説明

ブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置

【課題】噴管に送給される薬液を、所望に選択する一個のノズルに切り替えて導くよう装備せしめるノズル切り替えバルブ装置において、薬液が加圧されている状態において安易に切り替え設定の作動が行えるようにしながら、シール部のシールが確実に行えるように構成する。
【解決手段】ブーム多頭噴管Aを、接続部1と、噴頭部2とに分け、接続部1には、噴頭部2に向け突出する軸筒部11を設け、その軸筒部11の周面の一部に切欠部5を形成して、底面に開口50を開設し、切欠部5内に、外面側を円弧面としたシート7を、Oリング71を介して嵌装し、シート7の前記開口50と対向する部位に透孔70を開設し、噴頭部2には、内周壁にノズル接続口20に通ずる開口21を、周方向に並列させて開設し、この噴頭部2を前記接続部1の軸筒部11の外周に、回転自在に嵌め合わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブーム状の長い導液管の中間部位に、複数のノズルを設けた噴管を、導液管の長手方向に並列させて多数個取り付けて、薬液を多連に並列するノズルから一度に散布する形態のブーム多頭噴管において、噴管のボディの先端側に設ける複数のノズルに対する薬液の供給を切り替えるノズル切り替えバルブ装置についての改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ブーム多頭噴管は、薬液を散布する散布機の機体に装架した長いブーム状の導液管の長手方向の中間部位に、支管状に接続する接続口を、その導液管の長手方向に並列させて多数個装設し、それら接続口のそれぞれに、複数のノズルを装備せる噴管を接続させた構成のもので、これにより、散布機の機体に装備せるポンプにより圧送される薬液を、ブーム状の導液管に並列支架せる多数の噴管に設けたノズルのそれぞれから一度に噴射させて散布するように使用されるものである。
【0003】
ブーム状の導液管の中間部に並列させて組み付け接続する噴管(ブーム多頭噴管)は、通常、図1にあるように、その噴管Aの筒状に形成したボディaの基端側の接続部1に、ブーム状の導液管Bに支管状に設けられる接続口bに対して接続する接続管10を設け、ボディaの先端側の噴頭部2には複数のノズル接続口20を、外周面から放射状に突出するように設け、ボディa内には、接続管10から導入される薬液をノズル接続口20に接続するノズルnに向け導く管路と、その管路を複数のノズルnのうちの一つに選択して連通させるよう切り替える切り替えバルブ装置と、薬液の散布作業を停めて移動するときに、薬液の残圧によりノズルの回りに生じるボタ落ちを防止するためのボタ落ち防止弁機構とを設けた構成のものとなっている。
【0004】
このブーム多頭噴管Aに、それのボディaの先端側に設けられる複数個のノズルに対する薬液の通水を切り替えるよう装備せしめるノズル切り替えバルブ装置は、従前のものにあっては、(1)ボールバルブを用い、複数個の弁口を閉じ、一つの弁口だけを解放する状態を、順次切り替えるか、(2)円筒状のボディのシール部を形成する壁面に、ボディ内の薬液の流路に通ずる一個の開口部を設け、シール部を形成するその壁面の外周側に、軟質樹脂よりなる環状のリングを回転自在に嵌めて、それの内周面でシール部をシールし、そのリングに複数個のノズルのそれぞれに通ずる連通口を、回転方向に並列させて設けておき、リングの回転で、複数のノズルに対する連通を切り替えるようにするか、(3)回転する金属材よりなる円錐状体の周面を、ボディ側に設ける金属材よりなる円錐状の凹面壁面にすり合わせ、円錐状体の周面に開設した薬液の流路に通ずる開口を、凹面とした壁面に設ける複数のノズルのそれぞれに連通する開口に、順次切り替えて対向させるか、の3つの手段の何れかによって行われている。
【0005】
これらの従前の手段は、(1)の第1の手段にあっては、ブーム多頭噴管Aに薬液を送給する送液路の元栓を閉じて、噴管A内の薬液の圧力を低下させた状態でないと切り替えが行えないことで散布している作業位置において、被散布物の状況に応じてノズルを切り替えることができない問題がある。
【0006】
また、(2)の第2の手段は、送液路内の薬液が加圧状態のままで、作業位置において切り替えができるが、リングの回転が重く、かつ、薬液を送給する流路に通ずる開口と、ノズル側の流路に通ずる開口とを、正しく一致させるのがむずかしく、切り替えの設定に時間を要し、しかも、ノズルの左右ぶれが生ずる。さらに、シール部のシールが不充分で、作業開始時に加圧ポンプを稼動し手元コックを開けた場合に、この切り替え機構部位からの漏水・液だれを多くする問題がある。
