説明

プラグ、音声入出力装置及びノイズキャンセルシステム

【課題】 5極構成のプラグを用いノイズキャンセル機能の実行化を確保する。
【解決手段】 第1のマイク6に入力される第1のノイズ信号を外部機器22に伝送する第1の導体11と、第2のマイク8に入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体13と、第1のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段40によって生成された第1のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段39によって再生された第1の音声信号とが合成された第1の合成信号を第1のスピーカー7に伝送する第3の導体15と、グランド用の第4の導体17と、第2のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第2のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第2の音声信号とが合成された第2の合成信号を第2のスピーカー9に伝送する第5の導体19とを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラグ、音声入出力装置及びノイズキャンセルシステムについての技術分野に関する。詳しくは、5極構成のプラグを用いノイズキャンセル機能の実行化を確保する技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の電子機器、例えば、音響機器等のジャックに接続されるプラグは、例えば、イヤホーン、ヘッドホーン、各種の接続コード等の先端部に設けられている。
【0003】
このようなプラグ、例えば、イヤホーンやヘッドホーン等に設けられたプラグは、一般に、スピーカーL(左)用、スピーカーR(右)用及びグランド用の3極構成とされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記したようなプラグが設けられたイヤホーンやヘッドホーン等の音声入出力装置には、一対の耳介にそれぞれ装着される一対の耳介装着部が設けられているが、耳介装着部を耳介に装着した状態において、音声が一対のスピーカーからそれぞれ出力されたときには、外部環境等により、外部から騒音等がノイズとして耳介に入力されるという不都合を生じることがある。
【0005】
このようなノイズをキャンセルする手段として、従来は、音声入出力装置の耳介装着部にマイクとノイズキャンセル用回路が形成された回路基板を配置し、マイクに入力されたノイズ信号に基づいてノイズキャンセル用回路によってノイズキャンセル信号を生成し、耳介装着部に設けられたスピーカーからノイズキャンセル信号を出力してノイズをキャンセルするようにしたものがある。
【0006】
【特許文献1】特開平9−204966号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、従来のノイズをキャンセルする手段は、音声入出力装置の耳介装着部にマイクに加えノイズキャンセル用回路が形成された回路基板が配置されているため、その分、耳介装着部が大型になってしまい、耳介への装着感が悪いという問題がある。
【0008】
逆に、耳介装着部の小型化を図ろうとした場合には、回路基板の配置スペースを確保することが困難となり、ノイズキャンセルを行うことができなくなると言う不都合を生じ得る。
【0009】
そこで、本発明プラグ、音声入出力装置及びノイズキャンセルシステムは、上記した問題点を克服し、5極構成のプラグを用いノイズキャンセル機能の実行化を確保することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明プラグは、上記した課題を解決するために、第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、第1のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第1のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第1の音声信号とが合成された第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、グランド用の第4の導体と、第2のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第2のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第2の音声信号とが合成された第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とを設けたものである。
【0011】
本発明音声入出力装置は、上記した課題を解決するために、一方の耳介装着部に第1のマイクと第1のスピーカーが内蔵され、他方の耳介装着部に第2のマイクと第2のスピーカーが内蔵され、上記プラグに、第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、第1のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第1のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第1の音声信号とが合成された第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、グランド用の第4の導体と、第2のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第2のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第2の音声信号とが合成された第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とを設けたものである。
【0012】
