説明

プッシャゲーム機

【課題】プレイヤが狙った領域にメダルを投入できるプッシャゲーム機を提供する。
【解決手段】プッシャゲーム機1は、固定テーブル16a及び固定テーブル16a上を往復移動する往復テーブル16bを有するプッシャ台16と、プレイヤの操作に応じて、プッシャ台16に載置するメダルMを投入するメダル投入口13と、プレイヤの操作に応じて、メダル投入口13がプッシャ台16にメダルMを投入する領域であるメダル投入領域Cを、プッシャ台16のテーブル面16cの少なくとも2方向において独立して指定する位置入力部15bとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メダルを投入するプッシャゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、メダル投入装置からプッシャ台に向けてメダルを投入して、載置されていたメダルを落下させて払い出すメダル払い出し型ゲーム機があった(例えば特許文献1)。メダル払い出し型ゲーム機のメダル投入装置は、プレイヤが左右に動かしてメダルを投入するものであった。
しかし、プレイヤは、狙った位置にメダルを載置することが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−282896号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、プレイヤが狙った領域にメダルを投入できるプッシャゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、固定テーブル(16a)及び前記固定テーブル上を往復移動する往復テーブル(16b)を有するプッシャ台(16)と、プレイヤの操作に応じて、前記プッシャ台に載置するメダル(M)を投入する投入部(13)と、プレイヤの操作に応じて、前記投入部が前記プッシャ台にメダルを投入する領域であるメダル投入領域(C)を、前記プッシャ台のテーブル面(16c)の少なくとも2方向(X,Y)において独立して指定する投入領域指定部(15b,215b,315)と、を備えるプッシャゲーム機である。
第2の発明は、第1の発明のプッシャゲーム機において、複数のメダル(M)を貯留する貯留部(9a)を備え、前記投入部(13)は、前記貯留部の複数のメダルを、プレイヤの操作に応じて連続投入すること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
第3の発明は、第1又は第2の発明のプッシャゲーム機において、前記プッシャ台(16)の前記テーブル面(16c)を撮影して映像を取得する撮像部(14)と、前記撮像部が取得した前記プッシャ台の映像を表示する表示部(15a)と、前記表示部に触れることによって前記メダル投入領域(C)を指定する前記投入領域指定部(15b)とを兼用するタッチパネル(15)とを備えること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
第4の発明は、第3の発明のプッシャゲーム機において、前記タッチパネル(15)の操作に応じて前記投入部(13)を移動する移動部(9,12)と、前記タッチパネルが触れられていると判定した場合に、前記移動部を制御して前記投入部を前記メダル投入領域(C)に対応する位置に移動し、前記タッチパネルが継続して触れられていると判定したときに、前記投入部から前記メダル投入領域にメダル(M)を投入する制御部(33)とを備えること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
第5の発明は、第1又は第2の発明のプッシャゲーム機において、前記投入領域指定部は、前記プッシャ台(16)の前記テーブル面(16c)を透過してプレイヤに視認可能に設けられ、表面に触れることによって前記メダル投入領域(C)を指定する窓部(215)であること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
第6の発明は、第5の発明のプッシャゲーム機において、前記窓部(215)の操作に応じて前記投入部(13)を移動する移動部(9,12)と、前記窓部が触れられていると判定した場合に、前記移動部を制御して前記投入部を前記メダル投入領域(C)に対応する位置に移動し、前記窓部が継続して触れられていると判定したときに、前記投入部から前記メダル投入領域にメダル(M)を投入する制御部(233)とを備えること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
