ブラシ、モップ、または類似の器具
ブラシ、モップ、または類似の器具(1)は、ハンドル(5)およびヘッド(7)を有する。ハンドル(5)は、器具(1)の使用時にハンドル(5)から吐出可能である液体を所持することができる。ハンドル(5)は、液体がその中を出口(17)へと通り抜けることができる液体吐出通路(51)を有する。通路(51)は、液体の通過を制御するためのバルブ(19)を有し、バルブ(19)は、スライドゲート部分(65)および固定ゲート部分(49)を有する。スライドゲート部分(65)は、1つのポジションでは液体を流れさせないように、そして別のポジションでは液体を流れさせるように、配置可能である。スライドゲート部分(65)は、バルブ(19)をスライド式に拭き取り洗浄し、そうすることによって、バルブ(19)の詰まりを最小限に抑える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシ、モップ、または類似の器具に関し、具体的には、細長いハンドルをともなうトイレ用ブラシに関するが、これに限定されない。
<背景技術>
【0002】
これまでに、洗浄液などの液体を所持するブラシ、モップ、または類似の器具であって、使用を促進するためにその動作時に液体を吐出可能であるようなブラシ、モップ、または類似の器具を製作するための、多くの提案がなされてきた。トイレ用ブラシとしては、消毒剤などの洗浄液を吐出可能にするための機構を有するものが、これまでに提案されてきた。また、歯ブラシも、その動作時に放出可能な歯磨き粉を含むものが提案されてきた。その他、多くの形態のブラシ、モップ、または類似の器具が提案され、操作者の必要に応じて液体を吐出可能にするための様々なバルブ機構が用いられてきた。食器洗いブラシのなかには、中空ハンドル内に食器洗い洗剤を含むものがある。ヘッド端には開口が提供され、使用者がハンドルを強く押すと、ハンドルから食器粗い洗剤が吐出される。このタイプの食器洗いブラシは、通常の使用時にハンドルを握られており、これは、中身の液体に圧力を加え、必要でない食器洗い洗剤を吐出させるので、著しく中身の無駄遣いである。さらに、このような食器洗いブラシは、ブラシが単に食器棚などの面上に置かれているときでも意図に反して中身の液体を放出させる。
【0003】
既知の先行技術のブラシ、モップ、または類似の器具は、出口または制御バルブが閉塞する問題に見舞われてきた。これは、バルブの取り外しおよび洗浄、または出口もしくはバルブをきれいにするために外側から別の器具を操作することを必要とする。場合によっては、液体が吐出される出口に「プリック」ワイヤを挿入する必要がある。これは、バルブおよび/または出口を傷つける恐れがある。
<発明の概要>
【0004】
代わりとなるブラシ、モップ、または類似の器具が必要とされている。
【0005】
本発明の第1の広い態様にしたがって、ブラシ、モップまたは類似の器具であって、
ヘッドと、該ヘッドから伸びるハンドルとを含み、
上記ハンドルは、上記ブラシ、モップ、または類似の器具の動作時に使用可能な吐出液体を提供するために上記ハンドルから吐出可能である液体を所持することができ、
上記ハンドルは、液体吐出時に上記液体がその中を液体出口へと通り抜けることができる液体吐出通路を含み、
上記通路は、上記液体の通過を制御するためのバルブを有し、上記バルブは、スライドゲート部分および固定ゲート部分を含み、上記スライドゲート部分は、1つのポジションにあるときは液体を流れさせないように上記固定ゲート部分に対して配置可能であるとともに、別のポジションでは液体を流れさせるように上記固定ゲート部分に対して配置可能であり、
上記スライドゲート部分は、上記1つのポジションから上記別のポジションへの移動時にバルブをスライド式に拭き取って洗浄する、
ブラシ、モップまたは類似の器具が提供される。
【0006】
好ましくは、ブラシ、モップ、または類似の器具は、トイレ用ブラシであり、ハンドルは、使用時に直立の姿勢で保持されることを意図された細長いハンドルであり、上記出口は、ブラシのヘッド端にある。
【0007】
好ましくは、バルブは、ハンドルの中心縦軸に概ね垂直なハンドルを横切る方向にスライド可能であるように取り付けられたスライドゲート部分を有する。
【0008】
最も好ましくは、スライドゲート部分は、ハンドルによって所持される吐出操作部に関係付けられることによってスライドされるので、上記吐出操作部が、液体を吐出させるように移動されたとき、スライドゲート部分は、固定ゲート部分に対して相対的にスライドする。
【0009】
最も好ましくは、スライドゲート部分は、一端を固定ゲート部分に対して固定して保持可能である細長い部分であり、他端が固定ゲート部分に対して相対的にスライドし、液体を流れさせて出口から液体を吐出可能にするように、吐出操作部の操作によって長手方向に伸張可能である。
【0010】
本発明をより明確に解明可能にするため、以下において、トイレ用ブラシの好ましい実施形態の例が添付の図面を参照にして説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ベースの中に置かれた好ましい実施形態の例の正面図である。
【図2】図1を一方の側から見た横断面図である。
【図3】ハンドルの中間部分の上面斜視図である。
【図4】図3に示された中間部分の側面図である。
【図5】図3および図4に示された中間部分の平面図である。
【図6】図3〜5に示された中間部分を切り取った縦断面図である。
【図7】吐出操作部の上面斜視図である。
【図8】図7に示された吐出操作部の底面図である。
【図9】図7および図8に示された吐出操作部の背面図である。
【図10】図7〜9に示された吐出操作部の側面図である。
【図11】制御バルブのスライドゲート部分の斜視図である。
【図12】図11に示されたスライドゲート部分の垂直断面図である。
【図13】図11および図12に示されたスライドゲート部分の側面図である。
【図14】閉状態にあるバルブを示した詳細な縦断面図である。
【図15】液体を吐出可能なポジションにあるバルブを示した図14と同様の図である。<発明を実施するための形態の詳細な説明>
【0012】
先ず、図1を参照すると、ベース3の中に置かれたトイレ用ブラシ1の正面図が示されている。本発明は、ブラシ、モップ、または類似の器具に適用可能であって、トイレ用ブラシそのものに限定されないことを理解されるべきである。
【0013】
次に、この例の横断側面図である図2が参照される。ここでは、トイレ用ブラシ1がハンドル5とそのハンドル5の一端にあるヘッド7とを有することを見て取れる。ヘッド7は、剛毛で形成されることが好ましく、概して半球状である。このタイプのヘッドは、トイレ用ブラシの分野でよく知られている。剛毛のヘッド7の代わりに、合成発泡材料またはその他の拭き取りパッドなどの構成も可能である。ヘッドの厳密な性質は、本発明の概念にとって重要でない。
【0014】
