説明

プラスチックボトル及びその中に収納されたフォイルバッグを有する包装ユニット

柔軟性のフォイルバッグ(3)が収納されたプラスチックボトル(2)を有し、中空隙間(5)が少なくともプラスチックボトル(2)の内壁の表面とフォイルバッグ(3)の外面との間の或る特定の領域中に形成されているような包装ユニットの場合、フォイルバッグ(3)は、これが隙間(5)中に配置された手段により得られる力によって少なくとも或る特定の領域中で少なくとも部分的に自動的に弾性的に収縮したりすると共に/或いは圧縮可能であったりすると共に/或いはつぶれることができるよう設計されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟性フォイルバッグが収納されたプラスチックボトルを有する包装ユニットであって、中空中間空間がプラスチックボトルの内壁面とフォイルバッグの外面との間の少なくとも幾つかの領域に形成されているような包装ユニットに関する。さらに、本発明は、多くの別の態様において、柔軟性及び/又は弾性フォイルバッグが収納されたプラスチックボトルを有する包装ユニットを製造する方法であって、中空中間空間がプラスチックボトルの内壁面とフォイルバッグの外面との間の少なくとも幾つかの領域に形成されているような方法に関する。
【背景技術】
【0002】
柔軟性フォイルバッグがプラスチックボトル内に配置されたいわゆるバッグインボトル(bag-in-bottle)型パッケージが製薬業界で用いられている。例えば、鼻内噴霧用有効物質薬剤がフォイルバッグ内に液体の形態で収容され、必要なときにスプレー開口部を介して小出しされる鼻内噴霧用パッケージが知られている。つぶれることができる内側バッグ及びフォイルバッグ内に収容された液体により、投与液体が取り出されてもバッグ内に空気が入り込むことがなく、その結果、経時的に、袋がつぶれ、オプションとしてプラスチックボトル内で圧縮される。フォイルバッグの外壁面とプラスチックボトルの内壁面との間でこれらを包囲した中間空間内で圧力均衡が生じる。
【0003】
一般的なパッケージが独国特許出願公開第3246888(A1)号明細書からも知られている。この明細書は、柔軟性フォイルバッグにワインが充填されているワイン用パッケージを記載している。この柔軟性フォイルバッグは、プラスチックボトルによって包囲され、中空中間空間がフォイルバッグの外壁とプラスチックボトルの内壁との間に形成されている。この中空中間空間はガスで満たされ、このガスは又、フォームプラスチック内に収容される場合がある。ガスの層は、酸素がフォイルバッグを通ってこの中に入っている液体中に拡散するのを阻止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第3246888(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
先行技術から知られているパッケージは、包装状態の商品(以下、「包装品」という場合がある)としてパッケージ内に包装された液体製品と関連して極めて良好に働く。しかしながら、製薬業界では、有効物質薬剤をコーテッド錠剤又は充填カプセルとして錠剤の形態で市販できるようにするパッケージ及び包装ユニットも又要望されている。例えば、この種の有効物質薬剤から成る製剤をプラスチックボトルで包装することが知られている。プレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルは、ばらばらの形態でプラスチックボトル内に詰め込まれる。こうしたものの欠点は、パッケージが輸送されている間又はパッケージが落下して硬い表面に当たった場合に起こることのある振動、打撃又は衝撃により錠剤が壊れ又はカプセルが変形することにある。これらの結果は、一方においては、衝撃、振動又は打撃がボトルの壁からボトル内のプレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルに直接伝わる結果である場合があり、他方において、このような状況においてプレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルが互いに当たった結果である場合がある。