プライマーレスの統合型多層塗装
電着被覆層上にプライマー層を含まない多層塗装系。プライマー層がないときでさえ、電着被覆層は、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、及びアルミニウム顔料の少なくとも2つ、またはあらゆるそれらの混合物を有するUV遮断組成物を含有するベースコート層によって、紫外光から保護される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
典型的な自動車の塗装過程において、多くの被覆層がある。それぞれの被覆層は、塗装系にある特性を付与するように設計される。下地は、電着(ED)被覆で最初に塗装される。ED被覆は、腐食の制御のために使用される。ED被覆の上に、プライマー/サーフェーサー塗料が適用される。プライマーは、太陽光の紫外(UV)線がED層に達するのを遮断するために必要である。プライマー層の上に、1層以上のベースコート層が適用される。ベースコートは、下地に対して所望の色を与える。ベースコート層の上に、1層以上のクリアコート層が適用される。クリアコートは、ベースコートに対して、耐引掻性、耐損傷性、環境保護、光沢、像の明瞭さ(DOI)を与える。典型的な塗装過程は、図1に図示される。
【0002】
ED被覆は、一般的に、耐UV性を有さない。UV光がED被覆層と反応した場合、ED被覆層は劣化し、かつ全体の塗装系は下地から離層しうる。この問題は、ED被覆が最初に使用された時に起こった。ベースコート層はUV光がED被覆に達するのを遮断しなかった。プライマーは、ED被覆を保護するために、かつかかる層間剥離を防ぐために添加された。
【0003】
ED被覆を保護するために、典型的には、プライマーは、プライマーを通して透過するUV光(電磁放射線)の割合を290〜360nmで0.1%未満の透過率まで、かつ400nmで0.5%未満の透過率まで減少させるために、少なくとも1mil(25.4μm)であることが必要である。0.5mil(12.7μm)またはそれ未満の膜厚において、10%より多いUV光が、プライマー層を透過しうる。
【0004】
プライマーはED被覆を保護するために必要であるが、プライマーの使用は、多層塗装の形成のための費用を付加する。まず、プライマー材料の費用があり、及びUV保護を提供するために必要な、UV遮断材料またはUV吸収材料の総額がある。同様に、硬化段階は、ベースコート層が適用されうる前にプライマーを硬化させる必要があり、かつ硬化段階は、エネルギー大気を消費する。同様に、プライマーのための適用システムの資本経費があり、該システムはプライマーの準備用荷台、適用ブース、プライマーの硬化炉、及びプライマー砂、並びに検査荷台を含む。このことは、塗装工程の付加的な空間を要求する。同様に、プライマーは、一般に溶剤を基礎とする材料であり、かつプライマーの使用は、塗装過程から放出される揮発性有機化合物(VOC)の量を増加する。
【0005】
塗装系からプライマーを排除してもなお、ED被覆にUV保護を提供することが望ましい。
【0006】
多層塗装は、
a)下地上に電着被覆層を有し、
b)電着被覆層上に少なくとも1つの第一ベースコート層を有し、
c)第一ベースコート層上に少なくとも1つの第二ベースコート層を有し、
d)第二ベースコート層上に少なくとも1つのクリアコート層を有し、その際、
電着被覆層と第一ベースコート層との間にプライマー層が存在せず、かつ第一ベースコート層が、0.6mil(15.2μm)以下の厚さであり、かつ第一ベースコート層が、第一ベースコート層に達する紫外光の0.5%未満が第一ベースコート層を通って電着被覆層に至るような紫外光透過率を有する。
【0007】
図1は、従来の塗装過程の概略図である。
【0008】
図2は、プライマーレスの3ウェットの統合型の塗装法の概略図である。
【0009】
図3は、実施例1に従ってUV遮断組成物を用いて、及び用いずに製造された暗灰色のプライマーの種々の波長での紫外光の%透過率の比較グラフである。UV遮断組成物を用いる実施例は、0.3mil(7.6μm)の膜厚で比較され、そして用いない実施例は、0.5mil(12.7μm)の膜厚、及び1mil(25.4μm)の膜厚で80%の隠蔽で製造され、290〜360nmで0.1%の透過率、及び400nmで0.1%未満の透過率が得られる。
【0010】
図4は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造された、UV遮断組成物を用いた、及び用いないSilver Frostベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表である。
【0011】
図5は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造された、UV遮断組成物を用いた、及び用いないArizona Beigeベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表である。
【0012】
図6は、UV遮断組成物を用いたGreenベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフである。
【0013】
全体を通して用いられるように、範囲は、範囲内にあるそれぞれの値及びすべての値の記述のための省略表現として使用される。範囲内のあらゆる値が、範囲の限界として選択されうる。使用される場合に、"少なくとも1つの"という語句は、いずれか1つの個別の要素の選択、もしくはあらゆる要素の組合せを言う。"及び"もしくは"または"の接続は、要素の並記として使用されうるが、しかし"少なくとも1つの"という語句が正文である。例えば、A、B、及びCの少なくとも1つは、A単独か、B単独か、C単独か、AとBか、BとCか、AとCか、AとBとCの省略表現である。
【0014】
プライマー層を含まない多層塗装系が提供される。多層塗装は、下地上に電着(ED)被覆層を有し、電着被覆層上に少なくとも1つの第一ベースコート層を有し、第一ベースコート層上に少なくとも1つの第二ベースコート層を有し、第二ベースコート層上に少なくとも1つのクリアコート層を有する。一実施態様においては、ただ1つの第一ベースコート層だけが存在する。2つの第二ベースコート層は、時として、鮮明な色の効果を与える濃い色の発色のために使用されることがある。
【0015】
ED層のためのUV保護は、第一ベースコート層によって与えられる。第一ベースコート層はUV遮断組成物を含有する。UV遮断組成物は、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、及びアルミニウム顔料の少なくとも2つ、もしくはあらゆるそれらの組合せを含有する。
【0016】
UV遮断組成物を含むことで、第一ベースコート層を、第一ベースコートを通ってED層へのUV光の透過から遮断することが可能となる。第一ベースコート層は、可視光線のスペクトルを通して紫外線の範囲(すなわち、290〜450nmの範囲)で開始する光の透過を減少しうる。第一ベースコート層がUV光を遮断しうるので、2%未満のUV光しか第一ベースコート層を透過しない。様々な実施態様は、1%未満から0.05%未満の範囲のUV光の透過を提供する。
【0017】
UV透過率の減少は、プライマー被覆層よりも薄い被覆で達成されうる。通常のプライマーは、少なくとも1mil(25.4μm)の厚さである。第一ベースコート層は、1mil(25.4μm)未満の厚さでUV遮断を提供する。一実施態様では、その厚さは、0.6mil(15.2μm)未満、もしくは0.5mil(12.7μm)未満、もしくは0.4mil(10.2μm)未満である。一実施態様では、その厚さは、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)である。できるだけ最も薄い膜を使用することが所望される。これは、要求される塗料の量を減少し、そして多層塗装の全体の費用を減少する。
【0018】
