説明

ブラジャー類

【課題】 本発明は、バストの動きに対する追従性を向上すると共に、バストの寄せ効果、保形効果の更なる向上が図られた、着用感の非常にソフトなブラジャー類を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、バストを覆う左右一対のカップ部12と、土台部14と、バック部16と、肩紐18とを含んで成るブラジャー類(ブラジャー10)において、カップ部12が、前中心側カップ部20と、肩紐18に接続される脇部側カップ部23とを含んで構成され、脇部側カップ部23が、少なくとも表地31、非伸縮性の生地から成る芯地34、不織布33、裏地32を含む積層体35で形成され、且つ積層体35中における表地31、芯地34、不織布33、裏地32がこの順で積層されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バストの寄せ効果を高めたブラジャー類に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、バストを覆うカップ部を備えたブラジャーにおいて、着用時にバスト形状を補正する機能を備えたものは種々提案されている(例えば、特許文献1乃至特許文献3参照。)。特許文献1には、湾曲した弾性樹脂や弾性金属から成る芯材を含むパッドをカップ部に備えたブラジャー等の衣類が開示されている。また、特許文献2には、芯となる布地に熱硬化性樹脂液を散布して熱成形することにより非伸縮部位が形成されたブラジャー用カップが開示され、特許文献3には、ワイヤーの挿入位置を工夫したブラジャーが開示されている。
【0003】
更に、本願出願人は、バストの寄せ効果、保形効果に優れる、非伸縮性のサイドパネルを設けたブラジャー類を先に提案している(特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−306803号公報(請求項1、8、10、図5)
【特許文献2】特開2002−155403号公報(請求項1、図3)
【特許文献3】特開平9−157911号公報(請求項1、図1)
【特許文献4】特開2005−264351号公報(請求項1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に係るパッドや特許文献2に係るカップは、柔軟性に乏しく、バストの動きに対して十分に追従できない。従って、腕の屈伸運動に伴ってカップ部がずり上がり、バストの寄せ効果や保形効果といったブラジャーの機能性を低下させるという欠点があった。また、これらはブラジャーを構成する他の要素に比較して高剛性であり、更には、カップ部自体が重く且つ分厚くなるため、着用感を著しく悪化させることにも繋がる。
【0006】
また、特許文献3に係るブラジャーにおいても、カップ部が脇部側、即ち横方向へ引っ張られた際、柔軟性のあるワイヤーの場合にはワイヤー自体が横方向に開いてしまい、バストの寄せ効果や保形効果が十分に発揮されない。一方、高剛性のワイヤーの場合には、ワイヤーが身体に苦痛を与える恐れがあり、着用感を著しく悪化させることとなる。
【0007】
そこで本願発明者は、上記の問題点に鑑み、バストの動きに対する追従性を向上すると共に、バストの寄せ効果、保形効果の更なる向上が図られた、着用感の非常にソフトなブラジャー類を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち、本発明の要旨とするところは、バストを覆う左右一対のカップ部と、土台部と、バック部と、肩紐とを含んで成るブラジャー類において、前記カップ部が、前中心側カップ部と、前記肩紐に接続される脇部側カップ部とを含んで構成され、前記脇部側カップ部が、少なくとも表地、非伸縮性の生地から成る芯地、不織布、裏地を含む積層体で形成され、且つ該積層体中における前記表地、芯地、不織布、裏地がこの順で積層されていることにある。
【0009】
また、かかるブラジャー類において、前記カップ部の脇部側と前記バック部との間にサイドパネルが設けられ、且つ該サイドパネルが、前記積層体で形成されたことを特徴とする。
【0010】