ハンドル5、ベース3、および剛毛7は、全て、プラスチック材料で形成される。図2は、トイレ用ブラシ1の構成を明確に示している。ここでは、ハンドル5が握り部分9と中間部分11とヘッドコア13とを有することが見て取れる。握り部分9の遠位端すなわち自由端は、ねじ込み式のエンドカバー15を有し、これは、消毒剤または洗剤または洗
浄液などの液体をハンドル5の中空ボディ内に収容可能にするために使用することができる。中空ハンドル5内の液体をトイレ用ブラシ1の動作時に吐出可能にするために、出口17がハンドル5に提供される。中空ハンドル5内の液体は、バルブ(概してバルブ19として示されている)の動作によって吐出可能である。バルブ19の詳細は、後ほど説明される。吐出操作部21は、ハンドル5によって所持されているので、吐出操作部が、例えば便器の内側または便器の縁に係合されるなどのように、液体を吐出させるように移動されたとき、バルブ19は、出口17から液体を放出させるように動作する。
【0015】
図2は、握り部分9が中間部分11の中央穴部分内に嵌め込み可能なスナップロックであることを明確に示している。ここで、中間部分11は、内部溝23を有し、中間部分11は、対応する嵌め合い周縁スナップロックリブ25を有する。流体タイプのシールを提供するために、「O」リングシール27が提供される。
【0016】
ヘッド7は、中間部分11の下端内へと嵌め込み可能なスナップロックである。ここで、ヘッドコア13は、円周溝29を含み、中間部分11のヘッド端の内部表面は、周縁スナップロックリブ31を含む。
【0017】
エンドカバー15には、「ダック(あひるの嘴状の)」バルブ33が提供され、これは、空気がエンドカバー15の開口35を通り抜け、「ダック」バルブ33を通ってハンドル5の中空内部に入ることを可能にする。このため、出口17から液体が吐出されるにつれて、空気を中空ハンドル5内に導入し、吐出された液体の体積を相殺することができる。言い換えると、これは、中空ハンドル5の内側と大気圧との間に中立の圧力差を提供する。
【0018】
図2は、吐出操作部21がピボットピン36を中心にして中間部分11へと旋回されることも示している。このため、吐出操作部21は、便器の内部表面または便器の縁に押されたまたはそうでなく係合されたときに、中間部分11の円周表面から内向きの方向に揺動する。これは、ひいては、プレスピン37によってバルブ19を動作させる。これについては、後ほど詳細に説明される。
【0019】
次に、図3〜6を参照すると、中間部分11が吐出操作部を受け入れ可能な切り抜き部分38で形成されることを見て取れる。切り抜き部分38は、吐出操作部21のピボットピン36を受け入れるための横断ピボットピン穴39を含む。中間部分11の中空内部は、領域41において内向きに段差をつけられる(図6を参照せよ)一方で、同時にまた、液体が出口17から吐出させられるように、ハンドル5の中空内部からバルブ19への液体連通を提供する。中間部分11は、領域41の最下端において、その中にバルブボディ43を形成されている。ボディ43の中には、中間部分11の中心縦軸を横断する方向に穴45が伸びている。出口17は、中間部分11の外側表面の、穴45の真正面に位置する部分半球状の隆起47内に形成される。ボディ43は、したがって、バルブ19の固定ゲート部分49を提供する。ボディ43の中には、穴45と連通する液体吐出通路51が通され、これは、必ずしも必須ではないが漏斗型である。出口17から遠い側の穴45の端には、シート53が提供される。これについては、後ほど言及される。バルブ19は、したがって、液体がその中をハンドル5から出口17へと通り抜けることができる液体吐出通路内にある。
【0020】
次に、図7〜10を参照すると、吐出操作部21を描いた様子が示されている。ここで、吐出操作部21は、ハンドル5(および中間部分11)の外側表面の形状と同じ形状に湾曲された外部表面を有する中心ボディ部分54を有する。吐出操作部21は、ボディ54の最外面よりも高くなるように操作部21から外向き側方に伸びる最上端の肩55を有する。吐出操作部21の最下端は、軸穴59をそれぞれ含む1対の突き出しアーム57を
有する。ピボットピン36(図2を参照せよ)は、吐出操作部21をハンドル5に対して固定して保持するために、これらの軸穴59に通すことができる。図2は、吐出操作部21の最下端61がハンドル5からの吐出操作部21の外向きの揺動量を制限することを明確に示している。このため、吐出操作部21は、ハンドル11に対して取り付けられると、ハンドル11を横切る半径方向内向きの方向に、内向きにのみ揺動することができる。吐出操作部21は、次いで、再び揺動して戻ることができる。吐出操作部21の外側表面上、肩55の下方の位置には、3つの突き出しリブ63が提供される。これらのリブ63は、吐出操作部21が便器の内側の縁の角に係合したときに、吐出操作部21に動きを伝えてバルブ19を動作させるのに役立つように、吐出操作部21の外側に対してつかみ表面を提供するために設けられる。肩55は、また、吐出操作部21が便器の内側の最下内部表面に係合する際の突き出し表面を、吐出操作部21に対して提供する。
【0021】
次に図11〜13を参照すると、バルブ19のスライドゲート部分65の詳細が示されている。ここで、スライドゲート部分65は、スライドゲート部分65を長手方向に伸張可能にする合成プラスチック材料で製造される。このため、吐出操作部21が動作されるとき、スライドゲート部分65は、長手方向に伸張してバルブを動作させることができる。スライドゲート部分65は、通常は、シリコンゴムで作成される。ここでは、バルブ19内に固定して保持可能なヘッド67を有する略円筒形の構成を有することを見て取れる。ヘッド67は、スライドゲート部分65をそのヘッド端においてバルブに対して固定して圧力嵌めおよび保持することを助け、半径方向外向きの方向への意図に反した脱落を阻止するために、環状の段60を設けられる。もう一方の端には、より小さい直径のヘッド69がある。ヘッド67は、シート53に係合するように構成される。ヘッド69は、バルブ19の穴45内における滑り摩擦嵌めであり、その中に、中空ハンドルからの液体がバルブ19を通り抜けて出口17から流れ出ることを可能にする液体通路71を通されている。ヘッド69は、また、スライドゲート部分65のメインボディ部分73よりも直径が大きい。プレスピン37を受け入れるため、ヘッド67側から反対のヘッド69側へと中空穴75が伸びている。プレスピン37は、吐出操作部21の内側表面40に、そして穴75のヘッド端69側の内側表面に係合する(図2を参照せよ)。スライドゲート部分65は、その長手方向の伸張を可能にする材料で作成されるので、ヘッド69は、バルブ19内においてハンドル11の長手方向の長さを横断してバルブ19を動作させることができる。
【0022】