第一ベースコート層は、UV遮断組成物に加えて結合剤を含有する。自動車塗装の結合剤として使用されうるあらゆる結合剤を、第一ベースコート層に使用できる。ベースコート組成物に有用である当該技術分野で知られるポリマーは、アクリル、ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド、ポリエポキシ、及びポリシロキサン、並びに前記の樹脂系の変性された樹脂またはそれらの組合せを含む。所望されるポリマーは、アクリル及びポリウレタンを含む。本発明の一実施態様では、ベースコート組成物は、カルバメート官能性アクリルポリマーも利用する。ベースコートポリマーは、熱可塑性であってよいが、しかし有利には、架橋性(すなわち熱硬化性)であり、1つ以上の架橋性官能基の種類を有する。かかる基は、これらに制限されないが、ヒドロキシ基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。それらの基は、一般に高温で、所望される硬化条件下の架橋反応のために遮断されず、及び有効であるように、遮蔽または遮断されていてよい。有用な架橋性官能基は、これらに制限されないが、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、酸基、無水物基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。一実施態様では、結合剤は、モノマーまたはポリマーのメラミンと架橋された、ヒドロキシポリエステルポリマーとヒドロキシアクリルポリマーのブレンドである。
【0019】
UV遮断剤として使用される顔料は、顔料と結合剤との質量比0.30〜0.50で利用される。固形塗料の全質量に対する総顔料濃度は、10.0〜18.0質量%である。
【0020】
カーボンブラックは、塗料組成物として使用されるあらゆるカーボンブラック顔料であってよい。カーボンブラックは、所望の紫外光透過率の減少を提供する量で他の含量と組合せて使用される場合に、第一ベースコート被覆に存在する。カーボンブラックは、0質量%〜約10質量%の顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在していてよい。一実施態様では、カーボンブラックは、約0.05〜約1.0質量%の顔料固形分の量で利用される(暗灰色顔料の製造を参照)。硬化した被覆においては、カーボンブラックは、約0.05〜約5.0質量%の硬化した被覆、もしくは約0.05〜約1.0質量%の硬化した被覆、もしくは約0.22〜約5.0質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0021】
酸化鉄は、塗料組成物のために使用されるあらゆる酸化鉄顔料であってよい。酸化鉄の例は、これらに制限されないが、SICOTRANSTM RED L2818べんがら、KROMATM RED R03097、SICOTRANSTM yellow 1916鉄黄、MAPICOTM low 1050鉄黄を含む。いくつかの実施態様では、べんがらは、鉄黄よりもよく機能する。酸化鉄は、他の顔料と組合せて使用する場合に、所望の紫外光透過率の減少を提供する量で第一ベースコート塗料組成物中に存在する。一実施態様では、酸化鉄は、約5質量%〜約70質量%で顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在する。硬化した被覆において、酸化鉄は、約0.5〜約20質量%の硬化した被覆、もしくは約5〜約10質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0022】
二酸化チタンは、塗料組成物として使用されるあらゆる二酸化チタン顔料であってよい。二酸化チタンの例は、これらに制限されないが、TI−PureTM R−706二酸化チタン、及びMicroTM MT 500SA二酸化チタンを含む。二酸化チタンは、他の顔料と組合せて使用する場合に、所望の紫外光透過率の減少を提供する任意の量で第一ベースコート組成物中に存在する。一実施態様では、二酸化チタンは、約5質量%〜約75質量%の顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在する。硬化した被覆において、二酸化チタンは、約5〜40質量%の硬化した被覆、もしくは約20〜30質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0023】
効果的なアルミニウム顔料は、UV光を遮断しうるものである。コーンフレーク型のアルミニウム顔料は、1ドル銀貨型のアルミニウム顔料よりもよく機能する。アルミニウム顔料の例は、これらに制限されないが、STAPA Metallic 801 Ecart、TOYO aluminum 8160N−AR、STAPA 1515nl Ecart、STAPA Ecart、STAPA Metallux 2156 Ecart、及びSDS 8−335 Aluminumを含む。
【0024】
場合により、アルミニウム顔料を、塗装してよい。アルミニウム顔料は、他の顔料と組合せて使用する場合に、所望の紫外光透過率の減少を提供する任意の量で第一ベースコート組成物中に存在する。一実施態様では、アルミニウム顔料は、約1.0質量%〜約70質量%の顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在する。硬化した被覆において、アルミニウム顔料は、約3.0〜約20.0質量%の硬化した被覆、もしくは約5〜約20質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0025】
UV遮断パッケージは、第一ベースコート層の色の基準、並びに0.3milの膜構成で290〜450nmの範囲で測定されたUV光及び可視光の遮断能力の適合に必要とされる顔料の種類を基礎とする。
【0026】
電着被覆組成物は、自動車用塗料として使用されるあらゆる電着被覆組成物であってよい。電着被覆組成物の制限されることのない例として、BASFによって販売される、CATHOGUARD(登録商標)電着被覆組成物、例えばCATHOGUARD(登録商標)500を含む。
【0027】
第一ベースコート、もしくは第二ベースコートのために使用されるベースコート組成物は、自動車用塗料のために使用されるあらゆるベースコート組成物であってよい。一実施態様では、ベースコート組成物は、液体ベースコート組成物であり、その液体組成物の種類は、溶剤系組成物である。他の実施態様では、ベースコート組成物は、粉末ベースコート組成物である。ベースコート組成物は、結合剤、及び多重塗装系に所望の色を与えるための少なくとも1つの顔料を含む。第二ベースコート組成物に使用されうる結合剤は、これらに制限されないが、第一ベースコート組成物で前記された物を含む。ベースコート組成物において、有用な当該技術分野で知られるポリマーは、アクリル、ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド、ポリエポキシ、及びポリシロキサンを含む。所望されうるポリマーは、アクリル、ポリウレタン、及びカルバメート官能性アクリルポリマーを含む。ベースコートポリマーは、熱可塑性であってよいが、しかし有利には、架橋性(すなわち熱硬化性)であり、1つ以上の種類の架橋性官能基を有する。かかる基は、例えば、ヒドロキシ基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。それらの基は、一般に高温で、所望される硬化条件下の架橋反応のために遮断されず、及び有効であるように、遮蔽または遮断されていてよい。有用な架橋性官能基は、ヒドロキシ基、アミン基、エポキシ基、酸基、無水物基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。
【0028】
ベースコート組成物に使用される顔料は、所望の色および/または効果を与えるための自動車用塗料に使用されるあらゆる顔料を含む。
【0029】
クリアコート組成物は、自動車用塗料として使用されるあらゆるクリアコート組成物であってよい。一実施態様では、クリアコートは、以下の物を基礎として製造できる:ヒドロキシアクリル、及び、またはポリエステルカルバメートアクリル、及び/または2つの官能基のポリエステルの組合せ、エポキシ、ハイブリッドとして当該技術分野で知られているブロックトイソシアネート系、及びシラン。それらは、2成分系または1成分系であってよい。クリアコート組成物の例は、これらに制限されないが、次のBASFのクリアコート組成物を含む:UNIGLOSSTM、DURAGLOSSTM、STARGLOSSTM、UREGLOSSTM、EVERGLOSSTM、PROGLOSSTM、TWINGLOSSTM、SLURRYGLOSSTM、CLEANGLOSSTM。
【0030】
