説明

ブレーキペダルの変位制御構造

【課題】所定値以上の外力が車両前部に作用した際に、ペダルブラケットと第2車体側構成部材との連結が確実に解除されるブレーキペダルの変位制御構造を提供すること。
【解決手段】ペダルブラケット2における結合部材9との連結部分12から車両前方側の部分に、底面13aと、その底面13aの右及び左の端部から延設される側壁13bによって凹部13が形成されており、底面13aが車両前方側ほどペダルブラケットの外面2aに近接する傾斜をなして、ペダルブラケットの外面2aにつながるように構成され、外力が作用すると、結合部材9が連結部分12から離脱して凹部13内を摺接しながら抜け出ることにより、ペダルブラケット2の後端側と結合部材9との連結が解除され、ペダルブラケット2が第2車体側構成部材4の案内手段4aへ導かれるように構成されているブレーキペダルの変位制御構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体に固定された第1車体側構成部材と、前記第1車体側構成部材よりも車両後方側に固定され、所定値以上の外力が車両前部に作用しても車両後方側にほとんど変位しない第2車体側構成部材と、ブレーキペダルを支持するペダルブラケットとを備え、
前記ペダルブラケットの前端側が前記第1車体側構成部材に連結されると共に、前記ペダルブラケットの後端側が、結合部材を介して、前記第2車体側構成部材の前端側に連結されており、
前記外力が車両前部に作用して前記第1車体側構成部材と前記ペダルブラケットが車両後方側へ変位すると、前記ペダルブラケットの後端側と前記結合部材との連結が解除されて、前記ペダルブラケットの後端側が、前記第2車体側構成部材に備えられた案内手段によって、車両下方側に変位するように構成されているブレーキペダルの変位制御構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブレーキペダルの変位制御構造としては、例えば、特許文献1の図1,図2,図3に示されるように、車体に固定されたダッシュパネル16(第1車体側構成部材)と、ダッシュパネル16よりも車両後方側に固定され、所定値以上の外力が車両前部に作用しても車両後方側にほとんど変位しない、インパネリインフォース48から車両前方側に突出した状態で配置されるスライドプレート50(第2車体側構成部材)と、ブレーキペダル10を揺動可能に支持するペダルブラケット26とを備え、ペダルブラケット26の前端側がダッシュパネル16に連結されると共に、ペダルブラケット26の後端側が、固定ボルト52(結合部材)を介して、スライドプレート50の前端側に連結されている。
【0003】
前記外力が車両前部に作用してダッシュパネル16とペダルブラケット26が車両後方側へ変位すると、ペダルブラケット26の後端側に設けられているスリット46の狭幅部46Aが、固定ボルト52から外れて、ペダルブラケット26の後端側が、スライドプレート50に備えられた傾斜面50A(案内手段)によって、車両下方側に変位するように構成されているものが知られている。
上記構成によって、所定値以上の外力が車両の前方から作用した際に、ブレーキペダル10のペダルパッド58が略車両前方側へ変位するように制御される。
【特許文献1】特開平10―175492号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の図2に示されるように、上述のブレーキペダルの変位制御構造においては、所定値以上の外力が車両の前方から作用した際に、ペダルブラケット26がスライドプレート50に対して車両後方側に滑動する。
そして、固定ボルト52の頭部が、スリット46の狭幅部46Aから幅広部46Bへ相対移動してスリット46から抜けることによって、ペダルブラケット26が固定ボルト52から外れる仕組みとなっているが、固定ボルト52がスリット46の幅広部46Bから抜け出る際、固定ボルト52の頭部が幅広部46Bの前端部分に引っ掛かることによって、ペダルブラケット26が固定ボルト52から外れ難くなる状況が生じ得る。
