説明

プラグインブッシング及び耐電圧試験方法

【課題】電力ケーブル端末をプラグイン式で接続可能なケーブルヘッドを備えた電力用機器に対して課電する際の省スペース化、及び作業効率の向上を図ることができるプラグインブッシング及び耐電圧試験方法を提供する。
【解決手段】プラグインブッシングを、棒状の内部導体と、内部導体の外周面に、内部導体の両端が露出するように形成されるエポキシブッシングと、エポキシブッシングの気中側の外周面に形成される第1の絶縁補強部と、エポキシブッシングの終端接続側の外周面に形成される第2の絶縁補強部と、第2の絶縁補強部をケーブルヘッドに対して押圧する圧縮装置と、内部導体の終端接続側の先端に接続され、内部導体と終端接続構造を電気的に接続させる導体プラグと、を備えた構成とする。また、第1の絶縁補強部の電界緩和部と第2の絶縁補強部の導電部を、それぞれエポキシブッシングの外周面に形成される導電層と電気的に接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス絶縁開閉装置(GIS:Gas Insulated Switch)や変圧器等の電力用機器に課電するためのプラグインブッシング及びこれを用いた耐電圧試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、受変電設備に用いられる電力用機器として、六フッ化硫黄(SF6)等の絶縁ガスを封入した接地容器内に、遮断器、断路器、母線電線路、避雷器等を収容したガス絶縁開閉装置や、巻線及び鉄心等を収容したケース内に絶縁媒体としての六フッ化イオウ(SF6)ガス等の絶縁ガスまたは油を封入した変圧器が知られている。ガス絶縁開閉装置や変圧器等の電力用機器を現地に設置する際には、耐電圧試験が行われ、使用に耐える絶縁耐力を保持しているか確認される。
【0003】
従来、ガス絶縁開閉装置や変圧器等の電力用機器の耐電圧試験は、例えば気中絶縁構造を有する試験用ブッシングを、一端側がガス絶縁された機器内、他端側が気中となるように取り付け、気中側から課電することにより行われている(例えば特許文献1の第1図)。
また、プラグイン式の電力ケーブル端末を電力用機器に接続して行う電力用機器の耐電圧試験は、例えば試験用リードケーブルの一端側に設けられた終端コネクタを機器に接続し、他端側に設けられた気中終端接続部から課電することにより行われている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭59−47907号公報
【特許文献2】特開平7−270484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の第1図に記載の手法では、課電する気中側のスペースは小さくて済むものの、試験用ブッシングの取り付けや分解に際し、ガス絶縁開閉装置の内部空間が大気に開放されてしまうため、その都度絶縁ガスを再封入する必要がある。そのため、多大な労力や作業時間を要することとなり、作業効率が悪い。変圧器の場合も同様である。
【0006】
一方、特許文献2に記載の手法によれば、電力用機器にプラグイン式で試験用リードケーブルを接続できるので、絶縁ガスの再封入処理を行わなくて済むという利点がある。しかしながら、電力用機器の耐電圧試験の際に、試験用リードケーブルを配置し、比較的大型の終端接続部を設置するため、広いスペースを確保する必要がある。試験用リードケーブルに設けられる気中終端接続部を、熱収縮チューブを利用した簡易タイプのものに代えることも行われているが、この場合もやはり試験用リードケーブルの曲げ半径を考慮して、その分のスペースを確保する必要がある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ガス絶縁開閉装置や変圧器等の電力用機器に対して課電する際の省スペース化、及び作業効率の向上を図ることができるプラグインブッシング及び耐電圧試験方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るプラグインブッシングは、電力ケーブル端末をプラグイン式で接続可能なケーブルヘッドを備えた電力用機器に課電するためのプラグインブッシングであって、
棒状の内部導体と、
前記内部導体の外周面に、前記内部導体の両端が露出するように形成されるエポキシブッシングと、
前記エポキシブッシングの気中側の外周面に形成される第1の絶縁補強部と、
前記エポキシブッシングの終端接続側の外周面に形成される第2の絶縁補強部と、
前記第2の絶縁補強部を前記ケーブルヘッドに対して押圧する圧縮装置と、
前記内部導体の終端接続側の先端に接続され、前記内部導体と前記ケーブルヘッドを電気的に接続させる導体プラグと、を備え、
前記第1の絶縁補強部は、絶縁部と電界緩和部を有し、
前記第2の絶縁補強部は、絶縁ゴム部と導電部を有し、
前記電界緩和部と前記導電部は、それぞれ前記エポキシブッシングの外周面に形成される導電層と電気的に接続されていることを特徴とする。
【0009】
ここで、プラグインブッシングにおいて、後述するフランジ部を境に、電力用機器のケーブルヘッドに装着する側を「終端接続側」といい、電圧を印加する側を「気中側」という。
【0010】
