ブラジャー
【課題】カップ部と前側土台部との上下・左右方向の自由度を大きくして疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供すること。
【解決手段】左右一対のカップ部２、２と、左右のカップ部２、２を連結する前側土台部３と、前側土台部３の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部４、４と、前記カップ部２、２の上縁一部から後側バンド部４、４の途中に両端を連結された肩紐５、５とを備えたブラジャー１であって、左右のカップ部２、２の下側と前側土台部３との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地６、６を介在させて前記カップ部２、２と前側土台部３とが接続してある。
【解決手段】左右一対のカップ部２、２と、左右のカップ部２、２を連結する前側土台部３と、前側土台部３の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部４、４と、前記カップ部２、２の上縁一部から後側バンド部４、４の途中に両端を連結された肩紐５、５とを備えたブラジャー１であって、左右のカップ部２、２の下側と前側土台部３との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地６、６を介在させて前記カップ部２、２と前側土台部３とが接続してある。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、着用中の疲れを軽減できるようにしたブラジャーに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ブラジャーは、バストの補整や保護等のために着用されるが、補整機能を強調した製品は、着用中の締付圧を高く設定されているため、バストの下部や脇部、背中、肩等に圧迫感が発生し、血流を阻害したり痛みを伴うなどの悪影響があり、疲れを助長する場合があった。
従来、後側バンド部を高伸縮性生地で構成して脇部への圧迫感を解消するようにしたブラジャー（例えば、特許文献１参照）や、肩紐及び後側バンド部を高伸縮性生地で構成して肩部及び脇部への圧迫感を解消するようにしたブラジャー（例えば、特許文献２参照）が提案されている。
【０００３】
また、ワイヤーをバストの下部から脇部に対してバストの基底ラインより内側に配置し、このワイヤーとバストの基底ラインとの間（バストの下部から脇部の略三角形の側部領域）に伸縮性生地を配置して、バストを前に押し出す補整機能を発揮させつつ、バストの脇部にワイヤーが強く当たって痛みが発生することを防止するようにしたカップワイヤー付きブラジャー（例えば、特許文献３参照）も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平９−１３７３０６号公報
【特許文献２】特開平１１−１８０３号公報
【特許文献３】特開平１１−３２３６１４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前記従来のものは、カップ部が前側土台部に直接的に一体状態で縫着されており、このカップ部の上縁一部を肩紐で後側バンド部に連結して着用者の肩部にバストの重量を負担させるようにしているため、後側バンド部によって着用者のバスト下部に密着状態で装着されている前側土台部に対するカップ部の上下方向及び左右方向の自由度が乏しい構成となっていた。
【０００６】
そのため、着用者の動作、例えば、上下方向及び左右方向並びにこれらの複合方向への動作時に肩紐を通して着用者の肩部に強い圧迫力がかかり、疲れを助長し易いという問題点があった。
また、上記肩部への圧迫力は、バスト下部や脇部、背中にも波及し、これらの部分の血流を阻害したり、圧迫痕を残す等の弊害があった。
【０００７】
さらに、従来の肩紐は、スパンテープ等の伸縮性テープを１本だけ使用しており、肩紐に付与された伸縮性が紐幅方向で一連一体となり、実際に肩紐に負荷されるバスト支持力分布の差に対応したものとはなっておらず、例えば、肩紐の幅方向の一端では負荷が大きく、他端では小さいというような場合、負荷の大きい側では肩紐が緊張して着用者の肩部に密着するが、負荷の小さい側では肩紐が弛んで肩部から浮き上がった状態となり、肩紐全体でみると、バストからの負荷が大きい側に片寄って作用することになり、疲れを増し易く、圧迫痕ができ易い等の問題点もあった。
【０００８】
なお、広幅の伸縮性テープを使用する場合でも、それを１本だけ使用するものであったため、上記問題点は解消されていない。また、広幅の生地を使用したものも提案されているが、この場合でも、伸縮性テープを肩紐の構成生地の幅方向中央部か、一側に片寄せて取り付けているに過ぎず、これでは、前記問題点の解決策とはなっていない。