尚、固定ボルト52の引っ掛かりを防止するため、スリット46の前後方向の長さをより長く設定すると、ペダルブラケット26の強度低下を招く結果となるため好ましくない。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、所定値以上の外力が車両前部に作用した際に、ペダルブラケットと第2車体側構成部材との連結が確実に解除されるブレーキペダルの変位制御構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明では、
車体に固定された第1車体側構成部材と、前記第1車体側構成部材よりも車両後方側に固定され、所定値以上の外力が車両前部に作用しても車両後方側にほとんど変位しない第2車体側構成部材と、ブレーキペダルを支持するペダルブラケットとを備え、
前記ペダルブラケットの前端側が前記第1車体側構成部材に連結されると共に、前記ペダルブラケットの後端側が、結合部材を介して、前記第2車体側構成部材の前端側に連結されており、
前記外力が車両前部に作用して前記第1車体側構成部材と前記ペダルブラケットが車両後方側へ変位すると、前記ペダルブラケットの後端側と前記結合部材との連結が解除されて、前記ペダルブラケットの後端側が、前記第2車体側構成部材に備えられた案内手段によって、車両下方側に変位するように構成されているブレーキペダルの変位制御構造において、
前記ペダルブラケットにおける結合部材との連結部分から車両前方側の部分に、底面と、その底面の右及び左の端部から延設される側壁によって凹部が形成されており、前記底面が車両前方側ほど前記ペダルブラケットの外面に近接する傾斜をなして、ペダルブラケットの外面につながるように構成され、前記外力が作用すると、前記結合部材が前記連結部分から離脱して前記凹部内を摺接しながら抜け出ることにより、前記ペダルブラケットの後端側と前記結合部材との連結が解除され、前記ペダルブラケットが前記第2車体側構成部材の案内手段へ導かれるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
〔作用及び効果〕
本発明においては、例えば、図4に示されるように、ペダルブラケット2における結合部材9との連結部分12から車両前方側の部分に、底面13aと、その底面13aの右及び左の端部から延設される側壁13b,13bによって凹部13が形成されており、底面13aが車両前方側ほどペダルブラケット2の外面2aに近接する傾斜をなして、ペダルブラケット2の外面2aにつながるように構成されている。
そして、所定値以上の外力が車両前部に作用すると、結合部材9が連結部分12から離脱して凹部13内を摺接しながら抜け出ることにより、ペダルブラケット2の後端側と結合部材9との連結が解除され(ペダルブラケット2の後端側が結合部材9から外れ)、ペダルブラケット2が第2車体側構成部材4の案内手段4aへ導かれる。
【0008】
即ち、本発明によれば、例えば図2及び図3に示されるように、凹部の底面13aが車両前方側ほどペダルブラケットの外面2aに近接する傾斜をなして、ペダルブラケットの外面2aにつながるように構成されているので、所定値以上の外力が車両前部に作用した際に、結合部材9が引っ掛かることなくスムーズに凹部13から抜け出ることが可能であり、そのため、従来と比べてペダルブラケット2と第2車体側構成部材4との連結がより確実に解除される。
【0009】
その上、本発明においては、ペダルブラケット2に、従来のスリットの替わりに凹部13が形成されるため、凹部13の底面13a及び側壁13bが存在することによりペダルブラケット2の強度が維持される。
また、従来のブレーキペダルの変位制御構造においては、固定ボルト(結合部材)がスリットから抜け出る際の引っ掛かりを防止するため、スリットの前後方向の長さをより長く設定する場合が考えられるが、本発明における凹部13の底面13aは、ペダルブラケットの外面2aとつながっているので、凹部13には、結合部材9が抜け出る際の引っ掛かりとなる部分が存在しない。そのため、凹部13の前後方向の長さを不必要に大きく設定する必要がなく、ペダルブラケット2の小型化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔実施形態〕
本発明のブレーキペダル1の変位制御構造について、図1乃至図4に基づいて説明する。尚、各図に記す矢印FR、矢印UP、矢印Wは、それぞれ車両の前方向(進行方向)、上方向、車幅方向(横方向)を示すものであり、特に以下に記載する各構成部材の前端側及び後端側のそれぞれは、車両の前方向及び後方向と一致する。
