説明

ブレーキアセンブリの機能性を保証するための方法および車両システムとかかるシステムを包含する車両

本発明は、圧縮空気システムとブレーキアセンブリとを包含する車両システムに関する。前記圧縮空気システムは、空気制御式車両部品を作動させるための作動手段と、前記作動手段から排出空気を吐出するのに適した排出口とを包含している。前記車両システムは、前記ブレーキアセンブリの少なくとも一部分に空気を吐出するための吐出装置を包含している。本発明はまた、前記ブレーキアセンブリのブレーキ特性を改良する方法に関する。さらに本発明は、前記ブレーキアセンブリのブレーキ特性を改良するための排気ガスの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮空気システムとブレーキアセンブリとを包含する車両システムに関連する。圧縮空気システムは、空気制御式車両部品を作動させるための作動手段と、作動手段から排出空気を吐出するのに適した排出口とを包含する。車両システムは、ブレーキアセンブリの少なくとも一部分に空気を吐出するための吐出装置を包含する。
【0002】
本発明は、ブレーキアセンブリの制動特徴を向上させる方法にも関連する。さらに本発明は、ブレーキアセンブリの制動特徴を向上させるための排出空気の使用にも関連する。
【背景技術】
【0003】
現在の車両は、一般的に複数のブレーキアセンブリを備えている。車両の車輪の各々は、車輪の回転抵抗を調整するのに適したブレーキアセンブリを備えるのが一般的である。しかし用途によっては、いくつかの車輪のみに、好ましくは少なくとも二つに、ブレーキアセンブリを設けるだけで充分である。
【0004】
現在ではディスクブレーキが主流のブレーキタイプであるが、ブレーキアセンブリのタイプは例えばドラムブレーキまたはディスクブレーキでもよい。しかし、一般的特徴として、ブレーキアセンブリは一般的に回転部材を包含し、この回転部材は、ドラムブレーキではドラム、ディスクブレーキではディスクであり、制動中に回転部材と当接するのに適した摩擦部材により、その回転速度が低下するか、停止することさえある。
【0005】
ブレーキアセンブリに使用されるブレーキのタイプに関係なく、ブレーキアセンブリが適切に機能することを保証する、つまり制動アセンブリの制動能力が損なわれないことを保証することが一般的に必要である。制動アセンブリは、複数の原因で故障することがある。例を挙げると、ブレーキアセンブリの部品の少なくとも一つが過剰な熱に曝される場合、または部品にとって好適な温度を上回る温度を部品が長時間維持する場合に、これらの部品が変形を受けることがある。さらに、回転部材と摩擦部材との間の摩擦力は、これら二つの部品のいずれか一方が閾値を上回る温度に達した場合に、低下することがある。上述した過剰な熱および/または高い温度は、制動中に回転部材と摩擦部材との間の接触により発生する摩擦熱から生じるのが一般的である。
【0006】
別のブレーキ故障例では、ブレーキアセンブリそのものからの泥または破片(つまりブレーキダスト)が回転部材および/または摩擦部材に付着し、その結果、二つの部品の間の接触が不均一となる、および/または減少し、結果的に回転部材と摩擦部材との間の摩擦力の低下につながる。また、二つの部品間の接触が不均一であると、二つの部品の少なくとも一方を早期に交換する必要が生じ、車両の所有者にとって交換コストの追加という結果を招く。そのうえ、最新のディスクブレーキアセンブリは、ディスクの回転軸に沿って変移可能なブレーキディスクを備えている。この特徴は剛性ブレーキキャリパを有するブレーキアセンブリに最もよく見られ、このように変移可能にした目的は、ブレーキディスクがキャリパの中心に配置されるようにすることである。しかし、ブレーキディスクとブレーキアセンブリとの間にブレーキアセンブリからの泥および/または破片が存在する場合には、ディスクの回転軸に沿った変移がうまく行かないことがある。
【0007】
上記から理解できるように、ブレーキアセンブリの低温を維持することに加えてブレーキアセンブリを充分にクリーンな状態にしておくことが望ましい。
【0008】
ブレーキアセンブリを充分に低温に維持するため、特許文献1は、導管により吐出ノズルに接続された圧縮空気供給源を包含する装置の使用を提案している。吐出ノズルから出る際にこの空気が減圧されるように、ノズルはブレーキアセンブリの一部分に空気を案内する。こうして、ブレーキアセンブリの少なくとも一部分が、この部分に吐出される減圧空気により冷却される。
【0009】
しかし、特許文献1の装置はいくつかの短所を有する。例えば、特許文献1の装置によりブレーキアセンブリが冷却される時は必ず、圧縮空気供給源の圧力が低下し、一般的に、圧縮空気供給源の空気圧力を回復するためにコンプレッサが作動しなければならないという結果になる。この結果、特許文献1の装置が取り付けられた車両のエネルギー消費量が増加するのは当然である。そのうえ、特許文献1の装置は一般的に、ノズルへの空気の供給を制御するため圧縮空気供給源と吐出ノズルとの間に接続されたバルブなどの付加的制御機構を必要とする。このような付加的制御機構が、特許文献1の装置が取り付けられた車両のコストおよび複雑さを高めるのは当然である。
【0010】
