説明

ブロー成形体

【課題】本発明は、耐衝撃性、特に低温耐衝撃性に優れるとともに、透明性、表面光沢性にも優れたブロー成形体を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明のブロー成形体は、メタロセン系触媒で重合され、メルトフローレートが0.1〜100g/10min、融点が100〜155℃の範囲にあり、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)95〜60重量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)5〜40重量%とから構成され、前記DinsolおよびDsolが特定要件を満たすプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー成形体に関する。詳しくは、本発明は、液状の食品や化粧品等を充填する容器として好適な、透明性、表面光沢性、耐衝撃性に優れたブロー成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
ブロー成形体の原料としては、たとえば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが用途に応じて用いられている。
これらの樹脂のうち、高密度ポリエチレンのような硬質のポリエチレン樹脂を用いた場合には、光沢が悪く、低密度ポリエチレンのような軟質のポリエチレン樹脂を用いた場合には、剛性が低いという問題がある。また、ポリ塩化ビニル樹脂を用いた場合は、光沢に優れるものの環境問題があり、さらに高光沢なポリカーボネート樹脂を用いた場合は、原料樹脂の製造コストが高くなる等の問題があった。
【0003】
一方、ポリプロピレン系樹脂を用いたブロー成形体は、比較的製造コストも安く、高密度ポリエチレンよりも光沢、透明性が良好なため、液体洗剤、化粧品、食品、薬品などの液体充填用の容器として広く用いられている。
【0004】
たとえば、液体洗剤容器などのサニタリー用途に用いるポリプロピレン樹脂製のブロー成形体は、耐衝撃性には優れるものの透明性や光沢は劣るものである。一方食品用途等に使用される透明性を重視したポリプロピレン樹脂製のブロー成形体は、透明性には優れるが、低温保冷環境下では耐衝撃性が低下するという問題があった。
【0005】
また、ポリプロピレン系樹脂層を外層とした多層ブロー成形体も知られており、従来公知のチーグラー系ポリプロピレン、メタロセン系ポリプロピレン、これらのポリプロピレンにポリエチレンを配合したものなどが、外層材として用いられている。しかしながら外層の光沢および透明性にはさらに改善の余地があり、また、ポリプロピレン系樹脂による単層のブロー成形体と比べると、低温での耐衝撃性が不足するという問題があった。
【0006】
このような状況において、メタロセン触媒を用いて得られるプロピレン・α−オレフィン系重合体からなる高光沢なブロー容器(特許文献1参照)、メタロセン系触媒を用いて得られるプロピレン・α−オレフィン共重合体と、フェノール系酸化防止剤とを含む樹脂組成物をブロー成形して得られる医療用ブロー容器(特許文献2参照)、特定のプロピレン系重合体と、2種のエチレン・α−オレフィン共重合体とを含む樹脂組成物から形成され、剛性と耐衝撃性とのバランスがよく、表面平滑性に優れ、落下強度にも優れる成形体(特許文献3参照)などが提案されている。
【0007】
しかしながら、耐衝撃性が低温条件で低下するという問題については解決されておらず、より透明性や表面光沢性が高く、外観に優れており、優れた耐衝撃性を有し、しかも低温における耐衝撃性にも優れるブロー成形体の出現が望まれていた。
【特許文献1】特開2003−137928号公報
【特許文献2】特開2003−137244号公報
【特許文献3】特開2004−231921号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、耐衝撃性、特に低温耐衝撃性に優れるとともに、透明性、表面光沢性にも優れたブロー成形体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のブロー成形体は、メタロセン系触媒で重合され、メルトフローレートが0.1〜100g/10min、融点が100〜155℃の範囲にあり、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)95〜60重量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)5〜40重量%とから構成され、前記Dinsolが下記要件(1)および(2)を満たし、前記Dsolが下記要件(3)および(4)を満たすプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなることを特徴としている。
(1) Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%
(2) Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量と1,3-挿入結合量の和が0.2モル%以下
(3) Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g
(4) Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜40モル%。
【0010】
本発明のブロー成形体は、前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる単層成形体であることが好ましい。
また本発明のブロー成形体は、前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる外層を有する多層成形体であることも好ましい。
【0011】
ブロー成形体が多層成型体である場合には、前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる外層と、
ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなるからなる内層と
を有することが好ましく、
内層が、ポリプロピレン系樹脂からなることがより好ましい。
【0012】
本発明のブロー成形体は、ダイレクトブロー成形により得られることが好ましい。
また本発明のブロー成形体は、液体充填用容器であることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、耐衝撃性、特に低温耐衝撃性に優れるとともに、透明性、表面光沢性にも優れたブロー成形体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明のブロー成形体は、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる。すなわち、本発明のブロー成形体は、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂をブロー成形して得られる単層成形体であってもよく、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂の層を少なくとも1層有する多層成形体であってもよい。
【0015】
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂には、樹脂成分として、本発明の目的を損なわない範囲で、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)以外の樹脂が含まれていてもよい。プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)以外の樹脂としては、特に限定されるものではないが、エラストマー(B)、ポリエチレン樹脂(C)が挙げられる。
【0016】
<プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)>
本発明のブロー成形体を構成するプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、メタロセン系触媒で重合され、メルトフローレートが0.1〜100g/10min、融点
が100〜155℃の範囲にあり、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)95〜60重
量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)5〜40重量%とから構成され、前記Dinsolが下記要件(1)および(2)を満たし、前記Dsolが下記要件(3)および(4)を満
たす。ここで、DinsolとDsolとの合計は100重量%である。
(1) Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%
(2) Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量と1,3-挿入結合量の和が0.2モル%以下
(3) Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g
(4) Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜40モル%。
【0017】
このようなプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、メタロセン触媒系の存在下で、
第一重合工程にてプロピレンとエチレンとを共重合してプロピレン系ブロック共重合体であるプロピレン・エチレンランダム共重合体を製造し、引き続き第二重合工程でプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムを製造して得られる。プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、メルトフローレートが0.1〜100g/10min、融点が100〜1
55℃の範囲にあり、第一重合工程で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体を主成分とする室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)95〜60重量%、好ましくは9
0〜70重量%と、第二重合工程で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムを主成分とする室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)5〜40重量%、好ましくは10
