説明

ブラウンガス生成装置並びに、ブラウンガスが混合された混合燃料生成供給装置

【課題】ブラウンガスの発生量を安定化させて、ブラウンガスを含有する混合燃料の安定供給装置を提供する。
【解決手段】ブラウンガス生成装置1と、ブラウンガス生成装置1が生成したブラウンガスと臭気ガスとを混合するガス流量調節タンク70と、ガス流量調節タンク70からの臭気ガスが混合されたブラウンガスと燃料を混合するガス混合槽90と、ガス混合槽90から供給された臭気ガスが混合されたブラウンガスと燃料との混合物をクラスター化又はナノバブル化するSPGシラス多孔質ガラスフィルター130とを有する混合燃料生成供給装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラウンガス生成装置並びに、ブラウンガスが混合された混合燃料生成供給装置に関し、より詳しくは水を電気分解することにより水素ガスと酸素ガスの混合ガス(ブラウンガス)を生成するブラウンガス生成装置並びに、前記ブラウンガス生成装置により生成されたブラウンガスと他の燃料ガス、液体燃料などをナノバブル化して混合することにより生成された混合燃料を生成供給する混合燃料生成供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の地球温暖化、石油資源枯渇化に伴い、地球環境保護の機運が高まっている。
従来の石油など化石燃料の無制限の使用は、石油資源枯渇化に拍車をかけ、またそのような燃料の燃焼により二酸化炭素の大量の発生により地球温暖化が急速に進んできたことが懸念されるようになってきた。
【0003】
そこで、二酸化炭素を発生させず、かつ石油資源に依存しない燃料としてブラウンガスが研究されるようになってきた。しかしながら、ブラウンガス単体で燃焼させることは燃焼温度などの問題から難しく、他の燃料と混合して混合化ブラウンガスとして使用することが検討されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−320416号公開公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の混合化ブラウンガスを燃料として安定して使用するためには、ブラウンガスの発生量を安定的に供給する必要があったが、分解が進むにつれて水温が変化してブラウンガスの発生量が変化してしまい、安定供給が難しいという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、ブラウンガスの発生量を安定化させて、ブラウンガスを含有する混合燃料をナノバブル化し、均一混合燃料化して、そのような燃料の安定した供給を可能とすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する手段として、本発明は以下の特徴を有する。
本発明の一つの態様は、ブラウンガス生成装置として提案される。このブラウンガス生成装置は、水を収容するとともに、水を分解して水素ガス及び水素ガスからなるブラウンガスを生成する電極を備えた水電解槽と、電極に電流を供給する電源手段(例えば、電源装置20)と水電解槽内の水の水温を測定する第1の測定手段(例えば、水温センサ11)と、電極に流れる電流を測定する第2の測定手段(例えば、電流センサ12)と、水電解槽内で発生したブラウンガスの量を測定する第3の測定手段(例えば、ガス流量センサ13又は圧力センサ)と、水電解槽内の水を冷却する冷却手段(例えば、冷却装置15)と、第1、第2、及び第3の測定手段による測定結果を取得し、測定結果に応じて電源手段が電極に供給する電流又は電圧の値及び水温を決定し、決定した値の電流又は電圧出力するように電源手段に命令するとともに、決定した水温となるように冷却手段を駆動させる制御手段(例えばガス生成制御装置30)とを有することを特徴とする。
【0008】
本発明の別の態様は、混合燃料生成供給装置として提案される。
この混合燃料生成供給装置は、請求項1に記載のブラウンガス生成装置と、ブラウンガス生成装置が生成したブラウンガスと臭気ガスとを混合する第1の収容手段(例えば、ガス流量調節タンク70)と、第1の収容手段からの臭気ガスが混合されたブラウンガスと燃料を混合する第2の収容手段(例えば、ガス混合槽90、混合槽90)と、第2の収納手段から供給された臭気ガスが混合されたブラウンガスと燃料との混合物をクラスター化又はナノバブル化するフィルタ手段(例えば、SPGフィルタ130、130A,130B)とを有することを特徴とする混合燃料生成供給装置。
