説明

ブラシを掃除するブラシセット

【課題】 本発明はブラシの歯の中央付近や根元などの取りにくい部分に付いた髪の毛やフケを効率よく掃除ができ、繰り返して使用できる掃除具であるブラシAと、このブラシAを保持できるブラシBをつくるのが課題である。
【解決手段】 ブラシAはスプーンの物を掬う部分の幅を対称にカットして平行にしたような形のブラシA本体11の先端に、ファスニングテープのカギ13がある方を、中ほどにマグネット14を貼り付けたものである。カギ13が多数ある為、髪の毛が引っ掛かり易く、フケを擦り取る時の抵抗が大きいので効率の良い掃除ができる。ブラシB本体16には、ブラシAを組み込むスペース19を設けて鉄板17を貼り付ける。掃除後、ブラシAのカギ13に付いた髪の毛を手で取り、フケを水で洗いしてブラシBに組み込み、マグネットの磁力で保持すると、使いたい時に探す手間が無く何回も繰り返して使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラシBとブラシCに付いた髪の毛やフケを掃除する為のブラシAと、ブラシAを組み込めるブラシBに関するものである。(以下、説明をわかり易くする為に、髪の毛やフケの付いたブラシBに限り、その存在が「髪の毛やフケを取られるブラシ」と言う意味で、ブラシCと同じである為、まとめてブラシCと言う。ちなみに、ブラシCはブラシAを組み込んでいない、従来のブラシをさして言うものである。)
【背景技術】
【0002】
ブラシCに付いた髪の毛は直接手で掴み取る。髪をとかす前にガーゼをブラシCの歯に刺しこんで取る。または、紙、楊枝、歯ブラシ、テープなどを用いて取っている。フケは紙で掴んだり、楊枝、歯ブラシなどを用いて擦ったり、水や洗剤を使用して歯ブラシ等で擦りながら洗って取り除いている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
背景技術の方法のうち、手あるいは紙で掴む方法や歯ブラシを使用する方法はブラシCの歯の中央付近や根元に付いている髪の毛やフケを取りにくい。ガーゼは歯にさすのが櫛では簡単だがブラシCにはさしにくい、また、使用したガーゼの再使用はし難い。楊枝は歯の根元に付いている髪の毛を浮かせることが出来るが引っ掛かりが悪く使いにくい。また、フケを取るには効率が悪すぎる。他の物を使用しても、髪の毛やフケを掴みにくい、使いにくい、効率が悪いなどの欠点がある。
【0004】
本発明はこれらの欠点を解消して、髪の毛とフケをブラシCの歯の中央付近や根元に付いているものまで簡単に取り除くことができ、繰り返して使用できる掃除用のブラシAと、ブラシAを組み込めるブラシBをつくることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ブラシAの平面形状はスプーンの物を掬う部分の幅が、ほぼ平行になるようにその両端を対称にカットして、出来た角を丸めたような形にする。この先端の方に、ファスニングテープのカギの面がある方を貼りつけて、カギの部分で髪の毛を引っ掛けて取る。または、カギの部分でフケを擦って取る。ほぼ平行にした部分の幅は、ブラシCの歯の間を縦、横、斜めなど自在に動かせる15mm位にする。
【0006】
ブラシAの側面形状はブラシAをブラシB本体に組み込んでセットにする場合、組み込みスペースが小さい時は、ブラシAを組み込み易いように平らな矩形の板に近い形にする。また、組み込みスペースが大きい時やブラシAを単独でセットにしない時は、浅いスプーンに似た側面形状にして、使い易くする。
【0007】
ファスニングテープの貼り方は二とおりある。ファスニングテープのカギの面には目(カギの方向)があり、コストがかかるが引っ掛ける機能を優先する場合は目が二つの方向になるように貼る。逆の場合は同じ方向で貼る。
【0008】
ブラシBの歯の根元に溝がある等、引っ掛かり易いものに対しては、ブラシAをブラシBの歯に当てて動かすときに、動かす向きに傾けながら移動させて髪の毛とフケを取る。
【0009】
ブラシB本体には、ブラシAが入るスペースを設けて、ブラシAが組み込めるようにする。ブラシAまたはブラシBの材料の弾性を利用してブラシAをブラシBに嵌め込んだり、圧入したりする。または、マグネットやファスニングテープなどで保持して、ブラシAとブラシBを構成品にしたセットにする。
【発明の効果】
【0010】
ブラシAのファスニングテープのカギはその曲がりと数の多さで、髪の毛に引っ掛かり易い効果がある。特に髪の毛と交差するようにファスニングテープを動かした時に有効でブラシBの幅を縦、横、斜めなど自在に動かせるようにしたことと、下記で説明するブラシAの角度を変えた掃除が出来ることは、髪の毛との交差を確実なものにして、効果を高めている。