さらに、特許文献1の装置の圧縮空気供給源は一般的に、付加的圧縮空気システムに圧縮空気を送り、この付加的システムはブレーキシステムまたはホイールサスペンションである。圧縮空気供給源から吐出ノズルへ供給される圧縮空気の量は、バルブを包含する調節機構により調整されるのが一般的である。調節機構が誤作動して吐出ノズルへ常に空気が送られてしまう場合には、圧縮空気供給源の圧力が徐々に低下し、その結果、エネルギー消費量がさらに上昇することになる。最悪のケースのシナリオでは、圧縮空気供給源からの上述した空気の吐出を停止させることを目的とする付加的安全機構を特許文献1の装置が備えていない場合には、調節機構の誤作動は、付加的圧縮空気システムの操作性を低下させるという結果すら生じる。このため多くの司法管轄区では、例えば、実際の制動動作以外の目的で、ブレーキアセンブリに使用するための圧縮空気の直接的な使用を禁止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1249631号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の第一の目的は、車両のブレーキアセンブリの機能性を保証するのに使用される車両のシステムを提供することであり、このシステムのエネルギー消費量の追加は比較的少ない。
【0013】
本発明の第二の目的は、車両のブレーキアセンブリの機能性を保証するのに使用される車両のシステムを提供することであり、システムの誤作動が、車両の他の圧縮空気システムが故障するという結果を招くことはない。
【0014】
本発明の第三の目的は、含む部品数が少なく設置が容易かつ経済的である車両のブレーキアセンブリの機能性を保証するのに使用される車両のシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
これらの目的の少なくとも一つが、請求項1に記載の装着機構によって達成される。
【0016】
ゆえに、本発明は、圧縮空気システムとブレーキアセンブリとを包含する車両システムに関連する。圧縮空気システムは、空気制御式車両部品を作動させるための作動手段と、作動手段から排出空気を吐出するのに適した排出口とを包含する。車両システムは、ブレーキアセンブリの少なくとも一部分に空気を吐出するための吐出装置を包含する。本発明によれば、作動手段からブレーキアセンブリへ排出空気を運搬するように、排出口と吐出装置とが流体連通状態にある。
【0017】
このように、先行技術の圧縮空気システムで行われていたように、排出空気つまり作動手段18の後退中に作動手段から吐出される空気を車両システムの周囲の空気に吐出するのではなく、排出空気は代わりに、ブレーキアセンブリの少なくとも一部分に吐出されるように再利用される。ゆえに、吐出装置から吐出される再利用排出空気により、ブレーキアセンブリの一部分が例えば冷却および/またはクリーニングされ、こうして、使用エネルギー消費量の追加を低く抑えながらブレーキアセンブリの機能性が保証されることになる。
【0018】
さらに、排出口と吐出装置との間の流体連通に漏出または破損が生じた場合には、調整手段からの排出空気は吐出装置の代わりに周囲の空気へ流入するが、制動システムおよび/またはホイールサスペンションなどの付加的作動システムに供給を行う圧縮空気供給源の圧力に、この漏出または破損が影響を与えることはない。
【0019】
本発明の好適な実施形態によれば、圧縮空気システムはブレーキシステムである。ブレーキシステムは、吐出装置を包含するブレーキアセンブリに作用するのに適していることが好ましい。このようにして、排出口と吐出装置との間の距離が短くなり、結果的に、排出口と吐出装置との間の接続、例えば導管である接続は短くなり、接続部の生産コストを低下させるとともに操作性を向上させる。
【0020】
本発明の第二の態様は、車両のブレーキアセンブリの機能性を保証する方法に関連する。車両はさらに圧縮空気システムを包含して、このシステムは、作動手段と、作動手段から排出空気を吐出するのに適した排出口とを包含し、ブレーキアセンブリの機能性の保証は、ブレーキアセンブリへ圧縮空気を吐出するステップを包含する。本発明によれば、この方法はさらに、排出空気が圧縮空気の性質を持つように、ブレーキアセンブリまで排出空気を誘導するステップを包含する。
【0021】
本発明の第二の態様の好適な実施形態は、ブレーキアセンブリの少なくとも一部分の温度を判断するステップを包含する。さらに、温度が所定値を上回った場合には、この方法はさらに作動シーケンスを開始させるステップを包含し、この作動シーケンスは、排出空気が得られるように作動手段を作動および後退させることを包含する。
【0022】
ゆえに、ブレーキアセンブリの一部分の温度が高い場合には、この部分に空気を吐出することによりここが冷却される。本発明の車両システムはブレーキアセンブリの部分を冷却するのに排出空気を使用するので、圧縮空気システムの作動手段の作動および後退が行われることで、必要な排出空気を発生させる。そのうえ、一般的に連続制動期間中にブレーキアセンブリの温度上昇が得られる。そのため、圧縮空気システムが、加熱ブレーキアセンブリに作用するブレーキシステムの一部である場合は特に、上記のシーケンスは、この場合にはブレーキシリンダであるアクチュエータを後退させるステップを包含するので、ブレーキアセンブリの加熱をそれ自体が軽減する。圧縮空気システムがブレーキシステムの一部である場合には、ドライバによって要求された制動圧力が維持されるように上記のシーケンスが実施されることが好ましい。ゆえに、この場合にはブレーキシリンダである作動手段の作動および後退は、要求された制動圧力と実質的に等しい平均圧力を持つ制動パルスを発生させるのである。
