説明

ブーム着脱式クレーン車における吊荷ロープ張設方法

【課題】ブーム着脱式クレーン車において、分離したブームを旋回台に組付けた後にブームの上面に沿って吊荷ロープを張設する必要があるが、作業員が吊荷ロープの先端部を持ってブーム上を歩行することで吊荷ロープを張設する作業は危険を伴うものであった。
【解決手段】車両1から分離したブーム3に、ブーム基端部からブーム先端部に達する長さを有した補助ロープ7をブーム上面に沿わせた状態で装着しておき、ブーム3を旋回台2に組付けた状態で補助ロープ7の基端部と旋回台2上のウインチ5に巻取られている吊荷ロープ6の先端部とを連結した後、補助ロープ7の先端側をブーム先端部3bを介して下方に引き降ろすことで、ウインチ5から巻解いた吊荷ロープ6をブーム上面に沿わせた状態で吊荷ロープ6の先端部をブーム先端部3bから垂下させるようにすることにより、吊荷ロープ6をブーム3に対して安全に張設できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、公道走行時にブーム(伸縮ブーム)を車両から取外して別送するようにしたブーム着脱式クレーン車を対象にしたものであり、さらに詳しくはそのようなブーム着脱式クレーン車においてブームを車両上の旋回台に組付けた後に行われる吊荷ロープ張設方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のブーム着脱式クレーン車として、例えば特開2010−222116号公報に示されるものがある。そして、この種のブーム着脱式クレーン車では、公道走行時には重量制限等により、図8に示すようにブーム(伸縮ブーム)3を車両1から取外して別の運搬車で別送し、作業現場において別送したブーム3を図8に鎖線図示(符号3′)するように車両1の旋回台2に組付けるようにしている。
【0003】
ところで、ブーム着脱式クレーン車においてブーム3を車両1(旋回台2)から取外したときには、図8に示すように、吊荷作業に用いられる吊荷ロープ6はブーム3から外されて旋回台2上のウインチ5に巻取られている。尚、ウインチ5に巻取られた吊荷ロープ6の先端部6bは、旋回台2上面の適所に係止されている。
【0004】
そして、作業現場においてクレーン車をクレーン作業可能状態に組立てるには、車両1から分離して別送したブーム3を該車両1上の旋回台2に組付けた後(図8の符号3′の状態)、旋回台2上のウインチ5に巻取られている吊荷ロープ6の先端側を引出して、該吊荷ロープを符号6Cで示すようにブーム3′の上面に沿って張設する必要がある。尚、ブーム上面に沿って張設した吊荷ロープ(符号6C)の先端部6Cbには、図示しない吊荷フックが装着される。
【0005】
ところで、旋回台2に組付けたブーム3′の上面に沿って吊荷ロープ6Cを張設するのに、従来の吊荷ロープ張設方法では次のように行っていた。
【0006】
即ち、別送したブーム3を作業現場において車両1の旋回台2に組付けた後(符号3′で示す鎖線図示状態)、作業員M1が旋回台2上に上がってウインチ5から符号6Aで示すように吊荷ロープの先端側を引出し、該作業員M1が引出した吊荷ロープ6Aの先端部6Abを持ったままブーム3′上をブーム先端部3b′(符号M2の位置)まで歩行することで、吊荷ロープ6Bの先端部6Bbをブーム先端部3b′まで導き、さらに作業員M2がブーム先端部3b′上に載った状態で吊荷ロープ6Bの先端部6Bbをブーム先端部3b′の上シーブ33′を介して下方に垂下させることによって、該吊荷ロープを符号6Cで示すようにブーム上面に沿って張設するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−222116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、ブーム着脱式クレーン車において、上記した従来の吊荷ロープ張設方法では、次のような問題があった。
【0009】
即ち、この種(例えば図8)のブーム着脱式クレーン車は大型であって、車両1(旋回台2)に組付けたブーム3′の上面は、ブーム倒伏姿勢(ほぼ水平姿勢)であっても地上からかなり高所(例えば4m程度の高さ)にあり、しかもブーム幅はさほど広くない(大型のものでもブーム幅は60〜70cm程度)ので、作業員が吊荷ロープ6Aの先端部6Abを持ったままでブーム3′上を歩行するのは危険な作業を伴うものであった。
【0010】
又、ブーム3′上を歩行する際の危険回避のために、ブームに手摺やスタンションを設けたものがあるが、その場合はそれらの設備(手摺やスタンション等)が必要であるとともに、それらの設備を設けたものでも高所で且つ狭い幅での歩行には危険性があった。
【0011】