次に、図14および図15を詳細に参照すると、バルブ19がどのように動作するかを見て取れる。ここで、吐出操作部21が動作されていない状態では、スライドゲート部分65のヘッド69は、固定ゲート部分49の液体吐出通路51を閉じるポジションをとる。吐出操作部21が液体を吐出可能にするように動作されているときは、スライドゲート部分65は、穴75内においてプレスピン37をヘッド端69に押し付けられることによって、長手方向に伸張される。これは、すると、ヘッド69を、液体吐出通路51を通り過ぎたポジションまでスライドさせる(図15を参照せよ)。ここで、中空ハンドル11の中の液体は、液体吐出通路51を通り抜け、ヘッド69とヘッド67との間の空間79に入り、次いで、ヘッド69内の液体通路71を通り、出口17から出ることができる。これは、スライドゲート部分65が図14に示されるよりも伸張していることを見て取れる図15に図示されている。また、スライドゲート部分65は、固定ゲート部分49(および液体吐出通路51)を通り過ぎ、バルブ19をスライド式に拭き取って洗浄することもわかる。これは、ひいては、バルブ19を清浄に維持し、ハンドル11から出口17を通る液体の流れを確保する。伸張されたスライドゲート部分65の回復力は、次いで、スライドゲート部分65を元の非伸張状態に戻らせ、吐出操作部21を元のポジションに戻らせる。回復力は、したがって、吐出操作部21に対してそれを元のポジションに戻らせる付勢を提供する。
【0023】
穴79は、ヘッド67を受ける側の端に円周溝62を設けられている。ここで、段60の一部は、ヘッド67を穴79の中に固定して保持することを助け、スライドゲート部分65が意図に反して外側に脱落することを阻止するために、溝62内に嵌るように変形することが可能である。
【0024】
通常、ハンドル5内の液体は、消毒液である。このような液体の1つは、PINE-O-CLEANの商標名で販売されている。このようなタイプの消毒剤は、トイレ洗浄における使用に非常に適していることおよび安価であることがわかっている。また、このような消毒剤は、長期間の後、あらゆるバルブ開口部において結晶化する傾向があることもわかっている。このため、バルブ19をスライド式に拭き取る動作は、特に、バルブ19の非動作時に液体吐出通路51が空気に対して閉じられているゆえに、液体吐出通路51における結晶蓄積の可能性を最小限に抑える。これは、ひいては、結晶形成も阻止する。スライド式に拭き取る動作は、さらに、固定ゲート部分49およびスライドゲート部分65の表面を洗浄するのに役立つ。出口17は、便器の中の水で洗われ、したがって、使用後に消毒剤と直接接触することはないので、結晶蓄積によって詰まる傾向にはない。
【0025】
使用に際し、ハンドルは、便器内において略直立の姿勢で保持されるので、ハンドル5内の液体は、中間部分11の中空内部の底にある。このため、液体吐出通路51は、常に液体によって覆われている。液体は、吐出操作部21が動作すると、重力によってバルブ19を通り抜けて出口17から流れ出る。液体は、次いで、便器の中へと落ち、便器の内部表面に対する液体の塗布を促進するために便器内の水と混ざりあう。
【0026】
液体吐出通路51の開口および出口17の開口の直径は、通常、1ミリメートルである。これは、単に例示的であり、包括的であることを意図していない。通常、中空ハンドル内に保持される液体の体積は、およそ130ミリリットルである。これは、やはり、包括的であることを意図していない。
【0027】
図1は、ハンドル内に形成された随意の細長い液体レベル可視ゲージ窓81を示している。ここで、ハンドル5は、半透明または透明の材料で成形されてよい。これは、液体レベル可視ゲージ窓83をハンドル5内に経済的に形成することを可能にする。ハンドル5の外部表面は、つかみを容易にするため、図に示されるように僅かに波形であってよい。つかみを容易にするため、ハンドル5を取り囲むが液体レベル可視ゲージ窓81は覆わないようなプラスチックカバーがあてがわれてよい。
【0028】
図示されたトイレ用ブラシの例の利点は、液体がハンドル内に保持されること、および使用に便利であることである。液体の吐出を促進するため、トイレ用ブラシの外側には何も取り付けられない。さらに、液体の吐出を可能にするためのホースもその他のパイプもない。ユーザは、吐出操作部21が便器の内部表面に係合する回数または押される時間によって、吐出される液体の量を制御することができる。さらに、液体として安価な消毒剤が使用可能である。
【0029】
ハンドルは、洗浄液を中空内部に直接満たすことができるように、中空のものとして示されているが、洗浄液は、中空内部に直接挿入することができるカートリッジ容器に入れて提供されてもよく、そうすることによって、ハンドルへの充填時に洗浄液が誤ってこぼれる恐れのある面倒な充填作業が回避される。さらなるヴァリエーションでは、ハンドルは、中空でなくてよく、カートリッジは、ハンドルの外部表面に取り付け可能であってよい。このような場合は、洗浄液をバルブから吐出可能にするため、カートリッジに適切な接続部を設けることができる。
【0030】
出口17は、ヘッド7から離れた位置に示されているが、出口17は、例えばヘッド7
自体の中身の中のように、最上端すなわち自由端より下でハンドル5の長さに沿った任意の所望の位置に配置されうることを理解されるべきである。
【0031】
本発明は、特にトイレ用ブラシを例として開示されているが、本発明は、窓用ブラシやモップなどのその他のブラシにも適用可能であること、および剛毛、パッド、または発泡表面もしくは類似の表面をともなうような器具にも利用可能であることを理解されるべきである。
【0032】
本発明は、液状のペンキを含むペンキブラシに組み込まれてもよい。本発明は、また、動作時に液体が吐出される熊手、櫛、歯ブラシ、または類似のものに組み込まれてもよい。このような器具は、いずれも、本発明の範囲内であると見なされる。
【0033】
これらのおよびその他の変更形態は、本発明の範囲および以上の説明から決定される本発明の性質から逸脱せずに実施することができる。
【0034】
本明細書において任意の先行技術文献が参照される場合、このような参照は、これらの文献にオーストラリアまたはその他の任意の国の当該技術分野における一般常識の一部を形成させる許可を構成するものではないことを理解されるべきである。
【0035】
添付の特許請求の範囲および本発明の先の説明において、「備える」という用語または「備えた」もしくは「備えている」などのヴァリエーションは、表現言語または必要な意味合いゆえに文脈上別の意味に解釈されるべき場合を除き、包括的な意味で使用される、すなわち、本発明の様々な実施形態において、記載された特徴の存在を特定するために使用されるがさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシ、モップ、または類似の器具に関し、具体的には、細長いハンドルをともなうトイレ用ブラシに関するが、これに限定されない。