第7の発明は、第1又は第2の発明のプッシャゲーム機において、前記投入領域指定部は、前記少なくとも2方向(X,Y)の位置を指定するレバー(315)又はボタンを備えること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
第8の発明は、第1から第7までのいずれかの発明のプッシャゲーム機において、前記投入領域指定部(15b,215b,315)の操作に応じて、前記投入部(13)を前記少なくとも2方向(X,Y)に独立して移動する移動部(9,12)を備えること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
第9の発明は、第8の発明のプッシャゲーム機において、前記移動部(9)は、メダル(M)を転がして移動し、その先端部に前記投入部(13)を有する転動部(11)と、前記転動部の長さを変更して前記先端部の位置を変更し、前記投入部の位置を変更する転動部変更部(12)とを備えること、を特徴とするプッシャゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、プレイヤの操作に応じて、メダル投入領域を、プッシャ台のテーブル面の少なくとも2方向において独立して指定できるので、プレイヤが狙った領域にメダルを投入できる。
(2)本発明は、貯留部の複数のメダルを連続投入するので、プレイヤが狙った領域に、短時間に大量にメダルを投入できる。
【0008】
(3)本発明は、プッシャ台の映像を表示し、メダル投入領域を指定するタッチパネルを備えるので、メダル投入領域を精度よく指定できる。また、従来とは異なるプレイ態様にすることができる。さらに、実際のプッシャ台を視認しなくても、テーブル面の状態をタッチパネルの映像によって確認できるので、タッチパネルとプッシャ台とを異なる場所に設置しても、プレイヤは、タッチパネルを操作してプレイできる。
(4)本発明は、タッチパネルが触れられることにより投入部を移動し、さらに継続して触れられていることにより投入部からメダルを投入するので、メダル投入領域の指定からメダルを投入するまでを、一連の動作にできる。
【0009】
(5)本発明は、プッシャ台を透過し、表面に触れることによってメダル投入領域を指定する窓部を備えるので、プレイヤは、窓部に触れるだけで、メダル投入領域を指定してメダルを投入できる。
(6)本発明は、窓部が触れられることにより投入部を移動し、さらに継続して触れられていることにより投入部からメダルを投入するので、上記(4)と同様な効果を奏することができる。
【0010】
(7)本発明は、少なくとも2方向の位置を指定するレバー又はボタンを備えるので、プレイヤは、レバー又はボタンを操作して、メダル投入領域を指定してメダルを投入できる。
(8)本発明は、プレイヤの操作に応じて、投入部を少なくとも2方向に独立して移動する移動部を備えるので、投入部をメダル投入領域に対応する位置に移動して、メダル投入領域にメダルを投入できる。
(9)本発明は、転動部の底部の長さを変更して投入部の位置を変更するので、移動部の1方向における構成を簡単な構造にできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1実施形態のゲーム機1を手前側Y1から見下ろす斜視図であり、外観図、内部構成を示す図である。
【図2】第1実施形態のゲーム機1を左右方向Xから見た断面図である。
【図3】第1実施形態の左右方向移動部7及び投入装置9を示す上面図である。
【図4】第1実施形態の投入装置9を示す斜視図、断面図である。
【図5】第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
【図6】第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態のゲーム機201を左右方向Xから見た断面図である。
【図8】第3実施形態のゲーム機301の斜視図である。
【図9】第4実施形態のゲーム機401の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1を手前側Y1から見下ろす斜視図であり、外観図(図1(a))、内部構成を示す図(図1(b))である。
図1(b)は、外部構造を2点鎖線で示す。
