説明

ブラシ

【課題】本発明は、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシに関するものである。
【解決手段】本発明のブラシは、複数個の短冊状サンドペーパーと、複数本のブラシ毛とから構成されている。前記ブラシは、チャンネル部材に前記短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛を挟持して作製される。また、植え込みブラシは、前記デッキに溝を設け、その間に短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛を挿入し、接着剤等で固定して作製される。前記複数個の短冊状サンドペーパーは、シート状部材の一方の面に砥粒が付着されており、砥粒側をブラシの進行方向に配置している。また、前記ブラシ毛は、前記短冊状サンドペーパーの長さより短くしてある。前記短冊状サンドペーパーは、後ろに設けられたブラシ毛の弾性により程よい力で支えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシに関するものである。また、本発明は、サンドペーパーを短冊状に切断し、研磨面を長く、また、腰の強さに柔軟性を持たせた短めのブラシ毛を前記サンドペーパーに添わせたブラシに関するものである。さらに、本発明は、ワークの高さに関係なくバリ取り、あるいは研磨、研削が可能なブラシに関するものである。本明細書において、短冊状サンドペーパーは、チャンネル部材またはデッキの近傍で連続して繋がっているものも含む。
【背景技術】
【0002】
特開2007−021014号公報に記載されているチャンネルブラシは、熱溶着性であるブラシ毛、または、熱溶着性であるブラシ毛束を使用して形成されており、ブラシ毛が抜け難いように構成されている。前記チャンネルブラシは、複数本のブラシ毛が熱溶着性であり、前記複数本のブラシ毛を長尺チャンネルの溝内に植え込んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−021014号公
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、ワークを研削、研磨、バリ取り等を行うブラシは、たとえば、合成樹脂製ブラシ毛素材の中に砥粒等の粉末が混入されている。また、サンドペーパーは、シート素材の上に砥粒が均一に付着されている。しかし、前記研削、研磨、バリ取り等の処理を行うためのブラシは、ワークの形状が同じものを行うようにできていた。異なる形状のワークが複数一つの基板に設けられている場合、前記ブラシ毛またはサンドペーパーは、何時でも、ワークのほぼ同じ場所に当たる。その結果、前記ブラシまたはサンドペーパーは、一部分の砥粒のみが脱落し、他の部分に砥粒が残っていても、ブラシまたはサンドペーパーとして使用できない場合が多かった。
【0005】
前記ブラシまたはサンドペーパーに付着している砥粒は、通常、均一な厚さに付着されているため、一部分に剥がれた部分ができると、ブラシまたはサンドペーパーとして、機能しない場合が多かった。
【0006】
以上のような課題を解決するために、本発明は、シート素材の上に網素材を張り合わせ、前記シート素材および網素材の表面、および接着剤の内部にも、砥粒を形成することができるサンドペーパー作製方法およびサンドペーパーを提供することを目的とする。また、本発明のシート素材は、網状または織状にすることにより、前記シート素材および網素材の両方に砥粒を強力で厚く付着させることができるサンドペーパー作製方法およびサンドペーパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1発明)
第1発明のブラシは、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれており、シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーの砥粒側を進行方向に配置し、前記短冊状サンドペーパーの長さより短い複数本のブラシ毛を前記短冊状サンドペーパーの後方に配置したことを特徴とする。
【0008】
(第2発明)
第2発明のブラシは、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれており、シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーの砥粒側を両外方側に向けて配置し、前記短冊状サンドペーパーの長さより短い複数本のブラシ毛を前記短冊状サンドペーパーの間に配置したことを特徴とする。
【0009】
(第3発明)