錠剤破損又はカプセル変形を回避するため、実際には、ボトルに包装品をいったん充填すると、更に、空気入りバッグ、クッション又は綿毛が包装品の頂部上でボトル内に配置される。その目的は、外部衝撃を抑えると共に緩衝し、プレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルを保護することにある。また、ばね要素が設けられたクロージャを用いることが知られており、ばね要素は、クロージャを閉鎖すると、プレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルの形態をしたそれぞれの包装品に圧接し、包装用ボトル内におけるこれらの位置が安定化される。
【0006】
これらの手だては、パッケージの内容物を安定させるという観点では依然として完全に満足のいくものではない。というのは、一般に、個々のプレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルが互いに対して動くことが依然としてあり得るからである。さらに、破損した錠剤又は形の歪んだカプセルの形態のパッケージの内容物に対する損傷が依然として起こるので外部から作用する衝撃の減衰又は緩衝の向上の余地がある。
【0007】
本発明の目的は、プレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルの形態の包装状態の医薬品のための上述した形式のパッケージであって、輸送中における包装品の向上した保護を保証すると共に錠剤の破損又はカプセルの変形を阻止するパッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した形式の包装ユニットでは、この目的は、本発明によれば、フォイルバッグが、中間空間内に配置された手段の作用によって自動的に少なくとも部分的に弾性的に収縮すると共/或いは少なくとも幾つかの領域において圧縮可能であると共に/或いはつぶれることができるよう設計されているということによって達成される。本発明により、プレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルの形態の有効物質薬剤(以下、個々に且つひとまとまりに包装品という)を柔軟性、好ましくは弾性のフォイルバッグ内に収納することが可能である。この内側バッグを有効物質薬剤の充填前にプラスチックボトル内で延伸すると共に拡張することができ、その結果、充填後、内側バッグは、自動的に弾性的に収縮するようになる。この収縮により、内側バッグ内に入っている包装品は、穏やかに互いに押し付けられ、それにより個々のプレーン若しくはコーテッド錠剤又はカプセルがその後互いに対して動くのが阻止される。当然のことながら、フォイルバッグの弾性によって及ぼされる力は、包装品が破壊され又は変形することなく、互いに当たるだけにするのに十分である。フォイルバッグが収縮すると、中空中間空間がフォイルバッグの外面とこれを包囲しているプラスチックボトルの内壁面との間に形成され、この中間空間は、包装品とプラスチックボトルの内壁との間に間隔が生じるようにし、従って、包装ユニットに作用する穏やかな衝撃の場合、これらの影響は包装品には伝わらないようになる。さらに、且つ補完的な仕方で、穏やかであるが、包装品を取り出しているときにフォイルバッグの圧縮又はつぶれを生じさせるのに十分な力を及ぼす手段が中空中間空間内に設けられるのが良い。本発明の第1の態様によれば、フォイルバッグは、自動的に弾性的に収縮するよう設計され、従って、フォイルバッグが包装品をこれから徐々に取り出しているときに収縮するようになっているが、これは、本発明の第2の態様によれば必要不可欠ではない。というのは、この場合、中間空間内に設けられた上述の手段により及ぼされる力により、フォイルバッグが包装品を取り出しているときにつぶれるようになるからである。
【0009】
両方の場合において、フォイルバッグの外面とプラスチックボトルの内壁面との間に中間空間が形成されていることにより、振動又は衝撃は限定された程度まで包装品に伝わるに過ぎないようになる。これにより、輸送中における保護の強化が保証されると共に破損した錠剤又は形の歪んだカプセルの発生が減少する。
【0010】
これら利点は、フォイルバッグがこの中に入っている包装品を包囲してこれらを互いに押し付けると共に包装品にまとわりつく場合、一層得ることができる。