図2は、第1実施形態のゲーム機1を左右方向Xから見た断面図である。
図3は、第1実施形態の左右方向移動部7及び投入装置9を示す上面図である。
図3(a−2)、図3(b−2)は、図3(a−1)、図3(b−1)の2点鎖線内を拡大して示す断面図である。
図4は、第1実施形態の投入装置9を示す斜視図(図4(a)、図4(b))、断面図(図4(c)、図4(d))である。
図4(c)は、図4(a)のC−C部矢視断面図である。
図4(d)は、図4(a)のD−D部矢視断面図である。
【0013】
図1、図2に示すように、ゲーム機1(プッシャゲーム機)は、左右方向Xの幅1m程度、奥行方向Yの長さ1m程度、鉛直方向Zの高さ1m程度の装置であり、主にゲームセンタ等の店舗に設置される。
ゲーム機1は、プッシャ台16がプレイ領域Fに配置されたメダルプッシャゲーム機である。なお、プレイ領域Fとは、プッシャ台16等の装置が配置され、メダルMを移動させるプレイが実際に行われる領域をいう。
ゲーム機1は、ケース2と、メダル供給穴3と、投入メダル検出部4と、供給メダル貯留部5と、伸縮供給路6と、左右方向移動部7と、投入装置9と、カメラ14(撮像部)と、タッチパネル15と、プッシャ台16と、メダル落下穴17と、落下メダル検出部18と、払出メダル送出部20と、メダル払い出し穴22とを備えている。
【0014】
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
メダル供給穴3は、プレイヤがプレイをするためにメダルMを供給する開口穴であり、ケース2の天面2aに設けられている。メダル供給穴3に供給したメダルMは、供給管3aを滑落して、供給メダル貯留部5へと運ばれる。
投入メダル検出部4は、投入されたメダルMを検出する光学センサである。投入メダル検出部4は、供給管3aに設けられており、供給管3aを滑落するメダルMを検出する。
供給メダル貯留部5は、ケース2に対して固定された容器である。後述するように、左右方向移動貯留部9aには数十枚程度のメダルMを貯留するようになっており、供給メダル貯留部5は、それ以上供給されたメダルMを貯留する。
【0015】
伸縮供給路6は、供給メダル貯留部5のメダルMを、さらに左右方向移動貯留部9aへと運ぶ管である。伸縮供給路6は、左右方向移動貯留部9aに向けて下側Z1に傾斜しており、メダルMを滑落させて運ぶようになっている。
図3(a−2)、図3(b−2)に示すように、伸縮供給路6は、先端側(左右方向移動貯留部9a側)に至る程内径が小さくなる筒体6aが複数連なって構成されており、図3(a−1)、図3(b−1)に示すように、投入装置9の左右方向Xの移動にともない伸縮することができる。
【0016】
図2に示すように、左右方向移動部7は、投入装置9を左右方向Xに移動する移動装置である。左右方向移動部7は、レール7a,7bと、左右方向駆動モータ7cとを備えている。
レール7a,7bは、左右方向Xに平行に設けられており、ケース2に対して固定されている。
左右方向駆動モータ7cは、投入装置9を左右方向Xに移動するDCモータである。このDCモータは、回転軸に歯車(図示せず)が設けられており、この歯車が左右方向移動貯留部9aのラック(図示せず)に噛み合って、投入装置9を移動するようになっている。
【0017】
投入装置9は、左右方向移動貯留部9a(貯留部)と、投入メダル送出部9bと、投入メダル送出管9cと、メダル投入管10と、投入ベルト11(転動部)と、投入ベルト巻き取り部12(転動部変更部)と、メダル投入口13(投入部)とを備えている。
を備えている。
左右方向移動貯留部9aは、伸縮供給路6から運ばれたメダルMを貯留する容器である。左右方向移動貯留部9aは、数十枚(例えば30枚)程度のメダルMを貯留できる。つまり、プレイヤは、投入するメダルMを、数十枚程度ストックできる。左右方向移動貯留部9aは、底部に、レール7bに係合する突起9eを有している。
【0018】
投入メダル送出部9bは、左右方向移動貯留部9aのメダルMを投入メダル送出管9cに1枚ずつ送り出す装置である。
投入メダル送出管9cは、左右方向移動貯留部9a及びメダル投入管10を連結する鉛直方向Zに長い管である。投入メダル送出管9cは、内部にメダルMが充填されており、投入メダル送出部9bによってメダルMが送り出されると、メダル投入管10へと1枚ずつメダルMを送り出す。投入メダル送出管9cの奥側Y2には、レール7aに係合する枠9dが設けられている(図4(a)参照)。
【0019】
