ブラシ
【課題】電気掃除機の吸い込み具への取り付け作業が容易で、吸引力の低下を抑制することが可能なブラシを提供する。
【解決手段】ブラシ16は、電気掃除機の吸い込み具11に対して吸い込み口12を囲むように取り付けられる。そして、ブラシ16は、複数のブラシ糸21aと、該各ブラシ糸21aを互いに並列した状態で保持する保持糸23と、該保持糸23を挟持した状態で接合される一対の挟持片20aを有した基材20と、各ブラシ糸21aに沿うように保持糸23及び基材20に溶着され、空気の流通を遮断可能なフィルム22とを備えている。
【解決手段】ブラシ16は、電気掃除機の吸い込み具11に対して吸い込み口12を囲むように取り付けられる。そして、ブラシ16は、複数のブラシ糸21aと、該各ブラシ糸21aを互いに並列した状態で保持する保持糸23と、該保持糸23を挟持した状態で接合される一対の挟持片20aを有した基材20と、各ブラシ糸21aに沿うように保持糸23及び基材20に溶着され、空気の流通を遮断可能なフィルム22とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の吸い込み具に取り付けられるブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気掃除機は本体部と該本体部にホースを介して接続された吸い込み具とを備えている。そして、この吸い込み具を絨毯、フローリング、畳等の床面上を移動させながら該吸い込み具の底面に設けられた吸い込み口からエア(気体)を吸引することにより、本体部内に床面上の塵埃が吸い込まれるように構成されている。そして、近年では、床面上の塵埃を掃き取りながら吸引するべく、吸い込み具の底面にブラシを設けたものが数多く見られるようになってきた(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載の真空掃除機用吸込具では、吸込具本体の先端部に、吸込口を取り囲むようにゴム製のノズル部材を二重に取り付け、さらにこれらのノズル部材間に毛先が外部に突出するようにブラシを植設している。そして、使用時には、ブラシによって塵埃を掃き取るとともに、各ノズル部材によってブラシの毛束間を空気が漏流することを防止して吸引力の低下を抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−304103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の真空掃除機用吸込具では、ブラシによって塵埃を掃き取りつつ各ノズル部材によって吸引力の低下を抑制することはできるものの、各ノズル部材及びブラシが互いに別部材として構成されているため、これらの吸込具本体への取り付け作業が困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、電気掃除機の吸い込み具への取り付け作業が容易で、吸引力の低下を抑制することが可能なブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、ブラシに係る請求項1に記載の発明は、電気掃除機の吸い込み具に対して吸い込み口を囲むように取り付けられるブラシであって、複数のブラシ糸と、該各ブラシ糸を互いに並列した状態で保持する保持糸と、前記保持糸を挟持した状態で接合される挟持部を有した基材と、前記各ブラシ糸に沿うように前記保持糸及び前記基材のうち少なくとも一方に接合され、空気の流通を遮断可能な遮断部材とを備えたことを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、保持糸、基材、及び遮断部材が一体に形成されるため、電気掃除機の吸い込み具に対してブラシを容易に取り付けることが可能となる。加えて、電気掃除機の使用時に、ブラシで囲まれた空間への周囲の空気の流入を遮断部材によって遮断することができるので、電気掃除機の吸引力の低下を抑制することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基材は、可撓性材料によって構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、例えば電気掃除機の吸い込み具に基材を挿入状態で係止可能な凹溝を形成することで、該吸い込み具に対してブラシを効率よく容易に取り付けることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記各ブラシ糸における前記挟持部から突出した部分の長さは、前記基材の長さの半分以下であることを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、ブラシにおける各ブラシ糸の占める割合が抑えられるので、ブラシで囲まれた空間への周囲の空気の流入が低減される。したがって、電気掃除機の吸引力の低下を効果的に抑制することが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記各ブラシ糸の先端は、前記遮断部材の先端よりも突出していることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、被清掃面に対して、遮断部材を接触させることなく各ブラシ糸を摺接させることができるので、被清掃面に対するブラシの摺動性を向上することが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記遮断部材は、可撓性を有し、且つ前記保持糸とともに前記挟持部に挟持された状態で接合されていることを要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、各ブラシ糸に遮断部材を密着させることができるので、遮断部材の各ブラシ糸に対する追従性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電気掃除機の吸い込み具への取り付け作業が容易で、吸引力の低下を抑制することが可能なブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態における電気掃除機の吸い込み具を示す底面図。
【図2】同吸い込み具の使用状態を示す側面図。
【図3】同吸い込み具に取り付けられるブラシの斜視図。
【図4】同ブラシを構成する毛羽体の製造過程を示す模式図。
【図5】同ブラシにおいて、毛羽体及びフィルムを基材の各挟持片間に挿入するときの状態を示す側面模式図。
【図6】(a)は毛羽体及びフィルムを基材の各挟持片間に挿入したときの状態を示す側面模式図、(b)は毛羽体及びフィルムを基材の各挟持片に溶着したときの状態を示す側面模式図。
【図7】図1の7−7線断面模式図。