【0009】
上記の混合燃料生成供給装置は、第1の収容手段から第2の収容手段へ流入する臭気ガスが混合されたブラウンガスの流量を制御する第1の流量制御手段(例えば、流量制御装置80)と、第2の収容手段へ流入する燃料の流量を制御する第2の流量制御手段(例えば、流量制御装置120)と、第2の収容手段内に設けられ、臭気ガス及び燃料の少なくとも一方の濃度を測定する第3の測定手段(例えば、臭気センサ100)と、第3の測定手段の測定結果を取得し、この測定結果に応じて第1及び第2の流量制御手段の開閉度を制御する燃料制御手段(例えば、燃料制御装置170)とを有するようにしてもよい。
【0010】
また、上記混合燃料生成供給装置は、SPGテクノ社製シラス多孔質ガラスフィルタ手段によってクラスター化又はナノバブル化された混合物に空気を混合させる空気混合手段であって、混合物に混合させる空気の量を可変させることが可能な空気混合手段(例えば空気調整弁140)と、空気混合手段により空気を混合された混合物内の酸素濃度を測定し、測定した酸素濃度を出力する酸素濃度測定手段(例えば、酸素センサ150)とをさらに有し、燃料制御手段は、酸素濃度測定手段から出力された酸素濃度に応じて、空気混合手段に混合する空気の量を指令するという特徴をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ブラウンガスの発生量を安定化させて、ブラウンガスを含有する混合燃料の安定した供給を可能とすることにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は、ブラウンガス生成装置、並びに、前記ブラウンガス生成装置を含む混合燃料生成供給装置の概略ブロック図である。
【0013】
ブラウンガス生成装置1は、水電解槽10と、水電解槽10内又はその外周に取り付けられた冷却装置15と、水電解槽10内の電解用電極であるガス拡散電極(図略)に電力を供給する電源装置20と、前記水電解槽10内の水温を測定し、測定の結果得られた温度データを出力する水温センサ11と、電源装置20からガス拡散電極を通る電流を測定し、測定の結果得られた電流値データを出力する電流センサ12と、水電解槽内で発生したガスの量を測定するガス流量センサ13と、水電解槽10内の水量を測定する水量(水位)センサ14と、水温センサ11、電流センサ12、ガス流量センサ13、水量センサ14からそれぞれ水温データ、電流値データ、ガス流量データ、水量データを取得し、これらデータに基づいて、水電解槽10内で生成されるブラウンガスの発生を最大にするよう、電源装置20がガス拡散電極に供給する電流又は電圧を制御するとともに、水電解槽10内の水200の水温を冷却装置15を用いて制御するガス生成制御装置30とを有している。電源装置20は本発明の電源手段に相当し、水温センサ11は本発明の第1の測定手段に相当し、電流センサ12は本発明の第2の測定手段に相当する。
【0014】
図2は、ブラウンガス生成装置1の構成例を示す概略ブロック図である。
水電解槽10は、蒸留水などブラウンガスの原料となる水200を蓄える。水電解槽10内には、水200を電解して水素ガス及び酸素ガスを発生させるガス拡散電極(以下、単に電極という)201,202が設けられている。電極201.202は、電源装置20に接続されており、電源装置20から電流が流されるようになっている。電流が電極201,202間を流れることにより、電極201,202表面より水素ガス、酸素ガスが発生し、水電解槽10上部に昇る。水電解槽10の上部には出口開口が設けられており、この開口には水素ガス、酸素ガスの混合ガスであるブラウンガスが排出されるガス導管400が設けられており、ガス導管400の他端は、後述するブラウンガス貯留タンク40(図1参照)に連結されている。水電解槽10内で発生したブラウンガスはガス導管400を通過してブラウンガス貯留タンク40内に流れ込む。
【0015】