本発明は、従来のブラジャーの前記問題点に鑑みて開発されたもので、カップ部と前側土台部との上下・左右方向の自由度を大きくして疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記目的を達成するために本発明は、左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する前側土台部と、前側土台部の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部と、前記カップ部の上縁一部から後側バンド部の途中に両端を連結された肩紐とを備えたブラジャーであって、左右のカップ部の下側と前側土台部との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地を介在させて前記カップ部と前側土台部とが接続してあり、前記後側バンド部には、ＪＩＳで規定するアンダーバストの１サイズ差以下の長さを調節するフックが設けられている。そして、１つのブラジャーを着用する、第１の着用者、前記第１の着用者とＪＩＳで規定するカップサイズが同じでアンダーバストが１サイズ大きい第２の着用者および前記第１の着用者とアンダーバストが同じでカップサイズが１サイズ大きい第３の着用者について、後側バンド長の最も短くなるフック位置で着用した第１の着用者、後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した第２の着用者、それらの中間の後側バンド長となるフック位置で着用した第３の着用者の、カップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とする。また、一人の着用者が、後側バンド長が最も短くなるフック位置で着用した場合および後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した場合におけるカップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とする。
【００１０】
この構成によれば、カップ部と前側土台部との間が、上下方向及び左右方向に伸縮自在となるため、肩紐によってカップ部を通してバスト保形効果を保持させながら前側土台部に対するバストの上下方向の自由度をアップすることができ、また、後側バンド部による左右方向の引っ張り力がカップ部を通してバストに強くかかることを緩和させることができ、肩部、カップ下部、脇部への圧迫感を軽減することができる。そして、前記メッシュ生地を設けることによって、カップ下の通気性が向上し、ムレ防止が図れる。
【００１１】
また、前記肩紐は、幅広とされた伸縮性生地と、この伸縮性生地の幅方向両側に肩紐の長手方向に沿って独立して伸縮動作可能に設けられた２本の伸縮性テープとで構成されていることを特徴としている。
この構成によれば、肩紐の紐幅方向で別々に独立した伸縮性を付与することができるため、バストからの引っ張り力の分布に対応した状態でバストからの荷重を着用者の肩部に幅広く分散させて支持させることができ、血流の阻害や圧迫痕等の悪影響を軽減して疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【００１２】
さらに、前記前側土台部の表側布は伸縮性生地で構成され、その裏面には非伸縮性生地からなる裏側布が縫着され、前記後側バンド部は、前側土台部の表側布と同じ伸縮性生地が使用され、この伸縮性生地の上下縁に後側バンド部の長手方向に沿って伸縮性テープが設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、前側土台部が非伸縮性生地で裏打ちされて非伸縮性とされていることによって、バストの保持及び補整機能を確保させることができ、また、後側バンド部に前側土台部の表側布と同じ伸縮性生地を使用していることによって、前側土台部と後側バンド部とを同じ生地構成として外観上の違和感をなくし、しかも、後側バンド部の上下縁
に沿って伸縮性テープを設けてあることによって、後側バンド部の締付力を補助させることができると共に、動作時の位置ズレやめくれ上がりを防止させることができ、着用者の背中や脇部の血流の阻害や圧迫痕等の悪影響を軽減して疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、カップ部と前側土台部との上下・左右方向の自由度を大きくして疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係るブラジャーの概略構成を示す正面図である。
【図２】カップ部と前側土台部の概略断面図である。
【図３】後側バンド部の概略断面図である。
【図４】肩紐の概略断面図である。
【図５】本発明の実施例品の着用圧データを示すグラフである。
【図６】本発明の実施例品の別の条件での着用圧データを示すグラフである。
【図７】本発明の実施例品のさらに別の条件での着用圧データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明に係るブラジャーの概略構成を示す正面図、図２はカップ部と前側土台部の概略断面図、図３は後側バンド部の概略断面図、図４は肩紐の概略断面図、図５〜図７は本発明の実施例品の着用圧データを示すグラフである。
本発明のブラジャー１は、図１に示すように、左右一対のカップ部２、２と、左右のカップ部２、２を連結する前側土台部３と、前側土台部３の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部４、４と、前記カップ部２、２の上縁一部から後側バンド部４、４の途中に両端を連結された肩紐５、５とを備えている。
【００１６】
カップ部２、２は、左右対称な碗形状とされ、パッド２ａと、レース地その他の装飾性表生地２ｂとが縫着等によって接合されている。パッド２ａは、例えば、不織布を主体として、その表面（外面）に綿天竺生地が、裏面（内面：肌側）にトリコット生地が接合一体化されたものが使用されている。