本発明ノイズキャンセルシステムは、上記した課題を解決するために、音声入出力装置に、一対の耳介装着部に接続コードを介して接続され外部機器に連結される5極構成のプラグを設け、外部機器に、プラグが連結されるジャックと、第1のノイズ信号及び第2のノイズ信号に基づいてそれぞれ第1のノイズキャンセル信号及び第2のノイズキャンセル信号を生成するノイズキャンセル信号生成手段と、少なくとも音声信号を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された音声信号を第1の音声信号及び第2の音声信号として再生する音声信号再生手段と、第1のノイズキャンセル信号と第1の音声信号を合成して第1の合成信号を生成すると共に第2のノイズキャンセル信号と第2の音声信号を合成して第2の合成信号を生成する合成手段とを設け、上記5極構成のプラグに、第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、グランド用の第4の導体と、第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とを設け、第1のノイズキャンセル信号を含む第1の合成信号を第1のスピーカーから出力すると共に第2のノイズキャンセル信号を含む第2の合成信号を第2のスピーカーから出力してノイズをキャンセルするようにしたものである。
【0013】
従って、本発明プラグ、音声入出力装置及びノイズキャンセルシステムにあっては、第1のノイズキャンセル信号と第2のノイズキャンセル信号がそれぞれ外部機器に設けられたノイズキャンセル信号生成手段から第1のスピーカーと第2のスピーカーに伝送される。
【発明の効果】
【0014】
本発明プラグは、ノイズキャンセル信号生成手段及び音声信号再生手段を有する外部機器に設けられたジャックに連結されると共に音声入出力装置に設けられた第1のマイク、第2のマイク、第1のスピーカー及び第2のスピーカーに接続されるプラグであって、第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、第1のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第1のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第1の音声信号とが合成された第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、グランド用の第4の導体と、第2のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第2のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第2の音声信号とが合成された第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とを備えたことを特徴とする。
【0015】
従って、プラグが5極構成とされ、外部機器に設けられたノイズキャンセル信号生成手段によって生成されたノイズキャンセル信号によってノイズキャンセルが行われるため、音声入出力装置の小型化を確保した上でノイズキャンセル機能の実行化を確保することができる。
【0016】
請求項2に記載した発明にあっては、上記第1の導体、第2の導体及び第3の導体にそれぞれ電極部と嵌合部を設け、第1の導体を軸状に形成し、該第1の導体の嵌合部に外嵌された第1の絶縁体を設け、該第1の絶縁体に第2の導体を外嵌し、該第2の導体の嵌合部に外嵌された第2の絶縁体を設け、該第2の絶縁体に第3の導体を外嵌し、該第3の導体の嵌合部に外嵌された第3の絶縁体を設け、該第3の絶縁体に第4の導体を外嵌し、該第4の導体の外面の一部に取り付けられた第4の絶縁体を設け、該第4の絶縁体の外面に第5の導体を取り付けたので、4極構成の部分の外面に第5の導体である1極の部分を取り付けることにより5極構成を形成しているため、5極構成のプラグを容易に形成することができる。
【0017】
請求項3に記載した発明にあっては、上記第5の導体を板状に形成し、厚み方向における一方の面を第4の絶縁体に取り付けたので、プラグの全体の外径を小さくすることが可能となり、プラグの小型化を図ることができる。
【0018】
請求項4に記載した発明にあっては、上記第5の導体に第4の絶縁体の外面の反対方向へ突出された接続用突部を設けたので、ジャックの接続端子と第5の導体との良好な接続性を確保することができる。
【0019】
請求項5に記載した発明にあっては、上記第4の絶縁体と第5の導体以外の部分によって略丸軸状に形成し、第4の絶縁体と第5の導体を略丸軸状の部分の外面に配置したので、第4の絶縁体と第5の導体が略丸軸状の部分から側方へ突出された形状とされ、例えば、プラグ挿入孔が円形状に形成されている3極構成のプラグ専用のジャックに対する誤挿入を防止することができる。
【0020】
本発明音声入出力装置は、一対の耳介にそれぞれ装着される一対の耳介装着部と該一対の耳介装着部に接続コードを介して接続されたプラグとを備え該プラグがノイズキャンセル信号生成手段及び音声信号再生手段を有する外部機器に設けられたジャックに連結される音声入出力装置であって、一方の耳介装着部に第1のマイクと第1のスピーカーが内蔵され、他方の耳介装着部に第2のマイクと第2のスピーカーが内蔵され、上記プラグに、第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、第1のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第1のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第1の音声信号とが合成された第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、グランド用の第4の導体と、第2のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第2のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第2の音声信号とが合成された第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とを設けたことを特徴とする。
【0021】
従って、プラグが5極構成とされ、外部機器に設けられたノイズキャンセル信号生成手段によって生成されたノイズキャンセル信号によってノイズキャンセルが行われるため、音声入出力装置の小型化を確保した上でノイズキャンセル機能の実行化を確保することができる。
【0022】
請求項7に記載した発明にあっては、一対の耳介装着部がそれぞれ一対の耳介に装着された状態において、第1のマイクと第2のマイクをそれぞれ第1のスピーカーと第2のスピーカーより鼓膜に対して外側に配置したので、ノイズキャンセルの実行をフィードフォワード型の制御により行うことが可能である。
【0023】
