説明

ブラジャーの背面側留め具

ブラジャーの背面留め具が、非伸縮性の織物片を備えて成り、該織物片が一方のウィング部端部に固定され、ブラジャーの着用者に対向しない背面側と、その反対側に位置する正面側とを有し、背面側に複数の列が設けられ、該列が横に延在し、縦に互いに間隔を置いて配され、各列が少なくとも2つの、横方向に互いに離間て配置されたアイレットを有する。平らな基体部が別のウィング部端部に固定された内側端部と、逆側の外側端部と、外側端部で少なくとも部分的に織物片の背面側と重なり合う正面側と、基体部の正面側の逆側の背面側とを有する。普通はアイレットを補完する形状の、これと係合可能なプラスチック製のフックが、アイレットに位置合わせされ、これと嵌合するように基体部正面側の外側端部に固定されている。横方向に延在する硬いバーが基体部に配設されるか、または基体部の一部として成形されていて、ホックの横方向への相対運動を防止し、ホック近傍で基体部がたわむのを防ぐ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラジャーに関する。とりわけ本発明はブラジャーの背面側留め具または固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
標準的なブラジャーは着用者のバストを覆うのに適した、後ろ側が開口した1組のカップを有して成る。該カップは互いにつなぎ合わされた内縁部と、そこからウィング部(左右に延在するベルト部)が延びる外縁部を有し、該ウィング部は着用者の腕の下を通って着用者の背中を包み込み、留め具を用いて背面で互いに解除可能に結合される。保持部は、普通、各カップの先端から出て、着用者の肩を超え、着用者の背中側で夫々、ウィング部の上縁と結合されている。
【0003】
標準的な留め具は、一方のウィング部の外側または裏側の端部に設けられた、水平方向に互いに間隔を置いて配設されたアイレットの縦の列と、他方のウィング部の表側または内側の端部に配設された、これを補完する形状のホックの縦の列とから成る。2つのウィング部を互いに固定するために、ホックは1つの列のアイレットと係合される。快適さのため、ウィング部は伸縮性のある織物素材から製造されるのが定石であるが、ホックとアイレットを担持する端部はこれより幾分剛性がある。
【0004】
ホック・アンド・アイレット式の標準的な留め具が有効であるとしても、この留め具は様々な問題を抱えている。金属製のホックは硬く、着用者の背中に食い込みかねないし、ブラジャーの洗濯の際にも他の洗濯物を引っ掛けてしまうかもしれない。また留め具は嵩張るので、ぴったりとした衣服の下で見えてしまい、着用者の背中の中央に不恰好な隆起が現われる。
【0005】
2つのウィング部端部を反対方向へと引っ張る、長手方向に働く力が生じた場合、上下の縁部、また裏面の外縁部も外へ突き出し、ついには留め具全体が湾曲しかねない。そのようなたわんだ変形は張力と共に増加し、着用者の背面部の中央に既に存在する不恰好な隆起をより大きくする。
【0006】
様々な要素から成る留め具の製造は、位置決め・組み立てと固定の多数のステップを含んでいて、周知の留め具のコストを増大させる。通常、固着は縫合により行われるが、留め具の織物要素を互いにぴったり合うように縫製することは非常に困難であり、下着がまだ新しい場合でも既にいくらかずれているのが普通であり、いずれにしても使用して少し時間がたつとずれてしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の根底をなす課題は改良されたブラジャーの留め具を創出することにある。
【0008】
更に、上述した欠点を予防したブラジャーの背面側留め具を製造すること、とりわけ非常に平らなので、ぴったりと密着した洋服の下に目立たずに着用することができる。また、ウィング部が引っ張られても反り返らない、ブラジャーの背面側留め具を製造することを目的とする。
【0009】
更に、その種の留め具の製造のために改善され且つ単純化された方法、とりわけ不恰好な縫い目が必要でない方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
ブラジャーの2つのバックウィング部端部を連結するための留め具は、本発明に従い、ブラジャーの着用者に対向しない背面側と、その反対側に位置する正面側とを有する、非伸縮性の織物片を備えて成る。該織物片は片方のウィング部端部に固定され、背面側に横(長手方向に対して垂直な方向)に延在し、且つ縦(長手方向)に互いに間隔を置いて配設された、プラスチック製の第1留め具要素の複数の列を担持し、各列は少なくとも2つの、横に互いに離間した留め具要素を有している。平らな基体部は他方のウィング部端部に固定された内側端部と、反対側に位置する外側端部と、外側端部で少なくとも部分的に織物片の背面側と重なり合う正面側と、基体部正面側とは逆側の背面側とを有する。一般的には第1留め具要素を補完する形状で、且つこれに係合可能な、プラスチック製の第2留め具要素が、第1留め具要素に位置合わせされ、これと嵌合するように基体部正面側の外側端部に固定されている。横方向に延在する硬いバーが、基体部に配設されるか、または基体部の一部として成形されていて、第2留め具要素の横方向への相対運動を防止し、第2留め具要素の領域で基体部がたわむのを防ぐ。
【発明の効果】
【0011】
