説明

プッシュスイッチ

【課題】小型化した場合でも、操作性を保つことができるプッシュスイッチを提供する
【解決手段】複数の固定接点16を有するハウジング11と、ハウジング11に配され押圧操作に応じて固定接点16に離接する可動接点板12と、可動接点板12を押圧操作するための操作部14と、操作部14の抜け落ちを防止するカバー15と、ハウジング11に配された可動接点板12と操作部14との間に配されるシート部材13とを備え、可動接点板12は固定接点16の一部に当接して配置され、操作部14は可動接点板12を押圧可能に配置されたプッシュスイッチにおいて、操作部14は押圧操作を受ける釦部14bを有し、カバー15は開口部15dを有し、ハウジング11は押圧操作を受けた操作部14を案内する一対のガイド壁11cを有し、ガイド壁11cは固定接点16が配された領域を挟み離間して配置され、操作部14が押圧される方向に対して垂直な面において、釦部14bの一方の幅寸法と操作部14の一方の幅寸法とは同じ寸法とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横押し操作のプッシュスイッチに関し、特に、小型化した場合においても操作性のよいプッシュスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、スマートフォン等の携帯電話の側面に配置される操作スイッチとして横押し操作のプッシュスイッチが使われることが多い。スマートフォンにおいては、高機能化に伴い、限られたスペースの中により多くの部品を配置する必要がある。
【0003】
今後、スマートフォンのさらなる高機能化に伴い、より多くの部品を限られたスペースに配置するために、より小型のプッシュスイッチが求められている。
【0004】
従来のプッシュスイッチとしては、下記の特許文献1に記載のプッシュスイッチが知られている。
【0005】
以下、図10および図11を用いて、特許文献1に記載のプッシュスイッチについて説明する。図10は、プッシュスイッチSWの外観図である。図11はプッシュスイッチSWの構成を示す分解斜視図である。
【0006】
特許文献1に記載のプッシュスイッチSWは、図10および図11に示すように、前方が開口した凹部BT底面に中央固定接点CCと外側固定接点OCが露呈するようにインサート成形により固定されたスイッチ本体部SBを有すると共に、そのスイッチ本体部SBの両側面並びに後面の上部に外方に向かって突出形成された受け部CTを備え、プリント配線板の端部に形成された切り欠き部に装着される際に、スイッチ本体部SBの後部が前記切り欠き部の後端面に当接し、受け部CTの下面が前記プリント配線板の上面に当接載置可能な形状に形成された絶縁樹脂製のケースCAと、外周端部が外側固定接点OCに載せられて前記ケースの凹部BT内に収容される弾性金属薄板製のドーム状可動接点MCと、ドーム状可動接点MCをケースCAに保持し保護するシート部材STと、ドーム状可動接点MCを後端で押圧可能なようにケースCAに前後動可能に配された操作体ACと、ケースCAに取り付けられ、後面で操作体ACを保持するカバーCVと、ケースCAの凹部BTに設けられた中央固定接点CCおよび外側固定接点OCに導通した端子TRからなる。
【0007】
カバーCVは、図10に示すように、操作体ACを挿通可能な開口部OMを有しており、開口部OMの上下方向の幅寸法は、カバーCVが開口部OMを有する面の上下方向の幅寸法よりも小さく、開口部OMの左右方向の幅寸法は、カバーCVが開口部OMを有する面の左右方向の幅寸法よりも小さく形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3959916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に記載のプッシュスイッチSWは、通常に使用した場合には使用上で特に問題のないプッシュスイッチである。
【0010】
しかしながら、プッシュスイッチSWを小型化した場合に、それにあわせて開口部OMおよび操作体ACの実際に操作される操作部BTも小さくなり、操作部BTの操作面積が小さく操作性が悪くなる恐れがあった。