〜30重量%とから構成される。ここで、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)におけるメルトフローレート、融点、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)の重量分率
、室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)の重量分率は、製造するブロー成形体の所望性状
に応じて適宜変更することができる。
【0018】
本発明のブロー成形体を構成するプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、前記Dinsolが前記要件(1)および(2)を満たし、さらに前記Dsolが前記要件(3)および(4)を満たす。
【0019】
以下、本発明に係るプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)が備える上記要件(1)〜(4)について詳細に説明する。
・要件(1)
本発明に係るプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n-デカンに不溶な
部分(Dinsol)中のエチレンに由来する骨格の含有量は、0.5〜13モル%、好まし
くは0.7〜10モル%、更に好ましくは1.0〜8モル%である。Dinsol中のエチレ
ンに由来する骨格の含有量が0.5モル%未満であると、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の融点(Tm)が高くなり、透明性が低下すると共に、成形性が悪化する場合がある。また、Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が13モル%よりも多
いと、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の融点が低くなり、成形時にドローダウンを生じやすくなり、高温下での剛性が低下する等の不具合が発生する場合がある。
【0020】
・要件(2)
本発明のプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n-デカンに不溶な部分
(Dinsol)中のプロピレンの2,1-挿入結合量と1,3-挿入結合量の和が0.2モル%以下
、好ましくは0.1モル%以下である。Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量と1,3-
挿入結合量の和が0.2モル%よりも多い場合、プロピレンとエチレンとのランダム共重合性が低下し、その結果、室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)中のプロピレン−エチレン共重合体ゴムの組成分布が広くなる為、成形体の耐衝撃性が低下し、また透明性が低下する場合がある。
【0021】
・要件(3)
本発明に係るプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)の135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g、好ま
しくは1.5dl/gを超え3.5dl/g以下であり、さらに好ましくは1.8〜3.5dl/g、最も好ましくは2.0〜3.0dl/gである。こうしたランダムブロック共重合体の製造において、本発明で好適に使用されるメタロセン触媒系以外の触媒を用いたのでは、極限粘度[η]が1.5dl/gを超えるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を製造することは極めて困難であり、特に極限粘度[η]が1.8dl/g以上のプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を製造することはほとんど不可能である。また、極限粘度Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が4dl/gよ
りも高いと、第二重合工程でプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムを製造する際に、超高分子量乃至高エチレン量プロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムが微量に副生する。この微量に副生したプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムは、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)中に不均一に存在する為、成形体での耐衝撃性の低下や、フィッシュアイ状の外観不具合が生ずる場合がある。
【0022】
・要件(4)
本発明のプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜40モル%、好ましくは18〜4
0モル%、更に好ましくは20〜40モル%である。Dsol中のエチレンに由来する骨格
の含有量が15モル%よりも低いと、プロピレン系ランダムブロック共重合体の耐衝撃性が低下する場合がある。また、Dsol中におけるエチレンに由来する骨格の含有量が40
モル%よりも高いと、透明性が低下する場合がある。
【0023】
本発明に係るプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、好適にはメタロセン触媒の存在下に、第一重合工程([工程1])でプロピレンと少量のエチレンとからなるプロピレン系ランダム共重合を製造後、第二重合工程([工程2])でプロピレンと第一工程よりも多量のエチレンとを共重合してプロピレン−エチレン共重合体ゴムを製造して得られるプロピレン系ランダムブロック共重合体である。
【0024】
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の製造に好適に使用されるメタロセン触媒としては、メタロセン化合物、並びに、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物およびメタロセン化合物と反応してイオン対を形成することのできる化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、さらに必要に応じて粒子状担体とからなるメタロセン触媒であり、好ましくはアイソタクチックまたはシンジオタクチック構造等の立体規則性重合をすることのできるメタロセン触媒を挙げることができる。前記メタロセン化合物の中では、本願出願人による国際出願(WO01/27124号パンフレット)に例示されている以下に示すような架橋性メタロセン化合物が好適に用いられる。
【0025】
【化1】

【0026】
上記一般式[I]において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14は水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、アリル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、tert-ブチル基、アミル基
、3-メチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチル-1-
プロピルブチル基、1,1-プロピルブチル基、1,1-ジメチル-2-メチルプロピル基、1-メチ
ル-1-イソプロピル-2-メチルプロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基;ベンジル基、クミル基、1,1-ジフェニルエチル基、トリフェニルメチル基などの環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-フェニルアミノ基、ピリル基、チエニル基などのヘテロ原子含有炭化水素基等を挙げることができる。ケイ素含有基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基などを挙げることができる。
【0027】
また、一般式[I]において、置換基R5〜R12は隣接する置換基と相互に結合して環を形成してもよい。このような置換フルオレニル基としては、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、オクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル基、オクタメチルテトラヒドロジシクロペンタフルオレニル基等を挙げることができる。
【0028】
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環に置換するR1、R2、R3、R4は水素
原子または炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前述の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR3が炭素数1〜20の炭化水素基である。
【0029】
前記一般式[I]において、フルオレン環に置換するR5〜R12は炭素数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前掲の炭化水素基を例示することができる。置換基R5〜R12は、隣接する置換基が相互に結合して環を形成し
てもよい。
【0030】
前記一般式[I]において、シクロペンタジエニル環とフルオレニル環を架橋するYは
周期律表第14族元素であることが好ましく、より好ましくは炭素、ケイ素、ゲルマニウムであり、さらに好ましくは炭素原子である。このYに置換するR13、R14は炭素数1〜20の炭化水素基が好ましい。これらは相互に同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。炭素数1〜20の炭化水素基としては、前掲の炭化水素基を例示することができる。さらに好ましくはR14は炭素数6〜20のアリール(aryl)基である
。アリール基としては、前述の環状不飽和炭化水素基、環状不飽和炭化水素基の置換した飽和炭化水素基、ヘテロ原子含有環状不飽和炭化水素基を挙げることができる。また、R13、R14はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成してもよい。このような置換基としては、フルオレニリデン基、10-ヒドロアントラセニリデン基、ジベ