その種の留め具は正面側と背面側の間のサイズを極めて薄く、実際にはわずか4mmの厚さに製造可能である。これは従来の留め具の一般的な厚さ6mmに比べて明らかに少ない。その上更に、本構成はウィング部を介して及ぼされた引っ張り応力が留め具の湾曲や捩じれを引き起こさず、むしろ留め具をより平にさせるので、例えばぴったりとしたTシャツの下にブラジャーを着用した場合でも、決して不恰好な隆起が現われることがない。この留め具は全く縫製なしに、つまり溶接により、ふつう超音波溶接により、実現可能であるので、不恰好に目立つ縫い目の問題を全く生じない。
【0012】
第1留め具要素は雌型でU字型であり、第2留め具要素は雄型である。両者共、全体がプラスチックで形成されるので、例えば洗濯時に引っ掛かることがない。その上更に、この種の完全に非金属製の構成は単純且つ安価であり、また金属製部材によるある種の敏感肌やアレルギーの問題が避けられる。
【0013】
織物片は、本発明に従い、数学的に合同なフロント織物レイヤー(テックス層)とバック織物レイヤーから成り、第1留め具要素は夫々この2つの織物レイヤーの間にサンドイッチ状に埋設された表側部材と、第2留め具要素と夫々一対となる裏側部材と、各表側部材と裏側部材の間のバック織物レイヤーを貫通するピン(釘)またはウェブ(連結要素)とを備えて成る。ピンまたはウェブは夫々、表側および裏側部材と一体的に成形されていても良いし、あるいは表側部材か裏側部材の1つと一体的に成形され、超音波溶接により夫々他方の表側または裏側部分と結合されても良い。
【0014】
各織物レイヤーは基本的に長方形であり、留め具は更に織物レイヤーの少なくとも3つの側辺(側面)の周りに延びる超音波溶接部を有し、溶接部は織物レイヤーの外側縁部のすぐ内側でこれを綴じ合わせる。該溶接部は、本発明の特に有利な実施例に従い、織物レイヤーの3方の周りだけに延在し、第4の側辺では中断されている。各ウィング部端部は第4の側辺で2つの織物レイヤーの間に受容され、そこに固定されている。勿論、留め具がブラジャーと一緒に製造される場合は、片方または両方の織物レイヤーをブラジャーのウィング部の一体不可分な部材として形成しても良い。
【0015】
本発明に従い、第1留め具要素の列の間に、横方向に延在する棒形の溶接部が形成される。該溶接部は留め具の湾曲を予防し、第1留め具要素の間の正確なスペースを維持する。
【0016】
本発明に従う平らな基体部もまた、第2留め具要素および硬いバー(棒状体)と一緒に、単一のプラスチック製部材として成形可能である。この場合、少なくとも1つの可撓性の織物フラップが硬いバーに固定され、各ウィング部端部に接合されるか、あるいは特には、2枚のその種の織物フラップがバーを挟み込み、これと一緒に溶着され、更に対応するウィング部端部に挟み込まれ、これと結合される。
【0017】
本発明に従う方法は、プラスチック製の複数の第1留め具要素を非伸縮性の織物片の背面側に固定するステップを有する。該織物片はブラジャーの着用者に対向しない背面側とその反対側にあたる正面側を備え、第1留め具要素は長手方向に互いに間隔をあけ、横に延在する複数の列として背面側に配設される。他方のウィング部端部に固定された内側端部と、反対側に位置する外側端部と、外側端部で少なくとも部分的に織物片の背面側と重なり合う正面側と、正面側の逆面の背面側とを有する平らな基体部も提供される。一般的には第1留め具要素を補完する形状で、且つこれに係合可能な、プラスチック製の第2留め具要素が、第1留め具要素に位置合わせされ、これと嵌合するように基体部正面側の外側端部に固定される。横方向に延在する硬いバーが、第2留め具要素の横方向への相対運動を防止し、第2留め具要素の領域で基体部がたわむのを防ぐように、基体部に配設されるか、または基体部の一部として成形される。
【0018】
上述したように、織物片は合同なフロント織物レイヤー(織物層)とバック織物レイヤーから成り、第1留め具要素は夫々織物レイヤーの間にサンドイッチ状に埋設された表側部材と、第2留め具要素の1つと夫々一対となる裏側部材と、各表側部材と裏側部材の間のバック織物レイヤーを貫通するピン(釘)またはウェブ(連結要素)とを備えて成る。表側および裏側部材が互いに、ピンまたはウェブと、およびバーと射出成形工程の1度の射出によりに一体的に形成されていても良いし、あるいは表側部材か裏側部材の1つと一体的に成形され、超音波溶接により夫々他方の表側または裏側部分と結合されても良い。
【0019】
上記の目的、構成要素および利点は添付の図面を用いた以下の既述から詳細に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明に従う留め具の平面図である。
【図1B】図1Aの線IB−IBに沿った断面図である。
【図1C】留め具の雌側部材の平面図である。
【図1D】留め具の雄側部材の平面図である。
【図1E】背中側から見た、留め具の雌側部材の図である。
【図1F】背中側から見た、留め具の雄側部材の図である。
【図2A】外側の雌側要素の正面図である。
【図2B】外側の雌側要素の背面図である。
【図2C】外側の雌側要素の断面図である。
【図2D】内側の雌側要素の平面図である。
【図2E】内側の雌側要素の背面図である。
【図2F】内側の雌側要素の断面図である。
【図2G】雄側留め具要素のプラスチック部分の正面図である。
【図2H】雄側留め具要素のプラスチック部分の背面図である。
【図2I】図2Gの線2I−2Iに沿った断面図である。
【図2J】留め具の雄側部材のための織物部材の正面図である。
