説明

プラグ

【課題】低い挿入抵抗でパネルの孔に挿入することができると共に、孔に対して強固に係合させることができるプラグを提供する。
【解決手段】このプラグ10は、パネル1に設けた孔3の表側周縁に当接するフランジ部12と、フランジ部12内周から垂下した筒状の外周壁14と、外周壁14下端から内径方向へ延出した底部16と、底部16内周からフランジ部12側へ立ち上がる筒状の内周壁18と、内周壁18の上端部に連結された押圧部20と、外周壁14及び内周壁18の間に形成されて、フランジ部12側が開口した形状をなす環状溝22とを有し、外周壁14には、周方向に沿って所定間隔で外径方向に突設され、孔3の裏側周縁に係合する複数の第1係止部25と、これらの第1係止部25の間に形成され、第1係止部25よりも低い高さで外径方向に突設され、孔3の裏側周縁に係合する複数の第2係止部30とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネルに穿設された孔を閉塞するために用いられるプラグに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車のパネルには目的に応じて種々の孔が形成されることがあり、この孔を閉塞するためにプラグが用いられている。
【0003】
従来のこの種のものとして、下記特許文献1には、パネル板の穴を覆うカバー部と、カバー部の下面部に連なりパネル板の穴と係合する係合部と、係合部に連なり先端に向かって傾斜した挿入部と、挿入部の中心部に形成した盲孔と、カバー部より前記盲孔を包むようにリング溝を形成してカバー部中心に形成したボスとよりなり、かつ軟質材料により構成されたプラグが開示されている。また、前記係合部は環状に形成されており、パネル板の穴の裏側全周に係合するようになっている。
【0004】
また、下記特許文献2には、パネルの面に圧接状に接面するフランジ部と、フランジ部の下面から垂下しパネルに穿つ穴に挿入される挿入部とを有してなり、上記挿入部はフランジ部に連なって下方に延設される実質的に円筒形状をなす外周壁面と、この外周壁面の下端から内側に折返す如く立ち上がり状に延設される内周壁面と、内周壁面の上端を塞ぐ面板を以て構成し、上記外周壁面と内周壁面との間に上方に向け開口する環状の溝を備えた環状体とすると共に、上記外周壁面には適宜間隔をおいて内部を上記環状の溝に連通させて中空にした複数個の係合突起を放射状に突設し、且つその外壁面に前記パネルの穴に係合する係止爪を設けてなる穴の閉塞具が開示されている。
【0005】
そして、外周壁面に放射状に突設した複数の係合突起に設けられた係止爪が、パネルの穴にそれぞれ係合して、穴にプラグが取り付けられて閉塞されるようになっている。
【特許文献1】実開昭53−2821号公報
【特許文献2】実公平2−8867号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1記載のプラグは、係合部が環状に形成されている。そのため、パネル板の穴にプラグ挿入する際に、穴内周に環状の係合部全周が押圧されつつ押し込まれることとなるので、挿入抵抗が高くプラグを挿入しづらいというデメリットがあった。
【0007】
また、下記特許文献2記載のプラグは、穴に対して、放射状の係合突起に設けられた係止爪が係合しているだけなので、プラグに対して引き抜き方向に力が作用した場合には、比較的容易にプラグが穴から外れてしまう虞れがあった。
【0008】
更に、穴に対してプラグが傾いた状態で押し込まれることがあった。その場合には、放射状の係合突起に設けた係止爪全部が穴に係合せずに、いくつかの係止爪のみが穴に係合した半掛かり状態で、穴にプラグが装着される結果となり、穴からプラグが外れやすくなる可能性があった。
【0009】
したがって、本発明の目的は、低い挿入抵抗でパネルの孔に挿入することができると共に、孔に対して強固に係合させることができるプラグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1は、パネルに穿設された孔を閉塞するプラグであって、前記孔の表側周縁に当接する環状のフランジ部と、該フランジ部の内周から垂下した筒状の外周壁と、該外周壁の下端から内径方向へ延出した環状の底部と、該底部の内周から前記フランジ部側へ立ち上がる筒状の内周壁と、該内周壁の上端部に連結されて、その開口部を閉塞する押圧部と、前記外周壁及び前記内周壁の間に形成されて、前記フランジ部側が開口した形状をなす環状溝とを有し、前記外周壁には、周方向に沿って所定間隔で外径方向に突設され、前記孔の裏側周縁に係合する複数の第1係止部と、これらの第1係止部の間に形成され、前記第1係止部よりも低い高さで外径方向に突設され、前記孔の裏側周縁に係合する複数の第2係止部とが設けられていることを特徴とするプラグを提供するものである。