請求項8に記載した発明にあっては、第1の導体、第2の導体及び第3の導体にそれぞれ電極部と嵌合部を設け、第1の導体を軸状に形成し、該第1の導体の嵌合部に外嵌された第1の絶縁体を設け、該第1の絶縁体に第2の導体を外嵌し、該第2の導体の嵌合部に外嵌された第2の絶縁体を設け、該第2の絶縁体に第3の導体を外嵌し、該第3の導体の嵌合部に外嵌された第3の絶縁体を設け、該第3の絶縁体に第4の導体を外嵌し、該第4の導体の外面の一部に取り付けられた第4の絶縁体を設け、該第4の絶縁体の外面に第5の導体を取り付けたので、4極構成の部分の外面に第5の導体である1極の部分を取り付けることにより5極構成を形成しているため、5極構成のプラグを容易に形成することができる。
【0024】
請求項9に記載した発明にあっては、上記第5の導体を板状に形成し、厚み方向における一方の面を第4の絶縁体に取り付けたので、プラグの全体の外径を小さくすることが可能となり、プラグの小型化を図ることができる。
【0025】
請求項10に記載した発明にあっては、上記第5の導体に第4の絶縁体の外面の反対方向へ突出された接続用突部を設けたので、ジャックの接続端子と第5の導体との良好な接続性を確保することができる。
【0026】
請求項11に記載した発明にあっては、上記第4の絶縁体と第5の導体以外の部分によって略丸軸状に形成し、第4の絶縁体と第5の導体を略丸軸状の部分の外面に配置したので、第4の絶縁体と第5の導体が略丸軸状の部分から側方へ突出された形状とされ、例えば、プラグ挿入孔が円形状に形成されている3極構成のプラグ専用のジャックに対する誤挿入を防止することができる。
【0027】
本発明ノイズキャンセルシステムは、音声入出力装置に設けられ一対の耳介がそれぞれ装着される一対の耳介装着部にそれぞれ内蔵された第1のマイクと第2のマイクに各別に入力される第1のノイズ信号と第2のノイズ信号をキャンセルするノイズキャンセルシステムであって、音声入出力装置に、一対の耳介装着部に接続コードを介して接続され外部機器に連結される5極構成のプラグが設けられ、外部機器に、プラグが連結されるジャックと、第1のノイズ信号及び第2のノイズ信号に基づいてそれぞれ第1のノイズキャンセル信号及び第2のノイズキャンセル信号を生成するノイズキャンセル信号生成手段と、少なくとも音声信号を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された音声信号を第1の音声信号及び第2の音声信号として再生する音声信号再生手段と、第1のノイズキャンセル信号と第1の音声信号を合成して第1の合成信号を生成すると共に第2のノイズキャンセル信号と第2の音声信号を合成して第2の合成信号を生成する合成手段とが設けられ、上記5極構成のプラグに、第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、グランド用の第4の導体と、第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とが設けられ、第1のノイズキャンセル信号を含む第1の合成信号を第1のスピーカーから出力すると共に第2のノイズキャンセル信号を含む第2の合成信号を第2のスピーカーから出力してノイズをキャンセルするようにしたことを特徴とする。
【0028】
従って、プラグが5極構成とされ、外部機器に設けられたノイズキャンセル信号生成手段によって生成されたノイズキャンセル信号によってノイズキャンセルが行われるため、音声入出力装置の小型化を確保した上でノイズキャンセル機能の実行化を確保することができる。
【0029】
請求項13に記載した発明にあっては、上記外部機器にプラグのジャックに対する連結状態を検出するプラグ検出手段を設け、5極構成のプラグがジャックに連結されたときに上記ノイズのキャンセル機能が実行されるようにしたので、3極構成のプラグがジャックに連結されたときにはノイズキャンセル機能が実行されず、不必要な機能の実行の防止による制御の簡便化を図ることができる。
【0030】
請求項14に記載した発明にあっては、5極構成のプラグがジャックに連結されていることがプラグ検出手段によって検出されたときに、ノイズのキャンセル機能が実行される旨が表示されるようにしたので、使用者においてノイズのキャンセル機能が実行されることを確認することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0031】
請求項15に記載した発明にあっては、第1のマイクと第2のマイクをそれぞれ第1のスピーカーと第2のスピーカーより外側に配置したので、ノイズキャンセルの実行をフィードフォワード型の制御により行うことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に従って説明する。
【0033】
音声入出力装置1は、例えば、イヤホーンやヘッドホーンであり(図1参照)、使用者の左右の耳介100、200にそれぞれ装着される耳介装着部2、3と該耳介装着部2、3に接続コード4を介して接続されたプラグ5とを有している。
【0034】
耳介装着部2は、例えば、使用者の左側の耳介100に装着される。耳介装着部2には、第1のマイク6と第1のスピーカー7が内蔵されている。第1のマイク6は第2のスピーカー9に対して、例えば、使用者の鼓膜から離隔された側である外側に配置されている。
【0035】
耳介装着部3は、例えば、使用者の右側の耳介200に装着される。耳介装着部3には、第2のマイク8と第2のスピーカー9が内蔵されている。第2のマイク8は第2のスピーカー9に対して、例えば、使用者の鼓膜から離隔された側である外側に配置されている。
【0036】
接続コード4は後述する5本の接続線が絶縁材料によって被覆されて成る。
【0037】
プラグ5は一部が、例えば、樹脂材料等の導電性を有しない材料によって形成されたカバー10によって覆われている。
【0038】
プラグ5は、図2乃至図4に示すように、第1の導体11、第1の絶縁体12、第2の導体13、第2の絶縁体14、第3の導体15、第3の絶縁体16、第4の導体17、第4の絶縁体18及び第5の導体19によって構成されている。第1の導体11、第2の導体13、第3の導体15、第4の導体17及び第5の導体19は、何れも導電性の高い金属材料によって形成され、第1の絶縁体12、第2の絶縁体14、第3の絶縁体16及び第4の絶縁体18は何れも樹脂材料等の導電性を有しない材料によって形成されている。
【0039】
第1の導体11、第2の導体13、第3の導体15、第4の導体17及び第5の導体19は、例えば、それぞれ第1のスピーカー7用の端子、第2のスピーカー9用の端子、第1のマイク6用の端子、グランド用の端子及び第2のマイク8用の端子として用いられている。
【0040】