更に、かかるブラジャー類において、前記芯地にはマーキゼットが適用されることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明のブラジャー類に係るカップ部は、前中心側カップ部と、肩紐に接続される脇部側カップ部とを含んで構成され、脇部側カップ部は、少なくとも表地、非伸縮性の生地から成る芯地、不織布及び裏地を含む積層体で形成され、且つ当該積層体中における表地、芯地、不織布及び裏地はこの順で積層されている。つまり、当該脇部側カップ部は、この脇部側カップ部を形成する積層体中に非伸縮性の生地から成る芯地が介在されているため、前中心側カップ部に比べて伸縮性が抑制される。従って、本発明のブラジャー類によると、まずカップ部が前中心側カップ部及び脇部側カップ部を含んで構成されることによって、カップ部の形態安定性が向上され、バストの寄せ効果、保形効果といったブラジャー類の機能性が向上される。そして、例えば前中心側カップ部が、上側カップ部と下側カップ部とを含んで構成された場合には、カップ部の形態安定性は更に向上され、上記ブラジャー類の機能性は一層向上されることとなる。また、芯地を含む積層体で形成された脇部側カップ部によって脇側に張り感が出ると共に、当該脇部側カップ部は肩紐に接続されて上方へ引き上げられるため、バストの中央側への寄せ効果、保形効果の更なる向上が図られ、着用感も飛躍的に向上される。更には、洗濯後のカップ部の形状変化を抑制することもできる。
【0012】
また、上記積層体に含まれる芯地は、表地、裏地及び不織布に比べて若干剛性は高いものの、積層体中において、脇部側カップ部の裏面側、即ち肌側には、少なくとも不織布及び裏地が積層されており、芯地自体も織物地或いは編物地等の生地である。従って、本発明のブラジャー類の着用感は非常にソフトであり、長時間の着用による着用者へのストレスも軽減することができる。
【0013】
更に、本発明のブラジャー類において、脇部側カップ部を含むカップ部は柔軟性があるため、バストの動きに対する追従性も良好である。従って、腕の屈伸運動に伴うカップ部のずり上がり、バストの寄せ効果や保形効果の減少を抑制することができる。
【0014】
また更に、本発明における芯地の素材に、非伸縮性であって且つ薄地のマーキゼットを適用することによって、脇部側カップ部を形成する積層体自体が分厚くならない。従って、積層体で形成される脇部側カップ部を含むカップ部自体の厚みも抑制できるため、着用感やデザイン性の向上に繋がる。
【0015】
また、本発明のブラジャー類において、カップ部の脇部側とバック部の間にサイドパネルを設け、且つ当該サイドパネルを上記積層体で形成することによって、カップ部及び着用者の脇部をサイドパネルによってしっかり押さえることができると共に、サイドパネルを縫着したカップ部の脇側、即ち脇部側カップ部が肩紐18に接続されているため、脇部側カップ部を介してサイドパネルが中央側へ積極的に引き寄せられる。つまり、本発明のブラジャー類によると、バストの寄せ効果、保形効果の更なる向上が図られると共に、バスト下からの持ち上げ効果、着痩せ効果も期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のブラジャー類の実施形態について、ブラジャーを例に挙げて図面に基づき説明する。なお、本発明のブラジャー類には、図示したブラジャーの他、カップ部を備えたボディースーツ、カップ付きドレス、ブラスリップ、水着、レオタード、オールイン型ブラジャー等が含まれ、本発明はブラジャーに限定されるものではない。また、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものでもない。
【0017】
本実施の形態に係るブラジャー10は、図1に示したように、バストを覆う左右一対のカップ部12と、土台部14と、バック部16と、肩紐18とを含んで構成されている。なお、同図中、向かって左側はカップ部12、土台部14及び肩紐18の背面側を示す概略背面図、右側はカップ部12、土台部14、バック部16及び肩紐18を示す概略正面図である。
【0018】
本実施形態のブラジャー10に係るカップ部12は、前中心側カップ部20と脇部側カップ部23とを含んで構成されており、更に前中心側カップ部20は、上側カップ部21と下側カップ部22とを含んで構成されている。符号13は、脇部側カップ部23と肩紐18との縫着部であり、脇部側カップ部23の上端部に肩紐18の端部が重合され、縫着部13において一体的に縫着されることによって、肩紐18と脇部側カップ部23とが接続されている。また、符号25は、上側カップ部21、下側カップ部22及び脇部側カップ部23の縫着部であり、図2(a)に示したように、細幅テープ生地30により、上側カップ部21と下側カップ部22、及び下側カップ部22と脇部側カップ部23とが各々一体的に縫着されている。
【0019】