【0007】
また、(3)の第3の手段にあっては、金属材同志をすり合わせた円錐状機構のため、シールを充分なものとすると切り替えのための回動操作が困難になる問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明において解決しようとする課題は、ブーム多頭噴管において、その噴管に、それのボディの先端側に設けられる複数のノズルに対し、ボディの基端側に設けられる接続口から送給される薬液を、その複数のノズルのうちから所望に選択する一個のノズルに切り替えて導くよう装備せしめるノズル切り替えバルブ装置に、手元のコックを開弁させて、ノズルに至るまでの流路内の薬液が加圧されている状態において、安易に切り替え設定の作動が行えるようにしながら、シール部のシールが確実に行えるように構成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するため、本発明においては、請求項1に記載したように、
ブーム多頭噴管Aのボディaを、周面に接続管10を支管状に設けた接続部1と、周面に複数個のノズル接続口20を放射状に設けた噴頭部2とに分け、接続部1には、先端側に、内部に前記接続管10内の管路と通ずる流路6を設けた軸筒部11を、外径が噴頭部2の内径に対応する筒状に形成して噴頭部2に向け突出させて設け、その軸筒部11には、周面の一部に切欠部5を形成して、その切欠部5の底面に前記流路6に通ずる開口50を開設し、その切欠部5内に、外面側を噴頭部2の内周壁に倣う円弧面としたテフロン(登録商標)等の軟質の樹脂よりなるシート7を、前記開口50の回りに配設せる弾性材よりなるOリング71を介して嵌装し、このシート7の前記開口50と対向する部位に外面側に貫通する透孔70を開設しておき、噴頭部2には、それの内周壁に外周側に設けた複数のノズル接続口20のそれぞれに通ずる開口21を、周方向に並列させて開設し、この噴頭部2を前記接続部1の軸筒部11の外周に、回転自在に嵌め合わせて接続部1に一体的に結合させ、接続部1に対する噴頭部2の回転により、複数のノズル接続口20に対する切り替え通水と止水が行われるようにしたことを特徴とするブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置を提起し、また、これに併せて、
接続部1の先端側に突設した軸筒部11の外周面と、この軸筒部11に嵌合する噴頭部2の内周面とに、それらの一方には、軸芯線に沿う方向の係合溝4を、周方向に所定のピッチで並列させて環状に設け、他方には前記係合溝4に駒送り状に順次切り替わって係合する係合突起40を設け、かつ、その係合溝4と係合突起40との係合が、軸筒部11に設けたシート7に開設せる透孔70に対し噴頭部2の内周壁に開設せる開口21が接合する通水状態位置と、透孔70に対し開口21と開口21との間の噴頭部2の内周壁が接合する止水状態位置とにおいて行われるように設定して設けてあることを特徴とする請求項1記載のブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置を提起し、さらに、
接続部1の先端側に突出させて設ける軸筒部11内に形成した流路6を、接続部1内の軸芯部位に装設せる内筒80により接続部1の基端側に向け延長して、その内筒80の基端側の開放口81により接続部1の内腔に開口させ、その内筒80の回りには環状の流路82を形成し、その内筒80の開放口81と、内筒80の回りに環状に形成される流路82の開放口83とに、接続部1の基端側の開放口14から装入する弁膜84を当接し、バネ86で閉鎖側に付勢してキャップ88により接続部1に組み付け保持せしめたことを特徴とする請求項1記載のブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置を提起するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によるブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置は、噴管の内部の薬液の流路に設けた開口50を、複数のノズルにそれぞれ通ずる開口21に対し切り替えて連通させる切り替え部位のシールが、軸筒部の先端側の周面に形設した切欠部5に弾性材のOリング71を介して嵌装したシート7の円弧状の外面と、噴頭部2の内周壁との摺動面において行われることから、摺動面が小さく、噴管の本体である接続部1に対し噴頭部2を回転させて行う切替作動が大きな力を要さず容易に行える。
【0011】
