説明

ブラジャー

【課題】
ブラジャーに関する情報を消費者に伝えるための、改良された方法をもたらすことである。
【解決手段】
二つのブラカップ(3)、及びブラジャー(1)装着者の上半身を取り囲んでいる二つのサイドパネル(7)から構成されたブラジャーに関しており、サイドパネルの第一末端は、フロント部(2)に取り付けられ、かつ、第二末端は装着者の背部で互いに留められる。各サイドパネルは(7)、外側生地層(16)と内側生地層(17)との間に配置された上部弾性テープ(14)及び下部弾性テープ(19)を含む。テープ形状をした情報キャリヤ(25)が外側又は内側生地層(16,19)の領域において取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求項1のプレアンブル部に係るブラジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種類のブラジャーは公知であり、世界中で多くのバリエーションが入手可能である。それらは、広く様々な形状が提供され、中央ストリップによって互いに接合される二つのブラカップから主に構成されるフロント部を有している。フロント部の各外側側面縁と結合しているのはサイドパネルであって、その自由末端はブラジャーを装着している者の背中において背部閉鎖装置によって留められる。サイドパネルはフロント部に縫い付けられ得る、またはワンピースであり得る。補足的支持のために、背後にある側面パネルとブラカップを繋ぐ肩紐が備えられ得る。かかるブラジャーの主な機能は、胸の重みを支え、維持し、胸の形を作ることである。同時に、そのようなブラジャーには高い装着快適さをもたらし、かつ外観を引き立てることが期待されている。
【0003】
ブラジャーを装着している女性の個々の構造、特定の材料及び特定の容貌に対する個々の嗜好や選択、並びにブラジャーが装着される様々な機会を鑑みて、今日の市場には全く終わりのないブラジャーモデルの多様性が存在している。更なる多様化は、女性用肌着の多くの製造者によるものである。
【0004】
この広い製品の範囲において優勢であることができるために、また、方向付けの目的で、製造者及び消費者の両方の側から、知らせ且つ知らされる必要性がある。この状況において、重要な情報はブランド名ならびにモデル、サイズ、及び用いられる材料に関する明確化である。さらに、洗濯及び手入れ指示書は消費者にとって興味深いものである。
【0005】
この製品仕様情報を供給するために、取り付け過程において、必要な縫い目、即ち、適切な情報を備えた帯形状をした生地材料の、ラベルの一つの末端を、ブラジャーの内側へ縫いつけ、一方で他方の末端は結合しないままであることが周知である。このタイプの手法の不利益は、ラベルが装着されているブラジャーの厚くなった部分又はラベルの縁が敏感肌に肌刺激を生じ得、よって、装着快適さを損なうことである。従って、消費者はしばしば刺激性ラベルをブラジャーから取り外し、よって、情報も廃棄してしまう。かかるラベルを用いることによる他の結果は、それら着けられていない末端がブラジャーの縁から突き出ることであり、それによって美的外観を損なってしまう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この背景に鑑みて、本発明の課題は、ブラジャーに関する情報を消費者に伝えるための、改良された方法をもたらすことである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は請求項1の特徴を有するブラジャーによって達成される。
【0008】
利益となる実施形態は従属請求項に存在する。
【0009】
本発明は、情報キャリヤをサイドパネルの領域においてブラジャー内に完全に一体化するという着想に基づいている。その第一利点は、情報が永久的に可視であり、かつ、入手可能である一方、同時に高い装着快適さを確保するということである。更なる利点は、サイドパネルの領域における、どこにでも情報キャリヤを据えられるという選択の自由である。このような方法で情報キャリヤを見えるように配置することによって、典型的には製造社名を表示することを所望とする、情報自体を目立たせることが可能となる。他方で、サイズ、材料、及び手入れと洗濯の指示書に係る情報は、目につきにくい領域に配置することが可能となる。
【0010】
情報キャリヤをブラジャーと一体化するために、本発明の有利な実施形態において、情報キャリヤの領域における生地層を除去し、かつ、情報キャリヤを所定の位置に挿入することがもたらされる。このことは、情報キャリヤの領域において、多数の層を重ねた結果、装着快適さ又は外観への負の影響を与えることを防ぐ。この着想を更に改良し、情報キャリヤを縫い付けるようにもたらし、それによって縫い目は隠される、つまり情報キャリヤと合致している、サイドパネルの外側又は内側生地層の長軸縁が折り込まれ、かつ、二つの部品がめくれの領域において互いに縫われるのみである。
【0011】
また、情報キャリヤは、好ましくは弾性を有している。それによる一つ目の目的は、不快な皺を形成することなく、情報キャリヤをサイドパネルの輪郭へ取り付けることである。二つ目は、所定の弾性を有する情報キャリヤが、ブラジャーの装着及びサポート機能に寄与することができることである。このことは、情報キャリヤがサイドパネルの上部又は下部弾性テープによって形成されるような、例えば及び/または、これらテープの一つを形成するような、本発明の更なる実施形態において成し遂げられ得る。このようにして、情報キャリヤは、胸の形を作り、支え、かつ、胸の重みを担うためのブラジャー内で、有効な部品として存在する。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、情報キャリヤは、きつく合った外側衣服下で装着される場合に、ブラジャーの輪郭が殆んど見えないという利点を有するブラジャーの内側に配置される。