同図中、符号24は刺繍が施されたレース生地等の装飾用生地、符号26は上側カップ部21と装飾用生地24との縫着部、符号31はワイヤー、符号32は周知の手段により筒状に形成された筒状生地である。カップ部12の裏面側で且つ下方周縁部には、ワイヤー31が挿通された筒状生地32が重合され、土台部14、装飾用生地24、脇部側カップ部23及びワイヤー31入りの筒状生地32は、縫着部27で一体的に縫着されている。なお、縫着部27ではワイヤー31入りの筒状生地32が脇部側カップ部23に重合されているが、図1からも明らかなように、カップ部12の下方周縁部において筒状生地32が重合、縫着されるのは、下側カップ部22及び上側カップ部21の箇所も当然に存在する。また、符号28は、土台部14の裏面側に細幅テープ生地30を重合させて一体的に縫着した縫着部である。土台部14の生地素材としては、伸縮性のラッセル編地や経編地等が好ましいが、目的に応じて非伸縮性の編地も適用し得る。更に、同図では図1に示したパッド19を省略しているが、パッド19をカップ部12へ取り付ける方法としては、例えばカップ部12の裏面側にパッド収納用ポケット(不図示)を設け、このパッド収納用ポケットにパッド19を収納することによりカップ部12へパッド19を取り付ける方法が挙げられる。
【0020】
上側カップ部21及び下側カップ部22は、図2(b)に示したように、伸縮性に富むトリコット等の表地31と、綿や綿ポリエステル混の編物、天竺等の裏地32の間に、嵩高性に富む不織布33を介在させた状態で、周知の手段で一体的に熱圧着することによって形成されている。また、図2(c)に示したように、脇部側カップ部23は、表地31、非伸縮性の生地から成る芯地34、不織布33及び裏地32がこの順で積層され、周知の手段により一体的に熱圧着して成る積層体35で形成されている。
【0021】
ここで、不織布33の目付量や厚さは特に限定されないが、例えば目付20〜50g/m、厚さ1〜2mm程度のものが、脇部側カップ部23が分厚くなり過ぎず、且つ適度なクッション性、伸縮性を備える点で好ましい。また、不織布33としては、バインダボンド不織布、ニードルパンチ不織布、水流絡合不織布等が挙げられる。更に、不織布33の素材としては、ポリエステル、ナイロン、アクリル、レーヨン等のステープルや綿、或いはこれらの混合物が挙げられる。
【0022】
芯地34の素材としては、経、緯方向共に非伸縮性の生地であれば特に限定されず、例えば、ナイロンやポリエステル系繊維、アクリル系繊維、セルロース系繊維等を用いて織成若しくは編成して得られる薄地の織物地或いは緯糸挿入編物地等の非伸縮性生地が挙げられる。また、芯地34の目付量も特に限定されないが、20〜60g/mであることが好ましい。そして、本発明に係る芯地34としては、マーキゼットが、変形時の目ずれがなく、薄手で且つ張りがあるため特に好ましい。
【0023】
以上のように、本実施形態のブラジャー10は、カップ部12が上側カップ部21と下側カップ部22とで構成される前中心側カップ部20及び脇部側カップ部23を含んで構成され、且つ脇部側カップ部23が、表地31、芯地34、不織布33及び裏地32をこの順で積層して成る積層体35で形成されている。つまり、脇部側カップ部23は、この脇部側カップ部23を形成する積層体35中に非伸縮性の生地から成る芯地34が介在されているため、前中心側カップ部20を構成する上側カップ部21及び下側カップ部22に比べて伸縮性が抑制される。従って、本実施形態のブラジャー10によると、まずカップ部12が上側カップ部21、下側カップ部22及び脇部側カップ部23を含んで構成されることによってカップ部12の形態安定性が向上され、バストの寄せ効果、保形効果といったブラジャー10の機能性が一層向上される。また、芯地34を含む積層体35で形成された脇部側カップ部23によって脇側に張り感が出ると共に、脇部側カップ部23が肩紐18に接続されて上方へ引き上げられるため、バストの中央側への寄せ効果、保形効果の更なる向上が図られると共に、従来の湾曲した弾性樹脂や弾性金属から成る芯材を備えたブラジャーに比べて、着用感も飛躍的に向上される。更には、洗濯後のカップ部12の形状変化を抑制することもできる。
【0024】
また、積層体35に含まれる芯地34は、表地31、裏地32及び不織布33に比べて若干剛性は高いものの、積層体35中において、脇部側カップ部23の裏面側、即ち肌側には、少なくとも不織布33及び裏地32が積層されており、芯地34自体も織物地或いは編物地等の生地である。従って、本実施形態のブラジャー10の着用感は非常にソフトであり、長時間の着用による着用者へのストレスも軽減することができる。
【0025】
