説明

ブリスタパッケージのための輸送システム

ブリスタパッケージ(24)の輸送システム(10)は、垂直壁面などに取付けられるブーム(12)を有する。フック部材(22,22’)で形成された有限チェーン(18)は、ブーム(12)内に案内され、下路(42)から旋回点(43)を介して上路(44)内に、および逆も同様であり、下路(42)と上路(44)と旋回点(43)に沿って延びるガイド溝(32〜35)内に手で摺動可能である。フック部材(22,22’)から懸架されたブリスタパッケージ(24)などは、旋回点(43)の領域内でのみ手によって取除くことができる。閉塞区画(38)は、対の互いに隣接するフック部材(22,22’)同士の間に形成されている。閉塞区画(38)は、ブリスタパッケージ(24)などを取除くために、旋回点(43)の領域内でのみ開く。よって一度に1つのブリスタパッケージ(24)のみ、チェーン(18)から取除かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は輸送システムに関し、詳細にはブリスタパッケージなどのための輸送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブリスタパッケージは、販売時点情報管理での処理の容易さの理由で非常に普及している。ほとんど全ての製品は、その性質、寸法、および重量に関して適切であるという条件で、このようなブリスタパッケージで提供される。このようなブリスタパッケージの陳列は、自由に隆起しているブームとして構成され、有孔壁などの上に縦横列で間隔を置いて嵌合された支持アーム上にブリスタパッケージを吊るすことによって行なわれる。このように、全種類の商品を、比較的明確に配置して販売するために提供することができる。
【0003】
ブリスタパッケージ内で提供されるこのような商品種類の最大の問題は、個別の製品の不定期の販売によって、商品種類の同質の陳列を保証することができないことである。後列に吊下げられている商品は、側部に対してブリスタパッケージによって形成された経路にあり、のぞきこまれないので、前の製品が販売された結果なくなった場合によく見えなくなってしまう可能性がある。この場合、明確な配置はなくなり、支持アームが完全に装填された場合に存在する均一な陳列は永久的に妨げられる。ブリスタパッケージの同質な陳列は、均一な棚の輪郭を回復するために、時々販売スタッフによって後部に吊下げられているブリスタパッケージを前に押す必要がある。これは面倒であり大きな労働力を必要とするので、この作業を行なう方法は当然に長い間望まれてきた。
【0004】
標準的なブリスタパッケージは、透明なブリスタ箔の前側に溶接されたまたはその上で滑る板紙で作られた丈夫なカードからなっている。販売される製品が2つの間に挟まれている。加えて、従来のブリスタパッケージは、支持アームの上にパッケージを吊下げるための標準的な孔を(少なくとも、それが「ユーロ孔」と呼ばれるヨーロッパでは)有する。この標準的なブリスタパッケージと同じラインには、その同様性が吊下げのためにユーロ孔のみに限られているプラスチックまたは板紙で作られた袋、ネット、および箱の形の無数の包装変更形態がある。しかし、この準標準的なユーロ孔でさえも、多くの供給者によって互いに異なるように設計されている。同時に、独自の孔またはユーロ孔など(たとえば食器洗い用ブラシ)を有し、それによって包装が全く必要ないが、それでもブームの上に吊下げて陳列することができる製品もある。このようなタイプの製品は同様に、本明細書で使用する「ブリスタパッケージなど」という用語に含まれる。
【0005】
ブリスタパッケージなどが取除かれた場合であっても同質の陳列を自動的に保証する作業を行なうためには、後部に吊下げられたパッケージが支持アームの自由端に自動的に輸送されることを保証するための2つの互いに異なる技術がある。第1技術では、それぞれ支持アームは、支持アーム上に吊下げられたパッケージの1つが顧客によって輸送区域内から取除かれる度に、輸送区域内の限界まで残りのパッケージを押す1つのバネ仕掛けのプッシャに割当てられている。これまで、障害なく製品をこのように前進させることが可能な現実的に満足のいくバネシステムはなかった。知られているバネシステムによって、正確に調整されたパッケージの取付のみが可能になり、パッケージに変更がない限りにおいてのみ障害なく作動する。更に、顧客によって製品を取除くことは、とても使用者に使い易いものではない。パッケージは、多少は力でシステムから解放させなければならない。バネ仕掛けのプッシャの圧力を受けると、パッケージは歪曲する傾向がある。望ましくは、顧客は、製品を取除くことによって自分自身でパッケージを自動的に前進させるが、顧客が意図しないでパッケージを取除いた、または誤ったパッケージを取除いたように、
支持アームの上に再び滑らせて戻したい場合は、今日の普通のパッケージ輸送システムではかなりの問題があることになる。
【0006】
第2技術では、前のパッケージなどを取除き、取除いたことによって、後に吊下げられているパッケージを自動的に前進させるのは顧客自身ではなく、むしろそれぞれ支持アームは2つのチェーンスプロケット上で送られ、パッケージなどの吊下げ輸送のために1つのフック部をそれぞれ有するチェーン結合部を有する無端状チェーンを有する。チェーンスプロケットの1つは、モータによって駆動される。パッケージの前進は、顧客によって手動で行なわれないが、よくても「押しボタンによって」行なわれるこの技術は、自動販売機でのみ使用される。請求項1の前提部(プリアンブル)がこれに基づいており、更にチェーン結合部がブームまたは支持アームの下部ガイド溝内でその上に案内される。このような輸送システムは、たとえば特許文献1(カラハンら(Callahan et al.))で知られている。
【0007】
