGTTTAACAACGGCAGCGGCAGCGGTGATGGCATTGATAAACCGGTGGT
GCCGGAACAGCCGGATGAACCGGGCGAAATTGAACCGATTCCGGAATAA
配列番号2 N1N2N3 ClfA His474の核酸
atgAGCGAAAACAGCGTGACCCAGAGCGATAGCGCGAGCAACGAAAGCAAAAGCAACGATAGCAGCAGCGTTAGCGC
AGCGCCGAAAACCGATGATACCAACGTGAGCGATACCAAAACCAGCAGCAACACCAACAACGGCGAAACCAGCGTGGCGC
AGAATCCGGCGCAGCAGGAAACCACCCAAAGCTCTAGCACCAACGCGACCACCGAAGAAACCCCGGTGACCGGCGAAGCG
ACCACCACGACGACCAACCAGGCGAATACCCCGGCGACCACCCAGTCTAGCAATACCAATGCGGAAGAACTGGTGAACCA
GACCAGCAACGAAACCACCTCTAATGATACCAACACCGTGAGCAGCGTGAACAGCCCGCAGAACAGCACCAATGCCGAAA
ACGTGAGCACCACCCAGGATACCAGCACCGAAGCGACCCCGAGCAACAACGAAAGCGCACCGCAAAGCACCGATGCGAGC
AACAAAGATGTGGTGAACCAGGCGGTGAATACCAGCGCACCGCGTATGCGTGCGTTTAGCCTGGCCGCGGTTGCGGCGGA
TGCGCCGGTTGCGGGCACCGATATCACCAACCAGCTGACGAACGTGACCGTGGGCATTGATAGCGGCACCACCGTGTATC
CGCATCAGGCGGGCTATGTGAAACTGAACTATGGCTTTAGCGTGCCGAACAGCGCGGTGAAAGGCGATACCTTTAAAATT
ACCGTGCCGAAAGAACTGAACCTGAACGGCGTGACCAGCACCGCGAAAGTGCCGCCGATTATGGCGGGCGATCAGGTGCT
GGCCAACGGCGTGATTGATAGCGATGGCAACGTGATTTATACCTTCACCGATTATGTGAACACCAAAGATGATGTGAAAG
CGACCCTGACCATGCCGGCGTATATTGATCCGGAAAACGTGAAAAAAACCGGCAACGTGACCCTGGCCACCGGCATTGGT
AGCACCACCGCGAACAAAACCGTGCTGGTTGATTATGAAAAATACGGCAAATTCTATAACCTGAGCATCAAAGGCACCAT
TGATCAGATCGATAAAACCAACAACACCTATCGCCAGACCATTTATGTGAATCCGAGCGGCGATAACGTGATTGCGCCGG
TGCTGACCGGCAACCTGAAACCGAACACCGATAGCAACGCGCTGATTGATCAGCAGAACACCAGCATCAAAGTGTACAAA
GTGGATAACGCGGCGGATCTGAGCGAAAGCTATTTTGTGAATCCGGAAAACTTTGAAGATGTGACCAACAGCGTGAACAT
TACCTTTCCGAATCCGAACCAGTATAAAGTGGAATTTAACACCCCGGATGATCAGATTACCACCCCGTATATTGTGGTGG
TGAACGGCCATATTGATCCGAACAGCAAAGGCGATCTGGCCCTGCGTAGCACCCTGTATGGCCATAACAGCAACATTATT
TGGCGTAGCATGAGCTGGGATAACGAAGTGGCGTTTAACAACGGCAGCGGCAGCGGTGATGGCATTGATAAACCGGTGGT
GCCGGAACAGCCGGATGAACCGGGCGAAATTGAACCGATTCCGGATAA
配列番号3 黄色ブドウ球菌株NCTC8325のClfA
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
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EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGYNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPEDSDSDPGSDSGSDSNSDSGSDSGSDSTSDSGSDSASDSDSA
SDSDSASDSDSASDSDSASDSDSDNDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSESDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSGSD
SDSSSDSDSESDSNSDSESVSNNNVVPPNSPKNGTNASNKNEAKDSKEPLPDTGSEDEAN
TSLIWGLLASIGSLLLFRRKKENKDKK
配列番号4 ClfA N1N2N3のアミノ酸
MSENSVTQSDSASNESKSNDSSSVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTTTTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTSTEATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVTVGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAGDQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTTANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNTDSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPDDQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGYNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGIDKPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号5 ClfA N1−3
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
TTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTST
EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGYNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号6 ClfA N23
SLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGYNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号7 ClfA N23短鎖
GTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGYNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号8 黄色ブドウ球菌株NCTC8325 H474のClfA
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
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EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGHNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPEDSDSDPGSDSGSDSNSDSGSDSGSDSTSDSGSDSASDSDSA
