ブロック体成形用金型
【課題】簡単な構造でありながら、抜け止め部材を有する管材接続用ブロック体を容易に成形することができるブロック体成形用金型を提供する。
【解決手段】管材接続用ブロック体50は、ケーブル保護管90の端部91を挿着する挿着孔部53が貫通形成されたレジンコンクリート製のブロック本体51を備え、このブロック本体51の挿着孔部53に、管材端部91の抜けを防止する複数の抜け止め部材52・・が取り付けられている。ブロック体成形用金型1は、ブロック本体51の外表面を成形する枠状の外型3と、この外型3の枠内に配置されて、ブロック本体51の挿着孔部53を成形する内型4とを備える。内型4は、複数の分割型材10、11、12を組み付けることによって構成され、1つの分割型材12は、複数の抜け止め部材52・・を支持する略筒状の弾性部材とされている。
【解決手段】管材接続用ブロック体50は、ケーブル保護管90の端部91を挿着する挿着孔部53が貫通形成されたレジンコンクリート製のブロック本体51を備え、このブロック本体51の挿着孔部53に、管材端部91の抜けを防止する複数の抜け止め部材52・・が取り付けられている。ブロック体成形用金型1は、ブロック本体51の外表面を成形する枠状の外型3と、この外型3の枠内に配置されて、ブロック本体51の挿着孔部53を成形する内型4とを備える。内型4は、複数の分割型材10、11、12を組み付けることによって構成され、1つの分割型材12は、複数の抜け止め部材52・・を支持する略筒状の弾性部材とされている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばハンドホールやマンホールに取り付けて、ケーブル保護管を接続するブロック体を成形するための成形用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ケーブル保護管路を地中に配設する場合、ハンドホールやマンホールを中継地として適当な間隔毎に設置して、これらハンドホールやマンホール(以下、両ホールを代表して単に「ハンドホール」と称する。)にケーブル保護管を連結している。
【0003】
ハンドホールに対するケーブル保護管の連結に際しては、例えばハンドホールの側壁に形成した貫通孔部に、合成樹脂製のベルマウスを一体化したコンクリート製のブロック体を嵌め込んで固定して、このブロック体のベルマウスにケーブル保護管の端部を接続していることが多い。
【0004】
ところが、このような合成樹脂製のベルマウスを一体化したコンクリート製のブロック体を使用すると、ブロック体の大型化を招くとともに、ブロック体の製造費も嵩むといった不具合があった。このため、例えば特許文献1や特許文献2にも開示されているように、合成樹脂製のベルマウスを廃止して、ケーブル保護管の端部を挿着する挿着孔部を直接形成したブロック体を使用することもある。
【0005】
このようなブロック体を成形するにあたっては、ブロック体の外表面を成形する枠状の外型と、ブロック体の挿着孔部を成形する内型とを備えた成形用金型が一般的に使用されている。そして、外型の枠内に内型を配置して、これら外型と内型との間に、コンクリートやモルタル、レジンコンクリート等の成形充填材を充填して硬化させた後、外型及び内型を離型させることで、ブロック体を成形している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−340309号公報
【特許文献2】特開2000−78734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、挿着孔部を単に形成しただけのブロック体においては、挿着孔部に抜け止め用の対策が何ら施されておらず、挿着孔部にケーブル保護管の端部を差し込んで挿着した後、パテ材やシーリング材等を使用してケーブル保護管の端部を固定するといった面倒な抜け止め用の後処理が必要であり、ブロック体へのケーブル保護管の接続作業が煩雑になるといった不具合があった。
【0008】
このため、近年においては、挿着孔部に抜け止め部材を埋設固定したブロック体が提案されている。このようなブロック体においては、抜け止め部材の係止片が挿着孔部内に張り出した状態となっていて、挿着孔部にケーブル保護管の端部を差し込むだけで、ケーブル保護管の端部に係止片が係合して、挿着孔部からのケーブル保護管の抜けが防止されるようになっている。
【0009】
ところが、このような抜け止め部材を有するブロック体を、上記のような成形用金型を使用して成形する場合には、挿着孔部内に張り出した係止片が邪魔になって、内型の離型作業(抜き取り作業)が困難となり、生産性が悪いといった不具合があった。
【0010】
そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、簡単な構造でありながら、抜け止め部材を有するブロック体を容易に成形することができるブロック体成形用金型の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のブロック体成形用金型1は、管材接続用ブロック体50を成形するためのものである。管材接続用ブロック体50は、ケーブル保護管90の端部91を挿着する1又は複数の挿着孔部53が貫通形成されたレジンコンクリート製のブロック本体51を備え、このブロック本体51の挿着孔部53は、一端側の大径部54と、他端側の小径部56と、これら大径部54と小径部56とを連結するテーパー部55とが軸方向に連続して構成され、この挿着孔部53に、前記ケーブル保護管90の端部91の抜けを防止する複数の抜け止め部材52・・が周方向に間隔あけて取り付けられ、これら抜け止め部材52・・は、前記ブロック本体51の挿着孔部53に埋設された固定片70と、前記ブロック本体51の挿着孔部53内に張り出して、前記ケーブル保護管90の端部91に係止する係止片71とを備えている。そして、ブロック体成形用金型1は、前記ブロック本体51の外表面を成形する枠状の外型3と、この外型3の枠内に配置されて、前記ブロック本体51の挿着孔部53を成形する1又は複数の内型4とを備え、前記外型3と内型4との間に、レジンコンクリートを充填する充填空間Sが形成され、前記内型4は、前記挿着孔部53の小径部成形用の第1分割型材10と、前記挿着孔部53の大径部成形用の第2分割型材11と、前記挿着孔部53のテーパー部成形用の第3分割型材12とを組み付けることによって構成され、これら複数の分割型材10、11、12のうち第3分割型材12は、前記複数の抜け止め部材52・・の固定片70・・を前記充填空間S内へ張り出させた状態で、前記複数の抜け止め部材52・・を周方向に間隔をあけて支持する例えばシリコンゴム製又はフッ素ゴム製の略筒状の弾性部材12とされていることを特徴とする。
【0012】
具体的に、前記弾性部材12における前記複数の抜け止め部材52・・を支持する支持部31・・間に、それら支持部31・・よりも薄肉とされた変形促進部32・・が形成されている。また、前記弾性部材12における前記変形促進部32・・の外周面側に、前記ブロック本体51の挿着孔部53の内周面に補強用凸部63・・を成形するための凹部34・・が形成されている。
【0013】
そして、前記ブロック本体51は、径方向の断面が略円形状の前記挿着孔部53が相対する面に跨って貫通形成された略立方体状若しくは略直方体状とされ、前記挿着孔部53の周りに厚肉部60・・と薄肉部61・・が設けられたものであって、前記支持部31・・は、前記ブロック本体51の厚肉部60・・が成形される箇所に配され、前記凹部34・・は、前記ブロック本体51の薄肉部61・・が成形される箇所に配される。
【0014】
また、前記内型4の組み付け状態において、前記第1分割型材10と第2分割型材11の接合端部18、29同士が突き合わされるとともに、これら接合端部18、29の外周面に前記弾性部材12の内周面を押し付けるようにして、前記弾性部材12が前記接合端部18、29に外嵌される。
【0015】
さらに、前記内型4の組み付け状態において、前記第2分割型材11の接合端部29と前記弾性部材12との間に、前記複数の抜け止め部材52・・の係止片71・・が挟み込まれる。
【0016】
また、前記弾性部材12は、前記ブロック本体51の挿着孔部53の最小径部位55eを成形する小径外周面12cを備え、この小径外周面12cに、溝底に丸みを有する環状溝35が形成され、この環状溝35によって前記挿着孔部53の最小径部位55eの内周面に成形される頂部に丸みを有する環状突起59は、前記弾性部材12と第1分割型材10との境目部分によって前記挿着孔部53の最小径部位55eの内周面に生じるバリ突起58よりも径内方向に突出されている。
【発明の効果】
【0017】
この発明のブロック体成形用金型は、内型を構成する複数の分割型材のうちの1つを、抜け止め部材を支持する略筒状の弾性部材としただけの簡単な構造であって、ブロック体成形後の内型の離型に際しては、弾性部材以外の分割型材を抜き取った後、抜け止め部材の係止片に干渉する弾性部材を弾性変形させながら抜き取ることで、抜け止め部材に無理な負荷をかけることなく、内型を容易に離型させることができる。これにより、設備費の高騰を招くことなく、抜け止め部材を有するブロック体の生産性を高めることができる。
【0018】
また、弾性部材の支持部間に変形促進部を形成することで、特に抜け止め部材の係止片に干渉する支持部付近が弾性変形し易くなって、弾性部材の抜き取り作業がより一層容易になり、離型時の作業性の向上を図ることができる。さらに、弾性部材の変形促進部の外周面側に凹部を形成して、ブロック本体の挿着孔部の内周面に補強用凸部を成形することで、ブロック体の強度を高めることができる。
【0019】
特に、弾性部材の支持部を、ブロック本体の厚肉部が成形される箇所に配置して、支持部によって支持した抜け止め部材の固定片が、ブロック本体の厚肉部に埋め込まれるようにすることで、抜け止め部材をしっかりと安定した状態で取り付けたブロック体を得ることができる。また、弾性部材の凹部を、ブロック本体の薄肉部が成形される箇所に配置して、ブロック本体の薄肉部に補強用凸部が形成されるようにすることで、ブロック体の強度をより効果的に高めることができる。
【0020】
さらに、弾性部材を、第1分割型材と第2分割型材の互いに突き合わせた接合端部に密着状態で外嵌させることで、弾性部材の保形性が良好に維持される。これにより、レジンコンクリートの充填に際して、その充填圧によって弾性部材が径内方向に撓むような不具合が生じることがなく、全体が硬質の内型を使用するときと同様に、ブロック本体の挿着孔部を精度良く成形することができる。
【0021】
また、第2分割型材の接合端部と弾性部材との間に、抜け止め部材の係止片を挟み込むようにすることで、抜け止め部材をしっかりと保持することができ、レジンコンクリートの充填に際して、抜け止め部材がぐらつくようなことがなく、抜け止め部材を所定位置に精度良く取り付けたブロック体を得ることができる。