【図3A】雌側部材の織物レイヤーのための基部である未加工の織物片(ベースブランク)の図である。
【図3B】雌側部材の織物レイヤーのための基部である未加工の織物片(ベースブランク)の図である。
【図3C】外側の雌側要素をベースブランク上に据え付けた後の正面図である。
【図3D】内側の雌側要素をベースブランク上に据え付けた後の背面図である。
【図3E】ヒートシーリングにより綴じ合わせた後のブランクの図である。
【図3F】綴じ合わされたブランクの切り落としを示す図である。
【図4A】留め具の第2実施例の平面図である。
【図4B】図4Aの線IVB−IVBに沿った断面図である。
【図4C】第2留め具の雌側部材の正面図である。
【図4D】第2留め具の雄側部材の正面図である。
【図4E】第2留め具の雌側部材の背面図である。
【図4F】第2留め具の雄側部材の背面図である。
【図5A】第2留め具の雌側部材の織物レイヤーのための基部である織物片(ブランク)の図である。
【図5B】第2留め具の雌側部材の織物レイヤーのための基部である織物片(ブランク)の図である。
【図5C】プラスチック部材をベースブランク上に据え付けた後の正面図である。
【図5D】プラスチック部材をベースブランク上に据え付けた後の背面図である。
【図5E】ヒートシーリングにより綴じ合わせた後のブランクの図である。
【図5F】綴じ合わされたブランクの切り落としを示す図である。
【図6A】第2留め具の雄側部材の織物レイヤーのための基部である織物片(ブランク)の図である。
【図6B】第2留め具の雄側部材の織物レイヤーのための基部である織物片(ブランク)の図である。
【図6C】プラスチック部材をベースブランク上に据え付けた後の正面図である。
【図6D】プラスチック部材をベースブランク上に据え付けた後の背面図である。
【図6E】ヒートシーリングにより綴じ合わせた後のブランクの図である。
【図6F】綴じ合わされたブランクの切り落としを示す図である。
【図7A】図7Dの線A−Aに沿った断面図である。
【図7B】図7Aの線B−Bに沿った断面図である。
【図7C】図7Dの線C−Cに沿った断面図である。
【図7D】本発明に従うブラジャーの留め具の閉鎖(留め金を掛けた)状態における図4Aに対応する概略図である。
【図7E】図7Dの線E−Eに沿った断面図である。
【図8A】本発明に従うブラジャーの留め具の別の実施例の図1Aに対応する、縮尺2:1の図である。
【図8B】図8Aに従うブラジャーの留め具の閉鎖(留め金を掛けた)した形態を示す、図8Aの線B−Bに沿った、縮尺4:1の図である。
【図8C】図8Aに従うブラジャーの磁石式留め具の暫定的な固定位置を示す、同様に図8Aの線B−Bに沿った、縮尺4:1の図である。
【図8D】図8Aに従うブラジャーの留め具の閉鎖(留め金を掛けた)した形態を示す、図8Aの線D−Dに沿った、縮尺4:1の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1A〜1Fからわかるように、本発明に従う留め具は基本的に、普通は破線で表示されたバックウイング部Wの一方に固定された雌側部材10と、他方のバックウィング部に固定された雄側部材20とを備えて成る。図1Aは後ろ側から、つまり着用者の背後の位置から見た留め具を示し、最長の位置で留め具が掛けられている。
【0022】
雌側部材10はフロント織物レイヤー(織物層)11aとバック織物レイヤー11bから成り、その内の少なくとも1つは、図示された実施例では両方共、非伸縮性の繊維織物、典型的にはトリコット・ニット・マイクロファイバーで出来ている。織物レイヤー11a,11bはその長辺方向の縁と外側の縁に沿って、U字型の溶接部11cにより、互いに接合されている。これに加えて、横方向に延在する溶接部11dが、引っ張られるのを防いで構成を更に安定化させるために、長手方向に互いに間隔を置いて、超音波溶接により綴じ合わされた織物レイヤー11a,11bの上の溶接部11cで画定された面の内側に配設される。U字型の縁部の溶接部11cは織物レイヤー11a,11bの内側端部のすぐ手前で終端し、最も内側の横方向の溶接部11dもまた該内側端部から外側へ間隔を置いて付設されているので、2つの織物レイヤー11aおよび11bは雌側部材10の内側端部で互いに分離していて、固定のための口を形成している。これにより2つの織物レイヤー11aおよび11bを、ウィング部Wの互いに向かい合う内側面と外側面でサンドゥイッチ状に配置され、安定した係留とスムースな結合が達成されるように、溶接または縫合によりこれと固定することが出来る。
【0023】
バック織物レイヤー11bの背面側(図1B中、11bの上側)に蝶型の雌側の留め具要素12を2つずつ備えた3つの列が、横に延在し、縦に互いに離間して固定されている。カップが大きめのブラジャーの場合、原則として各列はその種の要素12を2つ以上有しても良いが、実際には大抵の場合、下記に説明するように、留め具の横方向への拡大により幅が広めのウィング部Wに適合させるためには、数ではなく、2つの要素12の横の間隔を広げるだけで事足りる。
【0024】
各雌側要素12は、図2A〜2Cにおいて更に良くわかるように、バック織物レイヤー11bの背面側に据え付けられる蝶型の裏側部材12aと、環状の角形内側部材12b(図2D〜2F参照)とを有し、該内側部材はバック織物レイヤー11bの正面側とフロント織物レイヤー11aの背面側の間に挟み込まれている。表側部材12aは一対の羽を持つ蝶の形で、羽部分は分岐した外側部分12c、張り出し部12eを備える平行な内側部12d、2つの内側部12dの底面端部を連結する湾曲部12fを有する。雌側要素12の正面側から延びる突起部12gはバック織物レイヤー11bを貫通し、表側部材12bの孔12hに着座する。反対側では突起部12iが同じ様に機能する。