尚、上記には、第1の導体11、第2の導体13、第3の導体15、第4の導体17及び第5の導体19をそれぞれ第1のスピーカー7用の端子、第2のスピーカー9用の端子、第1のマイク6用の端子、グランド用の端子及び第2のマイク8用の端子として用いる例を示したが、第1の導体11、第2の導体13、第3の導体15、第4の導体17及び第5の導体19をそれぞれ何れの端子として用いるかは任意である。
【0041】
第1の導体11は略丸軸状に形成され、大径の電極部11aと小径の嵌合部11bとを有している。第1の導体11には、電極部11aと嵌合部11bの間に外方へ張り出されたフランジ部11cが設けられ、嵌合部11bのフランジ部11cと反対側の端部にコード接続部11dが設けられている。
【0042】
電極部11aの外周面は嵌合部11bに近付くに従って中心側へ変位するように傾斜された傾斜面11eとして形成されている。嵌合部11bは軸方向における長さが電極部11aより長くされている。コード接続部11dは、その径が電極部11aの径より小さく嵌合部11bの径より大きくされている。
【0043】
第1の絶縁体12は略円筒状に形成され、軸方向における一端部が他の部分より外径の大きな大径部12aとして設けられ、該大径部12a以外の部分が小径部12bとして設けられている。大径部12aは小径部12bより肉厚に形成されている。小径部12bの大径部12aと反対側の端部は外方へ僅かに張り出された張出部12cとされ、大径部12aと張出部12cの間における外面側に浅い嵌合凹部12dが形成されている。
【0044】
第1の絶縁体12は第1の導体11の嵌合部11bに外嵌されている。第1の絶縁体12は第1の導体11に外嵌された状態において、大径部12aの外周面がフランジ部11cの外周面と放射方向において一致されている。第1の導体11は電極部11a、フランジ部11c及びコード接続部11dが露出されている。
【0045】
第2の導体13は略円筒状に形成され、大径の電極部13aと小径の嵌合部13bとを有している。第1の導体13には、電極部13aと嵌合部13bとを連結する略円環状に形成された連結部13cが設けられ、嵌合部13bの連結部13cと反対側の端部はコード接続部13dとして設けられている。
【0046】
第2の導体13は第1の絶縁体12に外嵌されている。第2の導体13は第1の絶縁体12に外嵌された状態において、電極部13aが大径部12aの一端部を除く部分に結合され、嵌合部13b及び連結部13cが嵌合凹部12dに結合され、嵌合部13bの外周面が張出部12cの外周面と放射方向において一致されている。従って、第2の絶縁体12は大径部12aの一部と張出部12cとが露出されている。
【0047】
第2の絶縁体14は略円筒状に形成され、軸方向における一端部が他の部分より外径の大きな大径部14aとして設けられ、該大径部14a以外の部分が小径部14bとして設けられている。大径部14aは小径部14bより肉厚に形成されている。小径部14bの大径部14aと反対側の端部は外方へ僅かに張り出された張出部14cとされ、大径部14aと張出部14cの間における外面側に浅い嵌合凹部14dが形成されている。
【0048】
第2の絶縁体14は第2の導体13の嵌合部13bに外嵌されている。第2の絶縁体14は第2の導体13に外嵌された状態において、大径部14aの外周面が電極部13aの外周面と放射方向において一致されている。第2の導体13は電極部13aとコード接続部13dが露出されている。
【0049】
第3の導体15は略円筒状に形成され、大径の電極部15aと小径の嵌合部15bとを有している。第1の導体15には、電極部15aと嵌合部15bとを連結する略円環状に形成された連結部15cが設けられ、嵌合部15bの連結部15cと反対側の端部はコード接続部15dとして設けられている。
【0050】
第3の導体15は第2の絶縁体14に外嵌されている。第3の導体15は第2の絶縁体14に外嵌された状態において、嵌合凹部14dに結合され、電極部15aの外周面が大径部14aの外周面と放射方向において一致され、嵌合部15bの外周面が張出部14cの外周面と放射方向において一致されている。従って、第2の絶縁体14は大径部14aと張出部14cとが露出されている。
【0051】
第3の絶縁体16は略円筒状に形成され、軸方向における一端部が外径の大きな大径部16aとして設けられ、軸方向において大径部16aに連続する部分が小径部16bとして設けられ、軸方向における他端部が小径部16bより外径の大きな張出部16cとして設けられている。大径部16aと張出部16cは小径部16bより肉厚に形成されている。第3の絶縁体16には大径部16aと張出部16cの間における外面側に浅い嵌合凹部16dが形成されている。
【0052】
第3の絶縁体16は第3の導体15の嵌合部15bに外嵌されている。第3の絶縁体16は第3の導体15に外嵌された状態において、大径部16aと張出部16cの外周面が電極部15aの外周面と放射方向において一致されている。第3の導体15は電極部15aとコード接続部15dが露出されている。
【0053】
第4の導体17は略円筒状に形成され、電極部17aと該電極部17aの軸方向における中央部の外周面に外方へ突出して設けられた円環状の突部17bとから成る。電極部17aの一部はコード接続部17cとして設けられている。
【0054】
第4の導体17は第3の絶縁体16の嵌合凹部16dに外嵌されている。第4の導体17は第3の絶縁体16に外嵌された状態において、電極部17aの外周面が大径部16aの外周面と張出部16cの外周面とに放射方向において一致されている。従って、第3の絶縁体16は大径部16aと張出部16cとが露出されている。
【0055】
第4の絶縁体18は導体取付部20と延設部21とが一体に形成されて成る(図4及び図6参照)。
【0056】
導体取付部20は一方向に長く形成され、図7に示すように、本体部20aと該本体部20aの長手方向における一端部から短手方向へ互いに反対側へ突出された突出部20b、20bとから成る。本体部20aには、長手方向に延びる導体取付溝20cが形成され、該導体取付溝20cが形成された面と反対側の面に短手方向へ延びる嵌合溝20dが形成されている。延設部21は導体取付部20の長手方向における一端面から突出部20b、20bの突出方向と直交する方向へ突出されている。
【0057】
第4の絶縁体18は、導体取付部20が第3の絶縁体14の大径部14aから張出部14cまでに亘る部分の外周面の一部に取り付けられ、延設部21が第3の導体15のコード接続部15dから第1の絶縁体12の張出部12cまでに亘る部分の外周面の一部に取り付けられている。このように第4の絶縁体18が取り付けられた状態においては、嵌合溝20dに第4の導体17の突部17bが嵌合され、導体取付部20が延設部21より外周側に位置されている。
【0058】
