説明

ブラインドの防犯用ロック装置

【課題】ブラインド枠のルーバーの隙間から鈎形の金具や針金・紐などを通してロックを外そうとしても外すことができず、他の不正な手段でもロックを外すことができないブラインドの防犯用ロック装置を提供すること。
【解決手段】扉を取り付けた開口枠11に、ヒンジ12を軸にして開閉可能に取り付けられたブラインド枠13を、「閉」の状態でロックする防犯用ロック装置において、上記ブラインド枠13の上下にピン15を軸に回転可能に設けたロックレバー16を引きバネSにより付勢して取り付け、上記ロックレバー16の作用点に中間リンク18を介してロッド22を延長し、このロッド22の端に貫通孔24を設けた板片25を取り付け、上記ロックレバー16の操作により板片25に設けた貫通孔24が重なり合ったとき、その貫通孔24に落し込みピン27が嵌り込みロックを解除状態にし、落し込みピン27を引き抜くことにより引きバネSの付勢によりロックレバー16は掛金17に嵌りロック状態になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
扉・窓枠の側方に設けた開口枠に取り付けられたブラインドの防犯用ロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高層集合住宅の出入り口にブラインド枠が設けられ、住宅の表から裏側に風が通り抜けるようにしたものが採用されている。このような玄関のドアー構造では人が出入りするだけのときはドアー部分だけで出入りしているが、引っ越しや大きい荷物の搬入・搬出の際はブラインド枠も開いて荷物を出し入れしやすくし、荷物の搬入・搬出後は、元の位置に戻してロックするようにしている。
【0003】
上記ブラインド枠のロック機構は、「落とし込み」といわれる構造、例えば特許文献1にあげるようなものが採用されている。
【0004】
【特許文献1】実開平4−123991号公報(要約および選択図)
【0005】
上記従来のロック構造では、ブラインド枠のルーバーの隙間から、鈎形の金具、あるいは針金・紐などを通してロックを外される恐れがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術の問題に鑑みこの発明は、ブラインド枠のルーバーの隙間から鈎形の金具や針金・紐などを通してロックを外そうとしても外すことができず、他の不正な手段でもロックを外すことができないブラインドの防犯用ロック装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明は、扉・窓枠の側方に設けた開口枠に、ヒンジを軸にして開閉可能に取り付けられたブラインド枠を、「閉」の状態でロックする防犯用ロック装置において、上記ブラインド枠の上下にピンを軸に回転可能に設けたロックレバーをロック方向に付勢して取り付け、上記ロックレバーの作用点に中間リンクを介してロッドを延長し、このロッドの端に貫通孔を設けた板片を取り付け、上記ロックレバーの操作により板片に設けた貫通孔が重なり合ったとき、重なり合った貫通孔に落し込みピンが嵌り込みロックを外せるようにしたものである。
【0008】
また、この発明におけるブラインドの防犯用ロック装置は、上記中間リンクを介してロックレバーとロッドが連結された部分の、ブラインド枠側に引きバネ引っ掛け片を設け、この引きバネ引っ掛け片と、ロッドと中間リンクとの連結ピン間に引きバネを掛け渡すか、上記ロックレバーとその回転軸との間にトーションスプリングを介在させてなる。また、上記板片に設けた貫通孔が重なり合ったときに嵌り込む落し込みピンを貫通孔に向けて押しバネによって付勢するものである。
【発明の効果】
【0009】
上記の如く構成するこの発明によれば、ブラインド枠に設けたロックレバーを同時に操作し、ロッドの先に取り付けた板片に設けた貫通孔が重なり合ったとき、重なり合った貫通孔に落し込みピンが嵌らなければロックを外すことができない。従って不法侵入を完全にシャットアウトすることができる。
【0010】
一方、居住者は室内にいるので上下のロックレバーを容易に操作することができ、板片に設けた貫通孔が重なり合ったとき、その貫通孔に落し込みピンが嵌ってロックを外した状態を維持することができ、更に、ロック状態に戻すときは貫通孔に嵌った落し込みピンを抜くだけで引きバネあるいはトーションスプリングの付勢によりロック状態に戻すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図8は、開口枠11にヒンジ12を介してブラインド枠13を取り付けた開閉動作を現す水平断面図で、Wは壁、12はヒンジ、13はブラインド枠、14は扉枠、41は網戸、42はルーバー支持体、43ルーバー操作機構を示す。
【0012】
図1乃至4に示すように、ブラインド枠13の上下には、ピン15を軸に回転可能にロックレバー16が取り付けられ、このロックレバー16は、開口枠11(図8参照)側に取り付けられた掛金17に掛かる方向、即ちロックする方向に引きバネSにより付勢されている。
【0013】
ブラインド枠13の上下外面には、図5に示す基板19a、中板19b、カバー19cからなる支持部材19がビスネジにより取り付けられ、ピン15によりロックレバー16が回転自在に支持され、このロックレバー16の作用点に設けられたピン20には中間リンク18が連結されている。
【0014】
中板19bと基板19aには長孔21a,21bが設けられ、この長孔21a,21bには、角筒形のブラインド枠13内を上下から延びてきたロッド22(図5参照)の端に植え込まれた連結ピン23が貫通し、上記中間リンク18の他端に連結し、連結ピン23と基板19aの端に植え込まれた引っ掛け片19dとの間に引きバネSを掛け渡し、ロッド22とともにロックレバー16をロック方向に付勢している。
【0015】
角筒形のブラインド枠13内を上下から延びてきたロッド22の端には、図7に示すように短い長孔の貫通孔24を設けた板片25が、角筒形のブラインド枠13の長孔貫通孔26を突き抜けて溶着されている。なお、板片25に形成した段部25bは、角筒形のブラインド枠13の肉厚より僅かに大きくしている。
