説明

プラグロック装置

【課題】プラグロック装置において、セキュリティ性を向上させることにある。
【解決手段】車両ドアが施錠された場合には、それに連動して給電プラグ6はアンロック状態からロック状態とされる。これにより、ユーザは施解錠に係る操作だけ行えばよく、給電プラグ6をロック状態とする操作を省くことができる。しかし、例えば、給電プラグ6が充電口20aに完全に挿入されていなかった場合や充電口20aに異物が進入した場合には給電プラグ6が適切にロック状態とならないことが考えられる。このような場合には、給電プラグ6を適切にロック状態とすることができないとして車両ドアの施錠が規制される。すなわち、車両ドアの施錠が規制されることを通じて、給電プラグ6がロック状態となっていないことをユーザに認知させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給電プラグを車両の充電口に装着された状態でロックするプラグロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載バッテリの電力に基づき走行する電気自動車やハイブリッドカーが普及しつつある。車載バッテリには、車外に設けられる充電スタンド等の外部電源から充電ケーブルを介して電力が供給される。具体的には、充電ケーブルは、その一端が充電スタンドの本体に連結されるとともに、その他端には給電プラグが設けられている。この給電プラグが車両の外面に設けられる充電口に接続される。この状態において、充電スタンド本体からの電力を、充電ケーブルを介して車載バッテリに充電することが可能となる。
【0003】
ここで、車載バッテリの充電には、ガソリン車のガソリン補給に比べて長い時間を要する。従って、給電プラグを車両の充電口に接続して充電を開始した後、その状態で車両を長時間放置するケースが多くなる。このため、例えば、給電中の車両から給電プラグを取り外して別の車両の充電口に装着して盗電されたり、給電プラグ自体が盗まれたりすることも想定される。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、充電口に接続された給電プラグの不正な抜き出しを規制するプラグロック装置が開示されている。当該プラグロック装置は、車両ドアの施解錠状態と連動して、給電プラグをロック状態及びアンロック状態間で切り替える。ロック状態とは、給電プラグの抜き出しが規制された状態であり、アンロック状態とは給電プラグの抜き出しが許容された状態である。本構成によれば、車両ドアを施錠状態とすることで給電プラグもロック状態となる。よって、ユーザは車両ドアを施錠して車両を離れれば、自ずと給電プラグがロック状態となるため、セキュリティ性を保つことができる。また、車両ドアの施解錠状態と連動せずに、独立して給電プラグをロック状態及びアンロック状態間で切り替える構成も考えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−81917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に示されるプラグロック装置は、車両ドアの施解錠状態に合わせて給電プラグのロック状態を切り替えるものの、必ずしも給電プラグのロックが適切に実行されるとは限らない。例えば、給電プラグが充電口に完全に挿し込まれていない場合や充電口に異物が進入した場合には適切にアンロック状態からロック状態に移行できないことが考えられる。また、給電プラグのロック状態が独立して切り替わる構成においても、車両ドアを施錠したものの、給電プラグのロックを忘れることが考えられる。これらの場合には、給電プラグがロック状態となっていないのにも関わらずユーザが車両を離れるおそれがある。これにより、上述のように盗電等が行われるおそれがある。
【0007】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、セキュリティ性を向上させたプラグロック装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、車両外部の電源に接続された充電ケーブルの先端に設けられる給電プラグを車両の充電口に装着された状態でロックするプラグロック装置において、前記給電プラグの前記充電口からの引き抜きが許容されたアンロック状態及び前記給電プラグの前記充電口からの引き抜きが規制されたロック状態間で前記給電プラグの状態を切り替えるプラグロック部と、前記給電プラグがアンロック状態にあるとき車両ドアの施錠を規制する制御装置と、を備えたことをその要旨としている。
【0009】
同構成によれば、給電プラグがアンロック状態にあるとき車両ドアの施錠が規制される。ここで、降車して車両を充電する際、ユーザは給電プラグを車両の充電口に装着した後、車両ドアを施錠してから車両を離れる。しかし、給電プラグがロック状態とならなければ、たとえユーザが施錠操作を実行しても車両ドアは施錠されない。よって、ユーザは車両ドアが施錠されないことを通じて、給電プラグがロック状態となっていないことを認知することができる。これにより、給電プラグがアンロック状態にあって、ユーザがそれに気が付かず車両から離れることが抑制され、セキュリティ性を向上させることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプラグロック装置において、前記制御装置は、車両ドアの施錠が要求された場合に前記給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できないとき車両ドアの施錠を規制することをその要旨としている。
【0011】