【0011】
これら手段の結果として、包装品は、プラスチックボトル内で押し固め状態で保持され、個々の包装品が相対温度によって互いに傷つくことは不可能である。この結果、例えば輸送中、又は落下時における振動が生じていても、特にフォイルバッグとプラスチックボトルの壁との間の緩衝によって製品の安定性が向上し、このような緩衝は、空気入り中間空間又は上述の手段を備えた中間空間によって達成される。包装品がフォイルバッグから取り出されている間でもこれら利点を保持するためには、フォイルバッグは、フォイルバッグ内に入れられた包装品が互いに押し合うように包装品を包み込むと共に包装品にまとわりつき、特に、フォイルバッグは、少なくとも或る特定の分量の包装品が取り出されるまで、取り出される包装品の量に従って収縮すると共に/或いはつぶれると共に/或いは圧縮されるよう設計されていれば有利である。
【0012】
フォイルバッグとプラスチックボトルの内壁との間の緩衝効果を強めるために、フォイルバッグと関連した中間空間は、好都合には、衝撃又は打撃を緩衝すると共に/或いは吸収する減衰及び/又は緩衝手段を形成する。変形例として、衝撃又は打撃を緩衝すると共に/或いは吸収する減衰及び/又は緩衝手段は、中間空間内において少なくとも幾つかの領域に設けられる。この種の減衰及び/又は緩衝手段は、多種多様な形態を取ることができ、多種多様な仕方で製造できる。包装品の漸次取り出しに続き中空中間空間を拡張すると同時にフォイルバッグを圧縮する手段が特に有利である。したがって、もう1つの変形実施形態によれば、中間空間には、フォイルバッグを該フォイルバッグ内に入っている包装品に付着させ、包装品を取り出すと、中間空間を拡張し、特にフォイルバッグを圧縮する手段が充填される。
【0013】
別の特徴によれば、上述の手段は、好ましくは過剰圧力下で中間空間内に導入されるガス、特に空気又は不活性ガスから成る。変形例として、上述の手段は、中間空間内に設けられた弾性的に圧縮可能な材料、好ましくはフォーム又はフォーム材料、特に連続気泡フォームのインサートから成り、このフォーム又はフォーム材料は、包装品を取り出すと、圧縮状態が解かれ、即ち拡張する。
【0014】
別の変形実施形態によれば、上述の手段は、中間空間内に設けられ、好ましくはプラスチックボトルの底壁に載り、特に、中央箇所から始まって広がるばねアームを備えたばね要素の形態をしているばね要素から成る。ばね要素は、コンサティーナ状緩衝手段若しくはコンサティーナパッド又は空気若しくはガス入りクッションであっても良い。問題のばね要素のサイズは、プラスチックボトルの特定のサイズに合わされている。
【0015】
フォイルバッグ、弾性的に圧縮可能な材料又はばね要素を作るためにはあらゆる種類のプラスチック材料を使用することができる。本発明の別の実施形態によれば、フォイルバッグ及び/又は弾性的に圧縮可能な材料及び/又はばね要素は、ポリウレタンエラストマー、細胞状ポリウレタンエラストマー、熱可塑性材料、特に高密度ポリプロピレン若しくはポリエチレン又はフィルムラミネートで作られることが特に有利である。フォイルバッグの場合、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロ‐オレフィン‐コポリマー(COC)、ポリクロロトリフロロエチレン(PCFE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエステル(UP)、ポリアクリレート、ポリアミド(PA)で作られたプラスティックフィルム又は例えば特にハニウェル・インターナショナル・インコーポレイテッド(Honeywell International, Inc. )によって商標として登録されている商標名Aclar(登録商標)で知られているポリクロロトリフロロエチレン(PCTFE)とポリ塩化ビニル(PVC)の組み合わせ又はポリ塩化ビニル(PVC)とポリビニリデンクロリド(PVdC)の組み合わせ又は変形例として、これら材料のラミネートフィルム又はアルミニウムフィルム若しくは複合アルミニウムフィルムの形態のラミネートフィルムを用いることが可能である。
【0016】