図4(a)に示すように、メダル投入管10は、手前側Y1に至る程下側Z1に緩やかに傾斜する棒状の部材である。メダル投入管10へは、投入メダル送出管9cから1枚ずつメダルMが送り出される(図4(d)参照)。メダル投入管10は、下側Z1に開口する溝10aを有し、この溝10aの開口部に投入ベルト11が配置されて管状にされる。メダル投入管10は、透明な材料(例えばアクリル等)により形成され、プレイヤが内部の投入ベルト11つまりメダル投入口13を視認できるようになっている。
投入ベルト11は、メダル投入管10から送り出されたメダルMを転がして移動するためのベルトである。投入ベルト11は、メダル投入管10の傾斜方向Aに沿って形成されたガイド溝10b(図4(c)参照)によってガイドされ、送り出し及び引き込みができるようになっている。
【0020】
投入ベルト巻き取り部12は、投入ベルト11の送り出し及び引き込みをすることによって、投入ベルト11のメダルMが転がる部分の長さを変更する。投入ベルト巻き取り部12は、投入ベルト11が巻き掛けられたローラ12a及びローラ12aを回転駆動するDCモータを備えている。投入ベルト巻き取り部12は、ローラ12aを回転駆動することにより、投入ベルト11の先端部の位置を変更し、メダル投入口13の位置を変更できる。
例えば、図3(a−1)、図4(a)は、メダル投入口13がメダル投入管10の先端に位置した状態を図示し、一方、図3(b−1)、図4(b)は、メダル投入口13がメダル投入管10のほぼ中央に位置した状態を図示している。
【0021】
メダル投入口13は、実際にメダルMをプッシャ台16へと投入する開口部である。メダル投入口13は、メダル投入管10のうち投入ベルト11の手前側Y1の先端に形成された開口部である。
【0022】
以上の構成によって、メダル投入口13は、メダルMを投入してプッシャ台16に載置するようになっている。また、投入ベルト巻き取り部12は、投入ベルト11を送り出す長さを変更して、メダル投入口13の奥行方向Yの位置を移動できるので、左右方向移動部7と比較すると簡単な構造にできる。
【0023】
図2に示すように、カメラ14は、プッシャ台16のテーブル面16c(後述する固定テーブル16a及び往復テーブル16bの上側Z2の面)を撮影して映像を取得する撮影装置である。カメラ14は、タッチパネル15よりも下側Z1に配置されている。カメラ14は、テーブル面16cのメダルMの載置状況を把握できるように、プッシャ台16のテーブル面16cの全部をカバーする視野角14aを有している。
【0024】
タッチパネル15は、表示部15aと、位置入力部15b(投入領域指定部)とを兼用する装置である。
表示部15aは、カメラ14が取得したプッシャ台16のテーブル面16cの映像をほぼ原寸大で表示する。表示部15aは、表面が手前側Y1に至る程下側Z1に傾斜するように配置されているので、プレイヤは、上側Z2から映像を視認できる。
位置入力部15bは、抵抗膜方式、静電容量方式等のパネルである。位置入力部15bは、表示部15aに積層されている。位置入力部15bは、プレイヤが指で触れると(タッチすると)、その触れた位置に対応した座標データを取得し、制御部33(図5参照)に出力するようになっている。
位置入力部15bは、面方向の左右方向X及び傾き方向Bの座標と、表示部15aに表示されているプッシャ台16のテーブル面16cの左右方向X及び奥行方向Yの位置とが対応している。このため、プレイヤがタッチパネル15に触れると、位置入力部15bは、テーブル面16cのどこを選択したかを検出できるようになっている。後述するように、投入装置9は、この触れられた位置に対応する実際のテーブル面16cの領域(図3に示すメダル投入領域C)に、メダルMを投入するようになっている。
【0025】
以上の構成によって、タッチパネル15は、プレイヤの操作に応じて、メダル投入領域Cをテーブル面16cの左右方向X及び奥行方向Yにおいて独立して指定できるので、プレイヤは、狙ったメダル投入領域Cに正確にメダルMを投入できる。
【0026】
プッシャ台16は、固定テーブル16aと、往復テーブル16bとを備えている。
固定テーブル16aは、ケース2に対して固定されたテーブルである。
往復テーブル16bは、固定テーブル16a上を奥行方向Yに往復移動するテーブルである。
固定テーブル16a及び往復テーブル16bは、プレイの進行に応じて、大量に放出されたメダルMや、投入装置9から投入されたメダルMを載置する。
【0027】