【0011】
上記発明によれば、プラグをパネルの孔に挿入していくと、孔内周に第1係止部及び第2係止部が押圧されて、外周壁が撓みながら押し込まれていき、第1係止部及び第2係止部が孔の裏側に抜け出ると、外周壁が弾性復帰して、両係止部が孔の裏側周縁に係合すると共に、孔の表側周縁にフランジ部が当接して、プラグが孔に取付けられて、孔が閉塞される。
【0012】
そして、このプラグにおいては、外周壁に複数の第1係止部を設けると共に、これらの第1係止部の間に、それよりも高さの低い第2係止部を設けたので、プラグを孔に挿入する際には、高さの高い第1係止部が孔内周に押圧されて外周壁が撓み、第2係止部は孔内周にほとんど当接しないようになっているので、挿入抵抗を低く抑えることができる。
【0013】
また、孔の裏側周縁には、第1係止部及び第2係止部が共に係合するので、プラグを孔に対して強固に取付けることができる。更に、外周壁の周方向に所定間隔で配置された複数の第1係止部の間に第2係止部が配置され、高さの高い第1係止部と、高さの低い第2係止部とが、外周壁の周方向に沿って交互に配置されているので、孔に対して周方向に均等な保持力を得ることができ、プラグの傾きやガタツキを抑制して、孔に取付けることができる。
【0014】
本発明の第2は、前記第1の発明において、前記第2係止部は、周方向に所定長さで伸びていて、その両端部が第1係止部にそれぞれ連結されているプラグを提供するものである。
【0015】
上記発明によれば、第2係止部の、孔の裏側周縁に対する係合しろが増加して、プラグを孔に対してより強固に取付けることができる。
【0016】
本発明の第3は、前記第1の発明において、前記第2係止部の両端部と、この第2係止部の周方向両側に位置する第1係止部との間には、所定の間隙が設けられているプラグを提供するものである。
【0017】
上記発明によれば、第2係止部の両端部と、その両側の第1係止部との間に、間隙が設けられていて、第2係止部が両側の第1係止部とは連結されていないので、プラグを孔に挿入して、第1係止部が孔内周に押圧されて外周壁が撓むときに、第2係止部を設けた外周壁の部分が撓みやすくなり、挿入抵抗をより低くすることができる。
【0018】
本発明の第4は、前記第1〜3のいずれか1つの発明において、前記第1係止部及び第2係止部の底部側の外周面には、前記フランジ部側に向かって、次第に突出高さが高くなるテーパ状の挿入ガイドが形成され、各係止部の挿入ガイドは、プラグの軸心に対して同一の傾斜角度で形成されている記載のプラグを提供するものである。
【0019】
上記発明によれば、第1係止部及び第2係止部に挿入ガイドを設けたことにより、プラグを孔に挿入する際に、孔内周に引っ掛かることなくガイドされるので、スムーズに挿入することができる。また、同一角度で傾斜した第1係止部及び第2係止部の両挿入ガイドが、孔内周に対して当接しつつ、プラグが押し込まれるようになっているので、プラグ挿入時の傾きを抑制して、孔中心に対してプラグの軸心をほぼ整合させた状態で挿入することができ、孔の裏側周縁に対して、両係止部をしっかりと係合させることができる。
【0020】
本発明の第5は、前記第1〜3のいずれか1つの発明において、前記第1係止部及び第2係止部の底部側の外周面には、前記フランジ部側に向かって次第に突出高さが高くなるテーパ状の挿入ガイドが形成され、前記第2係止部の挿入ガイドのプラグの軸心に対する傾斜角度は、前記第1係止部の挿入ガイドのプラグの軸心に対する傾斜角度よりも小さくなるように設定されているプラグを提供するものである。
【0021】
上記発明によれば、第1係止部及び第2係止部に挿入ガイドを設けたことにより、プラグを孔に挿入する際に、孔内周に引っ掛かることなくガイドされるので、スムーズに挿入することができる。また、第2係止部の挿入ガイドの傾斜角度は、第1係止部の挿入ガイドの傾斜角度よりも小さく設定されているので、孔にプラグを挿入する際には、第1係止部の挿入ガイドが、第2係止部の挿入ガイドよりも先に、孔内周に当接することとなり、第1係止部を設けた外周壁がより撓みやすくなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のプラグによれば、外周壁に複数の第1係止部を設けると共に、これらの第1係止部の間に、それよりも高さの低い第2係止部を設けたので、プラグを孔に挿入する際には、高さの高い第1係止部が孔内周に押圧されて外周壁が撓み、第2係止部は孔内周にほとんど当接しないようになっているので、挿入抵抗を低く抑えることができる。また、孔の裏側周縁には、第1係止部及び第2係止部が共に係合するので、プラグを孔に対して強固に取付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明によるプラグの実施形態を説明する。