例えば、給電プラグが充電口に完全に挿入されていなかった場合や充電口に異物が進入した場合には給電プラグが適切にロック状態とならないことが考えられる。上記構成によれば、このような場合には、給電プラグを適切にロック状態とすることができないとして車両ドアの施錠が規制される。すなわち、車両ドアの施錠が規制されることを通じて、給電プラグが適切にロック状態となっていないことをユーザに認知させることができ、セキュリティ性を向上させることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプラグロック装置において、前記制御装置及びグランド間に接続される第1の接続線に設けられ、車両ドアが開いたときオンとなるとともに、車両ドアが閉じたときオフとなるカーテシスイッチと、前記第1の接続線における前記カーテシスイッチ及び前記制御装置間と前記グランド又は他のグランドとの間に接続される第2の接続線に設けられ、前記給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できないときにのみオンとされるスイッチ素子と、を備え、前記制御装置は、前記カーテシスイッチ及び前記スイッチ素子の少なくとも何れか一方がオンとなっているとき、車両ドアの施錠を規制することをその要旨としている。
【0013】
既存の車両は、カーテシスイッチを備え、同カーテシスイッチのオン、オフ間での切り替えに基づき第1の接続線を介してグランド側に電流が流れるか否かにより車両ドアの開閉状態が認識されていた。そして、車両ドアが開いている旨判断されている場合、車両ドアの施錠は規制される。これは車両ドアが閉じているときにのみ施錠は有効となるからである。
【0014】
上記構成によれば、給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できなかったとき、擬似的に車両ドアが開いた状態がつくりだされることで車両ドアの施錠が規制される。具体的には、第1の接続線におけるカーテシスイッチ及び制御装置間に第2の接続線の一端を接続して、その他端にグランドを接続する。この第2の接続線にはスイッチ素子が設けられ、給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できなかったときにのみオンとされる。すなわち、このとき、たとえ車両ドアが閉じられていても、制御装置から両接続線の接続点、第2の接続線、スイッチ素子を経てグランドに電流が流れる。よって、制御装置は、給電プラグがロック状態に適切に移行できなかったとき、車両ドアは閉じているのにも関わらず、車両ドアが開いている旨判断し、車両ドアの施錠を規制する。これにより、既存の制御装置の構成や制御内容をほとんど変更することなく、給電プラグがロック状態となっていないことをユーザに認知させることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のプラグロック装置において、車両ドアの施錠状態において前記給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できないとき、その旨をユーザに通知する通知手段を備えたことをその要旨としている。
【0016】
車両ドアが既に施錠状態にあれば、施錠の規制を通じてユーザに給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できない旨を通知することができない。
上記構成によれば、車両ドアの施錠状態においては、別の通知手段を通じてユーザに給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できない旨を通知することができる。よって、車両ドアの施錠状態においても給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できないことを確実にユーザに認識させることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のプラグロック装置において、車両ドアの施錠状態において前記スイッチ素子はオフとされることをその要旨としている。
同構成によれば、車両ドアが施錠状態において車両ドアが開いている旨判断されることが防止される。これにより、車両ドアが施錠状態において車両ドアが開いている旨判断されたときに警告を行うセキュリティ機能を備えた車両においてその誤警報を防止できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、プラグロック装置において、セキュリティ性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1の実施形態における車両及び電子キーの構成図。
【図2】第1の実施形態における車両ドアの施解錠状態及び給電プラグのロック状態における各素子のオンオフ状態並びにボデーECUの判断態様を示した表。
【図3】第2の実施形態における制御プログラムの処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるプラグロック装置を具体化した第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、本例における車両には電子キーシステムが搭載されている。電子キーシステムにおいては、車両のユーザが所持する電子キー10(送信側)と、車両20(受信側)との間での単方向通信が可能である。
【0022】
(電子キー10)
電子キー10は、キー側制御装置11と、送信回路14と、送信アンテナ14aと、アンロックスイッチ16と、ロックスイッチ17とを備えている。
【0023】