更に、本実施形態のブラジャー10において、脇部側カップ部23を含むカップ部12は、従来の湾曲した弾性樹脂や弾性金属から成る芯材を含むカップ部等に比べて柔軟性があるため、バストの動きに対する追従性も良好である。従って、腕の屈伸運動に伴うカップ部12のずり上がり、バストの寄せ効果や保形効果の減少を抑制することができる。
【0026】
また更に、本発明における芯地の素材は特に限定されないが、本実施形態における芯地34にナイロンやポリエステル系繊維等から成るマーキゼットを適用した場合は、マーキゼットが非伸縮性であって且つ薄地であるため、脇部側カップ部23を形成する積層体35自体が分厚くならない。従って、積層体35で形成される脇部側カップ部23を含むカップ部12自体の厚みも抑制できるため、着用感やデザイン性の向上に繋がる。また、20〜200デニール、特に50〜150デニールの繊維から成るマーキゼットを芯地34に適用することによって、本実施形態のブラジャー10に係るカップ部12の寄せ効果、保形効果及び着用感のより一層の向上が図られる。なお、マーキゼットの繊維が20デニール未満であると、芯地34に適度な剛性を付与することできず、芯地34を含む脇部側カップ部23による寄せ効果及び保形効果を十分に発揮することが困難となる。一方、200デニールを超えると、芯地34が硬くなり過ぎて、着用感の著しい低下に繋がる。
【0027】
図3は、本発明の他の実施形態を示したものである。同図に示したブラジャー11は、図1に示したブラジャー11と同様、バストを覆う左右一対のカップ部12と、土台部14と、バック部16と、肩紐18とを含んで構成されている。なお、図3中、向かって左側はカップ部12、土台部14、バック部16、肩紐18及び後述するサイドパネル40の背面側を示す概略背面図、右側はカップ部12、土台部14、バック部16及び肩紐18を示す概略正面図である。
【0028】
本実施形態のブラジャー11に係るカップ部12も、前中心側カップ部20と脇部側カップ部23とを含んで構成され、更に前中心側カップ部20が上側カップ部21と下側カップ部22とで構成されており、図4に示したように、細幅テープ生地30により、上側カップ部21と下側カップ部22、及び下側カップ部22と脇部側カップ部23とが、縫着部25において各々一体的に縫着されている。符号13は、脇部側カップ部23と肩紐18との縫着部であり、脇部側カップ部23の上端部に肩紐18の端部が重合され、縫着部13において一体的に縫着されることによって、肩紐18と脇部側カップ部23とが接続されている。なお、上側カップ部21、下側カップ部22及び脇部側カップ部23は、図2(b)(c)に示した態様と同一であるため、説明は省略する。
【0029】
更に、本実施形態のブラジャー11では、カップ部12の脇部側とバック部16との間にサイドパネル40が設けられている。サイドパネル40は、上記脇部側カップ部23と同様、表地31、非伸縮性の生地から成る芯地34、不織布33及び裏地32がこの順で積層され、周知の手段により一体的に熱圧着して成る積層体35で形成されている(図2(c)参照)。そして、図4に示したように、土台部14と装飾用生地24との間にサイドパネル40を介在させた状態で、土台部14、サイドパネル40、装飾用生地24、脇部側カップ部23及びワイヤー31入りの筒状生地32を重合させ、縫着部27aで一体的に縫着されている。なお、符号28aは、土台部14の裏面側と細幅テープ生地30との間にサイドパネル40を介在させた状態でこれらを重合させ、一体的に縫着した縫着部である。また、符号42はサイドパネル40とバック部16との縫着部であり、サイドパネル40の外側端縁部の裏面側に、バック部16の端縁部を重合して一体的に縫着されている。
【0030】
以上の構成から成る本実施形態のブラジャー11によると、上記の実施形態に係るブラジャー10と同様、カップ部12の形態安定性の向上及び脇部側カップ部23によるバストの寄せ効果、保形効果といったブラジャー11の機能性が向上されると共に、着用感の向上、洗濯後の形状変化の抑制等も図られる。
【0031】
更に、本実施形態のブラジャー11では、非伸縮性の生地から成る芯地34を含む積層体35で形成されたサイドパネル40が、カップ部12の脇部側とバック部16との間に設けられている。従って、カップ部12及び着用者の脇部をサイドパネル40によってしっかり押さえることができると共に、サイドパネル40を縫着した脇部側カップ部23が肩紐18に接続されているため、脇部側カップ部23を介してサイドパネル40が中央側へ積極的に引き寄せられる。つまり、本実施形態のブラジャー11によると、バストの寄せ効果、保形効果の更なる向上が図られると共に、バスト下からの持ち上げ効果、着痩せ効果も期待できる。
