プラスチックボトル取付用把手および把手付プラスチックボトル
【課題】大きな衝撃が加わったとしても、ボトルから外れることがない、新規形状の把手、および、該把手を備えた把手付ボトルを提供する。
【解決手段】握り部、該握り部の上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備えて構成され、該上部支持腕および下部支持腕を介してプラスチックボトルに取り付けるための把手において、把手を、上部支持腕が握り部から分岐する位置より握り部の上方に延設された上方延設部を備えていないか、あるいは備えていたとしても、上部支持腕の上面を水平とした場合に、該上面から上方延設部の頭頂部までの高さが15mm以下となるようにする。
【解決手段】握り部、該握り部の上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備えて構成され、該上部支持腕および下部支持腕を介してプラスチックボトルに取り付けるための把手において、把手を、上部支持腕が握り部から分岐する位置より握り部の上方に延設された上方延設部を備えていないか、あるいは備えていたとしても、上部支持腕の上面を水平とした場合に、該上面から上方延設部の頭頂部までの高さが15mm以下となるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックボトル取付用把手に関し、より詳しくは1.5リットル以上の大容量を充填するための大型ボトルに取り付けるための把手、および、該把手を備えた把手付プラスチックボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックボトルは、大型化すると取り扱いが不便になるため、プラスチックボトル(以下「ボトル」と省略する。)の一部に把手を取り付けた把手付ボトルが醤油、ミリン等の調味料用容器として使用されている。使用者は把手を掴むことで、高重量の大型ボトルであっても、安定して取り扱うことができる。
【0003】
このような把手付ボトルは、あらかじめ把手をボトル本体とは別体に射出成形等の方法により成形しておき、ボトル本体のブロー成形の工程において、両者を一体化することが一般的に行われている。ブロー成形の際に、把手の一部にボトルが絡み付くようにして成形され、両者が一体化されるのである。
【0004】
このように把手は、ボトル本体とはもともと別体で形成されるものであるので、把手がボトル本体に十分強く嵌合していることが要求される。また、大型ボトルにおいては、把手とボトル本体との嵌合部分が、ボトルの全重量を支えることとなるため、その要求は特に大きい。
【0005】
特許文献1には大型ボトル用の把手が記載されている。図3には、握り部、およびその上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備え、さらに上部支持腕が握り部から分岐する位置より握り部の上方に延設された上方延設部を備えた把手が記載されている。把手は、ボトルの上部側面に形成された凹部に、上部支持腕および下部支持腕を介して取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−43877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載されているような従来の形状の把手を取り付けたボトルは、ボトルを床に落とす等により、ボトルに衝撃が加わった際に、ボトルから把手が外れる場合があった。流通段階あるいは一般家庭における使用時に、床に落とす等の大きな衝撃が把手付ボトルに加わることは十分に考えられ、一度ボトルから把手が外れてしまうと、それを戻すことは一般的に不可能であった。そのため、ボトルに大きな衝撃が加わったとしても、把手が外れる心配がないような把手付ボトルが求められていた。
【0008】
そこで、本発明は、大きな衝撃が加わったとしても、ボトルから外れることがない、新規形状の把手、および、該把手を備えた把手付ボトルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0010】
第1の本発明は、握り部(10)、握り部(10)の上下部から前方向に突出する上部支持腕(22)および下部支持腕(24)を備えて構成され、上部支持腕(22)および下部支持腕(24)を介してボトルに取り付けるための把手であって、把手が、上部支持腕(22)が握り部(10)から分岐する位置より握り部(10)の上方に延設された上方延設部(40)を備えていないか、あるいは備えていたとしても、上部支持腕(22)の上面を水平とした場合に、該上面から上方延設部(40)の頭頂部までの高さが15mm以下とされている、ボトル取付用把手(100)である。ここで、符号100は、100A〜100Cを包含する上位概念として用いている。
【0011】