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決して、小型化した場合でも、操作性を保つことができるプッシュスイッチを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に記載のプッシュスイッチは、複数の固定接点を有するハウジングと、前記ハウジングに配され押圧操作に応じて前記複数の固定接点に離接する可動接点板と、前記可動接点板を押圧操作するための操作部と、前記ハウジングに嵌合され前記操作部の抜け落ちを防止するカバーと、前記ハウジングに配された前記可動接点板と前記操作部との間に配されるシート部材とを備え、前記可動接点板は前記複数の固定接点の一部に当接して配置され、前記操作部は前記可動接点板を押圧可能に配置され、前記操作部は基部と、その基部に外部から押圧操作を受ける釦部とを有し、前記カバーは前記釦部を挿通可能な開口部を有したプッシュスイッチにおいて、前記ハウジングは外部からの操作を受けて移動する前記操作部を案内する一対のガイド壁を有し、前記ガイド壁は前記複数の固定接点が配された領域を挟み離間して配置され、前記操作部が押圧される方向に対して垂直な面において、前記釦部の一方の幅寸法が前記基部の一方の幅寸法と実質的に同じ寸法である、という特徴を有する。
【0013】
請求項2に記載のプッシュスイッチは、前記カバーは前記開口部が設けられた前面板を有し、前記前面板は前記開口部により分割されている、という特徴を有する。
【0014】
請求項3に記載のプッシュスイッチは、前記ハウジングおよび前記カバーによって形成される空間内に配置された前記操作部、前記シート部材および前記可動接点板は、ある対向する2方向の外部を前記カバーにより覆われ、別の対向する2方向の外部を前記ガイド壁により覆われている、という特徴を有する。
【0015】
請求項4に記載のプッシュスイッチは、前記基部を前記釦部が突出している面側から見たときに、前記基部の四隅にはそれぞれ面取り形状に形成された傾斜面を有しており、前記傾斜面に対応する前記ガイド壁の面には前記傾斜面を案内する案内部がそれぞれ形成されている、という特徴を有する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、釦部の一方の幅寸法と操作部の一方の幅寸法とを同じ寸法としたことで、釦部の大きさを大きく取ることができ、製品を小型化した場合であっても操作性を保つことができる、という効果を奏する。
【0017】
請求項2の発明によれば、開口部の一方の幅寸法とカバーの一方の幅寸法とを同じ寸法にすることで、従来は配置できなかった領域にまで操作部を配置する事が可能となり、釦部の大きさをより大きく取ることができ、製品を小型化した場合であっても操作性をより確実に保つことができる、という効果を奏する。
【0018】
請求項3の発明によれば、従来のプッシュスイッチにおいて操作部、シート部材および可動接点板の周囲はハウジングによって全周囲まれていたが、本発明のプッシュスイッチにおいては、ハウジング内にカバーによって一体に配置された操作部、シート部材および可動接点板を、一方の幅方向はカバーにより外部を覆われ、他方の幅方向はガイド壁により外部を覆うことで、ハウジングの上下方向の寸法を小さくし、従来の構造と同等の防塵性を有する小型化のプッシュスイッチを提供することが可能となる、という効果を奏する。
【0019】
請求項4の発明によれば、操作部に設けた傾斜面部を、ガイド壁に設けた案内部で案内することで、操作部の動きはスムーズになり、小型化しても操作性の良いプッシュスイッチを提供することが可能となる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】プッシュスイッチ1の構成部品を示す分解斜視図である。
【図2】プッシュスイッチ1の前面を示す図である。
【図3】プッシュスイッチ1の後面を示す図である。
【図4】ハウジング11を示す図である。
【図5】可動接点板12を示す図である。
【図6】シート部材13を示す図である。
【図7】操作部14を示す図である。
【図8】カバー15を示す図である。
【図9】プッシュスイッチ1の動作を示す図である。
【図10】プッシュスイッチSWの外観図である。
【図11】プッシュスイッチSWの構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下に第1実施形態におけるプッシュスイッチ1について説明する。
【0022】
まず始めに本実施形態におけるプッシュスイッチ1の構成について図1ないし図3を用いて説明する。図1はプッシュスイッチ1の構成部品を示す分解斜視図である。図2はプッシュスイッチ1の前面を示す図である。図3はプッシュスイッチ1の背面を示す図である。
【0023】
プッシュスイッチ1は、図1に示すように、複数の固定接点16を有するハウジング11と、ハウジング11に配され押圧操作に応じて複数の固定接点16に離接する可動接点板12と、可動接点板12を固定接点16と離説可能な状態でハウジング11に保持するシート部材13と、ハウジング11の前方側から一部が突出するように配され、押圧操作により可動接点板12を可動させるための操作体14と、ハウジング11に嵌合され操作体14の抜け落ちを防止するカバー15とを備えている。
