説明

ブラジャー

【課題】
従来のブラジャーを装着快適さ及び全体的な外観に関して改良することを課題とする。
【解決手段】
二つのブラカップ(3)を含むフロント部(2)及び、ブラジャー装着者の上半身を取り囲んでいる二つのサイドパネル(7)から構成され、サイドパネルの第一末端はフロント部(2)へ側面から取り付けられ、サイドパネルの第二末端は装着者の背中で互いに留められ得るブラジャーにおいて、各サイドパネル(7)は、すなわち体に面していない外側層(16)と体に面している内側層(7)との二層の生地材料から構成され、それらはサイドパネルの上部縁及び下部縁(11,12)の両方において接着層によって互いに接合されていることを特徴とするブラジャーによって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
請求項1のプレアンブル部に係るブラジャーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種類のブラジャーは公知であり、世界中で多くのバリエーションが入手可能である。それらは、広く様々な形状が提供され、中央ストリップによって互いに接合される、二つのブラカップから主に構成されるフロント部を有している。フロント部の各外側側面縁と結合しているのはサイドパネルであって、その自由末端はブラジャーを装着している者の背中において背部閉鎖装置によって留められる。サイドパネルはフロント部に縫い付けられ得る、またはワンピースであり得る。かかるブラジャーの主な機能は、胸の重みを支え、胸の形を作ることでもあるために、サポートテープの形態をした肩紐が典型的に備えられており、ブラカップと背部側サイドパネルとを接合している。勿論、そのようなブラジャーには高い装着快適さに加え、外観を引き立てることが期待されている。
【0003】
その事実に加えて、一般的にこの種類のブラジャーは多数の部品から構成されており、それらは縫い目によって相互に接合されており、最も頻繁にはジグザグ縫いによって付けられた、それらの縁に沿ったサポートバンド、縁飾り、装飾リボンを有している、というのは特にサイドパネルが弾性材料によってしばしば作られているからである。しかしながら実用において、一方ではこれら縫い目が外側の衣服にあたって目立ち得、総合的な外観を損なう。更に、縫い目によって特定の場所に固定されたこれらテープは、ブラジャーを装着している者の皮膚と直接接触して、特に敏感肌を有する人々に皮膚刺激をもたらし得、従って装着快適さに反する(負の)影響を及ぼす。このことは、サイドパネルの範囲の縫い目に対して特に該当する、というのは良く合ったブラジャーはサイドパネルの適切な締め付けを必要とし、それによってサイドパネルはブラジャーを装着している者の上半身に抗して押し付けられるからである。
【0004】
しばしば、皮膚刺激は最も頻繁には、ブラジャーの外観を理由としてサイドパネルの内側に配置された、弾性力を補強するネット様挿入物によっても引き起こされる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この背景を考慮して、本発明の課題は従来のブラジャーを装着快適さ及び外観に関して改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は請求項1の特徴を有するブラジャーによって達成される。利益となる実施形態は従属請求項に存在する。
【0007】
本発明は二層に重ねられたサイドパネルを有するブラジャーをデザインするという着想に基づいており、二つの層は上部縁及び下部縁の外縁において、内部の平面接合剤、特に接着層によって互いに接合されるのみである。サイドパネルの両外側表面、即ち、可視の外側並びに体に面している内側が、いかなる縫い目もない生地材料によって作られるということによって、本発明のブラジャーは最も魅力的な外観を達成するだけでなく、内側でのいかなる縫い目と肌との接触を防ぐ。このようにして、装着快適さが著しく改善され、敏感肌に対してすら、いかなる種類の皮膚刺激の恐怖をも排除する。このことは、例えば弾性ネット様材料で作られた補強挿入物が、ブラジャーの形状特性を改良するために二層の材料の間に配置されたとしても、特に当てはまる。また本発明は、肩紐のサポートテープがその概念設計に含まれることを可能にした。これは、各サポートテープが、サイドパネルの上部縁の領域において対応している開口部から二層間の空間内に挿入されるような単純な方法で行われる。
【0008】
本発明の更なる特徴及びそこから得られた利点は、以下の記載及び図中に記載された実施形態から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1において、本発明に係るブラジャー1が正面図で表されている。ブラジャー1は、胸を収容するための二つのブラカップ3を有する一つのフロント部2を含む。ブラカップ3は従来のデザインで作られ得る、つまり例えば、外側及び内側の両方において生地材料によって覆われた、発泡ゴム核を有することができる。二つのブラカップは、本実施形態では概ね台形をした中央部品4によって互いに接合される。
【0010】