本明細書において、「上下」方向は、把手(100)をボトル本体に取り付けた状態において、ボトル底面を下側にしてボトルを平面上に載置した状態における方向を意味する。また、把手(100)をボトル本体に取り付けた状態において、把手(100)を観察者側に配置した状態を基準として、ボトル本体側を前方、把手(100)側を後方とする。
【0012】
第1の本発明のボトル取付用把手(100)は、握り部(10)の上部に上方延設部(40)を備えていないか、あるいは、備えていたとしても、その高さが低く制限された構造を有している。このような構造とすることによって、ボトル本体に把手(100)を取り付けた場合に、把手嵌合強度を大きくすることができる。そして、把手付ボトルを床に落とす等によりボトルに衝撃が加わった際においても、ボトルから把手(100)が外れることが防止され、ボトルに耐衝撃性を付与することができる。
【0013】
第1の本発明において、握り部(10)の少なくとも一部にくびれ部(50)が形成されていることが好ましい。なお、くびれ部(50)とは、握り部(10)の断面積が減少することにより細くなっている部分をいう。くびれ部(50)は、左右方向から中心に向かって細くなる形状であってもよいし、前後方向から中心に向かって細くなる形状であってもよい。
【0014】
握り部(10)の少なくとも一部にくびれ部(50)を形成することによって、把手(100)の樹脂使用量を減らして、軽量化、コストの削減に寄与することができる。また、くびれ部(50)を形成することで、握り部(50)に柔軟性を付与することができ、把手(100)を取り付けたボトルの耐衝撃性をより向上させることができる。
【0015】
第1の本発明において、上部支持腕(22)および下部支持腕(24)の先端に上方に突出するように形成された係合部(62、64)が備えられていることが好ましい。係合部(62、64)を備えていることによって、把手(100)とボトル本体とをブロー成形によって一体化した際に、係合部(62、64)がアンカーの役割を担い、把手嵌合強度を大きくすることができる。
【0016】
第2の本発明は、ボトル本体(210)、ボトル本体(210)の上部側面に形成された把手取付用凹部(230)、および、把手取付用凹部内(230)に取り付けられた第1の本発明のボトル取付用把手(100)、を備えて構成される把手付ボトル(200)である。第2の本発明は、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とすることができ、また第1の本発明の把手(100)を備えていることで、把手嵌合強度が大きな把手付ボトル(200)とすることができる。具体的には、第2の本発明は、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とした場合、把手(100)の23℃における嵌合強度を、少なくとも245Nとすることができる。
【0017】
把手嵌合強度の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトルに常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5ないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、該ボトルを横倒して固定し、ボトルキャップ天面から125mmの位置を500mm/分の速度で引っ張った。そして、把手が外れた時の荷重(N)を嵌合強度とした。該強度は把手付ボトルに特有のものであり、上記の嵌合強度を備えた把手付ボトルは、より信頼性の高い把手付ボトルといえる。
【0018】
第2の本発明の把手付ボトルは、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とした場合、把手付ボトル(200)全体の質量が54g以上73g以下であり、下部支持腕(24)が取り付けられた部分より下側のボトル本体下部(210B)の平均肉厚が0.22mm以上0.40mm以下である、軽量化ボトルとすることができる。この軽量化ボトルは、従来得られなかったような軽量化を可能としたものである。そして、軽量化しつつも、座屈強度および耐ラインプレッシャー強度といった大型ボトルに必要とされる強度を十分な値とすることができる。具体的には、軽量化ボトルにおいて、充填後の23℃における座屈強度(垂直荷重強度)を、少なくとも392Nとすることができる。また、23℃における耐ラインプレッシャー強度を、少なくとも40Nとすることができる。
【0019】
なお、本明細書において「ボトル本体下部の平均肉厚」とは、下部支持腕(24)が取り付けられた部分より下側であって、ボトル底面のボトル設置部より上側のボトル本体下部(210B)を構成するボトル側壁の平均厚みをいい、ボトル設置部を含むボトル底面の平均厚みを含まない。
【0020】