そして、この切り替え部位のシールは、シート7の弧状の外面側が、弾性材のOリング71の弾性の復元力により噴頭部2の内周面に緊密に圧接するようになるので、確実なものとなる。
【0012】
また、噴管の本体となる接続部1に設けた軸筒部11を支軸として、それの外周を回転する噴頭部2との間に、環状に並列する多数の係合溝4と、これら係合溝4に駒送り状に順次係合する係合突起40とを設けて、接続部1に対し噴頭部2を回動させたときの位置決めが行われるようにしたときは、一駒ずつ、回転させることで、通水状態と止水状態との切り替えが適確に行えるようになる。
【0013】
また、噴管内に組み込むボタ落ち防止弁機構は、ノズル切り替えバルブ装置の軸筒部11を利用することで、適確に作動するようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に本発明の実施の態様を、実施例の図面に従い詳述する。
【実施例1】
【0015】
図2は本発明を実施せるブーム多頭噴管Aの縦断断面図、図3は同上噴管の正面図、図4は同上噴管Aを組み立てる前の、各構成部材が分解された状態における縦断側面図である。
【0016】
図2において、Aは噴管の全体、aはその噴管Aのボディ、1はそのボディaの、周面に支管状に接続管10を設けている基端側の接続部、2はボディaの先端側の周面に放射状に突出する複数個のノズル接続口20を設けている噴頭部、を示す。
【0017】
噴管Aのボディaは、図5にあるように、周面に支管状に突出する接続管10を設けている筒状の接続部1と、周面に複数個のノズル接続口20を設けた噴頭部2とに分けられ、それら接続部1と噴頭部2とを樹脂材により各別に成形している。
【0018】
筒状に成形する噴頭部2には、それの内周壁に、外周側に設けた複数のノズル接続口20のそれぞれに通ずる開口21が、周方向に等配した位置に開設してあり、また、先端側の端壁には組付穴22が開設してある。
【0019】
接続部1には、それの先端側に、噴頭部2の内腔に嵌入する軸筒部11が一体に連続して設けられる。この軸筒部11は、それの外径が噴頭部2の内径に対応し、突出長さLが、略噴頭部2の軸方向の長さL’に対応し、かつ、軸芯線を該接続部1の軸芯線に揃えて突設してある。この軸筒部11の先端には、噴頭部2の先端側の端壁の中心部に開設した組付穴22に嵌入して突出する軸杆部12が設けてあり、その軸杆部12には止め輪3を嵌装する環状溝13を設けている。
【0020】
そして、接続部1と噴頭部2とは、この接続部1の先端側に突設した軸筒部11を、噴頭部2の内腔に嵌挿し、噴頭部2の先端側の端壁に開設した組付穴22から突出する軸杆部12の環状溝13に、止め輪3を嵌装して係止することで噴頭部2が、この軸筒部11を支軸として、接続部1に対し自在に回転するように連結した状態として結合している。
【0021】
軸筒部11の基端側の外周面と、噴頭部2の基端側の内周面とには、それらの一方に、軸芯線に沿う方向の係合溝4を、周方向に所定のピッチでラック状に並列して環状に連なるように設け、他方には、これら係合溝4に嵌合する係合突起40を設けて、これら係合溝4と係合突起40との嵌り合いで、接続部1に対し噴頭部2を前記軸筒部11中心に回転させたときに、その回転を一こまずつ一時的に停止させる位置決めが行われるようにしている。
【0022】
また、軸筒部11の先端側の周面には、それの一部に、底面を平らな台面とした、軸方向視において三日月状をなす切欠部5が形設され、その切欠部5の底面の中心部位には、軸筒部11の軸芯部位に形設してある薬液の流路6に通ずる開口50が、開設され、さらに、その開口50の周面には、環状の凹溝51が形設される。前記開口50は、軸筒部11を噴頭部2の内腔に嵌挿して組み付けた状態において、噴頭部の回転によりその噴頭部2の内周壁に開設したノズル接続口20の開口21に、順次、切り替わって対向していく位置に設定して設けられている。
【0023】
7は、この軸筒部11の先端側の周面の一部に形設せる切欠部5に嵌め込まれるシートで、テフロン(登録商標)等の軟質の樹脂材で、下面が平らで上面が噴頭部2の内壁面に倣う弧面をなし、軸方向視において、前記切欠部5を埋める三日月状とした形状に形成してあり、それを切欠部5内に嵌め込んだときに、その切欠部5の底面に開設してある開口50と対応する部位には、該シート7の上面側に貫通する透孔70が開設してある。
【0024】
そして、このシート7は、軸筒部11を噴頭部2の内腔に嵌挿する前に、軸筒部11の周面の一部に形設した前記切欠部5内に嵌め込んでおき、その状態で軸筒部11と共に噴頭部2の内腔に嵌挿される。
【0025】