ブラカップ3の下部縁に沿って、必要に応じて各々アンダーワイヤを収容し得る小さな溝5が示されている。反対側の、ブラカップ3の上部縁は制限がなく、かつ、その取付部品(図示せず)によって、二つの肩紐10の前端を固定するための取付点をもたらす。
【0011】
ブラカップ3の側面縁6の各々に取り付けられているのはサイドパネル7であって、その自由末端において、左側のサイドパネル7には図のようにフックバンド8が備えられ、一方で反対側のサイドパネル7にはアイレット9が備えられている。フックバンド8及びアイレット9は一緒になって、公知のように、背部封鎖装置をもたらす。また、サイドパネル7は、下部縁11及び上部縁12によって定義される。
【0012】
一方でサイドパネル7のより詳細なデザインは図2及び5に記載され、他方で図6〜9は肩紐をサイドパネルに取り付けるための様々な実施形態を表す。
【0013】
図2は概略図で本発明ブラジャーのサイドパネル7の外側図を表している一方で、図4はそれに相当する内側図を表している。図3に表された、特に図2に係る線III〜IIIに沿った断面において、全サイドパネル7がどのような生地材料の一つの単一ブランク切片であるのか、それによってサイドパネルの上部縁12が一回折り込むことによってどのように形成され、一方で、下部縁11が折り返し13を作るために折ることによってどのように形成されるのかが理解され得る。側面縁に関して、前縁14がブラカップ3の側面縁6に取り付けられるようにデザインされ、一つのサイドパネルの背後縁15はフックバンド8を取り付けるために使われ、その相手側の片方はアイレット9を取り付けるために使われる。
【0014】
図3に係るサイドパネル7の断面から、サイドパネル7を形成している生地材料の外側層16と内側層17との間に、補強挿入物18が備えられているのが特に明らかである。この補強挿入物18は、弾性材料のネット様構造物で有益に作られている。
【0015】
サイドパネル7を形成するための、個々の部品の組立ては、補強挿入物18をサイドパネル7の内側層17の上部縁12における特定の場所内に固定する接着テープ19、並びに、折り返し縁13をサイドパネル7の内側層17に抗した下部縁11における特定の場所内に固定する更なる接着テープ19を用いることによって有利に行われる。補強挿入物18は、下部縁11の領域においては取り付けられない。
【0016】
図2〜図5にも、肩紐10のサポートテープがサイドパネル7の上部縁12にどのようにして取り付けられるのかが示されている。肩紐10は開口部21(図5)を通って外側層16と内側層17との間の空間内にこのようにして挿入され、そこで適切な接合剤、例えば接着剤又は溶接された継ぎ目22によって固定される。肩紐10の内側端23は、固定継ぎ目22のちょうど下で終了している。
【0017】
図6〜図9に記載された実施形態は、サイドパネル7を形成している材料の外側層16の下部折り返し縁13が内部に向けられており、よって内側層17の材料によって覆われるという点で図2〜図5に係る実施形態とは異なっている。これは基本的に図7中に記載されている。図7中で、上部縁12の領域において材料の内側生地層17に同様に接着テープ19によって取り付けられている補強挿入物18が、どのようにして下部縁11の領域へ延びて折り返し縁13と内側生地層17との間の空間内へ入るのか、そしてそこで、折り返し縁13を内側生地層17の内部表面と接合する接着テープ20によってそれがどのようにして特定の場所に固定されるのかということも理解され得る。
【0018】
図6〜図9中には、肩紐10が、上部縁12における入口から下部縁11まで、どのようにしてサイドパネル7の二つの層16と17との間をガイドされるのかも記載している。この実施形態において、肩紐10は固定点12における上部縁12の領域だけでなく、固定点24における下部縁11の領域においても特定の場所に固定される。
【0019】
布片を特定の場所に固定するために用いられる接着テープ19及び/又は20には実際上、感熱性接着剤が備えられる。次に、接着テープ19及び/又は20は単純に接合されるべき布片の間に置かれ、圧力及び/又は熱を加えることによって当該部品間の強力な接合が成し遂げられ得る。当然、接着テープを用いる代わりに、圧力及び/又は熱を加えることによって同様に作用し得る適切な接合剤を、接合されるべき表面に塗布することも可能である。これら要求を満たす接合剤は公知である。
【0020】
本発明は、図に記載された代表的な実施形態に制限されず、特許請求項の課題及び目的に応じた実施形態も含む。例えば、「ブラジャー」という用語は、ビキニトップ及び水着を含む、組み込まれた胸支持具による女性の肌に直に触れる全ての衣料を含む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のブラジャーの正面図である。
【図2】本発明第一実施形態のサイドパネル外側図の概略図である。
【図3】図2の線III〜IIIに沿った断面図である。
【図4】図2のサイドパネル内側図の概略図である。
【図5】サポートテープの取付領域におけるサイドパネルの斜視図を詳細に表したものである。
【図6】本発明第二実施形態のサイドパネル外側図の概略図である。
【図7】図6の線VII〜VIIに沿った断面図である。
【図8】図6のサイドパネルの内側図の概略図である。