第2の本発明の把手付ボトルは、1.5リットル以上、好ましくは1.6リットル以上、より好ましくは1.7リットル以上であって、2.7リットル以下、好ましくは2.5リットル、より好ましくは2.0リットル、さらに好ましくは1.9リットル以下の内容量、特に好ましくは1.8リットルの内容量を充填するボトルとして用いることができる。第2の本発明の把手付ボトルは、ボトル本体下部の平均肉厚を薄くし軽量化しても強度を保つことができ、1.5リットル以上の大容量の把手付ボトルとしてはこれまで得られていなかった軽量なボトルとすることができる。
【0021】
座屈強度(垂直荷重強度)の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトルに常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5リットルないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、該ボトルを圧縮する。そして、該ボトルが座屈した時の荷重(N)を座屈強度(垂直荷重強度)とした。上記の座屈強度を備えることによって、充填したボトルを倉庫保管で多段積みする等して把手付ボトルに垂直方向の力が加わったときに、把手付ボトルが座屈変形してしまうのを防止することができる。
【0022】
耐ラインプレッシャー強度の測定は、以下の手順で行った。すなわち、同一の本発明の把手付ボトルを三本用意してそれぞれにボトルの内容量に合わせて1.5ないし2.0リットルの常温水(23℃±2℃)を充填する。互いに平行に対向させて配置した支持板と押圧板との間に、これら三本のボトルを鉛直に立てて一列に並べる。このとき、隣接するボトルのコンタクトポイント同士が接触するように並べる。そして、一列に並べた両端のボトルの側面にそれぞれ支持板と押圧板とを当接させた状態で押圧板を支持板方向へと押圧してゆき、中央のボトルの壁面(コンタクトポイント)に座屈変形(潰れ)が生じたたきの押圧板の押圧力(N)を測定し、これを中央のボトルの耐ラインプレッシャー強度とした。本発明の把手付ボトルは、ボトル本体下部の肉厚を薄くして軽量化を図ったとしても、上記の耐ラインプレシャー強度を備えることができる。そして、ボトル搬送時においてボトルにつぶれ等の変形が生じるのを防止して、ボトルの外観品質を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のボトル取付用把手100Aの斜視図である。
【図2】(a)は本発明のボトル取付用把手100Aの左側面図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【図3】(a)は図2(a)のA−A線断面図、(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
【図4】(a)は本発明のボトル取付用把手100Bの左側面図、(b)は本発明のボトル取付用把手100Cの左側面図である。
【図5】本発明の把手付ボトルの背面図である。
【図6】本発明の把手付ボトルの側面図である。
【図7】本発明の把手付ボトルの正面図である。
【図8】(a)は、図6におけるA−A線断面図である。(b)は、図6におけるB−B線断面図である。
【図9】図5のI−I線断面図である。
【図10】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図11】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図12】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図13】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図14】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図15】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図16】(a)は、座屈強度を説明するための把手付ボトルの側面図である。(b)は(a)におけるIII−III線断面図である。
【図17】本発明の把手付ボトルを製造するためのブロー成形用金型260である。
【図18】(a)は、凹溝216A、212Bの拡大断面図である。(b)はリブ214Bの拡大断面図である。
【図19】(a)は従来の形状の把手である。(b)は従来の形状の把手を従来の形状のボトル本体に取り付けた把手付ボトルである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0025】
<ボトル取付用把手100>
図1に本発明の一実施形態のボトル取付用把手100Aの斜視図を示す。図示したように、ボトルに取り付けた状態においては、握り部10が略垂直となるように配置される。握り部10の上端よりも少し下側に前方向に突出するように上部支持腕22が設けられている。握り部10の下端には前方向に突出するように下部支持腕24が設けられている。ボトルのブロー成形の際において、ボトル本体が、これら上部支持腕22および下部支持腕24に絡み付くことによって、ボトル本体と把手100Aとが一体化される。