【0022】
さらにまた、弾性部材の小径外周面に環状溝を形成して、ブロック本体の挿着孔部における最小径部位の内周面に、頂部に丸みを有する環状突起を成形することで、挿着孔部の内周面に生じたバリ突起によって、挿着孔部に挿通させたケーブル類等が損傷するといった不具合を防止することができる。
【0023】
さらに、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製の弾性部材を用いることで、レジンコンクリートに対して剥がれ易くなって、弾性部材の抜き取り作業がより一層容易になり、離型時の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施形態に係るブロック体成形用金型を使用して成形される管材接続用ブロック体の斜視図である。
【図2】同じくその正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】ブロック体における挿着孔部のテーパー部付近の拡大縦断面図である。
【図5】ブロック体を使用したハンドホールへのケーブル保護管の連結構造を示す分解斜視図である。
【図6】同じくその斜視図である。
【図7】同じくその縦断面図である。
【図8】ブロック体成形用金型の斜視図である。
【図9】同じくその弾性部材の変形促進部を分断する縦断面図である。
【図10】同じくその弾性部材の支持部を分断する縦断面図である。
【図11】同じくその分解斜視図である。
【図12】内型の分解斜視図である。
【図13】弾性部材の斜視図である。
【図14】抜け止め部材を支持した状態の弾性部材を示す図である。
【図15】ベース盤上に第1分割型材及び弾性部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図16】内型を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図17】外型を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図18】弾性部材が残ったブロック体の縦断面図である。
【図19】ブロック体の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1乃至図3は、この発明の一実施形態に係るブロック体成形用金型1を使用して成形される管材接続用ブロック体50を示している。この管材接続用ブロック体50は、後述するようにハンドホール80に取り付けられて、ケーブル保護管路を構成する管材としてのケーブル保護管90を接続するためのものである。
【0026】
具体的に、管材接続用ブロック体50は、レジンコンクリート製のブロック本体51と、このブロック本体51に取り付けられた例えば4個の合成樹脂製の抜け止め部材52・・とを備えている。なお、ブロック本体51をレジンコンクリート製とすることで、例えばコンクリート製のものと比べて、小型軽量化及び成形性の向上を図ることができる。
【0027】
ブロック本体51は、図1乃至図3に示すように、例えば略直方体状に形成されていて、その相対する面に跨って(正面側から背面側に向って)挿着孔部53が貫通形成されていて、この挿着孔部53にケーブル保護管90の端部91が挿着されるようになっている。
【0028】
挿着孔部53は、図3に示すように、その軸方向の全長に亘って径方向の断面が略円形状に形成されており、ケーブル保護管90の端部91を挿入する挿入開口端54aを有する一端側の大径部54と、他端側の小径部56と、これら大径部54と小径部56とを連結するテーパー部55とが軸方向に連続した状態となっている。すなわち、ブロック本体51の正面側から背面側に向って、大径部54、テーパー部55、小径部56が順次連続することで、挿着孔部53が形成されている。
【0029】
そして、挿着孔部53の大径部54は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて極僅かに縮径していて、その内径がケーブル保護管90の端部91の外径よりも大きくなっている。テーパー部55は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて段階的に縮径している。小径部56は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて極僅かに拡径していて、その内径がケーブル保護管90の端部91の外径よりも小さくなっている。これにより、大径部54の挿入開口端54aから差し込んだケーブル保護管90の端部91は、テーパー部55において小径部56内への入り込みが阻止されて、必要以上の差し込みが規制されるようになっている。なお、小径部56のテーパー部55側とは反対側の開口端は、ラッパ状に拡径したベルマウス57となっている。
【0030】
また、挿着孔部53のテーパー部55は、図3及び図4に示すように、その大径部54側の一端が大径部54よりも大径の最大径部位55aとなっていて、その小径部56側の他端が小径部56と略同径の最小径部位55eとなっている。そして、最大径部位55aから最小径部位55eにかけて、大径の第1テーパー部位55b、中間径部位55c、小径の第2テーパー部位55dが連続して形成されている。
【0031】
このテーパー部55の最小径部位55eの内周面には、先鋭状のバリ突起58が周方向に沿って形成されている。なお、このバリ突起58は、ブロック体成形用金型1を使用して管材接続用ブロック体50を成形した場合に必然的に生じるものである。ケーブル保護管90に挿通させたケーブル類は、ケーブル保護管90の端部91からテーパー部55の最小径部位55e、小径部56を介してベルマウス57からハンドホール80内に引き込まれるが、上記のように最小径部位55eにバリ突起58が形成されていると、このバリ突起58によってケーブル類が傷付くといった不具合が生じることがある。そこで、テーパー部55の最小径部位55eの内周面には、バリ突起58よりも径内方向に突出するようにして、頂部に丸みを有する環状突起59が形成されている。これにより、ケーブル類とバリ突起58との接触が避けられて、ケーブル類の損傷を防止することができるようになっている。
【0032】
このブロック本体51においては、図1及び図2に示すように、その正面側と背面側との間に断面略円形状の挿着孔部53が貫通していることで、挿着孔部53周りの4つの角部分(四隅部分)が厚肉部(厚肉角部)60・・となっていて、それら厚肉角部60・・間の4つの辺部分が薄肉部(薄肉辺部)61・・となっている。
【0033】
薄肉辺部61・・のうち、特に挿着孔部53におけるテーパー部55の最大径部位55aが位置する部分は、その肉厚が最も薄くなっていて、強度的に弱くなっている。このため、図2及び図3に示すように、テーパー部55の最大径部位55aの内周面には、薄肉辺部61・・に対応して4つの補強用凸部63・・が周方向に間隔をあけて形成されている。これにより、薄肉辺部61・・のうち最も薄い部分の肉厚が、補強用凸部63・・の厚み分だけ増大して、強度が高められている。
【0034】
また、ブロック本体51の正面及び背面を除く外表面には、図1及び図2に示すように、挿着孔部53の軸方向と直交する方向に沿って、例えば一対の薄肉帯状の膨出部65、65が互いに略平行に形成されている。これにより、複数のブロック体50・・を、それらの挿着孔部53・・が互いに平行になるように積み上げたり、並べたりして組み合わせるときに、隣接するブロック体50、50の膨出部65・・同士を重ね合わせることで、隣接するブロック体50、50のブロック本体51、51の外表面間に接着剤充填用の隙間が形成されるようになっている。
【0035】
抜け止め部材52・・は、ブロック本体51の挿着孔部53に挿着したケーブル保護管90の端部91の抜けを防止するためのものである。各抜け止め部材52は、図2及び3に示すように、ブロック本体51の挿着孔部53に埋設された固定片70と、この固定片70から延出されて、ブロック本体51の挿着孔部53内に張り出した係止片71とを備えている。
【0036】
固定片70は、挿着孔部53の周方向に沿うように湾曲した帯板状に形成され、挿着孔部53における大径部54とテーパー部55の最大径部位55aとの境界部分から径外方向に向って入り込むようにして、ブロック本体51の厚肉角部60に埋め込まれている。この固定片70の先端部分には、挿着孔部53の軸方向に突出した先鋭状の楔部72が形成されている。そして、この楔部72が厚肉角部60にしっかりと食い込むことで、レジンコンクリート製のブロック本体51に対して、これとは異素材の合成樹脂製の抜け止め部材52が強固に取り付けられている。
【0037】
係止片71は、挿着孔部53の周方向に沿うように湾曲した櫛歯状に形成され、大径部54の挿入開口端54aから遠ざかるにつれて径内方向への張り出し量が漸増するように、テーパー部55側に突出した状態で張り出している。この係止片71には、その張り出し方向に沿って複数の先端開放のスリット74・・が挿着孔部53の周方向に間隔をあけて形成されており、挿着孔部53の径方向に変形可能な弾性を有している。なお、複数のスリット74・・のうち、中央に位置するスリットは、幅広に形成されている。
【0038】
4個の抜け止め部材52・・は、それら係止片71・・が挿着孔部53の周方向に略等間隔に配置されるように取り付けられている。そして、これら抜け止め部材52・・の係止片71・・の外周面側には、テーパー部55の最大径部位55aが位置しており、これによって固定片70・・と係止片71・・との境界部分75・・が露出した状態となって、係止片71・・の径外方向への弾性変形が促進されるようになっている。
【0039】
上記構成のブロック体50・・を使用して、ケーブル保護管90・・をハンドホール80に連結する手順について説明する。図5乃至図7に示すように、まず複数のブロック体50・・を、それぞれの挿着孔部53・・が互いに平行になるように、且つ、膨出部65・・同士を重ね合わせるように組み合わせる。このとき、隣接するブロック体50、50のブロック本体51、51の外表面間には、膨出部65・・同士が重なることによって、接着剤充填用の隙間が形成されている。そして、これらブロック体50・・を、ハンドホール80の側壁81に形成した貫通孔部82に嵌め込みながら、接着剤充填用の隙間、及び、貫通孔部82とブロック体50・・との間の隙間に、パテ材等の接着剤を充填することで、ハンドホール80の側壁81にブロック体50・・を一体的に固定する。
【0040】
そして、各ブロック体50の挿着孔部53へケーブル保護管90の端部91を差し入れると、ケーブル保護管90の端部91に抜け止め部材52・・の係止片71・・が係合して、ケーブル保護管90の端部91の挿着孔部53からの抜けが防止される。これにより、ケーブル保護管90・・がハンドホール80に連結される。
