説明

ブラジャー

【課題】長期間に渡る使用及び複数回洗濯した後でも最適なバストを獲得するための所望の支持特性及び補整特性が失われないブラジャーをもたらすこと。
【解決手段】本発明は、2つのカップ部(3)を含む前面部(2)、背面接続部(12)により互いに接続可能な2つのサイド部(11)、及び、カップ部の上方の側縁からサイド部(11)の背後領域へのびる2つの肩紐、を有するブラジャーに関している。その際カップ部(3)は特にその下部領域及び/または側面部領域で補強されている。本発明に従い、カップ部(3)を補強するために、その側面部領域に少なくとも1つのスティック状の支持要素(21、23)が配設され、上記支持要素はカップ部(3)の側下縁(8)から斜めに上方へカップ部(3)の上縁(15)にある肩紐(13)の付け根部(14)に隣接するポイント(22)へのびることが想定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、2つのカップ部を含む前面部、背面接続で互いに接続可能な2つのサイド部、及び、カップ部の上方側縁からサイド部の背後領域へのびる2つの肩紐を有するブラジャーに関している。
【背景技術】
【0002】
女性のバストを支持及び補整するためのブラジャーは一般に知られており、世界中に多様なヴァリエーションで広まった。それらは通常前面部からなる構成を有し、上記前面部は基本的に2つのカップ部を含む。上記2つのカップ部は様々なヴァリエーションに形成可能で、中央部(Mittelsteg)を介して互いに接続されている。前面部外側の側縁にそれぞれサイド部がつながる。それらの自由端はブラジャー着用者の背後領域で背面接続により互いに接続可能である。そのようなブラジャーは基本的な機能として、バストを保持及び支持するだけではなく、バストの補整にも適しているので、それらはカップ部を肩越しにサイド部の背後領域と接続するストラップの形状の肩紐とともに設けられる。
【0003】
バストの魅力的な補整を考慮してブラジャーは使用され、その場合カップ部には特にその下部領域には、小さいバストを持ち上げそしてそれにより豊かに見せるため、パットが入れられる。その種のブラジャーは「プッシュアップブラ(寄せ上げブラ)」という名称で既知であり、また、取引されている。この関係でカップ部の下部領域にポケットを配することも知られている。上記ポケットへクッション形状の補強パットを必要に応じて入れることが出来る。
【0004】
横方向へ腕へ向かい外側へ下がる傾向のある標準的又は豊かなバストを補整するために、とりわけこれらの範囲で補整パットにより補強されているブラジャーが知られている。この補強のために非伸縮性の織物材料が用いられる場合、それらの材料は大抵比較的厚く、それゆえ非常に着ぶくれする、また、それにも関わらずそれらは複数回洗濯した後には既にその形状を失う傾向にある。この補強のために、通常のポリエステル材料製の平面的な部分(Zuschnitt)が利用される場合、この材料は頻繁に、折り曲がり難く過ぎる、又、折り曲がり易過ぎるように思われる。ナイロンからなる部分はかなり柔らかく、それは曲げられるとその元の形状には戻らない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この背景に対し本発明の課題は、長期間に渡り使用した場合及び頻繁に洗濯した場合でも、最適なバストを獲得するための所望の支持特性及び補整特性を失わないブラジャーをもたらすことに基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、本発明にしたがって、請求項1、5及び7の特徴を有するブラジャーによって解決される。有利な更なる形態は従属請求項から与えられる。
【0007】
カップ部の下部領域及び側面部領域に設けられる、バストを支持及び補整するための手段が、一方ではスティック状の支持要素から構成されており、もう一方では平面的支持要素から構成されていることは、本発明にとって本質的である。上記支持要素はカップ部の材料に接合されている、若しくはそこへ組み込まれている。本発明に従い、スティック状の支持要素及び平面的支持要素を、適用範囲に応じて最適な作用を達成するために、その都度単独で用いることも、また同様に、組み合わせて用いることも出来る。
【0008】
スティック状の支持要素のために、例えばブラジャー用の補強ワイヤー製の材料、又は、コルセットを補強するために既知である材料を利用出来るのに対し、平面的支持要素は特に、ポリエステルの一種であるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)製の繊維からなる材料より構成される。上記繊維は編織によってではなく、合成樹脂或いはその他の接着剤からの被覆を手段とする貼り合わせによって、平面形状をもたらされている。登録商標「ソロテックス」として知られるこの材料は、熱処理によって特定の形状をもたらされ、その形状は多数回洗濯をした後でも変形することなく保たれる。
【0009】
