説明

プラグイン器具

【課題】プラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行うことができ、取り付け作業が容易であるプラグイン器具を提供する。
【解決手段】バスダクト本体10側に対して嵌合により電気的に接続されるプラグイン器具1であって、プラグイン器具1は外箱2を備え、外箱2は、外箱2の底面部8に配置されてバスダクト本体10側に嵌合される接続部材としてのバー20と、バー20に対応する位置に形成されている点検窓5と、バー20に対応する外箱2の底面部8に配置された透明の絶縁物6とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスダクトから電源を分岐する際に使用されるプラグイン器具、特にプラグイン器具の接続部分をバスダクト側の導体に嵌め合わせる際に嵌合部分の目視確認を行うことができるプラグイン器具に関する。
【背景技術】
【0002】
高層ビル等の構造物では、電気幹線路を構成するためにバスダクトが使用されている。バスダクトは通常ケーブル等とは異なり、大きな荷重と剛性を有している。一般にバスダクトとは、電気導体の周囲を絶縁材で覆って構成した複数の導体を、ハウジングの内部に収納して保持する。このバスダクトは、通常の複数のケーブルを束ねて配線する配線システムと比較して、低インピーダンスでかつ漏洩磁束防止等に極めて優れた機能を有することから、工場施設やビルの主電力供給ラインなどに広く用いられている。
【0003】
バスダクトは、複数の帯状または丸線状の導体と、これらの導体を収納するハウジングと、ハウジング内の空間を複数個の空間に分離する複数の分離部材とを備える。上述した分離部材は、ハウジングと導体との間に形成される空間、および複数の導体の相互の間に形成される空間を分離する。導体は、電気導体と、電気導体の周面に設けられて他の電気導体と電気的に分離するための絶縁体とを備えている。
【0004】
バスダクトのハウジングの一面には、プラグインホールが設けられている。プラグインホールには、プラグイン機器を備えたプラグインボックスが取り付けられて、バスダクトから電源を分岐する。プラグインホールが設けられていることに対応して、バスダクト内に配置された導体と電気的に接続されるプラグイン器具が用いられる。プラグインホール内に配置された導体またはプラグイン器具には、電気的接続のために、クリップと挿入刃(バー)が装着される。例えば、プラグインホール内に配置された導体にクリップを取り付け、このように取り付けられたクリップに対してプラグイン器具側の挿入刃を差し込むことによって、挿入刃とプラグインホール内の導体とが電気的に接続され、挿入刃を介してプラグイン器具側に電源の分岐が可能になる(例えば、特許文献1,2を参照)。
【0005】
図10〜図12は、従来のプラグイン器具100を示しており、このプラグイン器具100は絶縁物101とブレーカ104を有している。バスダクト本体110はプラグインホール111を有している。バスダクト本体110とプラグイン器具100とを取付けるには、バスダクト本体110のバスダクト接続部にプラグインホール111を設け、プラグインホール111に内蔵しているクリップ又はバー に対してプラグイン器具100から突出しているバーまたはクリップ102を挿し込む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−104896号公報
【特許文献2】実開昭61−161832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、プラグイン器具100の電気容量により、プラグイン器具100の大きさや重さは一定ではなく、容量の大きいプラグイン器具100は外形が大きくなり重くなる。また、プラグイン器具100の外箱103は一般的に金属製であり、作業者はプラグイン器具100とバスダクト110の嵌合部分を目視しづらく、プラグイン器具100の取付け位置が高所の場合などでは、容易に取付けるのが困難であった。また、プラグイン器具100の布設方向は様々で、天井からの差込みもあれば、水平方向からの差込みもある。
【0008】
構造物内においてバスダクト本体110の布設のために与えられるスペースは年々縮小しており、プラグイン器具100の取付けに際しては、図11と図12に示すように、作業者は目視方向Sから目視しながら、プラグイン器具100をバスダクト本体110に対して取り付け方向Tに沿って取付けしようとしても作業ができない場合もある。この取り付け作業の際には、作業者はプラグイン器具100の取付けを手探りや感を頼りにすることとなり、この作業が困難であり、プラグインホール111にプラグイン器具100を正しく差込みことができない。このため、クリップ115またはバー(挿入刃)102の損傷や破損に気づかずに そのまま取り付けて使用した場合には、接続不良の発生を起こす可能性もある。