【0025】
雄側部材20は、図2G〜2Jにおいて更に良くわかるように、フロント織物レイヤー20aとバック織物レイヤー20bから成る、可撓性ではあるが、普通は非伸張性の織物部分とプラスチック製部材20cとを備えて成る。2つの織物レイヤーは共通の、真ん中に切れ目(スロット)20cを有する四角形の織物片(図2J参照)の半分で出来ている。プラスチック製部材20cは外側部分20dと内側の棒状体20eを備え、両者は、以下に説明するように、切れ目20cにぴったりと合う、若干幅の狭いウェブ(織物)20fを介して互いに連結されている。外側部分20dの背面側には装飾が施され、また留め具を解放するために部材20をどの方向へ動かすべきかを着用者に示すために、"SHIFT"の文字と外側を示す矢印を含む表示20gを有する。
【0026】
2つのフラップ20a、20bが1枚ずつの織物片であり、背面側からは織物素材だけしか見えないように、片方の織物片がプラスチック製部材20dの背面側または外側全体を覆う大きさであるシステムを創り出すことも可能かもしれない。
【0027】
外側部分20cの正面側に1組のホック要素20hが付設され、各ホック要素は拡大されたヘッド20iと内側へ延びるリブ(畝)20jを有する。ヘッド20iは張り出し部12eに下側から係合可能で、互いに近づける方向、つまり表示20gの”SHIFT”の矢印の方向への部材20の動き、を除いた任意の方向への分離に逆らい、部材10と20を固定する。ヘッド20iの内側のリブ20jは、ヘッド20iを部材12aのアーム12cの間の係合位置へのスライドによりガイドする。
【0028】
留め具の雌側部材10は、図3A〜3Fに示すように、まず2つのブランク(未加工の帯)11a’および11b’(図3Aおよび3B参照)を重ね合わせて創り出される。ブランク11a’,11b’は織物レイヤー11a,11bと同じ形状ではあるが、周回が寸法Dだけ、ここでは約0.125インチ分、大きい。
【0029】
最初のステップにおいて、図3Cおよび3Dに示すように、部材12aと12bは2つずつ3列に(本発明はこの個数に限定されるものでは決してない)互いにしっかりと固定され、突起部12g,12iがブランク11b’を貫通し、12aと12bの夫々の正確な位置を確保する。このように互いに固定し合う12aと12bはこの位置で、超音波により突起部の外側端部で互いに溶着されるので、キノコのように重なり合い、部材12aと12bはその間に挟み込まれたブランク11b’と一緒に互いにしっかりと固定される。
【0030】
次に、図3Eに示すように、2つのブランク11a’と11b’はぴったりと合わされ溶接部12c,12dが形成される。溶接部は超音波により実施可能である。これにより全体構成が幾分堅牢となり、部材12bが完全に封入される。
【0031】
最後のステップにおいて、ブランク11a’,11b’から縁部11eが切り落とされ、11a’,11b’は織物レイヤー11a,11bへと変わる。このトリミングは超音波溶接部12cのすぐ際か、あるいはわずかにその外側で冷間切断により実施されるので、織物レイヤー11a,11bの織布が使用や洗濯により擦り切れても、縁は滑らかなままである。
【0032】
図4A〜6Fに従う実施例は機能的には上述した第1実施例と同様であり、第1実施例の持つ全ての長所を備えるが、雄側部材30の組み立て方法と構成において相違している。
【0033】
とりわけ、この実施例では雄側部材30は2つの部材、つまり図2Jに示した織物要素と図2Gおよび2Hに示したプラスチック製部材から構成されてはいない。これに代えて、図5Aおよび5Bに示すように、2つのブランク30a’と30b’から形成され、第1の部材は簡素な未加工の素材片であり、第2の部材にはいくつかの穿孔30cが設けられており、2つのブランク共寸法Dだけ大きい。
【0034】
ブランク30b’は更に、図5Cおよび5Dに示すように、2つの射出成形型または吹き型ハーフの間に固定され、これに合成樹脂が射出されて、ブランク30b’の正面側には2つの小さな丸い押しボタン基部30dと横方向に延在するバー30eが、背面側には2つの平らな押しボタン30fが形成される。押しボタン30fからは、ヘッド20iに相当するヘッド30gと、リブ20jに相当するリブ30gが突き出ている。同時に、ボタン30dと30fの間のブランク30b’を貫通する平らなウェブ(連結部材)30iが一体的に成形される。ボタン30dと30fはまた、両者の間の孔30cを貫通して延在する一体成形されたスタッド(棒状部材)により互いに結合されている。
【0035】
要するに、全てのプラスチック製部材は1度の射出により成形され、且つワンピースに(1部材として)一体成形されている。
【0036】
更に、図5Eに示すように、2つのブランク30a’,30b’は完全に一致して重なり合い、その結果、フロントブランク30a’はボタン30dおよび強化バー30eを被覆する。そして2つのブランク30a’,30b’は超音波溶接により、ボタン30dと30fの周回に延在するU字型溶接部30jによって互いに接合され、且つバー30e近傍の真っ直ぐな超音波溶接部30kに沿って、2枚のブランクとプラスチック部材30d,30f,30iが相互にしっかりと連結される。