往復テーブル16b上のメダルMは、往復テーブル16bの往復移動にともなって奥壁16dに当接して、玉突現象によって手前側Y1に移動する。手前側Y1に移動して往復テーブル16bから押し出されたメダルMは、固定テーブル16aに落下して載置される。
固定テーブル16aのメダルMは、往復テーブル16bの往復移動にともなって、往復テーブル16bの手前側Y1の側面16eに当接して、玉突現象によって手前側Y1に移動する。手前側Y1に移動して固定テーブル16aから押し出されたメダルMは、メダル落下穴17に落下する。
【0028】
メダル落下穴17は、固定テーブル16aの手前側Y1に設けられた開口穴であり、プッシャ台16に押し出されたメダルMが落下する。落下したメダルMは、傾斜面17aを滑落して、落下メダル貯留部19へ導かれる。
落下メダル検出部18は、メダル落下穴17に落下したメダルMを検出する光学センサである。
落下メダル貯留部19は、メダル落下穴17に落下したメダルMを貯留する容器である。
払出メダル送出部20は、メダル払い出し穴22にメダルMを払い出す装置である。払出メダル送出部20は、落下メダル貯留部19内のメダルMを、払い出し管21に1枚ずつ送り出して、メダル払い出し穴22にメダルMを払い出す。
メダル払い出し穴22は、メダル落下穴17に落下したメダルMを払い出すために、ケース2の天面に設けられた開口穴である。
【0029】
図5は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、移動部検出部30と、ベルト位置検出部31と、記憶部32と、制御部33とを備えている。
移動部検出部30は、左右方向移動部7の左右方向Xの位置を検出することにより、メダル投入口13の左右方向Xの位置を検出する光学センサである。
ベルト位置検出部31は、投入ベルト巻き取り部12のローラ12a(図4参照)の回転位値を検出することにより、メダル投入口13の奥行方向Yの位置を検出するロータリエンコーダである。
【0030】
記憶部32は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。また、記憶部32は、プレイ時には、プレイヤが供給したメダルMの貯留数(以下「貯留メダル数n」という)を記憶している。
制御部33は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。ゲーム機1は、タッチパネル15の位置入力部15b、各検出部等の出力に応じて、左右方向移動部7、投入ベルト巻き取り部12、各駆動部等を制御する。
制御部33は、記憶部32に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0031】
図6は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
最初にステップS(以下「S」という)1において、制御部33は、投入メダル検出部4の出力に基づいて、プレイヤによってメダルMがメダル供給穴3に供給された否かを判定する。制御部33は、メダルMが供給されたと判定した場合には(S1:YES)、S2に進み、一方、メダルMが供給されていないと判定した場合には(S1:NO)、S3に進む。
なお、供給されたメダルMは、供給メダル貯留部5、伸縮供給路6を介して、左右方向移動貯留部9aに貯留される。
【0032】
S2において、制御部33は、記憶部32に記憶している貯留メダル数nを「1」だけ加算する。
S3において、制御部33は、「貯留メダル数n≧1」であるか否か、つまりメダルMが貯留されているか否かを判定する。制御部33は、「貯留メダル数n≧1」であると判定した場合には(S3:YES)、S4に進み、一方、「貯留メダル数n≧1」ではないと判定した場合には(S3:NO)、S1からの処理を繰り返す。
【0033】
S4において、制御部33は、タッチパネル15の位置入力部15bの出力に応じて、プレイヤがタッチパネル15に触れているか否かを判定する。なお、プレイヤは、タッチパネル15に表示されたテーブル面16cの映像を確認し、テーブル面16cのうちメダルMを投入したい領域の映像部分に触れればよい。
制御部33は、プレイヤがタッチパネル15に触れていると判定した場合には(S4:YES)、S5に進み、一方、触れていないと判定した場合には(S4:NO)、S1からの処理を繰り返す。