【0041】
次に、上記のような抜け止め部材52・・を有するブロック体50を成形するためのブロック体成形用金型1について説明する。このブロック体成形用金型1は、図8乃至図11に示すように、略正方形状のベース盤2と、このベース盤2の上面周端部に立設されて、ブロック本体51の外表面を成形する枠状の外型3と、外型3の枠内に配置された状態でベース盤2の上面に立設されて、ブロック本体51の挿着孔部53を成形する内型4とを備えている。
【0042】
ベース盤2は、例えば金属製であって、図11に示すように、一対のボルト挿通用孔5、5が貫通形成されている。また、このベース盤2の上面には、一対の位置決め用突起6、6が突設されている。なお、ボルト挿通用孔5、5及び位置決め用突起6、6は、同一円周上に配されている。
【0043】
外型3は、図8及び図11に示すように、4枚の略長方形状のプレート型材7・・を組み付けることによって構成されている。これらプレート型材7・・は、例えば金属製であって、各プレート型材7の外面には、図8に示すように、後述する緊結枠材40を載せる突起8が形成されている。また、各プレート型材7の内面には、図11に示すように、ブロック本体51の各面の膨出部65、65を成形する一対の横溝9、9が互いに略平行に形成されている。これら4枚のプレート型材7・・は、その両端部の切欠面を互いに重ね合わせるようにして、略角筒状に組み付けられる。
【0044】
内型4は、図9乃至図12に示すように、ブロック本体51の挿着孔部53における小径部56を成形する第1分割型材10と、ブロック本体51の挿着孔部53における大径部54を成形する第2分割型材11と、ブロック本体51の挿着孔部53におけるテーパー部55を成形する第3分割型材12と、押付蓋材13とを軸方向(上下方向)に組み付けることによって構成されている。
【0045】
第1分割型材10は、例えば金属製であって、図12に示すように、中空状の型本体15と、この型本体15に立設された軸部材16とを備えている。
【0046】
型本体15は、略円筒状の本体部17と、この本体部17の上端から上方へ突出した接合端部18と、本体部17の下端から側方へ張り出したフランジ部19とを備えている。接合端部18は、本体部17よりも小径であって、上下方向に貫通する貫通孔を中央部分に有する略円柱状に形成されている。この接合端部18の上面には、一対の位置決め用突起20、20が突設されている。また、接合端部18の外周面には、位置決め用縦溝21が形成されている。フランジ部19は、その外形がベース盤2よりも一回り小さい略正方形状に形成されていて、外型3の下端開口部分にきっちりと収まるようになっている。このフランジ部19の下面には、図9に示すように、ベース盤2のボルト挿通用孔5、5に対応した一対のボルト孔22、22と、ベース盤2の位置決め用突起6、6に対応した一対の位置決め用孔23、23とが形成されている。なお、ボルト孔22、22及び位置決め用孔23、23は、同一円周上に配されている。
【0047】
軸部材16は、その上端にボルト部24が形成されている。また、軸部材16の下端は、型本体15の接合端部18の貫通孔に嵌入された状態で、溶接等によって型本体15に固定されている。
【0048】
この第1分割型材10は、図9及び図10に示すように、型本体15のフランジ部19をベース盤2に固定することで、ベース盤2の上面に立設される。フランジ部19の固定に際しては、フランジ部19の位置決め用孔23、23にベース盤2の位置決め用突起6、6を嵌め込みながら、フランジ部19のボルト孔22、22とベース盤2のボルト挿通用孔5、5とを一致させるようにして、フランジ部19をベース盤2の上面に設置する。そして、ベース盤2のボルト挿通用孔5、5に差し入れた固定ボルト25、25を、フランジ部19のボルト孔22、22にねじ込むようにしている。
【0049】
第2分割型材11は、例えば金属製であって、図12に示すように、中空状の型本体26と、この型本体26の上端部分を補強する補強体27とを備えている。
【0050】
型本体26は、略円筒状の本体部28と、この本体部28の下端から下方へ突出した接合端部29とを備えている。接合端部29は、上下方向に貫通する貫通孔を中央部分に有する略円錐台状に形成されている。この接合端部29の下面には、図9に示すように、第1分割型材10側の接合端部18の位置決め用突起20、20に対応した一対の位置決め用孔30、30が形成されている。
【0051】
補強体27は、上下方向に貫通する貫通孔を有する略円柱状に形成されており、その上面が型本体26の本体部28の上端面と面一になるように、本体部28の上端開口部分に内嵌されている。
【0052】
この第2分割型材11は、図9及び図10に示すように、型本体26の接合端部29の貫通孔及び補強体27の貫通孔へ第1分割型材10側の軸部材16を挿通させながら、型本体26の接合端部29を第1分割型材10側の接合端部18に接合することで、第1分割型材10上に積み上げられる。接合端部18、29同士の接合に際しては、接合端部29の位置決め用孔30、30に接合端部18の位置決め用突起20、20を嵌め込みながら、接合端部18の上面に接合端部29の下面を載せるようにして、これら接合端部18、29同士を突き合わせるようにしている。
【0053】
第3分割型材12は、例えばシリコンゴム製又はフッ素ゴム製の弾性変形可能な弾性部材である。この弾性部材12は、図12及び図13に示すように、内外周面の形状が異なる略円筒状に形成されている。そして、弾性部材12の上端付近の外周面は、ブロック本体51の挿着孔部53におけるテーパー部55の最大径部位55a及び第1テーパー部位55bを成形する大径外周面12aとされ、弾性部材12の中間付近の外周面は、テーパー部55の中間径部位55c及び第2テーパー部位55dを成形する中径外周面12bとされ、弾性部材12の下端付近の外周面は、テーパー部55の最小径部位55eを成形する小径外周面12cとされている。
【0054】
そして、弾性部材12の上端付近には、ブロック体50の抜け止め部材52・・を支持する例えば4つの支持部31・・が周方向に等間隔をあけて形成されている。また、支持部31・・間には、弾性部材12の弾性変形を促進させるための変形促進部32・・が夫々形成されている。
【0055】
各支持部31には、その内周面に沿って抜け止め部材52の係止片71を嵌め込むための位置決め用凹所33が形成されている。これにより、抜け止め部材52は、図14に示すように、係止片71が位置決め用凹所33に嵌め込まれて、固定片70が弾性部材12の外周面よりも径外方向へ張り出すようにして、支持部31に支持されるようになっている。
【0056】
各変形促進部32は、支持部31よりも薄肉とされて、屈曲し易いようになっている。そして、変形促進部32の外周面側には、ブロック本体51の挿着孔部53の補強用凸部63を成形するための凹部34が形成されている。この凹部34は、上下端が開放した溝状に形成されている。
【0057】
また、弾性部材12の下端付近の小径外周面12cには、ブロック本体51の挿着孔部53におけるテーパー部55の最小径部位55eの内周面に環状突起59を成形するための環状溝35が形成されている。この環状溝35は、溝底に丸みを有している。さらに、弾性部材12の下端付近の内周面には、第1分割型材10側の接合端部18の位置決め用縦溝21に対応した位置決め用突起36が形成されている(図14(b)参照)。
【0058】
この弾性部材12は、図9及び図10に示すように、第1分割型材10と第2分割型材11の互いに突き合わせた接合端部18、29に外嵌される。この場合、接合端部18、29の外周面に、弾性部材12の内周面が押し付けられて、接合端部18、29の外周面と弾性部材12の内周面とが隙間無く密着した状態となっている。また、第1分割型材10側の接合端部18の位置決め用縦溝21に、弾性部材12の位置決め用突起36が嵌り込んで、弾性部材12が接合端部18に対して位置決めされている。
【0059】
押付蓋材13は、例えば金属製であって、図8及び図9に示すように、押付プレート37と、この押付プレート37の上面に立設された取手部材38とを備えている。押付プレート37は、上下方向に貫通する貫通孔を中央部分に有する略円盤状に形成されており、その上面には貫通孔に対応してナット39が溶接されている。取手部材38は、棒材を略U字状に折り曲げてなる。
【0060】
この押付蓋材13は、押付プレート37の貫通孔へ第1分割型材10側の軸部材16を挿通させながら、その軸部材16のボルト部24にナット39を螺合して締め付けることで、第2分割型材11を第1分割型材10に押し付けるようにして、第2分割型材11の上面に立設される。
【0061】
次に、上記構成のブロック体成形用金型1を使用したブロック体50の成形方法について説明する。まず、ブロック体成形用金型1を組み立てる。この組み立てに際しては、まずベース盤2上に内型4を組み付ける。すなわち、上述したように、ベース盤2の上面に第1分割型材10を立設させて、この第1分割型材10の接合端部18に弾性部材12の略下半部を外嵌させる(図15参照)。このとき、弾性部材12の位置決め用突起36が、接合端部18の位置決め用縦溝21に嵌り込んで、弾性部材12が所定位置に位置決めされている。
【0062】
続いて、ブロック体50の4個の抜け止め部材52・・を、弾性部材12の4つの支持部31・・に支持させる。この状態で、第2分割型材11の接合端部29を、弾性部材12の略上半部に内嵌させるようにして、第2分割型材11を第1分割型材10上に積み上げる。そして、第2分割型材11の上面に、押付蓋材13を立設させる(図16参照)。このとき、第2分割型材11の接合端部29と弾性部材12の支持部31・・との間に、抜け止め部材52・・の係止片71・・が挟み込まれて、抜け止め部材52・・がぐらつかないようにしっかりと保持されている。
【0063】
このようにして内型4の組み付けが完了すると、内型4を囲むようにして4枚のプレート型材7・・をベース盤2の上面周端部に立設して、外型3を組み付ける(図17参照)。そして、この外型3に方形枠状の緊結枠材40を外嵌させて、外型3を組み付け状態でしっかりと保持する(図8参照)。なお、緊結枠材40には、図示しない止付調整部材が設けられている。
【0064】
このブロック体成形用金型1の組立状態において、外型3と内型4との間には、ブロック本体51の成形材料であるレジンコンクリートを充填する充填空間Sが形成されている。そして、弾性部材12の支持部31・・が、ブロック本体51の厚肉角部60・・が成形される箇所に配され(外型3のコーナー部に対向して配され)、これら支持部31・・によって支持されている抜け止め部材52・・の固定片70・・が、厚肉角部60・・が成形される箇所に対応して充填空間S内へ張り出している。また、弾性部材12の凹部34・・が、ブロック本体51の薄肉辺部61・・が成形される箇所に配されている(外型3のプレート型材7・・の幅方向中央部に対向して配されている)。さらに、第2分割型材11の略上半部が、外型3よりも上方へ突出した状態となっている。