【0024】
プッシュスイッチ1は、図2および図3に示すように、電気製品の基板BOに設けられた切り欠き部SLにハウジング11の下方側の一部が配置可能であって、操作体14がハウジング11の前方側から後方側へ向けての方向(矢印A方向)に移動可能としたプッシュスイッチである。なお、基板BOの形状は説明のために簡略に示したものであり、各種の電気製品に応じてその形状は変わるものである。
【0025】
次に、構成部品について、図4ないし図8を用いて説明する。図4はハウジング11を示す図であり、図4(a)はハウジング11の前方側を示す図であり、図4(b)はハウジング11の後方側を示す図である。図5は可動接点板12を示す図であり、図5(a)は可動接点板12の斜視図であり、図5(b)は可動接点板12の側面を表わす図である。図6はシート部材部材13を示す図である。図7は操作部14を示す図であり、図7(a)は操作部14の前方側を示す図であり、図7(b)は操作部14の後方側を示す図である。図8はカバー15を示す図であり、図8(a)はカバー15の上方側を示す図であり、図8(b)はカバー15の下方側を示す図である。
【0026】
ハウジング11は、図4に示すように、合成樹脂材からなり、略直方体形状に形成されている。また、ハウジング11は、基台部11aを有しており、インサート成形により、その一部をハウジング11の表面から露出する固定接点16が基台部11aと一体に形成されている。また、固定接点16は金属板からなっている。
【0027】
基台部11aの前面の中央には略楕円形の凹状に形成され可動接点板12を配置可能な可動接点板12の配置部11bが設けられ、配置部11bの中央には固定接点16の一部である第1固定接点16aが露出して設けられており、配置部11bの左右端には固定接点16の一部であり第1固定接点16aと電気的な接続が無い第2固定接点16bが露出して設けられている。
【0028】
基台部11aの前方上側の左右端には、ハウジング11と一体に形成された第2固定接点16bの一部を左右方向に嵌合部11eに対応する位置まで延長して形成された補強片16cがハウジング11の外方まで露出して設けられている。
【0029】
基台部11aの前面には、操作部14の動作をガイドするガイド壁11cが、配置部11bを挟んで左右両側に、基台部11aに対して垂直にかつ前方向へ突出してそれぞれ形成されている。配置部11bに臨む側のガイド壁11cの面には操作部14の形状に対応した形状に形成された案内部11dがそれぞれ形成されている。
【0030】
また、補強片16cが設けられた位置に対応する基台部11aの後面の位置には、図4(b)に示すように、カバー15と嵌合する嵌合部11eが設けられており、嵌合部11eは、ハウジング11の上方側から下方側への方向に沿って形成された平坦な面である嵌合面11fと、ハウジング11の上方側から下方側への方向に沿って形成された平坦な面であるガイド面11gとを有し、嵌合面11fは後方に臨んで形成され、ガイド面11gは嵌合面11fに連続した面であり、嵌合面11fに対して前方へ傾斜して形成されている。
【0031】
ハウジング11の後方側には金属板からなり外部と電気的な接続が可能な第1端子16dと第2端子16eとが設けられている。第1端子16dと第2端子16eとは左右方向に並び、後方に突出するように形成されている。
【0032】
第1端子16dは第1固定接点16aの一部を延設して形成され、第2端子16eは第2固定接点16bの一部を延設して形成されている。
【0033】
可動接点板12は、図5(a)および図5(b)に示すように、金属板からなり略楕円形のドーム形状に形成されている。ドーム形状に形成された可動接点部12aは、可動接点部12aが突出している方向から押圧されると押圧される方向へ撓んだ後に反転し、押圧を解除すると押圧前の形状に戻る。
【0034】
シート部材13は、図6に示すように、可撓性を有した合成樹脂材料からなり、シート状に形成されている。シート部材13の外形は略八角形に形成されるとともに、一方の面には接着剤が塗布された粘着面13aが形成されている。
【0035】
操作部14は、図7(a)および図7(b)に示すように、合成樹脂材料から形成されている。操作部14は板状に形成された基部14aと、基部14aの一方の面から柱状に突出して形成され外部から押圧操作を受ける釦部14bとを有する。釦部14bの上下方向の幅寸法が基部14aの上下方向の幅寸法と実質的に同じ寸法に形成されている。
【0036】
操作部14を前方側から見たとき、基部14aは略八角形に形成されており、操作部14の基部14aの四隅にはそれぞれ面取り形状に形成された傾斜面14cを有している。