【0023】
さらに、上記のシーケンスの間に車両の乗員は、おそらくは騒音および制動変化の感触など、ブレーキアセンブリからの信号に気付くことがある。これらの信号は、ブレーキアセンブリが過熱されつつあるという差し迫った危険が生じていることとドライバは制動力を低下させるべきであることとを、乗員、特にドライバに知らせる。
【0024】
本発明の第三の態様は、車両システムの圧縮空気システムからの排出空気の使用に関連し、車両システムはさらに、ブレーキアセンブリを包含する。本発明の第三の態様によれば、ブレーキアセンブリの制動特徴を向上または維持するために排出空気が使用される。
【0025】
以下、添付の図を参照して非限定的な例として本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1A】作動手段が作動した時の本発明の車両システムの実施形態を示す概略図である。
【図1B】作動手段が後退した時の図1Aの実施形態を示す概略図である。
【図2】本発明によるブレーキアセンブリの具体例を示す概略断面図である。
【図3】本発明によるブレーキアセンブリのさらなる具体例を示す概略断面図である。
【図4A】作動手段が作動した時の本発明の車両システムのさらなる実施形態を示す概略図である。
【図4B】作動手段が後退した時の本発明の車両システムの図4Aの実施形態を示す概略図である。
【図5A】作動手段が作動した時の本発明の車両システムの別の実施形態を示す概略図である。
【図5B】作動手段が後退した時の本発明の車両システムの図5Aの実施形態を示す概略図である。
【図6】車両に取り付けられた時の本発明の車両システムの実施形態を図示する概略斜視図である。
【図7】本発明の車両システムのさらに別の実施形態を示す概略図である。
【図8】本発明の車両システムのまた別の実施形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、実施形態を例として本発明を説明する。しかし、添付の請求項により規定される発明の範囲を制限するためでなく発明の原理を説明するために実施形態が含まれていることを理解すべきである。
【0028】
図1Aは、圧縮空気システム12を包含する車両システム10を図示している。図1Aにおいて、圧縮空気システム12はブレーキシステムであるが、排出空気を提供する限り、他の車両圧縮空気システム12が本発明の車両システムに使用されてもよい。純粋に例として挙げると、進歩性を持つ車両システム10の圧縮空気システム12としては、圧縮空気ホイールサスペンション(不図示)が使用されるとよい。
【0029】
どの圧縮空気システム12が車両システム10に包含されるかに関係なく、添付の図に図示された圧縮空気システム12は、三つの部品、つまり圧縮空気供給源14と調整手段16と作動手段18とを包含する。典型的な圧縮空気供給源12は、圧縮空気の蓄積および供給に適したタンクである。純粋に例として挙げると、本発明の車両システム10が大型車両またはトラックに取り付けられる場合には、タンクの容量は20から40リットルの範囲であり、タンクは700〜1200kPaの範囲内の圧力で空気を蓄積するのに適しているとよい。一般的に、例えば圧縮空気供給源14の圧力が所定値を下回ると必ず供給源に圧縮空気が供給されるように、圧縮空気供給源14にはコンプレッサ(不図示)が接続されている。圧縮空気供給源14は複数のタンク(不図示)も包含し、このタンクは相互との流体連通状態にある。任意であり、あまり好ましくないが、圧縮空気供給源14が単純にコンプレッサ(不図示)で構成されてもよい。
【0030】
ここで使用される「空気」という表現は、空気に類似した組成を持つ混合気すべてを含むことに注意すべきである。そのため、本発明の範囲から逸脱することなく、圧縮空気システム12において追加のガスが空気に加えられてもよい。
【0031】
調整手段16については、作動手段18への、または作動手段18からの圧縮空気の供給を制御するのに適したバルブ機構を一般的に包含する。この目的のため、一般的には調整手段16が調節を行うための制御信号を調整手段16に提供するのに適した電子制御ユニット(ECU)である制御機構(不図示)と、調整手段16とが連通状態にあるのが一般的である。当然、制御機構が調整手段16の一部を形成してもよい。バルブ機構は、電子信号に応答するのに適している場合に、たいていは変調器と呼ばれ、変調器およびECUを包含する調整手段はEBS変調器と呼ばれることがある。図1Aのこのような圧縮空気システム12はブレーキシステムであるので、直接的に、例えば付加的圧縮空気導管(不図示)を介して、または間接的に、例えば制御機構を介して電子的に、調整手段16は車両のブレーキペダル(不図示)との連通状態にある。
【0032】