ンゾシクロヘプタジエニリデン基などが好ましい。
【0031】
また、上記一般式[I]で表されるメタロセン化合物は、R1、R4、R5またはR12から選ばれる置換基と架橋部のR13またはR14が互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式[I]において、Mは好ましくは周期律表第4族遷移金属であり、さらに好
ましくはTi、Zr、Hfである。また、Qはハロゲン原子、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選ばれる。jは1〜4の整数であり、jが2以上のときは、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、炭化水素基の具体例としては前掲と同様のものなどが挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシなどのアルコキシ基、アセテート、ベンゾエー
トなどのカルボキシレート基、メシレート、トシレートなどのスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタンなどのエーテル類等が挙げられる。Qは少なくとも1つがハロゲン原子またはアルキル
基であることが好ましい。
【0032】
このような架橋メタロセン化合物としては、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチル-シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメ
チレン(3-tert-ブチル-5-メチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3-tert-ブチル-5-メチル-シクロ
ペンタジエニル)(3,6-ジtert-ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、(メチ
ル)(フェニル)メチレン(3-tert-ブチル-5-メチル-シクロペンタジエニル)(オクタ
メチルオクタヒドロベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、[3-(1',1',4',4',7',7',10',10'-オクタメチルオクタヒドロジベンゾ[b,h]フルオレニル)(1,1,3-トリ
メチル-5-tert-ブチル-1,2,3,3a-テトラヒドロペンタレン)]ジルコニウムジクロライド(下記式[II]参照)などが好ましく挙げられる。
【0033】
【化2】

【0034】
なお、本発明で使用されるメタロセン触媒において、前記一般式[I]で表わされる第
4族遷移金属化合物とともに用いられる、有機金属化合物、有機アルミニウムオキシ化合物、および遷移金属化合物と反応してイオン対を形成する化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、さらには必要に応じて用いられる粒子状担体からなり、これらについては
、本出願人による前記公報(WO01/27124号パンフレット)あるいは特開平11-315109号公
報中に開示された化合物を制限無く使用することができる。
【0035】
本発明に係るプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、二つ以上の反応装置を直列に連結した重合装置を用い、次の二つの工程([工程1]および[工程2])を連続的に実施することによって得られる。
【0036】
[工程1]は、重合温度0〜100℃、重合圧力常圧〜5MPaゲージ圧で、プロピレンとエチレンとを共重合させる。[工程1]では、プロピレンに対してエチレンのフィード量を少量とすることによって、[工程1]で製造されるプロピレン系ランダム共重合体がDinsolの主成分となるようにする。
【0037】
[工程2]は、重合温度0〜100℃、重合圧力常圧〜5MPaゲージ圧で、プロピレンとエチレンとを共重合させる。[工程2]では、プロピレンに対するエチレンのフィード量を[工程1]のときよりも多くすることによって、[工程2]で製造されるプロピレン−エチレン共重合ゴムがDsolの主成分となるようにする。
【0038】
このようにすることにより、Dinsolに係る要件(1)〜(3)は、[工程1]におけ
る重合条件の調整によって、Dsolに係る要件(4)〜(6)は、[工程2]における重
合条件の調整によって、満足させることが可能となる。
【0039】
また、本発明に係るプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)が満足すべき物性については、使用するメタロセン触媒の化学構造により決定されることが多い。具体的には、要件(1)DinsolのGPCから求めた分子量分布(Mw/Mn)、要件(3)Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量と1,3-挿入結合量の和、要件(4)DsolのGPCから
求めた分子量分布(Mw/Mn)、およびプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の融点については、主として、[工程1]および[工程2]において用いられるメタロセン触媒を適切に選択することによって、本発明の要件を満足するように調節することができる。本発明において好ましく用いられるメタロセン触媒については前述の通りである。
【0040】
さらに、要件(2)Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量については、[工程
1]におけるエチレンのフィード量などによって調整することが可能である。要件(5)Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]については、[工程2]における水
素などの分子量調節剤のフィード量などによって調節することが可能である。要件(6)Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量については、[工程2]におけるエチレンの
フィード量などによって調節することが可能である。さらに、[工程1]と[工程2]とで製造する重合体の量比を調整することによって、DinsolとDsolとの組成比、およびプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)のメルトフローレートを適切に調節することが可能である。
【0041】
また、本発明に係るプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)は、前記方法の[工程1]で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体と、前記方法の[工程2]で製造されるプロピレン−エチレンランダム共重合体ゴムを、メタロセン化合物含有触媒の存在下で個別に製造した後に、これら物理的手段を用いてブレンドして製造しても良い。
【0042】
<エラストマー(B)>
エラストマー(B)としては、エチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B-a)
、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B-b)、水素添加ブ
ロック共重体(B-c)、プロピレン・α−オレフィン共重合体(B−d)、その他の弾
性重合体、およびこれらの混合物などが挙げられる。
【0043】
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)とエラストマー(B)とを含むプロピレン系樹脂組成物に占めるエラストマー(B)の含有量は、付与される特性により異なるが、通常0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%である。
【0044】
エチレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム(B-a)は、エチレンと炭素数3〜
20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムである。エチレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム(B-a)においては、エチレンから誘導される構成単位とα−オレフ
ィンから誘導される構成単位とのモル比(エチレンから誘導される構成単位/α−オレフィンから誘導される構成単位)は、通常は95/5〜15/85、好ましくは80/20〜25/75である。また、このエチレン・α−オレフィンランダム共重合体(B-a)
について230℃、荷重2.16kgで測定したMFRは、通常は0.1g/10分以上、好ましくは0.5〜30g/10分の範囲内にある。
【0045】
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B-b)は、エチレン
と炭素数3〜20のα−オレフィンと非共役ポリエンとのランダム共重合体ゴムである。上記炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、前記と同じものが挙げられる。非共役ポリエチレンとしては、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-プロピリデン-5-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、ノルボルナジエンなどの非環状ジエン; 1,4-ヘキサジエ
ン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジ
エン、6-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,7-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタ
ジエンなどの鎖状の非共役ジエン; 2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネンなどのトリ
エン等が挙げられる。これらの中では、1,4-ヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネンが好ましく用いられる。エチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体(B-b)は、エチレンから誘導される構成単位が通常は94.