【0037】
最後に、溶接部30jの周回のトリミングが溶接部のわずかに外側で冷間切断により実施され、滑らかな縁部を有するフロント織物レイヤー30aとバック織物レイヤー30bを形成するために、縁部30mが切り落とされる。形成された対の唇の間に各ウィング部Wを係留することができる。
【0038】
第2実施例の雌側部材もまた、図6A〜6Fにおいて明らかなように、射出成形により製造されるワンピースのプラスチック部材で出来ている。
【0039】
特には、図6Aおよび6Bに示すように、2つのブランク40a’および40b’の製造を起点としても良い。ブランク40a’はブランク11a’と同一であり、ブランク40b’は貫通孔の6つのU字型の配列を備えることだけがブランク11b’とは相違している。
【0040】
ブランク40b’は続いて、ブランク30b’と同様に、2つの型ハーフの間に固定され、型の中に部材50aと50bの成形のためにプラスチックが射出される。部材50aと50bは普通、互いに一体に成形され、孔40cを貫通する細いピン(釘)を介して繋がっていることを除けば、部材12aと12bと同一である。これは図6Cおよび6Dに図示されている。
【0041】
図6Eおよび6Fに示すステップは、図3Eおよび3Fに示したステップに相当し、溶接部12cと12dが形成されている。次に、該溶接部は縁部40cで切り落とされ、滑らかな縁部を有するフロント織物レイヤー40aとバック織物レイヤー40bが創出される。2枚の唇(フラップ)を一方のウィング部端部と連結することが出来る。
【0042】
本発明に従うブラジャーの留め具を更に詳細に説明するため、以下、図7A〜7Eを参照されたい。これは既に図2A〜2J、および図4Aと4Bにおいて話題にした、本発明に従うブラジャーの留め具の雌側部材10と雄側部材20の拡大された細部の図であり、図2A〜2J、および図4Aと4Bに関連して既に説明したものと類似する。従って、図7Aは図4Bの要素の部分の拡大図である。従って、図4Bの該当する明細書およびそこに図示された実施例を参照されたい。
【0043】
図7A〜7Eに記された符号が以下の明細書の関連する部材で言及されていない場合は、示された符号が挿入されている上述の明細書の該当箇所を参照されたい。
【0044】
本発明に従うブラジャーの非常に重要な特徴は、ブラジャーの背面部分の連結のためには最小限の力が加えられるべきである、つまり一定の抵抗が克服されるべきであるということだ。しかしながら、一旦この抵抗閾値に打ち勝てば、連結は極めて引っ張りに強い。つまり、ブラジャーの背面部分の動きにおいて互いを引き離すように働く張力が強くなればなる程、ブラジャーの留め具の保持力が増し、ブラジャーの背面部分のロック(固定)は互いにより強固になる。また他方で、ブラジャーの着用者はとりたてて云う程の力を使わずとも、留め具を解除することが出来る。
【0045】
この目的のために、一般的に云うと、留め具の雌側部材10と雄側部材20は、一般的に云うと、ブラジャーの留め具を掛ける(閉じる)ことが、個々の留め具の構成(形状)の強化にもつながるような方法で形成される。換言すると、留め具領域に生じた、ブラジャーの着用者の体の面に対して平行に指向する引っ張り応力が、互いに結合されたブジラジャーの側面または背面部分の圧を着用者の側面または背面部で支え、それにより背面部分の結合が強化される。
【0046】
可能な範囲でこの要求に応じるために、本発明に従うブラジャーの留め具では以下により詳細に説明される特徴的構成要素が実現される。
【0047】
本発明に従うブラジャーの蝶型−雌側−留め具要素12は、特に図7Bおよび7Cの詳細図から直接明らかなように、縦中心面51wに対し左右対称に形成され、該縦中心面の進路は、図面の平面において、雌側留め具要素12の向かい合う細く平らなガイド端面51f(図7C参照)に対し平行に延在している。
【0048】
雄側留め具要素20もまた中心面51mに対して左右対称であり、要素10と12を閉じた状態において、各雌側留め具要素12の中心面51wと一致する。
【0049】
「外側」の羽部分12cの真線的に延びる縁部52gと、蝶型要素の平行な内側部分12dのガイド面51fは、互いに約145°の角度をなし、夫々1つのラッチ突起部12r(図7B参照)を介して互いに繋ぎ合わされている。ラッチ突起部の最小間隔Dminは、雌側留め具要素の内側部分12cの残りの部分で、平行な内側部分12dの横の間隔Ddよりやや小さい。
【0050】
雄側留め具要素にもラッチ突起部53mが備えられ、雌側留め具要素12の係留突起部52rの機能を担っている。該突起部は各雄側留め具要素20のガイドリブ54(20j)の向かい合う側に配設されている。
【0051】
ガイドリブ54の片側端部に係留ヘッド20iが設けられ、雄側留め具部材20のリブと共に、雌側留め具要素12と一緒に係合をもたらし得る係留ホック20hを形成する。図7Cに図示された、留め具の特別な実施例では、夫々2組のその種の留め具要素12,20がワンピースのプラスチック部材54(図7C参照)に統合されている。その幾何学的形状は図7Cおよび2Hの拡大図を示すまでもなく、認識可能である(単純化のため、図7Cでは1つの雌側留め具要素だけが図示されている)。
【0052】
係留ヘッド20hは、雌側留め具要素12の対称面51m、あるいは対称面51wに対して直角に計測して、直径Dmを有する。これは雌側留め具要素10の平行な部分12dのガイド端面51fの間隔よりも明らかに大きい。