【0065】
このようにして組み立てられたブロック体成形用金型1の充填空間S内に、レジンコンクリートを充填して硬化させることで、上述した抜け止め部材52・・を有するブロック体50が、その挿着孔部53の挿入開口端54aを上向きにした状態で成形される。
【0066】
内型4の一部を弾性部材12によって構成した場合、レジンコンクリートの充填に際して、その充填圧によって弾性部材12が径内方向に弾性変形して、ブロック体50における挿着孔部53の成形精度が悪くなることが懸念される。しかしながら、上記の弾性部材12は、第1分割型材10と第2分割型材11の互いに突き合わせた接合端部18、29に密着状態で外嵌されている。すなわち、接合端部18、29が硬質の芯材となって、弾性部材12の保形性が良好に維持されている。したがって、全体が硬質の内型を使用するときと同様に、ブロック体50における挿着孔部53を精度良く成形することができる。
【0067】
なお、内型4は、複数の分割型材10、11、12を軸方向(上下方向)に組み付けて構成されているので、分割型材10、11、12の境目部分によって、挿着孔部53の内周面にはバリ突起が必然的に生じるようになる。特に、挿着孔部53におけるテーパー部55の最小径部位55eの内周面には、第1分割型材10と弾性部材12との境目部分によって、先鋭状のバリ突起58が周方向に沿って形成されて、挿着孔部53内に挿通させるケーブル類の傷付きの原因となる。しかしながら、上述したように、最小径部位55eの内周面に、頂部に丸みを有する環状突起59をバリ突起58よりも径内方向に突出するように形成することで、このような不具合を解消している。
【0068】
上記のようにしてブロック体50を成形した後に、ブロック体成形用金型1を離型させるには、まず緊結枠材40を取り外して、4枚のプレート型材7・・を互いに分離させながら外型3を取り外す。続いて、押付蓋材13を水平方向に回転させて、そのナット39と軸部材16のボルト部24との螺合を解除することで、押付蓋材13を取り外す。
【0069】
そして、ブロック体50における挿着孔部53の挿入開口端54aよりも上方へ突出した第2分割型材11の略上半部を把持して、第2分割型材11を上方へ持ち上げることで、挿着孔部53の大径部54から第2分割型材11を抜き取る。このとき、大径部54は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて(下方へ向うにつれて)縮径しているので、第2分割型材11を容易に抜き取ることができる。
【0070】
続いて、ベース盤2を押さえ付けながら、ブロック体50を上方へ持ち上げることで、挿着孔部53の小径部56からベース盤2付きの第1分割型材10を抜き取る。なお、これとは逆に、ブロック体50を把持しながら、ベース盤2付きの第1分割型材10を下方へ引き抜くようにしても良い。このとき、小径部56は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて(下方へ向うにつれて)拡径しているので、第1分割型材10を容易に抜き取ることができる。
【0071】
第2分割型材11及びベース盤2付きの第1分割型材10を取り外すと、ブロック体50の挿着孔部53には、図18に示すように、弾性部材12が残るだけとなる。弾性部材12は、その外周面が複雑な形状の挿着孔部53のテーパー部55に密接していて、さらに挿着孔部53内に張り出した抜け止め部材52・・の係止片71・・が支持部31・・に被さった状態となっている。弾性部材12は、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製であって、レジンコンクリートに対して非反応で剥がれ易くなってはいるものの、単純に引き出すことはできない。そこで、この弾性部材12については、その一部を径内方向へ大きく屈曲させながら、挿着孔部53のベルマウス57側から無理抜きしている。このとき、弾性部材12の支持部31・・間には変形促進部32・・が形成されて、特に支持部31・・付近(上端付近)は弾性変形し易くなっているので、抜け止め部材52・・の係止片71・・が支持部31・・に被さった状態となっていても、抜け止め部材52・・に無理な負荷をかけることなく、弾性部材12を容易に抜き取ることができる。このようにして弾性部材12を抜き取ることで、上述した抜け止め部材52・・を有するブロック体50を得ることができる。
【0072】
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0073】
例えば、この発明のブロック体成形用金型を用いて成形されるブロック体としては、そのブロック本体が略直方体状であるものに限らず、例えば略立方体であっても良い。また、ブロック本体に設ける挿着孔部は、1個だけに限らず、例えば図19に示すように、複数個を互いに平行に設けるようにしても良い。なお、この場合、外型の枠内に複数組の内型を配置したブロック体成形用金型を用いることになる。
【0074】
また、弾性部材として、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製のものだけに限らず、その他の合成ゴム製又は合成樹脂製であっても良い。
【符号の説明】
【0075】
1・・ブロック体成形用金型、3・・外型、4・・内型、10・・第1分割型材、11・・第2分割型材、12・・第3分割型材(弾性部材)、12c・・弾性部材の小径外周面、18・・第1分割型材の接合端部、29・・第2分割型材の接合端部、31・・支持部、32・・変形促進部、34・・凹部、35・・環状溝、50・・管材接続用ブロック体、51・・ブロック本体、52・・抜け止め部材、53・・挿着孔部、54・・大径部、55・・テーパー部、56・・小径部、55e・・挿着孔部の最小径部位、58・・バリ突起、59・・環状突起、60・・厚肉部、61・・薄肉部、63・・補強用凸部、70・・固定片、71・・係止片、90・・ケーブル保護管、91・・ケーブル保護管の端部、S・・充填空間
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばハンドホールやマンホールに取り付けて、ケーブル保護管を接続するブロック体を成形するための成形用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ケーブル保護管路を地中に配設する場合、ハンドホールやマンホールを中継地として適当な間隔毎に設置して、これらハンドホールやマンホール(以下、両ホールを代表して単に「ハンドホール」と称する。)にケーブル保護管を連結している。
【0003】
ハンドホールに対するケーブル保護管の連結に際しては、例えばハンドホールの側壁に形成した貫通孔部に、合成樹脂製のベルマウスを一体化したコンクリート製のブロック体を嵌め込んで固定して、このブロック体のベルマウスにケーブル保護管の端部を接続していることが多い。
【0004】
ところが、このような合成樹脂製のベルマウスを一体化したコンクリート製のブロック体を使用すると、ブロック体の大型化を招くとともに、ブロック体の製造費も嵩むといった不具合があった。このため、例えば特許文献1や特許文献2にも開示されているように、合成樹脂製のベルマウスを廃止して、ケーブル保護管の端部を挿着する挿着孔部を直接形成したブロック体を使用することもある。
【0005】
このようなブロック体を成形するにあたっては、ブロック体の外表面を成形する枠状の外型と、ブロック体の挿着孔部を成形する内型とを備えた成形用金型が一般的に使用されている。そして、外型の枠内に内型を配置して、これら外型と内型との間に、コンクリートやモルタル、レジンコンクリート等の成形充填材を充填して硬化させた後、外型及び内型を離型させることで、ブロック体を成形している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平4−340309号公報
【特許文献2】特開2000−78734号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、挿着孔部を単に形成しただけのブロック体においては、挿着孔部に抜け止め用の対策が何ら施されておらず、挿着孔部にケーブル保護管の端部を差し込んで挿着した後、パテ材やシーリング材等を使用してケーブル保護管の端部を固定するといった面倒な抜け止め用の後処理が必要であり、ブロック体へのケーブル保護管の接続作業が煩雑になるといった不具合があった。
【0008】
このため、近年においては、挿着孔部に抜け止め部材を埋設固定したブロック体が提案されている。このようなブロック体においては、抜け止め部材の係止片が挿着孔部内に張り出した状態となっていて、挿着孔部にケーブル保護管の端部を差し込むだけで、ケーブル保護管の端部に係止片が係合して、挿着孔部からのケーブル保護管の抜けが防止されるようになっている。
【0009】
ところが、このような抜け止め部材を有するブロック体を、上記のような成形用金型を使用して成形する場合には、挿着孔部内に張り出した係止片が邪魔になって、内型の離型作業(抜き取り作業)が困難となり、生産性が悪いといった不具合があった。
【0010】
そこで、この発明は、上記の不具合を解消して、簡単な構造でありながら、抜け止め部材を有するブロック体を容易に成形することができるブロック体成形用金型の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のブロック体成形用金型1は、管材接続用ブロック体50を成形するためのものである。管材接続用ブロック体50は、ケーブル保護管90の端部91を挿着する1又は複数の挿着孔部53が貫通形成されたレジンコンクリート製のブロック本体51を備え、このブロック本体51の挿着孔部53は、一端側の大径部54と、他端側の小径部56と、これら大径部54と小径部56とを連結するテーパー部55とが軸方向に連続して構成され、この挿着孔部53に、前記ケーブル保護管90の端部91の抜けを防止する複数の抜け止め部材52・・が周方向に間隔あけて取り付けられ、これら抜け止め部材52・・は、前記ブロック本体51の挿着孔部53に埋設された固定片70と、前記ブロック本体51の挿着孔部53内に張り出して、前記ケーブル保護管90の端部91に係止する係止片71とを備えている。そして、ブロック体成形用金型1は、前記ブロック本体51の外表面を成形する枠状の外型3と、この外型3の枠内に配置されて、前記ブロック本体51の挿着孔部53を成形する1又は複数の内型4とを備え、前記外型3と内型4との間に、レジンコンクリートを充填する充填空間Sが形成され、前記内型4は、前記挿着孔部53の小径部成形用の第1分割型材10と、前記挿着孔部53の大径部成形用の第2分割型材11と、前記挿着孔部53のテーパー部成形用の第3分割型材12とを組み付けることによって構成され、これら複数の分割型材10、11、12のうち第3分割型材12は、前記複数の抜け止め部材52・・の固定片70・・を前記充填空間S内へ張り出させた状態で、前記複数の抜け止め部材52・・を周方向に間隔をあけて支持する例えばシリコンゴム製又はフッ素ゴム製の略筒状の弾性部材12とされていることを特徴とする。