【0011】
図1には、本発明のブレーキペダルの変位制御構造に係る吊り下げ式のブレーキペダル1の周辺構造の組付状態が概略的に示されている。
図2及び図3には、所定値以上の外力が車両の前方から作用した際のペダルブラケット2とブレーキペダル1の挙動が示されており、図2、図3の順に推移する。
図4には、本発明のブレーキペダルの変位制御構造に係るペダルブラケット2とスライドプレート4の分解斜視図が概略的に示されている。
【0012】
図1に示されるように、本発明のブレーキペダルの変位制御構造は、車体に固定された第1車体側構成部材としてのダッシュパネル3と、ダッシュパネル3よりも車両後方側に固定され、所定値以上の外力が車両前部に作用しても車両後方側にほとんど変位しない第2車体側構成部材としてのスライドプレート4と、ブレーキペダル1を揺動可能に支持するペダルブラケット2とを備えて構成されている。
【0013】
ダッシュパネル3は、エンジンルームEと車室内空間Rとを仕切る位置に略垂直に配置されている。ダッシュパネル3の上端部は、車両幅方向を長手方向として配置されてカウルの一部を構成する図示しないカウルインナパネルの前方側の面にスポット溶接等により固着されており、ダッシュパネル3の下端部は、図示しないフロアパネルにスポット溶接等により固着されている。
【0014】
ダッシュパネル3の前方側には、ブレーキペダル1に付与された乗員の踏力を増強するための踏力増強手段として機能するブレーキブースタ5と、このブレーキブースタ5によって増強された圧力を液圧に変換するための液圧変換用のマスタシリンダ6と、液圧系統の体積変化に追従してブレーキフルードを貯留及び補充する図示しないリザーバタンクとが一体的に配設されている。
【0015】
スライドプレート4は、同じく第2車体側構成部材としてのPPメンバ7から略車両前方側へ突出した状態で固定されており、スライドプレート4の前端部が、ペダルブラケット2の後端側の直上に配置されている。
スライドプレート4の下端面4aは、略車両下方側へ所定角度傾斜しており、所定値以上の外力が車両前部に作用してダッシュパネル3とペダルブラケット2が車両後方側へ変位する際、ペダルブラケット2後端側のトッププレート部2a(外面)が摺動し、ペダルブラケット2が車両下方側に変位するよう案内する案内手段として機能する。
【0016】
なお、PPメンバ7は車両幅方向を長手方向として配置される高強度部材であり、又スライドプレート4も所定の高強度に設定されている。
【0017】
ペダルブラケット2は、ダッシュパネル3への取付座面を構成するベースプレート部2bと、このベースプレート部2bから略車両後方側へ平行に延出される一対のサイドプレート部2c,2cと、互いに対向するサイドプレート部2cの上縁側を繋ぐトッププレート部2aとを備えて構成されている。従って、ペダルブラケット2は、全体としては、略車両前後方向に長く底面側が開放された断面コ字状に形成されている。
【0018】
ペダルブラケット2前端側のベースプレート部2bは、ボルト8によってその上部及び下部にてダッシュパネル3に連結されている。
【0019】
一方、ペダルブラケット2の後端側は、結合部材としての固定ボルト9を介して、スライドプレート4の前端側に連結されている。詳細には、図4に示されるように、ペダルブラケット2後端側のトッププレート部2a(外面)に設けられている連結部分としての開口部12に、固定ボルト9をトッププレート部2aの裏側よりワッシャ11を介して挿通させて、スライドプレート4の前端部に溶接されているウェルドナット10に螺合させることにより、ペダルブラケット2の後端側がスライドプレート4の前端側に連結されている。
【0020】
図1及び図4に示されるように、ペダルブラケット2には、開口部12から車両前方側の部分に、底面13aと、その底面13aの右及び左の端部から延設される側壁13b,13bによって凹部13が形成されており、底面13aが車両前方側ほどペダルブラケット2のトッププレート部2a(外面)に近接する傾斜をなして、トッププレート部2aにつながるように構成されている。
【0021】