前側土台部３は、図２に示すように、表側布３ａと裏側布３ｂとで構成され、表側布３ａが、例えば、１０〜５０デニールのポリウレタン系弾性繊維糸と２０〜１２０デニールのナイロン糸とで交編したツーウェイトリコット生地等の伸縮性生地で構成され、裏側布３ｂは、マーキゼット等の非伸縮性生地が使用され、これらの上縁に沿ってハーフトリコットテープ生地３ｃが縫着され、下縁に沿ってスパンテープ等の伸縮性テープ生地３ｄが縫着されている。
【００１７】
そして、左右のカップ部２、２の下側と前側土台部３との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地６、６を介在させて前記カップ部２と前側土台部３とが接続されている（図１、図２参照）。
後側バンド部４、４は、図１、図３に示すように、前側土台部３の表側布３ａと同じ伸縮性生地が使用され、この伸縮性生地の上下縁に後側バンド部４、４の長手方向に沿ってスパンテープ等の伸縮性テープ７、７が縫着されている。
【００１８】
肩紐５、５は、前記前側土台部３の表側布３ａと同じ伸縮性生地５ａが使用され、この生地５ａが、図１、図４に示すように、幅広に折り畳まれ、その幅方向両側に肩紐５、５の長手方向に沿ってスパンテープ等の伸縮性テープ８、８が、一方は伸縮性生地５ａ内に包み込み状態で、他方は伸縮性生地５ａ上に重ね合わせて縫着されている。これによって
、２本の伸縮テープ８、８がツーウェイトリコット生地という高い伸縮性をもつ生地５ａに一体的に縫着されており、しかも、それぞれの伸縮テープ８、８が伸縮性生地５ａの幅方向の両側である程度の範囲内で互いに独立して伸縮動作可能に縫着されていることになり、従来の肩紐と同程度の伸度を保持させつつ従来の伸縮テープ１本方式では得られない独特の伸縮特性を備えた肩紐５、５が構成されている。上記伸縮性テープ８、８は、同じ幅（例えば、１０ｍｍ）とされ、或いは、別幅でもよいが、それらの内側端部が重なり合わない程度に伸縮性生地５ａに縫着される。この構成とされる肩紐５、５の適用範囲は、全長に亘っていてもよいが、少なくとも、カップ部２、２の上端から肩掛け部分までの範囲であればよい。
【００１９】
本発明の実施形態の構成は、以上からなり、次に、その機能について説明する。
本発明のブラジャー１は、左右一対のカップ部２、２と、左右のカップ部２、２を連結する前側土台部３と、前側土台部３の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部４、４と、前記カップ部２、２の上縁一部から後側バンド部４、４の途中に両端を連結された肩紐５、５とを備え、左右のカップ部２、２の下側と前側土台部３との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地６、６を介在させて前記カップ部２、２と前側土台部３とが接続してある。
【００２０】
この構成によれば、カップ部２、２と前側土台部３との間が、上下方向及び左右方向に伸縮自在となるため、肩紐５、５によってカップ部２、２を通してバスト保形効果を保持させながら前側土台部３に対するバストの上下方向の自由度をアップすることができ、また、後側バンド部４、４による左右方向の引っ張り力がカップ部２、２を通してバストに強くかかることを緩和させることができる。そのため、本発明のブラジャー１は、着用時において、肩部、カップ下部や脇部への圧迫感を軽減することができる。そして、前記メッシュ生地６、６によって、カップ下の通気性が向上し、ムレ防止を図ることができる。
【００２１】
また、本発明のブラジャー１は、肩紐５が幅広とされ、その幅方向両側に肩紐５の長手方向に沿って伸縮性テープ８、８が設けられていることによって、肩紐５、５の紐幅方向で別々に独立した伸縮性を付与することができるため、バストからの引っ張り力の分布に対応した状態でバストからの荷重を着用者の肩部に幅広く分散させて支持させることができ、血流の阻害や圧迫痕等の悪影響を軽減して疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【００２２】
さらに、本発明のブラジャー１は、前側土台部３の表側布３ａが伸縮性生地で構成され、その裏面には非伸縮性生地からなる裏側布３ｂが縫着されていることによって、前側土台部３が非伸縮性となってバストの保持及び補整機能を確保させることができる。また、本発明のブラジャー１は、後側バンド部４、４に前側土台部３の表側布３ａと同じ伸縮性生地が使用されていることによって、前側土台部３と後側バンド部４、４とが同じ生地構成とされて外観上の違和感が除去される。しかも、本発明のブラジャー１は、前記生地構成とし、この後側バンド部４、４の上下縁に沿って伸縮性テープ７、７が設けられていることによって、後側バンド部４、４の伸縮性を良くしつつ締付力を補助させることができ、しかも、動作時の位置ズレやめくれ上がりを防止させることができる。従って、本発明のブラジャー１によれば、着用者の背中や脇部の血流の阻害や圧迫痕等の悪影響が軽減され、疲れない楽な着用感が得られる。
【００２３】
図５〜図７は本発明の実施例品の着用圧データを示すグラフであって、次にこれを説明する。
本発明の実施例品は、Ｍサイズのブラジャーとして作成され、その構成は、前側土台部３の表側布３ａ、後側バンド部４、４及び肩紐５、５が、旭化成社製のツーウェイトリコット生地（ナイロン８５％、ポリウレタン１５％）で構成され、前側土台部３の裏側布３