第5の導体19は一方向に長い板状に形成され、長手方向における中間部に互いに反対方向へ突出された規制突片19a、19aを有している。第5の導体19は、規制突片19a、19aを基準として一方の側が挿入部19bとされ、他方の側がコード接続部19cとされている。挿入部19bにおけるコード接続部19cと反対側の端部には厚み方向へ突出された接続用突部19dが設けられている。
【0059】
第5の導体19は挿入部19bが導体取付溝20cに挿入されて第4の絶縁体18に取り付けられる(図3参照)。第5の導体19は第4の絶縁体18に取り付けられた状態において、規制突片19a、19aが本体部20aの一端面に接し、コード接続部19cが延設部21より外周側に離隔して位置されている(図4参照)。
【0060】
以上のようにして構成されたプラグ5は、図5及び図6に示すように、第1の導体11のコード接続部11d、第2の導体13のコード接続部13d、第3の導体15のコード接続部15d、第4の導体17のコード接続部17c及び第5の導体19のコード接続部19cに、それぞれ接続コード4の5本の接続線4a、4b、4c、4d、4eの各一端部が、例えば、半田付けにより接続される。接続線4a、4b、4c、4d、4eの他端部は、それぞれ音声入出力装置1の耳介装着部2、3に配置された第1のスピーカー7、第2のスピーカー9、第1のマイク6、図示しないグランド用端子、第2のマイク8に接続されている。
【0061】
プラグ5の各部に接続線4a、4b、4c、4d、4eが接続された状態において、第4の導体17の突部17bから第1の導体11のコード接続部11dまでに亘る部分がカバー10によって覆われ、コード接続部11d、13d、15d、17c、19cが閉塞される(図2参照)。
【0062】
プラグ5は外部機器22、例えば、音楽再生機器等に設けられたジャック23に連結される(図1参照)。
【0063】
ジャック23は筐体24に所要の各部が設けられて成る(図8参照)。筐体24には一方に開口されたプラグ挿入孔24aが形成されている。ジャック23におけるプラグ挿入孔24aの開口と反対側の端部からは、5つの端子片25、25、・・・が突出されている。端子片25、25、・・・は外部機器22に設けられた後述する制御回路に接続されている。
【0064】
ジャック23の内部には第1の接続端子26、第2の接続端子27、第3の接続端子28、第4の接続端子29及び第5の接続端子30が配置されている(図9及び図10参照)。
【0065】
第1の接続端子26は、図9に示すように、ジャック23の内面に沿って配置されたベース部26aと、該ベース部26aから折り返されプラグ挿入孔24aから遠去かる方向へ延びる基端部26bと、該基端部26bに連続し基端部26bに対してベース部26aから離隔する方向へ屈曲された板バネ部26cとを有し、該板バネ部26cの先端部が接続部26dとして設けられている。
【0066】
第2の接続端子27は、図10に示すように、ジャック23の内面と平行な状態で配置された基端部27aと、該基端部27aに連続し基端部27aに対してジャック23の内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部27bとを有し、該板バネ部27bの先端部が接続部27cとして設けられている。接続部27cは第1の接続端子26の接続部26dよりプラグ挿入孔24a側に位置されている。
【0067】
第3の接続端子28は、図9に示すように、ジャック23の内面に沿って配置された基端部28aと、該基端部28aに連続し基端部28aに対してジャック23の内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部28bとを有し、該板バネ部28bの先端部が接続部28cとして設けられている。接続部28cは第2の接続端子27の接続部27cよりプラグ挿入孔24a側に位置されている。
【0068】
第4の接続端子29は、図9及び図10に示すように、ジャック23の内面に沿って配置された基端部29aと、該基端部29aに連続し基端部29aに対してジャック23の内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部29bとを有し、該板バネ部29bの先端部が接続部29cとして設けられている。接続部29cは第3の接続端子28の接続部28cよりプラグ挿入孔24a側に位置され、該プラグ挿入孔24aの開口の直ぐ内側に位置されている。
【0069】
第5の接続端子30は、図10に示すように、ジャック23の内面に沿って配置された基端部30aと、該基端部30aに連続し基端部30aに対してジャック23の内面から離隔する方向へ屈曲された板バネ部30bとを有し、該板バネ部30bの先端部が接続部30cとして設けられている。接続部30cはプラグ挿入孔24aの開口の直ぐ内側に位置されている。
【0070】
ジャック23の内部にはストッパー壁31が設けられている(図10参照)。ストッパー壁31は第5の接続端子30の板バネ部30bを挟んでジャック23の内面と反対側に位置されている。
【0071】
ジャック23の内部には保持用絶縁部材32が設けられている(図9及び図10参照)。保持用絶縁部材32はプラグ挿入孔24aの開口と反対側の端部に設けられている。
【0072】
第1の接続端子26、第2の接続端子27、第3の接続端子28、第4の接続端子29及び第5の接続端子30は、それぞれ一部が保持用絶縁部材32に埋設されて保持され、端子片25、25、・・・に各別に連続されている。従って、第1の接続端子26、第2の接続端子27、第3の接続端子28、第4の接続端子29及び第5の接続端子30は、それぞれ端子片25、25、・・・を介して外部機器22に設けられた制御回路に接続されている。
【0073】
プラグ5がプラグ挿入孔24aに挿入されると、図11及び図12に示すように、第1の導体11の電極部11a、第2の導体13の電極部13a、第3の導体15の電極部15a、第4の導体17の電極部17a及び第5の導体19の接続用突部19aが、それぞれ第1のスピーカー7用の第1の接続端子26の接続部26d、第2のスピーカー9用の第2の接続端子27の接続部27c、第1のマイク6用の第3の接続端子28の接続部28c、グランド用の第4の接続端子29の接続部29c及び第2のマイク8用の第5の接続端子30の接続部30cに接続される。
【0074】
このときプラグ5は第4の導体17の突部17bがジャック23におけるプラグ挿入孔24aの外側開口縁に接触すると共に第5の導体19の挿入部19bの一端面がストッパー壁31に接触する位置まで挿入され、ジャック23に対する挿入方向における位置決めが行われる。
【0075】