本発明に係る耐電圧試験方法は、上記プラグインブッシングを前記ケーブルヘッドに取り付けて、前記電力用機器に課電することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係るプラグインブッシングによれば、ガス絶縁開閉装置や変圧器等の電力用機器に課電する際、課電用に電力ケーブルを用いる必要はないので、省スペース化が図られる。また、ガス絶縁開閉装置等の絶縁ガスが封入された電力用機器にプラグイン式で接続できるので、取付作業が極めて容易であり、絶縁ガスの再封入処理も不要となる。したがって、本発明に係るプラグインブッシングによれば、ガス絶縁開閉装置等の電力用機器に対して課電する際の省スペース化、及び作業効率の向上を図ることができる。
また、本発明に係る耐電圧試験方法によれば、電力用機器に課電するためのプラグインブッシングの取付・解体作業が改善されるので、格段に作業効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施の形態に係るプラグインブッシングを接続可能な電力用機器を示す図である。
【図2】電力用機器に取り付けられたケーブルヘッドの拡大図である。
【図3】第1の実施の形態に係るプラグインブッシングを示す図である。
【図4】第1の実施の形態に係るプラグインブッシングの終端接続側の拡大図である。
【図5】第1の実施の形態のプラグインブッシングとケーブルヘッドの接続状態を示す図である。
【図6】第1の実施の形態のプラグインブッシングとケーブルヘッドの接続部の拡大図である。
【図7】第2の実施の形態に係るプラグインブッシングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本実施の形態に係るプラグインブッシングを接続可能な電力用機器を示す図であり、図2は電力用機器に取り付けられたケーブルヘッドの拡大図である。
【0014】
図1に示すように、電力用機器100は、例えばSF6等の絶縁ガスを封入した接地容器101内に、遮断器31、断路器32、母線電線路33等の充電部3を収容したガス絶縁開閉装置である。電力用機器100は、充電部3を収容する機器収容部100Aと、充電部3に課電するための電力ケーブル(図示略)を接続するエレファント部100Bを備える。
エレファント部100Bにはケーブルヘッド2が設けられ、このケーブルヘッド2に対応する終端処理が施された電力ケーブル端末をプラグイン式で接続できるようになっている。電力用機器100の通常運転時は、ケーブルヘッド2に電力ケーブル端末が接続された状態で使用される。
【0015】
図2に示すように、ケーブルヘッド2は、機器側ブッシング21、機器側導体22等を備える。
機器側ブッシング21は、例えばエポキシ樹脂等の硬質の絶縁体で構成された中空状の成形体である。機器側ブッシング21は、本実施の形態では、円筒状の頭部21a、釣鐘状の胴部21b、表面に導電塗料が塗布され、先端側にベルマウス状の凹部を有する遮蔽部21c、径方向外側に突出するフランジ状の機器固定部21d、及び絶縁筒部21eを有する。なお、機器側ブッシング21の形状はこれに限定されない。
【0016】
機器固定部21dは、接地容器101の開口101aに係止されるように、開口101aの口径よりも大きく形成される。また、遮蔽部21cから機器固定部21dのボルト挿入側にかけての外表面には導電塗料が塗布され、導電層(図示略)が形成される。この導電層と接地容器101が当接することにより、遮蔽部21cの外表面が接地電位となる。
絶縁筒部21eは、機器固定部21dの後端側に連設される。絶縁筒部21eの外周面には導電層が設けられていないため、絶縁筒部21eによって、電力用機器の接地容器101側の接地とケーブルヘッド2に接続されるプラグインブッシング1側の接地は縁切りされる。
【0017】
機器側ブッシング21は、開口101aを介して接地容器101の内部に挿入される。接地容器101又は機器固定部21dの当接面には、環状の凹溝(図示略)を形成し、この凹溝にOリングやパッキン等のシール部材(図示略)が配置される。この状態で、機器固定部21dを接地容器101に複数のボルトで締め付けることにより、機器側ブッシング21は接地容器101に気密に固定される。すなわち、接地容器101に封入されている絶縁ガスが、開口101aから外部に漏れ出さない構造となっている。
【0018】
機器側導体22は、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金等の通電に適した金属製の部材である。機器側導体22は、モールド成形により機器側ブッシング21と一体的に形成される。
機器側導体22は、機器側ブッシング21の頂部21gから突出する導体引出部22a、機器側ブッシング21の頭部21aの内周面に埋設された円筒部22b、導体引出部22aと円筒部22bを連結する首部22c、首部22cから機器側ブッシング21の受容口21fに向けて突出する係止部22dを有する。
【0019】
導体引出部22aは、接地容器101内で機器側の高電圧導体(図示略)を介して充電部3に電気的に接続される。
係止部22dには、導電性のリング状接触子23(いわゆるチューリップコンタクト)の一端側が係止される。このリング状接触子23の他端側には、電力ケーブルに接続された導体接続端子(図示略)が係止されるか又はプラグインブッシング1の後述の導体プラグ16が挿入される。機器側導体22は、リング状接触子23を介してプラグインブッシング1と電気的に接続されることとなる。