第3発明のブラシは、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれており、シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーを、前記砥粒が付着されていない面を互いに背中合わせとなるように複数列に配置したことを特徴とする。
【0010】
(第4発明)
第4発明のブラシは、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれており、シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーの砥粒側を進行方向に配置し、前記短冊状サンドペーパーの長さより短い複数本のブラシ毛を前記短冊状サンドペーパーの後方に配置し、前記短冊状サンドペーパーおよび長さの短い複数本のブラシ毛の組み合わせを徐々に高くまたは低くなるように複数列配置したことを特徴とする。
【0011】
(第5発明)
第5発明のブラシは、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれており、複数列からなるサンドペーパーおよび/またはブラシ毛は、前列および後列の長さを短く、中間列の長さを長くするとともに、少なくとも前列または後列に砥粒が設けられ、中間列は、ブラシ毛が設けられていることを特徴とする。
【0012】
(第6発明)
第6発明のブラシにおいて、デッキは、円盤状からなり、高さの異なるサンドペーパーとブラシ毛が複数組み設けられていることを特徴とする。
【0013】
(第7発明)
第7発明のブラシ毛は、静電気を帯び難い部材からなることを特徴とする。
【0014】
(第8発明)
第8発明のブラシにおいて、チャンネル部材およびデッキは、円盤状取り付け治具または並列状取り付け治具の溝に取り付けることができる形状であることを特徴とする。
【0015】
(第9発明)
第9発明のブラシにおいて、前記短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛は、開口部および突出部のバリ取りが同時にできる長さおよび硬さを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、短冊状サンドペーパーまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシの後ろ側にブラシ毛が設けられているため、前記ブラシ毛の材質および数により、前記短冊状サンドペーパー等に対して程よい弾性を持たせることができ、前記ブラシ毛より長いサンドペーパーの表面を有効にブラシとして使用することができる。
【0017】
本発明によれば、サンドペーパーまたは植え込みブラシの砥粒面を前後に設けることにより、前面と後面の両面を使用することができる。
【0018】
本発明によれば、サンドペーパーまたは植え込みブラシを支えるブラシ毛の長さにより、異なる高さのワークに追従でき、一つの工程で異なる形状の研磨、研削、およびバリ取りができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】(イ)から(ハ)はサンドペーパーを用いたブラシの例であり、(イ)は一方向に動かすチャンネルブラシ、(ロ)は両方向に動かすことができるチャンネルブラシ、(ハ)はサンドペーパーのみで両方向に動かすことができるチャンネルブラシを説明するための図である。(実施例1)
【図2】(イ)から(ホ)はサンドペーパーまたは植え込みブラシを使用したブラシの例であり、(イ)は一方向に動かすサンドペーパーを使用した植え込みブラシ、(ロ)は一方向に動かすことができる植え込みブラシ、(ハ)は両方向に動かすことができる植え込みブラシ、(ニ)は複数組からなるサンドペーパーおよび/またはブラシ毛からなるブラシ、(ホ)は短冊状サンドペーパーと植え込みブラシからなる複数組みのブラシを説明するための図である。(実施例2)
【図3】(イ)から(ハ)は円盤状部材に植え込まれたサンドペーパーおよび/またはブラシ毛からなる回転ブラシを説明するための概念図である。
【図4】円盤状部材に本発明のチャンネルブラシを取り付けた例を説明するための図である。
【図5】(イ)から(ハ)は本発明のブラシを使用して、異なる形状のものを同時に研磨、研削、バリ取りを行う状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1発明)