均圧が包装品をフォイルバッグから徐々に取り出しているときに中空中間空間内で起こるようにするが、必要ならば負圧又は真空を包装ユニットの製造中にこの中空中間に及ぼすことができるようにするため、プラスチックボトルは、好ましくは、中間空間を外気に結合する通気通路を有し、好ましくは、プラスチックボトルは、特にプラスチックボトルの壁に設けられ、中間空間への連結部を有する弁を有する。例えば、弁を通して中空中間に圧力下でガスを充填することができる。
【0017】
上述したように、包装ユニットは、特に個々の包装品の充填のため、この場合、特に、プレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの包装材として使用可能である。したがって、好都合には、フォイルバッグには、包装品としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をした有効物質薬剤が充填される。
【0018】
有効物質薬剤は水分に対して敏感である場合が多いので、有利には、乾燥剤が中間空間内に収納される。中空中間空間は、乾燥剤の収納を可能にするようになっている。適当な乾燥剤は、例えばシリカゲルである。
【0019】
上述した課題は又、種々の包装ユニットの製造方法によって解決される。
【0020】
本発明が解決しようとする課題は、柔軟性及び/又は弾性フォイルバッグが収納されたプラスチックボトルを有する包装ユニットを製造する方法であって、中空中間空間がプラスチックボトルの内壁面とフォイルバッグの外面との間の少なくとも幾つかの領域に形成されている、方法において、中間空間を形成するようプラスチックボトル内にはフォイルバッグが収納され、負圧を中間空間に及ぼしてフォイルバッグを少なくとも所々、プラスチックボトルの内壁面に、特に内壁面の少なくとも部分拡張により付着させるようになっており、フォイルバッグに包装品としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をしたフォイルバッグから取り出し可能な有効物質薬剤を充填し、次に及ぼした負圧を除くことを特徴とする方法によって解決される。
【0021】
個々のプロセスステップの上述の順序により、個々に拡張されたフォイルバッグが負圧をいったん除くと再び収縮し、このようにして、緩衝をもたらす中間空間が形成されるパッケージが得られる。このようにして製造された包装ユニットは、上述した利点を有する。
【0022】
この方法において、次に、中間空間に特に過剰圧力下で乾燥剤及び/又はガスを充填することが可能であり、それにより上述したような中間空間の緩衝効果が向上するので有利である。
【0023】
さらに、負圧を及ぼす前に、乾燥剤及び/又はばね要素及び/又は弾性的に圧縮可能な材料のインサートを中間空間中に導入することが可能である。
【0024】
本発明が解決しようとする課題は、柔軟性及び/又は弾性フォイルバッグが収納されたプラスチックボトルを有する包装ユニットを製造する第2の方法であって、中空中間空間がプラスチックボトルの内壁面とフォイルバッグの外面との間の少なくとも幾つかの領域に形成されている、第2の方法において、プラスチックボトル内にフォイルバッグを収納し、中間空間を形成し、フォイルバッグに包装品としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をしたフォイルバッグから取り出し可能な有効物質薬剤を充填し、次に、中間空間に好ましくは過剰圧力下でガスを充填し、特に、フォイルバッグを少なくとも幾つかの領域において包装品に被着させ、包装品が取り出されると、フォイルバッグを包装品の取り出しに対応した量だけ圧縮することを特徴とする第2の方法によって解決される。
【0025】
このように、中間空間は、一方において、緩衝をもたらす減衰及び/又は緩衝手段として形成され、他方において、包装品を取り出しているときにフォイルバッグの圧縮を生じさせる手段として形成される。このようにして製造された包装ユニットと関連した利点は、本発明の包装ユニットに関して上述した利点と同じである。
【0026】
好都合には、乾燥剤が中間空間にガスを充填する前に中間空間内に収納される。
【0027】