<背景技術>
【0002】
これまでに、洗浄液などの液体を所持するブラシ、モップ、または類似の器具であって、使用を促進するためにその動作時に液体を吐出可能であるようなブラシ、モップ、または類似の器具を製作するための、多くの提案がなされてきた。トイレ用ブラシとしては、消毒剤などの洗浄液を吐出可能にするための機構を有するものが、これまでに提案されてきた。また、歯ブラシも、その動作時に放出可能な歯磨き粉を含むものが提案されてきた。その他、多くの形態のブラシ、モップ、または類似の器具が提案され、操作者の必要に応じて液体を吐出可能にするための様々なバルブ機構が用いられてきた。食器洗いブラシのなかには、中空ハンドル内に食器洗い洗剤を含むものがある。ヘッド端には開口が提供され、使用者がハンドルを強く押すと、ハンドルから食器粗い洗剤が吐出される。このタイプの食器洗いブラシは、通常の使用時にハンドルを握られており、これは、中身の液体に圧力を加え、必要でない食器洗い洗剤を吐出させるので、著しく中身の無駄遣いである。さらに、このような食器洗いブラシは、ブラシが単に食器棚などの面上に置かれているときでも意図に反して中身の液体を放出させる。
【0003】
既知の先行技術のブラシ、モップ、または類似の器具は、出口または制御バルブが閉塞する問題に見舞われてきた。これは、バルブの取り外しおよび洗浄、または出口もしくはバルブをきれいにするために外側から別の器具を操作することを必要とする。場合によっては、液体が吐出される出口に「プリック」ワイヤを挿入する必要がある。これは、バルブおよび/または出口を傷つける恐れがある。
<発明の概要>
【0004】
代わりとなるブラシ、モップ、または類似の器具が必要とされている。
【0005】
本発明の第1の広い態様にしたがって、ブラシ、モップまたは類似の器具であって、
ヘッドと、該ヘッドから伸びるハンドルとを含み、
上記ハンドルは、上記ブラシ、モップ、または類似の器具の動作時に使用可能な吐出液体を提供するために上記ハンドルから吐出可能である液体を所持することができ、
上記ハンドルは、液体吐出時に上記液体がその中を液体出口へと通り抜けることができる液体吐出通路を含み、
上記通路は、上記液体の通過を制御するためのバルブを有し、上記バルブは、スライドゲート部分および固定ゲート部分を含み、上記スライドゲート部分は、1つのポジションにあるときは液体を流れさせないように上記固定ゲート部分に対して配置可能であるとともに、別のポジションでは液体を流れさせるように上記固定ゲート部分に対して配置可能であり、
上記スライドゲート部分は、上記1つのポジションから上記別のポジションへの移動時にバルブをスライド式に拭き取って洗浄する、
ブラシ、モップまたは類似の器具が提供される。
【0006】
好ましくは、ブラシ、モップ、または類似の器具は、トイレ用ブラシであり、ハンドルは、使用時に直立の姿勢で保持されることを意図された細長いハンドルであり、上記出口は、ブラシのヘッド端にある。
【0007】
好ましくは、バルブは、ハンドルの中心縦軸に概ね垂直なハンドルを横切る方向にスライド可能であるように取り付けられたスライドゲート部分を有する。
【0008】
最も好ましくは、スライドゲート部分は、ハンドルによって所持される吐出操作部に関係付けられることによってスライドされるので、上記吐出操作部が、液体を吐出させるように移動されたとき、スライドゲート部分は、固定ゲート部分に対して相対的にスライドする。
【0009】
最も好ましくは、スライドゲート部分は、一端を固定ゲート部分に対して固定して保持可能である細長い部分であり、他端が固定ゲート部分に対して相対的にスライドし、液体を流れさせて出口から液体を吐出可能にするように、吐出操作部の操作によって長手方向に伸張可能である。
【0010】
本発明をより明確に解明可能にするため、以下において、トイレ用ブラシの好ましい実施形態の例が添付の図面を参照にして説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ベースの中に置かれた好ましい実施形態の例の正面図である。
【図2】図1を一方の側から見た横断面図である。
【図3】ハンドルの中間部分の上面斜視図である。
【図4】図3に示された中間部分の側面図である。
【図5】図3および図4に示された中間部分の平面図である。
【図6】図3〜5に示された中間部分を切り取った縦断面図である。
【図7】吐出操作部の上面斜視図である。
【図8】図7に示された吐出操作部の底面図である。
【図9】図7および図8に示された吐出操作部の背面図である。
【図10】図7〜9に示された吐出操作部の側面図である。
【図11】制御バルブのスライドゲート部分の斜視図である。
【図12】図11に示されたスライドゲート部分の垂直断面図である。
【図13】図11および図12に示されたスライドゲート部分の側面図である。
【図14】閉状態にあるバルブを示した詳細な縦断面図である。
【図15】液体を吐出可能なポジションにあるバルブを示した図14と同様の図である。<発明を実施するための形態の詳細な説明>
【0012】
先ず、図1を参照すると、ベース3の中に置かれたトイレ用ブラシ1の正面図が示されている。本発明は、ブラシ、モップ、または類似の器具に適用可能であって、トイレ用ブラシそのものに限定されないことを理解されるべきである。
【0013】
次に、この例の横断側面図である図2が参照される。ここでは、トイレ用ブラシ1がハンドル5とそのハンドル5の一端にあるヘッド7とを有することを見て取れる。ヘッド7は、剛毛で形成されることが好ましく、概して半球状である。このタイプのヘッドは、トイレ用ブラシの分野でよく知られている。剛毛のヘッド7の代わりに、合成発泡材料またはその他の拭き取りパッドなどの構成も可能である。ヘッドの厳密な性質は、本発明の概念にとって重要でない。
【0014】
ハンドル5、ベース3、および剛毛7は、全て、プラスチック材料で形成される。図2は、トイレ用ブラシ1の構成を明確に示している。ここでは、ハンドル5が握り部分9と中間部分11とヘッドコア13とを有することが見て取れる。握り部分9の遠位端すなわち自由端は、ねじ込み式のエンドカバー15を有し、これは、消毒剤または洗剤または洗
浄液などの液体をハンドル5の中空ボディ内に収容可能にするために使用することができる。中空ハンドル5内の液体をトイレ用ブラシ1の動作時に吐出可能にするために、出口17がハンドル5に提供される。中空ハンドル5内の液体は、バルブ(概してバルブ19として示されている)の動作によって吐出可能である。バルブ19の詳細は、後ほど説明される。吐出操作部21は、ハンドル5によって所持されているので、吐出操作部が、例えば便器の内側または便器の縁に係合されるなどのように、液体を吐出させるように移動されたとき、バルブ19は、出口17から液体を放出させるように動作する。
【0015】