【0020】
このように、電力用機器100は、電力ケーブルをプラグイン式で接続可能なケーブルヘッド2を備えている。また、ケーブルヘッド2は、プラグインブッシング1の終端接続側を挿入可能な機器側ブッシング21と、導体プラグ16と電気的に接続される機器側導体22と、一端が機器側導体22に接続され、他端が導体プラグ16に接続されるリング状接触子23とを備えている。
【0021】
電力用機器100を現地に設置する際には、耐電圧試験が行われ、使用に耐える絶縁耐力を保持しているか確認される。この耐電圧試験を行う際に、本実施の形態に係るプラグインブッシング1が用いられる。
なお、エレファント部100Bは、天地が逆転できるように回動可能に構成される。すなわち、通常時は電力ケーブルとの接続状態の安定性が確保されるように下方にケーブルヘッド2が位置する状態とされ(図1参照)、耐電圧試験時には作業性が向上するように上方にケーブルヘッド2が位置する状態とされる(図5参照)。
【0022】
図3は本実施の形態に係るプラグインブッシング1を示す図で、図4はプラグインブッシング1の終端接続側の拡大図である。このプラグインブッシング1は、電力ケーブルをプラグイン式で接続可能なケーブルヘッド2を備えた電力用機器100(図1参照)の耐電圧試験を行う際に、電力用機器100のケーブルヘッド2に装着して課電するためのものである。
【0023】
説明の便宜上、プラグインブッシング1において、フランジ部122を境に、電力用機器100のケーブルヘッド2に装着する側を「終端接続側」と称し、電圧を印加する側を「気中側」と称する。また、以下の説明において、ケーブルヘッド2に挿入する側(図3では下方)を「先端側」、反対側(図3では上方)を「後端側」と称することもある。
【0024】
図3に示すように、プラグインブッシング1は、内部導体11、エポキシブッシング12、第1の絶縁補強部13、第2の絶縁補強部14、圧縮装置15、導体プラグ16等を備える。
【0025】
内部導体11は、銅、銅合金、アルミニウム、又はアルミニウム合金等の通電に適した金属製の棒状部材である。内部導体11の先端(終端接続側)には導体プラグ16が接続され、後端(気中側)には電圧を印加するためのリード線が接続される。
【0026】
エポキシブッシング12は、エポキシ樹脂で構成され、両端から内部導体11が露出するように、モールド成形により内部導体11の外周面に形成される。エポキシブッシング12の終端接続側と気中側の間には、終端接続側及び気中側よりも外径が大きいフランジ部122が形成される。エポキシブッシング12の気中側の外周面に第1の絶縁補強部13が形成され、終端接続側の外周面に第2の絶縁補強部14が形成される。
また、エポキシブッシング12において、第1の絶縁補強部13の先端部13aから第2の絶縁補強部14の後端部14aにわたる外周面には、例えば導電塗料を塗布することにより導電層121が形成される。なお、図3及び図4では、説明の便宜上、導電層121を表す破線を、エポキシブッシング12の外周線より内側に記載している。導電層121を接地電位とすることにより、エポキシブッシング12の遮蔽層が形成される。
【0027】
この導電層121の気中側の端部は、第1の絶縁補強部13の電極132の先端側と接触し、緩やかな傾斜を有する電極立ち上り部132aを形成する。この傾斜により、導電層121の気中側の端部に集中する電界が緩和される。また、導電層121の終端接続側の端部は、第2の絶縁補強部14の導電部142と接触し、緩やかな傾斜を有する立ち上がり部を形成する。この傾斜により、導電層121の終端接続側の端部に集中する電界が緩和される。
なお、本実施の形態では、第1の絶縁補強部13の先端部13aから第2の絶縁補強部14の後端部14aにわたる外周面に導電層121を形成しているが、必要に応じて、導電層121を中間で切り離し、終端接続側の接地層と気中側の接地層を電気的に切り離すための縁切り部を設けてもよい。
【0028】
第1の絶縁補強部13は、全体として紡錘状に形成されたコンデンサコーンであり、エポキシブッシング12の気中側に挿嵌される。第1の絶縁補強部13は、絶縁部131と、複数の筒状の電極132を備える。具体的には、電極132の先端側から中央部は、電極立ち上がり部132aを含む外径が最も大きい筒状の電極で構成され、中央部から後端側は、後端側に向かって、順次縮径する複数の円筒状の電極で構成される。絶縁部131は、エチレンプロピレンゴム(EPゴム)、シリコーンゴム等の絶縁性ゴム材料で構成される。電極132は、絶縁性ゴム材料にカーボンブラック等を混入して導電性を付与した導電性ゴム材料で構成される。この電極132が、第1の絶縁補強部13の電界緩和部となる。
【0029】
電極132は、隣接する電極が接触しないで長手方向に一部オーバーラップするように、絶縁部131中に埋設される。また、電極132の先端側(外径が最も大きい筒状の電極の先端側)は、エポキシブッシング12に形成された導電層121の気中側端部に接触するように導電層121の外周に配置される。これにより、電極132のうち、外径が最も大きい筒状の電極が接地電位となり、残りの複数の円筒状の電極が電圧分担し、コンデンサとして機能する。第1の絶縁補強部13(コンデンサコーン)によって、気中側における電界の局部的な集中が緩和される。