作動手段18は、空気制御式車両部品を作動させるのに適しており、作動手段の空気圧により位置が決定されるピストン20を一般的に包含する。図1Aから分かるように、ピストン20はブレーキアセンブリ24のブレーキパッド22に接続され、図1Aではブレーキディスクとして例示された、ブレーキアセンブリ24の回転部材26とこのブレーキパッド22が当接する。実際には、作動手段18とブレーキパッド22とは、ブレーキアセンブリ24のキャリパ(不図示)に収容されるのが一般的である。回転部材26は一般的に、車輪(不図示)を収容するのに適したハブ27に装着されている。
【0033】
さらに図1Aには、圧縮空気システム12が調整手段16と流体連通状態にあることが図示されており、この流体連通は、少なくとも1本の導管を包含する導管システム28によって設けられることが好ましい。一方、調整手段16は作動手段18との流体連通状態にあり、この流体連通も少なくとも1本の導管を包含する導管システム30によって設けられることが好ましい。本発明の車両システム10の導管は、様々な形状を呈しても、異なる種類の材料で製作されてもよい。純粋に例として挙げると、一部の導管はゴムまたはプラスチック材料などから製作された可撓性の管であり、一部の導管は鋼または銅などの金属から製作された実質的に剛性の管でよい。
【0034】
さらに図1Aには、作動手段18から排出空気を吐出するのに適した排気口32を圧縮空気システム12が包含することが図示されている。これがどのように行われるかは、以下で図1Bに関連して詳細に記す。図示された本発明の車両システム10の実施形態では、排出口32は調整手段16に配置され、ここは排出口32の箇所として好ましい。しかし、作動手段18、または調整手段16と作動手段18とを接続する導管システム30など、圧縮空気システム12の他の位置に排出口32が配置されてもよいことは言うまでもない。
【0035】
図1Aから分かるように、車両システムはさらに、ブレーキアセンブリ24のブレーキディスク26の一部分に空気を吐出するのに適した吐出装置34を包含する。吐出装置34は図1Aでは吐出ノズルとして図示されているが、吐出装置34の他の具体例も可能である。さらに図1Aには、排出口32と吐出装置34とが流体連通状態にあることが図示されている。また、少なくとも1本の導管を包含する導管システム36によって流体連通が設けられることが好ましい。導管システム36は、吐出装置34から吐出する前に排出空気をクリーニングするためのフィルタリングまたはクリーニング手段を包含するとよい。
【0036】
圧縮空気供給源12が複数の調整手段16と流体連通状態にあって、これらの調整手段が複数の作動手段18と流体連通状態にあってもよいことに注意すべきである。例として、現代のトラックまたは大型車両では、圧縮空気供給源14または圧力空気タンクが、一般的に複数の圧縮空気ブレーキシステムに空気を供給し、圧縮空気ブレーキシステムの各々はさらに調整手段16を包含する。そのうえ、各調整手段16は二つ以上の作動手段18つまりブレーキピストンに接続されてもよく、作動手段18の各々がブレーキパッド22に接続される。純粋に例として挙げると、圧縮空気ブレーキシステムが、ブレーキディスク26の両側に配置された二つの作動手段18を包含してもよい。
【0037】
図1Aは、作動手段18が作動した状態の、つまり制動動作を実施している時の圧縮空気システム12を図示している。ゆえに、圧縮空気が作動手段18へ誘導されるように調整手段16が制御され、その結果、ブレーキパッド22がブレーキディスク26の方へ移動して所望の接触圧力でブレーキディスクと当接するように、作動手段18が作動するのである。この時、図1Aで16と記された調整手段の状態が無変化のままである限り、ブレーキパッド22はブレーキディスク26との接触関係に維持される。
【0038】
図1Bは、作動手段18が後退した状態に圧縮空気システム12がある時の図1Aの車両システム10を図示している。この状態では、作動手段18に蓄積された圧縮空気が導管システム30を通って調整手段16へ戻されるように調整手段16が制御される。これは一般的に、導管システム30と排出口32との間のバルブ(不図示)を調整手段16に開かせることによって行われる。作動手段18は一般的に、導管システム30と排出口32との間の開放通路により作動手段18の圧力が低下した時に作動手段18を後退させる後退手段を包含する。後退手段は例えば、コイルばねなどの付勢手段でよい。しかし、他のタイプの圧縮空気システム12、例えばホイールサスペンションシステム(不図示)では、ホイールサスペンションシステムの上端部に装着されたボデー(不図示)の重力によって後退作用が得られるので、後退手段が省略されてもよい。
【0039】
作動手段18から戻った圧縮空気は一般的に排出空気と呼ばれ、調整手段16の排出口32から吐出される。従来、排出空気は周囲の空気に放出されるに過ぎなかったが、本発明の教示によれば、排出空気は代わりに吐出装置34へ誘導されて、ブレーキアセンブリの少なくとも一部分に吐出され、図1Bにおいてこの部分はブレーキディスク26の一部分である。ゆえに、ブレーキディスク26のクリーニングおよび/または冷却などに排出空気が使用される。
【0040】
