説明

ブリッジ係止用の搬送架台

【課題】 トラックの荷台上へトラクターやコンバインなど農業機械及び土木作業機械などを積み込んだり、或いは降ろしたりする作業を安全且つ便利に行うための搬送架台の提供。
【解決手段】 径3cm〜4cmの鋼管材で長さ1.2m〜1.5mの水平竿の両端に50cm〜60cmの脚竿を取付けて凹字状となした受け架台及と、肉厚凡そ1cmの鋼板材で巾4cm〜12cm、長さ40cm〜60cmの接地板中央に、上記脚竿をその内部或は外部に嵌入して支持する高さ40cm〜60cmの鋼管柱を立設させ、逆T字状となした支脚台との組合せに架台を構成し、これにブリッジ(梯子)を係止させて使用する。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、トラック(主として軽トラック)の荷台に対し、農業機械等の車両を積み降ろしするのに使用されるブリッジ係止用の搬送架台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農業機械等を現地に運搬したり持ち帰ったりするさい、これを軽トラックの荷台に載せて行うことが行われており、その積み降ろしにはブリッジと称する梯子をトラックの荷台の後端部に取付けて行われる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、ブリッジは図8に示す如く、トラック5の荷台後端部の壁板5aを倒し、該壁板5aの底面部mにそのフックnを係止させるのである。このさい、該壁板5aは蝶番5bで接続されているだけであるから、特に重量のある搬送車両の場合、或は例え重量の少ないものでも頻繁な積み降ろしにより、蝶番5bがはずれて搬送車両がブリッジと共に落下するという危険性がある。
そこで、本考案はこのような問題点を解決し、搬送作業を安全に行うことができるブリッジ係止用の搬送架台の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案に係るブリッジ係止用の搬送架台は、径3cm〜4cmの鋼管材で長さ1.2m〜1.5mの水平竿の両端に50cm〜60cmの脚竿を取付けて凹字状となした受け架台及び、肉厚凡そ1cmの鋼板材で巾4cm〜12cm、長さ40cm〜60cmの接地板中央に、上記脚竿をその内部或は外部に嵌入して支持する高さ40cm〜60cmの鋼管柱を立設させ、逆T字状となした支脚台とを組合せた構成とする。
このさい、接地板を湾弧状となし、接地板の両端に円筒体のくい込み防止材を設けたり、支脚台の鋼管柱に対し、受け架台の脚竿に対する高さ調節部材を取付けたりする。
【0005】
【考案の実施の形態】
本考案の一実施例を図面を参照して説明する。
本考案に係るブリッジ係止用の搬送架台1は、ブリッジのフックを受けるための受け架台2と、該受け架台2を支持する支脚台3との組合せで構成される。図1は受け架台2の一部破断斜視図、図2は支脚部3の一部破断斜視図、図3は上記受け架台2及び支脚台3を組立てたさいの正面図、図4は同側面図、図5は図4の断面図、図6は上記架台の使用状態図である。
【0006】
受け架台2は径3cm〜4cmの鋼管材を使用し、図1に見られる通り長さL1を1.2m〜1.5mとなした水平竿2aの両端に、高さh1が50cm〜60cmの脚竿2bを一体的に溶着させて凹字状となす。このさい、両端の脚竿2bの間に補強竿2cを、また水平竿2aと補強竿2cの間に補強竿2dを設けることにより強度が増すものとなる。
【0007】
これに対し、支脚台3は肉厚tが凡そ1cmの鋼板材を使用し、図2に示す通り巾sを4cm〜12cm、長さL2を40cm〜60cmとなした接地板3a中央に、上記脚竿2bをその内部に嵌入して支持する高さh2が40cm〜60cmの鋼管柱3bを立設させて逆T字状となす。このさい、接地板3aを下向きの湾弧状となさしめて、バネの作用が発揮されるようにすると良く、またその両端にはくい込み防止材3cが設けてある。なお、3dは補強用のリブ板である。
【0008】
図3は上記構成の受け架台2及び支脚台3の組立図であって、支脚台3は1対を用意し、各支脚台3の鋼管柱3bの内部に対し、受け架台2の脚竿2bを嵌入して組立てるのである。図では、受け架台2の脚竿2bを支脚台3の鋼管柱3bの内部に嵌入するものであるが、外部に嵌入する構成とすることもできる。持ち運ぶさいは、受け架台2と支脚台3を分離して行うのである。
【0009】
本実施例で組立て時の受け架台2の高さを適宜変更したいさいには、図7に示す通り鋼管柱3bの内部に別途管材3eを挿入させておくことにより簡便に実施することができる。
【0010】
図6は上記架台を使用してトラックの荷台に対する荷体の積み降ろし作業例を示すものであって、1対の支脚台は各接地板3aの方向をトラック5の荷台と平行となる方向となし、且つ上記架台をトラック5の荷台後端部から距離kが凡そ10cm〜15cmの位置に受け架台2aが位置するようになし、該上にブリッジ4のフックnを係止させるのである。而して、この状態で地面上の図示しない農業機械など荷体をブリッジ4上へ導いてトラック荷台に対し載せるのであり、或はトラック荷台上の荷体を上記ブリッジ4へ導いて地面上に降ろすのである。
【0011】
【考案の効果】
本考案は以上の通りブリッジ係止用の受け架台と1対の支脚台との組立て構成品となし、1対の支脚台は各接地板の方向をトラックの荷台と平行となる方向に位置させると共に、受け架台をトラックの荷台後端部から少し離した状態に配置させ、該受け架台の水平竿上にブリッジのフックを係止させるのであり、従ってブリッジを安定した傾斜状態に維持させることができるものとなる。上記、本考案品の使用では、従来の如くトラック荷台後端部の壁板にブリッジのフックを係止させたりしないので、トラックの壁板や蝶番を損傷させたり、或はこれらによる落下事故のないものとなるのであり、またブリッジ上端とトラック荷台との間に一定の間隙(10cm〜15cm)があるようになされていることは、搬送荷体の円滑な(衝撃のない)乗り移りを可能ならしめることができる上で優れるのである。
なお、本考案の搬送架台は平素は受け架台と支脚台に簡便に分離されるため保管に場所をとらないのであり、またトラックへの積み込みも容易であり、且つ現場での組立て使用も容易になし得られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】受け架台の一部破断斜視図。
【図2】支脚部の一部破断斜視図。
【図3】受け架台及び支脚台を組立てたさいの正面図。
【図4】図1の側面図。
【図5】図4の断面図。
【図6】本考案に係るブリッジ係止用の搬送架台の使用状態図。
【図7】鋼管柱の内部に高さ調節部材を挿入したときの断面図。
【図8】ブリッジをトラックの後端部の壁面に掛けたときの斜視図。
【符号の説明】
1 ブリッジ係止用の搬送架台
2 受け架台
2a 水平竿
2b 脚竿
2c、2d 補強竿
3 支脚台
3a 接地板
3b 鋼管柱
3c くい込み防止材
3d リブ板
3e 管材
4 ブリッジ
5 トラック
5a 荷台後端部の壁板
5b 蝶番
m 荷台後端部の壁板の底面部
n ブリッジのフック