最後に、本発明が解決しようとする課題は、柔軟性及び/又は弾性フォイルバッグが収納されたプラスチックボトルを有する包装ユニットを製造する第3の方法であって、中空中間空間がプラスチックボトルの内壁面とフォイルバッグの外面との間の少なくとも幾つかの領域に形成されている、第3の方法において、プラスチックボトル内にフォイルバッグを収納して中間空間を形成し、ばね要素及び/又は弾性的に圧縮可能な材料のインサートを中間空間内に配置し、フォイルバッグに包装品としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をしたフォイルバッグから取り出し可能な有効物質薬剤を充填してばね要素及び/又はインサートを圧縮するようにすることを特徴とする第3の方法によって解決される。
【0028】
また、この結果、中間空間が緩衝をもたらす減衰又は緩衝手段として具体化された包装ユニットが得られる。中間空間内に収納された圧縮性材料又はばね要素は、充填中、包装品の重量によって圧縮され、次に、包装品の取り出しの際、圧縮性材料及び/又はばね要素に作用する重量の結果としての減少に従ってその弾性によって拡張する。このように製造された包装ユニットも又、上述の利点を有する。
【0029】
好都合には、ばね要素及び/又はインサートの導入前及び/又は導入後に乾燥剤を中間空間内に導入し、特にフォイルバッグの充填中、負圧を中間空間に及ぼす。負圧は、弾性インサート又はばね要素の圧縮を助ける。
【0030】
上述の特徴及び以下に詳細に説明しようとする特徴は、指定された特定の組み合わせだけでなく他の組み合わせでも利用できることは理解されよう。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載にのみ基づいて定められる。
【0031】
以下、関連の図面を参照して本発明を実施形態により例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1の実施形態としての包装ユニットの概略縦断面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態としての包装ユニットの概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1及び図2に示されているパッケージ1,1′は、減衰又は緩衝手段の構成に関する点だけが互いに異なっている。その結果、全ての実施形態における同一の要素又は物体には同一の参照符号が与えられている。
【0034】
図1の包装ユニット1は、プラスチックボトル2と、この中に収納され、柔軟性材料で作られたフォイルバッグ3とから成っている。プラスチックボトル2は、ネック状口4を有し、その内側に、溶接、接着又は密封によってフォイルバッグ3が取り付けられている。フォイルバッグ3の外壁とプラスチックボトル2の内壁面との間には、中空習慣空間5が、口領域4の外部の少なくとも幾つかの領域において形成されている。錠剤の形態の有効物質薬剤が包装品6としてフォイルバッグ3内に収納されている。フォイルバッグ3は、この中に入っている包装品6を包囲し、錠剤によって形成された凝集物の外部にまとわりついてこれを互いに保持し、その結果個々の錠剤が穏やかに互いに対して押し付けられるようになっている。フォイルバッグ3は、更に、包装品6を取り出すと、フォイルバッグが包装品の残りの体積に可撓的に且つ自動的に適合して収縮すると共に/或いは圧縮されるよう中間空間5又はプラスチックボトル2内に構成されると共に/或いは配置されている。この目的のため、フォイルバッグ3は、弾性的に拡張可能であり、例えば、その結果、フォイルバッグに包装品6を充填した後、フォイルバッグは、図1に示されている位置を取り、包装品を取り出すと、このフォイルバッグは、充填中に生じる拡張の結果として、包装品の取り出しに対応した量を、自動的に再び収縮する。均圧がフォイルバッグ3のこの運動が行われるよう中間空間5内で生じることができるようにするために、中間空間5からプラスチックボトル2を包囲した外気への通気通路を形成する開口部8がプラスチックボトル2の底壁7に形成されている。フォイルバッグ3に包装品6を充填する前に開口部8を通って負圧を中間空間5内に生じさせることによりフォイルバッグ3の弾性拡張を得ることができ、その結果、フォイルバッグ3をその弛緩開始位置からフォイルバッグの外面がプラスチックボトル2の内壁面に当接する程度まで拡張されると共に延伸される。フォイルバッグ3に包装品6を充填した後、負圧又は真空を取り除き、その結果、フォイルバッグ3は、収縮して図1に示されている位置を取る。空気で満たされた中間空間5及び中間空間5により生じるプラスチックボトル2の内壁面からのフォイルバッグ3の離隔距離は、輸送中における包装品6の保護を可能にすると共に外部からプラスチックボトル2に作用する衝撃又は振動に対する緩衝効果をもたらす。