ｂがマーキゼットで構成され、後側バンド部４、４の伸縮性テープ７、７及び肩紐５、５の伸縮性テープ８、８が、アゴック社製の伸縮性テープ（スパンテープ）で構成され、カップ部２、２のパッド２ａが不織布を主体として、その表面（外面）に綿天竺生地、裏面（内面：肌側）にトリコット生地が接合一体化されたもので構成され、表生地２ｂがレース地で構成され、後側バンド部４、４の自由端にフックが、該後側バンド部４、４の長手方向に１．４ｃｍの間隔で３段階（最小、中、最大）に長さ調節できるように取り付けられた。
【００２４】
図５は、上記構成で作成されたＭサイズのブラジャーの許容範囲のＢ７０，Ｂ７５，Ｃ７０の３サイズの着用者に着用（Ｂ７０最小、Ｂ７５最大、Ｃ７０中の条件で着用）させた場合の、肩頂点、カップ周り下、カップ下、脇、背中の着用圧を測定した結果の着用圧データであって、縦軸に着用圧をｈＰａで、横軸に測定箇所を表している。なお、着用圧の測定については、エアパックによる圧力測定装置、具体的には、（株）エイエムアイ・テクノ製組込型圧力センサ「パラソル型エアパック」を用いて測定した。
【００２５】
図６及び図７は、着用者サイズがＢ７０とＢ７５の着用者にそれぞれフックの位置を３段階で変えてアンダーバスト長を、最小、中、最大（各間隔を１．４ｃｍとして前後２．８ｃｍの範囲で変化させた場合）の肩頂点、カップ周り下、カップ下、脇、背中の着用圧を測定した結果の着用圧データであって、縦軸に着用圧をｈＰａで、横軸に測定箇所を表している。測定装置は、前記と同様である。
【００２６】
これらの着用圧データから、本発明のブラジャー１は、着用者のサイズ、アンダーバスト長を変更しても、カップ周り、脇、背中等での着用圧に余り大きな差が出ず、全体的によく伸び、身体への締付感が軽減されるブラジャーが得られたことが検証された。
本発明の実施形態は以上であるが、本発明はこの実施形態にのみ制約さるものではなく、種々変形して実施してもよい。そして、本発明のブラジャーは、ワイヤレス、ワイヤ付きのいずれにも適用可能である。
【符号の説明】
【００２７】
１ ブラジャー
２ カップ部
３ 前側土台部
４ 後側バンド部
５ 肩紐
６ 伸縮性を有するメッシュ生地
７ 伸縮性テープ
８ 伸縮性テープ
【技術分野】
【０００１】
本発明は、着用中の疲れを軽減できるようにしたブラジャーに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
ブラジャーは、バストの補整や保護等のために着用されるが、補整機能を強調した製品は、着用中の締付圧を高く設定されているため、バストの下部や脇部、背中、肩等に圧迫感が発生し、血流を阻害したり痛みを伴うなどの悪影響があり、疲れを助長する場合があった。
従来、後側バンド部を高伸縮性生地で構成して脇部への圧迫感を解消するようにしたブラジャー（例えば、特許文献１参照）や、肩紐及び後側バンド部を高伸縮性生地で構成して肩部及び脇部への圧迫感を解消するようにしたブラジャー（例えば、特許文献２参照）が提案されている。
【０００３】
また、ワイヤーをバストの下部から脇部に対してバストの基底ラインより内側に配置し、このワイヤーとバストの基底ラインとの間（バストの下部から脇部の略三角形の側部領域）に伸縮性生地を配置して、バストを前に押し出す補整機能を発揮させつつ、バストの脇部にワイヤーが強く当たって痛みが発生することを防止するようにしたカップワイヤー付きブラジャー（例えば、特許文献３参照）も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
【特許文献１】特開平９−１３７３０６号公報
【特許文献２】特開平１１−１８０３号公報
【特許文献３】特開平１１−３２３６１４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前記従来のものは、カップ部が前側土台部に直接的に一体状態で縫着されており、このカップ部の上縁一部を肩紐で後側バンド部に連結して着用者の肩部にバストの重量を負担させるようにしているため、後側バンド部によって着用者のバスト下部に密着状態で装着されている前側土台部に対するカップ部の上下方向及び左右方向の自由度が乏しい構成となっていた。
【０００６】
そのため、着用者の動作、例えば、上下方向及び左右方向並びにこれらの複合方向への動作時に肩紐を通して着用者の肩部に強い圧迫力がかかり、疲れを助長し易いという問題点があった。
また、上記肩部への圧迫力は、バスト下部や脇部、背中にも波及し、これらの部分の血流を阻害したり、圧迫痕を残す等の弊害があった。
【０００７】
さらに、従来の肩紐は、スパンテープ等の伸縮性テープを１本だけ使用しており、肩紐に付与された伸縮性が紐幅方向で一連一体となり、実際に肩紐に負荷されるバスト支持力分布の差に対応したものとはなっておらず、例えば、肩紐の幅方向の一端では負荷が大きく、他端では小さいというような場合、負荷の大きい側では肩紐が緊張して着用者の肩部に密着するが、負荷の小さい側では肩紐が弛んで肩部から浮き上がった状態となり、肩紐全体でみると、バストからの負荷が大きい側に片寄って作用することになり、疲れを増し易く、圧迫痕ができ易い等の問題点もあった。
【０００８】