S5において、制御部33は、タッチパネル15の位置入力部15bの出力に応じて、プレイヤが触れている位置の座標を読み取って、また、その座標が実際のテーブル面16cのどの位置(左右方向X及び奥行方向Yの座標)に対応するかを算出する。
【0034】
S6において、制御部33は、左右方向移動部7を制御して、S5で算出した左右方向Xの位置にメダル投入口13を配置するように、投入装置9を移動する。また、制御部33は、投入ベルト巻き取り部12を制御して、S5で算出した奥行方向Yの位置にメダル投入口13を配置するように、投入ベルト11を駆動する。
このS6までの処理によって、左右方向移動部7及び投入ベルト巻き取り部12は、タッチパネル15の操作に応じて、メダル投入口13を、メダル投入領域Cに対応した位置に、左右方向X及び奥行方向Yに独立して移動できる。
【0035】
S7において、制御部33は、タッチパネル15の位置入力部15bの出力に応じて、プレイヤが引き続きタッチパネル15のその位置(S5で読み取った位置)に触れているか否かを判定する。制御部33は、引き続き触れていると判断した場合には(S7:YES)、S8に進み、一方、引き続き触れていないと判定した場合には(S7:NO)、S1からの処理を繰り返す。
S8において、制御部33は、投入メダル送出部9bを制御して、左右方向移動貯留部9aのメダルMを投入メダル送出管9cに1枚送り出す。これによって、投入メダル送出管9cに充填されていた先端のメダルMが、メダル投入管10へと送り出される。このメダルMは、メダル投入管10の投入ベルト11を転がって、メダル投入口13からテーブル面16cのメダル投入領域Cに投入される。
【0036】
以上S4〜S8の処理によって、ゲーム機1は、位置入力部15bへの入力からメダルMを投入するまでの動作を一連のものにできる。また、位置入力部15bは、メダル投入口13を移動するための操作部と、メダルMの投入のための操作部とを兼用するので、ゲーム機1は、構成を簡単にでき、かつ操作性を向上できる。
【0037】
なお、上記S7の処理において、プレイヤは、メダル投入口13が所望の位置に移動したと判断した場合には、タッチパネル15に引き続き触れていれば(S7:YES)、メダルMを投入できる(S8)。一方、プレイヤは、異なる位置に移動したい場合には、タッチパネル15から手を離して(S7:NO)、タッチパネル15のその異なる位置に触れ直せばよい。これにより、再度、S1から処理を経て、メダル投入口13を異なる位置に移動できる(S6)。
【0038】
S9において、制御部33は、メダル貯留数nを「1」だけ減算して、メダル貯留数nの情報を更新する。
S10において、制御部33は、「貯留メダル数n≧1」であるか否かを判定する。制御部33は、「貯留メダル数n≧1」であると判定した場合には(S10:YES)、S7からの処理を繰り返し、一方、「貯留メダル数n≧1」ではないと判定した場合には(S10:NO)、S11に進む。
【0039】
以上の処理において、制御部33は、貯留メダルnが残存し(S10:YES)、かつ、プレイヤが引き続きタッチパネル15に触れている間は(S7:YES)、S7からS10までの処理を繰り返す。これにより、制御部33は、投入メダル送出部9bを繰り返し駆動する(S8)。これにより、ゲーム機1は、プッシャ台16のプレイヤが狙った領域に、ピンポイントでかつ短時間に大量にメダルMを投入できる。
【0040】
メダルMがテーブル面16cに投入された結果、プッシャ台16上に載置されていたメダルMがメダル落下穴17に落下すると、落下メダル検出部18がこのメダルMを検出し、検出信号を制御部33に出力する。そして、制御部33は、払出メダル送出部20を制御して、メダル払い出し穴22にメダルMを払い出す。払い出されたメダルMは、プレイヤが獲得できる。
【0041】
S11において、制御部33は、プレイ終了したか否かを判定する。この判定は、所定時間(例えば10秒間等)、タッチパネル15からの出力があるか否か等に基づいて行われる。制御部33は、プレイ終了したと判定した場合には(S11:YES)、S18に進んで一連の処理を終了し、一方、プレイ終了してないと判定した場合には(S11:NO)、S1からの処理を繰り返す。
【0042】
以上説明したように、ゲーム機1は、タッチパネル15を備えるので、プレイヤは、メダル投入領域Cをテーブル面16cの2方向において精度よく指定できる。
なお、ゲーム機1は、タッチパネル15と、プッシャ台16等を備えるゲーム機本体とを一体で構成しているが、タッチパネル15とゲーム機本体とは隔離した場所に設置してもよい。プレイヤは、プッシャ台16の状態をタッチパネル15の映像によって確認できるので、これらが異なる場所に設置されていても、遠隔操作してプレイできる。