なお、エポキシブッシング12と、コンデンサを形成する円筒状の電極との相対位置や、電極の枚数は本実施の形態に限定されず、適宜変更することができる。
【0030】
第2の絶縁補強部14は、全体として紡錘状に形成された、エチレンプロピレンゴム(EPゴム)、シリコーンゴム等から成るゴム製のストレスコーンであり、エポキシブッシング12の終端接続側に挿嵌される。第2の絶縁補強部14は、絶縁性ゴム材料で構成される先端側の絶縁ゴム部141と、後端側の導電部142を備える。ここでは、導電部142は導電性ゴム材料で構成され、モールド成形により絶縁ゴム部141と一体的に形成される。なお、導電部142は導電性ゴム材料で形成する必要はなく、例えば、絶縁性ゴム材料の表面に導電性塗料を塗布することで導電部142を形成してもよい。
絶縁ゴム部141と導電部142は、一体的に形成される。また、導電部142は、ベルマウス状に形成され、エポキシブッシング12に形成された導電層121に接続される。第2の絶縁補強部14によって、終端接続側における電界の局部的な集中が緩和される。
第2の絶縁補強部14の絶縁ゴム部141の外周は、装着されるケーブルヘッド2の受容口21fに対応する形状となっており、圧縮装置15によりケーブルヘッド2の受容口21fに押圧される。
【0031】
圧縮装置15は、押し金具151、スプリング152、及び押し金具フランジ153等を備える。圧縮装置15は、固定金具41によってエポキシブッシング12に固定される。
押し金具151の先端側の開口151aは、第2の絶縁補強部14の後端側の外周面(導電部142の外周面)に沿ってラッパ状に形成される。押し金具151の後端部151bには、スプリング収容部151cが円周方向に沿って複数形成される。これらのスプリング収容部151cに、それぞれコイル状のスプリング152が装着される。
【0032】
押し金具フランジ153の後端部内側には、スプリング152の後端部を支持する突出部153aが形成される。押し金具フランジ153の後端部外側には、ボルト43を締め付けるための複数のねじ孔153bが同一円周上に形成される。また、押し金具フランジ153の先端部には、ボルト42を挿通させるための複数の挿通孔153cが同一円周上に形成される。
なお、ボルト42とボルト43の円周上の位置は、干渉しないようにずらした位置とされる。また、固定金具41の固定部41aのボルト42に対応する位置には、ボルト42をケーブルヘッド2に取り付けられるように切り欠き部(図示略)が設けられる。
【0033】
固定金具41は、エポキシブッシング12のフランジ部122の外周に位置する金具円筒部41bと、金具円筒部41bの先端側から径方向外側に張り出して形成され、押し金具フランジ153の後端面に当接して固定される固定部41aと、金具円筒部41bの後端側から径方向内側に突出して形成され、エポキシブッシング12のフランジ部122の後端面(気中側)に係止される引留部41cとを備える。固定金具41の固定部41aの、押し金具フランジ153に形成されたねじ孔153bと対応する位置には、挿通孔41dが形成される。
固定金具41の引留部41cをエポキシブッシング12のフランジ部122の後端面122a(気中側)に係止させ、この状態で固定部41aの先端面を押し金具フランジ153の後端面に当接させる。そして、ボルト43を挿通孔41dに挿通させ、押し金具フランジ153のねじ孔153bに締め付けることで、固定金具41が押し金具フランジ153に固定される。圧縮装置15は、スプリング152を支持した状態でエポキシブッシング12に固定されることとなる。
【0034】
また、ケーブルヘッド2の絶縁筒部21eの後端面の、押し金具フランジ153に形成された挿通孔と対応する位置には、埋込金具44が配設される。押し金具フランジ153の挿通孔153cにボルト42を挿通させ、このボルト42を埋込金具44に締め付けることで、プラグインブッシング1がケーブルヘッド2に装着される。このとき、圧縮装置15によって、第2の絶縁補強部14がケーブルヘッド2側に押圧され、第2の絶縁補強部14は、弾性変形してケーブルヘッド2の内面に密着することとなる。
【0035】
導体プラグ16は、内部導体11と同様に、通電に適した金属材料で構成され、内部導体11の先端に接続される。導体プラグ16は、プラグインブッシング1のケーブルヘッド2への装着作業を容易にするとともに、内部導体11の先端が損傷しないように保護する。
導体プラグ16は、機器側導体22に接続される先端側の小径部16aと、内部導体11に接続される後端側の大径部16bが連設された、断面視「Y」字状の部材である。
【0036】
大径部16bの後端面中央には内部導体11の先端を挿入するための導体挿入孔16cが形成される。また、導体挿入孔16cの内周面にはばね状接触子(図示略)が配設される凹溝16dが形成される。ばね状接触子としては、多点接触方式のコンタクトであるマルチラムバンド(図示略)が配設される。
【0037】