第1発明のブラシは、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシに関するものである。前記ブラシは、複数個の短冊状サンドペーパーと、複数本のブラシ毛とから構成されている。前記チャンネルブラシは、チャンネル部材に前記短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛を挟持して作製される。また、植え込みブラシは、前記デッキに孔または溝を設け、その間に短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛を挿入し、接着剤等で固定して作製される。前記短冊状のサンドペーパーは、たとえば、チャンネル部材に挟持されている部分、あるいはチャンネル部材の近傍が短冊状でなく、連続するようにし、切り込みを入れることができる。
【0021】
前記複数個の短冊状サンドペーパーは、シート状部材の一方の面に砥粒が付着されており、砥粒側をブラシの進行方向に配置している。また、前記ブラシ毛は、前記短冊状サンドペーパーの長さより短くしてある。前記短冊状サンドペーパーは、後ろに設けられたブラシ毛の弾性により程よい力で支えられている。
【0022】
前記ブラシは、短冊状サンドペーパーが柔軟性を有するのに対して、前記ブラシ毛に弾性を持たせることができるため、ブラシ毛の数により、程良い弾性を得ることができ、ほぼ平面に近い部分の研磨とある程度の高さを有する凸部の研磨を同時に行うことができる。前記ブラシは、被研磨部材の形状により、短冊状サンドペーパーの長さ、およびブラシ毛の長さ、硬さ、数を変えることにより、多種類の凹凸部を研磨することが可能になる。前記ブラシは、短冊状サンドペーパーとブラシ毛からなる一対であるが、複数対を列にすることもできる。なお、本発明でいう短冊状サンドペーパーは、根元近傍において接続されているものも含む。
【0023】
(第2発明)
第2発明のブラシは、複数個の短冊状サンドペーパーの砥粒側が両側に設けられている。前記複数個の短冊状サンドペーパーの間は、前記短冊状サンドペーパーの長さより、やや短い複数本からなるブラシ毛が配置されている。前記複数本のブラシ毛は、前記短冊状サンドペーパーの腰を強くするためであるため、研磨に使用する目的により、材料の選択、長さの決定、および列の数を決めることができる。前記ブラシは、チャンネル部材およびデッキの両側に短冊状サンドペーパーが設けられているため、両方向に研磨することができる。一方向の研磨は、治具に取り付ける際に、反転させて使用することができる。
【0024】
(第3発明)
第3発明のブラシは、バネ性を持たせていたブラシ毛を使用する代わりに、短冊状サンドペーパーを複数列にして、腰を強くしている点で第1発明および第2発明と異なっている。前記ブラシは、シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーを、前記砥粒が付着されていない面を互いに背中合わせとなるように複数列に配置している。また、前記ブラシは、内側に設けられた短冊状サンドペーパーの長さを外側のものより順次短くすることで、ブラシ全体として弾力を持たせている。さらに、前記ブラシは、内側に設けられた短冊状サンドペーパーによっても、ワークを研磨することができる。なお、前記短冊状サンドペーパーは、チャンネル部材近傍またはデッキ近傍において、繋がっているものも含む。
【0025】
(第4発明)
第4発明のブラシは、短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛がチャンネル部材またはデッキに対して、複数列に設けられている。前記ブラシにおける複数列の短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛は、長さを徐々に変えるように構成されている。また、前記複数列の短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛は、一方の面に砥粒が付着されているとともに、砥粒側が進行方向に配置されている。さらに、ブラシ毛は、前記短冊状サンドペーパーの長さより短い複数本のブラシ毛を前記短冊状サンドペーパーの後方に配置する。前記短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛は、前記短冊状サンドペーパーおよび長さの組み合わせを徐々に高くまたは低く複数列配置する。前記短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛の組み合わせは、必要に応じて、任意に変えることも可能である。
【0026】
(第5発明)
第5発明のブラシは、チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシにおいて、複数列からなるサンドペーパーおよび/またはブラシ毛が複数列設けられている。前記複数列からなるサンドペーパーおよび/またはブラシ毛は、前列および後列のサンドペーパーおよび/またはブラシの長さを短く、中間列のブラシの長さを長くする。また、前記サンドペーパーおよびブラシ毛は、ワークに向かう前列または後列に砥粒が設けられている。