なお、広幅の伸縮性テープを使用する場合でも、それを１本だけ使用するものであったため、上記問題点は解消されていない。また、広幅の生地を使用したものも提案されているが、この場合でも、伸縮性テープを肩紐の構成生地の幅方向中央部か、一側に片寄せて取り付けているに過ぎず、これでは、前記問題点の解決策とはなっていない。
本発明は、従来のブラジャーの前記問題点に鑑みて開発されたもので、カップ部と前側土台部との上下・左右方向の自由度を大きくして疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
前記目的を達成するために本発明は、左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する前側土台部と、前側土台部の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部と、前記カップ部の上縁一部から後側バンド部の途中に両端を連結された肩紐とを備えたブラジャーであって、左右のカップ部の下側と前側土台部との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地を介在させて前記カップ部と前側土台部とが接続してあり、前記後側バンド部には、ＪＩＳで規定するアンダーバストの１サイズ差以下の長さを調節するフックが設けられている。そして、１つのブラジャーを着用する、第１の着用者、前記第１の着用者とＪＩＳで規定するカップサイズが同じでアンダーバストが１サイズ大きい第２の着用者および前記第１の着用者とアンダーバストが同じでカップサイズが１サイズ大きい第３の着用者について、後側バンド長の最も短くなるフック位置で着用した第１の着用者、後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した第２の着用者、それらの中間の後側バンド長となるフック位置で着用した第３の着用者の、カップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とする。また、一人の着用者が、後側バンド長が最も短くなるフック位置で着用した場合および後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した場合におけるカップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とする。
【００１０】
この構成によれば、カップ部と前側土台部との間が、上下方向及び左右方向に伸縮自在となるため、肩紐によってカップ部を通してバスト保形効果を保持させながら前側土台部に対するバストの上下方向の自由度をアップすることができ、また、後側バンド部による左右方向の引っ張り力がカップ部を通してバストに強くかかることを緩和させることができ、肩部、カップ下部、脇部への圧迫感を軽減することができる。そして、前記メッシュ生地を設けることによって、カップ下の通気性が向上し、ムレ防止が図れる。
【００１１】
また、前記肩紐は、幅広とされた伸縮性生地と、この伸縮性生地の幅方向両側に肩紐の長手方向に沿って独立して伸縮動作可能に設けられた２本の伸縮性テープとで構成されていることを特徴としている。
この構成によれば、肩紐の紐幅方向で別々に独立した伸縮性を付与することができるため、バストからの引っ張り力の分布に対応した状態でバストからの荷重を着用者の肩部に幅広く分散させて支持させることができ、血流の阻害や圧迫痕等の悪影響を軽減して疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【００１２】
さらに、前記前側土台部の表側布は伸縮性生地で構成され、その裏面には非伸縮性生地からなる裏側布が縫着され、前記後側バンド部は、前側土台部の表側布と同じ伸縮性生地が使用され、この伸縮性生地の上下縁に後側バンド部の長手方向に沿って伸縮性テープが設けられていることを特徴としている。
この構成によれば、前側土台部が非伸縮性生地で裏打ちされて非伸縮性とされていることによって、バストの保持及び補整機能を確保させることができ、また、後側バンド部に前側土台部の表側布と同じ伸縮性生地を使用していることによって、前側土台部と後側バンド部とを同じ生地構成として外観上の違和感をなくし、しかも、後側バンド部の上下縁
に沿って伸縮性テープを設けてあることによって、後側バンド部の締付力を補助させることができると共に、動作時の位置ズレやめくれ上がりを防止させることができ、着用者の背中や脇部の血流の阻害や圧迫痕等の悪影響を軽減して疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明によれば、カップ部と前側土台部との上下・左右方向の自由度を大きくして疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明に係るブラジャーの概略構成を示す正面図である。
【図２】カップ部と前側土台部の概略断面図である。
【図３】後側バンド部の概略断面図である。
【図４】肩紐の概略断面図である。
【図５】本発明の実施例品の着用圧データを示すグラフである。
【図６】本発明の実施例品の別の条件での着用圧データを示すグラフである。
【図７】本発明の実施例品のさらに別の条件での着用圧データを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【００１５】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図１は本発明に係るブラジャーの概略構成を示す正面図、図２はカップ部と前側土台部の概略断面図、図３は後側バンド部の概略断面図、図４は肩紐の概略断面図、図５〜図７は本発明の実施例品の着用圧データを示すグラフである。