9〜0.1モル%、好ましくは89.5〜40モル%であり、α−オレフィンから誘導される構成単位が通常は5〜45モル%、好ましくは10〜40モル%であり、非共役ポリエンから誘導される構成単位が通常は0.1〜25モル%、好ましくは0.5〜20モル%である。ただし、本発明では、エチレンから誘導される構成単位と、α−オレフィンか
ら誘導される構成単位と、非共役ポリエンから誘導される構成単位との合計を100モル%とする。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B-b)につ
いて230℃、荷重2.16kgで測定したMFRは通常は0.05g/10分以上、好ましくは0.1〜30g/10分の範囲内にある。エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B-b)の具体例としては、エチレン・プロピレン・ジエン三
元共重合体(EPDM)などが挙げられる。
【0046】
水素添加ブロック共重合体(B-c)は、ブロックの形態が下式(a)または(b)で
表されるブロック共重合体の水素添加物であり、水素添加率が通常は90モル%以上、好ましくは95モル%以上の水素添加ブロック共重合体である。
【0047】
X(YX)n …(a)
(XY)n …(b)
上記式(a)または式(b)におけるXで示される重合ブロックを構成するモノビニル置換芳香族炭化水素の例としては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、
クロロスチレン、低級アルキル置換スチレン、ビニルナフタレン等のスチレンまたはその誘導体などが挙げられる。これらは一種単独で使用することもできるし、二種以上を組み合せて使用することもできる。式(a)または(b)のYで示される重合ブロックを構成する共役ジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどが挙げられる。これらは一種単独で使用することもできるし、二種以上を組み合せて使用することもできる。nは通常は1〜5の整数、好ましくは1または2である。水素添加ブロック共重合体(B-c)の具体的な例としては、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合
体(SEBS)、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEPS)およびスチレン・エチレン・プロピレンブロック共重合体(SEP)等のスチレン系ブロック共重合体などが挙げられる。水素添加前のブロック共重合体は、例えば不活性溶媒中で、リチウム触媒またはチーグラー触媒の存在下に、ブロック共重合を行わせる方法により製造することができる。詳細な製造方法は、例えば特公昭40−23798号公報などに記載されている。水素添加処理は、不活性溶媒中で公知の水素添加触媒の存在下に行うことができる。詳細な方法は、例えば特公昭42−8704号公報、同43−6636号公報、同46−20814号公報などに記載されている。共役ジエンモノマーとしてブタジエンが用いられる場合、ポリブタジエンブロックにおける1,2-結合量の割合は通常は20〜80重量%、好ましくは30〜60重量%である。水素添加ブロック共重合体(B-c)としては市販品を使用することもできる。具体的なものとしては、クレイトンG1657(登録商標)(シェル化学(株)製)、セプトン2004(登録商標)((株)クラレ製)、タフテックH1052(登録商標)(旭化成(株)製)などが挙げられる。
【0048】
プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム(B−d)は、プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとのランダム共重合体ゴムである。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体(B-d)においては、プロピレンから誘導される構成単位とα−オレフィン
から誘導される構成単位とのモル比(プロピレンから誘導される構成単位/α−オレフィンから誘導される構成単位)が通常は95/5〜5/95、好ましくは80/15〜20/80である。また、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム(B−d)においては、2種以上のα−オレフィンを使用しても良く、その1つはエチレンであっても良い。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体ゴム(B-d)について230℃、荷
重2.16kgで測定したMFRが通常は0.1g/10分以上、好ましくは0.5〜30g/10分の範囲内にあるのが望ましい。
【0049】
エラストマー(B)は一種単独で使用することもできるし、二種以上を組み合せて使用することもできる。
本発明において上記のエラストマー(B)は、プロピレン系ランダムブロック共重合体
(A)100重量部に対して、通常は0〜50重量部、好ましくは0〜30重量部の範囲内の量で使用することができる。
【0050】
本発明のブロー成形体を構成する、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂が、エラストマー(B)を含むことにより、得られるブロー成形体の耐衝撃性、透明性、寸法安定性、柔軟性等を向上させることができる。
【0051】
<ポリエチレン樹脂(C)>
本発明のブロー成形体の成形材料となる、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂には、耐衝撃性、透明性、寸法安定性、成形性などを向上させる目的で、エラストマー(B)と共に、あるいはエラストマー(B)の代わりにポリエチレン樹脂(C)を含まれていてもよい。
【0052】
例えば、透明性の低下を抑えながら耐衝撃性を付与させる場合、メタロセン触媒の存在下で、エチレンとC4以上のα−オレフィンとを共重合させて製造した、密度0.900〜0.930kg/m3の直鎖状低密度ポリエチレンを添加することが好ましい。
【0053】
その他の例として、高速押出成形性を改良する場合、高圧法ポリエチレンを添加することが望ましい。ここで高圧法ポリエチレンとは、100kg/cm2以上の圧力において
、パーオキサイドの存在下に、エチレンをラジカル重合することにより得られる、長鎖分岐を有するポリエチレンである。高圧法ポリエチレンの好ましいメルトフローレート(ASTM D1238、190℃、荷重2.16kgで測定)は、通常は0.01〜100g/10分、好ましくは0.1〜10g/10分の範囲内にある。また密度(ASTM D1505)は、通常は0.900〜0.940g/cm3、好ましくは0.910〜0.93
0g/cm3の範囲内にある。
【0054】
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)とポリエチレン樹脂(C)とを含むプロピレン系樹脂組成物に占めるポリエチレン樹脂(C)の含有量は、付与される特性により異なるが、通常0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%の範囲内にある。ポリエチレン樹脂(C)は一種単独で使用することもできるし、二種以上を組み合せて使用することもできる。ただし、本発明のプロピレン系樹脂組成物において、上述のエラストマー(B)とこのポリエチレン樹脂(C)との合計が50重量部を越えない。
【0055】
また、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)とエラストマー(B)とポリエチレン樹脂(C)とからなるプロピレン系樹脂組成物の場合、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)の量は、付与される特性により異なるが、通常50〜100重量%、好ましくは70〜100重量%の範囲内にある。また、エラストマー(B)とポリエチレン樹脂(C)の合計量は、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)100重量部に対して、通常0〜50重量%、好ましくは0〜30重量%である。なお、エラストマー(B)とポリエチレン樹脂(C)との比率は、成形体の所望の特性に応じて任意に調整することができる。
【0056】
<その他の成分>
本発明のブロー成形体の成形材料となるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂には、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲でその他の樹脂類、各種添加剤等を含有することができる。
【0057】
その他の樹脂類としては、たとえば、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)以外のプロピレン系樹脂(P)が挙げられる。プロピレン系樹脂(P)としては、本発明のプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)とは異なるプロピレンの単独重合体、プロ
ピレン・エチレン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・エチレンブロック共重合体、プロピレン・α−オレフィンブロック共重合体、シンジオタクチックプロピレン系重合体、アタクチックプロピレン系重合体等が挙げられる。ここでα−オレフィンとしては、炭素数4から炭素数20のα−オレフィンを使用することができる。
【0058】
添加剤としては、核剤、酸化防止剤、塩酸吸収剤、耐熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、顔料、染料、分散剤、銅害防止剤、中和剤、発泡剤、可塑剤、気泡防止剤、架橋剤、過酸化物などの流れ性改良剤、ウェルド強度改良剤などが挙げられる。
【0059】
このうち結晶核剤は、透明性、耐熱性の向上、成形性の改良などのために好適に添加できる。
本発明で用いられる結晶核剤の例としては、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトール化合物、有機リン酸エステル系化合物、ロジン酸塩系化合物、C4〜C12の脂肪族ジカルボン酸およびその金属塩などを挙げることができる。
【0060】
これらのうちでは、有機リン酸エステル系化合物が好ましい。有機リン酸エステル系化合物は、次に示す一般式[III]および/または[IV]で表わされる化合物である。
【0061】
【化3】

【0062】
前記の式[III]、[IV]中、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、R2およびR3は、水素原子または炭素原子数1〜10の炭化水素基であって、R2とR3とは同じであっても異なっていてもよく、Mは、1〜3価の金属原子であり、nは1〜3の整数であり、mは1または2である。
【0063】
一般式[III]で表わされる有機リン酸エステル系化合物の具体例としては、ナトリウ
ム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-
エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,