一実施態様では、ベースコート組成物及びクリアコート組成物は、ハイソリッドの溶剤系組成物である。一実施態様では、ベースコート組成物は約48〜約52%の不揮発物含分があり、及びクリアコート組成物は、約52〜約54%の不揮発物含分がある。
【0031】
あらゆる塗料組成物は、塗装の種類に対して典型的に添加されるあらゆる添加剤を含みうる。塗料添加剤の例は、これらに制限されないが、界面活性剤、顔料、充填剤、安定剤、湿潤剤、分散剤、定着剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、pH剤、及び増粘剤、並びにそれら添加剤のあらゆる混合物を含む。
【0032】
第一ベースコート層は、多層塗装の発色の始まりとなりうる。一実施態様では、第一ベースコートの色は、Arizona Beigeであり、Fordの仕様書M6985によって定義される。この色の着色によって、あらゆる色素を、第二ベースコートのために使用することができる。他の実施態様では、UV遮断組成物を、顔料を含まないベースコート組成物へ添加してよい。
【0033】
一実施態様において、同じ組成物を、第一ベースコート及び、第二ベースコートのために使用できる。このことは、2つの異なった組成物の貯蔵の必要性を排除しうる。UV遮断組成物を、ラインにおいて第二ベースコート組成物と混合して、第一ベースコート組成物を形成することができる。
【0034】
UV遮断パッケージを調合型のプライマーに添加することができ、いくつかの充填剤顔料を除去し、これとUV遮断顔料とを置き換えることによって、同様のUV光遮断特性を達成することができる。
【0035】
多層塗装は、次の工程によって形成されうる。下地上に電着被覆を提供するか、または電着塗料組成物を下地に適用して、下地を硬化させて電着被覆を形成する。少なくとも1つの第一ベースコート組成物を、電着被覆層に適用し、少なくとも1つの第二ベースコート組成物を、第一ベースコートに適用し、そして少なくとも1つのクリアコート組成物を、第二ベースコート組成物に適用する。それぞれの層の適用の間に、適用されたばかりの組成物を、単独または1つ以上の前の層と一緒に硬化させてよく、または組成物を瞬間蒸発に供することができる。一実施態様では、すべてのベースコート層及びクリアコート層を、互いにウェットオンウェットオンウェットで適用し、そしてすべてのベースコート層及びクリアコート層を、一緒に硬化させる。また、それぞれのベースコート層の間で、ベースコート層を硬化させ、そして次に選択的にマスクした後で、ベースコート層を適用する。このことは異なった色で行うことができ、2つ以上のツートーンカラー配色が提供される。
【0036】
粉末ベースコート塗料組成物の場合に、下地上に電着被覆を提供するか、または電着塗料組成物を下地に適用して電着被覆層を形成する。粉末のベースコート組成物は、その上に湿ったまたは硬化された電着被覆層を有する下地に適用し、続いてクリアコート組成物を適用してよい。それぞれの層の適用の間に、適用されたばかりの組成物を、単独または1つ以上の前の層と一緒に硬化させてよく、または組成物を瞬間蒸発に供することができる。一実施態様では、すべての層を、適用し、一緒に硬化させる。また、ツートーンカラーまたはマルチトーンカラー配色が所望される場合に、それぞれのベースコート層の間で、ベースコート層を硬化させ、そして次に選択的にマスクした後で、ベースコート層を適用してよい。
【0037】
塗料組成物を、当該技術分野としてよく知られる多くの技術のいずれかによって、下地上に塗装することができる。前記技術は、例えば噴霧塗装、浸し塗り、ロール塗装、カーテン塗装等を含む。自動車の外板に対しては、噴霧塗装が好ましい。
【0038】
瞬間蒸発は、あらゆる温度で、及びあらゆる時間の長さで起こりうるが、しかし塗装は、完全に硬化された状態にならない。温度は、室温(塗装工程の場所の室温)から約40゜F〜300゜F(4℃〜149℃)までの範囲であってよい。時間は、上限なく、あらゆる時間から約2分までの範囲であってよい。瞬間蒸発は、赤外光または熱の適用によって促進されうる。一実施態様では、瞬間蒸発は、約1.5分間、室温で行う。一実施態様では、最後のクリアコート組成物が適用された後、瞬間蒸発は、塗装を硬化する前に5〜8分間室温で行う。
【0039】
塗料を硬化するために使用されるあらゆる方法を、本願で使用してよい。2つ以上の硬化方法を、組合せて使用してよい。硬化方法は、これらに制限されないが、熱、及び化学線を含む。化学線は、これらに制限されないが、赤外光、紫外光、及び電子線を含む。一実施態様では、硬化は、炉に塗料を通過させることによって行われる。あらゆる温度及び時間の組合せを使用して、塗料を硬化させることができ、それは使用されるそれぞれの塗料組成物の化学的性質に依存している。一実施態様では、炉の温度は、約230゜F(110℃)〜約325゜F(163℃)の範囲である。一実施態様では、硬化時間は、約180゜F〜約350゜Fの範囲である。
【0040】
第一ベースコート層の他に、多層塗装中の他の層は、それらの層について、当該技術分野で知られるあらゆる特性を有しうる。一般的に、電着被覆層は、約0.7mil(17.8μm)〜約1.1mil(27.9μm)の範囲の厚さを有し、第一ベースコート層は、約0.3mil(7.6μm)〜約0.7mil(17.8μm)の範囲の膜厚を有する。第二ベースコート層は、約0.5mil(12.7μm)〜約1.0mil(25.4μm)の範囲の厚さを有し、及びクリアコート層は、約1.0mil(25.4μm)〜約3.0mil(76.2μm)の範囲の厚さを有する。
【0041】
塗装される下地は、あらゆる下地であってよい。下地の例は、これらに制限されないが、金属、木、及びプラスチックを含む。金属の下地は、これらに制限されないが、自動車の外板、及び自動車部品を含む。プラスチックの下地は、これらに制限されないが、自動車部品、及びポリマーのフィルムを含む。
【0042】
本発明を、次の実施例においてさらに説明する。それらの実施例は、単に説明を目的とするものであり、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲に記載された発明の範囲をいかようにも制限するものではない。
【0043】
実施例1 ベースコート配合物
次の成分を合して、本発明による溶剤系ベースコートを形成した。以下で述べる顔料混合物をベースコートに添加して、0.6mil(15.2μm)以下の厚さで適用した場合に、0.5%未満の紫外光がベースコートしか通過しないような紫外光透過率を有するベースコートを得た。
【0044】
【表1】
【0045】
顔料混合物を、実施例1に示したベースコート配合物に添加して、以下の着色ベースコートを形成した。
【0046】
実施例2 暗灰色配合物
【表2】
【0047】
実施例3 Silver Frost
【表3】
【0048】
実施例4 Green配合物
【表4】
【0049】
加えて、ベースコート組成物を、次の顔料成分を使用して配合してもよい。
【0050】
【表5】
【0051】
本発明は、上記で記述された特殊な実施態様に制限されることはなく、別形、変更、及び特許請求の範囲で定義される同等の実施態様を含むことを正しく理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、従来の塗装過程の概略図を示す。
【図2】図2は、プライマーのない3ウェットの統合型の塗装方法の概略図を示す。
【図3】図3は、実施例1に従ってUV遮断組成物を用いて、及び用いずに製造された暗灰色のプライマーの種々の波長での紫外光の%透過率の比較グラフを示す。
【図4】図4は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造されたUV遮断組成物を用いた、及び用いないSilver Frostベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表を示す。
【図5】図5は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造されたUV遮断組成物を用いた、及び用いないArizona Beigeベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表を示す。
【図6】図6は、UV遮断組成物を用いたGreenベースコート組成物の、種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフを示す。
【技術分野】
【0001】