【0012】
具体的に、前記弾性部材12における前記複数の抜け止め部材52・・を支持する支持部31・・間に、それら支持部31・・よりも薄肉とされた変形促進部32・・が形成されている。また、前記弾性部材12における前記変形促進部32・・の外周面側に、前記ブロック本体51の挿着孔部53の内周面に補強用凸部63・・を成形するための凹部34・・が形成されている。
【0013】
そして、前記ブロック本体51は、径方向の断面が略円形状の前記挿着孔部53が相対する面に跨って貫通形成された略立方体状若しくは略直方体状とされ、前記挿着孔部53の周りに厚肉部60・・と薄肉部61・・が設けられたものであって、前記支持部31・・は、前記ブロック本体51の厚肉部60・・が成形される箇所に配され、前記凹部34・・は、前記ブロック本体51の薄肉部61・・が成形される箇所に配される。
【0014】
また、前記内型4の組み付け状態において、前記第1分割型材10と第2分割型材11の接合端部18、29同士が突き合わされるとともに、これら接合端部18、29の外周面に前記弾性部材12の内周面を押し付けるようにして、前記弾性部材12が前記接合端部18、29に外嵌される。
【0015】
さらに、前記内型4の組み付け状態において、前記第2分割型材11の接合端部29と前記弾性部材12との間に、前記複数の抜け止め部材52・・の係止片71・・が挟み込まれる。
【0016】
また、前記弾性部材12は、前記ブロック本体51の挿着孔部53の最小径部位55eを成形する小径外周面12cを備え、この小径外周面12cに、溝底に丸みを有する環状溝35が形成され、この環状溝35によって前記挿着孔部53の最小径部位55eの内周面に成形される頂部に丸みを有する環状突起59は、前記弾性部材12と第1分割型材10との境目部分によって前記挿着孔部53の最小径部位55eの内周面に生じるバリ突起58よりも径内方向に突出されている。
【発明の効果】
【0017】
この発明のブロック体成形用金型は、内型を構成する複数の分割型材のうちの1つを、抜け止め部材を支持する略筒状の弾性部材としただけの簡単な構造であって、ブロック体成形後の内型の離型に際しては、弾性部材以外の分割型材を抜き取った後、抜け止め部材の係止片に干渉する弾性部材を弾性変形させながら抜き取ることで、抜け止め部材に無理な負荷をかけることなく、内型を容易に離型させることができる。これにより、設備費の高騰を招くことなく、抜け止め部材を有するブロック体の生産性を高めることができる。
【0018】
また、弾性部材の支持部間に変形促進部を形成することで、特に抜け止め部材の係止片に干渉する支持部付近が弾性変形し易くなって、弾性部材の抜き取り作業がより一層容易になり、離型時の作業性の向上を図ることができる。さらに、弾性部材の変形促進部の外周面側に凹部を形成して、ブロック本体の挿着孔部の内周面に補強用凸部を成形することで、ブロック体の強度を高めることができる。
【0019】
特に、弾性部材の支持部を、ブロック本体の厚肉部が成形される箇所に配置して、支持部によって支持した抜け止め部材の固定片が、ブロック本体の厚肉部に埋め込まれるようにすることで、抜け止め部材をしっかりと安定した状態で取り付けたブロック体を得ることができる。また、弾性部材の凹部を、ブロック本体の薄肉部が成形される箇所に配置して、ブロック本体の薄肉部に補強用凸部が形成されるようにすることで、ブロック体の強度をより効果的に高めることができる。
【0020】
さらに、弾性部材を、第1分割型材と第2分割型材の互いに突き合わせた接合端部に密着状態で外嵌させることで、弾性部材の保形性が良好に維持される。これにより、レジンコンクリートの充填に際して、その充填圧によって弾性部材が径内方向に撓むような不具合が生じることがなく、全体が硬質の内型を使用するときと同様に、ブロック本体の挿着孔部を精度良く成形することができる。
【0021】
また、第2分割型材の接合端部と弾性部材との間に、抜け止め部材の係止片を挟み込むようにすることで、抜け止め部材をしっかりと保持することができ、レジンコンクリートの充填に際して、抜け止め部材がぐらつくようなことがなく、抜け止め部材を所定位置に精度良く取り付けたブロック体を得ることができる。
【0022】
さらにまた、弾性部材の小径外周面に環状溝を形成して、ブロック本体の挿着孔部における最小径部位の内周面に、頂部に丸みを有する環状突起を成形することで、挿着孔部の内周面に生じたバリ突起によって、挿着孔部に挿通させたケーブル類等が損傷するといった不具合を防止することができる。
【0023】
さらに、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製の弾性部材を用いることで、レジンコンクリートに対して剥がれ易くなって、弾性部材の抜き取り作業がより一層容易になり、離型時の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施形態に係るブロック体成形用金型を使用して成形される管材接続用ブロック体の斜視図である。
【図2】同じくその正面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】ブロック体における挿着孔部のテーパー部付近の拡大縦断面図である。
【図5】ブロック体を使用したハンドホールへのケーブル保護管の連結構造を示す分解斜視図である。
【図6】同じくその斜視図である。
【図7】同じくその縦断面図である。
【図8】ブロック体成形用金型の斜視図である。
【図9】同じくその弾性部材の変形促進部を分断する縦断面図である。
【図10】同じくその弾性部材の支持部を分断する縦断面図である。
【図11】同じくその分解斜視図である。
【図12】内型の分解斜視図である。
【図13】弾性部材の斜視図である。
【図14】抜け止め部材を支持した状態の弾性部材を示す図である。
【図15】ベース盤上に第1分割型材及び弾性部材を取り付けた状態を示す斜視図である。
【図16】内型を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図17】外型を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図18】弾性部材が残ったブロック体の縦断面図である。
【図19】ブロック体の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1乃至図3は、この発明の一実施形態に係るブロック体成形用金型1を使用して成形される管材接続用ブロック体50を示している。この管材接続用ブロック体50は、後述するようにハンドホール80に取り付けられて、ケーブル保護管路を構成する管材としてのケーブル保護管90を接続するためのものである。
【0026】
具体的に、管材接続用ブロック体50は、レジンコンクリート製のブロック本体51と、このブロック本体51に取り付けられた例えば4個の合成樹脂製の抜け止め部材52・・とを備えている。なお、ブロック本体51をレジンコンクリート製とすることで、例えばコンクリート製のものと比べて、小型軽量化及び成形性の向上を図ることができる。
【0027】
ブロック本体51は、図1乃至図3に示すように、例えば略直方体状に形成されていて、その相対する面に跨って(正面側から背面側に向って)挿着孔部53が貫通形成されていて、この挿着孔部53にケーブル保護管90の端部91が挿着されるようになっている。
【0028】
挿着孔部53は、図3に示すように、その軸方向の全長に亘って径方向の断面が略円形状に形成されており、ケーブル保護管90の端部91を挿入する挿入開口端54aを有する一端側の大径部54と、他端側の小径部56と、これら大径部54と小径部56とを連結するテーパー部55とが軸方向に連続した状態となっている。すなわち、ブロック本体51の正面側から背面側に向って、大径部54、テーパー部55、小径部56が順次連続することで、挿着孔部53が形成されている。
【0029】
そして、挿着孔部53の大径部54は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて極僅かに縮径していて、その内径がケーブル保護管90の端部91の外径よりも大きくなっている。テーパー部55は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて段階的に縮径している。小径部56は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて極僅かに拡径していて、その内径がケーブル保護管90の端部91の外径よりも小さくなっている。これにより、大径部54の挿入開口端54aから差し込んだケーブル保護管90の端部91は、テーパー部55において小径部56内への入り込みが阻止されて、必要以上の差し込みが規制されるようになっている。なお、小径部56のテーパー部55側とは反対側の開口端は、ラッパ状に拡径したベルマウス57となっている。
【0030】
また、挿着孔部53のテーパー部55は、図3及び図4に示すように、その大径部54側の一端が大径部54よりも大径の最大径部位55aとなっていて、その小径部56側の他端が小径部56と略同径の最小径部位55eとなっている。そして、最大径部位55aから最小径部位55eにかけて、大径の第1テーパー部位55b、中間径部位55c、小径の第2テーパー部位55dが連続して形成されている。
【0031】
このテーパー部55の最小径部位55eの内周面には、先鋭状のバリ突起58が周方向に沿って形成されている。なお、このバリ突起58は、ブロック体成形用金型1を使用して管材接続用ブロック体50を成形した場合に必然的に生じるものである。ケーブル保護管90に挿通させたケーブル類は、ケーブル保護管90の端部91からテーパー部55の最小径部位55e、小径部56を介してベルマウス57からハンドホール80内に引き込まれるが、上記のように最小径部位55eにバリ突起58が形成されていると、このバリ突起58によってケーブル類が傷付くといった不具合が生じることがある。そこで、テーパー部55の最小径部位55eの内周面には、バリ突起58よりも径内方向に突出するようにして、頂部に丸みを有する環状突起59が形成されている。これにより、ケーブル類とバリ突起58との接触が避けられて、ケーブル類の損傷を防止することができるようになっている。