【0024】
図1〜6には、本発明によるプラグの一実施形態が示されている。例えば、図6(a)に示すように、このプラグ10は、自動車に用いられる車体パネル等のパネル1に穿設された孔3を、閉塞するために用いられる。
【0025】
図1,2に示すように、このプラグ10は、前記孔3の表側周縁に当接する環状のフランジ部12と、このフランジ部12の内周から垂下した筒状の外周壁14と、この外周壁14の下端から内径方向へ延出した環状の底部16と、この底部16の内周から前記フランジ部12側へ立ち上がる筒状の内周壁18と、該内周壁18の上端部に連結されて、その開口部を閉塞する押圧部20と、前記外周壁14及び前記内周壁18の間に形成されて、前記フランジ部12側が開口した形状をなす環状溝22とを有している。
【0026】
前記フランジ部12は、図2に示すように、常時は斜め下方にスカート状に広がった形状をなしており、図6に示すように、プラグ10が孔3に取付けられたときに、扁平形状に弾性変形して、孔3の表側周縁に弾性的に当接するようになっている。
【0027】
また、外周壁14の底部16側の外周面は、底部16に向かって次第に縮径するテーパ面14aをなしており、プラグ10を孔3へ挿入しやすくなっている。
【0028】
更に、外周壁14と内周壁18との間に、環状溝22を設けたことにより、プラグ10を孔3に挿入する際に、孔3の内周に押圧される外周壁14が、撓み変形しやすくなっている。
【0029】
そして、このプラグ10の外周壁14には、第1係止部25と第2係止部30とが設けられている。
【0030】
すなわち、外周壁14の周方向に沿って所定間隔を設けて、複数の第1係止部25が突設されている。この実施形態では、外周壁14の周方向に均等な間隔を設けて、4つの第1係止部25が突設されている。
【0031】
図4〜6に示すように、この第1係止部25の底部16側の外周面には、フランジ部12側に向かって次第に突出高さが高くなるテーパ状の第1挿入ガイド26が形成されている。この第1挿入ガイド26は、前記外周壁14のテーパ面14aに連続して段差なく形成されている。
【0032】
また、第1係止部25の外周面であって、前記第1挿入ガイド26の上部には、外周壁14から最も高く突出した頂部27が設けられている。この頂部27は、プラグ10の軸心Sに対して同じ半径をなして一定高さで突設している。更に、第1係止部25のフランジ部12側の端部は段状に形成されており、孔3の裏側周縁に係合する係止段部28をなしている。
【0033】
一方、第2係止部30は、上述した複数の第1係止部25の間に、それぞれ設けられている。図3に示すように、この第2係止部30は、外周壁14の周方向に沿って伸びており、その両端部は第1係止部30,30にそれぞれ連結された形状をなしている。また、第2係止部30は、第1係止部25よりも周方向に長く伸びている。
【0034】
そして、図4〜6に示すように、各第2係止部30は、前記第1係止部30と基本的に同様の構造をなしている。
【0035】
すなわち、第2係止部30の底部16側の外周面には、フランジ部12側に向かって次第に突出高さが高くなるテーパ状の第2挿入ガイド31が、外周壁14のテーパ面14aに連続して形成されている(図4参照)。同図4に示すように、第2挿入ガイド31の、プラグ10の軸心Sに対する傾斜角度θ2は、前述した第1挿入ガイド26の、プラグ10の軸心Sに対する傾斜角度θ1と同一となっている。
【0036】
また、第2係止部30の、第2挿入ガイド31の上部には、第1係止部25よりも高さの低い頂部32が形成されている。この頂部32は、プラグ10の軸心Sに対して同じ半径をなして一定高さで突設している。更に、第2係止部30のフランジ部12側の端部は段状に形成され、孔3の裏側周縁に係合する係止段部33をなしている。
【0037】
次に、このプラグ10の使用方法について図4〜6を参照して説明する。
【0038】
すなわち、自動車用の車体パネル等のパネル1に穿設された孔3に対して、プラグ10の外周壁14の底部側を整合させた後、押圧部20を押し込んで、図4(a),(b)に示すように孔3の内周に挿入していく。
【0039】
すると、テーパ面14aにガイドされつつ、外周壁14が孔3に入り込んでいき、第1係止部25及び第2係止部30の下方の、第1挿入ガイド26及び第2挿入ガイド31も挿入されていく。このように、テーパ面14a、第1挿入ガイド26及び第2挿入ガイド31により、孔3の内周に引っ掛かることなくガイドされて、プラグ10をスムーズに挿入することができる。