本発明は以下、図を用いて詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1には、本発明に従うブラジャー1の前面図が示される。ブラジャー1は、バストを収めるための2つのカップ部3を持つ前面部2を有する。カップ部3は中央部4によって互いに接続されている。上記カップ部の構造は以下に記載される。
【0011】
カップ部3の、おおよそバストの付け根部(Brustansatz)に続いて延びる下縁5に、既知の方法で、管6に補強ワイヤーを配設出来る。管6はカップ部3に接合されている、例えば縫い付けられている。
【0012】
カップ部3の下側の、ブラジャー1の前面下側の領域では、前面部2は土台部(Steg)7によりつながれ、上記土台部はカップ部3の側縁8で付け根部部位9へ移行し、接続縫い目10でサイド部11が上記付け根部部位へ隣接されている。サイド部11の後側の端部には、特にホック及びアイからなる、背面接続部12が形成されている。
【0013】
本発明に従うブラジャー3はさらに、カップ部3の上縁15付近の前方のストラップの付け根部14から、サイド部11の後側の端部付近の背面のストラップの付け根部16へ達する、肩紐13を有する。
【0014】
図1に従うブラジャーの前面図では、側面の平面的支持要素17を認識出来る。上記支持要素はカップ部3の下縁5から、その側縁8を介して、前方のストラップの付け根部部14まで広がる。この側面の平面的な支持要素17は、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)製の繊維からなる材料から構成される。上記材料は登録商標「ソロテックス」として既知である。この材料の場合、繊維は編織によって平面形状をもたらされているのではなく、合成樹脂或いはその他の接着剤からの被覆を手段とする貼り合わせによって平面形状をもたらされている。ソロシート(Solo sheet)と呼ばれるこの材料は熱の適用によって特定の空間形状をもたらされ、それは多数回洗濯した後でも変形することなく保たれる。
【0015】
従ってこの支持要素17は、カップ部3の側縁8でのその形状及びその配置により特別に適しているだけでなく、長期間に渡るバストの所望の持ち上げ及び支持を保証するのに適している。
【0016】
図1が本発明に従うブラジャー3の前面図を示すのに対して、図2はいわば着用者の体側から内側を見た図を示す。ここでも、前面部2、カップ部3、中央部4、並びに、サイド部11及び肩紐13が見られる。上記肩紐は前方のストラップの付け根部14から後方のストラップの付け根部16へ延びる。
【0017】
図2では更にブラジャー1を、土台部7に沿う前面部2の下部領域で、場合によっては弾性バンド18によりどのように強化出来るかを認識できる。上記弾性バンドはサイド部11の内側まで達する。ここで再び、カップ部3の外側の側面の付け根部部位9とサイド部11の間の接続縫い目10を認識することが出来る。上記接続縫い目もその形態に応じてブラジャー1のこの範囲の補強を導くことが出来る。
【0018】
その基本範囲で綿フリース製例えば「ファイバーフィル」製の単独部分から構成されるカップ部3自体が立体的な形状を作り出すための縫い目19、20を有する一方で、ここではカップ部3の外側側部領域のように、スティック状の支持要素を配設することも出来ることが認識出来る。図2にはその種のスティック状の支持要素が示される。上記支持要素は、カップ部3の側縁8の下部領域から、前方のストラップの付け根部14が隣接するカップ部の上縁15のポイント22へ延びる。このスティック状の支持要素21に、それに対して斜めに延び且つ破線で示される更なる支持要素23を割り当てることができ、ブラジャー1又はカップ部3の大きさに応じて、また3つのその様なスティック状の支持要素を設けることも出来る。これらのスティック状の支持要素17は合理的な方法では、管状のポケットに囲まれる。上記ポケットは補強ワイヤーのための管6と類似して、カップ部3の材料に縫い付けられる。
【0019】
図1及び図2によりここでは、平面的支持要素17だけでなくスティック状の支持要素21が組み合わせて配されているブラジャーの実施例が記載された。しかし本発明にしたがい、所望の補整特性に応じて、平面的支持要素17またはスティック状の支持要素21のみを設けることも常に可能である。
【0020】
本発明のためには配置だけではなく、とりわけ側面の平面的支持要素17に何が関係するかという、材料の選択も重要であり、それはこれらの支持要素により達成される本発明に従うブラジャーの補整特性が可能な限り長くそしてまた多数回洗濯をした後でも保たれ続けるように選定されている。平面的支持要素17の場合と同様にスティック状の支持要素21及び23の場合も、外側に向かってあらわでなくてもよい構成部分或いは健康によくない方法で身体へ作用することから守られなければならない構成部分が重要であるので、これらは合理的な方法では、綿フリースからなるカップ部3の内部に配され、それらはそれらの側では外側に向かっては装飾生地によって、又、内側へ向かっては裏地によって覆われる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】前面図である。