【図8】第2実施形態において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図9】第3実施形態において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図10】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図11】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図12】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図13】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図14】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図15】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図16】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明のブラシの第1実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、ブラシが取り付けられる電気掃除機の吸い込み具の構成について説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、電気掃除機の吸い込み具11は、底面視略T字状をなしている。吸い込み具11の底面11aにおける前寄りの位置には、左右方向(吸い込み具11の幅方向)に長い矩形状の吸い込み口12が開口している。吸い込み具11の底面11aにおける前端部及び後端部には、左右一対の収容凹部13がそれぞれ形成されている。すなわち、吸い込み具11の底面11aには、前後方向(吸い込み具11の移動方向)において吸い込み口12を挟んだ両側に収容凹部13が2つずつ設けられている。
【0020】
各収容凹部13内には車輪14が左右方向に延びる軸線を中心に回転可能に軸部材15によって支持された状態でそれぞれ収容されるとともに、該各車輪14の一部は各収容凹部13からそれぞれはみ出している。また、吸い込み具11の底面11aには、吸い込み口12を囲むように、ブラシ16が取り付けられている。さらに、吸い込み具11の後端部には接続パイプ17の一端側が該吸い込み具11に対して回動可能に接続される一方、該接続パイプ17の他端側は電気掃除機の本体部(図示略)に接続されている。
【0021】
そして、電気掃除機の使用時には、被清掃面である床面F上におけるブラシ16の内側の塵、埃、毛髪等の塵埃が空気とともに吸い込み口12及び接続パイプ17を介して電気掃除機の本体部(図示略)内へと吸い込まれるようになっている。
【0022】
次に、ブラシ16の構成について詳述する。
図3に示すように、ブラシ16は、長尺状の基材20と、該基材20に接合された帯状の毛羽体21と、該基材20に接合されるとともに空気の流通を遮断可能な遮断部材としての可撓性を有するポリプロピレン製のフィルム22とを備えている。基材20は、オレフィン系(本実施形態では、ポリプロピレン系)の熱可塑性エラストマ(可撓性材料)を押出成型することによって形成されている。基材20は、毛羽体21及びフィルム22を挟持するための挟持部としての一対の帯状をなす挟持片20aと、該各挟持片20aの基端同士を繋ぐ帯状の連結部20bとを備えている。すなわち、基材20は、側面視略U字状をなしている。
【0023】
図4に示すように、毛羽体21は、ポリアミド製のマルチフィラメントで構成された1本のブラシ糸21aを蛇行状に編み、両側の湾曲部分を互いに平行に延びる複数本(本実施形態では2本)のポリプロピレン製の保持糸23によってそれぞれ編んだ後、中央部分を切断する(図4の矢印に沿って切断する)ことによって同時に2つ形成される。すなわち、毛羽体21は、互いに並列に配置した状態の複数のU字状をなすブラシ糸21aの基端部(湾曲部分側)を、該各ブラシ糸21aの並列方向に沿って真っ直ぐ互いに平行に延びる2本の保持糸23によって一体に保持することによって形成されている。
【0024】
そして、毛羽体21及びフィルム22と、基材20とを接合する場合には、図5に示すように、まず、毛羽体21とフィルム22とを重ねた状態で、それらの基端側(一端側)を基材20の各挟持片20a間に挿入する。すると、図6(a)に示すように、毛羽体21の各保持糸23(毛羽体21の基端部分)及びフィルム22の基端側が各挟持片20aによって挟持された状態になる。
【0025】
この状態で、各挟持片20aの外側から該各挟持片20aとともに各保持糸23及びフィルム22の基端側を超音波ホーン25とアンビル26とで挟圧しながら超音波を付与すると、該超音波による振動によって発生する摩擦熱によって、各挟持片20aと各保持糸23とフィルム22とが互いに溶着される。
【0026】
このようにして、各挟持片20aとともに各保持糸23及びフィルム22を超音波ホーン25とアンビル26とで挟圧する位置を基材20の長手方向に沿って少しずつずらしながら連続的または断続的に各挟持片20aと各保持糸23とフィルム22とを互いに繰り返し溶着することで、図6(b)に示すブラシ16が得られる。なお、ブラシ16は、各ブラシ糸21aの先端が、フィルム22の先端よりも若干(例えば、1〜10mm程度)突出している。
【0027】
図1及び図7に示すように、吸い込み具11の底面11aには、ブラシ16を取り付けるための凹溝27が、吸い込み口12を囲むように矩形環状に形成されている。凹溝27における吸い込み口12側の内側面には、ブラシ16の基材20を係止可能な係止片28が複数突設されている。すなわち、本実施形態では、凹溝27の吸い込み口12側の内側面において、矩形状の凹溝27の各長辺に4つの係止片28が等間隔となるようにそれぞれ配置されるとともに、矩形状の凹溝27の各短辺の中央部に1つの係止片28が配置されている。
【0028】
そして、ブラシ16を吸い込み具11の凹溝27に取り付ける場合には、長尺帯状のブラシ16を凹溝27の長さに合わせて切断した後、該ブラシ16を基材20側から凹溝27内に該凹溝27に沿って順次挿入していけばよい。このとき、凹溝27における係止片28が配置された位置では、ブラシ16を基材20側から凹溝27内に押し込むと、基材20が弾性変形しながら係止片28よりも凹溝27の奥側へ移動された後、該基材20が自らの弾性復元力によって弾性変形前の元の形状に戻る。
【0029】
これにより、基材20が各係止片28により凹溝27内において複数箇所(本実施形態では10箇所)で係止される。このように、ブラシ16全体(特に、基材20)が可撓性を有しているため、ブラシ16を基材20側から凹溝27内に該凹溝27に沿って容易に挿入することができる。このため、ブラシ16を吸い込み具11に対して容易に取り付けることができる。なお、ブラシ16が吸い込み具11の凹溝27に取り付けられた状態では、フィルム22が吸い込み口12に対して毛羽体21を挟んだ反対側に位置している。すなわち、フィルム22は、毛羽体21に比べて吸い込み口12からの距離が遠い位置に配置される。
【0030】
次に、ブラシ16の作用について説明する。
さて、電気掃除機を使用するときには、図2に示すように、まず、吸い込み具11を床面F上に載せる。この状態で電気掃除機を稼動させると、ブラシ16の内側の空気が吸い込み口12を通り、接続パイプ17を介して電気掃除機の本体部(図示略)内に吸引されるようになる。そして、吸い込み具11を床面F上に沿って前後方向に往復移動させると、床面F上の塵埃がブラシ16の毛羽体21によって掃き取られて空気とともに電気掃除機の本体部(図示略)内に吸引される。このとき、フィルム22はほとんど床面Fに接触しないため、ブラシ16が床面F上を円滑に摺動する。
【0031】
さらにこのとき、ブラシ16の周囲の空気がブラシ16の内側へ流入しようとするが、該流入しようとする空気は、フィルム22によって遮断される。したがって、ブラシ16の周囲の空気は、フィルム22の先端と床面Fとの間の僅かな隙間からしかブラシ16の内側へ流入しない。このため、ブラシ16の内側の負圧が十分に確保されるため、床面F上の塵埃に作用する電気掃除機の吸引力の低下が抑制される。この結果、電気掃除機により、床面F上が効果的に清掃される。
【0032】