ブレーキアセンブリ24の一部分へ排出空気を吐出することにより所望される作用に応じて、吐出装置34は様々な設計を持ってもよい。純粋に例として挙げると、吐出装置34の主な目的がブレーキアセンブリの一部分を冷却することである場合には、空気の温度低下が得られる結果、ブレーキアセンブリ24の一部分つまり図1Aおよび1Bにおけるブレーキディスク26の対応した温度低下が見られるように、吐出装置34を出る時に排出空気の急速な膨張が行われるように吐出装置34が設計されるとよい。冷却吐出装置34はさらに、吐出装置34の空気の膨張により冷却される空気のスムーズな流れを発生させるのに適しているとよい。
【0041】
当然であるが、本発明の車両システム10が複数の(不図示の)吐出装置34を備えていて、すべてが排出口との流体連通状態にあり、ブレーキアセンブリの異なる部分に吐出を行ってもよいことは言うまでもない。この時、吐出装置34は相互に異なる設計を持つとよい。純粋に例として挙げると、吐出装置34の少なくとも一つが冷却目的で最適化されるのに対して、別の吐出装置34がクリーニング目的で最適化されてもよい。また、純粋に例として挙げると、クリーニング目的の吐出装置34は、例えば、ブレーキアセンブリ24の一部分に吐出される空気圧インパルスを発生させるように設計され、このインパルスはブレーキアセンブリ24から泥および/または破片を押し出す。
【0042】
図2には、吐出装置34の別の箇所が図示されている。図2においてブレーキディスク26は、ハブ27の周方向延在空洞40との流体連通状態にある径方向延在開口部38を包含する。図2からさらに明らかとなるように、吐出装置34はハブ空洞40に吐出を行う。そのため、図2の吐出装置34がハブ空洞40へ空気を吐出すると、空気は径方向延在開口部38を通過することでブレーキディスク26を内部から冷却する。
【0043】
図3には、本発明の車両システム10で使用されるブレーキアセンブリ24の代替設計が図示されている。図3のブレーキアセンブリ24は、固定キャリパ42に収容されてブレーキディスク26の両側に配置された二つのブレーキパッド22’、22”を包含する。アセンブリ24の適切な制動機能を保証するため、ブレーキディスク26と一方のブレーキパッド22’との間の距離が、ブレーキディスク26と他方のブレーキパッド22”との間の距離と実質的に等しくなるように、ブレーキディスク26がキャリパ42の中央に配置されることが望ましい。そのため、並進変位、つまりブレーキディスク24の回転軸と実質的に平行な寸法である図3にTで示された寸法に沿った変位をブレーキディスク26に付与するための手段をブレーキディスク24が包含することが好ましい。この目的のため、ハブ27とブレーキディスク26とは、ハブ27に対するブレーキディスク26の並進変位を可能にするが回転変位は阻止する係合スプライン機構44(スプライン機構のハブ27部分のみが図3に見える)を備えることが好ましい。適切に機能するためスプライン機構44は充分に清潔に維持されることが一般的に好ましい。したがって、図3に図示されたブレーキアセンブリ24の具体例は、泥および/またはブレーキダストが除去されるようにスプライン機構44の少なくとも一部分に空気を吐出するのに適した吐出装置34を包含する。
【0044】
図4Aは、本発明の車両システム10のさらなる実施形態を図示している。図4Aの車両システム10は、二つのブレーキアセンブリ24’、24”を包含し、その各々が、対応の作動手段18’、18”を備える別々のブレーキパッド22’、22”を包含している。しかし、両方の作動手段18’、18”が共通の調整手段16に接続され、これが圧縮空気供給源14に接続されている。共通の調整手段16は例えば、進歩性を持つ車両システム10が取り付けられた車両のフレームに装着されるとよい。図4Aは、作動手段18’、18”が作動した、つまりブレーキパッド22’、22”がブレーキディスク26’、26”に接近している状態の車両システム10を図示している。ゆえに、図4Aに図示された状態での調整手段16は、両方の作動手段18’、18”に圧縮空気を供給するのである。
【0045】
他方、図4Bには、両方の作動手段18’、18”が後退した時の、図4Aに図示された車両システム10の実施形態が図示されている。この状態では、作動手段18’、18”から調整手段16へ戻るように圧縮空気が案内される。圧縮空気は次に、排出口32を通って調整手段16から出て、ブレーキアセンブリ24’、24”の吐出装置34’、34”へ進む。
【0046】
図5Aには、ブレーキアセンブリ24’、24”の各々が個別の調整手段16’、16”と関連している、図4Aの実施形態の代替例が図示されている。個別の調整手段16’、16”の各々は、対応のブレーキアセンブリ24’、24”の近傍に配置されることが好ましい。図4Aと同様にして、図5Aには、調整手段16’、16”の各々が対応の作動手段18’、18”に圧縮空気を供給するように作動手段18’、18”が作動する状態における車両システム10が図示されている。
【0047】
図4Bと類似して、図5Bには、両方の作動手段18’、18”が後退した時の、図5Aに図示された車両システム10の実施形態が図示されている。この状態では、作動手段18’、18”の各々から対応の調整手段16’、16”へ戻るように圧縮空気が案内される。次に圧縮空気は、排出口32’、32”を通って調整手段16’、16”から出て、ブレーキアセンブリ24’、24”の吐出装置34’、34”へ進む。