本発明のブラジャー１は、図１に示すように、左右一対のカップ部２、２と、左右のカップ部２、２を連結する前側土台部３と、前側土台部３の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部４、４と、前記カップ部２、２の上縁一部から後側バンド部４、４の途中に両端を連結された肩紐５、５とを備えている。
【００１６】
カップ部２、２は、左右対称な碗形状とされ、パッド２ａと、レース地その他の装飾性表生地２ｂとが縫着等によって接合されている。パッド２ａは、例えば、不織布を主体として、その表面（外面）に綿天竺生地が、裏面（内面：肌側）にトリコット生地が接合一体化されたものが使用されている。
前側土台部３は、図２に示すように、表側布３ａと裏側布３ｂとで構成され、表側布３ａが、例えば、１０〜５０デニールのポリウレタン系弾性繊維糸と２０〜１２０デニールのナイロン糸とで交編したツーウェイトリコット生地等の伸縮性生地で構成され、裏側布３ｂは、マーキゼット等の非伸縮性生地が使用され、これらの上縁に沿ってハーフトリコットテープ生地３ｃが縫着され、下縁に沿ってスパンテープ等の伸縮性テープ生地３ｄが縫着されている。
【００１７】
そして、左右のカップ部２、２の下側と前側土台部３との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地６、６を介在させて前記カップ部２と前側土台部３とが接続されている（図１、図２参照）。
後側バンド部４、４は、図１、図３に示すように、前側土台部３の表側布３ａと同じ伸縮性生地が使用され、この伸縮性生地の上下縁に後側バンド部４、４の長手方向に沿ってスパンテープ等の伸縮性テープ７、７が縫着されている。
【００１８】
肩紐５、５は、前記前側土台部３の表側布３ａと同じ伸縮性生地５ａが使用され、この生地５ａが、図１、図４に示すように、幅広に折り畳まれ、その幅方向両側に肩紐５、５の長手方向に沿ってスパンテープ等の伸縮性テープ８、８が、一方は伸縮性生地５ａ内に包み込み状態で、他方は伸縮性生地５ａ上に重ね合わせて縫着されている。これによって
、２本の伸縮テープ８、８がツーウェイトリコット生地という高い伸縮性をもつ生地５ａに一体的に縫着されており、しかも、それぞれの伸縮テープ８、８が伸縮性生地５ａの幅方向の両側である程度の範囲内で互いに独立して伸縮動作可能に縫着されていることになり、従来の肩紐と同程度の伸度を保持させつつ従来の伸縮テープ１本方式では得られない独特の伸縮特性を備えた肩紐５、５が構成されている。上記伸縮性テープ８、８は、同じ幅（例えば、１０ｍｍ）とされ、或いは、別幅でもよいが、それらの内側端部が重なり合わない程度に伸縮性生地５ａに縫着される。この構成とされる肩紐５、５の適用範囲は、全長に亘っていてもよいが、少なくとも、カップ部２、２の上端から肩掛け部分までの範囲であればよい。
【００１９】
本発明の実施形態の構成は、以上からなり、次に、その機能について説明する。
本発明のブラジャー１は、左右一対のカップ部２、２と、左右のカップ部２、２を連結する前側土台部３と、前側土台部３の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部４、４と、前記カップ部２、２の上縁一部から後側バンド部４、４の途中に両端を連結された肩紐５、５とを備え、左右のカップ部２、２の下側と前側土台部３との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地６、６を介在させて前記カップ部２、２と前側土台部３とが接続してある。
【００２０】
この構成によれば、カップ部２、２と前側土台部３との間が、上下方向及び左右方向に伸縮自在となるため、肩紐５、５によってカップ部２、２を通してバスト保形効果を保持させながら前側土台部３に対するバストの上下方向の自由度をアップすることができ、また、後側バンド部４、４による左右方向の引っ張り力がカップ部２、２を通してバストに強くかかることを緩和させることができる。そのため、本発明のブラジャー１は、着用時において、肩部、カップ下部や脇部への圧迫感を軽減することができる。そして、前記メッシュ生地６、６によって、カップ下の通気性が向上し、ムレ防止を図ることができる。
【００２１】
また、本発明のブラジャー１は、肩紐５が幅広とされ、その幅方向両側に肩紐５の長手方向に沿って伸縮性テープ８、８が設けられていることによって、肩紐５、５の紐幅方向で別々に独立した伸縮性を付与することができるため、バストからの引っ張り力の分布に対応した状態でバストからの荷重を着用者の肩部に幅広く分散させて支持させることができ、血流の阻害や圧迫痕等の悪影響を軽減して疲れない楽な着用感が得られるブラジャーを提供することができる。
【００２２】