そこで、上記課題を解消するために、本発明は、プラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行うことができ、取り付け作業が容易であるプラグイン器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のプラグイン器具は、バスダクト本体側に対して嵌合により電気的に接続されるプラグイン器具であって、
前記プラグイン器具は外箱を備え、前記外箱は、前記外箱の底面部に配置されて前記バスダクト本体側に嵌合される接続部材と、前記外箱の前記接続部材に対応する位置に形成されている点検窓と、前記接続部材に対応する前記外箱の底面部に配置された透明の絶縁物と、を有することを特徴とする。上記構成によれば、作業者は点検窓と透明の絶縁物を通して、プラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行うことができ、取り付け作業が容易である。
【0010】
本発明のプラグイン器具では、前記外箱は、開閉可能な蓋を備え、前記蓋には前記点検窓が形成されていることを特徴とする。上記構成によれば、作業者は蓋を開けなくても作業者は点検窓と透明の絶縁物を通して、プラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行える。
本発明のプラグイン器具では、前記点検窓を有する前記蓋は、前記底面部に対向されていることを特徴とする。上記構成によれば、プラグイン器具の取り付け方向と作業者の目視方向をそろえることができ、取り付け作業が容易である。
【0011】
本発明のプラグイン器具では、前記外箱内には、前記点検窓から取り込んだ光を前記接続部材に向けて反射する反射部材が配置されていることを特徴とする。上記構成によれば、接続部材が奥まった位置にあっても、接続部材に光を当てることができ、プラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行える。
本発明のプラグイン器具では、前記外箱内には、前記光を前記接続部材に照射する光源が配置されていることを特徴とする。上記構成によれば、暗い場所で目視によるプラグイン器具の取り付け作業や点検ができない場合であっても、接続部材に光を当てることができ、プラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行える。
【0012】
本発明のプラグイン器具では、前記外箱は、前記蓋と前記底面部と側面部から形成され、前記点検窓は前記側面部に形成されていることを特徴とする。上記構成によれば、接続部材を確認するための点検窓を側面部に形成することで、プラグイン器具を取り付け施工する際や、点検する時に、作業者が充分なスペースを確保できない場合にも、側面部の点検窓を通じて作業者は取り付け方向とは異なる目視方向からプラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行える。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プラグイン器具の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行うことができ、取り付け作業が容易であるプラグイン器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のプラグイン器具の実施形態1を示す斜視図である。
【図2】図1に示すプラグイン器具の構造例をさらに詳しく示しており、図2(A)はプラグイン器具の平面図であり、図2(B)はプラグイン器具の内部構造を示す側面図である。
【図3】本発明のプラグイン器具の実施形態2を示す図である。
【図4】本発明のプラグイン器具の実施形態3を示す図である。
【図5】本発明のプラグイン器具の実施形態4を示す斜視図である。
【図6】本発明のプラグイン器具の実施形態5を示す斜視図である。
【図7】本発明のプラグイン器具の実施形態6を示す図である。
【図8】本発明のプラグイン器具の実施形態7を示す図である。
【図9】本発明のプラグイン器具の実施形態8を示す図である。
【図10】従来のプラグイン器具を示す斜視図である。
【図11】従来のプラグイン器具を示す斜視図である。
【図12】従来のプラグイン器具を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明のプラグイン器具の実施形態1を示す斜視図である。
図1に示すプラグイン器具1は、金属製の外箱2を有しており、この外箱2は例えば直方体形状の容器である。この外箱2内には、ブレーカ3が収容されており、外箱2は上面側に開閉可能な蓋4を備えている。外箱2の蓋4には点検窓5が形成されており、点検窓5は例えば矩形状の開口部である。外箱2の底面部8には、板状の絶縁物6が配置されている。この絶縁物6は透明の部材で作られており、例えば透明のプラスチック板やガラス板等を採用できる。点検窓5と絶縁物6とは平行に対向している。