【0048】
本発明の車両システム10の図4Aの実施形態と比較すると、図5Aの実施形態は一般的に、各排出口32と吐出装置34との間の接続が一層簡単になっている。すなわち、図5Aの実施形態の各調整手段16’、16”は一般的に、対応の吐出装置34’、34”に近接しているので、各排出バルブ32’、32”は、短い伝導システム36’、36”により対応の吐出装置34’、34”との流体接続状態となるように配設されるのである。他方、図4Aの実施形態では、必要な調整手段16が一つだけなので、車両システム10の部品数を削減するという長所が見られる。
【0049】
図6には、本発明の車両システム10の図5Aの実施形態が設置されたトラックが図示されている。図6では、二つの車両システム10’、10”が見られる。
【0050】
図7には、本発明の車両システム10のさらなる実施形態が図示されている。図7の実施形態では、圧縮空気システム12はホイールサスペンションシステムである。そのため、図7の作動手段18は、車両フレーム48と車輪軸50とを接続するエアベロー46を包含する。すなわち、車両フレーム48が下降する、つまり車両フレーム48と車輪軸50との間の垂直距離が減少すると、エアベロー46からの圧縮空気が排気口32を通過し、吐出装置34からブレーキアセンブリ24の少なくとも一部分へ吐出されるのである。車両フレーム48の下降は一般的に車両が停止している時に実施されるので、吐出装置34から吐出された空気が、ブレーキアセンブリ24の少なくとも一部分のクリーニングに使用されることが好ましい。
【0051】
図1から図5に関連した上記の説明を熟考すると理解できるであろうが、本発明の圧縮空気システム12がブレーキシステムである時には必ず、ブレーキアセンブリの少なくとも一部分の冷却および/またはクリーニングは、一般的に作動手段18の後退中つまり制動手順の最終段階中に行われる。こうして、ブレーキアセンブリ24の適切な冷却および/またはクリーニングが行われるのが一般的である。しかし、極端な状態では、例えば長時間の常時制動中には、ブレーキアセンブリ24の付加的冷却の必要があるかもしれない。
【0052】
進歩性を持つ車両システム10を利用してこのような付加的冷却を得る様々な方法を、図8を参照して以下に挙げる。
【0053】
図8には、図1Aの実施形態と類似した本発明の車両システム10の実施形態が図示されているが、作動手段18の後退手段52が図8の実施形態には含まれている。前に述べたように、後退手段の目的は、一般的に、排出バルブ32が開いた時に作動手段18を後退させることで、作動手段18から圧縮空気を誘導することである。後退手段52は、図8の実施形態ではコイルばねとして図示されているが、他のタイプの後退手段52が可能であることは言うまでもない。後退手段52はまた圧縮応力が与えられていることが好ましい。そのため、作動力を発生させる圧縮空気が作動手段18に供給される時には必ず、作動力が後退手段52の圧縮応力を超えるまで作動手段18は作動しない。
【0054】
図8に図示された本発明の車両システム10の実施形態はさらに、ブレーキアセンブリ24の少なくとも一部分の温度を測定するのに適した測定機構54を包含する。図8において、測定機構54はブレーキパッド22に近接して配置されてブレーキディスク26に面しているが、代わりに測定機構54がブレーキアセンブリ24の他の部品に配置されてもよい。測定機構54は車両システム10の制御機構と連通状態にあることが好ましく、図8の制御機構は調整手段16に含まれる。こうして測定手段54は、ブレーキアセンブリ24の少なくとも一部分の温度に関する情報を調整手段16に提供する。
【0055】
ブレーキアセンブリ24の少なくとも一部分の温度の測定値を得るために測定アセンブリ54を使用するのでなく、代わりに上記の温度が推定されてもよい。純粋に例として挙げると、ブレーキアセンブリ24の部品の加熱は一般的に、制動動作中に発生する摩擦熱の結果であるので、ブレーキ手順のブレーキ期間およびブレーキ圧力に関する情報は一般的に、ブレーキアセンブリ24の少なくとも一部分の温度を測定するのに充分な情報である。そのため、ブレーキアセンブリ24の温度を直接測定するのでなく、代わりにブレーキ期間およびブレーキ圧力を入力として利用する推定手順により温度が間接的に判断されてもよい。このような推定手順は、調整手段16の制御機構が電子制御ユニット(ECU)を包含している場合は特に、このような制御機構で実行されることが好ましい。純粋に例として挙げると、推定手順はテーブルルックアップ機能を包含するとよい。
【0056】
ブレーキアセンブリ24の少なくとも一部分の温度の測定値がどのようにして得られるかに関係なく、ブレーキアセンブリが過剰に加熱されそうだということをこの測定値が示している場合には、付加的冷却手順が開始されるとよい。好ましくは制御機構に記憶された値である所定値を推定温度が超えた場合には、制御機構によってこのような付加的冷却手順が自動的に開始されることが好ましい。以下では、付加的冷却手順の二つの変形例を挙げる。
【0057】