典型的な自動車の塗装過程において、多くの被覆層がある。それぞれの被覆層は、塗装系にある特性を付与するように設計される。下地は、電着(ED)被覆で最初に塗装される。ED被覆は、腐食の制御のために使用される。ED被覆の上に、プライマー/サーフェーサー塗料が適用される。プライマーは、太陽光の紫外(UV)線がED層に達するのを遮断するために必要である。プライマー層の上に、1層以上のベースコート層が適用される。ベースコートは、下地に対して所望の色を与える。ベースコート層の上に、1層以上のクリアコート層が適用される。クリアコートは、ベースコートに対して、耐引掻性、耐損傷性、環境保護、光沢、像の明瞭さ(DOI)を与える。典型的な塗装過程は、図1に図示される。
【0002】
ED被覆は、一般的に、耐UV性を有さない。UV光がED被覆層と反応した場合、ED被覆層は劣化し、かつ全体の塗装系は下地から離層しうる。この問題は、ED被覆が最初に使用された時に起こった。ベースコート層はUV光がED被覆に達するのを遮断しなかった。プライマーは、ED被覆を保護するために、かつかかる層間剥離を防ぐために添加された。
【0003】
ED被覆を保護するために、典型的には、プライマーは、プライマーを通して透過するUV光(電磁放射線)の割合を290〜360nmで0.1%未満の透過率まで、かつ400nmで0.5%未満の透過率まで減少させるために、少なくとも1mil(25.4μm)であることが必要である。0.5mil(12.7μm)またはそれ未満の膜厚において、10%より多いUV光が、プライマー層を透過しうる。
【0004】
プライマーはED被覆を保護するために必要であるが、プライマーの使用は、多層塗装の形成のための費用を付加する。まず、プライマー材料の費用があり、及びUV保護を提供するために必要な、UV遮断材料またはUV吸収材料の総額がある。同様に、硬化段階は、ベースコート層が適用されうる前にプライマーを硬化させる必要があり、かつ硬化段階は、エネルギー大気を消費する。同様に、プライマーのための適用システムの資本経費があり、該システムはプライマーの準備用荷台、適用ブース、プライマーの硬化炉、及びプライマー砂、並びに検査荷台を含む。このことは、塗装工程の付加的な空間を要求する。同様に、プライマーは、一般に溶剤を基礎とする材料であり、かつプライマーの使用は、塗装過程から放出される揮発性有機化合物(VOC)の量を増加する。
【0005】
塗装系からプライマーを排除してもなお、ED被覆にUV保護を提供することが望ましい。
【0006】
多層塗装は、
a)下地上に電着被覆層を有し、
b)電着被覆層上に少なくとも1つの第一ベースコート層を有し、
c)第一ベースコート層上に少なくとも1つの第二ベースコート層を有し、
d)第二ベースコート層上に少なくとも1つのクリアコート層を有し、その際、
電着被覆層と第一ベースコート層との間にプライマー層が存在せず、かつ第一ベースコート層が、0.6mil(15.2μm)以下の厚さであり、かつ第一ベースコート層が、第一ベースコート層に達する紫外光の0.5%未満が第一ベースコート層を通って電着被覆層に至るような紫外光透過率を有する。
【0007】
図1は、従来の塗装過程の概略図である。
【0008】
図2は、プライマーレスの3ウェットの統合型の塗装法の概略図である。
【0009】
図3は、実施例1に従ってUV遮断組成物を用いて、及び用いずに製造された暗灰色のプライマーの種々の波長での紫外光の%透過率の比較グラフである。UV遮断組成物を用いる実施例は、0.3mil(7.6μm)の膜厚で比較され、そして用いない実施例は、0.5mil(12.7μm)の膜厚、及び1mil(25.4μm)の膜厚で80%の隠蔽で製造され、290〜360nmで0.1%の透過率、及び400nmで0.1%未満の透過率が得られる。
【0010】
図4は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造された、UV遮断組成物を用いた、及び用いないSilver Frostベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表である。
【0011】
図5は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造された、UV遮断組成物を用いた、及び用いないArizona Beigeベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表である。
【0012】
図6は、UV遮断組成物を用いたGreenベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフである。
【0013】
全体を通して用いられるように、範囲は、範囲内にあるそれぞれの値及びすべての値の記述のための省略表現として使用される。範囲内のあらゆる値が、範囲の限界として選択されうる。使用される場合に、"少なくとも1つの"という語句は、いずれか1つの個別の要素の選択、もしくはあらゆる要素の組合せを言う。"及び"もしくは"または"の接続は、要素の並記として使用されうるが、しかし"少なくとも1つの"という語句が正文である。例えば、A、B、及びCの少なくとも1つは、A単独か、B単独か、C単独か、AとBか、BとCか、AとCか、AとBとCの省略表現である。
【0014】
プライマー層を含まない多層塗装系が提供される。多層塗装は、下地上に電着(ED)被覆層を有し、電着被覆層上に少なくとも1つの第一ベースコート層を有し、第一ベースコート層上に少なくとも1つの第二ベースコート層を有し、第二ベースコート層上に少なくとも1つのクリアコート層を有する。一実施態様においては、ただ1つの第一ベースコート層だけが存在する。2つの第二ベースコート層は、時として、鮮明な色の効果を与える濃い色の発色のために使用されることがある。
【0015】
ED層のためのUV保護は、第一ベースコート層によって与えられる。第一ベースコート層はUV遮断組成物を含有する。UV遮断組成物は、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、及びアルミニウム顔料の少なくとも2つ、もしくはあらゆるそれらの組合せを含有する。
【0016】
UV遮断組成物を含むことで、第一ベースコート層を、第一ベースコートを通ってED層へのUV光の透過から遮断することが可能となる。第一ベースコート層は、可視光線のスペクトルを通して紫外線の範囲(すなわち、290〜450nmの範囲)で開始する光の透過を減少しうる。第一ベースコート層がUV光を遮断しうるので、2%未満のUV光しか第一ベースコート層を透過しない。様々な実施態様は、1%未満から0.05%未満の範囲のUV光の透過を提供する。
【0017】
UV透過率の減少は、プライマー被覆層よりも薄い被覆で達成されうる。通常のプライマーは、少なくとも1mil(25.4μm)の厚さである。第一ベースコート層は、1mil(25.4μm)未満の厚さでUV遮断を提供する。一実施態様では、その厚さは、0.6mil(15.2μm)未満、もしくは0.5mil(12.7μm)未満、もしくは0.4mil(10.2μm)未満である。一実施態様では、その厚さは、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)である。できるだけ最も薄い膜を使用することが所望される。これは、要求される塗料の量を減少し、そして多層塗装の全体の費用を減少する。
【0018】
第一ベースコート層は、UV遮断組成物に加えて結合剤を含有する。自動車塗装の結合剤として使用されうるあらゆる結合剤を、第一ベースコート層に使用できる。ベースコート組成物に有用である当該技術分野で知られるポリマーは、アクリル、ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド、ポリエポキシ、及びポリシロキサン、並びに前記の樹脂系の変性された樹脂またはそれらの組合せを含む。所望されるポリマーは、アクリル及びポリウレタンを含む。本発明の一実施態様では、ベースコート組成物は、カルバメート官能性アクリルポリマーも利用する。ベースコートポリマーは、熱可塑性であってよいが、しかし有利には、架橋性(すなわち熱硬化性)であり、1つ以上の架橋性官能基の種類を有する。かかる基は、これらに制限されないが、ヒドロキシ基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。それらの基は、一般に高温で、所望される硬化条件下の架橋反応のために遮断されず、及び有効であるように、遮蔽または遮断されていてよい。有用な架橋性官能基は、これらに制限されないが、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、酸基、無水物基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。一実施態様では、結合剤は、モノマーまたはポリマーのメラミンと架橋された、ヒドロキシポリエステルポリマーとヒドロキシアクリルポリマーのブレンドである。