【0032】
このブロック本体51においては、図1及び図2に示すように、その正面側と背面側との間に断面略円形状の挿着孔部53が貫通していることで、挿着孔部53周りの4つの角部分(四隅部分)が厚肉部(厚肉角部)60・・となっていて、それら厚肉角部60・・間の4つの辺部分が薄肉部(薄肉辺部)61・・となっている。
【0033】
薄肉辺部61・・のうち、特に挿着孔部53におけるテーパー部55の最大径部位55aが位置する部分は、その肉厚が最も薄くなっていて、強度的に弱くなっている。このため、図2及び図3に示すように、テーパー部55の最大径部位55aの内周面には、薄肉辺部61・・に対応して4つの補強用凸部63・・が周方向に間隔をあけて形成されている。これにより、薄肉辺部61・・のうち最も薄い部分の肉厚が、補強用凸部63・・の厚み分だけ増大して、強度が高められている。
【0034】
また、ブロック本体51の正面及び背面を除く外表面には、図1及び図2に示すように、挿着孔部53の軸方向と直交する方向に沿って、例えば一対の薄肉帯状の膨出部65、65が互いに略平行に形成されている。これにより、複数のブロック体50・・を、それらの挿着孔部53・・が互いに平行になるように積み上げたり、並べたりして組み合わせるときに、隣接するブロック体50、50の膨出部65・・同士を重ね合わせることで、隣接するブロック体50、50のブロック本体51、51の外表面間に接着剤充填用の隙間が形成されるようになっている。
【0035】
抜け止め部材52・・は、ブロック本体51の挿着孔部53に挿着したケーブル保護管90の端部91の抜けを防止するためのものである。各抜け止め部材52は、図2及び3に示すように、ブロック本体51の挿着孔部53に埋設された固定片70と、この固定片70から延出されて、ブロック本体51の挿着孔部53内に張り出した係止片71とを備えている。
【0036】
固定片70は、挿着孔部53の周方向に沿うように湾曲した帯板状に形成され、挿着孔部53における大径部54とテーパー部55の最大径部位55aとの境界部分から径外方向に向って入り込むようにして、ブロック本体51の厚肉角部60に埋め込まれている。この固定片70の先端部分には、挿着孔部53の軸方向に突出した先鋭状の楔部72が形成されている。そして、この楔部72が厚肉角部60にしっかりと食い込むことで、レジンコンクリート製のブロック本体51に対して、これとは異素材の合成樹脂製の抜け止め部材52が強固に取り付けられている。
【0037】
係止片71は、挿着孔部53の周方向に沿うように湾曲した櫛歯状に形成され、大径部54の挿入開口端54aから遠ざかるにつれて径内方向への張り出し量が漸増するように、テーパー部55側に突出した状態で張り出している。この係止片71には、その張り出し方向に沿って複数の先端開放のスリット74・・が挿着孔部53の周方向に間隔をあけて形成されており、挿着孔部53の径方向に変形可能な弾性を有している。なお、複数のスリット74・・のうち、中央に位置するスリットは、幅広に形成されている。
【0038】
4個の抜け止め部材52・・は、それら係止片71・・が挿着孔部53の周方向に略等間隔に配置されるように取り付けられている。そして、これら抜け止め部材52・・の係止片71・・の外周面側には、テーパー部55の最大径部位55aが位置しており、これによって固定片70・・と係止片71・・との境界部分75・・が露出した状態となって、係止片71・・の径外方向への弾性変形が促進されるようになっている。
【0039】
上記構成のブロック体50・・を使用して、ケーブル保護管90・・をハンドホール80に連結する手順について説明する。図5乃至図7に示すように、まず複数のブロック体50・・を、それぞれの挿着孔部53・・が互いに平行になるように、且つ、膨出部65・・同士を重ね合わせるように組み合わせる。このとき、隣接するブロック体50、50のブロック本体51、51の外表面間には、膨出部65・・同士が重なることによって、接着剤充填用の隙間が形成されている。そして、これらブロック体50・・を、ハンドホール80の側壁81に形成した貫通孔部82に嵌め込みながら、接着剤充填用の隙間、及び、貫通孔部82とブロック体50・・との間の隙間に、パテ材等の接着剤を充填することで、ハンドホール80の側壁81にブロック体50・・を一体的に固定する。
【0040】
そして、各ブロック体50の挿着孔部53へケーブル保護管90の端部91を差し入れると、ケーブル保護管90の端部91に抜け止め部材52・・の係止片71・・が係合して、ケーブル保護管90の端部91の挿着孔部53からの抜けが防止される。これにより、ケーブル保護管90・・がハンドホール80に連結される。
【0041】
次に、上記のような抜け止め部材52・・を有するブロック体50を成形するためのブロック体成形用金型1について説明する。このブロック体成形用金型1は、図8乃至図11に示すように、略正方形状のベース盤2と、このベース盤2の上面周端部に立設されて、ブロック本体51の外表面を成形する枠状の外型3と、外型3の枠内に配置された状態でベース盤2の上面に立設されて、ブロック本体51の挿着孔部53を成形する内型4とを備えている。
【0042】
ベース盤2は、例えば金属製であって、図11に示すように、一対のボルト挿通用孔5、5が貫通形成されている。また、このベース盤2の上面には、一対の位置決め用突起6、6が突設されている。なお、ボルト挿通用孔5、5及び位置決め用突起6、6は、同一円周上に配されている。
【0043】
外型3は、図8及び図11に示すように、4枚の略長方形状のプレート型材7・・を組み付けることによって構成されている。これらプレート型材7・・は、例えば金属製であって、各プレート型材7の外面には、図8に示すように、後述する緊結枠材40を載せる突起8が形成されている。また、各プレート型材7の内面には、図11に示すように、ブロック本体51の各面の膨出部65、65を成形する一対の横溝9、9が互いに略平行に形成されている。これら4枚のプレート型材7・・は、その両端部の切欠面を互いに重ね合わせるようにして、略角筒状に組み付けられる。
【0044】
内型4は、図9乃至図12に示すように、ブロック本体51の挿着孔部53における小径部56を成形する第1分割型材10と、ブロック本体51の挿着孔部53における大径部54を成形する第2分割型材11と、ブロック本体51の挿着孔部53におけるテーパー部55を成形する第3分割型材12と、押付蓋材13とを軸方向(上下方向)に組み付けることによって構成されている。
【0045】
第1分割型材10は、例えば金属製であって、図12に示すように、中空状の型本体15と、この型本体15に立設された軸部材16とを備えている。
【0046】
型本体15は、略円筒状の本体部17と、この本体部17の上端から上方へ突出した接合端部18と、本体部17の下端から側方へ張り出したフランジ部19とを備えている。接合端部18は、本体部17よりも小径であって、上下方向に貫通する貫通孔を中央部分に有する略円柱状に形成されている。この接合端部18の上面には、一対の位置決め用突起20、20が突設されている。また、接合端部18の外周面には、位置決め用縦溝21が形成されている。フランジ部19は、その外形がベース盤2よりも一回り小さい略正方形状に形成されていて、外型3の下端開口部分にきっちりと収まるようになっている。このフランジ部19の下面には、図9に示すように、ベース盤2のボルト挿通用孔5、5に対応した一対のボルト孔22、22と、ベース盤2の位置決め用突起6、6に対応した一対の位置決め用孔23、23とが形成されている。なお、ボルト孔22、22及び位置決め用孔23、23は、同一円周上に配されている。
【0047】
軸部材16は、その上端にボルト部24が形成されている。また、軸部材16の下端は、型本体15の接合端部18の貫通孔に嵌入された状態で、溶接等によって型本体15に固定されている。
【0048】
この第1分割型材10は、図9及び図10に示すように、型本体15のフランジ部19をベース盤2に固定することで、ベース盤2の上面に立設される。フランジ部19の固定に際しては、フランジ部19の位置決め用孔23、23にベース盤2の位置決め用突起6、6を嵌め込みながら、フランジ部19のボルト孔22、22とベース盤2のボルト挿通用孔5、5とを一致させるようにして、フランジ部19をベース盤2の上面に設置する。そして、ベース盤2のボルト挿通用孔5、5に差し入れた固定ボルト25、25を、フランジ部19のボルト孔22、22にねじ込むようにしている。
【0049】
第2分割型材11は、例えば金属製であって、図12に示すように、中空状の型本体26と、この型本体26の上端部分を補強する補強体27とを備えている。
【0050】
型本体26は、略円筒状の本体部28と、この本体部28の下端から下方へ突出した接合端部29とを備えている。接合端部29は、上下方向に貫通する貫通孔を中央部分に有する略円錐台状に形成されている。この接合端部29の下面には、図9に示すように、第1分割型材10側の接合端部18の位置決め用突起20、20に対応した一対の位置決め用孔30、30が形成されている。
【0051】
補強体27は、上下方向に貫通する貫通孔を有する略円柱状に形成されており、その上面が型本体26の本体部28の上端面と面一になるように、本体部28の上端開口部分に内嵌されている。
【0052】
この第2分割型材11は、図9及び図10に示すように、型本体26の接合端部29の貫通孔及び補強体27の貫通孔へ第1分割型材10側の軸部材16を挿通させながら、型本体26の接合端部29を第1分割型材10側の接合端部18に接合することで、第1分割型材10上に積み上げられる。接合端部18、29同士の接合に際しては、接合端部29の位置決め用孔30、30に接合端部18の位置決め用突起20、20を嵌め込みながら、接合端部18の上面に接合端部29の下面を載せるようにして、これら接合端部18、29同士を突き合わせるようにしている。
【0053】
第3分割型材12は、例えばシリコンゴム製又はフッ素ゴム製の弾性変形可能な弾性部材である。この弾性部材12は、図12及び図13に示すように、内外周面の形状が異なる略円筒状に形成されている。そして、弾性部材12の上端付近の外周面は、ブロック本体51の挿着孔部53におけるテーパー部55の最大径部位55a及び第1テーパー部位55bを成形する大径外周面12aとされ、弾性部材12の中間付近の外周面は、テーパー部55の中間径部位55c及び第2テーパー部位55dを成形する中径外周面12bとされ、弾性部材12の下端付近の外周面は、テーパー部55の最小径部位55eを成形する小径外周面12cとされている。