キー側制御装置11は、不揮発性のメモリ11aを備えるとともに、そのメモリ11aには、電子キー10に個別に設定されたIDコードが記憶されている。アンロックスイッチ16及びロックスイッチ17は、電子キー10の表面に操作可能に配置されるとともに、操作されるとその旨を示す操作信号をキー側制御装置11へ出力する。
【0024】
キー側制御装置11は、アンロックスイッチ16が操作された旨の操作信号を受けると、車両20に対してドアの解錠を要求する旨のIDコードを含む解錠要求信号を生成し、これを送信回路14に出力する。送信回路14は、キー側制御装置11から入力された解錠要求信号を所定周波数帯の電波に変調する。なお、本実施形態において所定周波数帯はUHF(Ultra High Frequency)帯である。送信アンテナ14aは、送信回路14により変調された解錠要求信号を電波として送信する。
【0025】
また、キー側制御装置11は、ロックスイッチ17が操作された旨の操作信号を受けると、車両に対してドアの施錠を要求する旨のIDコードを含む施錠要求信号を生成し、解錠要求信号と同様に、送信回路14及び送信アンテナ14aを介して施錠要求信号を電波として送信する。
【0026】
(車両20)
車両20は、受信回路24と、受信アンテナ24aと、照合ECU(Electronic Control Unit)22と、ボデーECU21と、ドアロック装置29とを備える。
【0027】
受信アンテナ24aは、電子キー10から送信されるUHF帯の電波である解錠要求信号又は施錠要求信号を受信する。ここでは、まず、解錠要求信号が受信された場合について説明する。受信回路24は、受信アンテナ24aにより受信された解錠要求信号を復調し、その復調した信号を照合ECU22に出力する。
【0028】
照合ECU22は、不揮発性のメモリ22aを備えるとともに、そのメモリ22aには、電子キー10のメモリ11aに記憶されるIDコードと同一のIDコードが記憶されている。照合ECU22は、受信回路24から入力された解錠要求信号を認識すると、同解錠要求信号に含まれるIDコードと、メモリ22aに記憶されるIDコードとの照合を行う。照合ECU22は、この照合が成立したとき、その旨をボデーECU21に通知する。
【0029】
また、ボデーECU21はIDコードの照合が成立から車両ドアの施解錠の制御開始までを一定時間だけ遅延させる遅延回路21aを備える。すなわち、ボデーECU21は、IDコードの照合が成立した旨認識したとき、上記一定時間経過後にドアロック装置29を介して車両ドアを解錠する。施錠要求信号が受信された場合も同様である。このように、遅延回路21aを設けることで、IDコードの照合成立とほぼ同時に車両ドアが開かれた旨判断されたとき、車両ドアが施解錠されることが抑制される。
【0030】
図1に示すように、車両20は電力に基づき走行する電気自動車である。この車両20は駐車場等に備え付けられる充電装置4を通じて充電が行われる。充電装置4は、その本体から延出する充電ケーブル5を備え、その先端には給電プラグ6が設けられている。給電プラグ6は、ユーザに把持された状態で車両20の外面に設けられる充電口20aに挿入される。これにより、充電ケーブル5を介して充電装置4及び車両20は導通状態となる。
【0031】
充電ケーブル5は、電力線の他、信号線を備え、それら線が互いに絶縁された状態で束ねられて外周が樹脂にて被覆されている。
車両20は、バッテリ31と、充電回路32と、充電ECU33と、モータ34とを備える。充電回路32は、充電ケーブル5を通じて車両20に供給される交流電力を直流電力に変換して、その直流電力をバッテリ31に供給する。これにより、バッテリ31は充電される。
【0032】
充電ECU33は、充電ケーブル5の信号線を介して給電プラグ6が充電口20aに挿入されたことを認識できる。充電ECU33は、給電プラグ6が充電口20aに挿入されたことを認識すると、充電回路32を通じてバッテリ31への充電を開始する。
【0033】
バッテリ31の電力がモータ34に供給されることで、モータ34の出力軸を介して駆動輪が駆動される。これにより、車両20は走行可能となる。
また、車両20は、車両ドアの開閉状態を検出するカーテシスイッチ23を備える。カーテシスイッチ23は、各車両ドアに対応して設けられるとともに、車両ドアの開閉に応じてオン、オフ間でその状態が切り替わる。
【0034】
具体的には、カーテシスイッチ23は、ボデーECU21及びグランド間に接続される第1の接続線25に設けられる。そして、図2の表に示すように、車両ドアが閉じたときカーテシスイッチ23はオフ状態となり、車両ドアが開いたときカーテシスイッチ23はオン状態となる。カーテシスイッチ23がオフ状態にあるとき、第1の接続線25に電流が流れない。カーテシスイッチ23がオン状態にあるとき、第1の接続線25に電流が流れる。このように、ボデーECU21は、第1の接続線25に電流が流れているか否かに基づき、車両ドアの開閉状態を判断することができる。
【0035】
ボデーECU21は、車両ドアが開いた状態である旨判断したとき、照合ECU22を通じて施錠要求信号に含まれるIDコードの照合が成立した旨認識しても、車両ドアを施錠しない。ユーザは電子キー10を通じた施錠操作が無視されることで、車両ドアが開いた状態若しくは、いわゆる半ドア状態であることを認識することができる。
【0036】
また、車両20は、充電口20aへ挿入された給電プラグ6の引き抜きを規制するロック部35と、同ロック部35を制御するケーブルロックECU36とを備える。ロック部35は、例えば、ソレノイド及びロックバー35cを備え、ケーブルロックECU36によるソレノイドへの通電状態の切り替えを通じてロックバー35cは進退運動する。具体的には、ロックバー35cは、充電口20aに挿入された状態における給電プラグ6を係止して、同給電プラグ6の引き抜きを規制するロック位置と、その係止状態が解除されたアンロック位置との間を移動する。すなわち、充電口20aに給電プラグ6が挿入された状態で、ロックバー35cがロック位置とされることで給電プラグ6はその引き抜きが規制されたロック状態となり、ロックバー35cがアンロック位置とされることで給電プラグ6はその引き抜きが許容されたアンロック状態となる。