導体プラグ16の大径部16bの後端部周面には、径方向に貫通するねじ孔16eが、円周方向に沿って複数箇所(例えば3箇所)に形成される。導体プラグ16の導体挿入孔16cに内部導体11の先端を挿入し、ねじ孔16eに固定ねじ(図示略)を挿入して締め付けることにより、導体プラグ16は内部導体11にねじ止めされ、電気的にも接続される。導体プラグ16と内部導体11の間にはマルチラムバンド(図示略)が介在するので、両者は良好に導通する。
【0038】
ここで、固定ねじが、機器側導体22の後端部のシールドに近い部分にあると、シールド内に入り込む電界により、固定ねじが突起となり、部分放電発生の原因になり得るため、好ましくない。そこで、ねじ孔16eに取り付けられる固定ねじ(図示略)が、ケーブルヘッド2の機器側導体22の後端部のシールド(円弧状部分)より深い位置(受容口21fのより先端側の位置)となるように、ねじ孔16eを形成するのが望ましい。これにより、機器側導体22のシールド内に入り込む電界の影響を受けにくくなる。
【0039】
なお、ばね状接触子としては、マルチラムバンドに代えてバルシールを適用してもよい。この場合は、凹溝16dはバルシールを配設するのに適した形状となる。
また、ばね状接触子は、導体挿入孔16cの内周面(凹溝16d)に設けているが、内部導体11の先端の外周に設けてもよい。ただし、エポキシブッシング12のモールド成形を考慮すると、ばね状接触子は、本実施の形態のように、導体挿入孔16cの内周面に形成された凹溝16dに設ける方が好ましい。
【0040】
導体プラグ16とエポキシブッシング12の間、すなわちエポキシブッシング12の先端面には環状の絶縁性ストッパー19が配設される。絶縁性ストッパー19の先端面は、導体プラグ16の後端面に当接する。また、絶縁性ストッパー19の後端面の外周は、ここでは、エポキシブッシング12の先端部外周を覆うように後端側に突出している。この絶縁性ストッパー19により、プラグインブッシング1をケーブルヘッド2に装着した際に、圧縮装置15により押圧される第2の絶縁補強部14(ストレスコーン)が先端側に伸び出すことを防止している。また、プラグインブッシング1をケーブルヘッド2に挿入する際に、絶縁性ストッパー19がケーブルヘッド2の内面に摺接することとなるため、ケーブルヘッド2の内面が傷つくのを防止できる。
【0041】
導体プラグ16において、小径部16aとの連設部位となる大径部16bの先端面には段差部が設けられ、当該段差部(肩部)には第1の絶縁体18が配設される。ここでは、導体プラグ16の大径部16bの先端面の段差部の外周と、第1の絶縁体18の内周とでねじ嵌合されている。第1の絶縁体18は、例えば超高分子量ポリエチレンであるソマライト(商品名)で構成される。
プラグインブッシング1をケーブルヘッド2に装着する際、導体プラグ16の大径部16bが機器側ブッシング21の内周面に摺接しながら挿入される。このとき、大径部16bの肩部が機器側ブッシング21の内周面に接触すると、機器側ブッシング21の内周面を損傷させる虞がある。ここでは、大径部16bの肩部に第1の絶縁体18を設けているので、導体プラグ16の挿入に伴い機器側ブッシング21の内周面が損傷するのを効果的に防止できる。
【0042】
導体プラグ16において、小径部16aの先端には第2の絶縁体17が配設される。ここでは、導体プラグ16の先端面に設けられたねじ部と、第2の絶縁体17の後端面に設けられたねじ孔とでねじ嵌合されている。第2の絶縁体17は、例えば超高分子量ポリエチレンであるソマライト(商品名)で構成される。
プラグインブッシング1をケーブルヘッド2に装着する際、導体プラグ16の小径部16aがリング状接触子23(チューリップコンタクト)の後端部に接触することで、電気的に接続される。
【0043】
通常、ケーブルヘッド2に電力ケーブル端末を装着する場合、電力ケーブル端末側の導体接続端子には、リング状接触子23による引留構造を設けるために係止部22d同様に径方向外周に突出した係止構造が設けられ、導体接続端子の先端面と機器側導体22の係止部22dは接触しない構造とされる。一方、本実施の形態においては、プラグインブッシング1の導体プラグ16(小径部16a)には、リング状接触子23(チューリップコンタクト)に引き留めるための係止構造を設けておらず、プラグインブッシング1をケーブルヘッド2に装着する際、機器側導体22(係止部22d)にプラグインブッシング1の先端(第2の絶縁体17)が突き当たることで、プラグインブッシング1の挿入が完了したことを確認する。そのため、機器側導体22に導体プラグ16が直接突き当たる構造にすると、機器側導体22が損傷する虞がある。ここでは、機器側導体22と導体プラグ16の先端との間に第2の絶縁体17が介在するので、プラグインブッシング1のケーブルヘッド2への挿入に伴い機器側導体22が損傷するのを効果的に防止できる。
【0044】
また、機器側導体22に導体プラグ16が直接突き当たる構造にすると、課電されたときに導体プラグ16から機器側導体22に直接、又はリング状接触子23を介して電流が流れる(分流が生じる)。そして、この状態で短絡事故等により大電流が流れると、通電部が高温になり、機器側導体22及び導体プラグ16が溶融する虞がある。ここでは、導体プラグ16と機器側導体22との間に第2の絶縁体17が介在することで、導体プラグ16と機器側導体22は直接導通せず、リング状接触子23を介して導通する。すなわち、分流が生じないので、短絡事故等が起きても機器側導体22及び導体プラグ16が溶融に至ることはない。