この知られている輸送システムでは、無端状チェーンは、対(ペア)の保持要素を画定するために、ピンによって連結された複数の剛性チェーン結合部を有する。それぞれ対の保持要素は、2つの互いに隣接したチェーン結合部によって形成されている。それぞれ対の2つのチェーン結合部は、互いに異なるように、すなわちいわゆるアンビル部材と言われる楔部材として構成されている。それぞれ対のこれらの2つの部材は、その間でパッケージなどを解放可能に保持するように協働する。
【0008】
1つのチェーン結合部対が旋回点に到達し、上に移動するとすぐに、対の2つのチェーン結合部は互いに離れ、問題のパッケージなどを解放し、その後、重力の作用を受けてチェーンから離れ、通常は購入者が取除くために、商品シュートに落下する。旋回点の後に、上チェーンは前進し、旋回点とは反対側の端部で、パッケージなどが解放される旋回点までチェーンが直線的に案内される下路に再び入るために、他のチェーンスプロケットで再び屈折されるまで、2つのチェーンスプロケットの間で自由に吊下げられている。
【0009】
明らかに、この第2技術は複雑であり大きな資本を必要とするものである。したがって、顧客が自由にアクセスできる輸送システムでは使用されないが、顧客が商品へ直接アクセスするのを禁止し、それによって値段の高い製品に関して使用するのに適している商品自動販売機またはガラスケースで使用される。値段の高い製品としては、たとえばプリンタカートリッジとプリンタ用紙、メモリカード、高品質の化粧品、カミソリの刃、および一般的に高価なブランド製品が挙げられる。別の方法では、商品の問題のない陳列と分配を保証することが第2技術で可能であるが、大量生産の製品の陳列と分配には適していない。
【0010】
自動販売機でのこの第2技術の使用の他の例が、特許文献2(パトリック(Patrick))、特許文献3(パトリック(Patrick))、特許文献4(ブルックナーら(Bruckner et al.))、特許文献5(フォリングトン(Forrington))、および特許文献6(スズキ(Suzuki))に示されている。
【0011】
本明細書で引用する全ての参考文献は、全体を本願明細書に援用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第3,780,909号明細書
【特許文献2】米国特許第3,716,165号明細書
【特許文献3】米国特許第3,756,455号明細書
【特許文献4】米国特許第3,757,993号明細書
【特許文献5】ドイツ特許第2,033,536号明細書
【特許文献6】欧州特許第1,081,663号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、商品のとぎれのない陳列、取除、および返却をより簡単な方法で可能にするように、最初に言及したタイプの商品輸送システムを改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的は、チェーンが有限チェーンである点と;
下路が、旋回点と上路を介して取付端の方向に後側に続いて延びる少なくとも1つのガイド溝の一部である点と;
ブリスタパッケージなどを取除くために、チェーンが上路内に旋回点を介して下路から手で移動可能であるように、およびブリスタパッケージなどを装填するために下路内に手で移動させて戻すことが可能であるように、チェーンとブームが構成されている点とで、最初に言及したタイプの輸送システムに基づき本発明によって達成される。
【0015】
本発明による輸送システムは、棚配置と製品存在の機能を一体化している。加えて、本発明による輸送システムは、両方の欠点を避けながら2つの知られている技術の利点を一体化している。本発明の輸送システムでは、後のパッケージを同時に前進させながら、パッケージなどは手で取除かれる。これは、スプロケットの必要をなくし、パッケージが供給された場合に1ステップ戻しながら、パッケージをそれぞれ取除いて手で1ステップ進められる有限チェーンを使用することによって可能になる。本発明の輸送システムはしたがって、フックの構成とも無関係である。またガラスケースなどに本発明の輸送システムを収納することは不適切であり望ましくない。逆に、顧客が自由にアクセス可能であるべきであり、ガラスケース内での陳列によって商品安全性を不適切にするものである。顧客が前部ブリスタパッケージなどを取除く場合、取除くことによって、知られている第1技術でのバネ仕掛けの前進システム、または知られている第2技術での電動ドライブを省くことができる結果によって、後に吊下げられているパッケージなどを自動的に前進させる。更に、本発明による輸送システムでは、チェーンは、チェーン設計を非常に容易にする、同一のチェーン結合部から作ることができる。パッケージなどを手で取除くことができるように配置が適切に選択され、このことは、パッケージなどが間にある2つの隣接するチェーン結合部が互いに離れるように移動する場合に、旋回点で重力の作用を受けて落下しないことを意味する。
【0016】
特許請求の範囲の主題は、本発明による輸送システムの有利な実施形態を形成する。
本発明による輸送システムの1実施形態では、ブームは、下向き方向に開口した中空体として構成され、それぞれのガイド溝をその互いに対向する長手方向壁面の内側に有するケースを有し、その後、商品を陳列した状態で、その下でブリスタパッケージなどが1列に互いの後に可視的にきれいに配置されている、ケースを有するブームだけは眼で感知することができる。これが、輸送システムの審美的に魅力のある外観につながるだけでなく、実際のチェーンも顧客の手の届かないところに配置され、それによって安全性の側面も果たされる。
【0017】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、ケースは長手方向に分割されて、2つの殻が形成され、それによって、ケースは製造するのがより容易である。