【0037】
また、ロック部35は、ロックセンサ35aを備え、ロックセンサ35aはロックバー35cがロック位置及びアンロック位置の何れに位置するかを検出する。ロックセンサ35aの検出結果はケーブルロックECU36に出力される。
【0038】
ケーブルロックECU36は、ボデーECU21を介して認識した車両ドアの施解錠状態にロックバー35cの位置を連動させる。具体的には、ケーブルロックECU36は、ボデーECU21を通じて解錠要求信号に含まれるIDコードの照合が成立した旨認識したとき、車両ドアの解錠が要求されたとしてロックバー35cをアンロック位置とする。また、ケーブルロックECU36は、ボデーECU21を通じて施錠要求信号に含まれるIDコードの照合が成立した旨認識したとき、車両ドアの施錠が要求されたとしてロックバー35cをロック位置とする。ここで、電気自動車の充電には、ガソリンの給油に比べて時間がかかるため、ユーザは充電中に車両20から離れることが想定される。ユーザが車両20から離れるときには、その車両ドアは施錠されるため、それに連動してロックバー35cがロック位置とされることで、給電プラグ6は充電口20aに挿入されていればロック状態とされる。これにより、ユーザが車両20から離れている状態における給電プラグ6の不正な抜き出しが抑制され、盗電等が抑制される。
【0039】
図1に示すように、第1の接続線25において、ボデーECU21及びカーテシスイッチ23間の接続点Pには、第2の接続線37を介してケーブルロックECU36が接続されている。第2の接続線37の接続点Pと反対側の端部は、ケーブルロックECU36のグランドに接続される。また、ケーブルロックECU36において、第2の接続線37には接続点P側から順にダイオード39及びトランジスタ38が設けられている。ダイオード39は、第2の接続線37から第1の接続線25に電流が流れ込むことを防止する。なお、本例では、運転席の車両ドアに対応するカーテシスイッチ23が設けられる第1の接続線25にのみ第2の接続線37が接続されている。
【0040】
ケーブルロックECU36は、車両ドアの施解錠及びロックバー35cの位置の連動状態に応じて、トランジスタ38のベース端子へ供給するベース電流を制御する。具体的には、ケーブルロックECU36は、車両ドアの施解錠に連動してロックバー35cの位置が適切に切り替えられているロック正常状態にある旨認識しているとき、ベース電流を停止することでコレクタ、エミッタ間を電気的に遮断する(トランジスタ38オフ状態)。
【0041】
また、ケーブルロックECU36は、施錠要求信号に含まれるIDコードの照合が成立した旨認識したのに関わらず、ロックバー35cが適切にロック位置とならないロックエラー状態にある旨認識したときベース端子へのベース電流の供給を通じてコレクタ、エミッタ間を通電状態とする(トランジスタ38オン状態)。ここで、ロックエラー状態となるケースとしては、給電プラグ6が充電口20aに完全に挿入されていない場合や充電口20aに異物が進入した場合にロックバー35cのアンロック位置からロック位置への運動が妨害されることが考えられる。
【0042】
ここで、本例においては、既存のボデーECU21に遅延回路21aを追加するだけで、ロックエラー状態の通知が可能となる。すなわち、上述したボデーECU21によって車両ドアが開いた状態にある旨判断された場合には車両ドアの施錠が実行されないことを利用して、ロック部35がロックエラー状態にある場合に、擬似的に車両ドアが開いた状態がつくりだされる。簡単に説明すると、実際には車両ドアが閉じているにも関わらず、ロックエラー状態であれば、ボデーECU21によって車両ドアが開いている旨判断される。よって、ロックエラー状態においては、電子キー10を通じた車両ドアの施錠は実行されない。これにより、ユーザは給電プラグ6がロック状態とされていないことを認知することができる。
【0043】
すなわち、ボデーECU21は、照合ECU22を通じて施錠要求信号に含まれるIDコードの照合が成立した旨認識しても、すぐに車両ドアを施錠することなく、カーテシスイッチ23を通じて車両ドアが開いているか否かを判断し、車両ドアが閉じている旨認識できれば、車両ドアを施錠する。以下、具体的なボデーECU21による車両ドアの開閉状態の判断態様について図2の表を参照しつつ説明する。
【0044】
同図に示すように、車両ドアが開いたときカーテシスイッチ23はオンとなり、車両ドアが閉じたときカーテシスイッチ23はオフとなる。また、ロック部35がロックエラー状態にあるときトランジスタ38はオンとなり、ロック部35がロック正常状態にあるときトランジスタ38はオフとなる。
【0045】
同図の上段に示すように、車両ドアが開いた状態であって、ロック部35がロックエラー状態にあると、トランジスタ38及びカーテシスイッチ23は何れもオン状態となる。よって、図1に示すように、ボデーECU21からの電流は、両接続線25,37の接続点Pで分流して各グランドに流れる。従って、ボデーECU21は、カーテシスイッチ23がオンである旨、ひいては、車両ドアが開いた状態である旨判断する。
【0046】
次に、同図の中段に示すように、車両ドアが閉じた状態であって、ロック部35がロック正常状態にあると、トランジスタ38及びカーテシスイッチ23は何れもオフ状態となる。よって、図1に示すように、ボデーECU21からの電流は、両接続線25,37の何れにも流れない。従って、ボデーECU21は、カーテシスイッチ23がオフである旨、ひいては、車両ドアが閉じた状態である旨判断する。