【0054】
そして、弾性部材12の上端付近には、ブロック体50の抜け止め部材52・・を支持する例えば4つの支持部31・・が周方向に等間隔をあけて形成されている。また、支持部31・・間には、弾性部材12の弾性変形を促進させるための変形促進部32・・が夫々形成されている。
【0055】
各支持部31には、その内周面に沿って抜け止め部材52の係止片71を嵌め込むための位置決め用凹所33が形成されている。これにより、抜け止め部材52は、図14に示すように、係止片71が位置決め用凹所33に嵌め込まれて、固定片70が弾性部材12の外周面よりも径外方向へ張り出すようにして、支持部31に支持されるようになっている。
【0056】
各変形促進部32は、支持部31よりも薄肉とされて、屈曲し易いようになっている。そして、変形促進部32の外周面側には、ブロック本体51の挿着孔部53の補強用凸部63を成形するための凹部34が形成されている。この凹部34は、上下端が開放した溝状に形成されている。
【0057】
また、弾性部材12の下端付近の小径外周面12cには、ブロック本体51の挿着孔部53におけるテーパー部55の最小径部位55eの内周面に環状突起59を成形するための環状溝35が形成されている。この環状溝35は、溝底に丸みを有している。さらに、弾性部材12の下端付近の内周面には、第1分割型材10側の接合端部18の位置決め用縦溝21に対応した位置決め用突起36が形成されている(図14(b)参照)。
【0058】
この弾性部材12は、図9及び図10に示すように、第1分割型材10と第2分割型材11の互いに突き合わせた接合端部18、29に外嵌される。この場合、接合端部18、29の外周面に、弾性部材12の内周面が押し付けられて、接合端部18、29の外周面と弾性部材12の内周面とが隙間無く密着した状態となっている。また、第1分割型材10側の接合端部18の位置決め用縦溝21に、弾性部材12の位置決め用突起36が嵌り込んで、弾性部材12が接合端部18に対して位置決めされている。
【0059】
押付蓋材13は、例えば金属製であって、図8及び図9に示すように、押付プレート37と、この押付プレート37の上面に立設された取手部材38とを備えている。押付プレート37は、上下方向に貫通する貫通孔を中央部分に有する略円盤状に形成されており、その上面には貫通孔に対応してナット39が溶接されている。取手部材38は、棒材を略U字状に折り曲げてなる。
【0060】
この押付蓋材13は、押付プレート37の貫通孔へ第1分割型材10側の軸部材16を挿通させながら、その軸部材16のボルト部24にナット39を螺合して締め付けることで、第2分割型材11を第1分割型材10に押し付けるようにして、第2分割型材11の上面に立設される。
【0061】
次に、上記構成のブロック体成形用金型1を使用したブロック体50の成形方法について説明する。まず、ブロック体成形用金型1を組み立てる。この組み立てに際しては、まずベース盤2上に内型4を組み付ける。すなわち、上述したように、ベース盤2の上面に第1分割型材10を立設させて、この第1分割型材10の接合端部18に弾性部材12の略下半部を外嵌させる(図15参照)。このとき、弾性部材12の位置決め用突起36が、接合端部18の位置決め用縦溝21に嵌り込んで、弾性部材12が所定位置に位置決めされている。
【0062】
続いて、ブロック体50の4個の抜け止め部材52・・を、弾性部材12の4つの支持部31・・に支持させる。この状態で、第2分割型材11の接合端部29を、弾性部材12の略上半部に内嵌させるようにして、第2分割型材11を第1分割型材10上に積み上げる。そして、第2分割型材11の上面に、押付蓋材13を立設させる(図16参照)。このとき、第2分割型材11の接合端部29と弾性部材12の支持部31・・との間に、抜け止め部材52・・の係止片71・・が挟み込まれて、抜け止め部材52・・がぐらつかないようにしっかりと保持されている。
【0063】
このようにして内型4の組み付けが完了すると、内型4を囲むようにして4枚のプレート型材7・・をベース盤2の上面周端部に立設して、外型3を組み付ける(図17参照)。そして、この外型3に方形枠状の緊結枠材40を外嵌させて、外型3を組み付け状態でしっかりと保持する(図8参照)。なお、緊結枠材40には、図示しない止付調整部材が設けられている。
【0064】
このブロック体成形用金型1の組立状態において、外型3と内型4との間には、ブロック本体51の成形材料であるレジンコンクリートを充填する充填空間Sが形成されている。そして、弾性部材12の支持部31・・が、ブロック本体51の厚肉角部60・・が成形される箇所に配され(外型3のコーナー部に対向して配され)、これら支持部31・・によって支持されている抜け止め部材52・・の固定片70・・が、厚肉角部60・・が成形される箇所に対応して充填空間S内へ張り出している。また、弾性部材12の凹部34・・が、ブロック本体51の薄肉辺部61・・が成形される箇所に配されている(外型3のプレート型材7・・の幅方向中央部に対向して配されている)。さらに、第2分割型材11の略上半部が、外型3よりも上方へ突出した状態となっている。
【0065】
このようにして組み立てられたブロック体成形用金型1の充填空間S内に、レジンコンクリートを充填して硬化させることで、上述した抜け止め部材52・・を有するブロック体50が、その挿着孔部53の挿入開口端54aを上向きにした状態で成形される。
【0066】
内型4の一部を弾性部材12によって構成した場合、レジンコンクリートの充填に際して、その充填圧によって弾性部材12が径内方向に弾性変形して、ブロック体50における挿着孔部53の成形精度が悪くなることが懸念される。しかしながら、上記の弾性部材12は、第1分割型材10と第2分割型材11の互いに突き合わせた接合端部18、29に密着状態で外嵌されている。すなわち、接合端部18、29が硬質の芯材となって、弾性部材12の保形性が良好に維持されている。したがって、全体が硬質の内型を使用するときと同様に、ブロック体50における挿着孔部53を精度良く成形することができる。
【0067】
なお、内型4は、複数の分割型材10、11、12を軸方向(上下方向)に組み付けて構成されているので、分割型材10、11、12の境目部分によって、挿着孔部53の内周面にはバリ突起が必然的に生じるようになる。特に、挿着孔部53におけるテーパー部55の最小径部位55eの内周面には、第1分割型材10と弾性部材12との境目部分によって、先鋭状のバリ突起58が周方向に沿って形成されて、挿着孔部53内に挿通させるケーブル類の傷付きの原因となる。しかしながら、上述したように、最小径部位55eの内周面に、頂部に丸みを有する環状突起59をバリ突起58よりも径内方向に突出するように形成することで、このような不具合を解消している。
【0068】
上記のようにしてブロック体50を成形した後に、ブロック体成形用金型1を離型させるには、まず緊結枠材40を取り外して、4枚のプレート型材7・・を互いに分離させながら外型3を取り外す。続いて、押付蓋材13を水平方向に回転させて、そのナット39と軸部材16のボルト部24との螺合を解除することで、押付蓋材13を取り外す。
【0069】
そして、ブロック体50における挿着孔部53の挿入開口端54aよりも上方へ突出した第2分割型材11の略上半部を把持して、第2分割型材11を上方へ持ち上げることで、挿着孔部53の大径部54から第2分割型材11を抜き取る。このとき、大径部54は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて(下方へ向うにつれて)縮径しているので、第2分割型材11を容易に抜き取ることができる。
【0070】
続いて、ベース盤2を押さえ付けながら、ブロック体50を上方へ持ち上げることで、挿着孔部53の小径部56からベース盤2付きの第1分割型材10を抜き取る。なお、これとは逆に、ブロック体50を把持しながら、ベース盤2付きの第1分割型材10を下方へ引き抜くようにしても良い。このとき、小径部56は、挿入開口端54aから遠ざかるにつれて(下方へ向うにつれて)拡径しているので、第1分割型材10を容易に抜き取ることができる。
【0071】
第2分割型材11及びベース盤2付きの第1分割型材10を取り外すと、ブロック体50の挿着孔部53には、図18に示すように、弾性部材12が残るだけとなる。弾性部材12は、その外周面が複雑な形状の挿着孔部53のテーパー部55に密接していて、さらに挿着孔部53内に張り出した抜け止め部材52・・の係止片71・・が支持部31・・に被さった状態となっている。弾性部材12は、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製であって、レジンコンクリートに対して非反応で剥がれ易くなってはいるものの、単純に引き出すことはできない。そこで、この弾性部材12については、その一部を径内方向へ大きく屈曲させながら、挿着孔部53のベルマウス57側から無理抜きしている。このとき、弾性部材12の支持部31・・間には変形促進部32・・が形成されて、特に支持部31・・付近(上端付近)は弾性変形し易くなっているので、抜け止め部材52・・の係止片71・・が支持部31・・に被さった状態となっていても、抜け止め部材52・・に無理な負荷をかけることなく、弾性部材12を容易に抜き取ることができる。このようにして弾性部材12を抜き取ることで、上述した抜け止め部材52・・を有するブロック体50を得ることができる。
【0072】
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
【0073】
例えば、この発明のブロック体成形用金型を用いて成形されるブロック体としては、そのブロック本体が略直方体状であるものに限らず、例えば略立方体であっても良い。また、ブロック本体に設ける挿着孔部は、1個だけに限らず、例えば図19に示すように、複数個を互いに平行に設けるようにしても良い。なお、この場合、外型の枠内に複数組の内型を配置したブロック体成形用金型を用いることになる。
【0074】
また、弾性部材として、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製のものだけに限らず、その他の合成ゴム製又は合成樹脂製であっても良い。
【符号の説明】
【0075】