本発明による輸送システムの別の実施形態では、ケースの殻は、相互プラグイン接続手段を有し、それによってケースと、ケース内のチェーンとの組合せは特に容易である。2つのケース殻は、組立中にプラグイン接続手段によって互いに正確に位置合わせした関係で固定することができる。ケース殻、したがってケースは、互いに異なる長さで製造する
ことができる。このために、可変長射出成形金型を使用することが可能である。互いに異なる長さは、この場合、技術的に必要なグリッドによって決まり、自由に選択可能ではない。
【0018】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、ブームが固定構造(たとえば壁面など)に取付可能な支持アームを有する場合、ケースでは、スチールで作ることができる支持アームは、長手方向にシステムの安定性を与え、好ましくは支持アームの端部に取付けられ、支持アームがそれによってたとえば殻の有孔壁上に懸架された取付プレートを介して、固定構造に力を運ぶ。2つの従来の組立てられたケース殻は、チェーンが案内された後に、支持アームで互いに固定する(たとえばネジ込む)ことができる。一体化設計によって、所定のグリッド内でのケース殻の互いに異なる長さに支持アーム長さを容易に適応させることが可能になる。2つのケース殻の組立て後に、殻は、チェーンが中に長手方向と横方向に正確に位置合わせされた、相互位置合わせガイド溝で安定した輪郭を形成する。
【0019】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、それぞれチェーン結合部とそのフック部が一体型フックとして構成されている場合、チェーン結合部とフック部は、単一操作で特に経済的に射出成形部として製造することができる。
【0020】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、それぞれフックが、2つの隣接するフックのクリップ取付部内にクリップ留めされるようになっているクリップ取付部を一端に有する場合、フックの数が2つのケース殻の長さに相関している、有限フックチェーンを形成するように、フックを非常に容易に結合させることができる。その結果、本発明による輸送システムは、互いに異なる長さのグリッドで、所望の数のブリスタパッケージなどによって非常に容易に実行することができる。
【0021】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、それぞれクリップ取付部が、ガイドピンと、それに平行且つ相補的な、隣接するフックのガイドピンをクリップ留めすることができるスロット付ブッシュとを有する場合、有限フックチェーンを、用具無しで、および追加の締付要素無しで単純な方法で組立、分解することができる。
【0022】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、それぞれガイドピンが(1つまたは複数の)ガイド溝内に受けられる突出ガイドジャーナルを両側に有する場合に、それぞれチェーンを、ケース殻内の対向する溝に摺動可能に容易且つ移動無しで案内することができる。従来は、ケース殻とチェーンは両方ともプラスチックで作られており、それによって適切な材料組合せは更に、円滑な運動性状に関する利点を提供する。加えて、チェーンは、ガイド溝から滑り出さないように単純な方法で固定される。
【0023】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、それぞれフックがフック部を形成する一方側にクランク状にされた部分を他端に有する場合、クランク部の長さを選択することによって、ブリスタパッケージなどのそれぞれ厚さに応じて適切なフックを選択することができる。より厚いブリスタパッケージなどでは、より長いクランク部を有するフックを選択する必要があるだけである。
【0024】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、横ウェブがクランク部の上に構成されている場合、これらのウェブはブリスタパッケージなどを受け、これらを安定化させるように働く。横ウェブは、ユーロ孔の内側にブリスタパッケージなどを支持し、それによってブリスタパッケージなどは常に垂直に吊下げられ、パッケージの横方向のシフトまたは湾曲吊下げが防止される。互いの下に吊下げられているブリスタパッケージなどの外観は、結果として基本的に好ましい影響が与えられる。
【0025】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、それぞれフックが、隣接するフックのクランク部の自由端を受ける凹部をそのクランク部の反対側のもう一方の端部に有する場合、有限チェーンの2つの隣接するフックはそれぞれ、ブリスタパッケージなどの上端を収納する密封区画を形成するように組合わせることができる。この区画は、チェーンの前進中に閉じられたままであり、偏向区画内まで開かない。したがって、ブリスタパッケージなどを偏向区画内だけでチェーンから取除くことができることが保証される。したがって、ブリスタパッケージなどは、その孔またはユーロ孔によってしっかり保持され、誤ってシステムから外に落下する可能性がない。ブリスタパッケージなどの取外は、相互噛合いフック部が開いている偏向区間内でのみ可能である。前部ブリスタパッケージなどの取除きの際、その後のパッケージなどは、チェーンのスムーズな摺動の結果によって前方向に自動的に押される。その後の前向きのブリスタパッケージなどはその後、次に取除くために、ブーム自由端に準備されている。輸送システムの供給は、逆の順序に起こる。供給中に、ブリスタパッケージなどは、厚さによって、次に可能性のあるフック部内に吊下げられている。チェーンが同時に押し戻されるので、チェーンの上で懸架されるブリスタパッケージなどは、しっかり保持される。