【0016】
図1に示すバスダクト本体10は、図示しないが複数の帯状または丸線状の導体と、これらの導体を収納するハウジング10Mと、ハウジング内の空間を複数個の空間に分離する複数の分離部材とを備える。上述した分離部材は、ハウジングと導体との間に形成される空間、および複数の導体の相互の間に形成される空間を分離する。導体は、電気導体と、電気導体の周面に設けられて他の電気導体と電気的に分離するための絶縁体とを備えている。
バスダクト本体10のハウジング10Mの一面には、プラグインホール11が設けられている。プラグインホール11には、プラグイン機器を備えたプラグインボックスが取り付けられて、電源を分岐する。プラグインホール11が設けられていることに対応して、バスダクト本体10内に配置された導体と電気的に接続されるプラグイン器具1が用いられる。
【0017】
図2は、図1に示すプラグイン器具1の構造例をさらに詳しく示しており、図2(A)はプラグイン器具1の平面図であり、図2(B)はプラグイン器具1の内部構造を示す側面図である。
図2に示すように、外箱2は、すでに説明した上面の開閉可能な蓋4と、側面部7、9B、9C、9D、そして底面部8を有している。蓋4と底面部8は対面している。外箱2の空間内には、底面部8の内面に対してブレーカ3が固定されている。点検窓5は、蓋4において側面部9D側寄りに形成されている。
【0018】
底面部8には、側面部9D寄りに開口部9Fが形成されており、この開口部9Fは点検窓5に対面しており、この開口部9Fには透明の絶縁物6が配置されている。この絶縁物6は点検窓5の真下に位置されている。例えば3つのバー20は、透明の絶縁物6の穴を通過して、開口部9Fから外側に突出している。3つのバー20は、それぞれ導体線21を介してブレーカ3に対して電気的に接続されている。3つのバー20の内の2つの両側のバー20は並んで配置されているが、残りの中央の1つのバー20が2つのバー20に比べてブレーカ3側に寄せて配置されている。これらのバー20は、挿入刃あるいは分岐用端子ともいい、バスダクト本体10にプラグイン器具1を電気的に接続する際の凸状の接続部材の一例である。
【0019】
図1と図2を参照すると、バスダクト本体10にプラグイン器具1を取付けるには、バスダクト本体10またはバスダクト接続部にプラグインホール11を設け、プラグインホール11に内蔵しているクリップ22へプラグイン器具1から突出しているバー20をそれぞれ挿し込むようになっている。これにより、プラグイン器具1には、バー20がプラグインホール11内の導体(図示せず)に取り付けられたクリップ22に嵌め合わされて電気的に接続されている。導体とクリップ22を介して電気的に接続されたバー20は、それぞれ導体線21を介してブレーカ20に電気的に接続されている。ブレーカ20の他方の端部からは所望の方向に電源が分岐される。
【0020】
図1と図2に示す本発明の実施形態1では、図1に示すように、プラグイン器具1の取り付け方向Tと目視方向Rが同じになるように、プラグイン器具1の外箱2の蓋4に点検窓5を設け、プラグイン器具1の底面部8側の絶縁物6を透明にしている。作業者は、外箱2の点検窓5と透明の絶縁物6を通して3つのバー20と3つのクリップ22のそれぞれの嵌合状態を直接目視で確認しながら3つのバー20と3つのクリップ22のそれぞれの嵌合作業を行うことができる。これにより、作業者は、プラグイン器具1のバー20とバスダクト本体10のクリップ22との嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行えるので、プラグイン器具1の取付け作業が容易となる。しかも、蓋4を開閉しなくても、プラグイン器具1の凸状の接続部材であるバー20とバスダクト本体10の凹状の接続部材であるクリップ22との嵌合部分の点検ができる。
【0021】
(実施形態2)
図3は、本発明のプラグイン器具の実施形態2を示している。図3に示す本発明の実施形態2のプラグイン器具1Aの要素が、図2に示す本発明の実施形態1のプラグイン器具1の要素と同様である場合には、同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図3に示すプラグイン器具1Aが図2に示すプラグイン器具1と異なるのは、3つのバー20が中心線CLに沿って並べて配列され、3つのクリップ22が3つのバー20に対応して配置されていることである。
【0022】
図3に示す実施形態2では、プラグイン器具1Aの外箱2に点検窓5を設け、プラグイン器具1Aの底面部8の絶縁物6を透明にしている。作業者は、外箱2の点検窓5と透明の絶縁物6を通して3つのバー20と3つのクリップ22のそれぞれの嵌合状態を直接目視で確認しながら3つのバー20と3つのクリップ22のそれぞれの嵌合作業を行うことができる。これにより、作業者は、プラグイン器具1Aのバー20とバスダクト本体10のクリップ22との嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行えるので、プラグイン器具1Aの取付け作業が容易となる。しかも、蓋4を開閉しなくても、プラグイン器具1Aの凸状の接続部材であるバー20とバスダクト本体10の凹状の接続部材であるクリップ22との嵌合部分の点検ができる。