【0019】
UV遮断剤として使用される顔料は、顔料と結合剤との質量比0.30〜0.50で利用される。固形塗料の全質量に対する総顔料濃度は、10.0〜18.0質量%である。
【0020】
カーボンブラックは、塗料組成物として使用されるあらゆるカーボンブラック顔料であってよい。カーボンブラックは、所望の紫外光透過率の減少を提供する量で他の含量と組合せて使用される場合に、第一ベースコート被覆に存在する。カーボンブラックは、0質量%〜約10質量%の顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在していてよい。一実施態様では、カーボンブラックは、約0.05〜約1.0質量%の顔料固形分の量で利用される(暗灰色顔料の製造を参照)。硬化した被覆においては、カーボンブラックは、約0.05〜約5.0質量%の硬化した被覆、もしくは約0.05〜約1.0質量%の硬化した被覆、もしくは約0.22〜約5.0質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0021】
酸化鉄は、塗料組成物のために使用されるあらゆる酸化鉄顔料であってよい。酸化鉄の例は、これらに制限されないが、SICOTRANSTM RED L2818べんがら、KROMATM RED R03097、SICOTRANSTM yellow 1916鉄黄、MAPICOTM low 1050鉄黄を含む。いくつかの実施態様では、べんがらは、鉄黄よりもよく機能する。酸化鉄は、他の顔料と組合せて使用する場合に、所望の紫外光透過率の減少を提供する量で第一ベースコート塗料組成物中に存在する。一実施態様では、酸化鉄は、約5質量%〜約70質量%で顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在する。硬化した被覆において、酸化鉄は、約0.5〜約20質量%の硬化した被覆、もしくは約5〜約10質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0022】
二酸化チタンは、塗料組成物として使用されるあらゆる二酸化チタン顔料であってよい。二酸化チタンの例は、これらに制限されないが、TI−PureTM R−706二酸化チタン、及びMicroTM MT 500SA二酸化チタンを含む。二酸化チタンは、他の顔料と組合せて使用する場合に、所望の紫外光透過率の減少を提供する任意の量で第一ベースコート組成物中に存在する。一実施態様では、二酸化チタンは、約5質量%〜約75質量%の顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在する。硬化した被覆において、二酸化チタンは、約5〜40質量%の硬化した被覆、もしくは約20〜30質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0023】
効果的なアルミニウム顔料は、UV光を遮断しうるものである。コーンフレーク型のアルミニウム顔料は、1ドル銀貨型のアルミニウム顔料よりもよく機能する。アルミニウム顔料の例は、これらに制限されないが、STAPA Metallic 801 Ecart、TOYO aluminum 8160N−AR、STAPA 1515nl Ecart、STAPA Ecart、STAPA Metallux 2156 Ecart、及びSDS 8−335 Aluminumを含む。
【0024】
場合により、アルミニウム顔料を、塗装してよい。アルミニウム顔料は、他の顔料と組合せて使用する場合に、所望の紫外光透過率の減少を提供する任意の量で第一ベースコート組成物中に存在する。一実施態様では、アルミニウム顔料は、約1.0質量%〜約70質量%の顔料固形分の量でベースコート組成物中に存在する。硬化した被覆において、アルミニウム顔料は、約3.0〜約20.0質量%の硬化した被覆、もしくは約5〜約20質量%の硬化した被覆の量で存在する。
【0025】
UV遮断パッケージは、第一ベースコート層の色の基準、並びに0.3milの膜構成で290〜450nmの範囲で測定されたUV光及び可視光の遮断能力の適合に必要とされる顔料の種類を基礎とする。
【0026】
電着被覆組成物は、自動車用塗料として使用されるあらゆる電着被覆組成物であってよい。電着被覆組成物の制限されることのない例として、BASFによって販売される、CATHOGUARD(登録商標)電着被覆組成物、例えばCATHOGUARD(登録商標)500を含む。
【0027】
第一ベースコート、もしくは第二ベースコートのために使用されるベースコート組成物は、自動車用塗料のために使用されるあらゆるベースコート組成物であってよい。一実施態様では、ベースコート組成物は、液体ベースコート組成物であり、その液体組成物の種類は、溶剤系組成物である。他の実施態様では、ベースコート組成物は、粉末ベースコート組成物である。ベースコート組成物は、結合剤、及び多重塗装系に所望の色を与えるための少なくとも1つの顔料を含む。第二ベースコート組成物に使用されうる結合剤は、これらに制限されないが、第一ベースコート組成物で前記された物を含む。ベースコート組成物において、有用な当該技術分野で知られるポリマーは、アクリル、ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエステル、アルキド、ポリエポキシ、及びポリシロキサンを含む。所望されうるポリマーは、アクリル、ポリウレタン、及びカルバメート官能性アクリルポリマーを含む。ベースコートポリマーは、熱可塑性であってよいが、しかし有利には、架橋性(すなわち熱硬化性)であり、1つ以上の種類の架橋性官能基を有する。かかる基は、例えば、ヒドロキシ基、イソシアネート基、アミン基、エポキシ基、アクリレート基、ビニル基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。それらの基は、一般に高温で、所望される硬化条件下の架橋反応のために遮断されず、及び有効であるように、遮蔽または遮断されていてよい。有用な架橋性官能基は、ヒドロキシ基、アミン基、エポキシ基、酸基、無水物基、シラン基、及びアセトアセテート基を含む。
【0028】
ベースコート組成物に使用される顔料は、所望の色および/または効果を与えるための自動車用塗料に使用されるあらゆる顔料を含む。
【0029】
クリアコート組成物は、自動車用塗料として使用されるあらゆるクリアコート組成物であってよい。一実施態様では、クリアコートは、以下の物を基礎として製造できる:ヒドロキシアクリル、及び、またはポリエステルカルバメートアクリル、及び/または2つの官能基のポリエステルの組合せ、エポキシ、ハイブリッドとして当該技術分野で知られているブロックトイソシアネート系、及びシラン。それらは、2成分系または1成分系であってよい。クリアコート組成物の例は、これらに制限されないが、次のBASFのクリアコート組成物を含む:UNIGLOSSTM、DURAGLOSSTM、STARGLOSSTM、UREGLOSSTM、EVERGLOSSTM、PROGLOSSTM、TWINGLOSSTM、SLURRYGLOSSTM、CLEANGLOSSTM。
【0030】
一実施態様では、ベースコート組成物及びクリアコート組成物は、ハイソリッドの溶剤系組成物である。一実施態様では、ベースコート組成物は約48〜約52%の不揮発物含分があり、及びクリアコート組成物は、約52〜約54%の不揮発物含分がある。
【0031】
あらゆる塗料組成物は、塗装の種類に対して典型的に添加されるあらゆる添加剤を含みうる。塗料添加剤の例は、これらに制限されないが、界面活性剤、顔料、充填剤、安定剤、湿潤剤、分散剤、定着剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤、pH剤、及び増粘剤、並びにそれら添加剤のあらゆる混合物を含む。
【0032】
第一ベースコート層は、多層塗装の発色の始まりとなりうる。一実施態様では、第一ベースコートの色は、Arizona Beigeであり、Fordの仕様書M6985によって定義される。この色の着色によって、あらゆる色素を、第二ベースコートのために使用することができる。他の実施態様では、UV遮断組成物を、顔料を含まないベースコート組成物へ添加してよい。