【0026】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、フックが(1つまたは複数の)ガイド溝を通して所定角度で案内され、それぞれフックで、クリップ取付部がフック部に対して対応する角度に設定されている場合、結果はブームの浅く審美的に満足のいく構成であるが、有限チェーンを案内するための上路と下路は、互いの上に配置されている。
【0027】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、全てのクリップ取付部のように構成されている個別のリンクが利用可能である場合、隣接可能なフックはリンクによって接続可能である。これによって、より厚いブリスタパッケージなどに必要なより長いクランク部を有するフックを、小さな曲率半径を有する旋回点上で問題なく移動させることが可能になる。クランク部の長さと同じチェーン結合部ピッチは、逆転領域内にかなり大きな曲率半径を必要とする。これは、2つのケース殻の高さが大きくなることにつながり、輸送システムの見かけが損なわれる。長いクランク部を有するフックとリンクを互いに結合させることによって、このようなリンクのないフックとちょうど同じくらい簡単に有限チェーンを形成することができる。リンクは、逆転領域内の小さな曲率半径に関して、実際のチェーンピッチに影響を与えることなく、フックのクランク部の長さの差を補償する。したがって、チェーンは、ガイドの上に短いピッチを有するが、フックの下領域、すなわちフックのクランク部の領域に長いピッチを有する。長いクランク部の自由端の旋回点が、短いクランク部を有するフックに関して変化しないので、長いクランク部を有するフックはまた、短いクランク部を有するフックを有するチェーンによってその寸法が順応するケース殻内で偏向させることができる。
【0028】
本発明による輸送システムの別の実施形態では、それぞれフックが、動作検出器などを作動させるために少なくとも1つの切換カムを有する場合、チェーンの動作状態または他の状態(たとえば前進または後退動作)を検出することができる。
【0029】
本発明を、以下の図面と合わせて説明する。同様の参照番号は、同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ブリスタパッケージなどを意図した、本発明による輸送システムの好ましい第1実施形態の部分側面図。
【図2】チェーンを形成するフックのガイドピンが水平に配向されるように、図1に対して傾斜されたチェーンを示す、側面図の図1のブリスタパッケージ輸送システムのチェーンの詳細を示す図。
【図3a】本発明の輸送システムのフック部材の側面図。
【図3b】本発明のフック部材の等角図。
【図3c】図3aに示すフック部材の反対側を示す、本発明のフック部材の別の等角図。
【図4】図3a〜図3cに示すフック部材の有限チェーンを組立てる方法を示す図。
【図5】第2実施形態のフック部材と結合部による、チェーンの組立てを示す図。
【図6】断面図のブームのケース、図3aと同様の前面図のフック部材、および図3cと同様の背面図のフック部材を示す、図1によるブリスタパッケージ輸送システムの図。
【図7】図1による、ブリスタパッケージ輸送システムのブームの第1ケース殻を示す図。
【図8】図7の第1ケース殻に嵌合する、第2ケース殻の図。
【図9】プラグイン接続によって、図8の第1ケース殻を、図9の第2ケース殻に接続する方法を示す図。
【図10】ケースの支持アームとともに、図7と図8のプラグ接続されたケース殻によって形成されたケースの図。
【図11】第3実施形態の、切換カムを有するフック部材の図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、ブリスタパッケージ24を意図した、本発明による全体を示した輸送システムとしてのブリスタパッケージ輸送システム10の好ましい第1実施形態を、部分側面図で示す。ブリスタパッケージ輸送システム10が備えるブーム12は、固定構造(たとえば図示しない垂直壁)に取付けるためのブーム取付端14(図10)と、ブーム取付端14とは反対側のブーム自由端16とを有する。更にブリスタパッケージ輸送システム10は、複数のチェーン結合部20によって形成された有限チェーン18を有する。図1のブリスタパッケージ輸送システム10のチェーン18が、図2に詳細に示されている。図3は、図3aには側面図で、図3bには上からの斜視図で、図3cには下からの斜視図で、ブリスタパッケージ輸送システム10のフック部材22の第1実施形態を示している。チェーン18のそれぞれチェーンリンクとしてのチェーン結合部20は、ブリスタパッケージ24の懸架輸送のために一体形成されたフック要素としてのフック部21を有する。懸架輸送中のブリスタパッケージ24の配置は、図1から明らかになり、ブーム12もブリスタパッケージ24も全長は示されていない。
【0032】
図3a〜図3cの提示によると、それぞれチェーン結合部20とそのフック部21は、一体型フック部材22として構成されている。それぞれフック部材22は、図4に示す方法で、2つの隣接するフック部材22の同一に構成されたクリップ取付部26内にクリップ留めすることができる、一体形成されたクリップ取付部26を(たとえば図3aの左上にある)一端に有する。このように、図2に全体図で詳細に示した、有限チェーン18を同一のフック部材22から組立てることが可能である。
【0033】
図3〜図4の提示によると、それぞれクリップ取付部26は、ガイドピン28と、これに平行且つ相補的な、隣接するフック部材22のガイドピン28を中にクリップ留めすることができるスロット付ブッシュ30とを有する。それぞれガイドピン28は、以下に詳細に説明する、ケース40(図9)内の下ガイド溝32,33と上ガイド溝34,35内に受けられる突出ガイドジャーナル28a,28bをその両側に有する。それぞれフック部材22は、もう一方側に、すなわちクリップ取付部26とは反対側の端部に、フック部21を形成するまたは完成させるために一方側でクランク状に形成された部分としてのクランク部27を有する。本明細書に記載するフック部材22の第1実施形態では、クランク部27は、図3の提示でクリップ取付部26から下向きに延びる、フック部21の長手方向棒上に一体形成されている。便利なことに、それぞれフック部材22は、射出成形部