【0037】
基部14aの他方の面の中心には可動接点板12の可動接点部12aを押圧可能な凸部14dが形成されている。凸部14dは基部14aから離れる方向へ突出した円錐の先端を切り取ったような形状に形成されている。
【0038】
カバー15は、図8(a)および図8(b)に示すように、金属板を板金加工して形成されている。カバー15は略長方形状に形成された前面板15aと、前面板15aの上下から前面板15aに対して垂直に同じ方向(後方向)へ延設された保護壁15bと、前面板15aの左右から前面板15aに対して垂直に保護壁15bと同じ方向へ延設された側壁15cと、を有する。
【0039】
また、カバー15の前面板15aは釦部14bを挿通可能な開口部15dを有している。開口部15dの上下方向の幅寸法は前面板15aの上下方向の幅寸法と同じ寸法まで拡げており、前面板15aは開口部15dにより分割されている。
【0040】
保護壁15bは、保護壁15bの後側端面の左右端から後方向へ延設された延設部15eを有し、延設部15eの先端にはそれぞれ左右方向の外側に向かって突出して設けられハウジング11の嵌合部11eと嵌合する嵌合片15fを有する。
【0041】
側壁15cは基板BO(図2参照)に取り付けるときに半田付けされる半田付け部15gをそれぞれ有し、半田付け部15gは側壁15cの下方端部を側壁15cに対して垂直にカバー15の内側へ折り曲げて形成されている。
【0042】
また、半田付け部15gを含むカバー15の下側の領域には金メッキが施されている。
【0043】
次にプッシュスイッチ1の構造について図1および図2を用いて説明する。
【0044】
図1に示すように、可動接点板12を2枚重ね、ハウジング11の配置部11bに配置する。このとき、可動接点板12は可動接点部12aをハウジング11に設けられた固定接点16から遠ざかる方向に向けて配置され、第2固定接点16bと電気的に接続される。
【0045】
シート部材13は、粘着面13aを可動接点板12に向けて可動接点板12に重ねて配置されるとともに、粘着面13aの一部をハウジング11の基台部11aに接着し、可動接点板12をハウジング11に保持する。
【0046】
操作部14は凸部14d(図7参照)がシート部材13に当接するように、シート部材13に重ねて配置される。このとき、操作部14の傾斜面14cは、それぞれに対応するガイド壁11cの案内部11dによって案内され、案内部11dに沿って移動可能に配置される。また、釦部14bは、ハウジング11の案内部11dから前方側に突出するように配置される
【0047】
カバー15は、保護壁15bと側壁15cとに囲まれた領域にハウジング11のガイド壁11cを挿入するようにハウジング11に重ねて配置される。このとき、操作部14の釦部14bはカバー15の開口部15dに挿通され、外部に露出した状態でハウジング11の前方側に配置される。
【0048】
ハウジング11に重ねて配置されたカバー15の嵌合片15fをかしめて嵌合面11fと嵌合片15fとが係合することで、カバー15はハウジング11に嵌合し、図2に示すようなプッシュスイッチ1となる。
【0049】
これにより、ハウジング11内にカバー15によって一体に配置された操作部14、シート部材13および可動接点板12は、一方の幅方向(上下方向)はカバー15により外部を覆われ、他方の幅方向(左右方向)はガイド壁11cにより外部を覆われている。
【0050】
また、開口部15dの上下方向の幅寸法がカバー15の上下方向の幅寸法と同じ寸法まで拡げられるとともに、釦部14bの上下方向の寸法が操作部14の上下方向の寸法と同じ寸法まで拡げられ、操作部14の上下方向の寸法は、外部からの押圧操作にともなった移動の妨げにならない範囲で最大限まで拡げられている。
【0051】
次に、プッシュスイッチ1の動作について、図9を用いて説明する。図9はプッシュスイッチ1の動作を示す図であり、図9(a)は操作前のプッシュスイッチ1の状態を示す図であり、図9(b)は操作後のプッシュスイッチ1の状態を示す図である。なお、説明を容易にするため、図9においては可動接点ばね12は1つのみの記載としている。
【0052】
図9(a)に示すように、矢印B方向に操作部14の釦部14bを押圧すると、操作部14は矢印B方向に移動する。矢印B方向に移動した操作部14は、図9(b)に示すように、凸部14dをシート部材13に当接し、シート部材13を介して可動接点板12を押圧する。押圧された可動接点板12は可動接点部12aが押圧された方向に撓み、第1固定接点16aに当接する。
【0053】