最初に、ブレーキアセンブリ24が制動状態にある、つまりブレーキパッド22がブレーキディスク26と接触している場合には、所定値を超える温度が判断される、つまり推定されるか測定されると、調整手段16は、重畳制動パルスをブレーキパッド22に付与するように構成されている。そのため、付加的冷却手順の第1変形例では、作動手段18の空気圧が平均圧力を中心に変化し、この平均圧力は、ドライバに要求される制動圧力である。ゆえに、制動状態では、ブレーキパッド22とブレーキディスク26との間に常に接触が見られるが、その間の接触圧力は変化するのである。前に述べたように、排出口32を通って、ゆえに吐出装置34を通って空気が吐出されるという事実のため、アクチュエータの圧力は低下する。そのため、重畳制動パルスの結果、ブレーキアセンブリ24がさらに冷却されることになる。冷却特徴に加えて、車両システム10が取り付けられた車両のドライバが非常に長いまたは非常に強い制動を行ったためブレーキアセンブリが過剰に加熱されそうであるということを車両のドライバに通知するのに、制動パルスが使用されてもよい。制動パルスに加えて、上述した方法は、ブレーキアセンブリが過剰に加熱される危険があることをドライバに通知するという付加的ステップを包含してもよい。ドライバに通知するという付加的ステップは、警告灯の点灯、ドライバに見えるディスプレイへの警告記号の表示、または可聴アラームの発生を包含するが、これらに限定されるわけではない。上述した通知方法の例は、当該技術の熟練者には「フェード警告」として知られている。
【0058】
任意であるが、ブレーキ動作の終了後に、つまりブレーキパッド22がもうブレーキディスク26と接触していない時に、ブレーキアセンブリの付加的冷却が行われてもよい。そのため、ブレーキ動作の終了後に、調整手段16は、作動手段18への作動力となる圧縮空気を作動手段に供給してもよい。しかし、作動力が後退手段52の圧縮応力を超える、つまり作動手段が作動しなくなる前に、圧縮空気の供給は停止される。それから、作動手段18から排出口32を介して吐出装置34へ圧縮空気を誘導するように、調整手段16が操作される。やはりこの結果、ブレーキアセンブリ24の付加的な冷却および/またはクリーニングが行われる。この付加的冷却手順の具体例がブレーキ動作の直後に実施される必要はないのは当然だが、ブレーキアセンブリ24が制動状態にない時に必ず実施されてもよいことは言うまでもない。上記の制動パルス方法のように、上述した付加的冷却の具体例も「フェード警告」ステップを包含するとよい。
【0059】
添付の請求項の範囲に含まれる本発明のさらなる変形も可能である。例えば、ブレーキアセンブリ24の様々な部分に吐出を行う三つの吐出装置34を車両システム10が包含するように、図1A、図2、図3に図示された実施形態の吐出装置34の具体例が組み合わされてもよいことは言うまでもない。そのうえ、車両システム10のさらなる具体例が、さらに多くの吐出装置34を包含してもよい。さらに、ブレーキアセンブリ24の機能性を保証するための手順の例として、ブレーキアセンブリ24の冷却およびクリーニングのみについて上述したが、他の手順が可能であることは言うまでもない。純粋に例として挙げると、潤滑油などをブレーキアセンブリ24の特定箇所に搬送するのに適した担体ガスとして排出空気が使用されてもよい。そのため、上述した実施形態および図によって限定されるものとして本発明を考えるべきではない。また、上の説明では一タイプのブレーキアセンブリ24、つまりディスクブレーキのみが図示および記載されたが、他のタイプのブレーキに本発明が使用されてもよいことは言うまでもない。純粋に例として述べると、吐出装置34がドラムの内部に空気を吐出するのに適したドラムブレーキアセンブリに本発明が使用されてもよい。むしろ、発明の範囲全体は、説明および図面を参照して、添付の請求項により決定されるべきである。
【符号の説明】
【0060】
10、10’、10” 車両システム
12 圧縮空気システム
14 圧縮空気供給源
16 調整手段
18、18’、18” 作動手段
20 ピストン
22、22’、22” ブレーキパッド
24、24’、24” ブレーキアセンブリ
26、26’、26” ブレーキディスク
27、27’、27” ハブ
28、30、36 導管システム
32 排出口
34、34’、34” 吐出装置
36’、36” 短導管システム
38 径方向延在開口部
40 ハブ空洞
42 キャリパ
44 スプライン機構
46 エアベロー
48 車両フレーム
50 車輪軸
52 後退手段
54 測定機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮空気システム(12)とブレーキアセンブリ(24)とを包含する車両システム(10)であって、前記圧縮空気システム(12)が、空気制御式車両部品を作動させるための作動手段(18)と、前記作動手段(18)から排出空気を吐出するのに適した排出口(32)とを包含し、前記車両システム(10)が前記ブレーキアセンブリ(24)の少なくとも一部分に空気を吐出するための吐出装置(34)を包含する車両システム(10)において、前記作動手段(18)から前記ブレーキアセンブリ(24)へ排出空気を運搬するように、前記排出口(32)と前記吐出装置(34)とが流体連通状態にあることを特徴とする、車両システム(10)。
【請求項2】