【0047】
次に、同図の下段に示すように、車両ドアが閉じた状態であって、ロック部35がロックエラー状態にあると、トランジスタ38はオン状態となり、カーテシスイッチ23はオフ状態となる。よって、ボデーECU21からの電流は、両接続線25,37の接続点Pから第2の接続線37を介してケーブルロックECU36のグランドに流れこむ。この場合、ボデーECU21は、カーテシスイッチ23がオフ状態(車両ドアが閉じた状態)であるにも関わらず、自身から電流が流れているため、カーテシスイッチ23がオンである旨、ひいては、車両ドアが開いた状態である旨判断する。すなわち、ボデーECU21は、ロック部35がロックエラー状態であれば実際には車両ドアが閉じた状態であっても、車両ドアが開いた状態である旨認識し、照合ECU22を通じて施錠要求信号に含まれるIDコードの照合が成立した旨認識しても、ドアロック装置29を通じて施錠しない。
【0048】
ユーザは、通常、例えばハザードの点滅やドアロック時のモータ音を通じて車両ドアの施錠完了を認識したうえで車両20を離れるところ、ロック部35がロックエラー状態である場合には車両ドアの施錠完了を認識することができない。よって、ユーザは、給電プラグ6がロック状態でないことを認識することができる。これにより、給電プラグ6がロック状態とされていない状況において、ユーザがそれに気が付かずに車両20を離れることが抑制され、セキュリティ性を向上させることができる。
【0049】
ユーザがロックエラー状態である旨認識した場合、この状態を解消するべく、給電プラグ6を充電口20aに押し込むことで挿入状態を改善したり、ロックバー35cの進退運動を妨害する異物を取り除いたりすることで、ロックバー35cのロック位置への移動が可能となる。これにより、ロック部35をロック正常状態とすることができる。
【0050】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)車両ドアが施錠された場合には、それに連動して給電プラグ6はアンロック状態からロック状態とされる。これにより、ユーザは施解錠に係る操作だけ行えばよく、給電プラグ6をロック状態とする操作を省くことができる。しかし、例えば、給電プラグ6が充電口20aに完全に挿入されていなかった場合や充電口20aに異物が進入した場合には給電プラグ6が適切にロック状態とならないことが考えられる。このような場合には、給電プラグ6を適切にロック状態とすることができないとして車両ドアの施錠が規制される。すなわち、車両ドアの施錠が規制されることを通じて、給電プラグ6がロック状態となっていないことをユーザに認知させることができ、セキュリティ性を向上させることができる。
【0051】
(2)既存の車両は、カーテシスイッチ23を備え、同カーテシスイッチ23のオン、オフ間での切り替えに基づき第1の接続線25を介してグランド側に電流が流れるか否かにより車両ドアの開閉が判断されていた。そして、車両ドアが開かれている旨判断されている場合、車両ドアの施錠は規制される。これは車両ドアが閉じているときにのみ施錠は有効となるからである。
【0052】
本例ではこの構成を利用して、給電プラグ6がアンロック状態からロック状態に適切に移行できなかったとき、擬似的に車両ドアが開いた状態がつくりだされることで、車両ドアの施錠が規制される。具体的には、第1の接続線25におけるカーテシスイッチ23及びボデーECU21間に第2の接続線37の一端を接続して、その他端にグランドを接続する。この第2の接続線37とグランドとの間にはトランジスタ38が設けられ、給電プラグ6がアンロック状態からロック状態に適切に移行できなかったときにのみオンとされる。すなわち、このとき、たとえ車両ドアが閉じられていても、ボデーECU21から両接続線25,37の接続点P、第2の接続線37、トランジスタ38を経てグランドに電流が流れる。よって、ボデーECU21は、給電プラグ6がロック状態に適切に移行できなかったとき、実際には車両ドアは閉じているのにも関わらず、車両ドアが開いている旨判断し、車両ドアの施錠を規制する。これにより、既存のボデーECU21に遅延回路21aを追加するだけで、給電プラグ6がロック状態となっていないことをユーザに認知させることができる。
【0053】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図3を参照して説明する。この実施形態のプラグロック装置は、車両ドアの施解錠状態及び給電プラグ6のロック状態が連動せず、個別に動作する点が上記第1の実施形態と異なっている。この実施形態は、図1に示す第1の実施形態とほぼ同様の構成を備えている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0054】
図1に一点鎖線で示すように、ロック部35は、ユーザにより操作可能に設けられるプラグロックスイッチ35bを備える。プラグロックスイッチ35bが操作されると、その旨の操作信号がケーブルロックECU36に出力される。ケーブルロックECU36は、車両ドアが施錠状態にある場合において、プラグロックスイッチ35bからの操作信号を受けたときロックバー35cがアンロック位置にあれば、その位置からロック位置に切り替える。また、ケーブルロックECU36は、車両ドアが解錠状態にある場合において、プラグロックスイッチ35bからの操作信号を受けたとき、ロックバー35cの位置をロック位置及びアンロック位置間で切り替える。すなわち、セキュリティ上の観点から車両ドアが施錠状態にあるときにはロックバー35cのロック位置からアンロック位置への移動が規制される。