【0023】
(実施形態3)
図4は、本発明のプラグイン器具の実施形態3を示している。図4に示す本発明の実施形態3のプラグイン器具1Bの要素が、図2に示す本発明の実施形態1のプラグイン器具1の要素と同様である場合には、同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図4に示すプラグイン器具1Bの外箱2Bは、図2に示すプラグイン器具1に比べて小型化されており、蓋4には矩形の点検窓5が形成されている。2つのバー20は、ブレーカ3の前面側から突出して形成され、残りの1つのバー20Gは、ブレーカ3の下面側から突出して形成されている。
【0024】
図4に示す実施形態3では、プラグイン器具1Bの外箱2Bに点検窓5を設け、プラグイン器具1Bの底面部の絶縁物6を透明にしている。作業者は、外箱2Bの点検窓5と透明の絶縁物6を通して3つのバー20,20Gと3つのクリップ22のそれぞれの嵌合状態を目視で確認しながら3つのバー20,20Gと3つのクリップ22のそれぞれの嵌合作業を行うことができる。これにより、作業者は、プラグイン器具1Bのバー20,20Gとバスダクト本体10のクリップ22との嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行えるので、プラグイン器具1Bの取付け作業が容易となる。しかも、蓋4を開閉しなくても、プラグイン器具1Bの凸状の接続部材であるバー20,20Gとバスダクト本体10の凹状の接続部材であるクリップ22との嵌合部分の点検ができる。
【0025】
(実施形態4と実施形態5)
図5は、本発明のプラグイン器具の実施形態4を示す斜視図で、図6は、本発明のプラグイン器具の実施形態5を示す斜視図であり、図2に示す本発明の実施形態1のプラグイン器具1と同様の箇所には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図5に示す実施形態4のプラグイン器具1Cが図1に示す実施形態1のプラグイン器具1と異なるのは、点検窓5Bが形成されている位置である。この点検窓5Bは、外箱2の一次側の側面部9Dに形成されている長方形状の開口部である。
【0026】
同様にして、図6に示す実施形態5のプラグイン器具1Dが図1に示す実施形態1のプラグイン器具1と異なるのは、点検窓5Cが形成されている位置である。この点検窓5Cは、外箱2の側面部9Dに形成されている長方形状の開口部である。
点検窓5B、5Cのように外箱2の側面部9Dや別の側面部9Bに設けることにより、プラグイン器具を取り付け施工する際や、プラグイン器具の嵌め合い状態を点検する時に、作業者が充分なスペースを確保できない場合にも対応できる。すなわち、凸状の接続部材であるバーと凹状の接続部材であるクリップの嵌め合い状態を確認するための点検窓5Cを側面部に形成することで、プラグイン器具を取り付け施工する際や、点検する時に、作業者が充分なスペースを確保できない場合にも、側面部の点検窓5Cを通じて作業者は取り付け方向Tとは異なる目視方向Rからプラグイン器具1の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行える。
【0027】
(実施形態6)
図7は、本発明のプラグイン器具の実施形態6を示しており、図4に示す本発明の実施形態3のプラグイン器具1Bと同様の箇所には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図7に示すように、バー20,20Gやクリップがブレーカ3の下部にある器具の場合には、好ましくはプラグイン器具1Bの外箱2Bの内部には鏡のような反射部材30を配置することができる。この反射部材30は、側面部9Dの内面側に傾斜して配置されている。光Lは、点検窓5を通じて外箱2B内に入射され、この光Lは反射部材30を用いて反射されることで、ブレーカ3の前側に配置されているバー20だけでなく、ブレーカ3の下部に位置されているバー20Gに対して照明用の光を供給できる。このため、目視によるプラグイン器具の取り付け作業や点検を行う場合に、作業者がバー20,20Gと対応するクリップ22との嵌合状態を、光Lを用いて確認できる。
【0028】
(実施形態7)