また、水電解槽10の出口開口近傍には、水電解槽10からブラウンガス貯留タンク40に流入するブラウンガスの流量を測定するガス流量センサ13が設けられている。ガス流量センサは測定したガス流量を示すガス流量データを出力し、出力されたガス流量データはガス生成制御装置30に伝送される。
【0016】
水電解槽10内には、水200の温度を測定する水温センサ11が設けられている。水温センサ11が計測した水温データはガス生成制御装置30に送信される。また、電源装置20から電極201,202に流れる電流を測定できるよう電流センサ12が設けられる。電流センサ12が取得した電流値データはガス生成制御装置30に送信される。
【0017】
また、水電解槽10内の水200を冷却し水温を所望の温度に制御するための冷却装置15が水電解槽10内又は近傍に設けられる。冷却装置15はその駆動をガス生成制御装置30によって制御されている。
【0018】
本発明の制御手段に相当するガス生成制御装置30は、水温データ、電流値データ、ガス流量データ、水量データの少なくともいずれか一つに基づいて、その状態において最もブラウンガス発生に適した水温及び電流値を決定し、決定した電流値が電極201間に流れるように電源装置20に電流値又は電圧値を指令するとともに、水200が決定した水温となるように冷却装置15を駆動させる。
【0019】
電源装置20は、ガス生成制御装置30から指令された電流値となるよう出力電流又は出力電圧を可変させる。また、冷却装置15は、ガス生成制御装置30からの指令に基づいて駆動し、水200の冷却をおこなう。
【0020】
また、ガス生成制御装置30は、水量センサ14からの水量データに基づいて水の補給の要否を判断し、水の補給が必要と判定した場合には、別に設けた水補給用タンク(図略)から水電解槽10への水供給管(図略)を開放し、水電解槽10内に水を流入させる。
【0021】
なお、ガス流量センサ13に代えて圧力センサを使用して、水電解槽10内で生成されたブラウンガスの圧力を測定し、これを用いてガス生成制御装置30が水温及び電流値を決定するようにしても本発明は成立する。
【0022】
図3は、ガス生成制御装置30の構成例を示した機能ブロック図である。
ガス生成制御装置30は、例えばコンピュータ、ネットワークステーションなどの情報処理装置によって実現される装置である。この情報処理装置は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、及び必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置である。
【0023】
ガス生成制御装置30は、判定処理部301と制御命令生成部302とを有している。判定処理部301は、水温センサ11からの水温データと、電流センサ12からの電流値データと、ガス流量センサ13からのガス流量データと、水量センサ14からの水量データを取得し、これらデータに基づいてブラウンガスの発生量が最大となるよう、電源装置20の出力電流値又は出力電圧値、水200の水温を決定する。判定処理部301は、決定した出力電流値又は出力電圧値、水温を制御命令生成部302に渡す。制御命令生成部302はその電流値の出力電流又は出力電圧を出力する命令を生成し、この命令を電源装置20に送信し、決定した水温に基づいた駆動命令を冷却装置15に送信する。
【0024】
図2に戻り、ブラウンガス生成装置1の説明を続ける。電源装置20は、ガス生成制御装置30の制御命令に応じて出力電流及び/又は出力電圧を可変することができ、そのような出力電圧を電極201,202間に印加して電極間に電流を流す。
【0025】
図1に戻り、混合燃料生成供給装置の説明を続ける。ブラウンガス生成装置1、より詳しくは水電解槽10はブラウンガス貯留タンク40にガス導管400を介して連通するように繋げられている。水電解槽10内で生成されたブラウンガスは、ガス導管400を介してブラウンガス貯留タンク40に流入する。
【0026】
ブラウンガス貯留タンク40は、ガス導管401を介してガス乾燥タンク50に連通するように繋げられている。ガス乾燥タンク50は、ブラウンガス貯留タンク40から流れ込んできたブラウンガスから水分を取り除く機能を有する。例えば、タンク内に乾燥ドライヤー、膜式圧縮空気除湿装置を設けることで、ガス乾燥タンク50を構成する。ガス乾燥タンク50内に湿度センサ16を設け、湿度センサ16が測定した湿度データをガス発生制御装置30に送信し、ガス発生制御装置30はこの湿度データに基づいてガス乾燥タンク50の除湿を制御するようにしてもよい。