【0026】
(上方延設部40)
図1に示した形態においては、上部支持腕22が握り部10から分岐する位置よりも握り部10の上方に、上方延設部40が形成されている。上方延設部40は、把手付ボトルを把手を掴んで持ち上げた場合、把手が矢印X1の方向に外れてしまわないようにするためのストッパーの役割を担っており、従来から設けられている補強部材である。
【0027】
本発明者らは、把手付ボトルを床に落とす等により把手付ボトルに瞬間的に大きな衝撃が加わった際には、この上方延設部40はストッパーとしての役割を果たすのではなく、逆に、把手100が外れるのを助長する場合があることを見出した。このような観点から、本発明者らは、該上方延設部40の形状について鋭意検討し、その結果、上方延設部40を形成しないで、上部支持腕22上面をフラットな状態とするか、あるいは、上方延設部40を形成したとしても、その高さを所定の範囲に制限することが必要であることを見出した。
【0028】
図2(a)にボトル取付用把手100Aの左側面図、(b)に正面図、(c)に平面図、(d)に底面図を示した。上方延設部40の高さについて、図2(a)を用いて説明する。上方延設部40の高さは、上部支持腕22の上面Y1を水平とした場合に、該上面Y1を基準として15mm以下とする必要がある。つまり、上面Y1から上方延設部40の頭頂部Y2に向けて引いた垂線の長さL1が15mm以下である必要がある。また、L1は、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることがさらに好ましい。また上方延設部40は、上部支持腕22と同一面上に設けることも可能であるため、上方延設部40の下限は0mmとすることができる。
【0029】
(くびれ部50)
本発明のボトル取付用把手における握り部10は、少なくとも一部にくびれ部50を備えていることが好ましい。くびれ部50とは、握り部10の断面積が減少することにより細くなっている部分をいう。図3(a)に握り部10のA−A線の断面図、(b)にB−B線の断面図を示す。後で詳細に説明するが、図示した実施形態においては、握り部10は、前方板12および後方板14とをリブ16が連結する構造となっている。
【0030】
図3(b)はくびれ部50部分の断面図を示しているが、図3(a)と比較すると、前方板12の上下方向の長さ、特に後方板14の上下方向の長さが減少している。これにより、全体として断面積が減少し、くびれ部50が形成される。図示した形態では、握り部10の左右方向から中心に向かって細くなってくびれ部50が形成されているが、前方および後方から中心に向かって細くなることによりくびれ部50が形成されていてもよい。この場合は、図3のリブ16の紙面左右方向の長さを減少させることになる。
【0031】
このように、握り部10の少なくとも一部にくびれ部50を形成することによって、把手100の樹脂使用量を減らして、軽量化、コストの削減に寄与することができる。把手100の質量は、12g以下、好ましくは11.5g以下、より好ましくは11g以下、さらに好ましくは10.5g以下である。また、くびれ部50を形成することで、握り部10に柔軟性を付与することができ、該把手100を取り付けたボトルの耐衝撃性をより向上させることができる。つまり、ボトルを床に落下させる等によりボトルに大きな衝撃が加わった場合、把手取付用凹部がつぶれるような方向にボトルが曲がり、その際に、把手100には上下方向から応力が加わる。その際、把手100が柔軟性のないものであれば、上下方向からの圧迫により、凹部から把手100が外れてしまったり、場合によっては、把手100が折れてしまったりする。本発明においては、くびれ部50を形成することにより、把手100に柔軟性を付与しているので、このような事態を防ぐことができる。
【0032】
(係合部62、64)
本発明のボトル取付用把手の上部支持腕22および下部支持腕24の先端部分には、上方に突出するように係合部62、64が形成されていることが好ましい。係合部62、64の形状は特に限定されず、上部支持腕22および下部支持腕24の各上面から略垂直方向上向きに突出した形状であればよい。係合部62、64は、両方とも上向きであることが好ましい。
【0033】
ボトル本体のブロー成形の際に、ボトル本体が上部支持腕22および下部支持腕24に絡み付くことによって、把手100がボトル本体に固定されるが、この際に、係合部62、64がアンカーの役割を担い、把手嵌合強度を大きくする。
【0034】
(実施形態100A)
図1〜図3に示した本発明のボトル用把手の実施形態100Aについて説明する。ボトル用把手の実施形態100Aにおける握り部10は、前方に配置された前方板12および後方に配置された後方板14とをリブ16が連結して構成されている。握り部10の上下方向中央部よりも上側には、くびれ部50が形成されている。くびれ部50は、図3(b)に断面図を示したように、前方板12および後方板14の双方が、左右方向に長さを減少させることにより形成される。特に、後方板14の長さは、大きく減少しており、これにより、後方板14は前方板12に比べて大きくくびれている。