【0053】
雌側留め具要素10の平行な部分12dの、中心面51mに対して平行なガイド面51fは、同一平面状にある平らな段差面(図7C参照)により、中心面51wに対してほぼ平行に延在する別のガイド面54rに対し一段低くなっている。ガイド面54r同士の間隔は、雌側留め具要素に対する雄側留め具要素の円滑な移動を保障するため、少なくとも係留ヘッドの直径Dmと一致するか、好ましくは僅かにこれより大きい。雌側留め具要素のこの形状により、平行な留め具要素部分12dと分岐した留め具要素部分12cの接続部領域近傍に雌側留め具要素10のガイド要素12eの張り出し部が出現する。
【0054】
本発明に従うブラジャーの留め具装置は、雄側留め具部材20が図7Bの矢印56方向に、雌側留め具部材12の中へ押し込まれることにより閉鎖(ロック)される。雄側留め具部材はリブ20j(図7E参照)を用いて平行なガイド端面51f(図7C参照)の間を、係留ヘッド20hが張り出し部12eの内側で支えられるまでガイドされる。その際、雄側と雌側の留め具部材は互いに引き合うか、あるいは押し付け合う。雄側留め具要素20のラッチ突起部53mが雌側留め具要素のラッチ突起部52r近傍にさしかかるとすぐに、圧力ばめと形状拘束(force-fitting and form-fitting)により雄側留め具要素は引き戻す−解除する方向に抗って固定される。同時に、雄側留め具部材20の係留ヘッド20hが中心面54wと直交して延在する雌側要素の裏面部分12fに当接することで、雄側留め具部材20の留め具の最終位置がマークされる。
【0055】
上述したラッチ要素の幾何学的サイズと留め具要素の材質の伸縮特性は、該要素の留め具要素の閉鎖位置(留め位置)への円滑な係合と、ブラジャーの留め具の円滑な解除とが保障されるように、互いに調整されている。
【0056】
図8A〜8Dに図示する、特に各図の細部を参照されたい、全体に符号80を付したブラジャーの留め具は、構成と機能において、図1A〜7Eに関連して説明したブラジャーの留め具の実施例(特に図1A〜3Fおよび図7A〜7Eに従う実施例)と大部分は類似しており、多くの個別の事象に関して同一であるので、重複を避けるため、これに関する明細書の部分を参照されたい。これは蝶型の雌側留め具要素12aの形状、並びにこれに係合可能な雄側留め具部材の形状に関しても適用される。また溶接部の配置と形状、これを用いて留め具要素を担持、および/または包括した織物素材層(レイヤー)を1組ずつ互いに、および/または留め具要素を担持する部材と結合することにも適用される。図8A〜8Dで、これまでに既に図1A〜7Eの1つ、あるいは複数の図で使用された符合が付されている場合には、その構成要素に属する記載箇所への参照指示を含むものであり、同一の符号を記した部材の同一性または類似性を指摘するものである。
【0057】
図1〜7Eに関連して説明したブラジャーの実施例とは本質的に相違して、図8A〜8Dに従う実施例では、圧力ばめと形状拘束によりブラジャーのウィング部を互いに固定する固定要素に追加して、ブラジャーの着用者がブラジャーの留め具全体の閉鎖位置を見つけ出し、留め具を掛けることを容易にする、磁石式留め具要素80/wと80/m(図8Bおよび8C参照)が設けられている。
【0058】
この時、磁石の磁力だけに基づいてブラジャーの閉鎖構成(形態)がもたらされ、その状態から上述した雌雄の留め具部材の形状拘束による係合に対応する、留め具の最終的な閉鎖構成が、留め具80では図示しないが、容易に達成されるように、磁石式留め具要素80/wと80/mを用いて、それ自体により、ブラジャーのウィング部のある種の暫定的な結合がもたらされる。
【0059】
この目的のため、図8Aに見られる配置では、雌側部材10の蝶型の雌側留め具要素12aが2つずつ配設された列12に、列ごとに1つの雌側部材10の磁石式要素80/wが組み込まれている。更に、雄側留め具要素20に割り当てられた永久磁石80/mも備えられている。雌側留め具部材10に付設された磁石80/wと雄側留め具部材20に付設された永久磁石80/mは、図8Bおよび8Cに見られる配置において、雌側留め具部材10の織物レイヤー10aと11bの間に埋め込まれるか、または雄側留め具要素20に挿入され、雄側留め具部材は溶接により、織物レイヤー20aと20bに引っ張りに強く連結されている。
【0060】
基本的な形状において、磁石80/w,80/mは円盤型で、典型的なサイズは直径約4mm、厚さ約1mmである。好適な仕様において、経済的に入手可能なネオジム磁石、あるいは希土類磁石が用いられる。
【0061】
基本的には、留め具部材10または20のいずれか一方だけに永久磁石式留め具要素が設けられ、対応する他方の留め具部材には軟質磁性素材のプレートを採用すれば十分であるが、十分な引力のためには、両方の留め具部材10および20に永久磁石が用いられることが合目的である。該永久磁石は適切な極性において比較的大きな引力を発揮することが可能であり、また他方では留め具80のコンパクトで、殆ど着膨れしない構成に役立つ。
【0062】
解説の為に選択した実施例では、雌側留め具部材10の永久磁石80/wは夫々、各留め具要素の列12の雌側留め具要素12aの間に配設されている。同じ事が全体がプラスチック部材で作られた雄側留め具部材20にも当てはまる。雄側部材の永久磁石80/mは、略示されただけの図8Bおよび8Cから明らかなように、プラスチック製の雄側部材20のラッチノーズ80/rの間に固定されている。