図4に示されるように、開口部12は、前方側ほど幅広となる二等辺三角形状を有しており、その底辺に相当する部分が凹部13と連通している。開口部12の底辺部分の幅寸法X1は、固定ボルト9の頭部径及びワッシャ11bの直径よりも大きく、且つ凹部13の幅寸法X2(右及び左の端部から延設される側壁13b,13b間の距離)よりも狭く設定されている。
【0022】
従って、固定ボルト9が組付位置である開口部12の頂角部分付近に位置するときに、ペダルブラケット2の後端側とスライドプレート4とが連結状態となり、ペダルブラケット2が略車両後方側へ変位することにより固定ボルト9が相対的に凹部13に位置すると、ペダルブラケット2の後端側がスライドプレート4から離脱するようになっている。
【0023】
ペダルブラケット2の一対のサイドプレート部2c,2c間には、吊り下げ式のブレーキペダル1が支持されている。ブレーキペダル1は、狭幅の板材を適宜屈曲させて形成したペダル支持部1aと、このペダル支持部1aの下端部に設けられ乗員の踏力が付与されるペダルパッド1bとを備えて構成されている。なお、ブレーキペダル1のペダル支持部1aには図示しないリターンスプリングが係止されており、このリターンスプリングによってブレーキペダル1は初期位置に復帰する方向へ常時付勢されている。
【0024】
ブレーキペダル1のペダル支持部1aの上端部には回転軸部1cが設けられており、この回転軸部1cがペダルブラケット2の一対のサイドプレート部2c,2cに軸支されている。
【0025】
ブレーキペダル1のペダル支持部1aの中間部には、ブレーキブースタ5から突出してダッシュパネル3を貫通するプッシュロッド14(オペレーティングロッド)の先端部が連結されている。具体的には、プッシュロッド14の先端部には、断面略コ字形のクレビス15が取り付けられている。このクレビス15の内方にはペダル支持部1aが挿入状態で配置されており、クレビス15の両側部及びペダル支持部1aをクレビスピン16が貫通し、その貫通端部に止め輪、βピン等が嵌着されて抜止めされることによりプッシュロッド14とペダル支持部1aとが相対回転自在に連結されている。
【0026】
次に、図1〜図3に基づいて本実施形態の作用並びに効果を説明する。
図1に示されるように、ブレーキ非操作時においては、ブレーキペダル1は図示しないリターンスプリングの付勢力によって初期位置に保持されている。なお、この状態から、乗員がブレーキペダル1のペダルパッド1bに踏力を付与すると、ブレーキペダル1は回転軸部1c回りに略車両前方側へ揺動され、プッシュロッド14が略車両前方側へ押圧される。これにより、ペダルパッド1bに付与された乗員の踏力は、プッシュロッド14を介してブレーキブースタ5に伝達されて増強された後、マスタシリンダ6によって液圧に変換される。
【0027】
一方、所定値以上の外力が車両前方に作用すると、その際の荷重がマスタシリンダ6及びブレーキブースタ5を介してダッシュパネル3に入力されて、ダッシュパネル3とペダルブラケット2が略車両後方側へ変位する。
【0028】
次いで、図2及び図3に示されるように、ペダルブラケット2の開口部12に位置していた固定ボルト9が、開口部12から離脱してペダルブラケット2の前端側に変位し、ペダルブラケット2の凹部13内を摺接しながらペダルブラケット2前端側のトッププレート部2a(外面)へと抜け出ることにより、ペダルブラケット2の後端側と固定ボルト9との連結が解除され(ペダルブラケット2の後端側が固定ボルト9から外れ)、ペダルブラケット2がスライドプレート4の下端面4aへ導かれる。
【0029】
即ち、本実施形態においては、凹部13の底面13aが車両前方側ほどペダルブラケット2のトッププレート部2a(外面)に近接する傾斜をなして、トッププレート部2aにつながるように構成されているので、所定値以上の外力が車両前部に作用した際に、固定ボルト9が引っ掛かることなくスムーズに凹部13から抜け出ることが可能であり、そのため、従来と比べてペダルブラケット2とスライドプレート4との連結がより確実に解除される。
【0030】
その上、本発明においては、ペダルブラケット2に、従来のスリットの替わりに凹部13が形成されるため、凹部13の底面13a及び側壁13bが存在することによりペダルブラケット2の強度が維持される。