そこで、本願発明は、ブーム着脱式クレーン車において、ブーム組付時における吊荷ロープの張設作業を安全に行える(ブーム上を歩行しないで行える)ようにすることを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、ブーム着脱式クレーン車における吊荷ロープ張設方法を対象にしている。
【0013】
[本願請求項1の発明]
本願請求項1において適用されるブーム着脱式クレーン車は、走行時にブーム(伸縮ブーム)を車両から分離して別送し、作業現場でブームを車両上の旋回台に組付けるように構成されたものである。
【0014】
そして、このようなブーム着脱式クレーン車では、ブームを旋回台に組付けた後、ブーム上面に沿って吊荷ロープを張設する必要があるが、本願請求項1の発明の吊荷ロープ張設方法は、次のようにして行うものである。
【0015】
まず、車両から分離したブームには、ブーム基端部からブーム先端部に達する長さを有した補助ロープをブーム上面に沿わせた状態で装着しておく。尚、この補助ロープは、そのロープ基端部をブーム基端部の適所に係止しておく一方、ロープ先端部をブーム先端部のシーブに巻掛けた状態で該ブーム先端部の適所に係止しておくとよい。
【0016】
次に、上記補助ロープ付きのブームを旋回台に組付けた状態で、補助ロープの基端部と旋回台上のウインチに巻取られている吊荷ロープの先端部とを連結する。尚、この各ロープ端部の連結部分は、旋回台上又はブーム基端部上に非係止状態で載せておき、補助ロープの先端側を引っ張ることでウインチに巻取られている吊荷ロープを引出し得るようになっている。
【0017】
そして、補助ロープの先端側をブーム先端部を介して下方に引き降ろすことで、ウインチから巻解いた吊荷ロープをブーム上面に沿わせた状態で該吊荷ロープの先端部をブーム先端部から垂下させるようにする。このとき、ウインチは巻解き動作を行いながら吊荷ロープを引出すようにすればよい。尚、吊荷ロープの先端部をブーム先端部の下方に垂下させた後、補助ロープの基端部を吊荷ロープの先端部から連結解除させる(外す)と、吊荷ロープのブームへの張設作業が完了し、その後、吊荷ロープの先端部に吊荷フックを装着させることができる。
【0018】
ところで、上記した吊荷ロープ張設方法において、補助ロープ付きのブームを旋回台に組付けた状態で、補助ロープの基端部とウインチに巻取られている吊荷ロープの先端部とを連結する作業は、作業員が旋回台上に上がって行うが、旋回台上の面積はかなり広く且つ足場も安定しているので、旋回台上での各ロープ端部の連結作業は安全に行える。
【0019】
又、補助ロープの基端部と吊荷ロープの先端部とを連結した状態で、補助ロープの先端側を下方に引き降ろすには、まず補助ロープの先端部をブーム先端部から係止解除させる必要があるが、そのとき補助ロープの先端部の係止部分に地上から手が届かない場合は、脚立又は梯子に上がって該係止部分を外せばよい。尚、係止部分を外した補助ロープの先端部はそのまま垂下させておくが、その垂下させた補助ロープの先端部に地上から手が届かない場合は脚立又は梯子に上がったときに該補助ロープの先端部を必要長さだけ(地上から手の届く高さまで)引き下げておけばよい。このときの補助ロープの先端部の垂下作業は、地上から脚立又は梯子等を使用して行えるので、安全な作業となる。
【0020】
さらに、吊荷ロープ張設作業の最後の操作となる補助ロープの先端側の引き降ろし作業も、作業員が地上から行えるので安全な作業となる。
【0021】
尚、ブームを旋回台に組付け且つブームに吊荷ロープを張設した作業姿勢から、ブーム別送のために該ブームを分離する際には、吊荷ロープをブームから外してウインチに巻取っておく必要があるが、そのウインチ巻取り操作前に吊荷ロープの先端部をブーム先端部から垂下させた状態で該吊荷ロープの先端部に補助ロープの基端部を連結しておき、吊荷ロープのウインチ巻取り動作で該補助ロープをブーム上面に沿わせた位置に引き込んだ後、補助ロープの基端部を吊荷ロープの先端部から分離させ、該補助ロープの両端部をそれぞれブームの各端部に係止しておくことにより、次のブーム組付け時に補助ロープをブーム上面に沿って装着する作業が不要となる。
【0022】
[本願請求項2の発明]
本願請求項2の発明は、上記請求項1のブーム着脱式クレーン車における吊荷ロープ張設方法において、次の構成を付加したものである。
【0023】
まず、ブーム着脱式クレーン車としてブーム先端部にジブを継ぎ足して使用するものを採用している。そして、このブーム着脱式クレーン車を作業現場まで移動させる際には、ジブもブームとともに別の運搬車で別送される。
【0024】