6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-i-プロピル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、リチウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブ
チルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-ブチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-t-オクチルメチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス-(2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル
)フォスフェート)、マグネシウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム-ビス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-メチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4-エチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4-m-ブチル-6-t-ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム-2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-エチルフェニル)フォスフェート、カリウム-2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム-ビス
[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フオスフェート]、マグネシウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、バリウム-ビス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、アルミニ
ウム-トリス[2,2'-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェル)フォスフェート]、アルミニウム-トリス[2,2'-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)フォスフェート]、およびこれらの二種以上の混合物などを挙げることができる。
【0064】
一般式[IV]で表わされるヒドロキシアルミニウムフォスフェート化合物も使用可能な有機リン酸エステル系化合物であって、特にR2およびR3が共にtert-ブチル基である、
一般式[V]で表わされる化合物が好ましい。
【0065】
【化4】

【0066】
式[V]において、R1は、炭素原子数1〜10の2価炭化水素基であり、mは1また
は2である。特に好ましい有機リン酸エステル系化合物は、一般式[VI]で表わされる化合物である。
【0067】
【化5】

【0068】
式[VI]において、R1は、メチレン基またはエチリデン基である。具体的には、ヒド
ロキシアルミニウム-ビス[2,2-メチレン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル)フォスフェート]、
またはヒドロキシアルミニウム-ビス[2,2-エチリデン-ビス(4,6-ジ-t-ブチル)フォス
フェート]である。前記ソルビトール系化合物としては、具体的には、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベン
ジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-エチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-i-プロピルベンジ
リデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-n-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-s-ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-t-ブチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4-ジ
(p-エトキシベンジリデン)ソルビトール、1,3-ベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリ
デンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-ベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-エチルベンジリデンソルビトール、1,3-p-メチルベンジリデン-2,4-p-ク
ロルベンジリデンソルビトール、1,3-p-エチルベンジリデン-2,4-p-クロルベンジリデ
ンソルビトールもしくは1,3,2,4-ジ(p-クロルベンジリデン)ソルビトール等を挙げる
ことができる。特に、1,3,2,4-ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4-ジ(p-メチルベ
ンジリデン)ソルビトールまたは1,3-p-クロルベンジリデン-2,4-p-メチルベンジリデ
ンソルビトールが好ましい。
【0069】
本発明で結晶核剤として使用可能なC4〜C12の脂肪族ジカルボン酸およびその金属塩としては、具体的には、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、およびこれらのLi塩、Na塩、Mg塩、Ca塩、Ba塩、Al塩などを挙げることができる。また、本発明で結晶核剤として使用可能な芳香族カルボン酸およびその金属塩としては、安息香酸、アリル置換酢酸、芳香族ジカルボン酸およびこれらの周期律表第1〜3族金属塩であり、具体的には、安息香酸、p-イソプロピル安息香酸、o-第3級ブチル安息香酸、p-第3級ブチル安息香酸、モノフェニル酢酸、ジフェニル酢酸、フェニル
ジメチル酢酸、フタル酸、およびこれらのLi塩、Na塩、Mg塩、Ca塩、Ba塩、Al塩などを挙げることができる。
【0070】
このような結晶核剤は、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)あるいは該共重合体を含む樹脂100重量部に対して、通常は0〜0.5重量部、好ましくは0〜0.3重量部の割合で添加される。
【0071】
本発明のブロー成形体の成形材料となるプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂は、特に限定されるものではないが、樹脂を構成する各成分を、例えばヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、タンブラーミキサー等の混合機でブレンドした後、一軸乃至二軸の押出機を用いてペレット状とし、得られたペレットを用いて成形に供することができる。
【0072】
<単層ブロー成形体>
本発明のブロー成形体が単層ブロー成形体である場合、ブロー成形体は上述したプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂から形成される。なお、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂とは、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)のみであってもよく、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)とそれ以外の成分を含む樹脂であってもよい。
【0073】
単層ブロー成形体は、ブロー成形であればどのような方法により成形されてもよいが、単層ダイレクトブロー成形法により成形されるのが好ましい。
本発明の好ましい単層ダイレクトブロー成形方法としては、溶融樹脂を円筒状に押出した後に金型を閉じて、空気圧力により膨らまし、冷却固化する方法が挙げられる。ブロー成形条件は、樹脂の性状にもよるが、成形温度が120〜250℃、吹き込み圧力2〜10kg/cm2、ブロー比が1.2〜5.0程度の条件が好適である。
【0074】
本発明に係る単層ブロー成形体は、各種用途に用いることができるが、液体充填用途に好適であり、特に、ソース、ドレッシングなどの液状食品を充填する容器、化粧品、シャンプーなどのトイレタリー用途の液体充填容器、液体洗剤などのサニタリー用途の液体充填容器として好適である。
【0075】
<多層ブロー成形体>
本発明のブロー成形体が多層ブロー成形体である場合、本発明のブロー成形体は、上述したプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる層、すなわち上述したプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)を含む樹脂からなる層を、少なくとも1層有する多層成形体であればよい。
【0076】
本発明の多層ブロー成形体は、2種以上のプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる層から形成されていてもよく、また、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる層と、その他の熱可塑性樹脂からなる層とから形成されていてもよい。その他の熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられ、このうち、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂がより好ましい。
【0077】
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる層は透明性、光沢性などの外観に優れ、耐衝撃性にも優れるため、好ましくは、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる層が、成形体の外層(表面層)であるのが好ましい。外層の表面層がプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる層である本発明の多層ブロー成形体は、表面層が耐衝撃性に優れるため、外部からの衝撃によるクラックなどが好適に防止されるとともに、成形体に透明感のある光沢が付与される。
【0078】
好ましくは、本発明の多層ブロー成形体は、前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる外層と、
ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂よりなる群から選
ばれる、少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなるからなる内層と