【図9】サポートテープ取付領域におけるサイドパネルの斜視図を詳細に表したものである。
【符号の説明】
【0022】
1 ブラジャー
2 フロント部
3 ブラカップ
4 中央部品
5 溝
6 側面縁
7 サイドパネル
8 フックバンド
9 アイレット
10 紐
11 下部縁サイドパネル
12 上部縁サイドパネル
13 折り返し縁
14 前縁
15 背後縁
16 外側層
17 内側層
18 補強挿入物
19 接着テープ
20 接着テープ
21 開口部
22 接着/溶接された継ぎ目、固定点
23 (肩紐10の)内側端
24 固定点


【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つのブラカップ(3)を含むフロント部(2)、及び
ブラジャー装着者の上半身を取り囲んでいる二つのサイドパネル(7)から構成され、
サイドパネルの第一末端はフロント部(2)に側面から取り付けられ、かつ、サイドパネルの第二末端は装着者の背中で互いに留められ得るブラジャーにおいて、
各サイドパネル(7)は、すなわち体に面していない外側層(16)と体に面している内側層(17)との二層の生地材料から成り、それらはサイドパネルの上部縁及び下部縁(11,12)の両方で接着層によって互いに接合されることを特徴とする、ブラジャー。
【請求項2】
サイドパネル(7)は各々材料ブランクから構成され、かつ、材料ブランクを折り込むことによって二重層の特徴が成し遂げられ、その結果、折り込みによって作られた縁がサイドパネル(7)の上部縁(12)を形成し、一方で反対側の、材料ブランクの自由末端同士は互いに接合されてサイドパネル(7)の下部縁(11)を形成することを特徴とする請求項1に記載のブラジャー。
【請求項3】
サイドパネル(7)の二つの層(16,17)の間に、少なくともサイドパネルの上部縁(12)の領域においてサイドパネル(7)と接合される補強挿入物(18)が配置されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のブラジャー。
【請求項4】
補強挿入物(18)がネット様弾性材料から作られていることを特徴とする、請求項3に記載のブラジャー。
【請求項5】
下部縁(11)において、サイドパネル(7)の外側層(16)材料が、内側層(17)の自由末端を包んで折り込まれ、且つ折り返し縁(13)の領域において内側層に接合されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項6】
サイドパネル(7)の外側層(16)材料が、下部縁(11)において内側へ折り込まれ、且つ折り返し縁(13)の領域において、内側層(17)材料の内部表面へ接合されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項7】
補強挿入物(18)が折り返し縁(13)と内側層(17)材料の内部表面との間に配置され、かつそれとともに接合されることを特徴とする、請求項6に記載のブラジャー。
【請求項8】
ブラジャー(1)は、ブラカップ(3)からサイドパネル(7)の背後領域まで延びるサポートテープの形状をした二つの肩紐(10)を有し、肩紐(10)のサポートテープは、各サイドパネル(7)の二つの層(16,17)の間に挿入され、且つそこに取り付けられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項9】
肩紐(10)の各サポートテープは、各サイドパネル(7)の上部縁(12)において、サイドパネル(7)の二つの層(16,17)の間の開口部(21)を通って挿入され、且つそこに取り付けられることを特徴とする、請求項8に記載のブラジャー。
【請求項10】
肩紐(10)のサポートテープは、各サイドパネル(7)の二つの層(16,17)間にサイドパネルの下部縁(11)に到達するまでずっと挿入され、且つサイドパネルの上部縁(12)領域及び下部縁(11)領域の両方においてサイドパネル(7)に接合されることを特徴とする、請求項9に記載のブラジャー。
【請求項11】
接着層が、圧力及び/又は熱を加えることによって作用し得る感熱性材料で作られていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載のブラジャー。
【請求項12】
接着層が、サイドパネル(7)を形成している材料ブランクの外縁領域に、例えば噴霧、圧延、又は加圧処理によって直接つけられることを特徴とする、請求項11に記載のブラジャー。
【請求項13】
部品を相互に接合するために、接合されるべき生地材料片間に置かれる接着テープ(19及び/又は20)に接着層がつけられることを特徴とする、請求項11に記載のブラジャー。
【請求項14】
接着テープ(19,20)が弾性を有することを特徴とする、請求項13に記載のブラジャー。
【請求項15】
接着層がポリウレタン、ポリオレフィン、又は熱可塑性エラストマーから作られていることを特徴とする、請求項8〜14のいずれか一項に記載のブラジャー。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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