そして、この請求項2の吊荷ロープ張設方法では、ブームに、上記請求項1に記載したように予め補助ロープ(以下、これをブーム側補助ロープという)をブーム上面に沿わせた状態で装着している一方、ジブにも、ジブ基端部からジブ先端部に達する長さを有したジブ側補助ロープをジブ上面に沿わせた状態で装着しておく。尚、ブーム側補助ロープの各ロープ端部は、ブームの基端部及び先端部のそれぞれ適所に係止しておく一方、ジブ側補助ロープの各ロープ端部は、ジブの基端部及び先端部のそれぞれ適所に係止しておくとよい。
【0025】
次に、ブームを旋回台に組付け且つブーム先端部にジブを組付けた状態で、ブームに装着しているブーム側補助ロープの基端部と旋回台上のウインチに巻取られている吊荷ロープの先端部とを連結する一方、ブーム側補助ロープの先端部とジブ側補助ロープの基端部とを連結する。尚、ブーム側補助ロープの基端部と吊荷ロープの先端部との連結部分は、上記請求項1の場合と同様に旋回台上又はブーム基端部上に非係止状態で載せておく一方、ブーム側補助ロープの先端部とジブ側補助ロープの基端部との連結部分は、ブーム先端部上又はジブ基端部上に非係止状態で載せておき、ジブ側補助ロープの先端側を引っ張ることでウインチに巻取られている吊荷ロープを引出し得るようになっている。
【0026】
そして、ジブ側補助ロープの先端側をジブ先端部を介して下方に引き降ろすことで、該ジブ側補助ロープ及びブーム側補助ロープの各引き降ろしに続いてウインチから巻解いた吊荷ロープをブーム上面及びジブ上面にそれぞれ沿わせた状態で該吊荷ロープの先端部をジブ先端部から垂下させるようにする。このとき、ウインチは巻解き動作を行いながら吊荷ロープを引出すようにすればよい。尚、吊荷ロープの先端部をジブ先端部の下方に垂下させた後、ブーム側補助ロープの基端部を吊荷ロープの先端部から連結解除させる(外す)と、吊荷ロープのブーム及びジブへの張設作業が完了し、その後、吊荷ロープの先端部に吊荷フックを装着させることができる。
【0027】
ところで、ブーム側補助ロープの基端部とウインチ側の吊荷ロープの先端部との連結作業は、作業員が旋回台上に上がって行うことができるので、上記請求項1の場合と同様に該連結作業は安全に行える。他方、ブーム側補助ロープの先端部とジブ側補助ロープの基端部との連結作業は、ブーム先端部とジブ基端部との接続位置に梯子を掛けて該梯子に上がって行うことができるので、この連結作業も安全に行える。
【0028】
又、ブーム側補助ロープの基端部と吊荷ロープの先端部とを連結し且つブーム側補助ロープの先端部とジブ側補助ロープの基端部とを連結した状態で、ジブ側補助ロープの先端側を下方に引き降ろすには、まずジブ側補助ロープの先端部をジブ先端部から係止解除させる必要があるが、そのときジブ側補助ロープの先端部の係止部分に地上から手が届かない場合は、脚立又は梯子に上がって該係止部分を外せばよい。尚、係止部分を外したジブ側補助ロープの先端部はそのまま垂下させておくが、その垂下させたジブ側補助ロープの先端部に地上から手が届かない場合は脚立又は梯子に上がったときに該ジブ側補助ロープの先端部を必要長さだけ(地上から手の届く高さまで)引き下げておけばよい。このときのジブ側補助ロープの先端部の垂下作業は、地上から脚立又は梯子等を使用して行えるので、安全な作業となる。
【0029】
さらに、吊荷ロープ張設作業の最後の操作となるジブ側補助ロープの先端側の引き降ろし作業も、作業員が地上から行えるので安全な作業となる。
【0030】
尚、ブーム及びジブを組付け且つブーム及びジブに吊荷ロープを張設した作業姿勢から、ブーム別送のために該ブームを分離する際には、吊荷ロープをウインチに巻取っておく必要があるが、そのウインチ巻取り操作前に吊荷ロープの先端部にジブ側補助ロープとブーム側補助ロープとを順次連結しておき、吊荷ロープのウインチ巻取り動作で該両補助ロープをブーム上面及びジブ上面にそれぞれ沿わせた位置に引き込んだ後、該各両補助ロープの両端部をそれぞれブーム又はジブのそれぞれ各端部に係止しておくことにより、次のブーム組付け時に両補助ロープをそれぞれブーム上面及びジブ上面に沿って装着する作業が不要となる。
【発明の効果】
【0031】
[本願請求項1の発明の効果]
本願請求項1のブーム着脱式クレーン車における吊荷ロープ張設方法は、車両(旋回台)から分離したブームに補助ロープを装着しておき、該補助ロープ付きのブームを旋回台に組付けた状態で補助ロープの基端部とウインチに巻取られている吊荷ロープの先端部とを連結した後、補助ロープの先端側をブーム先端部を介して下方に引き降ろすことで、吊荷ロープをブーム上面に沿わせた状態で吊荷ロープの先端部をブーム先端部から垂下させるようにしたものである。
【0032】