【0045】
図5はケーブルヘッドとプラグインブッシングの接続状態を示す図で、図6はケーブルヘッドとプラグインブッシングの接続部の拡大図である。
図5に示すように、電力用機器100の耐電圧試験時には、ケーブルヘッド2が上方に位置するように(ケーブルヘッド2の先端側が下方を向くように)、エレファント部100Bが回動される。そして、電力用機器100のケーブルヘッド2に、プラグインブッシング1が装着される。
【0046】
具体的には、図6に示すように、電力用機器100のケーブルヘッド2に、機器側ブッシング21の受容口21fからプラグインブッシング1が挿入される。プラグインブッシング1は、第2の絶縁体17が機器側導体22の係止部22dの端面に突き当たる位置まで挿入される。この状態で、リング状接触子23(チューリップコンタクト)の後端部(図6では上側)内周面が導体プラグ16の先端部(ここでは小径部16aの先端部)外周に接触する。
そして、機器側ブッシング21の後端面(絶縁筒部21e)に埋設された埋込金具44に、押し金具フランジ153をボルト42により固定する。このとき、プラグインブッシング1に予め挿嵌しておいた圧縮装置15により、第2の絶縁補強部14は先端側(図6では下側)に押圧され、弾性変形してケーブルヘッド2の内面に密着する。
このように、プラグインブッシング1のケーブルヘッド2への装着作業は極めて簡単である。
【0047】
ケーブルヘッド2にプラグインブッシング1を装着した状態において、機器側ブッシング21の頭部21aに対応する受容口21fには、導体プラグ16が位置する。言い換えれば、機器側導体22の円筒部22bの内周に導体プラグ16が位置する。機器側ブッシング21の胴部21bから遮蔽部21cにわたる部位に対応する受容口21fには、第2の絶縁補強部14が位置する。機器側ブッシング21の機器固定部21dから絶縁筒部21eにわたる部位に対応する受容口21fには、圧縮装置15が位置する。
【0048】
圧縮装置15により、第2の絶縁補強部14が機器側ブッシング21に向けて押圧され、第2の絶縁補強部14と機器側ブッシング21との界面に所定の面圧が付与されるため、終端接続側における絶縁性能が確保される。
また、プラグインブッシング1の気中側は、エポキシブッシング12自体の絶縁耐力と、第1の絶縁補強部13のコンデンサによる電圧分担で絶縁される。
このように、プラグインブッシング1は、終端接続側、気中側において十分な絶縁性能を有するので、耐電圧試験等、電力用機器100に課電する際に極めて有用である。
【0049】
このように、プラグインブッシング1は、棒状の内部導体11と、内部導体11の外周面に、内部導体11の両端が露出するように形成されるエポキシブッシング12と、エポキシブッシング12の気中側の外周面に形成される第1の絶縁補強部13と、エポキシブッシング12の終端接続側の外周面に形成される第2の絶縁補強部14と、第2の絶縁補強部14をケーブルヘッド2に対して押圧する圧縮装置15と、内部導体11の終端接続側の先端に接続され、内部導体11と機器側導体22(ケーブルヘッド2)を電気的に接続させる導体プラグ16と、を備えている。また、第1の絶縁補強部13の電極132(電界緩和部)と第2の絶縁補強部14の導電部142は、それぞれエポキシブッシング12の外周面に形成される導電層121と電気的に接続されている。
【0050】
プラグインブッシング1によれば、ガス絶縁開閉装置や変圧器等の電力用機器100に課電する際、電圧を印加する気中側に終端接続部を設けた電力ケーブルを用いる必要はないので、省スペース化が図られる。また、ガス絶縁開閉装置やガス絶縁変圧器等の絶縁ガスが封入された電力用機器100にプラグイン式で接続できるので、取付作業が極めて容易であり、絶縁ガスの再封入処理も不要となる。また、解体作業も容易となる。特に、本実施の形態のように、プラグインブッシング1側にリング状接触子23に係止する構造を設けない場合は、プラグインブッシング1の先端(第2の絶縁体17)が機器側導体22(係止部22d)の端面に突き当てることで挿入されたことを確認するので、取付作業はより容易になり、プラグインブッシング1をリング状接触子23に係止しない構造のため、極めて容易に解体作業が可能となる。したがって、ガス絶縁開閉装置等の電力用機器100に対して課電する際の省スペース化、及び作業効率の向上を図ることができる。
また、プラグインブッシング1を用いた耐電圧試験方法によれば、電力用機器100に課電するためのプラグインブッシング1の取付・解体作業が前述のように改善されるので、作業効率が格段に向上し、極めて簡単に電力用機器100の耐電圧試験を実施することができる。
【0051】
[第2の実施の形態]
次に、図7に基づいて、本発明のプラグインブッシングの第2の実施の形態について詳細に説明する。なお、同図において、図3、図4及び図6と共通する部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
説明の便宜上、プラグインブッシング5において、フランジ部522を境に、電力用機器100のケーブルヘッド2に装着する側を「終端接続側」と称し、電圧を印加する側を「気中側」と称する。また、以下の説明において、ケーブルヘッド2に挿入する側(図7では下方)を「先端側」、反対側(図7では上方)を「後端側」と称することもある。