【0027】
ガス乾燥タンク50はガス導管402を介して圧力調整タンク60に連通するように繋げられている。ガス乾燥タンク50内で水分分離され、乾燥されたブラウンガスはガス導管402を通って圧力調整タンク60内に流れ込む。
【0028】
圧力調整タンク60はガス導管403を介してガス流量調整タンク70に連通するように繋げられている。また、ガス導管403の中間には加圧コンプレッサ65が設けられており、加圧コンプレッサは圧力調整タンク60からのブラウンガスを加圧し、加圧されたブラウンガスをガス流量調整タンク70に供給する。
【0029】
本発明の第1の収容手段に相当するガス流量調整タンク70は、ガス導管404を介してガス混合槽90に連通するように繋げられている。また、ガス流量調整タンク70には、臭気ガスを内部に注入するための臭気ガス注入口(図略)が設けられている。注入された臭気ガスは圧力調整タンク60から流れ込むブラウンガスと混合される。臭気ガスは、ブラウンガスと燃料ガスの混合比を測定するために用いられる。ガス導管404の中間には、臭気ガスが混合されたブラウンガスの流量を制御するための流量制御装置80が設けられる。流量制御装置80は、例えば、流量制御弁(電磁式開閉弁)などである。流量制御装置80は、本発明の第1の流量制御手段に相当する。
【0030】
本発明の第2の収容手段に相当するガス混合槽90には、ガス導管405を介して燃料ガスタンク110と連通するように繋がれている。ガス導管405の中間には第2のガス流量制御装置120が設けられている。第2の流量制御装置120は、例えば、流量制御弁(電磁式開閉弁)などである。流量制御装置120は、本発明の第2の流量制御手段に相当する。
【0031】
燃料ガスタンク110内には燃料ガス(例えば、LPガス)が充てんされており、ガス流量制御装置120が開状態にされると、ガス導管405を介して燃料ガスがガス混合槽90に流入する。ガス混合槽90内には、臭気センサ100が設けられている(図1中では、表示上の都合で、ガス混合槽90の外に臭気センサ100を図示した)。臭気センサ100は、ガス流量調整タンク70においてブラウンガスに混合された臭気ガス、および燃料ガスのそれぞれの臭気を検出することができるセンサである。
【0032】
本発明の第2の収容手段に相当するガス混合槽90は、温度管理槽91内に収容されている。温度管理槽91内には、水などの液体または気体(以下、冷却媒体)が充てんされており、この冷却媒体の温度をコントロールするための冷却装置93が温度管理槽91に設けられている。温度管理槽91内にはまた、充てんされている冷却媒体の温度を測定し、測定の結果得られた温度データを出力する温度センサ92が設けられ、温度データを後述する燃料制御装置170に出力する。冷却装置93は、後述する燃料制御装置170の制御命令に従って冷却媒体を指定された温度となるように冷却する。
【0033】
ガス混合槽90の出口にはガス導管406が接続されており、このガス導管406の他端にはSPG(シラス多孔質ガラス)フィルタ130の入口が接続されている。本発明のフィルタ手段に相当するSPGフィルタ130は、細孔を有するSPG膜が筒状の本体内に封入された装置であって、内部を通過する液体または気体をクラスター化又はナノバブル化する機能を有する。
【0034】
SPGフィルタ130は、温度管理槽131内に収容されている。温度管理槽131内には、水などの液体または気体(以下、冷却媒体)が充てんされており、この冷却媒体の温度をコントロールするための冷却装置133が温度管理槽131に設けられている。温度管理槽131内にはまた、充てんされている冷却媒体の温度を測定し、測定の結果得られた温度データを出力する温度センサ132が設けられており、温度データを燃料制御装置170に出力する。冷却装置133は、後述する燃料制御装置170の制御命令に従って冷却媒体を指定された温度となるように冷却する。
【0035】