【0055】
ケーブルロックECU36は、ボデーECU21を介して車両ドアが解錠状態となった旨認識したとき、図3に示されるフローチャートに従って制御プログラムを実行する。
まず、プラグロックスイッチ35bの操作の有無、すなわち、ロックバー35cをアンロック位置からロック位置に切り替える操作があるか否かが判断される(S101)。この操作がない場合(S101でNO)、車両ドアの解錠状態が維持されているか否かが判断される(S102)。すなわち、車両ドアの解錠状態が維持されている限り(S102でYES)、プラグロックスイッチ35bの操作が監視される(S101)。車両ドアが施錠状態とされた場合(S102でNO)、当該プログラムは終了される。
【0056】
プラグロックスイッチ35bの操作がある旨判断された場合(S101でYES)、ロックバー35cをロック位置に移動させる(S103)。そして、ロックセンサ35aを通じてロックバー35cのロック位置への移動が適切に完了したか否かが判断される(S104)。ロックバー35cのロック位置への移動が適切に完了した旨判断された場合(S104でYES)、トランジスタ38はオフ状態に維持され(S105)、当該プログラムは終了される。この結果、ボデーECU21により車両ドアが閉じている旨判断されて車両ドアの施錠が可能となる。一方、ロックバー35cのロック位置への移動が適切に完了した旨判断されない場合(S104でNO)、すなわちロックエラー状態の場合、トランジスタ38はオン状態とされる(S106)。これにより、ボデーECU21により車両ドアが開いている旨判断されるため、車両ドアの施錠は規制される。
【0057】
以上によれば、ユーザは、車両ドアの施錠が実行されないことを通じて、ロックバー35cがロック位置とならない、すなわち給電プラグ6がロック状態となっていない旨認知することができる。
【0058】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(3)車両ドアの施解錠状態及び給電プラグ6のロック状態を連動させない場合であっても、第1の実施形態と同様に、車両ドアの施錠の不実行を通じてユーザに給電プラグ6がロック状態となっていない旨認知させることができる。
【0059】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態のプラグロック装置は、
車両ドアの施錠状態においてはインジケータを通じてロックエラー状態である旨を通知する点が上記第1の実施形態と異なっている。この実施形態は、図1に示す第1の実施形態とほぼ同様の構成を備えている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0060】
本実施形態においては、ケーブルロックECU36は、給電プラグ6が充電口20aに挿入された旨認識したとき、ロック部35を通じて給電プラグ6をロック状態とする。すなわち、上記第2の実施形態と同様に、車両ドアの施解錠状態と給電プラグ6のロック状態とは連動せず、給電プラグ6の充電口20aへの挿入により自動でロック状態とされる。
【0061】
よって、例えば充電口20aに異物が進入した状況において、給電プラグ6が充電口20aに挿入されたときにロックエラー状態、ひいてはトランジスタ38がオン状態となる。従って、給電プラグ6が挿入された後に、施錠要求信号のIDコードの照合成立が認識されるときには、すでにトランジスタ38がオン状態となっていて、ボデーECU21において車両ドアが開いている旨判断される。従って、上記第1の実施形態のように、遅延回路21aを通じて車両ドアが開いているか否か、換言するとロックエラー状態であるか否かを待つ必要がない。よって、遅延回路21aを省略できる。
【0062】
さらに、図1の一点鎖線で示すように、車両20はインジケータ30を備える。インジケータ30は、例えばLED(発光ダイオード)からなるとともに、充電口20aに設けられる。インジケータ30は、その点滅を通じて給電プラグ6のロック状態をユーザに通知する。ケーブルロックECU36は、ロックエラー状態である旨認識したとき、インジケータ30を通じてユーザにその旨を通知する。
【0063】
また、ケーブルロックECU36は、車両ドアが施錠状態にあるとき、トランジスタ38を通じた制御を停止する。すなわち、車両ドアが施錠状態にあるときトランジスタ38はオフ状態に維持される。
【0064】
ここで、セキュリティ機能が搭載されている車両においては、ボデーECU21は、車両ドアが施錠状態にあるにも関わらず、車両ドアが開いている旨判断すると、アラームを通じて警告を行う。その点、本例では、車両ドアが施錠状態にあるときトランジスタ38はオフ状態に維持されるため、上記セキュリティ機能に伴うアラームの誤警報を防止することができる。
【0065】
上記第1の実施形態において、給電プラグ6がロック状態とされる前に車両ドアが施錠状態にあると、車両ドアの施錠の規制を通じた通知を行うことはできない。その点、本例においては、給電プラグ6をロック状態とするとき、車両ドアが施錠状態にあっても、ユーザはインジケータ30を通じて給電プラグ6がロックエラー状態となった旨を認識することができる。特に、本例においては、給電プラグ6は充電口20aへの挿入と同時にアンロック状態からロック状態に遷移されるところ、ロックエラー状態となるときにはユーザは確実にインジケータ30の周辺に存在する。よって、ユーザは確実にロックエラー状態となった旨を認識することができる。
【0066】
また、先に給電プラグ6が充電口20aに挿入されて、その後、ロックスイッチ17の操作を通じて車両ドアの施錠が実行される場合には、ユーザは充電口20aの周辺に存在するとは限らない。このような場合であっても、上記第1の実施形態と同様に、車両ドアの施錠が規制されることで、ユーザはより確実にロックエラー状態である旨を認識することができる。