を有することが好ましく、内層がポリプロピレン系樹脂からなることが好ましい。内層を構成するポリプロピレン系樹脂は、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)であってもよく、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)以外のポリプロピレン系樹脂であってもよく、これらの1種以上を混合して得られるポリプロピレン系樹脂であってもよい。
【0079】
特に好ましくは、本発明に係る多層ブロー成形体は、外層がプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなり、内層がポリプロピレン系樹脂からなる、2層構造であることが望ましい。内層は、適宜着色されていることも好ましい。
【0080】
本発明に係る多層ブロー成形体が、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)以外のポリプロピレン系樹脂からなる層を有する場合、該層を構成するポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン、プロピレン・α−オレフィン共重合体などが挙げられ、好ましくは、メルトフローレートが0.5〜2.0g/10min、融点が100〜165℃に範囲にあり、良好な単層ダイレクトブロー成形性を有するポリプロピレン系樹脂が好適に用いられる。
【0081】
本発明に係る多層ブロー成形体は、ブロー成形であればどのような方法により成形されてもよいが、多層ダイレクトブロー成形法により成形されるのが好ましい。
本発明の好ましい多層ダイレクトブロー成形方法としては、各層を構成する溶融樹脂を円筒状に積層して押出した後に金型を閉じて、空気圧力により膨らまし、冷却固化する方法が挙げられる。ブロー成形条件は、樹脂の性状にもよるが、成形温度が120〜250℃、吹き込み圧力2〜10kg/cm2、ブロー比が1.2〜5.0程度の条件が好適で
ある。
【0082】
本発明の多層ブロー成形体が、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる外層を有する場合、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる外層と、その他の内層との厚さの比(外層/内層)が、好ましくは50/50〜5/95、より好ましくは30/70〜10/90であるのが望ましい。
【0083】
本発明に係る多層ブロー成形体は、各種用途に用いることができるが、液体充填用途に好適であり、特に、ソース、ドレッシングなどの液状食品を充填する容器、化粧品、シャンプーなどのトイレタリー用途の液体充填容器、液体洗剤などのサニタリー用途の液体充填容器として好適である。
【0084】
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
なお、実施例および比較例における物性の測定方法は次の通りである。
・MFR(メルトフローレート)
MFRは、ASTM D1238(230℃、荷重2.16kg)に従って測定した。
【0086】
・融点(Tm)
示差走査熱量計(DSC、パーキンエルマー社製)を用いて測定を行った。ここで測定し
た第3stepにおける吸熱ピークを融点(Tm)と定義した。
【0087】
(測定条件)
第1step : 10℃/minで240℃まで昇温し、10min間保持する。
第2step : 10℃/minで60℃まで降温する。
【0088】
第3step : 10℃/minで240℃まで昇温する。
・室温n-デカン可溶部量(Dsol
最終生成物(すなわち、本発明に係るプロピレン系ランダムブロック重合体)のサンプル5gにn-デカン200mlを加え、145℃で30分間加熱溶解した。約3時間かけて、20℃まで冷
却させ、30分間放置した。その後、析出物(以下、n-デカン不溶部:Dinsol)を濾別した。濾液を約3倍量のアセトン中入れ、n-デカン中に溶解していた成分を析出させた(析出
物(A))。析出物(A)とアセトンを濾別し、析出物を乾燥した。なお、濾液側を濃縮乾固しても残渣は認められなかった。
【0089】
N-デカン可溶部量は、以下の式によって求めた。
n-デカン可溶部量(wt%)=〔析出物(A)重量/サンプル重量〕×100
・Mw/Mn測定〔重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)〕
ウォーターズ社製GPC-150C Plusを用い以下の様にして測定した。分離カラムは、TSKgel GMH6−HT及びTSKgel GMH6−HTLであり、カラムサイズはそれぞ
れ内径7.5mm、長さ600mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo-ジクロロベンゼ
ン(和光純薬工業(株))および酸化防止剤としてBHT(和光純薬工業(株))0.025重量
%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は0.1重量%とし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106については東ソー(株)製を用い、1000≦M
w≦4×106についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
【0090】
・エチレンに由来する骨格の含有量
Dinsol、Dsol中のエチレンに由来する骨格濃度を測定するために、サンプル20〜30mgを1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(2:1)溶液0.6mlに溶解後、炭素核磁気共鳴分析(13C-NMR)を行った。プロピレン、エチレン、α-オレフィンの定量はダイアッド連鎖分布より求めた。例えば、プロピレン−エチレン共重合体の場合、
【0091】
【数1】

【0092】
を用い、以下の計算式(Eq-1)および(Eq-2)により求めた。
【0093】
【数2】

【0094】
・極限粘度[η]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した。サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追
加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、
濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた。
【0095】
[η]= lim(ηsp/C) (C→0)。
・2,1-挿入結合量、1,3-挿入結合量の測定
13C−NMRを用いて、特開平7-145212号公報に記載された方法に従って、プロピレンの2,1-挿入結合量、1,3-挿入結合量を測定した。
【0096】
・半結晶化時間(T1/2
示差走査熱量計(DSC、セイコーインスツル(株)製)を用いて測定を行った。
(測定条件)
第1step : 10℃/minで220℃まで昇温し、3min間保持する。
【0097】
第2step : 60℃/minで110℃まで降温する。
〔成形体特性の測定方法〕
・ヘイズ測定法
容器胴部から測定部位を切り出し、JIS−K7105に準拠してヘイズメーターにて曇値を測定した。
【0098】
・グロス測定法
容器胴部から測定部位を切り出し、JIS−K7105に準拠して光沢計で60度光沢度を測定した。
【0099】
・満水落下耐衝撃強度測定法
容器に不凍液を満注した充填容器を−10℃に冷却し、10本をコンクリート面から1mの高さで垂直落下させ、次の落下基準に従い評価を行った。
【0100】
○:全く割れない
△:半数以上が割れない
×:過半数が割れる
[製造例1]
(1)固体触媒担体の製造
容量1リットル枝付フラスコにSiO2300gをサンプリングし、トルエン800ml
を入れ、スラリー化した。
【0101】
次にスラリーを容量5リットルの4つ口フラスコへ移液し、トルエン260mlを加えた。
ここにメチルアルミノキサン(以下、MAO)−トルエン溶液(アルベマール社製10wt%溶液)を2830ml導入し、室温のままで、30分間攪拌した。1時間で110℃に昇温し、4時間反応を行った。反応終了後、室温まで冷却した。冷却後、上澄みトルエンを抜き出し、フレッシュなトルエンで、置換率が95%になるまで、置換を行った。
(2)固体触媒成分の製造(担体への金属触媒成分の担持)
グローブボックス内にて、容量5リットルの4つ口フラスコにWO2004/08775号の記載に従って合成されたジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル
)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド(M1)を2.0g秤
取った。フラスコをグローブボックスの外に出し、トルエン0.46リットルと上記(1)
で調製したMAO/SiO2/トルエンスラリー1.4リットルとを窒素下で加え、30分
間攪拌し担持を行った。
【0102】
得られたジフェニルメチレン(3−t−ブチル−5−メチルシクロペンタジエニル)(2,7−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド/MAO/SiO2/トルエンスラリーはn-ヘプタンにて99%置換を行い、最終的なスラリー量を4.5リットルとした。この操作は、室温で行った。
(3)予備重合触媒の製造
前記の(2)で調製した固体触媒成分202g、トリエチルアルミニウム109ml、ヘプ
タン100リットルを内容量200リットルの攪拌機付きオートクレーブに導入し、内温15〜20℃に保ち、エチレンを2020g導入し、180分間攪拌しながら反応させた

【0103】
重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去およびヘプタンによる洗浄を2回行った。得られた予備重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分濃度で2g/リットルとなるよう、ヘプタンにより調整を行った。この予備重合触媒は固体触媒成分1g当りポリエチレンを10g含んでいた。
(4)本重合
内容量58リットルの管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を5Nリットル/時間、上記(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として3.6g/時間、トリエチルアルミニウム2.2g/時間を連続的に供給し、管状重合器内に気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は3.2MPa/Gであった。この反応における触媒をM1系触媒とする。
【0104】
得られたスラリーを内容量1000リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを45kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.5mol%、水素を気相部の水素濃度が0.005mol%になるように供給した。重合温度72℃、圧力3.1MPa/Gで重合を行った。