【0013】
本発明の更なる実施形態によると、情報キャリヤはサイドパネルの領域において延びるだけでなく、同時にフロントパネルの下部縁を形成する。それによって情報キャリヤは、一つのサイドパネルから他のサイドパネルへ連続的に延びることができる。
【0014】
本発明のブラジャーの、装着快適さ及び外観の両方を更に改良するために、本発明の追加実施形態に従って、サイドパネルの外側及び内側生地層をワンピースとして構成すること、つまり、外側及び内側生地層を形成している生地ブランクを、サイドパネルの上部及び/または下部長軸縁でのみ折り曲げ、且つ、その複数の長軸縁によって、それを情報キャリヤに取り付けることが好ましい。必要ならば、生地ブランクを弾性テープの上部及び下部の領域における所定の場所に固定するための縫い目、好ましくはジグザグ縫いが施され得る。
【0015】
製品情報を永久的に可視にするために、情報キャリヤ上の情報を印刷、刺繍などすることもできる。情報キャリヤを、ブラジャーを作っているものとは異なる材料で作ること、又は、特定の形状又は色を用いることによって製造者の表示をもたらすことも可能である。
【0016】
本発明は、以下に図示された代表的な実施形態を参照することによって、以下により詳細に記載される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1及び図3は、本発明の第一実施形態を表す。図1において、本発明のブラジャー1は、前面図で描かれている。ブラジャー1は、胸を収容するための二つのブラカップ3を有するフロント部2から構成される。ブラカップ3は、外側及び内側の両方において生地材料によって覆われた、発泡ゴム核によって形成され得る。それらの下部領域において、二つのブラカップ3は、本実施形態では概ね台形を有している中央部品4によって互いに接合される。
【0018】
ブラカップ3の下部縁にそって延びているのは、各アンダーワイヤ収容のための狭い溝5である。反対側の、ブラカップ3の上部縁は制限がなく、その装着部品(図示されず)によって、二つの肩紐10の前端を取り付けるための接合点をもたらす。
【0019】
ブラカップ3の側面縁6各々に隣接しているのはサイドパネル7であって、それによってその自由端において、図のように左のサイドパネル7にはフックバンド8が備えられ、かつ、他方のサイドパネル7にはアイレット9が備えられている。組み合わせることによって、フックバンド8とアイレット9とは背部閉鎖装置を形成する。
【0020】
サイドパネルのより詳細なデザインは図2及び図3の両方に描かれており、図2にはフロント部2無しのサイドパネル7の内側の図が表されており、かつ、図3はサイドパネル7の断面図を表す。サイドパネル7は概ね台形で作られており、その底部は下部縁11によって形成され、その反対側には上部縁12が配置されている。下部縁11及び上部縁12はそれによってサイドパネル7の長軸延び方向を決定している。それに加え、上部縁12の領域には取付部品13が存在し、肩紐10のための背部取付点として使われる。サイドパネル7のより狭くなった末端に、フックテープ8が縫い付けられる。反対側の末端は、フロント部2のブラカップ3への接合領域として使われる。
【0021】
図2と共に図3に見えるように、弾性テープ14が全上部縁12に沿って延び、その一方の末端はフックテープ8及び/またはアイレットテープ9に縫い付けられ、その他方の末端はフロント部2に取り付けられている。テープ14で折り込まれているのは、生地ブランク15であって、このようにしてサイドパネル7の外側生地層16及び内側生地層17を形成する。生地層15はジグザグ縫いによって弾性テープ14上の所定の場所に固定される。外側生地層16及び内側生地層17によって覆われているために、弾性テープ14は見えない。
【0022】
弾性テープ19も下部縁11に沿って延在しており、同様に外側生地層16及び内側生地層17によって包まれており、且つ、ジグザグ縫い20によってそこに取り付けられている。
【0023】
内側において合わさっている生地ブランク15の複数の長軸縁は、各々弾性テープ14及び19の方向において内側に折られ、且つ、このように作られたテープ様めくれ23及び24と共に、テープ様生地情報キャリヤ25のための取り付け領域を形成する。めくれ23及び24だけが、ジグザグ縫い26によって情報キャリヤ25にそのように縫い付けられる。このようにしてジグザグ縫い26は装着された場合に内側生地層17によって覆われ、それによってそれらは肌や目に刺激を与えない。
【0024】
このように、サイドパネル7の長軸延び方向における内部生地層17の領域内で、ジグザグ縫い26の間隔に等しい幅の各スリット形状をした開口部が、情報キャリヤ25
によって閉じられるように作られる。このように、情報キャリヤ25のこの部分に取り付けられた模様27が、容易に見える。模様27は、それによって製造者の名前を表示し、ブラジャー1の情報を供給し、又は単に装飾となり得る。模様27は、印刷、刺繍、接着、溶接などによってつけられ得る。
【0025】
本発明の特に好ましい実施形態が図4及び図5に記載されており、前記実施形態との違いは、情報キャリヤ25がサイドパネル7の下部弾性テープ19によって形成されるということだけである。これによって、同様の参照符号が同様の特徴に対して用いられている。図4及び図5に係る実施形態において、上部めくれ23及び下部めくれ24は、ジグザグ縫い26によって下部弾性バンド19に直接縫い付けられ、上記と同様に、それによって再度、スリット形状をした開口部が形成されて、下部弾性テープ19を見えるようにする。模様27に相当する弾性テープ19を用いることによって、本発明の本質が、特に独創的な方法、つまり下部弾性テープ19の配置によって情報キャリヤ25をサイドパネル7内に一体化することを達成するという方法で、本実施形態において実現される。これによって、弾性テープ19自身が情報キャリヤ25を形成する。