以上詳述した第1実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)ブラシ16は、毛羽体21、基材20、及びフィルム22が一体に溶着された構成であるため、電気掃除機の吸い込み具11の凹溝27に対して容易に取り付けることができる。加えて、電気掃除機の使用時に、ブラシ16で囲まれた空間への周囲の空気の流入をフィルム22によって遮断することができるので、床面F上の塵埃に作用する電気掃除機の吸引力の低下を抑制することができる。
【0033】
(2)ブラシ16の基材20は、熱可塑性エラストマによって構成されている。このため、吸い込み具11の凹溝27に挿入して各係止片28に容易に係止させることができるので、吸い込み具11に対してブラシ16を効率よく容易に取り付けることができる。加えて、吸い込み具11をその底面11a側から見たときの凹溝27の形状が例えば円環状やU字状などに変更された場合でも、基材20(ブラシ16)が可撓性を有しているため、ブラシ16を凹溝27に容易に取り付けることができる。また、基材20が熱可塑性エラストマによって構成されることで、基材20を金属で構成する場合に比べてブラシ16自体の軽量化を図ることができる。さらには、ブラシ16を保管したり運搬したりする場合でも、ブラシ16を適宜変形させることで、保管スペースや運搬時の荷台のスペースを無駄なく効率的に利用することができる。
【0034】
(3)ブラシ16は、各ブラシ糸21a(毛羽体21)の先端が、フィルム22の先端よりも突出している。このため、被清掃面である床面Fに対して、フィルム22をほとんど接触させることなく各ブラシ糸21a(毛羽体21)を摺接させることができるので、床面Fに対するブラシ16の摺動性を向上することができる。
【0035】
(4)フィルム22は、可撓性を有し、且つ各ブラシ糸21aの一部及び保持糸23とともに一対の挟持片20aに挟持された状態で溶着されている。このため、各ブラシ糸21a(毛羽体21)にフィルム22を密着させることができるので、フィルム22の各ブラシ糸21aに対する追従性を高めることができる。
【0036】
(5)毛羽体21を構成する各ブラシ糸21aは、摩擦耐久性及び復元性に優れたポリアミド製のマルチフィラメントで構成されているため、ブラシ16が持つ床面F上の塵埃を掃き取る機能を長期間維持することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
この第2実施形態のブラシ30は、図8に示すように、上記第1実施形態のブラシ16において、基材20の形状を変更して基材31とするとともに、フィルム22の代わりに遮断部材として遮断片32を基材31に設けたものである。
【0038】
図8に示すように、基材31は、毛羽体21を挟持するための挟持部としての一対の帯状をなす挟持片30aと、該各挟持片30aの基端同士を連結するとともに凹溝27に挿入されて各係止片28によって係止される帯状の基部33とを備えている。各挟持片30aと毛羽体21とは、上記第1実施形態と同様に、溶着されている。
【0039】
基部33の両側面には、凹部33aが対をなすようにそれぞれ形成されている。また、各挟持片30aのうち吸い込み口12からの距離が遠い方には、帯状の遮断片32が毛羽体21と対向するように一体に形成されている。遮断片32の厚さは、各挟持片30aの厚さよりも薄くなるように設定されている。
【0040】
この場合、遮断片32は、二色成形によって基材31と一体に形成してもよいし、基材31とは別体として構成して該基材31に接着剤や両面粘着テープなどを用いて接合してもよい。さらにこの場合、遮断片32は、基材31を構成する材料よりも軟らかい材料によって構成してもよい。またさらにこの場合、遮断片32の厚さは、挟持片30aの厚さと同じにしてもよい。
【0041】
各ブラシ糸21a(毛羽体21)の先端は、遮断片32の先端よりも若干(例えば、1〜10mm程度)突出している。そして、ブラシ30は、該ブラシ30で囲まれた空間への周囲の空気の流入を抑えることを考慮すると、各ブラシ糸21aの延びる方向(吸い込み具11の底面11aと直交する方向)において、各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが、基材31の長さの半分以下となるように設定されることが好ましい。本実施形態では、各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが、基材31の長さの約3分の1程度となるように設定されている。
【0042】
以上詳述した第2実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(6)各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが基材31の長さの約3分の1程度(半分以下)となるように設定されているため、ブラシ30における各ブラシ糸21a(毛羽体21)の占める割合を抑えることができる。このため、遮断片32によりブラシ30で囲まれた空間への周囲の空気の流入を効率的に低減することができるので、床面F上の塵埃に作用する電気掃除機の吸引力の低下を効果的に抑制することができる。加えて、各ブラシ糸21a自体が短くなることで、該各ブラシ糸21aが撓む際の抵抗力(各ブラシ糸21aの腰)が強くなるため、床面F上の塵埃に対する掻取り性能を向上させることができる。
【0043】
(7)遮断片32が基材31の一方の挟持片30aに一体形成されているため、ブラシ30を構成する部品点数を低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0044】
この第3実施形態のブラシ40は、図9に示すように、上記第1実施形態のブラシ16において、基材20を省略するとともに、毛羽体21の各保持糸23のうちの内側のもの(各ブラシ糸21aの中央部側に位置する方)の太さを外側のものの太さよりも太くしたものである。そして、ブラシ40を各保持糸23側から凹溝27に挿入すると、各係止片28によって各保持糸23のうちの太くした方の保持糸23が係止されるようになっている。
【0045】
この場合、毛羽体21とフィルム22とは、溶着によって接合してもよいし、接着剤や両面粘着テープを用いて接合してもよい。なお、本実施形態では、各保持糸23のうちの太くした方の保持糸23が、吸い込み具11の凹溝27に取り付け可能な取付部を構成している。
【0046】
以上詳述した第3実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(8)電気掃除機の吸い込み具11の凹溝27にブラシ40を各保持糸23側から挿入するだけで、各保持糸23のうちの太くした方の保持糸23が各係止片28によって係止されるため、吸い込み具11にブラシ40を容易に取り付けることができる。
【0047】
(9)ブラシ40は、上記第1及び第2実施形態で用いた基材20,31が不要であるため、上記第1及び第2実施形態のブラシ16,30に比べて、基材20,31の分だけ軽量化を図ることができる。
【0048】
(変更例)
なお、上記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図10に示すように、第1実施形態のブラシ16において、フィルム22の代わりに帯状の遮断片45を遮断部材として基材20の各挟持片20aのうちの一方に設けるようにしてもよい。この場合、遮断片45は、二色成形によって基材20と一体に形成してもよいし、基材20とは別体として構成して該基材20に接着剤や両面粘着テープなどを用いて接合してもよい。さらにこの場合、遮断片45は、基材20を構成する材料よりも軟らかい材料によって構成してもよい。またさらにこの場合、遮断片45の厚さは、挟持片20aの厚さよりも薄くしてもよいし、挟持片20aの厚さと同じにしてもよい。