1・・ブロック体成形用金型、3・・外型、4・・内型、10・・第1分割型材、11・・第2分割型材、12・・第3分割型材(弾性部材)、12c・・弾性部材の小径外周面、18・・第1分割型材の接合端部、29・・第2分割型材の接合端部、31・・支持部、32・・変形促進部、34・・凹部、35・・環状溝、50・・管材接続用ブロック体、51・・ブロック本体、52・・抜け止め部材、53・・挿着孔部、54・・大径部、55・・テーパー部、56・・小径部、55e・・挿着孔部の最小径部位、58・・バリ突起、59・・環状突起、60・・厚肉部、61・・薄肉部、63・・補強用凸部、70・・固定片、71・・係止片、90・・ケーブル保護管、91・・ケーブル保護管の端部、S・・充填空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブル保護管(90)の端部(91)を挿着する1又は複数の挿着孔部(53)が貫通形成されたレジンコンクリート製のブロック本体(51)を備え、このブロック本体(51)の挿着孔部(53)は、一端側の大径部(54)と、他端側の小径部(56)と、これら大径部(54)と小径部(56)とを連結するテーパー部(55)とが軸方向に連続して構成され、この挿着孔部(53)に、前記ケーブル保護管(90)の端部(91)の抜けを防止する複数の抜け止め部材(52・・)が周方向に間隔あけて取り付けられ、これら抜け止め部材(52・・)は、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)に埋設された固定片(70)と、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)内に張り出して、前記ケーブル保護管(90)の端部(91)に係止する係止片(71)とを備えている管材接続用ブロック体(50)を成形するための金型(1)であって、前記ブロック本体(51)の外表面を成形する枠状の外型(3)と、この外型(3)の枠内に配置されて、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)を成形する1又は複数の内型(4)とを備え、前記外型(3)と内型(4)との間に、レジンコンクリートを充填する充填空間(S)が形成され、前記内型(4)は、前記挿着孔部(53)の小径部成形用の第1分割型材(10)と、前記挿着孔部(53)の大径部成形用の第2分割型材(11)と、前記挿着孔部(53)のテーパー部成形用の第3分割型材(12)とを組み付けることによって構成され、これら複数の分割型材(10)(11)(12)のうち第3分割型材(12)は、前記複数の抜け止め部材(52・・)の固定片(70・・)を前記充填空間(S)内へ張り出させた状態で、前記複数の抜け止め部材(52・・)を周方向に間隔をあけて支持する略筒状の弾性部材(12)とされていることを特徴とするブロック体成形用金型。
【請求項2】
前記弾性部材(12)における前記複数の抜け止め部材(52・・)を支持する支持部(31・・)間に、それら支持部(31・・)よりも薄肉とされた変形促進部(32・・)が形成されている請求項1記載のブロック体成形用金型。
【請求項3】
前記弾性部材(12)における前記変形促進部(32・・)の外周面側に、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)の内周面に補強用凸部(63・・)を成形するための凹部(34・・)が形成されている請求項2記載のブロック体成形用金型。
【請求項4】
前記ブロック本体(51)は、径方向の断面が略円形状の前記挿着孔部(53)が相対する面に跨って貫通形成された略立方体状若しくは略直方体状とされ、前記挿着孔部(53)の周りに厚肉部(60・・)と薄肉部(61・・)が設けられたものであって、前記支持部(31・・)は、前記ブロック本体(51)の厚肉部(60・・)が成形される箇所に配され、前記凹部(34・・)は、前記ブロック本体(51)の薄肉部(61・・)が成形される箇所に配される請求項3記載のブロック体成形用金型。
【請求項5】
前記内型(4)の組み付け状態において、前記第1分割型材(10)と第2分割型材(11)の接合端部(18)(29)同士が突き合わされるとともに、これら接合端部(18)(29)の外周面に前記弾性部材(12)の内周面を押し付けるようにして、前記弾性部材(12)が前記接合端部(18)(29)に外嵌される請求項1乃至4のいずれかに記載のブロック体成形用金型。
【請求項6】
前記内型(4)の組み付け状態において、前記第2分割型材(11)の接合端部(29)と前記弾性部材(12)との間に、前記複数の抜け止め部材(52・・)の係止片(71・・)が挟み込まれる請求項5記載のブロック体成形用金型。
【請求項7】
前記弾性部材(12)は、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)の最小径部位(55e)を成形する小径外周面(12c)を備え、この小径外周面(12c)に、溝底に丸みを有する環状溝(35)が形成され、この環状溝(35)によって前記挿着孔部(53)の最小径部位(55e)の内周面に成形される頂部に丸みを有する環状突起(59)は、前記弾性部材(12)と第1分割型材(10)との境目部分によって前記挿着孔部(53)の最小径部位(55e)の内周面に生じるバリ突起(58)よりも径内方向に突出されている請求項1乃至6のいずれかに記載のブロック体成形用金型。
【請求項8】
前記弾性部材(12)は、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製とされている請求項1乃至7のいずれかに記載のブロック体成形用金型。
【請求項1】
ケーブル保護管(90)の端部(91)を挿着する1又は複数の挿着孔部(53)が貫通形成されたレジンコンクリート製のブロック本体(51)を備え、このブロック本体(51)の挿着孔部(53)は、一端側の大径部(54)と、他端側の小径部(56)と、これら大径部(54)と小径部(56)とを連結するテーパー部(55)とが軸方向に連続して構成され、この挿着孔部(53)に、前記ケーブル保護管(90)の端部(91)の抜けを防止する複数の抜け止め部材(52・・)が周方向に間隔あけて取り付けられ、これら抜け止め部材(52・・)は、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)に埋設された固定片(70)と、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)内に張り出して、前記ケーブル保護管(90)の端部(91)に係止する係止片(71)とを備えている管材接続用ブロック体(50)を成形するための金型(1)であって、前記ブロック本体(51)の外表面を成形する枠状の外型(3)と、この外型(3)の枠内に配置されて、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)を成形する1又は複数の内型(4)とを備え、前記外型(3)と内型(4)との間に、レジンコンクリートを充填する充填空間(S)が形成され、前記内型(4)は、前記挿着孔部(53)の小径部成形用の第1分割型材(10)と、前記挿着孔部(53)の大径部成形用の第2分割型材(11)と、前記挿着孔部(53)のテーパー部成形用の第3分割型材(12)とを組み付けることによって構成され、これら複数の分割型材(10)(11)(12)のうち第3分割型材(12)は、前記複数の抜け止め部材(52・・)の固定片(70・・)を前記充填空間(S)内へ張り出させた状態で、前記複数の抜け止め部材(52・・)を周方向に間隔をあけて支持する略筒状の弾性部材(12)とされていることを特徴とするブロック体成形用金型。
【請求項2】
前記弾性部材(12)における前記複数の抜け止め部材(52・・)を支持する支持部(31・・)間に、それら支持部(31・・)よりも薄肉とされた変形促進部(32・・)が形成されている請求項1記載のブロック体成形用金型。
【請求項3】
前記弾性部材(12)における前記変形促進部(32・・)の外周面側に、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)の内周面に補強用凸部(63・・)を成形するための凹部(34・・)が形成されている請求項2記載のブロック体成形用金型。
【請求項4】
前記ブロック本体(51)は、径方向の断面が略円形状の前記挿着孔部(53)が相対する面に跨って貫通形成された略立方体状若しくは略直方体状とされ、前記挿着孔部(53)の周りに厚肉部(60・・)と薄肉部(61・・)が設けられたものであって、前記支持部(31・・)は、前記ブロック本体(51)の厚肉部(60・・)が成形される箇所に配され、前記凹部(34・・)は、前記ブロック本体(51)の薄肉部(61・・)が成形される箇所に配される請求項3記載のブロック体成形用金型。
【請求項5】
前記内型(4)の組み付け状態において、前記第1分割型材(10)と第2分割型材(11)の接合端部(18)(29)同士が突き合わされるとともに、これら接合端部(18)(29)の外周面に前記弾性部材(12)の内周面を押し付けるようにして、前記弾性部材(12)が前記接合端部(18)(29)に外嵌される請求項1乃至4のいずれかに記載のブロック体成形用金型。
【請求項6】
前記内型(4)の組み付け状態において、前記第2分割型材(11)の接合端部(29)と前記弾性部材(12)との間に、前記複数の抜け止め部材(52・・)の係止片(71・・)が挟み込まれる請求項5記載のブロック体成形用金型。
【請求項7】
前記弾性部材(12)は、前記ブロック本体(51)の挿着孔部(53)の最小径部位(55e)を成形する小径外周面(12c)を備え、この小径外周面(12c)に、溝底に丸みを有する環状溝(35)が形成され、この環状溝(35)によって前記挿着孔部(53)の最小径部位(55e)の内周面に成形される頂部に丸みを有する環状突起(59)は、前記弾性部材(12)と第1分割型材(10)との境目部分によって前記挿着孔部(53)の最小径部位(55e)の内周面に生じるバリ突起(58)よりも径内方向に突出されている請求項1乃至6のいずれかに記載のブロック体成形用金型。
【請求項8】
前記弾性部材(12)は、シリコンゴム製又はフッ素ゴム製とされている請求項1乃至7のいずれかに記載のブロック体成形用金型。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−59882(P2013−59882A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198443(P2011−198443)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(591181126)株式会社利川プラスチック (3)
【出願人】(000221502)東拓工業株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(591181126)株式会社利川プラスチック (3)
【出願人】(000221502)東拓工業株式会社 (61)
【Fターム(参考)】
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