【0035】
握り部10の上下方向中央部よりも下側には、滑り止め用の凹凸18が形成されている。凹凸18は、前方板12および後方板14の側面に上下方向に数箇所連続して設けられている。
【0036】
握り部10の上部からは、前方向に突出するように上部支持腕22が形成されており、該上部支持腕22は、上面板22aおよび下面板22bをリブ16が連結して構成されている。図示の形態においては、上面板22aに比べて下面板22bの左右方向の幅が狭く形成されている。上面板22aは上部支持腕22の前方先端部で下方向に直角に折れ、該前方先端部において下面板22bと連結している。下面板22bと、握り部10の前方板12とは、それぞれの端部が湾曲されて連結し、両者で一つの曲面を形成している。
【0037】
握り部10の上部には、上方延設部40が形成されている。上方延設部40は、上面板22aが後方に向かって上方に隆起されて形成されている。上面板22aと前方板14とはそれぞれの端部を湾曲させ連結し、両者で一つの曲面を形成している。上部支持腕22の上面板22aの上面先端部には、上方向に突出した係合部62が形成されている。該係合部62は、底面が前方を向いた断面台形の角柱形状となっている。
【0038】
握り部10下部には、凹凸18の下方向にくびれが形成されている。該くびれはくびれ部50と同様の機能を有するものである。握り部10の下部からは、前方向に突出するように下部支持腕24が形成されている。該下部支持腕24は、上面板24aおよび下面板24bをリブ16が連結して構成されている。上面板24aおよび下面板24bは、略同一幅であり、下部支持腕24の前方先端部で互いに連結している。握り部10の前方板12は、凹凸18の下部においてくびれて左右の幅が小さくなったまま湾曲し、同様に湾曲した同一幅の上面板24aと連結して、一つの曲面を形成している。
【0039】
握り部10の後方板14は、凹凸18の下部においてくびれ左右の幅が小さくなった後、再び左右の幅を広げつつ湾曲し、同様に左右の幅を広げつつ湾曲してきた下面板24bと連結して、一つの曲面を形成している。
【0040】
下部支持腕24の上面板24aの上面先端部には、上方向に突出した係合部64が形成されている。係合部64の形状は、上記の係合部62と同様である。図示した形態においては、下部支持腕24の先端部の側面に突起が形成されている。該突起は、係合部64と同様の機能を有するものである。
【0041】
図2(d)に示したように、下部支持腕24の下面板24bには、凹凸26が形成されている。ボトルのブロー成形時に、ボトルが該凹凸26に食い込むことによって、把手嵌合強度をさらに高めることができる。さらに、極めてまれではあるが、この部分にピンホールが発生する場合があり、この場合には、ピンホール検出用エア抜き溝としても作用する。
【0042】
(実施形態100B、100C)
図4(a)に本発明のボトル用把手の他の実施形態100Bの左側面図、(b)に他の実施形態100Cの左側面図を示した。実施形態100B、100Cにおいては、上方延設部40が形成されていない。上部支持腕の上面板22aは、後方に真っ直ぐのびそのまま下方に湾曲し、把手10の後方板14と連結している。実施形態100Bと100Cとでは、握り部10上方の角部E1、E2のRが異なっている。実施形態100B(E1)ではR5となっており、実施形態100C(E2)ではR8.8となっている。Rを大きくすることにより、樹脂使用量を減らして、把手の質量を減少できるとう利点がある。
【0043】
(製造方法)
本発明のボトル用把手100A〜100Cは、通常、射出成形により製造される。射出成形は、可動型および固定型とから構成され、両型が把手の左右方向中央部から分割できる射出成形型を用いて行われる。実施形態で示したボトル用把手100A〜100Cは、握り部10、上部支持腕22および下部支持腕24が、断面H字形状となっている。これにより、射出成形型の分割方向および把手の抜き方向に対して抵抗となるいわゆるアンダーカット部が生じないので、両型を分割して把手を取り出す工程が容易になるという利点がある。断面をH字形状としないで十分な強度を得ようとすると、その分、厚さを大きく取る必要が生じ、厚さを大きく取ると、把手を射出成形するときの冷却過程における収縮により、特に係合部62、64の上方先端面に凹み(いわゆる「ヒケ」)が生じやすくなる。このように断面H字形状にすることにより、このようなヒケが生じにくく、かつ生じたヒケが目立たないという利点がある。
【0044】
<把手付ボトル200>