【0049】
・図11に示すように、第2実施形態のブラシ30において、遮断片32の代わりに遮断部材としてフィルム22を毛羽体21とともに基材31の各挟持片30aで挟持した状態で溶着するようにしてもよい。
【0050】
・図12に示すように、図11のブラシ30において、2つの毛羽体21間にフィルム22を配置した状態で該各毛羽体21と該フィルム22とをそれぞれ両面粘着テープ50で接合し、これらを基材31の各挟持片30aで挟持した状態で溶着するようにしてもよい。すなわち、この場合、各毛羽体21は、それらの一側面が各挟持片30aとそれぞれ溶着されるとともに、それらの他側面がそれぞれ両面粘着テープ50を介してフィルム22と接合される。さらに、この場合、各毛羽体21とフィルム22とをそれぞれ接着剤で接着するようにしてもよい。
【0051】
・図13に示すように、図11のブラシ30において、フィルム22及び両面粘着テープ50を省略するとともに、各毛羽体21間に帯状の遮断片55を遮断部材として基材31に一体形成するようにしてもよい。
【0052】
・図14に示すように、第3実施形態のブラシ40において、太くした保持糸23を通常の太さに戻すとともに、毛羽体21に対して新たに別の毛羽体21を接合し、この新たに接合した毛羽体21に凹溝27の各係止片28と係止可能な係止凹部60を取付部として形成するようにしてもよい。この場合、係止凹部60は、毛羽体21の一部を熱によって溶かすことで形成される。さらにこの場合、毛羽体21同士は、各毛羽体21の保持糸23に熱溶融糸を合糸して、それぞれ対応する保持糸23同士を溶着することによって接合される。
【0053】
・図15に示すように、第3実施形態のブラシ40において、太くした保持糸23を通常の太さに戻すとともに、該保持糸23に、凹溝27の各係止片28と係止可能な可撓性を有する突起物65を取付部として接合するようにしてもよい。
【0054】
・図16に示すように、第2実施形態のブラシ30において、基部33における凹溝27への挿入方向の先端部(凹溝27内における各係止片28よりも奥に挿入される部分)を、先端に向かうほど徐々に薄くなるように構成してもよい。このようにすれば、基部33を凹溝27内に挿入する際に各係止片28から受ける抵抗を低減することができる。すなわち、凹溝27に対する基部33の挿入性を向上することができる。
【0055】
・図16のブラシ30及び第2実施形態のブラシ30において、基部33の先端部(凹溝27内における各係止片28よりも奥に挿入される部分)を、基材31における基部33の先端部以外の部分よりも硬くなるように構成してもよい。このようにすれば、ブラシ30を凹溝27に取り付けた後に、基部33が変形して各係止片28を乗り越えて凹溝27から脱落することを効果的に抑制することができる。さらにこの場合、基材31における基部33の先端部以外の部分は該基部33よりも軟らかいため、ブラシ30を矩形環状の凹溝27に取り付ける際の凹溝27のコーナ部におけるブラシ30の屈曲性(追従性)を確保することができる。なお、基部33の先端部を基材31における該基部33の先端部以外の部分よりも硬くする方法としては、基部33の先端部を形成する材料を基材31における該基部33の先端部以外の部分を形成する材料よりも硬くした上で、基材31を共押出成形によって形成することが好ましい。
【0056】
・第1及び第2実施形態のブラシ16,30において、基材20,31は必ずしも可撓性材料によって構成する必要はない。
・第2実施形態のブラシ30において、必ずしも各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが基材31の長さの半分以下となるように設定する必要はない。
【0057】
・各実施形態において、毛羽体21の先端は、必ずしも遮断部材(フィルム22または遮断片32)の先端よりも突出している必要はない。
・各実施形態において、遮断部材(フィルム22または遮断片32)は、必ずしも可撓性を有する必要はない。
【0058】
・上記各実施形態及び各変更例において、基材20,31、遮断部材(フィルム22または遮断片32,45,55)、及び各挟持片20a,30aの間でのそれぞれの接合方法は、熱溶着(熱接着性樹脂を用いるものも含む)、超音波溶着、接着剤による接着、両面粘着テープによる貼着、共押出成形によるものなどを状況に応じて適宜選択してもよい。この場合、接合方法に熱溶着及び超音波溶着を選択する場合は、溶着する対象物同士を互いに溶着可能な同系の樹脂材料で構成する必要がある。
【0059】
・上記各実施形態及び各変更例において、毛羽体21のブラシ糸21aは、ポリアミド以外の材料、例えばポリエステルやポリプロピレンによって構成してもよい。
・上記各実施形態及び各変更例において、フィルム22の代わりに不織布を遮断部材として用いてもよい。
【0060】
さらに、上記第3実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)電気掃除機の吸い込み具に対して吸い込み口を囲むように取り付けられるブラシであって、
複数のブラシ糸と、
該各ブラシ糸を互いに並列した状態で保持する保持糸と、
前記各ブラシ糸に沿うように前記保持糸に接合され、空気の流通を遮断可能な遮断部材と、
前記各ブラシ糸の一端側に設けられ、前記吸い込み具に取り付け可能な取付部と
を備えたことを特徴とするブラシ。
【0061】
この構成によれば、取付部により、電気掃除機の吸い込み具に対してブラシを容易に取り付けることができる。
(ロ)前記取付部は、前記各ブラシ糸よりも太くした前記保持糸によって構成されていることを特徴とする上記(イ)に記載のブラシ。
【0062】
この構成によれば、例えば電気掃除機の吸い込み具に取付部を挿入状態で係止可能な凹溝を形成することで、該吸い込み具に対してブラシを容易に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0063】
11…電気掃除機の吸い込み具、12…吸い込み口、16,30,40…ブラシ、20,31…基材、20a,30a…挟持部としての挟持片、21a…ブラシ糸、22…遮断部材としてのフィルム、23…保持糸、32,45,55…遮断部材として遮断片。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気掃除機の吸い込み具に取り付けられるブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気掃除機は本体部と該本体部にホースを介して接続された吸い込み具とを備えている。そして、この吸い込み具を絨毯、フローリング、畳等の床面上を移動させながら該吸い込み具の底面に設けられた吸い込み口からエア(気体)を吸引することにより、本体部内に床面上の塵埃が吸い込まれるように構成されている。そして、近年では、床面上の塵埃を掃き取りながら吸引するべく、吸い込み具の底面にブラシを設けたものが数多く見られるようになってきた(例えば、特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に記載の真空掃除機用吸込具では、吸込具本体の先端部に、吸込口を取り囲むようにゴム製のノズル部材を二重に取り付け、さらにこれらのノズル部材間に毛先が外部に突出するようにブラシを植設している。