このように、本願請求項1の吊荷ロープ張設方法では、補助ロープの基端部と吊荷ロープの先端部との連結作業は比較的広面積で足場の安定した旋回台上で行え、又補助ロープをブーム先端部から引き降ろす作業は地上から行えるので、吊荷ロープをブーム上面に沿わせた状態で張設するまでの全作業を安全に行えるという効果がある。即ち、従来のように、作業員が吊荷ロープの先端部を持って、幅が狭く且つ高所にあるブーム上面をブーム先端部まで歩行するという危険な作業が不要となる。
【0033】
[本願請求項2の発明の効果]
本願請求項2の吊荷ロープ張設方法では、上記請求項1の構成に加えて、ブームの先端部に継ぎ足されるジブにもジブ側補助ロープを装着しておき、ブームとジブとを車両に組付けた状態で、ブーム側補助ロープの基端部と吊荷ロープの先端部とを連結する一方、ブーム側補助ロープの先端部とジブ側補助ロープの基端部とを連結し、ジブ側補助ロープの先端側をジブ先端部を介して下方に引き降ろすことで、ジブ側補助ロープ及びブーム側補助ロープの各引き降ろしに続いて吊荷ロープをブーム上面及びジブ上面にそれぞれ沿わせた状態で吊荷ロープの先端部をジブ先端部から垂下させるようにしたものである。
【0034】
尚、ブーム側補助ロープの基端部と吊荷ロープの先端部との連結作業は旋回台上で行え、ブーム側補助ロープの先端部とジブ側補助ロープの基端部との連結作業は地上から脚立や梯子等を利用して行えるので、作業員が幅の狭い高所のブーム上やジブ上を歩行することなく吊荷ロープをブーム上及びジブ上に沿わせた状態で張設できる。
【0035】
従って、この請求項2の吊荷ロープ張設方法では、ジブを継ぎ足して使用する形式のクレーン車であっても、吊荷ロープをブーム上及びジブ上にそれぞれ沿わせて張設する作業を安全に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本願第1実施例の吊荷ロープ張設方法を行うためのブーム着脱式クレーン車の側面図である。
【図2】図1からの状態変化図で本願第1実施例の吊荷ロープ張設方法の次工程説明図である。
【図3】図2からの状態変化図で本願第1実施例の吊荷ロープ張設方法の次工程説明図である。
【図4】本願第2実施例の吊荷ロープ張設方法を行うためのブーム着脱式クレーン車の側面図である。
【図5】図4のブーム着脱式クレーン車における車両とブームとジブの各平面図である。
【図6】図4からの状態変化図で本願第2実施例の吊荷ロープ張設方法の次工程説明図である。
【図7】図6からの状態変化図で本願第2実施例の吊荷ロープ張設方法の次工程説明図である。
【図8】ブーム着脱式クレーン車における従来の吊荷ロープ張設方法の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
[実施例]
以下、図1〜図7を参照して本願実施例を説明すると、図1〜図3には本願第1実施例の吊荷ロープ張設方法及び該吊荷ロープ張設方法を行うためのブーム着脱式クレーン車を示し、図4〜図7には本願第2実施例の吊荷ロープ張設方法及び該吊荷ロープ張設方法を行うためのブーム着脱式クレーン車を示している。尚、図1〜図3に示す第1実施例のものは、本願請求項1に対応するものであって旋回台にブームのみを組付けて使用するものであり、図4〜図7に示す第2実施例のものは、本願請求項2に対応するものであって旋回台に組付けたブームの先端部にジブを継ぎ足して使用するものである。
【0038】
「図1〜図3の第1実施例」
図1に示すブーム着脱式クレーン車は、大型のクレーン車であって、車両1上に搭載した旋回台2に対してブーム3を着脱自在に組付け得るようにしたものである。
【0039】
ブーム3は、基端ブーム31と先端ブーム32間に適数本の中間ブームを介在させた伸縮ブームが採用されている。先端ブーム32の先端部3bには、その上部位置に上シーブ33と下部位置に下シーブ34がそれぞれ取付けられている。尚、この第1実施例では、伸縮ブームが採用されているが、以下の説明では、ブームは最縮小させた状態のもので説明している。
【0040】
ブーム3を分離した状態では、吊荷ロープ6は、ブーム3から取外されて旋回台2上に取付けたウインチ5に巻取られている。尚、ウインチ5に巻取られた吊荷ロープ6の先端部6bは、旋回台2の上面の適所に係止されている。
【0041】
そして、このブーム着脱式クレーン車は、公道走行時にはブーム3を図1に実線図示するように車両1(旋回台2)から分離して作業現場まで別送し、作業現場において該ブーム3を鎖線図示(符号3′)するように旋回台2に組付ける。尚、ブーム3の組付けは、ブーム3(基端ブーム31)の基端部3aの軸穴3cを旋回台2側の軸穴2aに合致させて両軸穴を支軸で連結する一方、ブーム3(基端ブーム31)の腹面に設けたブラケットの軸穴3dと旋回台2に取付けた起伏シリンダ30の先端部の軸穴30aとを支軸で連結することで行われる。尚、以下の説明において、ブーム3(基端ブーム31)の基端部3aを単にブーム基端部3aといい、ブーム3の先端部(先端ブーム32の先端部)を単にブーム先端部3bということがある。