【0033】
一実施態様において、同じ組成物を、第一ベースコート及び、第二ベースコートのために使用できる。このことは、2つの異なった組成物の貯蔵の必要性を排除しうる。UV遮断組成物を、ラインにおいて第二ベースコート組成物と混合して、第一ベースコート組成物を形成することができる。
【0034】
UV遮断パッケージを調合型のプライマーに添加することができ、いくつかの充填剤顔料を除去し、これとUV遮断顔料とを置き換えることによって、同様のUV光遮断特性を達成することができる。
【0035】
多層塗装は、次の工程によって形成されうる。下地上に電着被覆を提供するか、または電着塗料組成物を下地に適用して、下地を硬化させて電着被覆を形成する。少なくとも1つの第一ベースコート組成物を、電着被覆層に適用し、少なくとも1つの第二ベースコート組成物を、第一ベースコートに適用し、そして少なくとも1つのクリアコート組成物を、第二ベースコート組成物に適用する。それぞれの層の適用の間に、適用されたばかりの組成物を、単独または1つ以上の前の層と一緒に硬化させてよく、または組成物を瞬間蒸発に供することができる。一実施態様では、すべてのベースコート層及びクリアコート層を、互いにウェットオンウェットオンウェットで適用し、そしてすべてのベースコート層及びクリアコート層を、一緒に硬化させる。また、それぞれのベースコート層の間で、ベースコート層を硬化させ、そして次に選択的にマスクした後で、ベースコート層を適用する。このことは異なった色で行うことができ、2つ以上のツートーンカラー配色が提供される。
【0036】
粉末ベースコート塗料組成物の場合に、下地上に電着被覆を提供するか、または電着塗料組成物を下地に適用して電着被覆層を形成する。粉末のベースコート組成物は、その上に湿ったまたは硬化された電着被覆層を有する下地に適用し、続いてクリアコート組成物を適用してよい。それぞれの層の適用の間に、適用されたばかりの組成物を、単独または1つ以上の前の層と一緒に硬化させてよく、または組成物を瞬間蒸発に供することができる。一実施態様では、すべての層を、適用し、一緒に硬化させる。また、ツートーンカラーまたはマルチトーンカラー配色が所望される場合に、それぞれのベースコート層の間で、ベースコート層を硬化させ、そして次に選択的にマスクした後で、ベースコート層を適用してよい。
【0037】
塗料組成物を、当該技術分野としてよく知られる多くの技術のいずれかによって、下地上に塗装することができる。前記技術は、例えば噴霧塗装、浸し塗り、ロール塗装、カーテン塗装等を含む。自動車の外板に対しては、噴霧塗装が好ましい。
【0038】
瞬間蒸発は、あらゆる温度で、及びあらゆる時間の長さで起こりうるが、しかし塗装は、完全に硬化された状態にならない。温度は、室温(塗装工程の場所の室温)から約40゜F〜300゜F(4℃〜149℃)までの範囲であってよい。時間は、上限なく、あらゆる時間から約2分までの範囲であってよい。瞬間蒸発は、赤外光または熱の適用によって促進されうる。一実施態様では、瞬間蒸発は、約1.5分間、室温で行う。一実施態様では、最後のクリアコート組成物が適用された後、瞬間蒸発は、塗装を硬化する前に5〜8分間室温で行う。
【0039】
塗料を硬化するために使用されるあらゆる方法を、本願で使用してよい。2つ以上の硬化方法を、組合せて使用してよい。硬化方法は、これらに制限されないが、熱、及び化学線を含む。化学線は、これらに制限されないが、赤外光、紫外光、及び電子線を含む。一実施態様では、硬化は、炉に塗料を通過させることによって行われる。あらゆる温度及び時間の組合せを使用して、塗料を硬化させることができ、それは使用されるそれぞれの塗料組成物の化学的性質に依存している。一実施態様では、炉の温度は、約230゜F(110℃)〜約325゜F(163℃)の範囲である。一実施態様では、硬化時間は、約180゜F〜約350゜Fの範囲である。
【0040】
第一ベースコート層の他に、多層塗装中の他の層は、それらの層について、当該技術分野で知られるあらゆる特性を有しうる。一般的に、電着被覆層は、約0.7mil(17.8μm)〜約1.1mil(27.9μm)の範囲の厚さを有し、第一ベースコート層は、約0.3mil(7.6μm)〜約0.7mil(17.8μm)の範囲の膜厚を有する。第二ベースコート層は、約0.5mil(12.7μm)〜約1.0mil(25.4μm)の範囲の厚さを有し、及びクリアコート層は、約1.0mil(25.4μm)〜約3.0mil(76.2μm)の範囲の厚さを有する。
【0041】
塗装される下地は、あらゆる下地であってよい。下地の例は、これらに制限されないが、金属、木、及びプラスチックを含む。金属の下地は、これらに制限されないが、自動車の外板、及び自動車部品を含む。プラスチックの下地は、これらに制限されないが、自動車部品、及びポリマーのフィルムを含む。
【0042】
本発明を、次の実施例においてさらに説明する。それらの実施例は、単に説明を目的とするものであり、発明の詳細な説明及び特許請求の範囲に記載された発明の範囲をいかようにも制限するものではない。
【0043】
実施例1 ベースコート配合物
次の成分を合して、本発明による溶剤系ベースコートを形成した。以下で述べる顔料混合物をベースコートに添加して、0.6mil(15.2μm)以下の厚さで適用した場合に、0.5%未満の紫外光がベースコートしか通過しないような紫外光透過率を有するベースコートを得た。
【0044】
【表1】
【0045】
顔料混合物を、実施例1に示したベースコート配合物に添加して、以下の着色ベースコートを形成した。
【0046】
実施例2 暗灰色配合物
【表2】
【0047】
実施例3 Silver Frost
【表3】
【0048】
実施例4 Green配合物
【表4】
【0049】
加えて、ベースコート組成物を、次の顔料成分を使用して配合してもよい。
【0050】
【表5】
【0051】
本発明は、上記で記述された特殊な実施態様に制限されることはなく、別形、変更、及び特許請求の範囲で定義される同等の実施態様を含むことを正しく理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、従来の塗装過程の概略図を示す。
【図2】図2は、プライマーのない3ウェットの統合型の塗装方法の概略図を示す。
【図3】図3は、実施例1に従ってUV遮断組成物を用いて、及び用いずに製造された暗灰色のプライマーの種々の波長での紫外光の%透過率の比較グラフを示す。
【図4】図4は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造されたUV遮断組成物を用いた、及び用いないSilver Frostベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表を示す。
【図5】図5は、0.5mil(12.7μm)の膜厚でFord Spec M6720に従って製造されたUV遮断組成物を用いた、及び用いないArizona Beigeベースコート組成物の種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフ並びに図表を示す。
【図6】図6は、UV遮断組成物を用いたGreenベースコート組成物の、種々の波長での紫外光透過率の割合のグラフを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層塗装であって、それが、
a.下地上に電着被覆層を有し、
b.電着被覆層上に少なくとも1つの第一ベースコート層を有し、
c.第一ベースコート層上に少なくとも1つの第二ベースコート層を有し、
d.第二ベースコート層上に少なくとも1つのクリアコート層を有し、その際、
電着被覆層と第一ベースコート層との間にプライマー層が存在せず、かつ第一ベースコート層が、0.6mil(15.2μm)以下の厚さであり、かつ第一ベースコート層が、第一ベースコート層に達する紫外光の0.5%未満が第一ベースコート層を通って電着被覆層に至るような紫外光透過率を有する多層塗装。
【請求項2】
請求項1に記載の多層塗装であって、ベースコート層が、紫外光透過率を得るための量で、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、及びアルミニウム顔料、並びにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも2つの化合物を含有する多層塗装。