【0040】
更に、プラグ10が押し込まれると、第2挿入ガイド31及び第1挿入ガイド26を通り越して、第1係止部30の頂部27が、孔3の内周に当接する。このとき、孔3の内周に第1係止部30の頂部27が押圧されて(図5(a)参照)、第1係止部25,25間の第2係止部30が設けられた外周壁14が、内方に撓みながら押し込まれていく(図5(b)参照)。
【0041】
そして、プラグ10を更に深く押し込むと、頂部27が孔3を通りぬけて、第1係止部25及び第2係止部30が、孔3の裏側周縁に抜け出る。その結果、外周壁14が弾性復帰して、各係止部25,30の第1係止段部28及び第2係止段部33の両者が、孔3の裏側周縁に共に係合する(図6(a),(b)参照)。それと共に、フランジ部12が偏平状に撓み変形して、孔3の表側周縁に弾性的に当接する。その結果、パネル1の孔3の表裏周縁が、フランジ部12と両係止部25,30とで挟持され、パネル1にプラグ10が取付けられて、その孔3を閉塞することができる。
【0042】
そして、このプラグ10においては、その外周壁14に複数の第1係止部25を設けると共に、これらの第1係止部25の間に、それよりも高さの低い第2係止部30を設けた構造をなしているので、プラグ10を孔3に挿入する際には、高さの高い第1係止部25の頂部27が孔3内周に押圧される(図5(a)参照)。それにより第1係止部25,25間の第2係止部30が設けられた外周壁14が、図5(b)に示すように内側に撓んで、第2係止部30は孔3の内周にほとんど当接しない構成となっている。このため、孔3の内周への接触面積が小さくなり、プラグ10の挿入抵抗を低く抑えることができる。
【0043】
また、上述したように、プラグ10が孔3に係合した状態では、孔3の裏側周縁に、両係止部25,30の各係止段部28,33が共に係合する構造となっているので、プラグ10を孔3に対して強固に取付けることができる。
【0044】
更に、外周壁14の周方向に所定間隔で配置された複数の第1係止部25の間に、第2係止部30が配置され、高さの高い第1係止部25と、高さの低い第2係止部30とが、外周壁14の周方向に沿って交互に配置されているので、孔3に対して周方向に均等な保持力を得ることができ、プラグ10の傾きやガタツキを抑制して、孔3に取付けることができる。
【0045】
また、この実施形態においては、第2係止部30は、外周壁14の周方向に伸びていて、その両端部が第1係止部25にそれぞれ連結されているので、第2係止部30の第2係止段部33の、孔3の裏側周縁に対する係合しろ(孔3の裏側周縁に係合する第2係止段部33の周方向長さ)を増加させることができ、その結果、プラグ10を孔3に対してより強固に取付けることができる。
【0046】
更に、この実施形態においては、両係止部25,30の第1挿入ガイド26及び第2挿入ガイドを、同一の傾斜角度θ1,θ2で形成したので(図4参照)、プラグ10を孔3に対して挿入していくときに、両挿入ガイド26,31が、孔3の内周に対して当接しつつ、プラグ10が押し込まれるようになっている。その結果、プラグ10を挿入するときに、傾いた状態となっていても、その傾きを是正して、孔3の中心に対してプラグ10の軸心Sをほぼ整合させた状態で挿入することができ、孔3の裏側周縁に対して、両係止部25,30をしっかりと係合させることができる。
【0047】
図7には、本発明によるプラグの他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略することにする。
【0048】
このプラグ10aは、複数の第1係止部25の間に形成された第2係止部30の周方向両端部が、第1係止部25に連結されていない点で、前記実施形態と異なっている。すなわち、この実施形態の第2係止部30の周方向両端部と、この第2係止部30の周方向両端に位置する第1係止部25との間に、孔3に係合しない高さの壁部からなる所定の間隙Vが設けられた構造をなしている。
【0049】
このように、第2係止部30の周方向の両端部が、第1係止部25に連結されていないことにより、プラグ10を孔3に挿入して、第1係止部25の頂部27が、孔3の内周に押圧されて外周壁14が撓むときに、第2係止部30を設けた外周壁14の部分が撓みやすくなり、挿入抵抗をより低くすることができる。
【0050】
図8には、本発明によるプラグの更に他の実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略することにする。