【0011】
ブラシAのファスニングテープを貼り付けた面の角の丸みは、ブラシAのカギの面をブラシAの歯の軸に対して交差するように傾けてブラシCの歯の間を動かした時に、その方向によってはブラシAが、ブラシCの歯や溝に引っ掛かって動かし難くなるのを防いで使い易くしている。
【0012】
また、ブラシAをブラシCの歯の軸に対して、ほぼ平行を保ちながら傾けて歯の間を動かす時にも、動かし易くする効果と共に、ファスニングテープの角度を変える、すなわち、カギの目の角度を変える動作が抵抗なく出来るようになり、髪の毛がブラシCに付着している角度がどのようなものでも引っ掛かり易くなり、掃除の効率が良くなる。
【0013】
ブラシAのファスニングテープを貼り付けた面の側面形状における丸みは、ブラシAを斜めや弧をえがくように動かす時に、その動きを容易にして掃除の効果を上げている。また、カギの面でフケを擦り落とす時に、ブラシAをブラシCの歯から外れにくくして、フケを取り易くする効果がある。掃除後、髪の毛はファスニングテープのカギの面に比べれば長い為、カギの面から飛び出している。よって、髪の毛は簡単に手で取れる。また、フケは水洗いすると繰り返して使用できるので経済的効果もある。
【0014】
ブラシAをブラシBに組み込んだセットは、ブラシBに髪の毛やフケが付着して取り除きたいと思った時に、ブラシAを探す手間なく、すぐに掃除が出来る。長期間の出張や旅行などにブラシを持って行く人には場所を取らず便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
ブラシAは平面形状がスプーンのような形で、スプーンの物を掬う部分の幅を狭くする為に、ほぼ平行に両端を対称にカットして、出来た角を丸めたものである。この先端の方に、ファスニングテープのカギの面がある方を貼りつける。ブラシAの側面形状もスプーンのような形で、ファスニングテープを貼り付ける面に丸みをつける。
【0016】
カットした部分の幅は、ブラシCの歯の間を自在に動かせる寸法にする。幅は小さ過ぎても歯の間に入って直線的に動かし難いうえに、ファスニングテープの貼り付け面積が減り、髪の毛やフケを取る効果が減少する、さらに、貼り付け強度も落ちる。大き過ぎると、ブラシAをブラシCの歯の間で自在に動かせなくなる。この為、幅は使い易さと掃除の効率を考慮して、15mm位にする。
【0017】
ファスニングテープの貼り方は目の方向により二とおりあるが、機能の差よりコストの差を重視して、カギの面の目を同じ方向で貼る。
【0018】
ブラシAをブラシCに当てて縦、横、斜め自在に動かして、カギの部分で髪の毛を引っ掛けて取る。または、カギの部分でフケを擦って取る。ブラシCの歯の根元に溝がある等、ブラシAを動かし難いものに対しては、ブラシAを動かす向きに傾けながら移動させて髪の毛とフケを取る。
【0019】
ブラシB本体に、ブラシAが入るスペースを設けて、ブラシAが組み込めるようにする。ブラシA本体とブラシB本体の材料はプラスチックにする。マグネットでブラシAをブラシBに保持し、ブラシAとブラシBを構成品にしたセットにする。
【実施例1】
【0020】
以下、添付図面に従って実施例を説明する。11はプラスチック等の適宜素材で成型したブラシA本体、12はブラシA本体11の先端の丸みをつけた部分に貼り付けたファスニングテープで、13はファスニングテープのカギである。カギ13の目は同じ方向で貼る。14はブラシA本体11に接着したマグネットである。以上によりブラシAを構成する。ブラシA本体11の先端部の幅は、ブラシAをブラシBの歯の間で自在に動かせるように15mm位にする。ブラシAはブラシBに組み込める大きさと形状で、前述のスプーンに似たのもにする。
【0021】
16はブラシB本体で歯のついている面の裏側から柄の部分にブラシAを組み込むスペース19を設ける。17はブラシB本体16に貼り付けたメッキをした鉄板である。これと、ブラシA本体11に貼り付けたマグネット14の磁力でブラシAを保持し、ブラシAとブラシBを構成品にしたセットにする。
【0022】
髪の毛やフケはブラシAをブラシBの歯に当てて自在に動かし、ファスニングテープのカギ13で髪の毛やフケを引っ掛けたり、カギ13の部分で歯にこびりついたフケを擦ったりして取る。ブラシBの歯の根元に溝がある等、動かし難いものに対しては、ブラシAを動かす向きに傾けながら移動させて取る。カギ13が多数ある為、髪の毛やフケが引っ掛かり易く、フケを擦る時の抵抗が大きいので、簡単な動作で掃除が出来る。