押圧された可動接点板12が第1固定接点16aに当接することで、可動接点板12を介して第1固定接点16aと第2固定接点16bとの間が電気的に導通する。また、操作部14への押圧操作が解除されると、可動接点板12の弾性力により操作部14、シート部材13および可動接点板12は押圧される前の位置に戻り、第1固定接点16aと第2固定接点16bとの間の電気的な導通が解除される。このようにして第1固定接点16aと第2固定接点16bとの間の電気的な導通を切り替えることでスイッチ機能が得られる。
【0054】
次に、プッシュスイッチ1の電気製品の基板BOへの取付について図11を用いて説明する。図11はプッシュスイッチ1の電気製品の基板BOへの取付方法を説明する図であり、図11(a)はプッシュスイッチ1を基板BOに取付する前の状態を示す図であり、図11(b)はプッシュスイッチ1を基板BOに取付した状態を示す図である。
【0055】
基板BOには、図11(a)に示すように、金属箔からなりプッシュスイッチ1を基板に保持するための第1ランド部LN1と、金属箔からなりプッシュスイッチ1と電気的な接続をする第2ランド部LN2と、凹形状に切りかかれた切り欠き部SLとが形成されている。
【0056】
プッシュスイッチ1は、図11(b)に示すように、切り欠き部SL(図11(a)参照)内にハウジング11の下方側の一部を挿入して配置される。このとき、第1ランド部LN1上にはカバー15に設けられた半田付け部15gが配置され、一方の第2ランド部LN2上には第1端子16dが配置され、他方の第2ランド部LN2には第2端子16eが配置されている。
【0057】
このように配置されたハンダ付け部15h、第1端子16dおよび第2端子16eをそれぞれ対応する第1ランド部LN1または第2ランド部LN2に半田付けすることで、プッシュスイッチ1は基板BO上に固定されるとともに、基板BOと電気的に接続される。
【0058】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0059】
本実施形態のプッシュスイッチ1では、複数の固定接点16を有するハウジング11と、ハウジング11に配され押圧操作に応じて複数の固定接点16に離接する可動接点板12と、可動接点板12を押圧操作するための操作部14と、ハウジング11に嵌合され操作部14の抜け落ちを防止するカバー15と、ハウジング11に配された可動接点板12と操作部14との間に配されるシート部材13とを備え、可動接点板12は前記複数の固定接点16の一部に当接して配置され、操作部14は可動接点板12を押圧可能に配置され、操作部14は基部14aと、その基部14aに外部から押圧操作を受ける釦部14bとを有し、カバー15は釦部14bを挿通可能な開口部15dを有したプッシュスイッチにおいて、ハウジング11は外部からの操作を受けて移動する操作部14を案内する一対のガイド壁11cを有し、ガイド壁11cは複数の固定接点16が配された領域の他方の幅方向の外側に離間して配置され、釦部14bの一方の幅寸法が基部14aの一方の幅寸法と実質的に同じ寸法である、構造とした。
【0060】
これにより、釦部14bの上下方向の幅寸法と操作部14の上下方向の幅寸法とを同じ寸法としたことで、釦部14bの大きさを大きくすることができ、製品を小型化した場合であっても操作性を保つことができる、という効果を奏する。
【0061】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、カバー15は開口部15dが設けられた前面板15aを有し、前面板15aは開口部15dにより2分割されている、構造とした。
【0062】
これにより、開口部15dの上下方向の幅寸法とカバー15の上下方向の幅寸法とを同じ寸法にすることで、従来は配置できなかった領域にまで操作部14を配置する事が可能となり、釦部14bの大きさをより大きく取ることができ、製品を小型化した場合であっても操作性をより確実に保つことができる、という効果を奏する。
【0063】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、ハウジング11およびカバー15によって形成される空間内に配置された操作部14、シート部材13および可動接点板12は、ある対向する2方向の外部をカバー15により覆われ、別の対向する2方向の外部をガイド壁11cにより覆われている、構造とした。
【0064】
これにより、従来のプッシュスイッチにおいて操作部、シート部材および可動接点板の周囲はハウジングによって全周囲まれていたが、プッシュスイッチ1においては、ハウジング11内に配置された操作部14、シート部材13および可動接点板12を、上下方向はカバー15により外部を覆われ、左右方向はガイド壁11cにより外部を覆うことで、ハウジング11の上下方向の寸法を小さくし、従来の構造と同等の防塵性を有する小型化のプッシュスイッチを提供することが可能となる、という効果を奏する。