【0035】
減衰又は緩衝効果を向上させるため、弾性的に圧縮可能な材料のオプションとしての多部分構成型インサート9が図2に示されているように中間空間5内に設けられるのが良い。フォイルバッグ3に包装品6を充填すると、この材料は、包装品6の重量によって圧縮されるが、オプションとして、中間空間5内に追加的に生じている真空によって圧縮が更に支援される。弾性インサート9は、外部からプラスチックボトル2に作用する打撃、衝撃又は振動に対して追加の減衰又は緩衝効果を有する。包装品6を、フォイルバッグ3から取り出すと、インサート9は、それに応じてフォイルバッグ3を自動的に拡張したり圧縮したりし、即ち、外部からの圧力の形態の力をフォイルバッグ3に及ぼす。この場合、フォイルバッグ3は、弾性材料から成る必要はなく、フォイルバッグ3が柔軟性材料で作られ、その設計がつぶれることができるものであれば十分である。
【0036】
例えば射出成形により作られた弾性ばね要素を又、フォイルバッグの充填を行っているときにフォイルバッグ3を緩衝し、又は包装品を取り出しているときに少なくともフォイルバッグをそのつぶれ運動の際に支持するよう図示していない仕方で中間空間5内に配置してもよい。この種のばね要素は、好ましくは、ボトルの内部で底壁7上に配置される。弾性的に圧縮可能なインサート9に代えて、弾性的に圧縮可能なインサート9と設けられていればばね要素の両方に加えて、フォイルバッグ3に包装品を充填する前に又は好ましくはその後に、中間空間5を、ガス、例えば、特に過剰圧力の空気又は不活性ガスで満たしても良い。この目的のため、開口部8を閉鎖する弁(図示せず)が開口部8に設けられ、中間空間5にこの弁を介してガスを充填するのが良い。この手段の結果として、中間空間5が、更に、エアクッションとして形成され、それにより、外部からの打撃又は振動に対する感受性が一段と減少する。この場合も又、中間空間5内の圧力条件は、包装品を取り出しているときにフォイルバッグ3のつぶれ運動を助け又は生じさせるよう調節可能である。
【0037】
これら実施形態の結果として、全体として、フォイルバッグ3と関連した中間空間5は、打撃又は衝撃を緩衝すると共に/或いは吸収する減衰及び/又は緩衝手段として構成され、衝撃又は打撃を緩衝すると共に吸収する減衰及び/又は緩衝手段は、中間空間の少なくとも幾つかの領域に設けられる。これらの手段は、弾性的に圧縮可能な材料のインサート9、特に過剰圧力下で中間空間5中に導入されるガス又はプラスチックボトル2の底壁7に載るばね要素であるのが良い。ばね要素は、特に、広げられて開き、中央箇所から延びるばねアームから成るのが良い。インサート9の弾性的に圧縮可能な材料は、好ましくは、特に連続気泡構造を備えたフォーム又はフォーム材料である。
【0038】
プラスチックボトル2は、有効物質薬剤の包装に適し且つ認可された任意のありふれた従来プラスチックで製作可能である。同様に、フォイルバッグ3は、従来型フォイル材料で作られるのが良い。ただし、これら材料がつぶれることが保証され、これらの充填体積を包装品が取り出されているときに実質的に減少させることができるということを条件とする。
【0039】
包装ユニットを製造するため、フォイルバッグ3及びプラスチックボトル2を同時押し出し法で一緒に製造するのが良く、次いで、フォイルバッグに包装品6を充填する前に又は充填した後、中間空間5にガスを充填し、オプションとして、圧力下に配置する。しかしながら、フォイルバッグ3及びプラスチックボトル2を互いに別々に製造し、その後フォイルバッグ3をプラスチックボトル2中に導入することも可能である。また、プラスチックボトル2を当初底壁7なしで製造し、次に、フォイルバッグ3をベース又は底部から挿入し、これをプラスチックボトル2の口領域4のその口に取り付け、その後、弾性的に圧縮可能な材料のインサート9を導入し、次に、プラスチックボトル2をこれへの底壁7の溶接若しくは接着又は結合によって密封する。