図8は、本発明のプラグイン器具の実施形態7を示しており、図4に示す本発明の実施形態3のプラグイン器具1Bと同様の箇所には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図8に示すように、バー20,20Gやクリップがブレーカ3の下部にある器具の場合には、好ましくはプラグイン器具1Bの外箱2Bの内部には例えば発光ダイオードランプのようなパイロットランプ(光源)40を配置することができる。このパイロットランプ40は、側面部9Dの内面側に配置されている。パイロットランプ40が発生する光は、ブレーカ3の前側に配置されているバー20だけでなく、ブレーカ3の下部に位置されているバー20Gに対して照明用の光を供給できる。このため、暗い場所で目視によりプラグイン器具の取り付け作業や点検を行う場合に、作業者がバー20,20Gと対応するクリップとの嵌合状態を、パイロットランプ40の光を用いて確認できる。
【0029】
(実施形態8)
図9は、本発明のプラグイン器具の実施形態8を示しており、図4に示す本発明の実施形態3のプラグイン器具1Bと同様の箇所には同じ符号を記してその説明を用いることにする。
図9に示すプラグイン器具1Bの外箱2Bの内部には、好ましくは反射部材30とパイロットランプ40の両方が配置されている。これにより、暗い場所で目視によるプラグイン器具の取り付け作業や点検を行う場合に、作業者がバー20,20Gと対応するクリップとの嵌合状態を、反射部材30からの光とパイロットランプ40の光を用いて、より簡単に確認できる。
【0030】
本発明の実施形態のプラグイン器具は、単純な構造であり、コスト高を抑えることができる。プラグイン器具をバスダクト本体側に取り付ける作業は、作業者が目視確認で行うことが、作業の確実性を保つことができる。プラグイン器具の外箱に点検窓を設け、プラグイン器具の底面部の絶縁物を透明にした。これにより、プラグイン器具とバスダクト本体の嵌合部分の目視確認を最後まで正確に行えるので、取付け作業が容易となる。しかも、蓋を開閉しなくても点検ができる。
【0031】
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず種々の変形例を採用できる。
例えば、点検窓は長方形や正方形に限らず、他の形状、例えば楕円形状や円形状であっても良い。透明の絶縁物は、ネジ留めで固定しても、接着により固定しても良い。
図示例では、プラグイン器具側には一方の接続部材として凸状のバーが配置され、バスダクト本体10またはバスダクト接続部に設けたプラグインホール11には他方の接続部材として凹状のクリップが配置される構成である。しかし、逆にプラグイン器具側には一方の接続部材としてクリップが配置され、バスダクト本体10またはバスダクト接続部に設けたプラグインホール11には他方の接続部材としてバーが配置されるようにしても良い。
上述した鏡のような反射部材やパイロットランプ等の光源の数量や、外箱内に取り付ける位置は、ブレーカの大きさやプラグイン器具の電気容量や構造、形状に応じて任意に選択できる。
【符号の説明】
【0032】
1 プラグイン器具
2 外箱
3 ブレーカ
4 蓋
5 点検窓
6 透明の絶縁物
8 底面部
10 バスダクト本体
20,20G バー(接続部材の一例)
T 取り付け方向
S 目視方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バスダクト本体側に対して嵌合により電気的に接続されるプラグイン器具であって、
前記プラグイン器具は外箱を備え、前記外箱は、前記外箱の底面部に配置されて前記バスダクト本体側に嵌合される接続部材と、
前記外箱の前記接続部材に対応する位置に形成されている点検窓と、
前記接続部材に対応する前記外箱の底面部に配置された透明の絶縁物と、
を有することを特徴とするプラグイン器具。
【請求項2】
前記外箱は、開閉可能な蓋を備え、前記蓋には前記点検窓が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプラグイン器具。
【請求項3】
前記点検窓を有する前記蓋は、前記底面部に対向されていることを特徴とする請求項2に記載のプラグイン器具。
【請求項4】
前記外箱内には、前記点検窓から取り込んだ光を前記接続部材に向けて反射する反射部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つ項に記載のプラグイン器具。
【請求項5】
前記外箱内には、前記光を前記接続部材に照射する光源が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つ項に記載のプラグイン器具。
【請求項6】
前記外箱は、前記蓋と前記底面部と側面部から形成され、前記点検窓は前記側面部に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つ項に記載のプラグイン器具。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−97762(P2011−97762A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250141(P2009−250141)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】