【0051】
図8に示すように、この実施形態のプラグ10bでは、第2係止部30に設けた第2挿入ガイド31の、プラグ10の軸心Sに対する傾斜角度θ2が、第1係止部25に設けた第1挿入ガイド26の、プラグ10の軸心Sに対する傾斜角度θ1よりも小さくなるように設定されている。
【0052】
この実施形態によれば、第2係止部30の第2挿入ガイド31の傾斜角度θ2が、第1係止部25の第1挿入ガイド26の傾斜角度θ1よりも小さく設定されているので、孔3にプラグ10を挿入する際に、第1係止部25の第1挿入ガイド26が、第2係止部30の第2挿入ガイド31よりも先に、孔3内周に当接することとなり、第2係止部30が内側により撓みやすくなり、挿入抵抗をより低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明のプラグの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同プラグの断面図である。
【図3】同プラグの底面図である。
【図4】同プラグを孔に挿入する前の状態を示しており、(a)は要部拡大断面図、(b)は要部拡大底面図である。
【図5】同プラグを孔に通過させている状態を示しており、(a)は要部拡大断面図、(b)は要部拡大底面図である。
【図6】同プラグを孔に取付けた状態を示しており、(a)は要部拡大断面図、(b)は要部拡大底面図である。
【図7】本発明のプラグの他の実施形態を示す要部拡大底面図である。
【図8】本発明のプラグの更に他の実施形態を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1 パネル
3 孔
10,10a,10b プラグ
12 フランジ部
14 外周壁
16 底部
18 内周壁
20 押圧部
22 環状溝
25 第1係止部
26 第1挿入ガイド
30 第2係止部
31 第2挿入ガイド
S 軸心
V 間隙
θ1 傾斜角度(第1挿入ガイドのプラグの軸心に対する傾斜角度)
θ2 傾斜角度(第2挿入ガイドのプラグの軸心に対する傾斜角度)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルに穿設された孔を閉塞するプラグであって、前記孔の表側周縁に当接する環状のフランジ部と、該フランジ部の内周から垂下した筒状の外周壁と、該外周壁の下端から内径方向へ延出した環状の底部と、該底部の内周から前記フランジ部側へ立ち上がる筒状の内周壁と、該内周壁の上端部に連結されて、その開口部を閉塞する押圧部と、前記外周壁及び前記内周壁の間に形成されて、前記フランジ部側が開口した形状をなす環状溝とを有し、
前記外周壁には、周方向に沿って所定間隔で外径方向に突設され、前記孔の裏側周縁に係合する複数の第1係止部と、これらの第1係止部の間に形成され、前記第1係止部よりも低い高さで外径方向に突設され、前記孔の裏側周縁に係合する複数の第2係止部とが設けられていることを特徴とするプラグ。
【請求項2】
前記第2係止部は、周方向に所定長さで伸びていて、その両端部が第1係止部にそれぞれ連結されている請求項1記載のプラグ。
【請求項3】
前記第2係止部の両端部と、この第2係止部の周方向両側に位置する第1係止部との間には、所定の間隙が設けられている請求項1記載のプラグ。
【請求項4】
前記第1係止部及び第2係止部の底部側の外周面には、前記フランジ部側に向かって、次第に突出高さが高くなるテーパ状の挿入ガイドが形成され、各係止部の挿入ガイドは、プラグの軸心に対して同一の傾斜角度で形成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のプラグ。
【請求項5】
前記第1係止部及び第2係止部の底部側の外周面には、前記フランジ部側に向かって次第に突出高さが高くなるテーパ状の挿入ガイドが形成され、前記第2係止部の挿入ガイドのプラグの軸心に対する傾斜角度は、前記第1係止部の挿入ガイドのプラグの軸心に対する傾斜角度よりも小さくなるように設定されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のプラグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−293661(P2009−293661A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145712(P2008−145712)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000124096)株式会社パイオラックス (331)
【Fターム(参考)】