このとき、切欠部5の底面に開設した開口50の周囲に形設してある環状の凹溝51内には弾性材よりなるOリング71を嵌装しておき、軸筒部11と共にこのシート7を噴頭部2の内腔に嵌挿したとき、開口50とシート7に設けた透孔70との接合部位の周囲が、切欠部5の底面とシート7の下面との間で押し潰されるようになる弾性材のOリング71で水密に保持されるようにしている。
【0026】
また、シート7の上面に開口する透孔70の口縁部と、噴頭部2の内周壁との間のシールは、軟質の樹脂材で成形したシート7の弧状の上面が、前述の弾性材よりなるOリング71の弾性の復元力で、噴頭部2の内周壁に圧接することにより、それらの摺接面によって行われるようにしている。
【0027】
即ち、薬液を、接続管10の内腔の管路から軸筒部11の内腔の流路6を経て切欠部5の開口50に導き、その開口50からシート7に設けた透孔70と、ノズル接続口20の開口21とを経て、ノズル接続口20に装着せるノズルnに導くよう、噴管Aのボディa内に設けられる薬液の流路は、軸筒部11の周面の一部に設けた切欠部5に嵌め込んだシート7に形設せる透孔70が、噴頭部2に設けた複数のノズル接続口20に通ずる開口21のうちから選択した一つのノズル接続口20の開口21と接続連通する状態としたときは、透孔70と開口21との接合部位の回りに位置するシート7の弧状の上面が、噴頭部2の内周面に圧接していくことにより、その圧接部位において、シールを行って、流路からの薬液の漏れと他の開口21への連通を遮断し、シート7の透孔70が、噴頭部2の内周壁に開設した開口21と開口21との間に位置している状態のときには、シート7の上面側と噴頭部2の内周壁との圧接面でシールを行って、流路のノズル接続口20に対する連通を遮断し、止水状態とするようにしてある。
【0028】
このシート7が、軸筒部11の回転により噴頭部2の内周壁の内面に沿い回動することで、シート7の透孔70が、複数のノズル接続管20のそれぞれの開口21に対し切り替わって接続することにより行われる通水の状態と、開口21と開口21との間に、シート7の透孔70が位置することによる止水の状態とは、軸筒部11の基端部の外周面と噴頭部2の基端部の内周面との間に設けられる前述の係合溝4と係合突起40との、駒送り状に行われる係合による回動位置の位置決めによって、交互に行われるよう設定される。
【0029】
8は、散布作業を一時的に止めるため、手元の元栓を閉じたとき、導液管Bから噴管Aの先端側に設けたノズルnに至る薬液の流路内に残る薬液の圧力で、薬液がノズルnの回りからボタ落ちするようになるのを防止するために、噴管Aのボディa内に装備せしめたボタ落ち防止用の防止弁機構を示す。
【0030】
この防止弁機構8は、この実施例においては、前述した如く、ノズルnに対し薬液の通水と止水とを行うノズル切り替えバルブ装置を構成するよう、接続部1の先端側に突出させて設けた軸筒部11を利用して構成している。
【0031】
即ち、軸筒部11の軸芯部位に形成している流路6を、接続部1の内腔の軸芯部位に装設せる内筒80により、接続部1の基端側に向け延長して、その内筒80の基端側の開放口81により接続部1の内腔に開口させ、その内筒80の周囲には、接続部1の外周側に支管状に設けてある接続管10内の管路と通ずる環状の流路82を形成し、その環状の流路82の下流側の開放口83を、前記内筒80の基端側の開放口81の回りに解放させ、これらの開放口81と開放口83とに、接続部1の基端側に開放する開放口14から装入するゴム材等の弾性材よりなる円盤状の弁膜84を当接して閉鎖するとともに、その弁膜84の周縁部により接続部1の基端側の開放口11を閉塞し、その弁膜84の外面側に、バネ座85を介してコイルバネ86の一端側を当接し、そのコイルバネ86の他端側を、スプリングカバー87で支承させ、そのスプリングカバー87を接続部1の基端側の外周に螺合するキャップ88により接続部1の基端側に固定することで構成している。
【0032】
このようにして構成するボタ落ち防止用の防止弁機構8は、手元の元栓が開いていて、ポンプにより加圧された薬液が供給されているときは、接続管10を経てボディa内に流入してくる薬液の圧力で、弁膜84がコイルバネ86のバネ圧に抗して外側に押し出されて、環状の流路82の開放口83と内筒80の基端側の開放口81とを開放し、薬液が開放口81と開放口83を経て、軸筒部11の内部の流路6に流れ、ノズル切り替えバルブ装置に至り、その装置のシート7に開設した透孔70が軸筒部11の回転により、選択したノズル接続口20の開口21に連通して通水の状態にあるときは、ノズルnから散布されていくようになり、また、手元の元栓を閉めて、一時的に散布作業を停止したときは、弁膜84がコイルバネ86の付勢で閉弁し、導液管B内の薬液の残圧によりノズル切り替えバルブ装置のシール部分から薬液がボタ落ちするのを防止するように作用する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】ビーム多頭噴管の概要説明図である。