接続部26d、27c、28c、29c、30cはそれぞれ基端部26b、27a、28a、29a、30aに対してバネ力に抗して弾性変形され、電極部11a、電極部13a、電極部15a、電極部17a、接続用突部19aに押し付けられた状態で接続される。
【0076】
外部機器22には操作手段33、プラグ検出手段34、記憶手段35及び電源手段36が設けられている(図13参照)。
【0077】
操作手段33は音量の変更、音質の変更、再生する音声の選択(選曲)等の各種の機能を実行するための操作釦や操作スイッチ等である。
【0078】
プラグ検出手段34はジャック23に挿入されて連結されるプラグの種類を検出する機能を有している。プラグの種類としては、上記した5極構成のプラグ5の他、後述する3極構成のプラグがあり、プラグ検出手段34によって何れのプラグがジャック23に連結されたか否かが検出される。
【0079】
記憶手段35は、例えば、フラッシュメモリーであり、音声信号の他、外部機器22に必要とされるプログラム等を記憶する。
【0080】
電源手段36は、例えば、バッテリーであり、必要な各部に電源を供給する。
【0081】
外部機器22には制御回路37が設けられ、該制御回路37は電源供給手段36から供給される電源によって動作される。制御回路37は制御手段38、音声信号再生手段39、ノイズキャンセル信号生成手段40及び合成手段41を有している。
【0082】
制御手段38は外部機器22の全体の制御を行う部分であり、例えば、プラグ検出手段34の検出結果に基づいてノイズキャンセル信号生成手段40にノイズキャンセルを行う旨の指令信号を送出し、また、操作手段33から受信した操作信号に基づいて音声信号再生手段39等の各部に指令信号を送出する。
【0083】
音声信号再生手段39は制御手段38から受信した指令信号に基づいて、記憶手段35に記憶されている音声信号を読み出して合成手段41に送出する。音声信号は合成手段41を介して第1のスピーカー7に第1の音声信号として送出され第2のスピーカー9に第2の音声信号として送出される。
【0084】
ノイズキャンセル信号生成手段40は制御手段38から受信した指令信号に基づいて、音声入出力装置1の第1のマイク6及び第2のマイク8からプラグ5及びジャック23を介してそれぞれ入力される第1のノイズ信号と第2のノイズ信号に対する第1のノイズキャンセル信号と第2のノイズキャンセル信号を生成し、これらのノイズキャンセル信号を合成手段41に送出する。
【0085】
合成手段41は制御手段38から受信した指令信号に基づいて、音声信号再生手段39から入力された第1の音声信号、第2の音声信号とノイズキャンセル信号生成手段40から入力された第1のノイズキャンセル信号、第2のノイズキャンセル信号とをそれぞれ合成して第1の合成信号、第2の合成信号を生成し、第1の合成信号をジャック23及びプラグ5を介して音声入出力装置1の第1のスピーカー7に送出し、第2の合成信号をジャック23及びプラグ5を介して音声入出力装置1の第2のスピーカー9に送出する。
【0086】
外部機器22には表示部22aが設けられている(図1参照)。表示部22aには操作手段33に対する操作に応じて行われる各種の機能の表示や現在の機能の実行状態の他、ジャック23に連結されているプラグの種類等が表示される。また、表示部22aには、プラグ5がジャック23に連結された状態において、後述するノイズのキャンセル機能が実行される旨が表示される。
【0087】
外部機器22において、第1のマイク6及び第2のマイク8に外部の騒音等によるノイズが入力されると、このノイズに基づいたノイズ信号が第1のマイク6及び第2のマイク8から接続コード4、プラグ5及びジャック23を介してノイズキャンセル信号生成手段40に入力される。
【0088】
ノイズキャンセル信号生成手段40にノイズ信号が入力されると、プラグ検出手段34から制御手段38に送出された検出結果(検出信号)に基づいて制御手段38が動作される。
【0089】
このときプラグ検出手段34によって5極構成のプラグ5がジャック23に連結されている旨の検出信号が送出されたときには、制御手段38からノイズキャンセル信号生成手段40にノイズキャンセル信号を生成する旨の指令信号が送出される。
【0090】
一方、プラグ検出手段34によって3極構成のプラグがジャック23に連結されている旨の検出信号が送出されたときには、制御手段38からノイズキャンセル信号生成手段40にノイズキャンセル信号を生成する旨の指令信号は送出されない。従って、3極構成のプラグがジャック23に連結されている場合には、ノイズキャンセル信号は生成されない。
【0091】
3極構成のプラグ50は、図14乃至図16に示すように、第1の導体51、該第1の導体51に外嵌された第1の絶縁体52、該第1の絶縁体52に外嵌された第2の導体53、該第2の導体53に外嵌された第2の絶縁体54及び該第2の絶縁体54に外嵌された第3の導体55によって構成され、ジャック23に連結された状態において、第1の導体51が第1のスピーカー7用の第1の接続端子26に接続され、第2の導体53が第2のスピーカー9用の第2の接続端子27に接続され、第3の導体55がグランド用の第4の接続端子29に接続される。プラグ50は第2のマイク8用の第5の接続端子30とは接続されない。
【0092】
プラグ50は第3の導体55が第1のマイク6用の第3の接続端子28とも接続されるが、外部機器22にあっては、第3の導体55と第3の接続端子28との間での信号の授受が行われないように制御回路37が構成されている。尚、例えば、ジャック23の第3の接続端子28の配置位置を変更すること等により、プラグ50がジャック23に連結された状態において、第3の導体55が第3の接続端子28に接続されないように構成するようにしてもよい。
【0093】
上記したように、制御手段38からノイズキャンセル信号生成手段40にノイズキャンセル信号を生成する旨の指令信号が送出されると、図17に示すように、ノイズ信号nに対して逆位相となるノイズキャンセル信号n′がノイズキャンセル信号生成手段40によって生成される。
【0094】
ノイズキャンセル信号がノイズキャンセル信号生成手段40によって生成されると、生成されたノイズキャンセル信号が合成手段41に送出される。同時に、音声信号再生手段39から音声信号が合成手段41に送出され、該合成手段41によってノイズキャンセル信号と音声信号が合成された合成信号が生成される。
【0095】
生成された合成信号(第1の合成信号及び第2の合成信号)は、合成手段41からジャック23、プラグ5及び接続コード4を介して音声入出力装置1の第1のスピーカー7及び第2のスピーカー9に送出される。
【0096】
第1のスピーカー7及び第2のスピーカー9に合成信号が送出されると、使用者においては、外部から入力されたノイズがノイズキャンセル信号によって打ち消された状態で耳介100、200に音声信号が入力される。