【0067】
以上、説明した実施形態によれば、特に以下の作用効果を奏することができる。
(4)車両ドアの施錠状態においては、インジケータ30を通じてユーザに給電プラグ6がロックエラー状態である旨を通知することができる。よって、車両ドアの施錠状態においても給電プラグ6がロックエラー状態であることを確実にユーザに認識させることができる。
【0068】
(5)車両ドアが施錠状態にあるときトランジスタ38はオフ状態に維持されるため、車両ドアが施錠状態において車両ドアが開いている旨判断されることが防止される。これにより、車両ドアが施錠状態において車両ドアが開いている旨判断されたときに警告を行うセキュリティ機能を備えた車両において、その誤警報を防止できる。
【0069】
(6)給電プラグ6が充電口20aに挿入されると自動でアンロック状態からロック状態に切り替えられる。このとき、ロックエラー状態となるとトランジスタ38がオン状態となる。従って、ロックエラー状態の場合には、その後施錠要求信号のIDコードの照合成立が認識されるときには、すでにトランジスタ38がオン状態となっていて、ボデーECU21において車両ドアが開いている旨判断される。よって、上記第1の実施形態における遅延回路21aを省略することができ、既存のボデーECU21を利用してロックエラー状態であることを通知することができる。
【0070】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・第1の実施形態においては、ロックエラー状態にあるときのみ、車両ドアの施錠が規制されていた。しかし、車両ドアの施錠が規制される状態はこれに限定されない。具体的には、第2の実施形態と同様に車両ドアの施解錠状態とロックバー35cの位置とを連動させない構成においては、ロックエラー状態でなくても、給電プラグ6が充電口20aに挿入されたものの、ユーザが給電プラグ6のロックを忘れてアンロック状態にある場合が考えられる。この場合に車両ドアの施錠が規制されることで、給電プラグ6のロック忘れをユーザに通知してもよい。本構成において、ボデーECU21は、給電プラグ6が挿入されていない旨認識しているとき、通常通り車両ドアの施解錠を行う。ボデーECU21は、給電プラグ6が挿入されているもののロック状態とされていない旨認識しているとき、車両ドアの施錠を実行しない。この場合、プラグロックスイッチ35bの操作を通じて給電プラグ6がロック状態とされた後、車両ドアの施錠が可能となる。これにより、ユーザは、給電プラグをロック状態とするのを忘れた場合であっても、車両ドアの施錠が実行されないことで、給電プラグがアンロック状態にあることに気が付くことができる。よって、よりセキュリティ性を向上させることができる。
【0071】
・第1〜第3の実施形態においては、電子キーシステムとして電子キー10から車両20に一方的に施錠要求信号又は解錠要求信号が送信されるワイヤレスキーシステムが採用されていた。しかし、電子キーシステムであれば、電子キー10及び車両20間において双方向通信を行ういわゆるキー操作フリーシステムであってもよい。
【0072】
具体的には、車両20は、その周辺にリクエスト信号を送信することで通信エリアを形成する。ユーザに携帯される電子キー10が通信エリアに進入すると、電子キー10は、リクエスト信号を受信するとともに、同リクエスト信号に対してレスポンス信号を返信する。車両20は、受信したレスポンス信号の妥当性を確認すると、解錠可能状態とする。この状態において、例えば、車両ドアに設けられるドアハンドルスイッチが操作されると、車両ドアが解錠される。第1の実施形態においては、この車両ドアの解錠に連動して給電プラグがアンロック状態となる。
【0073】
・第1〜第3の実施形態においては、ロック部35は、ソレノイド及びロックバー35cを備えた構成であったが、給電プラグ6の充電口20aからの引き抜きを規制することができれば、ロック部35の構成はこれに限定されない。
【0074】
・第2の実施形態においては、プラグロックスイッチ35bの操作をトリガとして、給電プラグ6がアンロック状態からロック状態に切り替えられていた。しかし、ロック状態へ切り替えるトリガは、これに限らず、例えば、充電ケーブル5及び車両20の信号線を通じて給電プラグ6が充電口20aに挿入されたことが認識されたことや、施錠要求信号に含まれるIDコードの照合が成立したことであってもよい。
【0075】
・第1〜第3の実施形態においては、ロックエラー状態である旨認識されたとき、トランジスタ38にて擬似的に車両ドアが開いた状態がつくり出されていた。しかし、例えば、ボデーECU21は、CAN通信等によりケーブルロックECU36を通じてロックエラー状態及びロック正常状態の何れの状態であるかを認識してもよい。ボデーECU21は、ロックエラー状態である旨認識したとき、施錠要求信号に含まれるIDコードの照合成立に関わらず、車両ドアを施錠しない。本構成においては、第2の接続線37、トランジスタ38及びダイオード39を省略することができる。
【0076】
・第1〜第3の実施形態においては、第2の接続線37はトランジスタ38を介してケーブルロックECU36のグランドに接続されていた。しかし、第2の接続線37を通じたグランドへの電流供給を制御できれば、トランジスタ38に限らず、その他のスイッチング素子であってもよい。また、トランジスタ等の半導体素子からなる無接点スイッチではなく、機械的なスイッチであってもよく、すなわち、ボデーECU21に擬似的にドアの開閉を認識させることができる回路であればよい。
【0077】