【0042】
ところで、作業現場においてクレーン作業を可能にするには、別送したブーム3を旋回台2に組付けた後、ウインチ5に巻取られている吊荷ロープ6の先端側を引出して、該吊荷ロープ6をブーム3の上面に沿わせた状態(図7の状態)で張設する必要があるが、従来では該吊荷ロープ6をブーム3に張設するのに「発明が解決しようとする課題」の項で説明したような危険な作業(高所で且つ狭い幅のブーム上での歩行)を伴うものであった。
【0043】
そして、本願第1実施例の吊荷ロープ張設方法は、ウインチ5からの吊荷ロープ6をブーム3の上面に沿わせて張設する作業を安全に行えるようにしたものであり、以下、この第1実施例の吊荷ロープ張設方法について説明する。
【0044】
第1実施例の吊荷ロープ張設方法は、図1に示すように、まず車両1から分離した最縮小状態のブーム3に、ブーム基端部3aからブーム先端部3bに達する長さを有した補助ロープ7をブーム3の上面に沿わせた状態で装着しておく。このとき、補助ロープ7の基端部7aは、ブーム基端部3aの適所(上部)に設けた係止部35に係止しておく一方、補助ロープ7の先端部7bは、ブーム先端部3bの上シーブ33及び下シーブ34に巻掛けた後、ブーム先端部3bの下面側に設けた係止部36に係止しておくとよい。
【0045】
次に、図1において実線図示する補助ロープ付きのブーム3を鎖線図示(符号3′)するように旋回台2に組付ける。その後、作業員M1が旋回台2上に上がって、補助ロープ7′の基端部7a′と旋回台2上のウインチ5に巻取られている吊荷ロープ6の先端部6bをそれぞれの係止部から外し、続いて旋回台2上において作業員M1が補助ロープ7′の基端部(符号7a″)と吊荷ロープ(符号6′)の先端部(符号6b′)とを連結する。尚、各ロープ端部(7a″と6b′)の連結部分(図2の符号C部分)は、旋回台2上又はブーム基端部3a上に非係止状態で載せておく。
【0046】
次に、補助ロープ7の基端部7aと吊荷ロープ6の先端部6bとを連結した後、図2に示すように補助ロープ7の先端部7bをブーム先端部3bの係止部36から外して下方に垂下させる。尚、補助ロープ7の先端部7bを係止部36から外す際に、該係止部36に作業員M2が地上から手が届かない場合は、脚立や梯子を利用するとよい。
【0047】
そして、図2の状態で、作業員M2が地上から補助ロープ7の先端側を下方に引き降ろす(図2の符号7′)ことで、ウインチ5から巻解いた吊荷ロープ6をブーム3の上面に沿わせながら引出し、図3に示すように該吊荷ロープ6の先端部6bをブーム先端部3bの下面から所定長さ(地上から手の届く高さ)だけ垂下させるようにする。尚、補助ロープ7の先端側の引き降ろし時には、ウインチ5を巻解き動作させながら行うとよい。
【0048】
図3は、吊荷ロープ6の先端部6bから補助ロープ7の基端部7aを外した状態を示しており、この状態で吊荷ロープ6の先端部6bに吊荷フック(例えばメインフック)9を装着させることができる。尚、メインフック9を使用する場合は、ブーム先端部3bの下シーブ34とメインフック9のシーブとの間に吊荷ロープ6の先端側を適数回巻付けることが多い。
【0049】
ところで、第1実施例(図1〜図3)の吊荷ロープ張設方法では、図1に示すように補助ロープ7′の基端部7a′と吊荷ロープ6の先端部6bとの連結作業は、作業員M1が旋回台2上に上がって行うが、旋回台2上の面積はかなり広く且つ足場も安定しているので、旋回台2上での各ロープ端部(7a′と6b)の連結作業は安全に行える。又、図2に示すように、ブーム先端部3bの直下位置での各種作業(補助ロープ7の先端部7bの係止部36からの外し作業や、補助ロープ7の先端側の引き降ろし作業)も、必要に応じて脚立や梯子を使用することで作業員M2が地上から行えるので安全な作業となる。
【0050】
他方、このクレーン車を使用状態からブーム3を別送するために該ブームを分離する際には、図3の状態から吊荷ロープ6をウインチ5に巻取っておく必要があるが、そのウインチ巻取り操作前に、図3の状態において吊荷ロープ6の先端部6bに補助ロープ7の基端部7aを連結しておき、吊荷ロープ6のウインチ巻取り動作で該補助ロープ7をブーム3の上面に沿わせた位置に引き込んだ後、補助ロープ7の両端部7a,7bをそれぞれブームの各係止部35,36に係止させることにより、次のブーム組付け時に補助ロープ7をブーム3の上面に沿って装着する作業が不要となる。
【0051】