SPGフィルタ130の出口側開口は、ガス導管407に接続されている。SPGフィルタ130を通過するとブラウンガスはクラスター化又はナノバブル化され、クラスター化又はナノバブル化された状態で燃料ガス内に存在するようになる。このクラスター化又はナノバブル化されたブラウンガスを含む燃料ガスを混合化ブラウンガスと呼ぶものとする。ガス導管407の中間には空気を混合化ブラウンガスと混合させるための空気調整弁140が設けられている。空気調整弁140の開閉度は電磁的に制御可能となっている。空気調整弁140は本発明の空気混合手段に相当する。
【0036】
ガス導管407にはさらに酸素センサ150が設けられており、ガス導管407の内部を通過する混合化ブラウンガス中の酸素濃度を検出し、検出した酸素濃度データを出力して、燃料制御装置170に送信する。酸素センサ150は本発明の最適燃焼測定手段に相当する。
【0037】
ガス導管407の出口側端には、ガス燃焼装置160が接続されている。本発明の燃料制御手段に相当するガス燃焼装置160は、空気を混合された混合化ブラウンガスを燃焼させることにより、何らかの機能を果たす装置であって、たとえば、重油・LPG・LNG軽油である、化石燃料全般に、混合化ブラウンガスを燃料として使用することにより、燃料ガスの消費量を単体で燃焼させる場合に比べて削減することが可能となるとともに、ブラウンガスの燃焼についてはCOの発生を伴わないため、CO発生量の促成にも貢献することができる。
【0038】
前記臭気センサ100及び酸素センサ150は燃料制御装置170に接続されており、それそれの濃度データが燃料制御装置170に送信される。また、燃料制御装置170は流量制御装置80、120及び空気調整弁140に接続されており、それぞれの開閉度を制御する。これにより、燃料制御装置170はブラウンガスと燃料ガスの混合比、及び空気と混合化ブラウンガスの混合比を制御する機能を有する。
【0039】
また、燃料制御装置170は、温度センサ92、132により温度管理槽91、131内の温度を監視し、ガス混合槽90、SPGフィルタ130の温度がガスの混合やクラスター化、ナノバブル化を妨げるほど上昇しないように、これら周囲の冷却媒体の温度を冷却装置93、133に冷却させてブラウンガスのクラスター化又はナノバブル化を最適化するように制御する。
【0040】
燃料制御装置170は、例えばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置によって実現される装置である。この情報処理装置は、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、及び必要な場合にはハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置である。
燃料制御装置170は、酸素センサーから出力されるCO発生をチェックすることにより最適燃焼状態を管理制御する。
【0041】
[別の実施の形態]
次に、本発明の別の実施の形態について説明する。先に述べた実施の形態はブラウンガスと燃料ガスを混合して混合化ブラウンガスを生成する技術であったが、本実施の形態は、燃料ガスの代わりに灯油、重油、軽油などの液体燃料とブラウンガスを混合する技術である。
【0042】
図4に、液体燃料とブラウンガスを混合する混合燃料生成供給装置の部分ブロック図を掲げる。本実施の形態にかかる混合燃料生成供給装置は、図1に示した混合燃料生成供給装置と基本的に同様の構成をとるが、一部変更されている。変更部分に関するブロック図を図4に示す。図4に示していない部分については、図1に示す構成と共通である。
【0043】
本実施形態において、ガス混合槽90に代わり混合槽90Aが設けられる。また、燃料ガスタンク110に代わって燃料タンク110Aが設けられる。燃料タンク110A内には、液体燃料(重油、軽油、灯油など)が収容されている。燃料タンク110A内の液体燃料は燃料導管405Aを通って混合槽90Aに流入する。
【0044】
先の実施の形態では、SPGフィルタが一つであったが、本実施の形態では2台のSPGフィルタが用いられる点で異なっている。混合槽90Aの出口に一端が繋げられた燃料導管406Aの他端には、第1のSPGフィルタ130Aの入口が繋がれている。第1のSPGフィルター130Aの出口は第2のSPGフィルター130Bの入口に繋がれており、第2のSPGフィルター130Bの出口は燃焼装置(ディーゼルエンジンなど)へブラウンガスを含む液体燃料を供給する燃料導管407Aの一端に接続されている。
【0045】