として単一片でプラスチックによって形成されている。最初に説明したように、ブリスタパッケージ24が常に垂直に吊下げられ、ブリスタパッケージ24の横方向のシフトまたは湾曲吊下げが防止されるように、ブリスタパッケージ24をユーロ孔内に保持する点において、フック部材22のクランク部27の上に懸架されたブリスタパッケージ24を受け、これを安定化させるように働く横ウェブ27a,27bが、クランク部27に形成されている。ユーロ孔(図示略)は、本明細書に記載した好ましい実施形態では、両側で、2つの互いに反対側に対向するより狭いスリットに続く円形開口部を有する。クランク部27は、ユーロ孔の円形開口部に受けられる円形アーチ部をその中間部に有し、アーチ状中間部に隣接するショルダとしての横ウェブ27a,27bは、側部で円形開口部に隣接するスリット内に延びている。ユーロ孔の上縁部は、クランク部27の上縁部に相補的である形状を有し、それによってブリスタパッケージ24の所望の安定化が可能になる。
【0034】
それぞれフック部材22は、一方の端部に、すなわちクランク部27とは反対側のクリップ取付部26とは反対の端部に、隣接するフック部材22のクランク部27のクランク自由端を受ける結合凹部35を有する。よって、有限チェーン18の2つの隣接するフック部材22同士は、図1、図2および図4に示す、ブリスタパッケージ24の上端を収納する密封区画38(図2と図4)を形成する。密封区画38が閉じられている限り、ブリスタパッケージ24を取除くことができないことが保証される。それぞれ密封区画38を形成する2つのフック部材22の積極的な係合によって、取外が防止される。
【0035】
図1に示すブリスタパッケージ輸送システム10が、図1に示すブリスタパッケージ24よりも厚いブリスタパッケージ24を処理するためのものである場合、全ての密封区画38がブリスタパッケージ24の上端を収納するのではなく、たとえば第2や第3の密封区画38だけが収納するという点において、これに対して許容差が作られる可能性がある。しかし、これはチェーン18が未使用のフック部材22を含んでいるので、チェーン18の容量の低い利用につながる。より厚いブリスタパッケージ24を処理するためには、同様の参照番号が図4と同様の部品に使用されているように図5に示す第2実施形態のフック部材22’を利用することがより適切である。
【0036】
より厚いブリスタパッケージ24のために設計されたより大きなピッチを有するチェーン18は、より長いクランク部27’を有するフック部材22’だけでなく、リンクつまりチェーン結合部50の使用も必要とする。この理由は、以下に更に詳細に説明する。それぞれチェーン結合部50は、クリップ取付部26’と同様に構成されている。クリップ取付部26’は、その設計を上記で詳細に説明したクリップ取付部26と同様に構成されている。しかし、図5に示すフック部材22’の第2実施形態では、クリップ取付部26’は、クランク部27’が配置されている側で、フック部21を超えて突起している。これは、図4に左側の示すフック部材22と図5の左側に示すフック部材22’との比較からすぐに明らかになる。チェーン結合部50は、クリップ取付部26’と同様に構成されており、図5の提示では、したがって左側にスロット付ブッシュ30を有し、右側にガイドピン28を有する。別の方法では、図5による実施形態は、図4の実施形態に対応している。1つのチェーン結合部50は、クリップ取付部26’のそれぞれ2つのフック部材22’の間にクリップ留めされている。チェーン18の長手方向のチェーン結合部50の寸法は、チェーン18の長手方向のクランク部27’の寸法に適合しており、それによって密封区画38は、図5によるチェーンの実施形態でも隣接するフック部材22’によって形成されている。長いクランク部27’を有するフック部材22’とチェーン結合部50を互いに結合させることによって、短いクランク部27を有するフック部材22とちょうど同じくらい簡単に有限チェーン18を形成することができる。
【0037】
以下では、ケース40の構成と、チェーン18との相互作用を、より詳細に説明する。
図1によるブーム12が、図6に断面図で示されている。ブーム12は、下向き方向に
開口した中空体として構成されたケース40を有する。ブーム自由端16(図1)の方向へのチェーン18の直線案内のための下路42は、チェーン18が突出する下開口の領域内のケース40に形成されている。下路42は、2つの下ガイド溝32,33を有する。2つの下ガイド溝32,33の一方は、残りのガイド溝がケース40の内側を向いた狭い開口を有するC字形断面を有する経路として構成されている場合に、省くことができる。この場合また、フック部材22が図6に示す配向を保持するように、残りのC字形溝内に案内されるように、割当てられたガイドジャーナル28a,28bをT字形断面で構成する必要があるであろう。しかし、この場合、2つの下ガイド溝32,33と同じように容易にまた1つのガイド溝との摩擦が無いように、フック部材22の図示した配向にチェーン18を摺動可能にガイドすることはより難しいであろう。
【0038】
図1〜図2の左側の提示から明らかなように、フック部材22同士は旋回点43で互いから離れているので、隣接するフック部材22の間のブリスタパッケージ24がそこで解放されるチェーン18の旋回点43(図10)は、ブーム自由端16の下路42に隣接している。下ガイド溝32,33は、旋回点43上を通され、それぞれブーム取付端14(図10)の方向に後側に延びる上ガイド溝34,35を有する上路44に続く。