そして、使用時には、ブラシによって塵埃を掃き取るとともに、各ノズル部材によってブラシの毛束間を空気が漏流することを防止して吸引力の低下を抑制するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−304103号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の真空掃除機用吸込具では、ブラシによって塵埃を掃き取りつつ各ノズル部材によって吸引力の低下を抑制することはできるものの、各ノズル部材及びブラシが互いに別部材として構成されているため、これらの吸込具本体への取り付け作業が困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、電気掃除機の吸い込み具への取り付け作業が容易で、吸引力の低下を抑制することが可能なブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、ブラシに係る請求項1に記載の発明は、電気掃除機の吸い込み具に対して吸い込み口を囲むように取り付けられるブラシであって、複数のブラシ糸と、該各ブラシ糸を互いに並列した状態で保持する保持糸と、前記保持糸を挟持した状態で接合される挟持部を有した基材と、前記各ブラシ糸に沿うように前記保持糸及び前記基材のうち少なくとも一方に接合され、空気の流通を遮断可能な遮断部材とを備えたことを要旨とする。
【0008】
上記構成によれば、保持糸、基材、及び遮断部材が一体に形成されるため、電気掃除機の吸い込み具に対してブラシを容易に取り付けることが可能となる。加えて、電気掃除機の使用時に、ブラシで囲まれた空間への周囲の空気の流入を遮断部材によって遮断することができるので、電気掃除機の吸引力の低下を抑制することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基材は、可撓性材料によって構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、例えば電気掃除機の吸い込み具に基材を挿入状態で係止可能な凹溝を形成することで、該吸い込み具に対してブラシを効率よく容易に取り付けることが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記各ブラシ糸における前記挟持部から突出した部分の長さは、前記基材の長さの半分以下であることを要旨とする。
【0011】
上記構成によれば、ブラシにおける各ブラシ糸の占める割合が抑えられるので、ブラシで囲まれた空間への周囲の空気の流入が低減される。したがって、電気掃除機の吸引力の低下を効果的に抑制することが可能となる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記各ブラシ糸の先端は、前記遮断部材の先端よりも突出していることを要旨とする。
【0013】
上記構成によれば、被清掃面に対して、遮断部材を接触させることなく各ブラシ糸を摺接させることができるので、被清掃面に対するブラシの摺動性を向上することが可能となる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記遮断部材は、可撓性を有し、且つ前記保持糸とともに前記挟持部に挟持された状態で接合されていることを要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、各ブラシ糸に遮断部材を密着させることができるので、遮断部材の各ブラシ糸に対する追従性を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電気掃除機の吸い込み具への取り付け作業が容易で、吸引力の低下を抑制することが可能なブラシを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態における電気掃除機の吸い込み具を示す底面図。
【図2】同吸い込み具の使用状態を示す側面図。
【図3】同吸い込み具に取り付けられるブラシの斜視図。
【図4】同ブラシを構成する毛羽体の製造過程を示す模式図。
【図5】同ブラシにおいて、毛羽体及びフィルムを基材の各挟持片間に挿入するときの状態を示す側面模式図。
【図6】(a)は毛羽体及びフィルムを基材の各挟持片間に挿入したときの状態を示す側面模式図、(b)は毛羽体及びフィルムを基材の各挟持片に溶着したときの状態を示す側面模式図。
【図7】図1の7−7線断面模式図。
【図8】第2実施形態において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図9】第3実施形態において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図10】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図11】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図12】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図13】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図14】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図15】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【図16】変更例において、電気掃除機の吸い込み具にブラシを取り付けたときの状態を示す要部拡大断面模式図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下、本発明のブラシの第1実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、ブラシが取り付けられる電気掃除機の吸い込み具の構成について説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、電気掃除機の吸い込み具11は、底面視略T字状をなしている。吸い込み具11の底面11aにおける前寄りの位置には、左右方向(吸い込み具11の幅方向)に長い矩形状の吸い込み口12が開口している。吸い込み具11の底面11aにおける前端部及び後端部には、左右一対の収容凹部13がそれぞれ形成されている。すなわち、吸い込み具11の底面11aには、前後方向(吸い込み具11の移動方向)において吸い込み口12を挟んだ両側に収容凹部13が2つずつ設けられている。
【0020】
各収容凹部13内には車輪14が左右方向に延びる軸線を中心に回転可能に軸部材15によって支持された状態でそれぞれ収容されるとともに、該各車輪14の一部は各収容凹部13からそれぞれはみ出している。また、吸い込み具11の底面11aには、吸い込み口12を囲むように、ブラシ16が取り付けられている。さらに、吸い込み具11の後端部には接続パイプ17の一端側が該吸い込み具11に対して回動可能に接続される一方、該接続パイプ17の他端側は電気掃除機の本体部(図示略)に接続されている。
【0021】
そして、電気掃除機の使用時には、被清掃面である床面F上におけるブラシ16の内側の塵、埃、毛髪等の塵埃が空気とともに吸い込み口12及び接続パイプ17を介して電気掃除機の本体部(図示略)内へと吸い込まれるようになっている。
【0022】
次に、ブラシ16の構成について詳述する。