SDSDSASDSDSASDSDSASDSDSDNDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSESDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSGSD
SDSSSDSDSESDSNSDSESVSNNNVVPPNSPKNGTNASNKNEAKDSKEPLPDTGSEDEAN
TSLIWGLLASIGSLLLFRRKKENKDKK
配列番号9 ClfA N1N2N3 H474のアミノ酸
MSENSVTQSDSASNESKSNDSSSVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTTTTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTSTEATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVTVGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAGDQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTTANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNTDSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPDDQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGHNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGIDKPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号10 ClfA N1−3 H474
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
TTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTST
EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGHNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号11 ClfA N23 H474
SLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGHNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号12 ClfA N23短鎖 H474
GTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGHNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号13 黄色ブドウ球菌株NCTC8325のClfA del
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
TTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTST
EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPEDSDSDPGSDSGSDSNSDSGSDSGSDSTSDSGSDSASDSDSA
SDSDSASDSDSASDSDSASDSDSDNDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSESDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSGSD
SDSSSDSDSESDSNSDSESVSNNNVVPPNSPKNGTNASNKNEAKDSKEPLPDTGSEDEAN
TSLIWGLLASIGSLLLFRRKKENKDKK
配列番号14 ClfA N1N2N3 H474 Delのアミノ酸
MSENSVTQSDSASNESKSNDSSSVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTTTTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTSTEATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVTVGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAGDQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTTANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNTDSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPDDQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGIDKPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号15 ClfA N1−3 Del
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
TTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTST
EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号16 ClfA N23 H474 del
SLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号17 ClfA N23短鎖 del
GTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYGNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号18 黄色ブドウ球菌株NCTC8325のClfA del
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
TTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTST
EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPEDSDSDPGSDSGSDSNSDSGSDSGSDSTSDSGSDSASDSDSA
SDSDSASDSDSASDSDSASDSDSDNDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSDSDSDSD
SDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSESDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSDSASDSDSGSD
SDSSSDSDSESDSNSDSESVSNNNVVPPNSPKNGTNASNKNEAKDSKEPLPDTGSEDEAN
TSLIWGLLASIGSLLLFRRKKENKDKK
配列番号19 ClfA N1N2N3 del
MSENSVTQSDSASNESKSNDSSSVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTTTTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTSTEATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVTVGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAGDQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTTANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNTDSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPDDQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSTLYNSNIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGIDKPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号20 ClfA N1−3 del
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
SVSAAPKTDDTNVSDTKTSSNTNNGETSVAQNPAQQETTQSSSTNATTEETPVTGEATTT
TTNQANTPATTQSSNTNAEELVNQTSNETTSNDTNTVSSVNSPQNSTNAENVSTTQDTST
EATPSNNESAPQSTDASNKDVVNQAVNTSAPRMRAFSLAAVAADAPVAGTDITNQLTNVT
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配列番号21 ClfA N23 del
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配列番号22 ClfA N23短鎖del
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配列番号23 黄色ブドウ球菌株NCTC8325のClfA del
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配列番号24 ClfA N1N2N3 del
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配列番号25 ClfA N1−3 del
MNMKKKEKHAIRKKSIGVASVLVGTLIGFGLLSSKEADASENSVTQSDSASNESKSNDSS
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配列番号26 ClfA N23 del
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配列番号27 ClfA N23短鎖del
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配列番号28 ClfA N23短鎖del
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号29 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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配列番号30 ClfA N23短鎖del
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号31 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号32 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号33 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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配列番号34 ClfA N23短鎖del
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号35 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号36 ClfA N23短鎖del
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配列番号37 ClfA N23短鎖del
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配列番号38 ClfA N23短鎖del
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号39 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号40 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号41 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号42 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
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KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号43 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
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ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSIIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE
配列番号44 ClfA N23短鎖del
GTDITNQLTNVT
VGIDSGTTVYPHQAGYVKLNYGFSVPNSAVKGDTFKITVPKELNLNGVTSTAKVPPIMAG
DQVLANGVIDSDGNVIYTFTDYVNTKDDVKATLTMPAYIDPENVKKTGNVTLATGIGSTT
ANKTVLVDYEKYGKFYNLSIKGTIDQIDKTNNTYRQTIYVNPSGDNVIAPVLTGNLKPNT
DSNALIDQQNTSIKVYKVDNAADLSESYFVNPENFEDVTNSVNITFPNPNQYKVEFNTPD
DQITTPYIVVVNGHIDPNSKGDLALRSIWRSMSWDNEVAFNNGSGSGDGID
KPVVPEQPDEPGEIEPIPE

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アミノ酸Y474またはY474に隣接するアミノ酸が、Y474またはY474に隣接するアミノ酸の変異を有しない同等のClfAポリペプチドと比較して、フィブリノゲン結合活性が減少するように変異しているClfAポリペプチド。
【請求項2】
アミノ酸Y474またはY474にすぐ隣接するアミノ酸が変異している、請求項1に記載のClfAポリペプチド。
【請求項3】
アミノ酸Y474が、474番目のアミノ酸のチロシン残基が異なるアミノ酸で置換されることによって変異している、請求項1または2に記載のClfAポリペプチド。
【請求項4】
前記異なるアミノ酸が塩基性アミノ酸である、請求項3に記載のClfAポリペプチド。
【請求項5】
前記異なるアミノ酸がヒスチジンである、請求項3または4に記載のClfAポリペプチド。
【請求項6】
Y474に隣接するアミノ酸が異なるアミノ酸で置換されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド。
【請求項7】
470、471、472、473、475、476、477および/または478番目のアミノ酸が置換されている、請求項6に記載のClfAポリペプチド。
【請求項8】
アミノ酸Y474が除去されている、請求項1に記載のClfAポリペプチド。