さらに、本発明のブラジャー１は、前側土台部３の表側布３ａが伸縮性生地で構成され、その裏面には非伸縮性生地からなる裏側布３ｂが縫着されていることによって、前側土台部３が非伸縮性となってバストの保持及び補整機能を確保させることができる。また、本発明のブラジャー１は、後側バンド部４、４に前側土台部３の表側布３ａと同じ伸縮性生地が使用されていることによって、前側土台部３と後側バンド部４、４とが同じ生地構成とされて外観上の違和感が除去される。しかも、本発明のブラジャー１は、前記生地構成とし、この後側バンド部４、４の上下縁に沿って伸縮性テープ７、７が設けられていることによって、後側バンド部４、４の伸縮性を良くしつつ締付力を補助させることができ、しかも、動作時の位置ズレやめくれ上がりを防止させることができる。従って、本発明のブラジャー１によれば、着用者の背中や脇部の血流の阻害や圧迫痕等の悪影響が軽減され、疲れない楽な着用感が得られる。
【００２３】
図５〜図７は本発明の実施例品の着用圧データを示すグラフであって、次にこれを説明する。
本発明の実施例品は、Ｍサイズのブラジャーとして作成され、その構成は、前側土台部３の表側布３ａ、後側バンド部４、４及び肩紐５、５が、旭化成社製のツーウェイトリコット生地（ナイロン８５％、ポリウレタン１５％）で構成され、前側土台部３の裏側布３
ｂがマーキゼットで構成され、後側バンド部４、４の伸縮性テープ７、７及び肩紐５、５の伸縮性テープ８、８が、アゴック社製の伸縮性テープ（スパンテープ）で構成され、カップ部２、２のパッド２ａが不織布を主体として、その表面（外面）に綿天竺生地、裏面（内面：肌側）にトリコット生地が接合一体化されたもので構成され、表生地２ｂがレース地で構成され、後側バンド部４、４の自由端にフックが、該後側バンド部４、４の長手方向に１．４ｃｍの間隔で３段階（最小、中、最大）に長さ調節できるように取り付けられた。
【００２４】
図５は、上記構成で作成されたＭサイズのブラジャーの許容範囲のＢ７０，Ｂ７５，Ｃ７０の３サイズの着用者に着用（Ｂ７０最小、Ｂ７５最大、Ｃ７０中の条件で着用）させた場合の、肩頂点、カップ周り下、カップ下、脇、背中の着用圧を測定した結果の着用圧データであって、縦軸に着用圧をｈＰａで、横軸に測定箇所を表している。なお、着用圧の測定については、エアパックによる圧力測定装置、具体的には、（株）エイエムアイ・テクノ製組込型圧力センサ「パラソル型エアパック」を用いて測定した。
【００２５】
図６及び図７は、着用者サイズがＢ７０とＢ７５の着用者にそれぞれフックの位置を３段階で変えてアンダーバスト長を、最小、中、最大（各間隔を１．４ｃｍとして前後２．８ｃｍの範囲で変化させた場合）の肩頂点、カップ周り下、カップ下、脇、背中の着用圧を測定した結果の着用圧データであって、縦軸に着用圧をｈＰａで、横軸に測定箇所を表している。測定装置は、前記と同様である。
【００２６】
これらの着用圧データから、本発明のブラジャー１は、着用者のサイズ、アンダーバスト長を変更しても、カップ周り、脇、背中等での着用圧に余り大きな差が出ず、全体的によく伸び、身体への締付感が軽減されるブラジャーが得られたことが検証された。
本発明の実施形態は以上であるが、本発明はこの実施形態にのみ制約さるものではなく、種々変形して実施してもよい。そして、本発明のブラジャーは、ワイヤレス、ワイヤ付きのいずれにも適用可能である。
【符号の説明】
【００２７】
１ ブラジャー
２ カップ部
３ 前側土台部
４ 後側バンド部
５ 肩紐
６ 伸縮性を有するメッシュ生地
７ 伸縮性テープ
８ 伸縮性テープ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する前側土台部と、前側土台部の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部と、前記カップ部の上縁一部から後側バンド部の途中に両端を連結された肩紐とを備えたブラジャーであって、
左右のカップ部の下側と前側土台部との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地を介在させて前記カップ部と前側土台部とが接続してあり、
前記後側バンド部には、ＪＩＳで規定するアンダーバストの１サイズ差以下の長さを調節するフックが設けられ、
１つのブラジャーを着用する、第１の着用者、前記第１の着用者とＪＩＳで規定するカップサイズが同じでアンダーバストが１サイズ大きい第２の着用者および前記第１の着用者とアンダーバストが同じでカップサイズが１サイズ大きい第３の着用者について、後側バンド長の最も短くなるフック位置で着用した第１の着用者、後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した第２の着用者、それらの中間の後側バンド長となるフック位置で着用した第３の着用者の、カップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とするブラジャー。
【請求項２】
左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する前側土台部と、前側土台部の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部と、前記カップ部の上縁一部から後側バンド部の途中に両端を連結された肩紐とを備えたブラジャーであって、
左右のカップ部の下側と前側土台部との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地を介在させて前記カップ部と前側土台部とが接続してあり、
前記後側バンド部には、ＪＩＳで規定するアンダーバストの１サイズ差以下の長さを調節するフックが設けられ、