【0105】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.5mol%、水素を気相部の水素濃度が0.005mol%になるように供給した。重合温度71℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0106】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.5mol%、水素を気相部の水素濃度が0.7mol%になるように供給した。重合温度70℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0107】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、共重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.1mol%になるように供給した。重合温度54℃、圧力2.9MPa/Gを保つようにエチレ
ンを供給し重合を行った。
【0108】
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)を得た。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)を80℃で真空乾燥した。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の特性を表1に示す。
【0109】
[製造例2]
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行った。
(1)本重合
内容量58リットルの管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を5Nリットル/時間、製造例1の(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として2.6g/時間、トリエチルアルミニウム1.6g/時間を連続的に供給し、管状重合器内に気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は3.2MPa/Gであった。この反応における触媒をM1系触媒とする。
【0110】
得られたスラリーを内容量1000リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを45kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が3.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.005mol%になるように供給した。重
合温度72℃、圧力3.1MPa/Gで重合を行った。
【0111】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が3.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.005mol%になるように供給した。重合温度71℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0112】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が3.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.7mol%になるように供給した。重合温度70℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0113】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、共重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.11mol%になるように供給した。重合温度54℃、圧力2.9MPa/Gを保つようにエチ
レンを供給し重合を行った。
【0114】
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−2)を得た。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−2)を80℃で真空乾燥させた。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−2)の特性を表1に示す。
【0115】
[製造例3]
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行った。
(1)本重合
内容量58リットルの管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を5Nリットル/時間、製造例1の(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として3.6g/時間、トリエチルアルミニウム2.2g/時間を連続的に供給し、管状重合器内に気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は3.2MPa/Gであった。この反応における触媒をM1系触媒とする。
【0116】
得られたスラリーを内容量1000リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを45kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.5mol%、水素を気相部の水素濃度が0.2mol%になるように供給した。重合温度72℃、圧力3.1MPa/Gで重合を行った。
【0117】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.5mol%、水素を気相部の水素濃度が0.2mol%になるように供給した。重合温度71℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0118】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.5mol%、水素を気相部の水素濃度が0.2mol%になるように供給した。重合温度70℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0119】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、共重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.1mol%になるように供給した。重合温度54℃、圧力2.9MPa/Gを保つようにエチレ
ンを供給し重合を行った。
【0120】
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)を得た。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)を80℃で真空乾燥した。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)の特性を表2に示す。
【0121】
[製造例4]
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行った。
(1)本重合
内容量58リットルの管状重合器にプロピレンを40kg/時間、水素を5Nリットル/時間、製造例1の(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として2.6g/時間、トリエチルアルミニウム1.6g/時間を連続的に供給し、管状重合器内に気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は3.2MPa/Gであった。この反応における触媒をM1系触媒とする。
【0122】
得られたスラリーを内容量1000リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを45kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が3.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.3mol%になるように供給した。重合温度72℃、圧力3.1MPa/Gで重合を行った。
【0123】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が3.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.3mol%になるように供給した。重合温度71℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0124】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が3.7mol%、水素を気相部の水素濃度が0.3mol%になるように供給した。重合温度70℃、圧力3.0MPa/Gで重合を行った。
【0125】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、共重合を行った。重合器へは、プロピレンを10kg/時間、水素を気相部の水素濃度が0.11mol%になるように供給した。重合温度54℃、圧力2.9MPa/Gを保つようにエチ
レンを供給し重合を行った。
【0126】
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−4)を得た。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−4)を80℃で真空乾燥させた。得られたプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−4)の特性を表2に示す。
[製造例5]
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行った。
(1)本重合
内容量58リットルの管状重合器にプロピレンを57kg/時間、水素を2.5Nリットル/時間、製造例1の(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として5.0g/時間、トリエチルアルミニウム2.3g/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は2.6MPa/Gであった。この反応における触媒をM1系触媒とする。
【0127】
得られたスラリーを内容量1000リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを50kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃
度が1.4mol%、水素を気相部の水素濃度が0.005mol%になるように供給した。重合温度60℃、圧力2.5MPa/Gで重合を行った。
【0128】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを11kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.4mol%、水素を気相部の水素濃度が0.7mol%になるように供給した。重合温度59℃、圧力2.4MPa/Gで重合を行った。
【0129】
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン-エチレンランダム共重合体