【0052】
図7に示すように、プラグインブッシング5は、内部導体11、エポキシブッシング52、第1の絶縁補強部53、第2の絶縁補強部14、圧縮装置15、導体プラグ16等を備える。
エポキシブッシング52は、エポキシ樹脂で構成され、両端から内部導体11が露出するように、内部導体11、エポキシブッシング52及び遮蔽金具532はモールド成形により一体的に形成される。エポキシブッシング52の終端接続側と気中側の間には、終端接続側及び気中側よりも外径が大きいフランジ部522が形成される。また、遮蔽金具532は、フランジ部522の外周面に位置し、後端側(気中側)はエポキシブッシング52に埋設される。エポキシブッシング52の気中側の外周面に第1の絶縁補強部53がモールドにより一体的に形成され、終端接続側の外周面に第2の絶縁補強部14が形成される。
【0053】
また、エポキシブッシング52において、第1の絶縁補強部53の先端部53a(遮蔽金具532の先端面)から第2の絶縁補強部14の後端部14aにわたる外周面には、例えば導電塗料を塗布することにより導電層521が形成される。なお、図7では、説明の便宜上、導電層521を表す破線を、エポキシブッシング52の外周線より内側に記載している。導電層521を接地電位とすることにより、エポキシブッシング52の遮蔽層が形成される。
【0054】
この導電層521の気中側の端部は、第1の絶縁補強部53の遮蔽金具532の先端面と接触する。遮蔽金具532の後端側(筒状部532a)には電界緩和構造が形成されるため、導電層521の気中側の端部における電界集中が緩和される。また、導電層521の終端接続側の端部は、第2の絶縁補強部14の導電部142と接触し、緩やかな傾斜を有する立ち上がり部を形成する。この傾斜により、導電層121の終端接続側の端部に集中する電界が緩和される。
【0055】
第1の絶縁補強部53は、エポキシブッシング52の気中側の外周面にモールドにより一体的に形成され、プラグインブッシング5の気中側でポリマー套管を形成する。ここでは、第1の絶縁補強部53は、ポリマー被覆体531と、遮蔽金具532を備える。ポリマー被覆体531は、シリコーンゴム等の高分子絶縁材料で構成される。遮蔽金具532は、絶縁性ゴム材料にカーボンブラック等を混入して導電性を付与した導電性ゴム材料で構成される。この遮蔽金具532が、第1の絶縁補強部53の電界緩和部となる。
【0056】
ポリマー被覆体531は、エポキシブッシング52の気中側の外周面に設けられ、その外周には、複数個の襞部がポリマー被覆体531の長手方向に沿って離間して形成されている。
【0057】
遮蔽金具532は、エポキシブッシング52の気中側の先端側に内部導体11と同心状に埋設された筒状部532aと、筒状部532aの先端側に連設され、後端面がポリマー被覆体531の先端部と当接する中間部532bと、中間部532bの先端側に連設され、エポキシブッシング52のフランジ部522の外周面に配設される金具フランジ部532cを備える。
遮蔽金具532の後端部(筒状部532aの後端部)は断面円弧形状のため、遮蔽金具532は電界緩和構造を有し、エポキシブッシング52の気中側の電界を緩和する。
【0058】
圧縮装置15は、押し金具151、スプリング152、及び押し金具フランジ153等を備える。圧縮装置15は、遮蔽金具532によってエポキシブッシング52に固定される。
【0059】
押し金具フランジ153の後端部内側には、スプリング152の後端部を支持する突出部153aが形成される。押し金具フランジ153の後端部外側には、ボルト45を締め付けるための複数のねじ孔153bが同一円周上に形成される。また、押し金具フランジ153の先端部には、ボルト42を挿通させるための複数の挿通孔153cが同一円周上に形成される。
なお、ボルト42とボルト45の円周上の位置は、干渉しないようにずらした位置とされる。また、遮蔽金具532の金具フランジ部532cのボルト42に対応する位置には、ボルト42をケーブルヘッド2に取り付けられるように切り欠き部(図示略)が設けられる。遮蔽金具532の金具フランジ部532cの先端面にはボルト45を挿通させるための複数の挿通孔が同一円周上に形成される。
【0060】
ボルト45を遮蔽金具532の金具フランジ部532cの挿通孔に挿通させ、押し金具フランジ153のねじ孔153bに締め付けることで、押し金具フランジ153が遮蔽金具532に固定される。圧縮装置15は、スプリング152を支持した状態でエポキシブッシング52に固定されることとなる。
【0061】
プラグインブッシング5の終端接続側のその他の構成、及び、ケーブルヘッド2への装着方法については、第1の実施の形態のプラグインブッシング1と同じため、説明を省略する。
第2の実施の形態のプラグインブッシング5と第1の実施の形態のプラグインブッシング1の終端接続側の構造は同じため、第2の実施の形態のプラグインブッシング5の気中側の構造に伴う効果及び耐電圧試験方法としての効果は、第1の実施の形態のプラグインブッシング1と同じである。プラグインブッシング5の気中側はモールドにより一体成形しているので、プラグインブッシング1の気中側の絶縁性能に比べてより安定した気中側の電気特性が得られる。