【0063】
磁石式留め具要素80/wと80/mと、停止限界82を有する、外側、つまり夫々磁石80/wに向かって開口した、磁石の相対運動を制限する止め要素81の配置は、磁石式留め具要素80/w,80/mがその最大の引力を発揮する位置(図8C参照)を、留め具部材10と20の位置、そこで蝶型の留め具要素12aがこれに割り当てられたラッチヘッド20(図7Eおよび7A、および8D参照)と圧力ばめと形状拘束により係合され、ブラジャー留め具が、着用者の能動的な働きかけによって初めて到達され得る、負荷に耐えられる閉鎖位置を占めるその位置から、スペースS離間して配置されるように選択されている。とはいえブラジャーを着用する際には、磁石式留め具要素80/w,80/mが認識可能な引力を発揮し、この引力によりウィング部端部が図8Cに示した磁石の「中心」位置へと引っ張られることにより、着用者は適切な出発点を容易に見つけられる。その後着用者は、雄側留め具要素20の図8Cの雌側留め具部材10に対する矢印83の方向への相対運動により、わずかな労力でブラジャーの留め具の閉鎖構成(留め具を掛けた形態)へ調整する。閉鎖構成では、雄側留め具部材20の止め突起部84はブラジャーの留め具80の雌側止め要素81の湾曲した止め面82に当接する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラジャーの2つのバックウィング部の端部を連結するための留め具であって、
− ブラジャーの着用者に対向しない背面側と、その反対側に位置する正面側とを有し、上記2つのバックウィング部の一方の端部に固定された、非伸縮性の織物片、並びに
− 上記背面側に固定されたプラスチック製の第1留め具要素に関する横方向に延在し、縦方向に互いに間隔をおいた複数の列、並びに
− 上記2つのバックウィング部の他方の端部に固定された内側端部と、その反対側の外側端と、その外側端で少なくとも部分的に上記織物片の背面側と重なり合う正面側と、その正面側と反対側の背面側とを有する、平らな基体部、並びに
− 概ね上記第1留め具要素を補完する形状で、且つこの第1留め具要素に係合可能な、プラスチック製の第2留め具要素、
を備えて成り、上記複数の列には、それぞれ少なくとも2つの、横方向に互いに間隔をおいて配置された第1留め具要素が設けられ、上記第1留め具要素に位置合わせされ、上記第1留め具要素に嵌合するように、上記第2留め具要素が上記基体部の正面側に外側端で固定され、
横方向に延在する硬いバーが基体部に配設されるか、基体部の一部として成形され、第2留め具要素の横方向への相対運動を防止し、第2留め具要素の領域で基体部がたわむのを防ぐ、留め具。
【請求項2】
上記第1留め具要素が雌型のU字型であり、上記第2留め具要素が雄型であることを特徴とする、請求項1に記載の留め具。
【請求項3】
上記織物片が合同なフロント織物レイヤーとバック織物レイヤーによって形成され、上記第1留め具要素は夫々それら織物レイヤーの間にサンドイッチ状に埋設された表側部材と、上記第2留め具要素の1つと夫々対となる裏側部材と、各表側部材と裏側部材の間のバック織物レイヤーを貫通するピンまたはウェブとを備えて成ることを特徴とする、請求項1に記載の留め具。
【請求項4】
ピンまたはウェブが夫々の表側部材および裏側部材と一体的に成形されていることを特徴とする、請求項3に記載の留め具。
【請求項5】
ピンまたはウェブが夫々の表側部材と裏側部材の一方と一体的に成形され、夫々の他方の表側または裏側部分と溶着されていることを特徴とする請求項3に記載の留め具。
【請求項6】
各織物レイヤーが四角形の基本形状を有し、留め具が更に織物レイヤーの少なくとも3つの辺の周回に延在する溶接部を備え、上記溶接部を用いて織物レイヤーの外側縁部のすぐ内側でそれら織物レイヤーを接合することを特徴とする、請求項3に記載の留め具。
【請求項7】
上記溶接部が織物レイヤーの3つの側辺に沿ってだけ延在し、織物レイヤーの第4の側辺では中断されていて、各ウィング部端部が上記第4の側辺で織物レイヤーの間に受容され、固定されることを特徴とする、請求項6に記載の留め具。
【請求項8】
更に第1留め具要素の列の間に、横方向に延在する棒形の溶接部を備えることを特徴とする、請求項6に記載の留め具。
【請求項9】
平らな基体部が第2留め具要素と硬い棒状体と共に一体のプラスチック部材として成形されることを特徴とする、請求項1に記載の留め具。
【請求項10】
上記硬いバーに少なくとも1つの可撓性の織物フラップが固定され、各ウィング部端部に接合されることを特徴とする、請求項9に記載の留め具。
【請求項11】
2つのそのような織物フラップがサンドウィッチ状にバーと一緒に溶着され、更に対応するウィング部端部に挟み込まれ、これと結合されることを特徴とする、請求項10に記載の留め具。
【請求項12】
上記雌側留め具要素に、突出した係留要素が備えられ、上記雄側留め具要素にも、突出した係留要素が形成され、これら要素の相互係合により、閉鎖構成にて上記係留要素の形状拘束による固定が達成され、その際ブラジャーの留め具の開・閉が、留め具の操作時に留め具要素の突出した部分の弾性変形により生じる、適度な戻り力に抗して実施されることを特徴とする、請求項2〜11のいずれか一項に記載の留め具。
【請求項13】