【0039】
図6と図9によく示すように、ケース40は、長手方向に延び且つ互いに分割される第1ケース殻40aと第2ケース殻40bによって構成されている。第1ケース殻40aと第2ケース殻40bは、互いにプラグ接続するためのプラグ接続手段45を有する。これらのプラグ接続手段45は、下ガイド溝32,33と上ガイド溝34,35、および旋回点43と同様に、それぞれケース40の互いに対向する長手壁面46a,46b(図7と図8)の内側に形成されている、幾つかの対のペグ45aとブッシュ45bを有する。第1ケース殻40aと第2ケース殻40bは、組立中に図9に示す位置に移動され、矢印87の方向に互いにプラグ接続され、それによってそれぞれペグ45aは、割当てられたブッシュ45b内に挿入され、その中に締付けられたままになる。その結果、第1ケース殻40aと第2ケース殻40bは、互いに正確に噛み合わされた関係にある。第1ケース殻40aと第2ケース殻40bの組立の後に、殻は、下に相互に位置合わせされた下ガイド溝32,33と上ガイド溝34,35で安定した輪郭を形成し、その中でチェーン18は、長手方向と横方向に正確に配向されている。チェーン18では、したがって、矢印88(図2)の方向のチェーン18の前進移動のための下開口経路(下路42)と、矢印89(図2)の方向のチェーン18の戻り移動のための上閉塞経路(上路44)がある。射出成形部として製造されることが好ましい第1ケース殻40aと第2ケース殻40bは、可変長射出成形金型によって互いに異なる長さで製造することができる。
【0040】
ブーム12は、支持アーム52を垂直壁面などに取付けることによってケース40を支持する支持アーム52(図10)を有する。支持アーム52を壁面に締め付けることができる取付プレート54が、支持アーム52の一端部に嵌合されている。図示した好ましい実施形態では、支持アーム52は、孔53,55がそれぞれそのために設けられる、ケース40にネジ込み接続させることができる、ケース40の底側部の相補的な結合凹部36内に噛合可能に受けられるアングル部分である。
【0041】
図3a〜図5によく示すように、フック部材22,22’のクリップ取付部26,26’は、フックのクランク部27,27’に対して所定角度で配置されている。図6から明らかなように、下ガイド溝対32,33と上ガイド溝34,35は、水平に対して同じ傾斜角度を有する。ケース40は、その結果、低い全高を有するが、それにも関わらず、フック部材22,22’のクランク部27,27’は水平方向に案内される。
【0042】
ブリスタパッケージ輸送システム10の動作は以下の通りである。
図4と図5の提示によると、フックチェーン18は、短いクランク部27を有するフッ
ク部材22、または長いクランク部27’を有するフック部材22’と追加のチェーン結合部50によって形成されている。チェーン結合部50を使用しないで個別のフックを、またはチェーン結合部50を使用して個別のフック部材22’を互いにクリップ留めすることによって、ケース40の外側で取扱うことができ、自動的に組立て、モジュールとして製造することができるチェーン18が作り出される。最終組立て中に、ブーム12が支持アーム52に取付けられる前に、ブーム取付端14からブーム12の下路42または上路44内にチェーン18を簡単に押込むことができる。この方法では、前に組立てたチェーン18は、そのガイドジャーナル28a,28bで、下ガイド溝32,33または上ガイド溝34,35内に案内される。最終的には、チェーン18は、ブーム取付端14から旋回点43のほぼ中間まで延びている。その後、チェーン18は上路44内にあると考えられる。チェーン18の第1または最終区画38はその後、旋回点43の領域内で開いているが、1つのフック部材22、たとえば上記の図2で旋回点43を通過したフック部材22は、上領域のケース40の入口開口部を覆い、それによってたとえばそこに配置された電子デバイスの内側に手が届き、これを操作することが不可能になる(以下に更に説明する)。ブリスタパッケージ24は、クランク部27上に押され、チェーン18は下路42内に1ピッチだけ前進させられる。次の開口区画38が旋回点43に到達するとすぐに、次のブリスタパッケージ24は、吊下げられ、チェーン18は更に前進させられることなどが行なわれる。この過程は、図1に示すように、最大可能または所望数のブリスタパッケージ24がチェーン18上に懸架されるまで繰返される。
【0043】
フック部材22の特殊な形状によって、チェーン18から懸架されるブリスタパッケージ24はしっかり保持され、ブーム自由端16でのみ、すなわちブリスタパッケージ輸送システム10のヘッドで前から個別に取除くことができる。最前のブリスタパッケージ24が引き出された場合、チェーン18全体は1ピッチだけ前進させられる。その結果、後ろに更に懸架されているブリスタパッケージ24は、チェーン18が完全に空になるまで、取除きの工程で前進する。ブリスタパッケージ24の1つ分だけチェーン18がこのように前進することは、図1に矢印90で、図2に矢印88,86,89で示されている。密封区画38の開口は、旋回点43の領域内でのみ起こる。ブリスタパッケージ24の非侵襲的取除は、ここでのみ可能である。一度に複数のブリスタパッケージ24を取除こうと試みた場合、ブリスタパッケージ輸送システム10は、機械的に遮断され、チェーン18の更なる移動が防止される。旋回点43の領域内での密封区画38の開口は、図1と図2からよく明らかである。
【0044】