【0027】
(第6発明)
第6発明のブラシは、デッキが円盤状からなり、高さの異なるサンドペーパーとブラシ毛が複数組み設けられている。前記サンドペーパーは、デッキの場所によって、前方または後方に砥粒が設けられている。また、前記ブラシ毛の長さは、近傍のサンドペーパーの長さより、短くして、前記サンドペーパーの腰を強くする。
【0028】
(第7発明)
第7発明のブラシに設けられたブラシ毛は、静電気を帯び難い部材からなる。前記ブラシ毛は、たとえば、植物製または動物製であり、ワークを研磨する際に静電気を発生することがないものを利用する。前記ブラシは、ブラシ毛に静電気が起こらないため、互いに吸引することがなく、所望の硬さになる。
【0029】
(第8発明)
第8発明のブラシは、前記チャンネル部材およびデッキが列方向に見て左右対照にサンドペーパーおよびブラシ毛が設けられている。したがって、前記ブラシは、円盤状取り付け治具または並列状取り付け治具の溝に取り付ける場合、挿入方向を逆にした場合、異なる面を使用することができる。
【0030】
(第9発明)
第9発明のブラシは、ワークの研磨部分によって、短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛の長さが決定される。前記短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛の長さおよび硬さは、ワークの開口部および突出部の高さ、あるいはワークの硬さによって決められる。
【実施例1】
【0031】
図1(イ)から(ハ)はサンドペーパーを用いたブラシの例であり、(イ)は一方向に動かすチャンネルブラシ、(ロ)は両方向に動かすことができるチャンネルブラシ、(ハ)はサンドペーパーのみで両方向に動かすことができるチャンネルブラシを説明するための図である。図1(イ)において、チャンネル部材11は、たとえば、アルミニウム、鋼材、合成樹脂部材等からなる断面U字型部材またはコ字型部材である。サンドペーパー12の一部をU字状に折り曲げ、また、植物製、動物製、紙、不織布、等からなる静電気を帯び難いブラシ毛14を二つ折りにする。
【0032】
前記サンドペーパー12は、チャンネル部材11に植え込んだ際に、前記ブラシ毛14より長さが長くなるように、U字状に曲げられる。前記サンドペーパー12の他端は、芯線15に取り付けられる長さであれば良い。前記サンドペーパー12およびブラシ毛14は、芯線15を中心にして折り曲げられ、前記チャンネル部材11に挟持させる。前記サンドペーパー12およびブラシ毛14は、必要に応じて、左右を挟持するとともに、充填部材16を入れて固定することができる。
【0033】
図1(ロ)に示すチャンネルブラシにおいて、サンドペーパー12、12′は、上部がそれぞれ分離しているとともに、基部において一体に連続しており、中央部に挟むように設けられた複数本のブラシ毛14の高さより高くなっている。すなわち、前記チャンネルブラシは、チャンネル部材11の両側が砥粒付きのサンドペーパー12、12′となっている。したがって、図1(イ)に示すチャンネルブラシは、一方向のみしかブラシとして使用できないが、図1(ロ)に示すチャンネルブラシは、左右方向にブラシとして使用できる。
【0034】
図1(ハ)に示すチャンネルブラシは、複数のサンドペーパー12、12′、12″・・・を重ねて、二つ折りにし、チャンネル部材11に挿入し、両側から挟持されている。前記チャンネル部材11は、芯線15および充填部材16(または接着剤)が必要に応じて入れられる。前記外側に設けられたサンドペーパー12、12′は、砥粒が外部方向を向いて設けられている。
【0035】
図1(イ)および(ロ)に示すチャンネルブラシは、サンドペーパー12、12′より、背丈の低いブラシ毛14によって側部が支えられている。また、前記サンドペーパー12、12′は、砥粒の付いた研磨面が互いに外側を向くようになっている。さらに、図1(ハ)に示すサンドペーパー12、12′、12″、・・・は、一枚の場合、腰が弱いが、複数枚のサンドペーパーまたは複数本のブラシ毛14と同様に支えることにより、適度の強さを持つだけでなく、程よい弾性を持たせることができる。さらに、短冊状に切れ目を入れたサンドペーパー12、12′は、いろいろな形状からなるワークに対応し易く、また、高さが異なる凹凸を同時に研磨、研削、バリ取りが可能になった。
【0036】