図3に示すように、ブラシ16は、長尺状の基材20と、該基材20に接合された帯状の毛羽体21と、該基材20に接合されるとともに空気の流通を遮断可能な遮断部材としての可撓性を有するポリプロピレン製のフィルム22とを備えている。基材20は、オレフィン系(本実施形態では、ポリプロピレン系)の熱可塑性エラストマ(可撓性材料)を押出成型することによって形成されている。基材20は、毛羽体21及びフィルム22を挟持するための挟持部としての一対の帯状をなす挟持片20aと、該各挟持片20aの基端同士を繋ぐ帯状の連結部20bとを備えている。すなわち、基材20は、側面視略U字状をなしている。
【0023】
図4に示すように、毛羽体21は、ポリアミド製のマルチフィラメントで構成された1本のブラシ糸21aを蛇行状に編み、両側の湾曲部分を互いに平行に延びる複数本(本実施形態では2本)のポリプロピレン製の保持糸23によってそれぞれ編んだ後、中央部分を切断する(図4の矢印に沿って切断する)ことによって同時に2つ形成される。すなわち、毛羽体21は、互いに並列に配置した状態の複数のU字状をなすブラシ糸21aの基端部(湾曲部分側)を、該各ブラシ糸21aの並列方向に沿って真っ直ぐ互いに平行に延びる2本の保持糸23によって一体に保持することによって形成されている。
【0024】
そして、毛羽体21及びフィルム22と、基材20とを接合する場合には、図5に示すように、まず、毛羽体21とフィルム22とを重ねた状態で、それらの基端側(一端側)を基材20の各挟持片20a間に挿入する。すると、図6(a)に示すように、毛羽体21の各保持糸23(毛羽体21の基端部分)及びフィルム22の基端側が各挟持片20aによって挟持された状態になる。
【0025】
この状態で、各挟持片20aの外側から該各挟持片20aとともに各保持糸23及びフィルム22の基端側を超音波ホーン25とアンビル26とで挟圧しながら超音波を付与すると、該超音波による振動によって発生する摩擦熱によって、各挟持片20aと各保持糸23とフィルム22とが互いに溶着される。
【0026】
このようにして、各挟持片20aとともに各保持糸23及びフィルム22を超音波ホーン25とアンビル26とで挟圧する位置を基材20の長手方向に沿って少しずつずらしながら連続的または断続的に各挟持片20aと各保持糸23とフィルム22とを互いに繰り返し溶着することで、図6(b)に示すブラシ16が得られる。なお、ブラシ16は、各ブラシ糸21aの先端が、フィルム22の先端よりも若干(例えば、1〜10mm程度)突出している。
【0027】
図1及び図7に示すように、吸い込み具11の底面11aには、ブラシ16を取り付けるための凹溝27が、吸い込み口12を囲むように矩形環状に形成されている。凹溝27における吸い込み口12側の内側面には、ブラシ16の基材20を係止可能な係止片28が複数突設されている。すなわち、本実施形態では、凹溝27の吸い込み口12側の内側面において、矩形状の凹溝27の各長辺に4つの係止片28が等間隔となるようにそれぞれ配置されるとともに、矩形状の凹溝27の各短辺の中央部に1つの係止片28が配置されている。
【0028】
そして、ブラシ16を吸い込み具11の凹溝27に取り付ける場合には、長尺帯状のブラシ16を凹溝27の長さに合わせて切断した後、該ブラシ16を基材20側から凹溝27内に該凹溝27に沿って順次挿入していけばよい。このとき、凹溝27における係止片28が配置された位置では、ブラシ16を基材20側から凹溝27内に押し込むと、基材20が弾性変形しながら係止片28よりも凹溝27の奥側へ移動された後、該基材20が自らの弾性復元力によって弾性変形前の元の形状に戻る。
【0029】
これにより、基材20が各係止片28により凹溝27内において複数箇所(本実施形態では10箇所)で係止される。このように、ブラシ16全体(特に、基材20)が可撓性を有しているため、ブラシ16を基材20側から凹溝27内に該凹溝27に沿って容易に挿入することができる。このため、ブラシ16を吸い込み具11に対して容易に取り付けることができる。なお、ブラシ16が吸い込み具11の凹溝27に取り付けられた状態では、フィルム22が吸い込み口12に対して毛羽体21を挟んだ反対側に位置している。すなわち、フィルム22は、毛羽体21に比べて吸い込み口12からの距離が遠い位置に配置される。
【0030】
次に、ブラシ16の作用について説明する。
さて、電気掃除機を使用するときには、図2に示すように、まず、吸い込み具11を床面F上に載せる。この状態で電気掃除機を稼動させると、ブラシ16の内側の空気が吸い込み口12を通り、接続パイプ17を介して電気掃除機の本体部(図示略)内に吸引されるようになる。そして、吸い込み具11を床面F上に沿って前後方向に往復移動させると、床面F上の塵埃がブラシ16の毛羽体21によって掃き取られて空気とともに電気掃除機の本体部(図示略)内に吸引される。このとき、フィルム22はほとんど床面Fに接触しないため、ブラシ16が床面F上を円滑に摺動する。
【0031】
さらにこのとき、ブラシ16の周囲の空気がブラシ16の内側へ流入しようとするが、該流入しようとする空気は、フィルム22によって遮断される。したがって、ブラシ16の周囲の空気は、フィルム22の先端と床面Fとの間の僅かな隙間からしかブラシ16の内側へ流入しない。このため、ブラシ16の内側の負圧が十分に確保されるため、床面F上の塵埃に作用する電気掃除機の吸引力の低下が抑制される。この結果、電気掃除機により、床面F上が効果的に清掃される。
【0032】
以上詳述した第1実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)ブラシ16は、毛羽体21、基材20、及びフィルム22が一体に溶着された構成であるため、電気掃除機の吸い込み具11の凹溝27に対して容易に取り付けることができる。加えて、電気掃除機の使用時に、ブラシ16で囲まれた空間への周囲の空気の流入をフィルム22によって遮断することができるので、床面F上の塵埃に作用する電気掃除機の吸引力の低下を抑制することができる。
【0033】
(2)ブラシ16の基材20は、熱可塑性エラストマによって構成されている。このため、吸い込み具11の凹溝27に挿入して各係止片28に容易に係止させることができるので、吸い込み具11に対してブラシ16を効率よく容易に取り付けることができる。加えて、吸い込み具11をその底面11a側から見たときの凹溝27の形状が例えば円環状やU字状などに変更された場合でも、基材20(ブラシ16)が可撓性を有しているため、ブラシ16を凹溝27に容易に取り付けることができる。また、基材20が熱可塑性エラストマによって構成されることで、基材20を金属で構成する場合に比べてブラシ16自体の軽量化を図ることができる。さらには、ブラシ16を保管したり運搬したりする場合でも、ブラシ16を適宜変形させることで、保管スペースや運搬時の荷台のスペースを無駄なく効率的に利用することができる。
【0034】
(3)ブラシ16は、各ブラシ糸21a(毛羽体21)の先端が、フィルム22の先端よりも突出している。このため、被清掃面である床面Fに対して、フィルム22をほとんど接触させることなく各ブラシ糸21a(毛羽体21)を摺接させることができるので、床面Fに対するブラシ16の摺動性を向上することができる。
【0035】
(4)フィルム22は、可撓性を有し、且つ各ブラシ糸21aの一部及び保持糸23とともに一対の挟持片20aに挟持された状態で溶着されている。このため、各ブラシ糸21a(毛羽体21)にフィルム22を密着させることができるので、フィルム22の各ブラシ糸21aに対する追従性を高めることができる。
【0036】