【請求項9】
2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸(そのうちの1つがY474である)を含むClfAの断片が除去されている、請求項1に記載のClfAポリペプチド。
【請求項10】
少なくとも1つのアミノ酸がY474に隣接して挿入されている、請求項1に記載のClfAポリペプチド。
【請求項11】
少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のアミノ酸がY474に隣接して挿入されている、請求項10に記載のClfAポリペプチド。
【請求項12】
少なくとも1つのアミノ酸がY474のN末端側に挿入されている、請求項10または11に記載のClfAポリペプチド。
【請求項13】
少なくとも1つのアミノ酸がY474のC末端側に挿入されている、請求項10または11に記載のClfAポリペプチド。
【請求項14】
P336および/またはY338にさらに変異を含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド。
【請求項15】
ClfAポリペプチドが、Y474またはY474に隣接するアミノ酸に変異を有しない同等のClfAポリペプチドによって引き起こされる免疫反応よりも防御性が高い免疫反応を引き起こすことができる、請求項1〜14のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド。
【請求項16】
フィブリノゲン結合ドメインを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載のClfAポリペプチドの断片。
【請求項17】
前記フィブリノゲン結合ドメインがN3ドメインを含む、請求項16に記載の断片。
【請求項18】
前記フィブリノゲン結合ドメインがN2ドメインを含む、請求項16または17に記載の断片。
【請求項19】
前記フィブリノゲン結合ドメインがN1ドメインを含む、請求項16〜18のいずれか1項に記載の断片。
【請求項20】
請求項16〜19のいずれか1項に記載のClfAの断片を含むポリペプチド。
【請求項21】
配列番号8〜44のいずれか1つのアミノ酸配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載のClfAポリペプチドまたは断片。
【請求項22】
配列番号8〜44のいずれか1つのアミノ酸配列を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載のClfAポリペプチドまたは断片。
【請求項23】
請求項1〜22のいずれか1項に記載のClfAポリペプチドまたは前記ClfAポリペプチドの断片を含む融合タンパク質。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に記載のポリペプチド、断片または融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド。
【請求項25】
請求項1〜23のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド、断片または融合タンパク質および医薬的に許容される賦形剤を含む免疫原性組成物。
【請求項26】
ラミニン受容体、SitC/MntC/唾液結合タンパク質、EbhA、EbhB、エラスチン結合タンパク質(EbpS)、EFB(FIB)、SBI、自己溶菌酵素、SdrC、SdrD、SdrE、SdrG、SdrH、リパーゼGehD、SasA、SasB、SasC、SasD、SasE、SasF、SasG、FnbA、FnbB、Cna、ClfB、FbpA、Npase、IsaA/PisA、SsaA、EPB、SSP−1、SSP−2、ビトロネクチン結合タンパク質、フィブリノゲン結合タンパク質、コアグラーゼ、FigおよびMAPからなる群から選択されるブドウ球菌細胞外成分結合タンパク質またはその断片をさらに含む、請求項25に記載の免疫原性組成物。
【請求項27】
IsdA、IsdB、IsdCおよびHarAからなる群から選択されるブドウ球菌トランスポータータンパク質またはその断片をさらに含む、請求項25または26に記載の免疫原性組成物。
【請求項28】
RNA III活性化タンパク質(RAP)、EsxA、EsxB、またはEsxAとEsxBの組み合わせ、EsaCまたはEsaBからなる群から選択されるブドウ球菌の病原性調節因子、毒素またはその断片をさらに含む、請求項25〜27のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項29】
前記ブドウ球菌細胞外成分結合タンパク質が、ClfB、SasA、SasB、SasC、SasD、SasE、SasF、SasG、FnbA、FnbB、SdrD、SdrE、SdrGもしくはSdrCまたはその免疫原性断片からなる群から選択される、請求項26に記載の免疫原性組成物。
【請求項30】
ブドウ球菌の糖抗原を含む、請求項1〜29のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項31】
前記ブドウ球菌の糖抗原が、任意に担体タンパク質に結合している黄色ブドウ球菌の5型および/または8型の莢膜糖類を含む、請求項30に記載の免疫原性組成物。
【請求項32】
前記ブドウ球菌の糖抗原が、任意に担体タンパク質に結合しているPNAGを含む、請求項30〜31のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項33】
前記PNAGの50%、40%、30%、20%または10%未満がNアセチル化されている、請求項32に記載の免疫原性組成物。
【請求項34】
前記ブドウ球菌の糖抗原が336抗原を含む、請求項30〜33のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項35】
請求項1〜23のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド、断片または融合タンパク質に、医薬的に許容される賦形剤を添加するステップを含む、請求項25〜34のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を作製する方法。
【請求項36】
ブドウ球菌の感染もしくは疾患の治療または予防において使用するための、請求項1〜23のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド、断片もしくは融合タンパク質、または請求項25〜34のいずれか1項に記載の免疫原性組成物。
【請求項37】
ブドウ球菌疾患の治療または予防のための医薬の製造における、請求項1〜23のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド、断片もしくは融合タンパク質、または請求項25〜34のいずれか1項に記載の免疫原性組成物の、使用。
【請求項38】
ブドウ球菌疾患を治療または予防する方法であって、それを必要としている患者に、請求項1〜23のいずれか1項に記載のClfAポリペプチド、断片もしくは融合タンパク質、または請求項25〜34のいずれか1項に記載の免疫原性組成物を投与することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−500733(P2013−500733A)
【公表日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−523323(P2012−523323)
【出願日】平成22年8月3日(2010.8.3)
【国際出願番号】PCT/EP2010/061312
【国際公開番号】WO2011/015590
【国際公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(305060279)グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム (169)
【Fターム(参考)】