【0032】
以上に例示した本発明の実施形態に係るブラジャー10、11は、本発明の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、上記実施形態に係るブラジャー10、11では、カップ部12を構成する前中心側カップ部20が上側カップ部21及び下側カップ部22の二つの要素で構成されているが、前中心側カップ部20の構成はこれに限定されない。つまり、上側カップ部21と下側カップ部22とが予め一体的に形成された一つの要素で構成された前中心側カップ部、或いは三つ以上の要素で構成された前中心側カップ部等、何れの構成であってもよい。
【0033】
また、上記実施形態に係るブラジャー11では、サイドパネル40を設けることによってバスト下からの持ち上げ効果が期待できるが、カップ部12の裏面側にパッド19(図1参照)が設けられてもよい。
【0034】
更に、上記実施形態に係るブラジャー11において、サイドパネル40の中央部側の端部を、カップ部12の下方周縁部に沿って下側カップ部22の下方へ延出させてもよい。サイドパネル40を下側カップ部22の下方、つまり前中心側カップ部20の下方へ延出させることによって、バスト下からの持ち上げ効果が向上されると共に、腕の屈伸運動に伴うカップ部12のずり上がり等も更に抑制できる。
【0035】
また、図1及び図3に示した脇部側カップ部23について、脇部側カップ部23の下端部23aを、カップ部12の下方周縁部に沿って下側カップ部22の下方へ延出させてもよい。即ち、カップ部12に略L字形状に湾曲させた脇部側カップ部を適用することによって、バスト下からの持ち上げ効果が向上されると共に、腕の屈伸運動に伴うカップ部12のずり上がり等も更に抑制できる。
【0036】
また更に、脇部側カップ部23及びサイドパネル40を形成する積層体35の構成についても、図2(c)に示した表地31、非伸縮性の生地から成る芯地34、不織布33及び裏地32のみから成るものに限定されない。つまり、少なくとも表地31、非伸縮性の生地から成る芯地34、不織布33及び裏地32を含む積層体であって、且つ当該積層体中における表地31、芯地34、不織布33、裏地32がこの順で積層されていればよい。従って、本発明に係る積層体には、表地31と芯地34との間、芯地34と不織布33との間、不織布33と裏地32との間に、他の生地を介在させた状態で、周知の手段により一体的に熱圧着して成るものも含まれる。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係るブラジャーを示した概略背面図及び概略正面図である。
【図2】図1のX−X断面による概略断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係るブラジャーを示した概略背面図及び概略正面図である。
【図4】図3のY−Y断面による概略断面図である。
【符号の説明】
【0038】
10、11:ブラジャー
12:カップ部
14:土台部
16:バック部
18:肩紐
20:前中心側カップ部
21:上側カップ部
22:下側カップ部
23:脇部側カップ部
31:表地
32:裏地
33:不織布
34:芯地
35:積層体
40:サイドパネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バストを覆う左右一対のカップ部と、土台部と、バック部と、肩紐とを含んで成るブラジャー類において、
前記カップ部が、前中心側カップ部と、前記肩紐に接続される脇部側カップ部とを含んで構成され、
前記脇部側カップ部が、少なくとも表地、非伸縮性の生地から成る芯地、不織布、裏地を含む積層体で形成され、且つ該積層体中における前記表地、芯地、不織布、裏地がこの順で積層されていることを特徴とするブラジャー類。
【請求項2】
前記カップ部の脇部側と前記バック部との間にサイドパネルを設け、且つ該サイドパネルが、前記積層体で形成されたことを特徴とする請求項1に記載のブラジャー類。
【請求項3】
前記芯地がマーキゼットであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のブラジャー類。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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