[図4〜図7の第2実施例]
図4〜図7に示す第2実施例の吊荷ロープ張設方法は、ブーム3の先端部3bにジブ4を継ぎ足して使用する場合のものである。尚、この第2実施例では、ジブ4として複数本の単ジブを伸縮自在に連結させた伸縮ジブを使用しているが、以下の説明では、ジブは最縮小させた状態のもので説明している。
【0052】
図4〜図7の第2実施例で使用されるブーム着脱式クレーン車において、ジブ4以外の各構成(車両1、旋回台2、ブーム3、ウインチ5、吊荷ロープ6、ブーム3側の補助ロープ7等)は図1の第1実施例のものとほぼ同じであるので、該第1実施例の説明を援用する。尚、この第2実施例では、ブーム3側の補助ロープ7をブーム側補助ロープと表現する。
【0053】
この第2実施例の吊荷ロープ張設方法では、ブーム先端部3bにジブ4が継ぎ足される関係で、旋回台2上のウインチ5に巻取られている吊荷ロープ6をブーム3の上面及びジブ4の上面にそれぞれ沿わせた状態で張設する必要がある。
【0054】
そして、この第2実施例の吊荷ロープ張設方法では、上記第1実施例(図1)の構成に加えて、図4に示すようにブーム3の先端部3bに継ぎ足されるジブ4にもジブ側補助ロープ8を装着しておく。
【0055】
このジブ側補助ロープ8は、図4及び図5に示すように、ジブ基端部4aからジブ先端部4bに達する長さを有し、該ジブ側補助ロープ8の基端部8aをジブ基端部4aの上面に設けた係止部45に係止する一方、ジブ側補助ロープ8の先端部8bをジブ先端部4bのシーブ44に巻掛けた後、ジブ先端部4bに設けた係止部46に係止することで、ジブ4の上面に沿わせた状態で装着されている。
【0056】
そして、この第2実施例の吊荷ロープ張設方法では、図4及び図5に示すように、ブーム3とジブ4とをそれぞれ車両1(旋回台2)から分離した状態で作業現場まで別送し、作業現場においてブーム3とジブ4とを図4に鎖線図示(符号3′,4′)するように常法により組付ける。この図4の鎖線図示状態では、ブーム3′の上面の全長に亘ってブーム側補助ロープ7′が装着されている一方、ジブ4′の上面の全長に亘ってジブ側補助ロープ8′が装着されている。
【0057】
次に、図4の鎖線図示状態(ブーム3′及びジブ4′の組付け状態)において、旋回台2上に作業員M1が上がって、第1実施例の場合と同様にブーム側補助ロープ7′の基端部7a′とウインチ5に巻取られている吊荷ロープ6の先端部6bとを連結する(図6の符号Cの状態)一方、ブーム側補助ロープ7′の先端部7b′とジブ側補助ロープ8′の基端部8a′とを、ブーム先端部3bとジブ基端部4aとの連結部分付近に地上から梯子10(脚立でもよい)をかけて(該梯子10又は脚立に作業員が登って)連結する。尚、ブーム側補助ロープ7′の先端部7b′は、当初はブーム先端部3b′の係止部36′に係止されているので、その係止を外した後、ブーム側補助ロープ7′の先端部7b′をブーム先端部3b′の前面部とジブ基端部4a′の後面部との間の隙間を通して上方に導いて、該ブーム側補助ロープ7′の先端部7b′とジブ側補助ロープ8′の基端部8a′とを連結させる(図6の符号Dの状態)。
【0058】
又、図4に鎖線図示するように、ジブ4′の組付け状態でジブ先端部4b′が高所に位置している場合は、ジブ側補助ロープ8′の先端部8b′が地上から手の届かない高さに係止されているが、該ジブ側補助ロープ8′の先端部8b′の係止を外すには、ジブ先端部4b′の直下に脚立を置いたり、先に使用した梯子10をジブ先端部4b′付近に移動させたりすることにより、作業員が手の届く状態にして係止解除すればよい。そのとき、ジブ側補助ロープ8′の先端部8b′を地上から手の届く高さ(図6の高さ)まで引き降ろしておく。
【0059】
そして、図6の状態で、ジブ先端部4bから垂下させているジブ側補助ロープ8の先端部8bを地上から作業員M2が下方に引き降ろす(図6の符号8′)ことで、ジブ側補助ロープ8及びブーム側補助ロープ7の各引き降ろしに続いて吊荷ロープ6をブーム3の上面及びジブ4の上面にそれぞれ沿わせた状態で、図7に示すように吊荷ロープ6の先端部6bをジブ先端部4bから垂下させることができる。
【0060】
図7は、吊荷ロープ6の先端部6bからブーム側補助ロープ7の基端部7aを外した状態を示しており、この状態で吊荷ロープ6の先端部6bに吊荷フック(サブフック)9Aを装着することができる。
【0061】
このように、第2実施例の吊荷ロープ張設方法でも、ブーム側補助ロープ7の基端部7aとウインチ側の吊荷ロープ6の先端部6bとの連結作業は、作業員M1が旋回台2上に上がって行うことができるので、上記第1実施例の場合と同様に該連結作業は安全に行える。他方、ブーム側補助ロープ7の先端部7bとジブ側補助ロープ8の基端部8aとの連結作業は、ブーム先端部3bとジブ基端部4aとの接続位置に梯子10を掛けて(脚立を置いてもよい)該梯子10(又は脚立)に上がって行うことができるので、この連結作業も安全に行える。