【0026】
本発明は、図に記載された代表的な実施形態に制限されず、特許請求項の課題及び目的に応じた実施形態も含む。例えば、「ブラジャー」という用語は、ビキニトップ及び水着を含む、組み込まれた胸支持具による女性の肌に直に触れる全ての衣料を含む。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るブラジャーの正面図である。
【図2】サイドパネルの領域における、図1に記載されたブラジャーの内側の図である。
【図3】図2の線III〜IIIに沿った、図2に記載のサイドパネルの拡大スケールにおける断面図である。
【図4】本発明ブラジャーの、サイドパネルの更なる実施形態の、内側の図である。
【図5】図4の線V〜Vに沿った、図4に記載のサイドパネルの拡大スケールにおける断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ブラジャー
2 フロント部
3 ブラカップ
4 中央部分
5 溝
6 側面縁
7 サイドパネル
8 フックバンド
9 アイレット
10 紐
11 下部縁サイドパネル
12 上部縁サイドパネル
13 取付部品
14 上部弾性テープ
15 生地ブランク
16 外側生地ブランク(層)
17 内側生地ブランク(層)
18 ジグザグ縫い
19 下部弾性テープ
20 ジグザグ縫い
21 N/A
22 N/A
23 上部めくれ
24 下部めくれ
25 情報キャリヤ
26 ジグザグ縫い
27 模様

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つのブラカップ(3)を含むフロント部(2)、及び
ブラジャー(1)装着者の上半身を取り囲んでいる二つのサイドパネル(7)から構成され、
上記サイドパネルの第一末端は上記フロント部(2)に取り付けられ、かつ上記サイドパネルの第二末端は装着者の背中において互いに留められ得、各サイドパネル(7)は、外側生地層(16)と内側生地層(17)との間に配置された、上部弾性テープ(14)及び下部弾性テープ(19)から成るブラジャーにおいて、
テープ形状をした情報キャリヤ(25)が、外側生地層又は内側生地層(16,19)の領域に取り付けられることを特徴とする、ブラジャー。
【請求項2】
テープ形状をした情報キャリヤ(25)の領域において、外側生地層又は内側生地層(16,19)がスリット形状をした開口部を有し、その内部にテープ形状をした情報キャリヤ(25)が挿入されていることを特徴とする、請求項1に記載のブラジャー。
【請求項3】
テープ形状をした情報キャリヤ(25)が隠れた縫い目によって外側生地層又は内側生地層(16,19)に取り付けられ、スリット形状をした開口部を形成する外側生地層又は内側生地層(16,19)の長軸縁は、折られ且つ、めくれ(23,24)の領域においてのみテープ形状をした情報キャリヤ(25)に縫い付けられることを特徴とする、請求項2に記載のブラジャー。
【請求項4】
テープ形状をした情報キャリヤ(25)が弾性を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項5】
テープ形状をした情報キャリヤ(25)が、サイドパネル(7)の上部弾性テープ又は下部弾性テープ(14,19)によって形成されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項6】
テープ形状をした情報キャリヤ(25)が、サイドパネル(7)の内側、即ちブラジャー(1)装着者に面している側に配置されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項7】
テープ形状をした情報キャリヤ(25)が、サイドパネル(7)の下部に配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項8】
更に、テープ形状をした情報キャリヤ(25)がフロント部(2)の下部縁に沿って延びることを特徴とする、請求項7に記載のブラジャー。
【請求項9】
外側生地層及び内側生地層(16,17)がワンピースで作られており、かつ、上部テープ(14)及び/又は下部テープ(19)の長軸縁(11,12)で折られていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項10】
外側生地層(16)及び/又は内側生地層(17)が、上部弾性テープ(14)及び/又は下部弾性テープ(19)で固定されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項11】
テープ形状をした情報キャリヤ(25)には、取付物(27)、特に印刷された文字、刺繍などが設けられていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のブラジャー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−274528(P2008−274528A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−111315(P2008−111315)
【出願日】平成20年4月22日(2008.4.22)
【出願人】(508123319)トリンフ インタートレード アーゲー (16)
【Fターム(参考)】