図2(イ)から(ホ)はサンドペーパーまたは植え込みブラシを使用したブラシの例であり、(イ)は一方向に動かすサンドペーパーを使用した植え込みブラシ、(ロ)は一方向に動かすことができる植え込みブラシ、(ハ)は両方向に動かすことができる植え込みブラシ、(ニ)は複数組からなるサンドペーパーおよび/またはブラシ毛からなるブラシ、短冊状サンドペーパーと植え込みブラシからなる複数組みのブラシを説明するための図である。図2(イ)に示す植え込みブラシ21は、砥粒を付けた短冊状サンドペーパー22を丸め、外部に向けるとともに、他側に前記サンドペーパー22より短めのブラシ毛23が植設されている。
【0037】
図2(ロ)において、植え込みブラシ21は、砥粒付きブラシ毛24を前列に設け、前記砥粒付きブラシ毛24の長さより短く、弾力性を持たせるブラシ毛23を後列に設ける。図2(ハ)において、植え込みブラシ21は、ブラシ毛が3列に設けられている。手前のブラシ毛25および後方のブラシ27は、中間部の高いブラシ毛26より、背が低く、前記ブラシ毛26の腰に弾力を持たせることができる。
【0038】
図2(ニ)において、植え込みブラシ21は、4列のブラシ毛28、29、28′、29′から構成されている。第1列のブラシ毛28は、棒状あるいは平らなサンドペーパー、あるいはサンドペーパーを丸めたもののいずれでも良いが、少なくとも一方に砥粒が設けられている。第2列のブラシ毛29は、前記ブラシ毛28の腰を強くするもので、背丈が前記ブラシ毛28より低くなっている。第3列のブラシ毛28′は、棒状あるいはサンドペーパー状のいずれでも良いが、一方に砥粒が設けられており、第1列の砥粒付きブラシ毛28より、背丈を高くなっている。第4列のブラシ毛29′は、第3列のブラシ毛28′の腰を強化するものであり、背丈を第3列のブラシ毛28′より低くしている。
【0039】
図2(ホ)において、デッキ21は、第1列および第3列にサンドペーパー、第2列および第4列にブラシ毛が植え込まれている。前記第2列および第4列のブラシ毛は、前列のサンドペーパーの高さより低くなっている。また、図2(ホ)の例は、サンドペーパーの代わりに、丸めたものとすることができる。
【0040】
図2(イ)から(ホ)に示したブラシは、ブラシ毛またはサンドペーパーの砥粒、丈の高さ等は、使用目的によって適宜選択することができる。また、ブラシ毛は、植物製、動物製等、静電気を帯びない部材が望ましい。さらに、砥粒は、使用するワークによって、ダイヤモンド、セラミックス、アルミナ、シリコン、ジルコニア、ジルコニウム、ガラス、エメリー、酸化セリウム、窒化ホウ素(CBN)、GCからなる少なくとも1種類である。前記サンドペーパーは、紙、布、合成樹脂、ゴム素材、不織布、スポンジ、コルク、および金属の少なくとも1種類からなるシート素材の上に、紙、布、樹脂、不織布、または金属素材の少なくとも1種類からなる網素材を貼り合わせ、その後、前記砥粒を接着させることができる。
【0041】
図2(イ)から(ホ)に示したブラシは、サンドペーパーを丸めたブラシと、短冊状のブラシが示されているが、それぞれを交換したブラシとすることができる。
【0042】
図3に示された図は円盤状部材に植え込まれたサンドペーパーおよび/またはブラシ毛からなる回転ブラシを説明するための概念図である。図3において、円盤状部材31は、孔が開けられ、丸めたサンドペーパー32、34、36、36′、34′、32′、およびブラシ毛33、35、35′、33′が交互に植設されている。前記サンドペーパー32、34、36、36′、34′、32′の表面には、少なくとも砥粒が付着されている。前記ブラシ毛33、35、35′、33′は、複数本からなり、前に設けられているサンドペーパーの腰に弾力を与えている。
【0043】
前記円盤状のブラシは、柔軟性を高くして、高さの異なるワークが混在している部材に対して、回転しながら走査することによって、研磨、研削、バリ取りの作業を効率良く行うことができる。
【0044】
図4は円盤状部材に本発明のチャンネルブラシを取り付けた例を説明するための図である。前記円盤状部材41は、放射状に溝41−1から41−nが設けられている。前記溝は、チャンネルブラシおよび植え込みブラシの基部とほぼ同じ形状をしているため、たとえば、図1(ロ)および(ハ)に示すチャンネルブラシの方向を変えて入れ換えた場合、サンドペーパーの両側面を使用することができる。前記溝の形状は、チャンネルブラシおよび植え込みブラシのデッキの形状に併せたものを、予め作製しておく。
【0045】
図5(イ)から(ハ)は本発明のブラシを使用して、異なる形状のものを同時に研磨、研削、バリ取りを行う状態を説明する図である。本発明のブラシは、砥粒の付着した部分と、これの腰に弾力を与える部分とを分けるとともに、丈を長目にしたため、一つのブラシによって、高さの異なるワークの研磨、研削、バリ取りが同時にできる。たとえば、図5(イ)に示すワーク51は、小さな開孔52、切り起こし部54、前記切り起こし部によってできた開口53の3種類がある。