図2は、握り部分9が中間部分11の中央穴部分内に嵌め込み可能なスナップロックであることを明確に示している。ここで、中間部分11は、内部溝23を有し、中間部分11は、対応する嵌め合い周縁スナップロックリブ25を有する。流体タイプのシールを提供するために、「O」リングシール27が提供される。
【0016】
ヘッド7は、中間部分11の下端内へと嵌め込み可能なスナップロックである。ここで、ヘッドコア13は、円周溝29を含み、中間部分11のヘッド端の内部表面は、周縁スナップロックリブ31を含む。
【0017】
エンドカバー15には、「ダック(あひるの嘴状の)」バルブ33が提供され、これは、空気がエンドカバー15の開口35を通り抜け、「ダック」バルブ33を通ってハンドル5の中空内部に入ることを可能にする。このため、出口17から液体が吐出されるにつれて、空気を中空ハンドル5内に導入し、吐出された液体の体積を相殺することができる。言い換えると、これは、中空ハンドル5の内側と大気圧との間に中立の圧力差を提供する。
【0018】
図2は、吐出操作部21がピボットピン36を中心にして中間部分11へと旋回されることも示している。このため、吐出操作部21は、便器の内部表面または便器の縁に押されたまたはそうでなく係合されたときに、中間部分11の円周表面から内向きの方向に揺動する。これは、ひいては、プレスピン37によってバルブ19を動作させる。これについては、後ほど詳細に説明される。
【0019】
次に、図3〜6を参照すると、中間部分11が吐出操作部を受け入れ可能な切り抜き部分38で形成されることを見て取れる。切り抜き部分38は、吐出操作部21のピボットピン36を受け入れるための横断ピボットピン穴39を含む。中間部分11の中空内部は、領域41において内向きに段差をつけられる(図6を参照せよ)一方で、同時にまた、液体が出口17から吐出させられるように、ハンドル5の中空内部からバルブ19への液体連通を提供する。中間部分11は、領域41の最下端において、その中にバルブボディ43を形成されている。ボディ43の中には、中間部分11の中心縦軸を横断する方向に穴45が伸びている。出口17は、中間部分11の外側表面の、穴45の真正面に位置する部分半球状の隆起47内に形成される。ボディ43は、したがって、バルブ19の固定ゲート部分49を提供する。ボディ43の中には、穴45と連通する液体吐出通路51が通され、これは、必ずしも必須ではないが漏斗型である。出口17から遠い側の穴45の端には、シート53が提供される。これについては、後ほど言及される。バルブ19は、したがって、液体がその中をハンドル5から出口17へと通り抜けることができる液体吐出通路内にある。
【0020】
次に、図7〜10を参照すると、吐出操作部21を描いた様子が示されている。ここで、吐出操作部21は、ハンドル5(および中間部分11)の外側表面の形状と同じ形状に湾曲された外部表面を有する中心ボディ部分54を有する。吐出操作部21は、ボディ54の最外面よりも高くなるように操作部21から外向き側方に伸びる最上端の肩55を有する。吐出操作部21の最下端は、軸穴59をそれぞれ含む1対の突き出しアーム57を
有する。ピボットピン36(図2を参照せよ)は、吐出操作部21をハンドル5に対して固定して保持するために、これらの軸穴59に通すことができる。図2は、吐出操作部21の最下端61がハンドル5からの吐出操作部21の外向きの揺動量を制限することを明確に示している。このため、吐出操作部21は、ハンドル11に対して取り付けられると、ハンドル11を横切る半径方向内向きの方向に、内向きにのみ揺動することができる。吐出操作部21は、次いで、再び揺動して戻ることができる。吐出操作部21の外側表面上、肩55の下方の位置には、3つの突き出しリブ63が提供される。これらのリブ63は、吐出操作部21が便器の内側の縁の角に係合したときに、吐出操作部21に動きを伝えてバルブ19を動作させるのに役立つように、吐出操作部21の外側に対してつかみ表面を提供するために設けられる。肩55は、また、吐出操作部21が便器の内側の最下内部表面に係合する際の突き出し表面を、吐出操作部21に対して提供する。
【0021】
次に図11〜13を参照すると、バルブ19のスライドゲート部分65の詳細が示されている。ここで、スライドゲート部分65は、スライドゲート部分65を長手方向に伸張可能にする合成プラスチック材料で製造される。このため、吐出操作部21が動作されるとき、スライドゲート部分65は、長手方向に伸張してバルブを動作させることができる。スライドゲート部分65は、通常は、シリコンゴムで作成される。ここでは、バルブ19内に固定して保持可能なヘッド67を有する略円筒形の構成を有することを見て取れる。ヘッド67は、スライドゲート部分65をそのヘッド端においてバルブに対して固定して圧力嵌めおよび保持することを助け、半径方向外向きの方向への意図に反した脱落を阻止するために、環状の段60を設けられる。もう一方の端には、より小さい直径のヘッド69がある。ヘッド67は、シート53に係合するように構成される。ヘッド69は、バルブ19の穴45内における滑り摩擦嵌めであり、その中に、中空ハンドルからの液体がバルブ19を通り抜けて出口17から流れ出ることを可能にする液体通路71を通されている。ヘッド69は、また、スライドゲート部分65のメインボディ部分73よりも直径が大きい。プレスピン37を受け入れるため、ヘッド67側から反対のヘッド69側へと中空穴75が伸びている。プレスピン37は、吐出操作部21の内側表面40に、そして穴75のヘッド端69側の内側表面に係合する(図2を参照せよ)。スライドゲート部分65は、その長手方向の伸張を可能にする材料で作成されるので、ヘッド69は、バルブ19内においてハンドル11の長手方向の長さを横断してバルブ19を動作させることができる。
【0022】
次に、図14および図15を詳細に参照すると、バルブ19がどのように動作するかを見て取れる。ここで、吐出操作部21が動作されていない状態では、スライドゲート部分65のヘッド69は、固定ゲート部分49の液体吐出通路51を閉じるポジションをとる。吐出操作部21が液体を吐出可能にするように動作されているときは、スライドゲート部分65は、穴75内においてプレスピン37をヘッド端69に押し付けられることによって、長手方向に伸張される。これは、すると、ヘッド69を、液体吐出通路51を通り過ぎたポジションまでスライドさせる(図15を参照せよ)。ここで、中空ハンドル11の中の液体は、液体吐出通路51を通り抜け、ヘッド69とヘッド67との間の空間79に入り、次いで、ヘッド69内の液体通路71を通り、出口17から出ることができる。これは、スライドゲート部分65が図14に示されるよりも伸張していることを見て取れる図15に図示されている。また、スライドゲート部分65は、固定ゲート部分49(および液体吐出通路51)を通り過ぎ、バルブ19をスライド式に拭き取って洗浄することもわかる。これは、ひいては、バルブ19を清浄に維持し、ハンドル11から出口17を通る液体の流れを確保する。伸張されたスライドゲート部分65の回復力は、次いで、スライドゲート部分65を元の非伸張状態に戻らせ、吐出操作部21を元のポジションに戻らせる。回復力は、したがって、吐出操作部21に対してそれを元のポジションに戻らせる付勢を提供する。