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 径3cm〜4cmの鋼管材で長さ1.2m〜1.5mの水平竿の両端に50cm〜60cmの脚竿を取付けて凹字状となした受け架台及び、肉厚凡そ1cmの鋼板材で巾4cm〜12cm、長さ40cm〜60cmの接地板中央に、上記脚竿をその内部或は外部に嵌入して支持する高さ40cm〜60cmの鋼管柱を立設させ、逆T字状となした支脚台との組合せに構成したブリッジ係止用の搬送架台。
【請求項2】 接地板を湾弧状となしたことを特徴とする請求項1記載のブリッジ係止用の搬送架台。
【請求項3】 接地板の両端に円筒体のくい込み防止材を設けてあることを特徴とする請求項1又は2記載のブリッジ係止用の搬送架台。
【請求項4】 支脚台の鋼管柱に対し、受け架台の脚竿に対する高さ調節部材を取付けてあることを特徴とする請求項1、2又は3記載のブリッジ係止用の搬送架台。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【登録番号】実用新案登録第3065232号(U3065232)
【登録日】平成11年10月20日(1999.10.20)
【発行日】平成12年2月2日(2000.2.2)
【考案の名称】ブリッジ係止用の搬送架台
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平11−4661
【出願日】平成11年6月25日(1999.6.25)
【出願人】(594185880)