【0016】
角筒形のブラインド枠13の外面には図6に示すように、上記板片25に設けた貫通孔24が重なり合ったときに嵌る落し込みピン27を保持するボックス28がビスネジにより取り付けられ、ボックス28内には落し込みピン27およびノブ29と一体の摺動片30が空所31に装入されスプリング32により付勢されている。なお、ボックス28の蓋28bには切り込み28cを形成してノブ29が蓋28bの外に突き出て、外から操作できるようになっている。
【0017】
なお、上記実施の形態では、ロックレバー16の付勢に引きバネSを採用したが、これに代えてロックレバー16とピン15との間に、図示しないトーションスプリングを介在させることができ、また、落し込みピン27を手動で操作するようにしてもよい。
【0018】
次に操作について説明する。上下のロックレバー16を引きバネSの付勢に抗して図3のように掛金17から外して起こすと、ロックレバー16の作用点の運動は中間リンク18を経てロッド22に伝わり、ロッド22の端に取り付けた板片25の貫通孔24は重なり合うこととなり、この重なり合った貫通孔24にスプリング32により付勢された落し込みピン27が嵌り込んでロックを解除した状態が固定される。
【0019】
ブラインド枠13をロック状態にするには、ノブ29を摘み、上記落し込みピン27をスプリング32の付勢に抗して貫通孔24から引き抜くと、引きバネSの付勢によりロッド22とともにロックレバー16がロック方向に回転し、掛金17に嵌ってブラインド枠13はロックされる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
上記の如く構成するこの発明によれば、ブラインド枠の上下にロックレバーが設けられ、このロックレバーを同時に操作しなければロックを解除することができない。即ち室内からでなければ操作できない構造になっているので不審者を完全にシャットアウトすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ブラインドの防犯用ロック装置のロック状態の(a)主要部正面図、(b)同一部切り欠き側面図
【図2】図1の詳細で(a)は正面図、(b)は側面図
【図3】ブラインドの防犯用ロック装置のロック解除状態の(a)主要部正面図、(b)同一部切り欠き側面図
【図4】図3の詳細で(a)は正面図、(b)は側面図
【図5】ロックレバーに中間リンクを介してロッドを連結する部分の分解斜視図
【図6】ロッドへの板片の融着、板片の貫通孔に嵌る落し込みピン、落し込みピンを収容するボックス部分の分解斜視図
【図7】落し込みピンが板片の貫通孔に嵌る状態の説明図で(a)は落し込みピンが嵌った状態の側面図、(b)は(a)の正面図、(c)は落し込みピンが抜けた状態の側面図、(d)は(c)の正面図
【図8】ヒンジによるブラインド枠取り付け部の水平断面図
【符号の説明】
【0022】
11 開口枠
12 ヒンジ
13 ブラインド枠
14 扉枠
15 ピン(ロックレバー回転軸)
16 ロックレバー
17 掛金
18 中間リンク
19 支持部材、
19a 基板
19b 中板
19c カバー
19d 引っ掛け片
20 ピン(ロックレバー作用点の)
21a、21b 長孔
22 ロッド
23 連結ピン(ロッドの端の)
24 貫通孔(板片の)
25 板片
25b 段部
26 長孔貫通孔
27 落し込みピン
28 ボックス
28b 蓋
28c 切り込み
29 ノブ
30 摺動片
31 空所
32 スプリング
41 網戸
42 ルーバー支持体
43 ルーバー操作機構
S 引きバネ
W 壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉・窓枠の側方に設けた開口枠(11)に、ヒンジ(12)を軸にして開閉可能に取り付けられたルーバブラインド枠(13)(以下、単にブラインド枠という)を、「閉」の状態でロックする防犯用ロック装置において、上記ブラインド枠(13)の上下にピン(15)を軸に回転可能に設けたロックレバー(16)をロック方向に付勢して取り付け、上記ロックレバー(16)の作用点に中間リンク(18)を介してロッド(22)を延長し、このロッド(22)の端に貫通孔(24)を設けた板片(25)を取り付け、上記ロックレバー(16)の操作により板片(25)に設けた貫通孔(24)が重なり合ったとき、重なり合った貫通孔(24)に落し込みピン(27)が嵌り込むようにしてなることを特徴とするブラインドの防犯用ロック装置。
【請求項2】
上記中間リンク(18)を介してロックレバー(16)とロッド(22)が連結された部分の、ブラインド枠(13)側に引きバネ(S)の引っ掛け片(19d)を設け、この引きバネ(S)の引っ掛け片(19d)と、ロッド(22)と中間リンク(18)との連結ピン(23)間に引きバネ(S)を掛け渡してなることを特徴とする請求項1に記載のブラインドの防犯用ロック装置。
【請求項3】
上記ロックレバー(16)とその回転軸(15)との間にトーションスプリングを介在させてなることを特徴とする請求項1に記載のブラインドの防犯用ロック装置。
【請求項4】
上記板片(25)に設けた貫通孔(24)が重なり合ったときに嵌り込む落し込みピン(27)を貫通孔(24)に向けて付勢してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のブラインドの防犯用ロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−299714(P2006−299714A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−125458(P2005−125458)
【出願日】平成17年4月22日(2005.4.22)
【出願人】(592220200)株式会社丸忠 (17)
【Fターム(参考)】