【0043】
(第2実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図7は、第2実施形態のゲーム機201の内部構造を示す左右方向Xから見た断面図である。
ゲーム機201は、タッチパネル15の代わりに、窓部215(投入領域指定部)を備えている。窓部215は、上側Z2から位置入力部215b及び透明板215cが積層して形成される。
透明板215cは、透明な材料(例えばアクリル樹脂等)により形成される。これにより、窓部215は、積層状態でテーブル面16cを外部から透過でき、プレイヤは、プッシャ台16のテーブル面16cを外部から視認できる。
位置入力部215bは、表面に触れることによってその真下のテーブル面16cのメダル投入領域Cを指定するように、座標設定されている。
【0044】
以上の構成により、ゲーム機201は、プレイヤの操作に応じて、制御部233が、第1実施形態と同様に、メダル投入領域Cの指定を受け付けてメダル投入口13を指定されたメダル投入領域Cに対応した位置に移動する。
これにより、プレイヤは、実際のテーブル面16cを視認しながら、メダル投入領域Cを指定できる。
【0045】
(第3実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態のゲーム機301の斜視図である。
ゲーム機301は、プッシャ台16を有するプレイ領域Fを、プレイヤが透明なウィンドウ325を介して、手前側Y1から視認するようになっている。
ゲーム機301は、タッチパネルの代わりに、レバー315を備えている。
レバー315は、プレイヤが左右方向X及び奥行方向Yに倒動して操作できるようになっており、操作情報を制御部333に出力する。
【0046】
ゲーム機301の動作を説明する。
制御部333は、レバー315の操作情報の出力に基づいて、第1実施形態と同様に、メダル投入領域の指定を受け付けてメダル投入口13を指定されたメダル投入領域に対応した位置に移動する。
その後、プレイヤがメダル投入穴303にメダルMを投入すると、メダル投入穴303に設けられた投入メダル検出部(図示せず)がメダルMを検出する。制御部333は、投入メダル検出部の出力に基づいて、メダル投入口13からテーブル面16cにメダルMを投入する。
【0047】
以上説明したように、ゲーム機301は、レバー315によって、テーブル面16cの左右方向X及び奥行方向Yにおけるメダル投入領域の指定を受け付けることができる。
なお、ゲーム機301は、レバー315の代わりに、方向を指定するボタン(例えば、操作されている間、メダル投入口13を左側X1、右側X2、手前側Y1、奥側Y2に移動する4つのボタン等)を備えていてもよい。
また、ゲーム機301は、第1実施形態と同様に、投入するメダルMを複数ストックできるようにしてもよい。この場合、ゲーム機301は、メダル投入口13を移動した後に、メダルMを投入するための投入ボタン等を設ければよい。
【0048】
(第4実施形態)
次に、本発明を適用したゲーム機の第4実施形態について説明する。
図9は、第4実施形態のゲーム機401の斜視図である。
ゲーム機401は、メダル投入管410が鉛直方向Zに平行に設けられている。
メダル投入管410は、駆動部(図示せず)によって、左右方向X及び奥行方向Yに移動可能である。駆動部は、XYステージ、DCモータ等を備え、メダル投入管410を移動することができる。
【0049】
メダル投入管410は、メダルMを下側Z1に向けて落下させるので、メダルMを転がすことがない。つまり、メダルMは、水平面(XY平面)方向の慣性力を有さずに、下側Z1に向けて落下する。これにより、ゲーム機401は、テーブル面16cに落下したメダルMがテーブル面16c上を転がることを防止できるので、メダルMをより正確にメダル投入領域に載置できる。
【0050】
なお、図9に示すゲーム機401は、レバー315を備えており、第3実施形態のゲーム機301と同様な形態のものを図示したが、第1実施形態のゲーム機1、第2実施形態のゲーム機201のようにタッチパネル、窓部を備える形態のものに、メダル投入管410等を設けてもよい。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0052】