【請求項3】
請求項2に記載の多層塗装であって、カーボンブラックが、該塗装の質量に対して、0.5〜5.0質量%のカーボンブラックの量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項4】
請求項2に記載の多層塗装であって、酸化鉄が、該塗装の質量に対して、0.5〜20.0質量%の酸化鉄の量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項5】
請求項2に記載の多層塗装であって、二酸化チタンが、該塗装の質量に対して、5〜40質量%の二酸化チタンの量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項6】
請求項2に記載の多層塗装であって、アルミニウム顔料が、該塗装の質量に対して、3.0〜20質量%のアルミニウム顔料の量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項7】
請求項1に記載の多層塗装であって、紫外光透過率の量が、0.2%未満である多層塗装。
【請求項8】
請求項1に記載の多層塗装であって、紫外光透過率の量が、0.05%未満である多層塗装。
【請求項9】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層が、0.5mil(12.7μm)以下の厚さである多層塗装。
【請求項10】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さである多層塗装。
【請求項11】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さであり、かつ紫外光透過率の量が、0.05%未満である多層塗装。
【請求項12】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、粉末塗料である多層塗装。
【請求項13】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、溶剤系塗料である多層塗装。
【請求項14】
多層塗装を製造する方法において、
a)以下のいずれか一方を行い、
ii)下地に電着被覆組成物を適用し、そして電着被覆を硬化させて電着被覆層を形成させる、または、
ii)下地上に電着被覆層を有する下地を提供する、
b)電着被覆層に第一ベースコート組成物を適用し、
第一ベースコートに少なくとも1つの第二ベースコート組成物を適用する、
d)第二ベースコートに少なくとも1つのクリアコート組成物を適用し、かつ以下のi)〜iii)のいずれか1つによって硬化させる、
i)第二ベースコート組成物を第一ベースコート組成物にウェットオンウェットで適用し、クリアコート組成物を第二ベースコート組成物にウェットオンウェットで適用し、かつ第一ベースコート組成物、第二ベースコート組成物、及びクリアコート組成物を一緒に硬化させる、または、
ii)それぞれの層を次の層の適用前にそれぞれ硬化させる、または、
iii)層の組合せを次の層の適用前に一緒に硬化させる、
そうして、第一ベースコート層、第二ベースコート層、及びクリアコート層を形成する、または、
第一ベースコート層が、0.6mil(15.2μm)以下の厚さであり、かつカーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料が、第一ベースコート層に達する紫外光の0.5%未満が第一ベースコート層を通って電着被覆層に至るような量で第一ベースコート層に存在する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、ベースコート層が、紫外光透過率を得るための量でカーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料からなる群から選択される少なくとも2つの化合物を含有する方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、硬化を、段階i)によって行う方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、第一ベースコート組成物を、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料と第二ベースコート組成物との混合によって形成させる方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法において、カーボンブラックが、該塗装の質量に対して、0.5〜5.0質量%のカーボンブラックの量で第一ベースコート層中に存在する方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法において、酸化鉄が、該塗装の質量に対して、0.5〜20.0質量%の酸化鉄の量で第一ベースコート層中に存在する方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法において、二酸化チタンが、該塗装の質量に対して、5〜40質量%の二酸化チタンの量で第一ベースコート層に存在する方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法において、アルミニウム顔料が、該塗装の質量に対して、3.0〜20質量%のアルミニウム顔料の量で第一ベースコート層に存在する方法。
【請求項22】
請求項14に記載の方法において、紫外光透過率の量が、0.2%未満である方法。
【請求項23】
請求項14に記載の方法において、紫外光透過率の量が、0.05%未満である方法。
【請求項24】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層が、0.5mil(12.7μm)以下の厚さである方法。
【請求項25】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さである方法。
【請求項26】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さであり、紫外光透過率の量が、0.05%未満である方法。
【請求項27】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、溶剤系塗料組成物である方法。
【請求項28】
請求項14に記載の方法において、適用される第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、粉末塗料組成物である方法。
【請求項29】
請求項16に記載の方法において、適用される第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、粉末塗料組成物である方法。
【請求項30】
カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料が、紫外光の0.5%未満が0.6mil(15.2μm)以下の厚さである塗料組成物から形成された被覆を通過するような量で存在する、結合剤、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料を含有する塗料組成物。
【請求項1】
多層塗装であって、それが、
a.下地上に電着被覆層を有し、
b.電着被覆層上に少なくとも1つの第一ベースコート層を有し、
c.第一ベースコート層上に少なくとも1つの第二ベースコート層を有し、
d.第二ベースコート層上に少なくとも1つのクリアコート層を有し、その際、
電着被覆層と第一ベースコート層との間にプライマー層が存在せず、かつ第一ベースコート層が、0.6mil(15.2μm)以下の厚さであり、かつ第一ベースコート層が、第一ベースコート層に達する紫外光の0.5%未満が第一ベースコート層を通って電着被覆層に至るような紫外光透過率を有する多層塗装。
【請求項2】
請求項1に記載の多層塗装であって、ベースコート層が、紫外光透過率を得るための量で、カーボンブラック、酸化鉄、二酸化チタン、及びアルミニウム顔料、並びにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも2つの化合物を含有する多層塗装。
【請求項3】