【0040】
さらに、包装品6が水分の影響を受けないようにするために乾燥剤も又中間空間5中に導入するのが良い。
【0041】
プラスチックボトル2の内壁面とフォイルバッグ3の外面との間に存在する中間空間5は、形状が連続している必要はない。また、中間空間5は、各々が緩衝又は減衰手段として形成され若しくは各々が緩衝又は減衰手段を備えた個々の区分を有することが可能である。この場合、「中間空間」という用語は、オプションとして、中間空間区分を意味する。特に、プラスチックボトル2及びフォイルバッグ3を同時押し出し法によって製造する場合、プラスチックボトル2の底壁7及び底壁7に向いたフォイルバッグ3のクロージャ側を組立ユニットとして形成し、それによりプラスチックボトル2内の中間空間5を2つの互いに反対側に位置する区分又は領域に分割することも可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性フォイルバッグ(3)が収納されたプラスチックボトル(2)を有する包装ユニットであって、中空中間空間(5)が前記プラスチックボトル(2)の内壁面と前記フォイルバッグ(3)の外面との間の少なくとも幾つかの領域に形成されている包装ユニットにおいて、
前記フォイルバッグ(3)は、前記中間空間(5)内に配置された手段の力によって自動的に少なくとも部分的に弾性的に収縮すると共に(或いは)少なくとも幾つかの領域において圧縮可能であると共に/或いはつぶれることができるよう構成されている、
ことを特徴とする包装ユニット。
【請求項2】
前記フォイルバッグ(3)は、該フォイルバッグ(3)内に入れられた包装品(6)が互いに押し合うように前記包装品(6)を包み込むと共に前記包装品(6)にまとわりつき、特に、前記フォイルバッグ(3)は、少なくとも或る特定の分量の包装品(6)が取り出されるまで、取り出される包装品の量に従って収縮すると共に/或いはつぶれると共に/或いは圧縮されるよう設計されている、
請求項1記載の包装ユニット。
【請求項3】
前記中間空間(5)は、前記フォイルバッグ(3)と連携して、衝撃又は打撃を緩衝すると共に/或いは吸収する減衰及び/又は緩衝手段を形成し、或いは、
打撃又は衝撃を緩衝すると共に/或いは吸収する減衰及び/又は緩衝手段が前記中間空間(5)内に少なくとも幾つかの領域で配置され、或いは、
前記中間空間(5)には、前記フォイルバッグ(3)を該フォイルバッグ(3)内に入っている包装品(6)に付着させ、包装品(6)を取り出すと、前記中間空間(5)を拡張し、特に前記フォイルバッグ(3)を圧縮する手段が充填されている、
請求項1又は2記載の包装ユニット。
【請求項4】
前記手段は、
好ましくは過剰圧力下で前記中間空間(5)内に導入されるガス、特に空気又は不活性ガスであり、或いは、
前記中間空間(5)内に設けられた弾性的に圧縮可能な材料、好ましくはフォーム又はフォーム材料、特に連続気泡フォームのインサート(9)であり、或いは、
前記中間空間(5)内に設けられ、好ましくは前記プラスチックボトル(2)の底壁(7)に載り、特に、中央箇所から延びる広がりばねアームを備えたばね要素の形態をしたばね要素である、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項5】
前記フォイルバッグ(3)及び/又は前記インサート(9)の前記弾性的に圧縮可能な材料及び/又は前記ばね要素は、ポリウレタンエラストマー、細胞状ポリウレタンエラストマー、熱可塑性材料、特に高密度ポリプロピレン若しくはポリエチレン又はフォイルラミネートから成る、
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項6】
前記プラスチックボトル(2)は、前記中間空間(5)を前記外気に結合する通気通路を有し、好ましくは、前記プラスチックボトル(2)は、特に前記プラスチックボトルの壁に設けられ、前記中間空間(5)への連結部を有する弁を備えている、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項7】
前記フォイルバッグ(3)には、包装品(6)としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をした有効物質薬剤が充填されている、