・第1〜第3の実施形態においては、運転席の車両ドアに対応するカーテシスイッチ23が設けられる第1の接続線25にのみトランジスタ38が接続されていた。しかし、各車両ドアに対応するカーテシスイッチ23が設けられる各第1の接続線25にトランジスタ38を接続してもよい。
【0078】
・第1〜第3の実施形態においては、ロック部35は車両20に設けられていたが、給電プラグ6に設けてもよい。さらに、ケーブルロックECU36を給電プラグ6に設けてもよい。この場合、給電プラグ6が充電口20aに挿入されたとき、ケーブルロックECU36及びボデーECU21は信号線を介して通信可能となる。
【0079】
・第1〜第3の実施形態においては、ダイオード39及びトランジスタ38はケーブルロックECU36に設けられていた。しかし、これらをケーブルロックECU36の外に設けてもよい。この場合であっても、ケーブルロックECU36は、自身の外に設けられるトランジスタ38におけるベース端子のベース電流を制御する。
【0080】
・第1〜第3の実施形態においては、車両20は電気自動車であったが、電気及びガソリンの双方で走行するプラグインハイブリッドカーであってもよい。
・第3の実施形態においては、車両ドアの施錠状態における給電プラグ6のロック状態の通知手段はインジケータ30であったが、給電プラグ6のロック状態、特にロックエラー状態であることをユーザに通知することができればインジケータ30に限らず、例えば音声を通じた通知であってもよい。
【0081】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項3に記載のプラグロック装置において、前記第2の接続線は、運転席の車両ドアに対応した前記カーテシスイッチが設けられる第1の接続線にのみ接続されるプラグロック装置。
【0082】
同構成によれば、スイッチ素子が設けられる第2の接続線は、運転席の車両ドアに対応したカーテシスイッチが設けられる第1の接続線にのみ接続される。よって、各車両ドアに対応して第2の接続線及びスイッチ素子を設けた場合に比べて、より簡易に構成することができる。
【0083】
(ロ)請求項2又は3に記載のプラグロック装置において、前記充電口に挿入された状態における前記給電プラグを係止することで同給電プラグをロック状態とするロック位置と、その給電プラグへの係止状態が解除されたアンロック位置との間で移動するロックバーを備え、前記給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できなかったときとは、前記ロックバーのアンロック位置からロック位置への移動が阻止されたときであるプラグロック装置。
【符号の説明】
【0084】
4…充電装置、5…充電ケーブル、6…給電プラグ、20…車両、20a…充電口、21…ボデーECU、22…照合ECU、23…カーテシスイッチ、25…第1の接続線、30…インジケータ(通知手段)、33…充電ECU、35…ロック部(プラグロック部)、36…ケーブルロックECU、37…第2の接続線、38…トランジスタ(スイッチ素子)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両外部の電源に接続された充電ケーブルの先端に設けられる給電プラグを車両の充電口に装着された状態でロックするプラグロック装置において、
前記給電プラグの前記充電口からの引き抜きが許容されたアンロック状態及び前記給電プラグの前記充電口からの引き抜きが規制されたロック状態間で前記給電プラグの状態を切り替えるプラグロック部と、
前記給電プラグがアンロック状態にあるとき車両ドアの施錠を規制する制御装置と、を備えたプラグロック装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラグロック装置において、
前記制御装置は、車両ドアの施錠が要求された場合に前記給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できないとき車両ドアの施錠を規制するプラグロック装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプラグロック装置において、
前記制御装置及びグランド間に接続される第1の接続線に設けられ、車両ドアが開いたときオンとなるとともに、車両ドアが閉じたときオフとなるカーテシスイッチと、
前記第1の接続線における前記カーテシスイッチ及び前記制御装置間と前記グランド又は他のグランドとの間に接続される第2の接続線に設けられ、前記給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できないときにのみオンとされるスイッチ素子と、を備え、
前記制御装置は、前記カーテシスイッチ及び前記スイッチ素子の少なくとも何れか一方がオンとなっているとき、車両ドアの施錠を規制するプラグロック装置。
【請求項4】
請求項3に記載のプラグロック装置において、
車両ドアの施錠状態において前記給電プラグがアンロック状態からロック状態に適切に移行できないとき、その旨をユーザに通知する通知手段を備えたプラグロック装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のプラグロック装置において、
車両ドアの施錠状態において前記スイッチ素子はオフとされるプラグロック装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−44846(P2012−44846A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186425(P2010−186425)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】