前記圧縮空気システム(12)がブレーキシステムの一部である、請求項1に記載の車両システム(10)。
【請求項3】
前記ブレーキアセンブリ(24)がブレーキディスク(26)を包含し、前記吐出装置(34)が前記ブレーキディスク(26)に空気を吐出するのに適している、請求項1または2に記載の車両システム(10)。
【請求項4】
前記ブレーキディスク(26)が径方向延在開口部(38)を包含し、前記吐出装置(34)が前記径方向延在開口部(38)に空気を吐出するのに適している、請求項3に記載の車両システム(10)。
【請求項5】
前記ブレーキアセンブリ(24)が、スプライン機構(44)により相互に結合された二つの部品を包含し、前記吐出装置(34)が、前記スプライン機構をクリーニングするため前記スプライン機構(44)へ空気を吐出するのに適している、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の車両システム(10)。
【請求項6】
前記部品の一つが前記ブレーキディスク(26)である、請求項5に記載の車両システム(10)。
【請求項7】
前記圧縮空気システム(12)がさらに、圧縮空気供給源(14)と調整手段(16)とを包含し、前記供給源(14)が前記調整手段(16)と流体連通状態にあって前記調整手段(16)が前記作動手段(18)と流体連通状態にあり、前記調整手段(16)が、前記作動手段(18)への圧縮空気の供給を調整するのに適している、請求項2乃至6のいずれか一つに記載の車両システム(10)。
【請求項8】
前記調整手段(16)が、前記ブレーキアセンブリ(24)の近傍に配置されたEBSモジュレータである、請求項7に記載の車両システム(10)。
【請求項9】
前記作動手段(18)が、車両を制動するための前記ブレーキアセンブリ(24)を作動させるように配設される、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車両システム(10)。
【請求項10】
前記作動手段(18)が、車両のエアサスペンションシステムを作動させるように配設される、請求項1乃至8のいずれか一つに記載の車両システム(10)。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一つに記載の車両システム(10)を包含する車両。
【請求項12】
車両のブレーキアセンブリ(24)の機能性を保証する方法であって、前記車両がさらに、空気制御式車両部品を作動させるための作動手段(18)と、前記作動手段(18)から排出空気を吐出するのに適した排出口(32)とを包含する圧縮空気システム(12)を包含し、前記ブレーキアセンブリ(24)の機能性の保証が、前記ブレーキアセンブリ(24)へ圧縮空気を吐出するステップを包含する方法において、前記排出空気が前記圧縮空気の性質を持つように前記排出空気を前記ブレーキアセンブリ(24)へ誘導するステップをさらに包含することを特徴とする、方法。
【請求項13】
前記圧縮空気システム(12)がブレーキシステムである、請求項12に記載のブレーキアセンブリの機能性を保証する方法。
【請求項14】
前記方法が、前記ブレーキアセンブリ(24)の少なくとも一部分の温度が所定値を上回った場合に前記温度を判断するステップを包含し、作動シーケンスを開始させるステップをさらに包含しており、前記作動シーケンスが、排出空気が得られるように前記作動手段(18)を作動および後退させることを包含する、請求項12または13に記載のブレーキアセンブリの機能性を保証する方法。
【請求項15】
制動手順の間に実施される方法であり、前記ブレーキシステムが前記ブレーキアセンブリ(24)の部材に第1制動圧力を印加し、前記作動シーケンスが、前記第1制動圧力と実質的に等しい平均圧力を持つ制動圧力パルスを発生させるのに適している、請求項14に記載のブレーキアセンブリの機能性を保証する方法。
【請求項16】
前記ブレーキアセンブリ(24)の機能性を保証するため、前記車両システム(10)がさらにブレーキアセンブリ(24)を包含する、車両システム(10)の圧縮空気システム(12)からの排出空気の使用。
【請求項17】
前記ブレーキアセンブリ(24)の少なくとも一部分を冷却することにより前記機能性が保証される、請求項16に記載の排出空気の使用。
【請求項18】
前記ブレーキアセンブリ(24)の少なくとも一部分をクリーニングすることにより前記機能性が保証される、請求項16または17に記載の排出空気の使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−507752(P2011−507752A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539345(P2010−539345)
【出願日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際出願番号】PCT/SE2007/001139
【国際公開番号】WO2009/082273
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(500277711)ボルボ ラストバグナー アーベー (163)