浅いケース40を考慮して旋回点43での小さな曲率半径によって、より長いクランク部27’を有するフック部材22’が使用される場合に使用するチェーン結合部50が必要である。長いクランク部27’を有するフック部材22’と同じ大きさのチェーン18のチェーン結合部ピッチは、旋回点43でより大きな曲率半径を、したがってより大きな全高を有するケース40を必要とする。その結果、第1ケース殻40aと第2ケース殻40bはより大きくなり、ブリスタパッケージ輸送システム10の外観に悪影響を与える虞がある。しかし本発明の第2実施形態では、長いクランク部27’を有するフック部材22’とチェーン結合部50を互いに結合させることによって、チェーン結合部50を必要としない短いクランク部27を有するフック部材22とちょうど同じくらい簡単に有限チェーン18を形成することができる。チェーン結合部50は、旋回点43での小さな曲率半径に関して、チェーン18の実際のピッチに影響を与えることなく、フック間の長さの差を補償する。チェーン結合部50を使用する場合、したがってチェーン18は、上路44のガイドに短いピッチを、下路42のガイドに長いピッチを有する。クランク部27’の自由端の旋回点が短いクランク部27に対して変化しないので、その寸法が短いクランク部27を有するフック部材22を有するチェーン18によって決まる第1ケース殻40aと第2ケース殻40b内で、長いクランク部27’を有するフック部材22’を偏向させることもできる。
【0045】
ブリスタパッケージ輸送システム10のモジュール設計によって、電子制御盤をブーム12の中に収納することが可能になる。電子機器は、実用的にスマートなブリスタパッケージ輸送システム内の通常の機械機能を更新する。電子制御盤(図示略)は、ケース40内の下路42と上路44の間に、たとえばプラグ接続手段45間の平面内に収納することができる。更に、ブーム取付端14の近くでケース40に収納された戻り走行センサを使用して、ブリスタパッケージ輸送システム10がほとんど空になった場合をチェックすることは非常に簡単なことである。この戻り走行センサは、チェーン18の第1フック部材22,22’がブーム取付端14の近傍で上路44に到達した場合、したがって、チェーン18が空か、またはほぼ空になった場合を検出する。電子バージョンはまた、下路42と上路44の間で旋回点43の領域内に販売センサを置くことによって、より賢い形で構成することができる。このセンサは、連続販売を監視し、より高レベルのシステムにこれらを直接シグナリングする。これによって、たとえば同時在庫を取出すことも可能になる。またセンサの助けをかりて、顧客購入挙動(盗難)による偏差を記録するために、もっともらしさチェックを行なうことも可能になる。この場合、電子制御デバイスは、ブリスタパッケージ輸送システム10を遮断し、更なる盗難を防ぐ電子機械ロックを作動させることができる。その機械的構成とモジュール設計によってのみ、ブリスタパッケージ輸送システム10はしっかりした棚の輪郭を保証する。しかし、前に説明した追加の電子制御デバイスでは、ブリスタパッケージ輸送システム10は、賢い商品販売制御システムを含むように拡張させることもできる。更に、ブリスタパッケージ輸送システム10によって、ガラスケース、自動分配機などの中に製品を陳列し、それに加えて安全ボックス内に製品を包装することが不要になり、それによって消費者が製品に直接アクセスし、小売業者が追加の安全ボックスの費用を抑えることが可能になる。加えて、電子デバイスは、営業時間中にのみ商品の取除きが可能であるように構成することができ、これは店舗営業時間外に商品の取除きが防止されることを意味する。
【0046】
図11は、フックが動作検出器57(図2に示す)を作動させるために、2つの切換スイッチとしての切換カム56を中に有するフック部材22,22’の第3実施形態を示している。2つの切換カム56は、チェーン18の長手方向に対して横に間隔を置いた関係で、およびチェーン18の長手方向にズレた関係で、クリップ取付部26,26’上に一体形成されている。切換カム56で、動作検出器57の2つの作動アーム(図2に破線で示されているその1つの作動アーム)を作動させることが可能であり、その結果、たとえばチェーン18の特定の状態をそれによって検出することができるチェーン18の移動方向、たとえばその前進または戻り移動、チェーンの端部などによって、特定の制御組合せにつながる。図2では、ただ1つの切換カム56が示されているが、もちろん、チェーンのそれぞれフック部材22,22’は、少なくとも1つの、好ましくは2つのこのような切換カム56を有することを理解されたい。便利なことに、チェーン結合部50はまた、少なくとも1つの切換カム56を有することができる。切換カム56と動作検出器57の組合せを、それだけで、または上記の電子制御デバイスと組合わせて使用することができる。
【0047】
ブリスタパッケージ輸送システムを、本発明による輸送システムの好ましい実施形態として、添付の図1〜図11を参照して説明したが、輸送システムは、ブリスタパッケージ24だけでなく、チェーン18のフック部材22,22’から懸架させることができる全てのタイプの商品に適していることを理解されたい。
【0048】
本発明を、詳細にその特定の実施例に関して説明したが、その精神と範囲から逸脱することなく様々な変更と変形を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0049】
10 ブリスタパッケージの輸送システム
12 ブーム
14 ブーム取付端
16 ブーム自由端
18 チェーン
20 チェーン結合部
21 フック部
22,22’ フック部材
24 ブリスタパッケージ
26,26’ クリップ取付部
27 短いクランク部
27’ 長いクランク部
27a,27b 横ウェブ
28 ガイドピン
28a,28b ガイドジャーナル
30 スロット付ブッシュ
32 下ガイド溝
33 下ガイド溝
34 上ガイド溝
35 上ガイド溝
36 結合凹部
38 密封区画
40 ケース
40a,40b 殻
42 下路
43 旋回点
44 上路
45 プラグイン接続手段
45a ペグ
45b ブッシュ
46a,46b 長手壁面
50 結合部
52 支持アーム
53 孔
54 取付プレート
55 孔