第1のSPGフィルタ130Aによりブラウンガスのクラスター(ナノバブル)の粒径を約20μメートルとし、第2のSPGフィルタ130Bによりブラウンガスのクラスター(ナノバブル)の粒径を約0.5μメートルとし、燃焼装置においてより燃焼し易くしている。
その他本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更改良修正することも本発明の範囲である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ブラウンガス生成装置、並びに、前記ブラウンガス生成装置を含む混合燃料生成供給装置の概略ブロック図
【図2】ブラウンガス生成装置の構成例を示す概略ブロック図
【図3】ガス生成制御装置の構成例を示した機能ブロック図
【図4】液体燃料とブラウンガスを混合する混合燃料生成供給装置の部分ブロック図
【符号の説明】
【0047】
1…ブラウンガス生成装置; 10…水電解槽; 11…水温センサ; 12…電流センサ; 13…ガス流量センサ; 14…水量センサ; 20…電源装置; 30…ガス生成制御装置;

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を収容するとともに、水を分解して水素ガス及び水素ガスからなるブラウンガスを生成する電極を備えた水電解槽と、
前記電極に電流を供給する電源手段と、
前記水電解槽内の水の水温を測定する第1の測定手段と、
前記電極に加えられる電流又は電圧を測定する第2の測定手段と、
前記水電解槽内で発生したブラウンガスの量を測定する第3の測定手段と、
前記水電解槽内の水を冷却する冷却手段と、
前記第1、第2及び第3の測定手段による測定結果を取得し、測定結果に応じて前記電源手段が前記電極に供給する電流又は電圧の値及び水温を決定し、決定した値の電流又は電圧を出力するように前記電源手段に命令するともに、前記決定した水温となるように前記冷却手段を駆動させる制御手段と、ガス発生効率を最適状態に管理制御するコントロール機能を有することを特徴とするブラウンガス生成装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載のブラウンガス生成装置と、
前記ブラウンガス生成装置が生成したブラウンガスと臭気ガスとを混合する第1の収容手段と、前記第1の収容手段からの臭気ガスが混合されたブラウンガスと燃料を混合する第2の収容手段と、前記第2の収納手段から供給された臭気ガスが混合されたブラウンガスと燃料との混合物をクラスター化又はナノバブル化するフィルタ手段とを有することを特徴とする混合燃料生成供給装置。
【請求項3】
前記第1の収容手段から第2の収容手段へ流入する臭気ガスが混合されたブラウンガスの流量を制御する第1の流量制御手段と、前記第2の収容手段へ流入する燃料の流量を制御する第2の流量制御手段と、前記第2の収容手段内に設けられ、前記臭気ガス及び燃料の少なくとも一方の濃度を測定する第3の測定手段と、前記第3の測定手段の測定結果を取得し、この測定結果に応じて前記第1及び第2の流量制御手段の開閉度を制御する燃料制御手段とを有することを特徴とする、請求項2に記載の混合燃料生成供給装置。
【請求項4】
前記フィルタ手段によってクラスター化又はナノバブル化された混合物に空気を混合させる空気混合手段であって、混合物に混合させる空気の量を可変させることが可能な空気混合手段と、
前記空気混合手段により空気を混合された混合物内の酸素濃度を測定し、測定した酸素濃度を出力する酸素濃度測定手段と
をさらに有し、
前記燃料制御手段は、前記酸素濃度測定手段から出力された酸素濃度に応じて、前記空気混合手段に混合する空気の量を指令する
ことを特徴とする請求項3に記載の混合燃料生成供給装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−58020(P2011−58020A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205649(P2009−205649)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(509251545)株式会社 STハイテック (1)
【Fターム(参考)】