1,201,301,401…ゲーム機 7…左右方向移動部 9…投入装置 9a…左右方向移動貯留部 11…投入ベルト 12…投入ベルト巻き取り部 13…メダル投入口 14…カメラ …タッチパネル15 15a…表示部 15b,215b…位置入力部 16…プッシャ台 16a…固定テーブル 16b…往復テーブル 16c…テーブル面 33…制御部 215…窓部 215c…透明板 315…レバー 410…メダル投入管 C…メダル投入領域 M…メダル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定テーブル及び前記固定テーブル上を往復移動する往復テーブルを有するプッシャ台と、
プレイヤの操作に応じて、前記プッシャ台に載置するメダルを投入する投入部と、
プレイヤの操作に応じて、前記投入部が前記プッシャ台にメダルを投入する領域であるメダル投入領域を、前記プッシャ台のテーブル面の少なくとも2方向において独立して指定する投入領域指定部と、
を備えるプッシャゲーム機。
【請求項2】
請求項1に記載のプッシャゲーム機において、
複数のメダルを貯留する貯留部を備え、
前記投入部は、前記貯留部の複数のメダルを、プレイヤの操作に応じて連続投入すること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプッシャゲーム機において、
前記プッシャ台の前記テーブル面を撮影して映像を取得する撮像部と、
前記撮像部が取得した前記プッシャ台の映像を表示する表示部と、前記表示部に触れることによって前記メダル投入領域を指定する前記投入領域指定部とを兼用するタッチパネルとを備えること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項4】
請求項3に記載のプッシャゲーム機において、
前記タッチパネルの操作に応じて前記投入部を移動する移動部と、
前記タッチパネルが触れられていると判定した場合に、前記移動部を制御して前記投入部を前記メダル投入領域に対応する位置に移動し、前記タッチパネルが継続して触れられていると判定したときに、前記投入部から前記メダル投入領域にメダルを投入する制御部とを備えること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載のプッシャゲーム機において、
前記投入領域指定部は、前記プッシャ台の前記テーブル面を透過してプレイヤに視認可能に設けられ、表面に触れることによって前記メダル投入領域を指定する窓部であること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項6】
請求項5に記載のプッシャゲーム機において、
前記窓部の操作に応じて前記投入部を移動する移動部と、
前記窓部が触れられていると判定した場合に、前記移動部を制御して前記投入部を前記メダル投入領域に対応する位置に移動し、前記窓部が継続して触れられていると判定したときに、前記投入部から前記メダル投入領域にメダルを投入する制御部とを備えること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載のプッシャゲーム機において、
前記投入領域指定部は、前記少なくとも2方向の位置を指定するレバー又はボタンを備えること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項8】
請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のプッシャゲーム機において、
前記投入領域指定部の操作に応じて、前記投入部を前記少なくとも2方向に独立して移動する移動部を備えること、
を特徴とするプッシャゲーム機。
【請求項9】
請求項8に記載のプッシャゲーム機において、
前記移動部は、
メダルを転がして移動し、その先端部に前記投入部を有する転動部と、
前記転動部の長さを変更して前記先端部の位置を変更し、前記投入部の位置を変更する転動部変更部とを備えること、
を特徴とするプッシャゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−5634(P2012−5634A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143706(P2010−143706)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)