56 切換カム
57 動作検出器
86〜90 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブリスタパッケージ(24)の輸送システム(10)であって、前記輸送システム(10)は、
複数のチェーン結合部(20)を有するチェーン(18)と;
固定構造に取付けられるブーム取付端(14)と、前記ブーム取付端(14)とは反対側のブーム自由端(16)と、上路(44)と、下路(42)とを有するブーム(12)と
を有し、
それぞれ前記チェーン結合部(20)は、それぞれ前記ブリスタパッケージ(24)を懸架するためのフック部材(22,22’)を有するように構成され、
前記下路(42)は、前記ブーム自由端(16)および前記ブーム自由端(16)に形成されたチェーン旋回点(43)に向かう前記チェーン(18)の移動を支持するように構成され、
前記上路(44)は、前記ブーム取付端(14)に向かって前記旋回点(43)から離れる前記チェーン(18)の移動を支持するように構成され、
前記チェーン(18)は、前記チェーン(18)を前進させる前記旋回点(43)のみで、顧客によって、その対応する前記フック部材(22,22’)から単一の前記ブリスタパッケージ(24)を取外可能であるように手動操作可能であり、
新しい前記ブリスタパッケージ(24)は、前記上路(44)において前記フック部材(22,22’)に結合され、前記下路(42)内に手動で前進させられる
ことを特徴とする、輸送システム(10)。
【請求項2】
前記ブーム(12)は、下向きに開口している中空体として形成されたケース(40)を有し、
前記ケース(40)は、前記下路(42)に対応する下ガイド溝(32,33)と、前記上路(44)に対応する上ガイド溝(34,35)とを内側に有する、
請求項1記載の輸送システム(10)。
【請求項3】
前記ケース(40)は、長手方向に分割された第1ケース殻(40a)と第2ケース殻(40b)によって形成される、
請求項2記載の輸送システム(10)。
【請求項4】
前記第1ケース殻(40a)と前記第2ケース殻(40b)は、相互プラグイン接続手段(45a,45b)を有する、
請求項3記載の輸送システム(10)。
【請求項5】
前記ブーム(12)は、前記ケース(40)に対して、前記固定構造上に取付可能である支持アーム(52)を有する、
請求項2記載の輸送システム(10)。
【請求項6】
それぞれ前記チェーン結合部(20)と前記フック部(21)は、一体型フック部材(22,22’)として構成されている、
請求項1記載の輸送システム(10)。
【請求項7】
それぞれ前記フック部材(22,22’)は、クリップ取付部(26,26’)を一端に有し、
前記クリップ取付部(26,26’)は、2つの隣接する前記フック部材(22,22’)のクリップ取付部(26,26’)内にクリップ留めされるように構成されている、
請求項6記載の輸送システム(10)。
【請求項8】
それぞれ前記クリップ取付部(26,26’)は、
ガイドピン(28)と;
前記ガイドピン(28)に平行且つ相補的な、隣接する前記フック部材(22,22’)の前記ガイドピン(28)を中にクリップ留めするスロット付ブッシュ(30)と
を有する、
請求項7記載の輸送システム(10)。
【請求項9】
それぞれ前記ガイドピン(28)は、それぞれの前記下ガイド溝(32,33)または前記上ガイド溝(34,35)内に収容される突出ガイドジャーナル(28a,28b)を両端に有する、
請求項8記載の輸送システム(10)。
【請求項10】
それぞれ前記フック部材(22,22’)は、一方側にクランク状にされたクランク部(27,27’)を有する、
請求項7記載の輸送システム(10)。
【請求項11】
前記クランク部(27,27’)には横ウェブ(27a,27b)が形成されている、
請求項10記載の輸送システム(10)。
【請求項12】
それぞれ前記フック部材(22,22’)は、隣接する前記フック部材(22,22’)の前記クランク部(27,27’)の自由端を受ける結合凹部(36)を、クランク部(27,27’)とは反対側の上端に有し、
前記有限チェーンの2つの隣接する前記フック部材(22,22’)は、それぞれ前記ブリスタパッケージ(24)の上端を収納するための閉塞区画(38)を組合わせて形成することが可能である、
請求項10記載の輸送システム(10)。
【請求項13】
前記フック部材(22,22’)は、前記下ガイド溝(32,33)または前記上ガイド溝(34,35)を通過して所定角度に案内され、
それぞれ前記フック部材(22,22’)の前記クリップ取付部(26,26’)は、前記クランク部(27,27’)に対応する角度で設定されている、
請求項9記載の輸送システム(10)。
【請求項14】
それぞれが全てのクリップ取付部(26,26’)のように構成された、別個のリンクを更に有する、
請求項7記載の輸送システム(10)。
【請求項15】
それぞれ前記フック部材(22,22’)は、動作検出器(57)を作動させるために少なくとも1つの切換カム(56)を有する、
請求項1記載の輸送システム(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−515296(P2011−515296A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−547752(P2010−547752)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際出願番号】PCT/US2009/034545
【国際公開番号】WO2009/105560
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(396026846)チエツクポイント システムズ, インコーポレーテツド (47)
【Fターム(参考)】