(5)毛羽体21を構成する各ブラシ糸21aは、摩擦耐久性及び復元性に優れたポリアミド製のマルチフィラメントで構成されているため、ブラシ16が持つ床面F上の塵埃を掃き取る機能を長期間維持することができる。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
この第2実施形態のブラシ30は、図8に示すように、上記第1実施形態のブラシ16において、基材20の形状を変更して基材31とするとともに、フィルム22の代わりに遮断部材として遮断片32を基材31に設けたものである。
【0038】
図8に示すように、基材31は、毛羽体21を挟持するための挟持部としての一対の帯状をなす挟持片30aと、該各挟持片30aの基端同士を連結するとともに凹溝27に挿入されて各係止片28によって係止される帯状の基部33とを備えている。各挟持片30aと毛羽体21とは、上記第1実施形態と同様に、溶着されている。
【0039】
基部33の両側面には、凹部33aが対をなすようにそれぞれ形成されている。また、各挟持片30aのうち吸い込み口12からの距離が遠い方には、帯状の遮断片32が毛羽体21と対向するように一体に形成されている。遮断片32の厚さは、各挟持片30aの厚さよりも薄くなるように設定されている。
【0040】
この場合、遮断片32は、二色成形によって基材31と一体に形成してもよいし、基材31とは別体として構成して該基材31に接着剤や両面粘着テープなどを用いて接合してもよい。さらにこの場合、遮断片32は、基材31を構成する材料よりも軟らかい材料によって構成してもよい。またさらにこの場合、遮断片32の厚さは、挟持片30aの厚さと同じにしてもよい。
【0041】
各ブラシ糸21a(毛羽体21)の先端は、遮断片32の先端よりも若干(例えば、1〜10mm程度)突出している。そして、ブラシ30は、該ブラシ30で囲まれた空間への周囲の空気の流入を抑えることを考慮すると、各ブラシ糸21aの延びる方向(吸い込み具11の底面11aと直交する方向)において、各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが、基材31の長さの半分以下となるように設定されることが好ましい。本実施形態では、各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが、基材31の長さの約3分の1程度となるように設定されている。
【0042】
以上詳述した第2実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(6)各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが基材31の長さの約3分の1程度(半分以下)となるように設定されているため、ブラシ30における各ブラシ糸21a(毛羽体21)の占める割合を抑えることができる。このため、遮断片32によりブラシ30で囲まれた空間への周囲の空気の流入を効率的に低減することができるので、床面F上の塵埃に作用する電気掃除機の吸引力の低下を効果的に抑制することができる。加えて、各ブラシ糸21a自体が短くなることで、該各ブラシ糸21aが撓む際の抵抗力(各ブラシ糸21aの腰)が強くなるため、床面F上の塵埃に対する掻取り性能を向上させることができる。
【0043】
(7)遮断片32が基材31の一方の挟持片30aに一体形成されているため、ブラシ30を構成する部品点数を低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0044】
この第3実施形態のブラシ40は、図9に示すように、上記第1実施形態のブラシ16において、基材20を省略するとともに、毛羽体21の各保持糸23のうちの内側のもの(各ブラシ糸21aの中央部側に位置する方)の太さを外側のものの太さよりも太くしたものである。そして、ブラシ40を各保持糸23側から凹溝27に挿入すると、各係止片28によって各保持糸23のうちの太くした方の保持糸23が係止されるようになっている。
【0045】
この場合、毛羽体21とフィルム22とは、溶着によって接合してもよいし、接着剤や両面粘着テープを用いて接合してもよい。なお、本実施形態では、各保持糸23のうちの太くした方の保持糸23が、吸い込み具11の凹溝27に取り付け可能な取付部を構成している。
【0046】
以上詳述した第3実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(8)電気掃除機の吸い込み具11の凹溝27にブラシ40を各保持糸23側から挿入するだけで、各保持糸23のうちの太くした方の保持糸23が各係止片28によって係止されるため、吸い込み具11にブラシ40を容易に取り付けることができる。
【0047】
(9)ブラシ40は、上記第1及び第2実施形態で用いた基材20,31が不要であるため、上記第1及び第2実施形態のブラシ16,30に比べて、基材20,31の分だけ軽量化を図ることができる。
【0048】
(変更例)
なお、上記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図10に示すように、第1実施形態のブラシ16において、フィルム22の代わりに帯状の遮断片45を遮断部材として基材20の各挟持片20aのうちの一方に設けるようにしてもよい。この場合、遮断片45は、二色成形によって基材20と一体に形成してもよいし、基材20とは別体として構成して該基材20に接着剤や両面粘着テープなどを用いて接合してもよい。さらにこの場合、遮断片45は、基材20を構成する材料よりも軟らかい材料によって構成してもよい。またさらにこの場合、遮断片45の厚さは、挟持片20aの厚さよりも薄くしてもよいし、挟持片20aの厚さと同じにしてもよい。
【0049】
・図11に示すように、第2実施形態のブラシ30において、遮断片32の代わりに遮断部材としてフィルム22を毛羽体21とともに基材31の各挟持片30aで挟持した状態で溶着するようにしてもよい。
【0050】
・図12に示すように、図11のブラシ30において、2つの毛羽体21間にフィルム22を配置した状態で該各毛羽体21と該フィルム22とをそれぞれ両面粘着テープ50で接合し、これらを基材31の各挟持片30aで挟持した状態で溶着するようにしてもよい。すなわち、この場合、各毛羽体21は、それらの一側面が各挟持片30aとそれぞれ溶着されるとともに、それらの他側面がそれぞれ両面粘着テープ50を介してフィルム22と接合される。さらに、この場合、各毛羽体21とフィルム22とをそれぞれ接着剤で接着するようにしてもよい。
【0051】
・図13に示すように、図11のブラシ30において、フィルム22及び両面粘着テープ50を省略するとともに、各毛羽体21間に帯状の遮断片55を遮断部材として基材31に一体形成するようにしてもよい。
【0052】
・図14に示すように、第3実施形態のブラシ40において、太くした保持糸23を通常の太さに戻すとともに、毛羽体21に対して新たに別の毛羽体21を接合し、この新たに接合した毛羽体21に凹溝27の各係止片28と係止可能な係止凹部60を取付部として形成するようにしてもよい。この場合、係止凹部60は、毛羽体21の一部を熱によって溶かすことで形成される。さらにこの場合、毛羽体21同士は、各毛羽体21の保持糸23に熱溶融糸を合糸して、それぞれ対応する保持糸23同士を溶着することによって接合される。
【0053】
・図15に示すように、第3実施形態のブラシ40において、太くした保持糸23を通常の太さに戻すとともに、該保持糸23に、凹溝27の各係止片28と係止可能な可撓性を有する突起物65を取付部として接合するようにしてもよい。
【0054】