【0023】
掃除後、カギ13に付いた髪の毛を手で取り、フケを水洗いする。ブラシA本体11に設けた位置決めの孔15をブラシB本体16に設けた位置決めの突起18に合わせて、ブラシAをブラシB本体16のスペース19に組み込みマグネット14の磁力で保持する。
【実施例2】
【0024】
この例は実施例1の「カギの目の向き」と「ブラシAの保持方法」を変更したものである。ファスニングテープをカギの目の向きをかえて、「目の向き1のファスニングテープ」22aと「目の向き2のファスニングテープ」22bをブラシA本体21先端部分に貼り、ブラシAを構成した例である。目の向きが2方向になり、髪の毛が引っ掛かり易くなる。
【0025】
掃除後、ファスニングテープのカギ23に付いた髪の毛を手で取り、フケを水洗いする。ブラシA本体21に設けた圧入用の孔「1」24と圧入用の孔「2」25をブラシB本体26に設けた圧入用の突起「1」27と圧入用の突起「2」28に合わせて圧入して組み込み、ブラシAをブラシB本体26のスペース29に保持する。その他、「使用時はブラシAの端に指をかけて持ち上げる」を含め、掃除の方法は、実施例1と同じである。
【実施例3】
【0026】
この例はブラシAを単独でセットにしない場合で、マグネットや圧入などの保持手段を設けていない。ブラシA本体31の柄の部分に凸面鏡34を貼り、ブラシA本体31先端にUの字形のファスニングテープ32を貼り付けたものである。Uの字の形はカギ33に付いた髪の毛がいくらか取り易くなるが、フケを擦り取る効果が減少する。ブラシAを組み込むブラシBが大きい場合は、上記の保持手段を設けて組み込みセットにすると、凸面鏡で髪の状態を見ながら、とかすことが出来る。
【実施例4】
【0027】
ブラシAの形を最も単純にした例で、厚さ1mm位の矩形の板で、両端に適度な丸みをつけてブラシA本体41とし、一方の端にファスニングテープ42のカギ43の目を同じ向きで貼り付けたものである。いくらか使いにくくはなるが、ブラシAを最も小さくできる為、持ち運びに便利で、保持手段を設けてセットにする場合にも、スペースを気にしなくて良くなる。低コストで場所を取らない為、単品で製作して無料配布のギフト品としても利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】実施例1のセットにしたブラシAとブラシB
【図2】実施例1のブラシA
【図3】実施例2のセットにしたブラシAとブラシB
【図4】実施例2のブラシA
【図5】実施例3のカギの面がU形で、凸面鏡を貼り付けたブラシA
【図6】実施例4の最も単純な形のブラシA
【符号の説明】
【0029】
11 実施例1のブラシA本体
12 実施例1のファスニングテープ
13 実施例1のファスニングテープのカギ
14 マグネット
15 位置決めの孔
16 実施例1のブラシB本体
17 ブラシB本体16に貼り付けたメッキをした鉄板
18 位置決めの突起
19 ブラシB本体16に設けたスペース
21 実施例2のブラシA本体
22a 目の向き1のファスニングテープ
22b 目の向き2のファスニングテープ
23 実施例2のファスニングテープのカギ
24 圧入用の孔「1」
25 圧入用の孔「2」
26 実施例2のブラシB本体
27 圧入用の突起「1」
28 圧入用の突起「2」
29 ブラシB本体26に設けたスペース
31 実施例3のブラシA本体
32 実施例3のファスニングテープ
33 実施例3のファスニングテープのカギ
34 凸面鏡
41 実施例4のブラシA本体
42 実施例4のファスニングテープ
43 実施例4のファスニングテープのカギ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプーンに似た形状や矩形に近い形の薄い板の一方の端にファスニングテープのカギがある方を貼り付けた、ブラシを掃除するブラシAと、ブラシAを組み込むスペースを歯の裏側や柄に設けて、ブラシAを保持できるブラシBで構成する、ブラシを掃除するブラシセット

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−165798(P2009−165798A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35288(P2008−35288)
【出願日】平成20年1月19日(2008.1.19)
【出願人】(507250689)
【Fターム(参考)】