【0023】
穴79は、ヘッド67を受ける側の端に円周溝62を設けられている。ここで、段60の一部は、ヘッド67を穴79の中に固定して保持することを助け、スライドゲート部分65が意図に反して外側に脱落することを阻止するために、溝62内に嵌るように変形することが可能である。
【0024】
通常、ハンドル5内の液体は、消毒液である。このような液体の1つは、PINE-O-CLEANの商標名で販売されている。このようなタイプの消毒剤は、トイレ洗浄における使用に非常に適していることおよび安価であることがわかっている。また、このような消毒剤は、長期間の後、あらゆるバルブ開口部において結晶化する傾向があることもわかっている。このため、バルブ19をスライド式に拭き取る動作は、特に、バルブ19の非動作時に液体吐出通路51が空気に対して閉じられているゆえに、液体吐出通路51における結晶蓄積の可能性を最小限に抑える。これは、ひいては、結晶形成も阻止する。スライド式に拭き取る動作は、さらに、固定ゲート部分49およびスライドゲート部分65の表面を洗浄するのに役立つ。出口17は、便器の中の水で洗われ、したがって、使用後に消毒剤と直接接触することはないので、結晶蓄積によって詰まる傾向にはない。
【0025】
使用に際し、ハンドルは、便器内において略直立の姿勢で保持されるので、ハンドル5内の液体は、中間部分11の中空内部の底にある。このため、液体吐出通路51は、常に液体によって覆われている。液体は、吐出操作部21が動作すると、重力によってバルブ19を通り抜けて出口17から流れ出る。液体は、次いで、便器の中へと落ち、便器の内部表面に対する液体の塗布を促進するために便器内の水と混ざりあう。
【0026】
液体吐出通路51の開口および出口17の開口の直径は、通常、1ミリメートルである。これは、単に例示的であり、包括的であることを意図していない。通常、中空ハンドル内に保持される液体の体積は、およそ130ミリリットルである。これは、やはり、包括的であることを意図していない。
【0027】
図1は、ハンドル内に形成された随意の細長い液体レベル可視ゲージ窓81を示している。ここで、ハンドル5は、半透明または透明の材料で成形されてよい。これは、液体レベル可視ゲージ窓83をハンドル5内に経済的に形成することを可能にする。ハンドル5の外部表面は、つかみを容易にするため、図に示されるように僅かに波形であってよい。つかみを容易にするため、ハンドル5を取り囲むが液体レベル可視ゲージ窓81は覆わないようなプラスチックカバーがあてがわれてよい。
【0028】
図示されたトイレ用ブラシの例の利点は、液体がハンドル内に保持されること、および使用に便利であることである。液体の吐出を促進するため、トイレ用ブラシの外側には何も取り付けられない。さらに、液体の吐出を可能にするためのホースもその他のパイプもない。ユーザは、吐出操作部21が便器の内部表面に係合する回数または押される時間によって、吐出される液体の量を制御することができる。さらに、液体として安価な消毒剤が使用可能である。
【0029】
ハンドルは、洗浄液を中空内部に直接満たすことができるように、中空のものとして示されているが、洗浄液は、中空内部に直接挿入することができるカートリッジ容器に入れて提供されてもよく、そうすることによって、ハンドルへの充填時に洗浄液が誤ってこぼれる恐れのある面倒な充填作業が回避される。さらなるヴァリエーションでは、ハンドルは、中空でなくてよく、カートリッジは、ハンドルの外部表面に取り付け可能であってよい。このような場合は、洗浄液をバルブから吐出可能にするため、カートリッジに適切な接続部を設けることができる。
【0030】
出口17は、ヘッド7から離れた位置に示されているが、出口17は、例えばヘッド7
自体の中身の中のように、最上端すなわち自由端より下でハンドル5の長さに沿った任意の所望の位置に配置されうることを理解されるべきである。
【0031】
本発明は、特にトイレ用ブラシを例として開示されているが、本発明は、窓用ブラシやモップなどのその他のブラシにも適用可能であること、および剛毛、パッド、または発泡表面もしくは類似の表面をともなうような器具にも利用可能であることを理解されるべきである。
【0032】
本発明は、液状のペンキを含むペンキブラシに組み込まれてもよい。本発明は、また、動作時に液体が吐出される熊手、櫛、歯ブラシ、または類似のものに組み込まれてもよい。このような器具は、いずれも、本発明の範囲内であると見なされる。
【0033】
これらのおよびその他の変更形態は、本発明の範囲および以上の説明から決定される本発明の性質から逸脱せずに実施することができる。
【0034】
本明細書において任意の先行技術文献が参照される場合、このような参照は、これらの文献にオーストラリアまたはその他の任意の国の当該技術分野における一般常識の一部を形成させる許可を構成するものではないことを理解されるべきである。
【0035】
添付の特許請求の範囲および本発明の先の説明において、「備える」という用語または「備えた」もしくは「備えている」などのヴァリエーションは、表現言語または必要な意味合いゆえに文脈上別の意味に解釈されるべき場合を除き、包括的な意味で使用される、すなわち、本発明の様々な実施形態において、記載された特徴の存在を特定するために使用されるがさらなる特徴の存在または追加を排除するものではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ、モップまたは類似の器具であって、
ヘッドと、前記ヘッドから伸びるハンドルとを備え、
前記ハンドルは、前記ブラシ、モップ、または類似の器具の動作時に使用可能な吐出液体を提供するために前記ハンドルから吐出可能である液体を所持することができ、
前記ハンドルは、液体吐出時に前記液体がその中を液体出口へと通り抜けることができる液体吐出通路を含み、
前記通路は、前記液体の通過を制御するためのバルブを有し、前記バルブは、スライドゲート部分および固定ゲート部分を含み、前記スライドゲート部分は、1つのポジションにあるときは液体を流れさせないように前記固定ゲート部分に対して配置可能であるとともに、別のポジションでは液体を流れさせるように前記固定ゲート部分に対して配置可能であり、
前記スライドゲート部分は、前記1つのポジションから前記別のポジションへの移動時にバルブをスライド式に拭き取って洗浄する、
ブラシ、モップまたは類似の器具。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
トイレ用ブラシであり、
前記ハンドルは、使用時に直立の姿勢で保持されることを意図された細長いハンドルであり、