また、従来のブレーキペダルの変位制御構造においては、固定ボルト(結合部材)がスリットから抜け出る際の引っ掛かりを防止するため、スリットの前後方向の長さをより長く設定する場合が考えられるが、本発明における凹部13の底面13aは、ペダルブラケットのトッププレート部2aとつながっているので、凹部13には、固定ボルト9が抜け出る際の引っ掛かりとなる部分が存在しない。そのため、凹部13の前後方向の長さを不必要に大きく設定する必要がなく、ペダルブラケット2の小型化が図れる。
【0031】
そして、ペダルブラケット2後端側のトッププレート部2a(外面)が、スライドプレート4の下端面4a上を摺動して、ペダルブラケット2が全体として車両下方側に回転変位することに伴って、ブレーキペダル1のペダルパッド1bが略車両前方側へ変位する。
その結果、所定値以上の外力が車両前部に作用した際における乗員の慣性移動による脚部の膝の屈曲が抑制されて、乗員の膝とステアリングコラムとの接触を回避することができる。
【0032】
〔別実施形態〕
〔1〕前述の実施形態に示される固定ボルト9に替えて、ペダルブラケット2の開口部12に係止可能なクリップ部材を使用しても良い。
〔2〕前述の実施形態においては、凹部13の底面13aの傾斜角度を調整することによって、所定値以上の外力が車両前方に作用した際、ペダルブラケット2後端側のトッププレート部2aが、スライドプレート4の下端面4aに当接するまでのペダルブラケット2の動きを調節(チューニング)することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のブレーキペダルの変位制御構造に係る吊り下げ式のブレーキペダルの周辺構造の組付状態を示す概略図
【図2】所定値以上の外力が車両の前方から作用した際のペダルブラケットとブレーキペダルの挙動(初期)を示す図
【図3】所定値以上の外力が車両の前方から作用した際のペダルブラケットとブレーキペダルの挙動(終期)を示す図
【図4】本発明のブレーキペダルの変位制御構造に係るペダルブラケットとスライドプレートの分解斜視図
【符号の説明】
【0034】
1 ブレーキペダル
2 ペダルブラケット
3 ダッシュパネル(第1車体側構成部材)
4 スライドプレート(第2車体側構成部材)
4a 下端面(案内手段)
9 固定ボルト(結合部材)
12 開口部(連結部分)
13 凹部
13a 底面
13b 側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に固定された第1車体側構成部材と、前記第1車体側構成部材よりも車両後方側に固定され、所定値以上の外力が車両前部に作用しても車両後方側にほとんど変位しない第2車体側構成部材と、ブレーキペダルを支持するペダルブラケットとを備え、
前記ペダルブラケットの前端側が前記第1車体側構成部材に連結されると共に、前記ペダルブラケットの後端側が、結合部材を介して、前記第2車体側構成部材の前端側に連結されており、
前記外力が車両前部に作用して前記第1車体側構成部材と前記ペダルブラケットが車両後方側へ変位すると、前記ペダルブラケットの後端側と前記結合部材との連結が解除されて、前記ペダルブラケットの後端側が、前記第2車体側構成部材に備えられた案内手段によって、車両下方側に変位するように構成されているブレーキペダルの変位制御構造において、
前記ペダルブラケットにおける結合部材との連結部分から車両前方側の部分に、底面と、その底面の右及び左の端部から延設される側壁によって凹部が形成されており、前記底面が車両前方側ほど前記ペダルブラケットの外面に近接する傾斜をなして、ペダルブラケットの外面につながるように構成され、前記外力が作用すると、前記結合部材が前記連結部分から離脱して前記凹部内を摺接しながら抜け出ることにより、前記ペダルブラケットの後端側と前記結合部材との連結が解除され、前記ペダルブラケットが前記第2車体側構成部材の案内手段へ導かれるように構成されているブレーキペダルの変位制御構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−143329(P2010−143329A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−321223(P2008−321223)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(000002967)ダイハツ工業株式会社 (2,560)
【Fターム(参考)】