(R−1)を得た。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体(R−1)を80℃
で真空乾燥させた。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体(R−1)の特性を
表1に示す。
[製造例6]
重合方法を以下の様に変えた以外は、製造例1と同様の方法で行った。
(1)本重合
内容量58リットルの管状重合器にプロピレンを57kg/時間、水素を2.5Nリットル/時間、製造例1の(3)で製造した触媒スラリーを固体触媒成分として5.0g/時間、トリエチルアルミニウム2.3g/時間を連続的に供給し、気相の存在しない満液の状態にて重合した。管状反応器の温度は30℃であり、圧力は2.6MPa/Gであった。この反応における触媒をM1系触媒とする。
【0130】
得られたスラリーを内容量1000リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを50kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.4mol%、水素を気相部の水素濃度が0.18mol%になるように供給した。重合温度60℃、圧力2.5MPa/Gで重合を行った。
【0131】
得られたスラリーを内容量500リットルの攪拌機付きベッセル重合器へ送り、更に重合を行った。重合器へは、プロピレンを11kg/時間、エチレンを気相部のエチレン濃度が1.4mol%、水素を気相部の水素濃度が0.18mol%になるように供給した。重合温度59℃、圧力2.4MPa/Gで重合を行った。
【0132】
得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン-エチレンランダム共重合体
(R−2)を得た。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体(R−2)を80℃
で真空乾燥させた。得られたプロピレン-エチレンランダム共重合体(R−2)の特性を
表2に示す。
【0133】
[実施例1]
(単層ブロー成形体の製造)
3種3層多層ダイレクトブロー成形機(株式会社プラコー社製、3B50・40・40ブロー成形機)を用いて、ボトル重量34g、内容量780ml、胴回り平均肉厚0.5mmtの、単層の円筒ボトルを製造した。
【0134】
具体的には、まず3種のうち1種、シリンダ温度を200℃に設定した中間層の押出機を用
いて、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)を溶解し、クロスヘッドダイにより筒状の溶融パリソンを成形した後、水循環回路により25℃に温度調整したブロー金型で挟み、圧縮空気にて金型に延伸密着させて冷却固化し、ボトルを取り出した。ボトルの物性評価の結果を表1に示す。
【0135】
[比較例1]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン-エチレンラ
ンダム共重合体(R−1)を用いたことの他は、実施例1と同様にして円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表1に示す。
【0136】
[実施例2]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−2)を用いたことの他は、実施例1と同様にして円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表1に示す。
【0137】
[比較例2]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン-エチレンラ
ンダムブロック共重合体B511QA((株)プライムポリマー社製)を用いたことの他は、実施例1と同様にして円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表1に示す。
【0138】
[比較例3]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン-エチレンラ
ンダム共重合体B251VT((株)プライムポリマー社製)を用いたことの他は、実施例1と同様にして円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表1に示す。
【0139】
[実施例3]
(多層ブロー成形体の製造)
3種3層多層ダイレクトブロー成形機(株式会社プラコー社製、3B50・40・40ブロー成形機)を用いて、ボトル重量34g、内容量780ml、胴回り平均肉厚0.5mmtの2層構造の円筒ボトルを製造した。
【0140】
具体的には、まず3種のうち2層、シリンダ温度を200℃に設定した中間層と外層の押出
機を用いて、それぞれ基材用にプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)を中間層にて、表層用にプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)を外層にて、表層肉厚比率15%となるように溶解し、クロスヘッドダイにより筒状の溶融パリソンを成形した後、水循環回路により25℃に温度調整したブロー金型で挟み、圧縮空気にて金型に延伸密着させて冷却固化し、ボトルを取り出した。ボトルの物性評価の結果を表2に示す。
【0141】
[比較例4]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン-エチレンラ
ンダム共重合体(R−1)を、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)の代わりにプロピレン-エチレンランダム共重合体(R−2)をそれぞれ用いたことの他は、実
施例3と同様にして2層構造の円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表2に示す。
【0142】
[実施例4]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−2)を、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)の代わりにプロピレン系ランダムブロック共重合体(A−4)をそれぞれ用いたことの他は、実施例3と同様にして2層構造の円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表2に示す。
【0143】
[比較例4]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン系ランダムブロック共重合体B511QA((株)プライムポリマー社製)を、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)の代わりにプロピレン系ランダムブロック共重合体JR−3
070HP(株)プライムポリマー社製)をそれぞれ用いたことの他は実施例3と同様にして2層構造の円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表2に示す。
【0144】
[比較例5]
プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−1)の代わりにプロピレン系ランダムブロック共重合体B251VT((株)プライムポリマー社製)を、プロピレン系ランダムブロック共重合体(A−3)の代わりにプロピレン系ランダムブロック共重合体J246M((株)プライムポリマー社製)をそれぞれ用いたことの他は、実施例3と同様にして2層構造の円筒ボトルを製造した。ボトルの物性評価の結果を表2に示す。
【0145】
【表1】

【0146】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明のブロー成形体は、各種容器用途に好適に用いることができ、液体を充填する容器としてより好適に用いることができる。
本発明のブロー成形体である単層ブロー成形体及び多層ブロー成形体は、各種用途に用いることができるが、液体充填用途に好適であり、特に、ソース、ドレッシングなどの液状食品を充填する容器、化粧品、シャンプーなどのトイレタリー用途の液体充填容器、液体洗剤などのサニタリー用途の液体充填容器として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタロセン系触媒で重合され、メルトフローレートが0.1〜100g/10min、融点が100〜155℃の範囲にあり、室温n-デカンに不溶な部分(Dinsol)95〜6
0重量%と室温n-デカンに可溶な部分(Dsol)5〜40重量%とから構成され、前記Dinsolが下記要件(1)および(2)を満たし、前記Dsolが下記要件(3)および(4)
を満たすプロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなることを特徴とするブロー成形体。
(1) Dinsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が0.5〜13モル%
(2) Dinsol中のプロピレンの2,1-挿入結合量と1,3-挿入結合量の和が0.2モル%以下
(3) Dsolの135℃デカリン中における極限粘度[η]が1.5〜4dl/g
(4) Dsol中のエチレンに由来する骨格の含有量が15〜40モル%。
【請求項2】
前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる単層成形体であることを特徴とする請求項1に記載のブロー成形体。
【請求項3】
前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる外層を有する多層成形体であることを特徴とする請求項1に記載のブロー成形体。
【請求項4】
前記プロピレン系ランダムブロック共重合体(A)からなる外層と、
ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂およびポリ塩化ビニル樹脂よりなる群から選ばれる、少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなるからなる内層と
を有することを特徴とする請求項3に記載のブロー成形体。
【請求項5】
内層が、ポリプロピレン系樹脂からなることを特徴とする請求項4に記載のブロー成形体。
【請求項6】
ダイレクトブロー成形により得られることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のブロー成形体。
【請求項7】
液体充填用容器であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のブロー成形体。

【公開番号】特開2009−84376(P2009−84376A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−254497(P2007−254497)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000005887)三井化学株式会社 (2,318)
【出願人】(505130112)株式会社プライムポリマー (180)
【Fターム(参考)】