【図2】本発明に従って形成されたブラジャーの内側の図である。
【符号の説明】
【0022】
1 ブラジャー
2 前面部
3 カップ部
4 中央部
5 カップ部の下縁
6 補強ワイヤー用の管
7 土台部
8 下縁
9 付け根部部位
10 接続縫い目
11 サイド部
12 背面接続部
13 肩紐
14 付け根部
15 上縁
16 付け根部
17 平面支持要素
18 弾性バンド
19 縫い目
20 縫い目
21 スティック状の支持要素
22 ポイント
23 スティック状の支持要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つのカップ部(3)を含む前面部(2)、背面接続部(12)により互いに接続可能である2つのサイド部(11)、及び、カップ部の上方の側縁からサイド部(11)の背後領域へ達する2つの肩紐(13)を有し、その際カップ部(3)が特にその下部領域及び/または側面領域で補強されている、ブラジャー(1)において、カップ部(3)を補強するために、その側部領域に少なくとも1つのスティック状の支持要素(21、22)が配設され、上記スティック状の支持要素がほぼカップ部(3)の側下縁(8)から、斜めに上方へ、肩紐(13)の付け根部(14)に隣接する、カップ部(3)の上縁(15)のポイント(22)へ延びることを特徴とするブラジャー。
【請求項2】
請求項1に記載のブラジャーにおいて、スティック状の支持要素(21)が、カップ部(3)の材料と接合される織物材料製のポケットに配設されることを特徴とするブラジャー。
【請求項3】
請求項1又は2のいずれか一項に記載のブラジャーにおいて、スティック状の支持要素(21)が、合成物質、金属、又はそれに類するものからなるスティック状の部分から構成されることを特徴とするブラジャー。
【請求項4】
2つのカップ部(3)を含む前面部(2)、背面接続部(12)により互いに接続可能である2つのサイド部(11)、及び、カップ部の上方の側縁からサイド部(11)の背後領域へ達する2つの肩紐(13)を有し、その際カップ部(3)が特にその下部領域及び/または側面領域で補強されている、ブラジャー(1)において、カップ部(3)を補強するため、その下部及び側部領域に、カップ部(3)の下縁(5)から、その側縁(8)に沿って、肩紐(13)の付け根部(14)へ向かってのびる平面的な支持要素(17)が設けられることを特徴とするブラジャー。
【請求項5】
請求項4に記載のブラジャーにおいて、平面的な支持要素(17)が、少なくとも、カップ部(3)の下縁(5)及び側縁(8)に沿い肩紐(13)の付け根部(14)まで、カップ部(3)の材料と接合されていること、例えば縫い合わされていることを特徴とするブラジャー。
【請求項6】
請求項4又は5のいずれか一項に記載のブラジャーにおいて、平面的な支持要素(17)が、ポリエステル特にはポリトリメチレンテレフタレート(PTT)製の互いに接着された繊維又は互いに融合された繊維からなる非編織材料部分から構成されることを特徴とするブラジャー。
【請求項7】
2つのカップ部(3)を含む前面部(2)、背面接続部(12)により互いに接続可能である2つのサイド部(11)、及び、カップ部の上方の側縁からサイド部(11)の背後領域へ達する2つの肩紐(13)を有し、その際カップ部(3)が特にその下部領域及び/または側面領域で補強されている、ブラジャー(1)において、カップ部(3)を補強するため、その下部及び側面領域に、少なくとも1つのスティック状の支持要素(21、22)が配設され、上記スティック状の支持要素はほぼカップ部(3)の側下縁(8)から、斜めに上方へ、肩紐(21)の付け根部(14)に隣接するカップ部(3)の上縁(15)のポイント(22)へ延びること、及び、カップ部(3)の下縁(5)から、その側縁(8)に沿って、肩紐(13)の付け根部(14)へ向かってのびる平面的な支持要素(17)が設けられることを特徴とするブラジャー。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のブラジャーにおいて、カップ部(3)がその基本的な部位では綿フリース(「ファイバーフィル」)から構成されることを特徴とするブラジャー。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のブラジャーにおいて、カップ部(3)の下縁(5)及び側縁(8)に沿って、既知の方法で、ワイヤー管(6)の中を延びる補強ワイヤーが配設されていることを特徴とするブラジャー。

【図1】
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【図2】
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