【0065】
また、本実施形態のプッシュスイッチ1では、釦部14bが突出して形成される基部14aを有し、基部14aを釦部14bが突出している面側から見たときに、基部14aの四隅にはそれぞれ面取り形状に形成された傾斜面14cを有しており、傾斜面14cに対応するガイド壁11cの面には傾斜面14cを案内する案内部11dがそれぞれ形成されている、構造とした。
【0066】
これにより、操作部に設けた傾斜面14cを、ガイド壁11cに設けた案内部11dで案内することで、操作部14の動きはスムーズになり、小型化しても操作性の良いプッシュスイッチを提供することが出来る、という効果を奏する。
【0067】
以上のように、本発明の実施形態に係るプッシュスイッチを具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0068】
(1)本実施形態において、可動接点板12を2枚重ねて使用する構造としたが、配置可能な範囲で可動接点板12の枚数は必要に応じて変更しても良い。
【0069】
(2)本実施形態において、半田付け部15gを含むカバー15の下側の領域に金メッキを施したが、半田付け部15gのみに施すなど金メッキを施す範囲を狭めても良い。これによりコストを削減することができる。
【0070】
(3)本実施形態において、可動接点板12は略楕円形状に形成されているが、円形に形成されているものでも良い。
【符号の説明】
【0071】
1 プッシュスイッチ1
11 ハウジング
11a 基台部
11b 配置部
11c ガイド壁
11d 案内部
11e 嵌合部
11f 嵌合面
11g ガイド面
12 可動接点板
12a 可動接点部
13 シート部材
13a 粘着面
14 操作部
14a 基部
14b 釦部
14c 傾斜面
14d 凸部
15 カバー
15a 前面板
15b 保護壁
15c 側壁
15d 開口部
15e 延設部
15f 嵌合片
15g 半田付け部
16 固定接点
16a 第1固定接点
16b 第2固定接点
16c 補強片
16d 第1端子
16e 第2端子


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の固定接点を有するハウジングと、前記ハウジングに配され押圧操作に応じて前記複数の固定接点に離接する可動接点板と、前記可動接点板を押圧操作するための操作部と、前記ハウジングに嵌合され前記操作部の抜け落ちを防止するカバーと、前記ハウジングに配された前記可動接点板と前記操作部との間に配されるシート部材とを備え、前記可動接点板は前記複数の固定接点の一部に当接して配置され、前記操作部は前記可動接点板を押圧可能に配置され、前記操作部は基部と、その基部に外部から押圧操作を受ける釦部とを有し、前記カバーは前記釦部を挿通可能な開口部を有したプッシュスイッチにおいて、
前記ハウジングは外部からの操作を受けて移動する前記操作部を案内する一対のガイド壁を有し、前記ガイド壁は前記複数の固定接点が配された領域を挟み離間して配置され、
前記操作部が押圧される方向に対して垂直な面において、前記釦部の一方の幅寸法が前記基部の一方の幅寸法と実質的に同じ寸法であることを特徴とするプッシュスイッチ。
【請求項2】
前記カバーは前記開口部が設けられた前面板を有し、前記前面板は前記開口部により分割されていることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ。
【請求項3】
前記ハウジングおよび前記カバーによって形成される空間内に配置された前記操作部、前記シート部材および前記可動接点板は、ある対向する2方向の外部を前記カバーにより覆われ、別の対向する2方向の外部を前記ガイド壁により覆われていることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ。
【請求項4】
前記操作部は、前記基部を前記釦部が突出している面側から見たときに、前記基部の四隅にはそれぞれ面取り形状に形成された傾斜面を有しており、前記傾斜面に対応する前記ガイド壁の面には前記傾斜面を案内する案内部がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプッシュスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−73904(P2013−73904A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214292(P2011−214292)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】