前記出口は、ブラシのヘッド端にある、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項3】
請求項2に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記バルブは、前記ハンドルの中心縦軸に概ね垂直なハンドルを横切る方向にスライド可能であるように取り付けられたスライドゲート部分を有する、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項4】
請求項3に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記スライドゲート部分は、前記ハンドルによって所持される吐出操作部に関係付けられることによってスライドされるので、前記吐出操作部が、液体を吐出させるように移動されたとき、前記スライドゲート部分は、前記固定ゲート部分に対して相対的にスライドする、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項5】
請求項4に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記吐出操作部は、前記ハンドルへと旋回される揺動可能なアームであり、前記揺動可能なアームを押すことは、液体を吐出可能にする、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項6】
請求項4に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記スライドゲート部分は、一端を固定ゲート部分に対して固定して保持可能である細長い部分であり、他端が固定ゲート部分に対して相対的にスライドし、液体を流れさせて前記出口から液体を吐出可能にするように、吐出操作部の操作によって長手方向に伸張可能である、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項7】
請求項6に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記細長い部分は、プラスチック材料のものである、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項8】
請求項6に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記細長い部分は、前記他端にヘッド部分を有し、前記バルブは、液体が吐出される際
の前記吐出操作部の移動と同じ方向に前記ヘッド部分がスライドするときに液体を流れさせる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項9】
請求項8に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記細長い部分は、その中に、前記吐出操作部が液体を吐出するために移動されるときに一端において前記ヘッド部分に係合し他端において前記吐出操作部に係合するプレスピンを所持しており、前記吐出操作部の移動は、前記プレスピンによって前記ヘッド部分を押させることによって前記細長い部分を伸張させ、そうして液体を吐出させる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項10】
請求項9に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記ヘッド部分は、その中に液体通路を有しているので、前記ヘッド部分が前記固定ゲート部分を十分に通り過ぎるまで押されたときに、液体は、前記ハンドルから前記ヘッド部分と前記細長い部分の他端との間の空間に流れ込み、その後、前記液体通路を通って前記出口へと流れることができる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項11】
請求項9に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記出口は、前記ハンドル内においてヘッドに隣接する位置にある、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項12】
請求項8に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
ヘッドから遠い側のハンドルの端は、ハンドル内に液体を導入可能にするための取り外し可能なエンドカバーを有しており、エンドカバーは、ハンドル内に液体を収めるために元に戻すことができる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項13】
請求項12に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
エンドカバーは、液体が吐出されるにつれてハンドルに空気を入れるためのあひるの嘴状のバルブを所持している、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項14】
請求項2に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記ハンドルは、ハンドル内における液体の体積レベルを決定することができるように、その外側表面の長手方向の長さの一部に沿って伸びる液体レベル可視窓を有する、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項1】
ブラシ、モップまたは類似の器具であって、
ヘッドと、前記ヘッドから伸びるハンドルとを備え、
前記ハンドルは、前記ブラシ、モップ、または類似の器具の動作時に使用可能な吐出液体を提供するために前記ハンドルから吐出可能である液体を所持することができ、
前記ハンドルは、液体吐出時に前記液体がその中を液体出口へと通り抜けることができる液体吐出通路を含み、
前記通路は、前記液体の通過を制御するためのバルブを有し、前記バルブは、スライドゲート部分および固定ゲート部分を含み、前記スライドゲート部分は、1つのポジションにあるときは液体を流れさせないように前記固定ゲート部分に対して配置可能であるとともに、別のポジションでは液体を流れさせるように前記固定ゲート部分に対して配置可能であり、
前記スライドゲート部分は、前記1つのポジションから前記別のポジションへの移動時にバルブをスライド式に拭き取って洗浄する、
ブラシ、モップまたは類似の器具。
【請求項2】
請求項1に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
トイレ用ブラシであり、
前記ハンドルは、使用時に直立の姿勢で保持されることを意図された細長いハンドルであり、