一人の着用者が、後側バンド長が最も短くなるフック位置で着用した場合および後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した場合におけるカップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とするブラジャー。
【請求項３】
前記肩紐は、幅広とされた伸縮性生地と、この伸縮性生地の幅方向両側に肩紐の長手方向に沿って独立して伸縮動作可能に設けられた２本の伸縮性テープとで構成されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のブラジャー。
【請求項４】
前記前側土台部の表側布は伸縮性生地で構成され、その裏面には非伸縮性生地からなる裏側布が縫着され、前記後側バンド部は、前側土台部の表側布と同じ伸縮性生地が使用され、この伸縮性生地の上下縁に後側バンド部の長手方向に沿って伸縮性テープが設けられていることを特徴する請求項１〜請求項３のいずれかに記載のブラジャー。
【請求項１】
左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する前側土台部と、前側土台部の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部と、前記カップ部の上縁一部から後側バンド部の途中に両端を連結された肩紐とを備えたブラジャーであって、
左右のカップ部の下側と前側土台部との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地を介在させて前記カップ部と前側土台部とが接続してあり、
前記後側バンド部には、ＪＩＳで規定するアンダーバストの１サイズ差以下の長さを調節するフックが設けられ、
１つのブラジャーを着用する、第１の着用者、前記第１の着用者とＪＩＳで規定するカップサイズが同じでアンダーバストが１サイズ大きい第２の着用者および前記第１の着用者とアンダーバストが同じでカップサイズが１サイズ大きい第３の着用者について、後側バンド長の最も短くなるフック位置で着用した第１の着用者、後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した第２の着用者、それらの中間の後側バンド長となるフック位置で着用した第３の着用者の、カップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とするブラジャー。
【請求項２】
左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する前側土台部と、前側土台部の両脇から背面側へ延びる左右一対の後側バンド部と、前記カップ部の上縁一部から後側バンド部の途中に両端を連結された肩紐とを備えたブラジャーであって、
左右のカップ部の下側と前側土台部との間にそれぞれ略Ｕ字形帯状の伸縮性を有するメッシュ生地を介在させて前記カップ部と前側土台部とが接続してあり、
前記後側バンド部には、ＪＩＳで規定するアンダーバストの１サイズ差以下の長さを調節するフックが設けられ、
一人の着用者が、後側バンド長が最も短くなるフック位置で着用した場合および後側バンド長が最も長くなるフック位置で着用した場合におけるカップ下部における着用圧の差が、肩頂点部、カップ周り下部、腋部および背中部の少なくともいずれかにおける着用圧の差よりも小さいことを特徴とするブラジャー。
【請求項３】
前記肩紐は、幅広とされた伸縮性生地と、この伸縮性生地の幅方向両側に肩紐の長手方向に沿って独立して伸縮動作可能に設けられた２本の伸縮性テープとで構成されていることを特徴とする請求項１または請求項２に記載のブラジャー。
【請求項４】
前記前側土台部の表側布は伸縮性生地で構成され、その裏面には非伸縮性生地からなる裏側布が縫着され、前記後側バンド部は、前側土台部の表側布と同じ伸縮性生地が使用され、この伸縮性生地の上下縁に後側バンド部の長手方向に沿って伸縮性テープが設けられていることを特徴する請求項１〜請求項３のいずれかに記載のブラジャー。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１２−１５４０２１（Ｐ２０１２−１５４０２１Ａ）
【公開日】平成２４年８月１６日（２０１２．８．１６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１２−１１７６９９（Ｐ２０１２−１１７６９９）
【出願日】平成２４年５月２３日（２０１２．５．２３）
【分割の表示】特願２００７−２２３０１２（Ｐ２００７−２２３０１２）の分割
【原出願日】平成１９年８月２９日（２００７．８．２９）
【出願人】（０００００１３３９）グンゼ株式会社 (919)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年８月１６日（２０１２．８．１６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２４年５月２３日（２０１２．５．２３）
【分割の表示】特願２００７−２２３０１２（Ｐ２００７−２２３０１２）の分割
【原出願日】平成１９年８月２９日（２００７．８．２９）
【出願人】（０００００１３３９）グンゼ株式会社 (919)
【Ｆターム（参考）】
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