【0097】
以上に記載した通り、音声入出力装置1にあっては、プラグ5が5極構成とされ、外部機器22の制御回路37によってノイズキャンセルが行われるため、音声入出力装置1の小型化を確保した上でノイズキャンセル機能の実行化を確保することができる。
【0098】
また、プラグ5にあっては、略丸軸状にされた4極構成の部分の外周面に1極の部分を取り付けることにより5極構成を形成しているため、5極構成のプラグ5を容易に形成することができる。
【0099】
さらに、プラグ5にあっては、第5の導体19を板状に形成し、厚み方向における一方の面を第4の絶縁体18に取り付けるようにしているため、全体の外径を小さくすることが可能となり、小型化を図ることができる。
【0100】
さらにまた、第5の導体19に電極部として機能する接続用突部19dを設けているため、ジャック23の第5の接続端子30との良好な接続性を確保することができる。
【0101】
また、プラグ5にあっては、略丸軸状に形成された4極構成の部分に第4の絶縁体18と第5の導体19を取り付けているため、第4の絶縁体18と第5の導体19が略丸軸状の部分から側方へ突出された形状とされ、例えば、プラグ挿入孔が円形状に形成されている3極構成のプラグ専用のジャックに対する誤挿入を防止することができる。
【0102】
音声入出力装置1にあっては、第1のマイク6と第2のマイク8をそれぞれ第1のスピーカー7と第2のスピーカー9より外側に配置しているため、第1のマイク6と第2のマイク8がそれぞれ第1のスピーカー7と第2のスピーカー9より使用者の鼓膜に対して離隔して位置され、ノイズキャンセルの実行をフィードフォワード型の制御により行うことが可能である。
【0103】
外部機器22にあっては、プラグのジャック23に対する連結状態を検出するプラグ検出手段34を設け、5極構成のプラグ5がジャック23に連結されたときにノイズのキャンセル機能が実行されるようにしているため、3極構成のプラグ50がジャック23に連結されたときにはノイズキャンセル機能が実行されず、不必要な機能の実行の防止による制御の簡便化を図ることができる。
【0104】
また、外部機器22にあっては、プラグ5がジャック23に連結されていることがプラグ検出手段34によって検出されたときに、外部機器22の表示部22aにノイズのキャンセル機能が実行される旨が表示されるため、使用者においてノイズのキャンセル機能が実行されることを確認することができ、使い勝手の向上を図ることができる。
【0105】
尚、表示部は音声入出力装置1に設けられていてもよく、この場合には、プラグ5がジャック23に連結されていることがプラグ検出手段34によって検出されたときに、音声入出力装置1の表示部にノイズのキャンセル機能が実行される旨が表示されるようにすることも可能である。
【0106】
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図2乃至図17と共に本発明の最良の形態を示すものであり、本図は、音声入出力装置と外部機器の構成を示す概念図である。
【図2】プラグの拡大斜視図である。
【図3】プラグの拡大側面図である。
【図4】図3とは異なる方向から見た状態で示すプラグの拡大側面図である。
【図5】プラグの拡大断面図である。
【図6】図5とは異なる方向から見た状態で示すプラグの拡大断面図である。
【図7】第4の絶縁体と第5の導体を示す拡大斜視図である。
【図8】ジャックの拡大斜視図である。
【図9】図8のIX―IX線に沿う断面図である。
【図10】図8のX―X線に沿う断面図である。
【図11】プラグがジャックに連結された状態を示す拡大断面図である。
【図12】図11とは異なる方向から見た状態でプラグがジャックに連結された状態を示す拡大断面図である。
【図13】音声入出力装置と外部機器の構成を示すブロック図である。
【図14】3極構成のプラグを示す拡大側面図である。
【図15】3極構成のプラグがジャックに連結された状態を示す拡大断面図である。
【図16】図15とは異なる方向から見た状態で3極構成のプラグがジャックに連結された状態を示す拡大断面図である。
【図17】ノイズ信号とノイズキャンセル信号を示すグラフ図である。
【符号の説明】
【0108】
1…音声入出力装置、2…耳介装着部、3…耳介装着部、4…接続コード、5…プラグ、6…第1のマイク、7…第1のスピーカー、8…第2のマイク、9…第2のスピーカー、11…第1の導体、11a…電極部、11b…嵌合部、12…第1の絶縁体、13…第2の導体、13a…電極部、13b…嵌合部、14…第2の絶縁体、15…第3の導体、15a…電極部、15b…嵌合部、16…第3の絶縁体、17…第4の導体、18…第4の絶縁体、19…第5の導体、19d…接続用突部、22…外部機器、23…ジャック、39…音声信号再生手段、40…ノイズキャンセル信号生成手段、100…耳介、200…耳介

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ノイズキャンセル信号生成手段及び音声信号再生手段を有する外部機器に設けられたジャックに連結されると共に音声入出力装置に設けられた第1のマイク、第2のマイク、第1のスピーカー及び第2のスピーカーに接続されるプラグであって、
第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、
第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、
第1のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第1のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第1の音声信号とが合成された第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、
グランド用の第4の導体と、
第2のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第2のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第2の音声信号とが合成された第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とを備えた
ことを特徴とするプラグ。
【請求項2】
上記第1の導体、第2の導体及び第3の導体にそれぞれ電極部と嵌合部を設け、
第1の導体を軸状に形成し、
該第1の導体の嵌合部に外嵌された第1の絶縁体を設け、
該第1の絶縁体に第2の導体を外嵌し、