前記出口は、ブラシのヘッド端にある、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項3】
請求項2に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記バルブは、前記ハンドルの中心縦軸に概ね垂直なハンドルを横切る方向にスライド可能であるように取り付けられたスライドゲート部分を有する、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項4】
請求項3に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記スライドゲート部分は、前記ハンドルによって所持される吐出操作部に関係付けられることによってスライドされるので、前記吐出操作部が、液体を吐出させるように移動されたとき、前記スライドゲート部分は、前記固定ゲート部分に対して相対的にスライドする、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項5】
請求項4に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記吐出操作部は、前記ハンドルへと旋回される揺動可能なアームであり、前記揺動可能なアームを押すことは、液体を吐出可能にする、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項6】
請求項4に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記スライドゲート部分は、一端を固定ゲート部分に対して固定して保持可能である細長い部分であり、他端が固定ゲート部分に対して相対的にスライドし、液体を流れさせて前記出口から液体を吐出可能にするように、吐出操作部の操作によって長手方向に伸張可能である、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項7】
請求項6に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記細長い部分は、プラスチック材料のものである、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項8】
請求項6に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記細長い部分は、前記他端にヘッド部分を有し、前記バルブは、液体が吐出される際
の前記吐出操作部の移動と同じ方向に前記ヘッド部分がスライドするときに液体を流れさせる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項9】
請求項8に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記細長い部分は、その中に、前記吐出操作部が液体を吐出するために移動されるときに一端において前記ヘッド部分に係合し他端において前記吐出操作部に係合するプレスピンを所持しており、前記吐出操作部の移動は、前記プレスピンによって前記ヘッド部分を押させることによって前記細長い部分を伸張させ、そうして液体を吐出させる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項10】
請求項9に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記ヘッド部分は、その中に液体通路を有しているので、前記ヘッド部分が前記固定ゲート部分を十分に通り過ぎるまで押されたときに、液体は、前記ハンドルから前記ヘッド部分と前記細長い部分の他端との間の空間に流れ込み、その後、前記液体通路を通って前記出口へと流れることができる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項11】
請求項9に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記出口は、前記ハンドル内においてヘッドに隣接する位置にある、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項12】
請求項8に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
ヘッドから遠い側のハンドルの端は、ハンドル内に液体を導入可能にするための取り外し可能なエンドカバーを有しており、エンドカバーは、ハンドル内に液体を収めるために元に戻すことができる、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項13】
請求項12に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
エンドカバーは、液体が吐出されるにつれてハンドルに空気を入れるためのあひるの嘴状のバルブを所持している、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【請求項14】
請求項2に記載のブラシ、モップ、または類似の器具であって、
前記ハンドルは、ハンドル内における液体の体積レベルを決定することができるように、その外側表面の長手方向の長さの一部に沿って伸びる液体レベル可視窓を有する、ブラシ、モップ、または類似の器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公表番号】特表2009−538643(P2009−538643A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512371(P2009−512371)
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000749
【国際公開番号】WO2007/137354
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(398013598)ザ デコール コーポレイション プロプライエタリーリミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月29日(2007.5.29)
【国際出願番号】PCT/AU2007/000749
【国際公開番号】WO2007/137354
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(398013598)ザ デコール コーポレイション プロプライエタリーリミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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