請求項2に記載の多層塗装であって、カーボンブラックが、該塗装の質量に対して、0.5〜5.0質量%のカーボンブラックの量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項4】
請求項2に記載の多層塗装であって、酸化鉄が、該塗装の質量に対して、0.5〜20.0質量%の酸化鉄の量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項5】
請求項2に記載の多層塗装であって、二酸化チタンが、該塗装の質量に対して、5〜40質量%の二酸化チタンの量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項6】
請求項2に記載の多層塗装であって、アルミニウム顔料が、該塗装の質量に対して、3.0〜20質量%のアルミニウム顔料の量で第一ベースコート層に存在する多層塗装。
【請求項7】
請求項1に記載の多層塗装であって、紫外光透過率の量が、0.2%未満である多層塗装。
【請求項8】
請求項1に記載の多層塗装であって、紫外光透過率の量が、0.05%未満である多層塗装。
【請求項9】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層が、0.5mil(12.7μm)以下の厚さである多層塗装。
【請求項10】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さである多層塗装。
【請求項11】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さであり、かつ紫外光透過率の量が、0.05%未満である多層塗装。
【請求項12】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、粉末塗料である多層塗装。
【請求項13】
請求項1に記載の多層塗装であって、第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、溶剤系塗料である多層塗装。
【請求項14】
多層塗装を製造する方法において、
a)以下のいずれか一方を行い、
ii)下地に電着被覆組成物を適用し、そして電着被覆を硬化させて電着被覆層を形成させる、または、
ii)下地上に電着被覆層を有する下地を提供する、
b)電着被覆層に第一ベースコート組成物を適用し、
第一ベースコートに少なくとも1つの第二ベースコート組成物を適用する、
d)第二ベースコートに少なくとも1つのクリアコート組成物を適用し、かつ以下のi)〜iii)のいずれか1つによって硬化させる、
i)第二ベースコート組成物を第一ベースコート組成物にウェットオンウェットで適用し、クリアコート組成物を第二ベースコート組成物にウェットオンウェットで適用し、かつ第一ベースコート組成物、第二ベースコート組成物、及びクリアコート組成物を一緒に硬化させる、または、
ii)それぞれの層を次の層の適用前にそれぞれ硬化させる、または、
iii)層の組合せを次の層の適用前に一緒に硬化させる、
そうして、第一ベースコート層、第二ベースコート層、及びクリアコート層を形成する、または、
第一ベースコート層が、0.6mil(15.2μm)以下の厚さであり、かつカーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料が、第一ベースコート層に達する紫外光の0.5%未満が第一ベースコート層を通って電着被覆層に至るような量で第一ベースコート層に存在する方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法において、ベースコート層が、紫外光透過率を得るための量でカーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料からなる群から選択される少なくとも2つの化合物を含有する方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法において、硬化を、段階i)によって行う方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法において、第一ベースコート組成物を、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料と第二ベースコート組成物との混合によって形成させる方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法において、カーボンブラックが、該塗装の質量に対して、0.5〜5.0質量%のカーボンブラックの量で第一ベースコート層中に存在する方法。
【請求項19】
請求項15に記載の方法において、酸化鉄が、該塗装の質量に対して、0.5〜20.0質量%の酸化鉄の量で第一ベースコート層中に存在する方法。
【請求項20】
請求項15に記載の方法において、二酸化チタンが、該塗装の質量に対して、5〜40質量%の二酸化チタンの量で第一ベースコート層に存在する方法。
【請求項21】
請求項15に記載の方法において、アルミニウム顔料が、該塗装の質量に対して、3.0〜20質量%のアルミニウム顔料の量で第一ベースコート層に存在する方法。
【請求項22】
請求項14に記載の方法において、紫外光透過率の量が、0.2%未満である方法。
【請求項23】
請求項14に記載の方法において、紫外光透過率の量が、0.05%未満である方法。
【請求項24】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層が、0.5mil(12.7μm)以下の厚さである方法。
【請求項25】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さである方法。
【請求項26】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層が、0.3mil(7.6μm)〜0.5mil(12.7μm)の厚さであり、紫外光透過率の量が、0.05%未満である方法。
【請求項27】
請求項14に記載の方法において、第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、溶剤系塗料組成物である方法。
【請求項28】
請求項14に記載の方法において、適用される第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、粉末塗料組成物である方法。
【請求項29】
請求項16に記載の方法において、適用される第一ベースコート層及び第二ベースコート層が、粉末塗料組成物である方法。
【請求項30】
カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料が、紫外光の0.5%未満が0.6mil(15.2μm)以下の厚さである塗料組成物から形成された被覆を通過するような量で存在する、結合剤、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄、及びアルミニウム顔料を含有する塗料組成物。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2008−521604(P2008−521604A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544360(P2007−544360)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/040687
【国際公開番号】WO2006/062666
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(591020700)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (53)
【氏名又は名称原語表記】BASF Corporation
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【国際出願番号】PCT/US2005/040687
【国際公開番号】WO2006/062666
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(591020700)ビー・エイ・エス・エフ、コーポレーション (53)
【氏名又は名称原語表記】BASF Corporation
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]