・図16に示すように、第2実施形態のブラシ30において、基部33における凹溝27への挿入方向の先端部(凹溝27内における各係止片28よりも奥に挿入される部分)を、先端に向かうほど徐々に薄くなるように構成してもよい。このようにすれば、基部33を凹溝27内に挿入する際に各係止片28から受ける抵抗を低減することができる。すなわち、凹溝27に対する基部33の挿入性を向上することができる。
【0055】
・図16のブラシ30及び第2実施形態のブラシ30において、基部33の先端部(凹溝27内における各係止片28よりも奥に挿入される部分)を、基材31における基部33の先端部以外の部分よりも硬くなるように構成してもよい。このようにすれば、ブラシ30を凹溝27に取り付けた後に、基部33が変形して各係止片28を乗り越えて凹溝27から脱落することを効果的に抑制することができる。さらにこの場合、基材31における基部33の先端部以外の部分は該基部33よりも軟らかいため、ブラシ30を矩形環状の凹溝27に取り付ける際の凹溝27のコーナ部におけるブラシ30の屈曲性(追従性)を確保することができる。なお、基部33の先端部を基材31における該基部33の先端部以外の部分よりも硬くする方法としては、基部33の先端部を形成する材料を基材31における該基部33の先端部以外の部分を形成する材料よりも硬くした上で、基材31を共押出成形によって形成することが好ましい。
【0056】
・第1及び第2実施形態のブラシ16,30において、基材20,31は必ずしも可撓性材料によって構成する必要はない。
・第2実施形態のブラシ30において、必ずしも各ブラシ糸21a(毛羽体21)における各挟持片30aから突出した部分の長さが基材31の長さの半分以下となるように設定する必要はない。
【0057】
・各実施形態において、毛羽体21の先端は、必ずしも遮断部材(フィルム22または遮断片32)の先端よりも突出している必要はない。
・各実施形態において、遮断部材(フィルム22または遮断片32)は、必ずしも可撓性を有する必要はない。
【0058】
・上記各実施形態及び各変更例において、基材20,31、遮断部材(フィルム22または遮断片32,45,55)、及び各挟持片20a,30aの間でのそれぞれの接合方法は、熱溶着(熱接着性樹脂を用いるものも含む)、超音波溶着、接着剤による接着、両面粘着テープによる貼着、共押出成形によるものなどを状況に応じて適宜選択してもよい。この場合、接合方法に熱溶着及び超音波溶着を選択する場合は、溶着する対象物同士を互いに溶着可能な同系の樹脂材料で構成する必要がある。
【0059】
・上記各実施形態及び各変更例において、毛羽体21のブラシ糸21aは、ポリアミド以外の材料、例えばポリエステルやポリプロピレンによって構成してもよい。
・上記各実施形態及び各変更例において、フィルム22の代わりに不織布を遮断部材として用いてもよい。
【0060】
さらに、上記第3実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(イ)電気掃除機の吸い込み具に対して吸い込み口を囲むように取り付けられるブラシであって、
複数のブラシ糸と、
該各ブラシ糸を互いに並列した状態で保持する保持糸と、
前記各ブラシ糸に沿うように前記保持糸に接合され、空気の流通を遮断可能な遮断部材と、
前記各ブラシ糸の一端側に設けられ、前記吸い込み具に取り付け可能な取付部と
を備えたことを特徴とするブラシ。
【0061】
この構成によれば、取付部により、電気掃除機の吸い込み具に対してブラシを容易に取り付けることができる。
(ロ)前記取付部は、前記各ブラシ糸よりも太くした前記保持糸によって構成されていることを特徴とする上記(イ)に記載のブラシ。
【0062】
この構成によれば、例えば電気掃除機の吸い込み具に取付部を挿入状態で係止可能な凹溝を形成することで、該吸い込み具に対してブラシを容易に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0063】
11…電気掃除機の吸い込み具、12…吸い込み口、16,30,40…ブラシ、20,31…基材、20a,30a…挟持部としての挟持片、21a…ブラシ糸、22…遮断部材としてのフィルム、23…保持糸、32,45,55…遮断部材として遮断片。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気掃除機の吸い込み具に対して吸い込み口を囲むように取り付けられるブラシであって、
複数のブラシ糸と、
該各ブラシ糸を互いに並列した状態で保持する保持糸と、
前記保持糸を挟持した状態で接合される挟持部を有した基材と、
前記各ブラシ糸に沿うように前記保持糸及び前記基材のうち少なくとも一方に接合され、空気の流通を遮断可能な遮断部材と
を備えたことを特徴とするブラシ。
【請求項2】
前記基材は、可撓性材料によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ。
【請求項3】
前記各ブラシ糸における前記挟持部から突出した部分の長さは、前記基材の長さの半分以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラシ。
【請求項4】
前記各ブラシ糸の先端は、前記遮断部材の先端よりも突出していることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項5】
前記遮断部材は、可撓性を有するとともに、前記保持糸とともに前記挟持部に挟持された状態で接合されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項1】
電気掃除機の吸い込み具に対して吸い込み口を囲むように取り付けられるブラシであって、
複数のブラシ糸と、
該各ブラシ糸を互いに並列した状態で保持する保持糸と、
前記保持糸を挟持した状態で接合される挟持部を有した基材と、
前記各ブラシ糸に沿うように前記保持糸及び前記基材のうち少なくとも一方に接合され、空気の流通を遮断可能な遮断部材と
を備えたことを特徴とするブラシ。
【請求項2】
前記基材は、可撓性材料によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシ。
【請求項3】
前記各ブラシ糸における前記挟持部から突出した部分の長さは、前記基材の長さの半分以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブラシ。
【請求項4】
前記各ブラシ糸の先端は、前記遮断部材の先端よりも突出していることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のブラシ。
【請求項5】
前記遮断部材は、可撓性を有するとともに、前記保持糸とともに前記挟持部に挟持された状態で接合されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のブラシ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−249858(P2012−249858A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125456(P2011−125456)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(596024426)槌屋ティスコ株式会社 (47)
【Fターム(参考)】
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