【図2】本発明によるノズル切り替えバルブ装置を実施せるビーム多頭噴管の全体の斜視図である。
【図3】同上噴管の縦断正面図である。
【図4】同上ビーム多頭噴管の先端側から見た側面図である。
【図5】同上噴管の分解した縦断面図である。
【図6】同上噴管の要部の拡大正面図である。
【図7】同上噴管の図3におけるI−I線の縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
A ブーム多頭噴管
B 導液管
L 突出長さ
L’軸方向の長さ
a ボディ
b 接続口
n ノズル
1 接続部
10 接続管
11 軸筒部
12 軸杆部
13 環状溝
14 開放口
2 噴頭部
20 ノズル接続口
21 開口
22 組付穴
3 止め輪
4 係合溝
40 係合突起
5 切欠部
50 開口
51 環状の凹溝
6 流路
7 シート
70 透孔
71 Oリング
8 防止弁機構
80 内筒
81 開放口
82 流路
83 開放口
84 弁膜
85 バネ座
86 コイルバネ
87 スプリングカバー
88 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブーム多頭噴管(A)のボディ(a)を、周面に接続管(10)を支管状に設けた接続部(1)と、周面に複数個のノズル接続口(20)を放射状に設けた噴頭部(2)とに分け、接続部(1)には、先端側に、内部に前記接続管(10)内の管路と通ずる流路(6)を設けた軸筒部(11)を、外径が噴頭部(2)の内径に対応する筒状に形成して噴頭部(2)に向け突出させて設け、その軸筒部(11)には、周面の一部に切欠部(5)を形成して、その切欠部(5)の底面に前記流路(6)に通ずる開口(50)を開設し、その切欠部(5)内に、外面側を噴頭部(2)の内周壁に倣う円弧面としたテフロン(登録商標)等の軟質の樹脂よりなるシート(7)を、前記開口(50)の回りに配設せる弾性材よりなるOリング(71)を介して嵌装し、このシート(7)の前記開口(50)と対向する部位に外面側に貫通する透孔(70)を開設しておき、噴頭部(2)には、それの内周壁に外周側に設けた複数のノズル接続口(20)のそれぞれに通ずる開口(21)を、周方向に並列させて開設し、この噴頭部(2)を前記接続部(1)の軸筒部(11)の外周に、回転自在に嵌め合わせて接続部(1)に一体的に結合させ、接続部(1)に対する噴頭部(2)の回転により、複数のノズル接続口(20)に対する切り替え通水と止水が行われるようにしたことを特徴とするブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置。
【請求項2】
接続部(1)の先端側に突設した軸筒部(11)の外周面と、この軸筒部(11)に嵌合する噴頭部(2)の内周面とに、それらの一方には、軸芯線に沿う方向の係合溝(4)を、周方向に所定のピッチで並列させて環状に設け、他方には前記係合溝(4)に駒送り状に順次切り替わって係合する係合突起40を設け、かつ、その係合溝(4)と係合突起(40)との係合が、軸筒部(11)に設けたシート(7)に開設せる透孔(70)に対し噴頭部(2)の内周壁に開設せる開口(21)が接合する通水状態位置と、透孔(70)に対し開口(21)と開口(21)との間の噴頭部(2)の内周壁が接合する止水状態位置とにおいて行われるように設定して設けてあることを特徴とする請求項1記載のブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置。
【請求項3】
接続部(1)の先端側に突出させて設ける軸筒部(11)内に形成した流路(6)を、接続部(1)内の軸芯部位に装設せる内筒(80)により接続部(1)の基端側に向け延長して、その内筒(80)の基端側の開放口(81)により接続部(1)の内腔に開口させ、その内筒(80)の回りには環状の流路(82)を形成し、その内筒(80)の開放口(81)と、内筒(80)の回りに環状に形成される流路(82)の開放口(83)とに、接続部(1)の基端側の開放口(14)から装入する弁膜(84)を当接し、バネ(86)で閉鎖側に付勢してキャップ(88)により接続部(1)に組み付け保持せしめたことを特徴とする請求項1記載のブーム多頭噴管におけるノズル切り替えバルブ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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