【0062】
又、ブーム側補助ロープ7の基端部7aと吊荷ロープ6の先端部6bとを連結し且つブーム側補助ロープ7の先端部7bとジブ側補助ロープ8の基端部8aとを連結した状態で、ジブ側補助ロープ8の先端側を下方に引き降ろすには、まずジブ側補助ロープ8の先端部8bをジブ先端部4bから係止解除させる必要があるが、そのときジブ側補助ロープ8の先端部8bの係止部分に地上から手が届かない場合は、脚立又は梯子に上がって該係止部分を外せばよいので、このときの作業も地上から安全に行える。さらに、吊荷ロープ張設作業の最後の操作となるジブ側補助ロープ8及びそれに続くブーム側補助ロープ7の引き降ろし作業も、作業員が地上から行えるので安全な作業となる。
【0063】
ところで、図4に示す第2実施例のジブ付きクレーン車では、ジブ4の本体部分(伸縮部分)をジブ基端部(ジブ取付台)4aに対してチルトシリンダ40によって上下に揺動(チルト)せしめ得るようになっている。そして、この第2実施例のジブ付きクレーン車では、図4に鎖線図示するように、ジブ4′をジブ基端部(ジブ取付台)4aを介してブーム先端部3b′に連結し、且つチルトシリンダ40′に油圧経路を接続した後、該チルトシリンダ40′を縮小させることでジブ先端部4b′の高さを所定低高さ(作業員が地上から直接手の届く高さ)まで下げることができる。このように、第2実施例の吊荷ロープ張設方法において、ジブ4′をブーム先端部3b′に連結した状態で、ジブ4′をチルトさせることによりジブ先端部4b′の高さを下げておくと、ジブ側補助ロープ8′の先端部8b′をジブ先端部4b′から外す作業(及びジブ側補助ロープ8′の先端部8b′を引き降ろす作業)を行うのに上記したような梯子や脚立が不要になる。
【0064】
又、ブーム3及びジブ4を組付け且つブーム3及びジブ4に吊荷ロープ6を張設した作業姿勢からジブ及びブームを別送のために分離する際には、該吊荷ロープ6をウインチ5に巻取っておく必要があるが、その吊荷ロープ6のウインチ巻取り時には、図7の状態において吊荷ロープ6の先端部6bにブーム側補助ロープ7とジブ側補助ロープ8とを順次連結しておき、吊荷ロープ6のウインチ巻取り動作で該両補助ロープ7,8をブーム上面及びジブ上面にそれぞれ沿わせた位置に引き込んだ後、該各両補助ロープ7,8の両端部をそれぞれブーム3又はジブ4のそれぞれ各端部に係止することにより、次のブーム組付け時に両補助ロープ7,8をそれぞれブーム上面及びジブ上面に沿って装着する作業が不要となる。
【0065】
ところで、ブーム先端部3bにジブ4を継ぎ足し得るようにしたクレーン車では、ブーム先端部3bから荷役作業を行う場合は吊荷フックとして図3に示す大型のメインフック9を使用し、他方ジブ先端部4bから荷役作業を行う場合は吊荷フックとして図7に示す小型のサブフック9Aを使用する場合が多い。又、この場合、図5に示すように、ウインチもメインフック吊下げ用の吊荷ロープを巻取るメインウインチ5とサブフック吊下げ用の吊荷ロープを巻取るサブウインチ5Aとを有しているとともに、ブーム先端部3bに設けられる上シーブとして、メインフック用の吊荷ロープ6を経過させるメイン側の上シーブ33とサブフック用の吊荷ロープ6を経過させるサブ側の上シーブ33Aの2つが設けられている。
【0066】
そして、ブーム先端部3bから荷役作業を行う場合は、メインウインチ5から繰出した吊荷ロープ6をメイン側の上シーブ33から下方に垂下させて、その吊荷ロープ先端部にメインフック9(図3)を装着する一方、ジブ先端部4bから荷役作業を行う場合は、サブウインチ5Aから繰出した吊荷ロープ6をサブ側の上シーブ33Aを経由してジブ先端部4bのシーブ44から下方に垂下させて、その吊荷ロープ先端部にサブフック9A(図7)を装着する。
【0067】
又、この第2実施例の吊荷ロープ張設方法では、吊荷ロープ引出し用に使用されるブーム側補助ロープ7は1本で両ウインチ(メインウインチ5とサブウインチ5A)に巻取られている各吊荷ロープ6,6をそれぞれ引出し得るようにしているが、他の実施例では、メインウインチ5側の吊荷ロープ6とサブウインチ5A側の吊荷ロープ6とをそれぞれ個別に(且つ同時に)引出し得るようにするために、ブーム3の上面に沿ってそれぞれ専用のブーム側補助ロープ7を2本装備させておくこともできる。
【0068】