【0046】
前記小さい開孔52、切り起こし部54、切り起こし開口53は、図5(ロ)に示すように、一方の面および/または他方の面に設けられた本発明のブラシにより、同時に処理することが可能になった。
【0047】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、持許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明のブラシは、砥粒付きのサンドペーパーと、後部に配置したブラシ毛の弾力および長さを調整することにより、今までにできなかった複雑な形状のものを一度に研磨、研削、バリ取りが可能になった。
【符号の説明】
【0048】
11・・・チャンネル部材
12・・・サンドペーパー
13・・・切込み
14・・・ブラシ毛
15・・・芯線
16・・・充填部材
21・・・デッキ
22・・・サンドペーパー
23・・・ブラシ毛
24・・・ブラシ
25、26、27・・・ブラシ毛
28、28′・・・砥粒付きブラシ毛
29、29′・・・ブラシ毛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシにおいて、
シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーの砥粒側を進行方向に配置し、前記短冊状サンドペーパーの長さより短い複数本のブラシ毛を前記短冊状サンドペーパーの後方に配置したことを特徴とするブラシ。
【請求項2】
チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシにおいて、
シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーの砥粒側を両外方側に向けて配置し、前記短冊状サンドペーパーの長さより短い複数本のブラシ毛を前記短冊状サンドペーパーの間に配置したことを特徴とするブラシ。
【請求項3】
チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシにおいて、
シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーを、前記砥粒が付着されていない面を互いに背中合わせとなるように複数列に配置したことを特徴とするブラシ。
【請求項4】
チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシにおいて、
シート状部材の一方の面に砥粒が付着されている複数個の短冊状サンドペーパーの砥粒側を進行方向に配置し、前記短冊状サンドペーパーの長さより短い複数本のブラシ毛を前記短冊状サンドペーパーの後方に配置し、前記短冊状サンドペーパーおよび長さの短い複数本のブラシ毛の組み合わせを徐々に高くまたは低くなるように複数列配置したことを特徴とするブラシ。
【請求項5】
チャンネル部材に挟持されたチャンネルブラシまたはデッキに植え込まれた植え込みブラシにおいて、
複数列からなるサンドペーパーおよび/またはブラシ毛は、前列および後列の長さを短く、中間列の長さを長くするとともに、少なくとも前列または後列に砥粒が設けられ、中間列は、ブラシ毛が設けられていることを特徴とするブラシ。
【請求項6】
前記デッキは、円盤状からなり、高さの異なるサンドペーパーとブラシ毛が複数組み設けられていることを特徴とする請求項5に記載されたブラシ。
【請求項7】
前記ブラシ毛は、静電気を帯び難い部材からなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載されたブラシ。
【請求項8】
前記チャンネル部材およびデッキは、円盤状取り付け治具または並列状取り付け治具の溝に取り付けることができる形状であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載されたブラシ。
【請求項9】
前記短冊状サンドペーパーおよびブラシ毛は、開口部および突出部のバリ取りが同時にできる長さおよび硬さを有することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載されたブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−121094(P2012−121094A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273410(P2010−273410)
【出願日】平成22年12月8日(2010.12.8)
【出願人】(398029234)
【出願人】(506324806)
【Fターム(参考)】