請求項1ないし6のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項8】
乾燥剤が前記中間空間(5)内に配置されている、
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の包装ユニット。
【請求項9】
柔軟性及び/又は弾性フォイルバッグ(3)が収納されたプラスチックボトル(2)を有する包装ユニット(1,1′)を製造する方法であって、中空中間空間(5)が前記プラスチックボトル(2)の内壁面と前記フォイルバッグ(3)の外面との間の少なくとも幾つかの領域に形成されている方法において、前記中間空間(5)を形成するよう前記プラスチックボトル(2)内にはフォイルバッグ(3)が収納され、負圧を前記中間空間(5)に及ぼして前記フォイルバッグ(3)を少なくとも所々、前記プラスチックボトル(2)の内壁面に、特に前記内壁面の少なくとも部分拡張により付着させるようになっており、前記フォイルバッグ(3)に包装品(6)としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をした前記フォイルバッグから取り出し可能な有効物質薬剤を充填し、次に及ぼした負圧を除く、
ことを特徴とする方法。
【請求項10】
次に、前記中間空間(5)に特に過剰圧力下で乾燥剤及び/又はガスを充填する、
請求項9記載の方法。
【請求項11】
負圧を及ぼす前に、乾燥剤及び/又はばね要素及び/又は弾性的に圧縮可能な材料のインサート(9)を前記中間空間(5)中に導入する、
請求項9又は10記載の方法。
【請求項12】
請求項9の前提部に記載されたプラスチックボトル(2)を製造する方法において、前記プラスチックボトル(2)内にフォイルバッグ(3)を収納して前記中間空間(5)を形成し、前記フォイルバッグ(3)に包装品(6)としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をした前記フォイルバッグから取り出し可能な有効物質薬剤を充填し、次に、前記中間空間(5)に好ましくは過剰圧力下でガスを充填し、特に、前記フォイルバッグ(3)を少なくとも幾つかの領域において前記包装品(6)に被着させ、包装品(6)が取り出されると、前記フォイルバッグ(3)を前記包装品の取り出しに対応した量だけ圧縮する、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記中間空間(5)に前記ガスを充填する前に乾燥剤を前記中間空間(5)内に配置する、
請求項12記載の方法。
【請求項14】
請求項9の前提部に記載されたプラスチックボトル(2)を製造する方法において、前記プラスチックボトル(2)内にフォイルバッグ(3)を収納して前記中間空間(5)を形成し、ばね要素及び/又は弾性的に圧縮可能な材料のインサート(9)を前記中間空間(5)内に配置し、前記フォイルバッグ(3)に包装品(6)としてプレーン若しくはコーテッド錠剤又は充填カプセルの形態をした前記フォイルバッグから取り出し可能な有効物質薬剤を充填して前記ばね要素及び/又は前記インサートを圧縮するようにする、
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
前記ばね要素及び/又は前記インサート(9)の導入前及び/又は導入後に乾燥剤を前記中間空間(5)内に導入し、特に、前記フォイルバッグ(3)の充填を行っている間、負圧を前記中間空間(5)に及ぼす、
請求項14記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−529832(P2011−529832A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−520522(P2011−520522)
【出願日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際出願番号】PCT/EP2009/059905
【国際公開番号】WO2010/012815
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】