他方、ブーム先端部にジブを継ぎ足して使用するジブ付きのブーム着脱式クレーン車の中には、ジブとして基側ジブと先側ジブの2つ(2分割したもの)を接続して構成するようにしたものもある。この場合のジブは、先側ジブを基側ジブに沿って折畳んだ状態で作業現場まで搬送し、該作業現場において基側ジブをブーム先端部に継ぎ足した後、先側ジブを基側ジブの前方に旋回させてセットする。
【0069】
このように、ジブとして2分割(基側ジブと先側ジブ)したものを用いたブーム着脱式クレーン車の吊荷ロープ張設方法では、各分割ジブ(基側ジブと先側ジブ)の上面に基側ジブ側補助ロープと先側ジブ側補助ロープを個別に装備させておく。そして、この場合の吊荷ロープ張設方法では、分割ジブ(基側ジブと先側ジブ)をそれぞれブーム先端部の前方にセットした状態で各補助ロープを次のように連結する。即ち、ウインチ側の吊荷ロープの先端部とブーム側補助ロープの基端部、及びブーム側補助ロープの先端部と基側ジブ側補助ロープの基端部は、それぞれ上記第2実施例(図4)の場合と同様に接続し、基側ジブ側補助ロープの先端部と先側ジブ側補助ロープの基端部は地上から梯子や脚立を使用して(作業員が登って)接続すればよい。尚、この場合は、吊荷ロープとブーム側補助ロープと基側ジブ側補助ロープと先側ジブ側補助ロープとを順次連結した状態で、先側ジブの先端部から(必要があれば梯子や脚立を用いて)先側ジブ側補助ロープの先端部を取り外して引き降ろすと、ウインチから巻き解かれた吊荷ロープが、順次ブーム上面、基側ジブ上面、及び先側ジブ上面に沿った状態で先側ジブの先端部まで自動的に張設させることができる(上記第2実施例と同様の機能を達成し得る)。
【符号の説明】
【0070】
1は車両、2は旋回台、3はブーム、3aはブーム基端部、3bはブーム先端部、4はジブ、4aはジブ基端部、4bはジブ先端部、5,5Aはウインチ、6は吊荷ロープ、6bは吊荷ロープの先端部、7は補助ロープ(ブーム側補助ロープ)、7aは補助ロープ(ブーム側補助ロープ)の基端部、7bは補助ロープ(ブーム側補助ロープ)の先端部、8はジブ側補助ロープ、8aはジブ側補助ロープの基端部、8bはジブ側補助ロープの先端部、9,9Aは吊荷フックである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行時にブームを車両から分離して別送し、作業現場でブームを車両上の旋回台に組付けるようにしたブーム着脱式クレーン車において、
上記車両から分離した上記ブームに、ブーム基端部からブーム先端部に達する長さを有した補助ロープをブーム上面に沿わせた状態で装着しておき、
上記ブームを上記旋回台に組付けた状態で上記補助ロープの基端部と上記旋回台上のウインチに巻取られている吊荷ロープの先端部とを連結した後、
上記補助ロープの先端側を上記ブーム先端部を介して下方に引き降ろすことで、上記ウインチから巻解いた上記吊荷ロープを上記ブーム上面に沿わせた状態で該吊荷ロープの先端部を上記ブーム先端部から垂下させるようにする、
ことを特徴とするブーム着脱式クレーン車における吊荷ロープ張設方法。
【請求項2】
走行時にブーム及び該ブームの先端部に継ぎ足されるジブをそれぞれ車両から分離して別送し、作業現場でブームとジブを車両上の旋回台に組付けるようにしたブーム着脱式クレーン車において、
上記車両から分離した上記ブームに、ブーム基端部からブーム先端部に達する長さを有した補助ロープをブーム上面に沿わせた状態で装着しておく一方、
上記ブームから分離した上記ジブに、ジブ基端部からジブ先端部に達する長さを有したジブ側補助ロープをジブ上面に沿わせた状態で装着しておき、
上記ブームを上記旋回台に組付け且つ上記ブーム先端部に上記ジブを組付けた状態で、上記ブームに装着しているブーム側補助ロープの基端部と上記旋回台上のウインチに巻取られている吊荷ロープの先端部とを連結する一方、上記ブーム側補助ロープの先端部と上記ジブ側補助ロープの基端部とを連結した後、
上記ジブ側補助ロープの先端側を上記ジブ先端部を介して下方に引き降ろすことで、上記ブーム側補助ロープ及び上記ジブ側補助ロープの各引き降ろしに続いて上記ウインチから巻解いた上記吊荷ロープを上記ブーム上面及び上記ジブ上面にそれぞれ沿わせた状態で該吊荷ロープの先端部を上記ジブ先端部から垂下させるようにする、
ことを特徴とするブーム着脱式クレーン車における吊荷ロープ張設方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−232805(P2012−232805A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100307(P2011−100307)
【出願日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(000148759)株式会社タダノ (419)
【Fターム(参考)】