上記雌側留め具要素の突出部材が移行部領域近傍に設けられ、この内側で上記雌側留め具要素の互いに離れたガイド面に平行なガイド面が続き、上記平行なガイド面を用いて留め具要素が係留位置へガイドされることを特徴とする、請求項12に記載の留め具。
【請求項14】
留め具要素の閉鎖位置が停止効果により印付けられることを特徴とする、請求項12または13に記載の留め具。
【請求項15】
少なくとも1つの留め具部材(10,20)に、圧力ばめと形状拘束で作用する留め具要素(12a,20,20h,20i)に追加して、少なくとも1つの永久磁性の留め具要素(80/wおよび/または80/m)が配設され、他の留め具部材(20または10)に配設された、同様に永久磁性の、または磁化性の留め具との相互作用にて、そこからブラジャーの留め具要素(80)を閉じることができる(仮の)閉鎖構成をもたらすことが可能であることを特徴とする、請求項1または14に記載の留め具。
【請求項16】
永久磁化性の留め具要素(80/wと80/m)が上記雌側留め具部材(10)にも上記雄側留め具部材にも設けられていることを特徴とする、請求項15に記載の留め具。
【請求項17】
永久磁性の留め具要素から発揮され得る引力が、形状拘束作用する留め具要素が互いに掛け留めし合う構成にて、形状拘束により一緒に係留される形状拘束要素の保持力より著しく小さいことを特徴とする、請求項15または16に記載の留め具。
【請求項18】
ブラジャーの2つのバックウィング部の端部を連結するための留め具を作り出す方法であって、:
複数のプラスチック製の第1留め具要素を、ブラジャーの着用者に対向しない背面側とその反対側にあたる正面側を有する非伸縮性の織物片の背面側に固定し、これら第1留め具要素を上記背面側での縦方向に互いに間隔をあけ、横方向に延在する複数の列に配設するステップと、
他のウィング部の端部に固定された内側端部と、逆側の外側端部と、この外側端部で少なくとも部分的に上記織物片の背面側と重なり合う正面側と、この正面側の逆側の背面側とを有する、平らな基体部を提供するステップと、
概ね上記第1留め具要素を補完するプラスチック製の第2留め具要素を、上記第1留め具要素に位置合わせされ、、上記第1留め具要素に嵌合するように、上記基体部正面側の外側端部に固定するステップと、および
横方向に延在する硬いバーを、上記第2留め具要素の横方向への相対運動を防止し、上記第2留め具要素の領域で上記基体部がたわむのを防ぐように、上記基体部に、またはその一部として、形成するステップと、
を有する方法。
【請求項19】
織物片が合同なフロント織物レイヤーとバック織物レイヤーから形成されていて、第1留め具要素夫々が織物レイヤーの間に挟まれた表側部材と、第2留め具要素の1つと夫々対となり得る裏側部材と、夫々表側部材と裏側部材の間のバック織物レイヤーを貫通するピンまたはウェブとを有することを特徴とする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
表側部材と裏側部材が互いに、ピンまたはウェブと、バーとを用いて射出成形工程の1度の射出によりに一体的に形成されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ピンまたはウェブが、夫々表側部材か裏側部材の1つと一体的に成形され、夫々表側部材か裏側部材の他方と溶着されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
織物レイヤーの各々が基本的に長方形であり、織物レイヤーの少なくとも3つの側辺の周りに延在し、織物レイヤーの外側縁部のすぐ内側でこれを綴じ合わせる溶接部を形成するステップを有することを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
上記溶接部が3つ側辺の周りだけに延在し、織物レイヤーの第4の側辺では別々であり、各ウィング部端部が上記第4の側辺で織物レイヤーの間で固定されるステップを有することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
第1止め具要素の列の間で、横に延在するバー状の溶接部を形成するステップを有することを特徴とする、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
平らな基体部が、第2留め具要素や硬いバーと一体的なプラスチック製部材として成形されることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
【請求項26】
硬いバーに固定される少なくとも1つの可撓性の織物フラップを提供し、該フラップを、各ウィング部端部に接合するステップを有することを特徴とする、請求項25に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【公表番号】特表2012−506498(P2012−506498A)
【公表日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532653(P2011−532653)
【出願日】平成21年10月23日(2009.10.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/064017
【国際公開番号】WO2010/046488
【国際公開日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【出願人】(511102402)
【Fターム(参考)】