【0062】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、プラグインブッシング1、5は、耐電圧試験時だけでなく、電力用機器100に常時課電するブッシングとして適用することもできる。この場合、プラグインブッシング1、5の後端(気中側)には、架空線、引込線等が接続される。プラグインブッシング1の場合は、特に、屋内に設置される電力用機器100への課電に用いる場合に、紫外線によりゴム製の第1の絶縁補強部13が劣化することもないので好適である。また、プラグインブッシング5の場合は、気中側でポリマー套管を形成しているので、プラグインブッシング1に比べて、常時課電するブッシングとして好適である。
【0063】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0064】
1,5 プラグインブッシング
2 ケーブルヘッド
3 充電部
11 内部導体
12,52 エポキシブッシング
13,53 第1の絶縁補強部
14 第2の絶縁補強部
15 圧縮装置
16 導体プラグ
17 第2の絶縁体
18 第1の絶縁体
19 絶縁性ストッパー
21 機器側ブッシング
22 機器側導体
23 リング状接触子
41 固定金具
42 ボルト
43 ボルト
44 埋込金具
45 ボルト
100 電力用機器
100A 機器収容部
100B エレファント部
101 接地容器
121,521 導電層
122,522 フランジ部
131 絶縁部
132 電極
141 絶縁ゴム部
142 導電部
151 押し金具
152 スプリング
153 押し金具フランジ
531 ポリマー被覆体
532 遮蔽金具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力ケーブル端末をプラグイン式で接続可能なケーブルヘッドを備えた電力用機器に課電するためのプラグインブッシングであって、
棒状の内部導体と、
前記内部導体の外周面に、前記内部導体の両端が露出するように形成されるエポキシブッシングと、
前記エポキシブッシングの気中側の外周面に形成される第1の絶縁補強部と、
前記エポキシブッシングの終端接続側の外周面に形成される第2の絶縁補強部と、
前記第2の絶縁補強部を前記ケーブルヘッドに対して押圧する圧縮装置と、
前記内部導体の終端接続側の先端に接続され、前記内部導体と前記ケーブルヘッドを電気的に接続させる導体プラグと、を備え、
前記第1の絶縁補強部は、絶縁部と電界緩和部を有し、
前記第2の絶縁補強部は、絶縁ゴム部と導電部を有し、
前記電界緩和部と前記導電部は、それぞれ前記エポキシブッシングの外周面に形成される導電層と電気的に接続されていることを特徴とするプラグインブッシング。
【請求項2】
前記第1の絶縁補強部が、ゴム製のコンデンサコーンで構成されることを特徴とする請求項1に記載のプラグインブッシング。
【請求項3】
前記第1の絶縁補強部の前記絶縁部はポリマー被覆体で構成され、
前記第1の絶縁補強部の前記電界緩和部は遮蔽金具で構成されることを特徴とする請求項1に記載のプラグインブッシング。
【請求項4】
前記ケーブルヘッドは、当該プラグインブッシングの終端接続側を挿入可能な機器側ブッシングと、前記導体プラグと電気的に接続される機器側導体と、を備え、
前記導体プラグは、前記機器側導体に接続される小径部と、前記内部導体に接続される大径部を有し、
前記小径部との連設部位となる前記大径部の先端面に、第1の絶縁体が配設されていることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のプラグインブッシング。
【請求項5】
前記ケーブルヘッドは、当該プラグインブッシングの終端接続側を挿入可能な機器側ブッシングと、
前記導体プラグと電気的に接続される機器側導体と、
一端が前記機器側導体に係止され、他端が前記導体プラグに係止しないで接続されるリング状接触子と、を備え、
前記導体プラグの先端には、第2の絶縁体が配設されていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のプラグインブッシング。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載のプラグインブッシングを前記ケーブルヘッドに取り付けて、前記電力用機器に課電することを特徴とする電力用機器の耐電圧試験方法。
【請求項7】
請求項5に記載のプラグインブッシングを前記機器側導体に突き当てる位置まで挿入して前記ケーブルヘッドに取り付けて、前記電力用機器に課電することを特徴とする電力用機器の耐電圧試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46549(P2013−46549A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184756(P2011−184756)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(306013120)昭和電線ケーブルシステム株式会社 (218)
【Fターム(参考)】