該第2の導体の嵌合部に外嵌された第2の絶縁体を設け、
該第2の絶縁体に第3の導体を外嵌し、
該第3の導体の嵌合部に外嵌された第3の絶縁体を設け、
該第3の絶縁体に第4の導体を外嵌し、
該第4の導体の外面の一部に取り付けられた第4の絶縁体を設け、
該第4の絶縁体の外面に第5の導体を取り付けた
ことを特徴とする請求項1に記載のプラグ。
【請求項3】
上記第5の導体を板状に形成し、厚み方向における一方の面を第4の絶縁体に取り付けた
ことを特徴とする請求項2に記載のプラグ。
【請求項4】
上記第5の導体に第4の絶縁体の外面の反対方向へ突出された接続用突部を設けた
ことを特徴とする請求項2に記載のプラグ。
【請求項5】
上記第4の絶縁体と第5の導体以外の部分によって略丸軸状に形成し、
第4の絶縁体と第5の導体を略丸軸状の部分の外面に配置した
ことを特徴とする請求項2に記載のプラグ。
【請求項6】
一対の耳介にそれぞれ装着される一対の耳介装着部と該一対の耳介装着部に接続コードを介して接続されたプラグとを備え該プラグがノイズキャンセル信号生成手段及び音声信号再生手段を有する外部機器に設けられたジャックに連結される音声入出力装置であって、
一方の耳介装着部に第1のマイクと第1のスピーカーが内蔵され、
他方の耳介装着部に第2のマイクと第2のスピーカーが内蔵され、
上記プラグに、
第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、
第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、
第1のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第1のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第1の音声信号とが合成された第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、
グランド用の第4の導体と、
第2のノイズ信号に基づいてノイズキャンセル信号生成手段によって生成された第2のノイズキャンセル信号と音声信号再生手段によって再生された第2の音声信号とが合成された第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とを設けた
ことを特徴とする音声入出力装置。
【請求項7】
一対の耳介装着部がそれぞれ一対の耳介に装着された状態において、第1のマイクと第2のマイクをそれぞれ第1のスピーカーと第2のスピーカーより鼓膜に対して外側に配置した
ことを特徴とする請求項6に記載の音声入出力装置。
【請求項8】
第1の導体、第2の導体及び第3の導体にそれぞれ電極部と嵌合部を設け、
第1の導体を軸状に形成し、
該第1の導体の嵌合部に外嵌された第1の絶縁体を設け、
該第1の絶縁体に第2の導体を外嵌し、
該第2の導体の嵌合部に外嵌された第2の絶縁体を設け、
該第2の絶縁体に第3の導体を外嵌し、
該第3の導体の嵌合部に外嵌された第3の絶縁体を設け、
該第3の絶縁体に第4の導体を外嵌し、
該第4の導体の外面の一部に取り付けられた第4の絶縁体を設け、
該第4の絶縁体の外面に第5の導体を取り付けた
ことを特徴とする請求項6に記載の音声入出力装置。
【請求項9】
上記第5の導体を板状に形成し、厚み方向における一方の面を第4の絶縁体に取り付けた
ことを特徴とする請求項8に記載の音声入出力装置。
【請求項10】
上記第5の導体に第4の絶縁体の外面の反対方向へ突出された接続用突部を設けた
ことを特徴とする請求項8に記載の音声入出力装置。
【請求項11】
上記第4の絶縁体と第5の導体以外の部分によって略丸軸状に形成し、
第4の絶縁体と第5の導体を略丸軸状の部分の外面に配置した
ことを特徴とする請求項8に記載の音声入出力装置。
【請求項12】
音声入出力装置に設けられ一対の耳介がそれぞれ装着される一対の耳介装着部にそれぞれ内蔵された第1のマイクと第2のマイクに各別に入力される第1のノイズ信号と第2のノイズ信号をキャンセルするノイズキャンセルシステムであって、
音声入出力装置に、一対の耳介装着部に接続コードを介して接続され外部機器に連結される5極構成のプラグが設けられ、
外部機器に、プラグが連結されるジャックと、第1のノイズ信号及び第2のノイズ信号に基づいてそれぞれ第1のノイズキャンセル信号及び第2のノイズキャンセル信号を生成するノイズキャンセル信号生成手段と、少なくとも音声信号を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された音声信号を第1の音声信号及び第2の音声信号として再生する音声信号再生手段と、第1のノイズキャンセル信号と第1の音声信号を合成して第1の合成信号を生成すると共に第2のノイズキャンセル信号と第2の音声信号を合成して第2の合成信号を生成する合成手段とが設けられ、
上記5極構成のプラグに、第1のマイクに入力される第1のノイズ信号を外部機器に伝送する第1の導体と、第2のマイクに入力される第2のノイズ信号を外部機器に伝送する第2の導体と、第1の合成信号を第1のスピーカーに伝送する第3の導体と、グランド用の第4の導体と、第2の合成信号を第2のスピーカーに伝送する第5の導体とが設けられ、
第1のノイズキャンセル信号を含む第1の合成信号を第1のスピーカーから出力すると共に第2のノイズキャンセル信号を含む第2の合成信号を第2のスピーカーから出力してノイズをキャンセルするようにした
ことを特徴とするノイズキャンセルシステム。
【請求項13】
上記外部機器にプラグのジャックに対する連結状態を検出するプラグ検出手段を設け、
5極構成のプラグがジャックに連結されたときに上記ノイズのキャンセル機能が実行されるようにした
ことを特徴とする請求項12に記載のノイズキャンセルシステム。
【請求項14】
5極構成のプラグがジャックに連結されていることがプラグ検出手段によって検出されたときに、ノイズのキャンセル機能が実行される旨が表示されるようにした
ことを特徴とする請求項12に記載のノイズキャセルシステム。
【請求項15】
第1のマイクと第2のマイクをそれぞれ第1のスピーカーと第2のスピーカーより外側に配置した
ことを特徴とする請求項12に記載のノイズキャセルシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−67147(P2008−67147A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243903(P2006−243903)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】