本発明の把手付ボトル200は、ボトル本体210および本発明の把手100を備えて構成される。図5に本発明の把手付ボトル200の背面図、図6に側面図、図7に正面図を示した。また、図8には、図6におけるA−A線断面図(図8(a))およびB−B線断面図(図8(b))を示した。把手100は、ボトル本体210に形成された把手取付用凹部230に取り付られている。本発明の把手付ボトル200の内容量は、1.5リットル以上、好ましくは1.6リットル以上、より好ましくは1.7リットル以上であって、2.7リットル以下、好ましくは2.5リットル以下、より好ましくは2.0リットル以下、さらに好ましくは1.9リットル以下であり、最も好ましくは1.8リットルである。
【0045】
(把手嵌合強度)
把手100の支持腕22、24の先端には上方に突出した係合部62、64が形成されている。本発明のボトル本体210をブロー成形した時に、把手取付用凹部230の壁面が上下の支持腕22、24の先端部を覆うと共に、その先端から上方に突出した係合部62、64に絡み付くようにして、把手取付用凹部230に把手体100が取り付けられる。このようにして、嵌合形状を複雑なものとすることにより、嵌合強度を高くすることができる。
【0046】
また、本発明のボトル取付用把手100においては、従来ストッパーとして設けられていた上方延設部40を形成しないで、上部支持腕22の上面をフラットな状態とするか、あるいは、上方延設部40を形成したとしても、その高さを所定の範囲に制限している。これにより、本発明の把手付ボトル200は、把手嵌合強度を大きくすることができる。そして、ボトルを床に落とす等によりボトルに衝撃が加わった際においても、ボトルから把手が外れることを防ぐことができる。
【0047】
本発明の把手付ボトル200においては、把手100の23℃における嵌合強度を、規格値として要求されることが多い245N以上とすることができる。そして、この嵌合強度を、好ましくは400N以上、より好ましくは500N以上、さらに好ましくは540N以上とすることができる。また、握り部10にくびれ部50を形成した場合には、嵌合強度をさらに向上させることができる。
【0048】
また、以下の好ましい実施形態で説明するが、把手取付用凹部30の補強手段として膨出突起236、238等を設けた場合は、嵌合強度をさらに向上させることができる。
【0049】
以下、本発明の把手付ボトル200の好ましい形態として、従来のボトルでは得られなかったような軽量化を達成することができ、かつ、座屈強度、耐ラインプレッシャー強度といった大容量の把手付ボトルに必要とされる種々の強度を備えている本発明の把手付ボトル200について説明する。
【0050】
<軽量化把手付ボトル200>
(ボトル本体210)
ボトル本体210は、図6に示すように上下方向中央付近にくびれ211が形成されている。このくびれ211によりボトル本体210は補強されると共に、ボトル本体上部210Aとボトル本体下部210Bに略二分されている。なお、図示した形態においては、くびれ211は把手取付用凹部230の下部により一部分断されているが、周方向に連続した形態とすることもできる。また、該くびれ211の形成は任意であり、形成しなくてもよい。
【0051】
ボトル本体上部210Aの側面には、把手取付用凹部230が形成されている。この把手取付用凹部230には把手100が取り付けられ把手付ボトル200とされる。本発明のボトルは醤油等の調味料を入れるため等に使用される大型(大容量)のボトルである。従って、ボトルの胴周りが大きいため、使用者はボトル本体210を掴むことは難しい。そのため、ボトル本体210に把手100を取り付けハンドリング性(持ち易さ)を向上させている。
【0052】
把手取付用凹部230の深さは、ボトル本体210の最大外径部の直径の1/4から1/3の範囲で設定するのが好ましい。例えば、高さが310mm、最大外径寸法が106mm、内容積が1885mlのポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルの場合には、把手取付用凹部230の深さを30mm前後に設定することが好ましく、これにより把手100が握り易くなる。図示した形態においては、該把手取付用凹部230に種々の補強構造(232、234等)が形成されている。該補強構造の詳細については後述する。
【0053】
図5に示した把手取付用凹部230が形成されたボトル背面の裏側、つまり図7に示したボトル正面におけるボトル本体上部210Aには、その上側に略平面状の傾斜壁面212Aと、曲面状の円筒壁面214Aとが交互に形成されている。このような構造にすることによって、ボトルの上下方向および左右方向の剛性を高めることができ、かつ内容液の温度に伴う密度変化に起因するボトル内圧変化を緩和し、ボトルラベル部等の変形を防止することができる。また、傾斜壁面212Aは、平面状であってもよいが、図8(a)に示したようにボトル内部方向に若干窪んだ形状とすることもできる。この形状とすることで、左右方向の剛性をさらに向上させることができる。
【0054】
ボトル正面におけるボトル本体上部210Aの下側には、複数の凹溝216Aが形成されている。該凹溝216Aは、第1変曲点から第2変曲点までの幅が1mm以上、好ましくは2mm以上であって、5mm以下、好ましくは4mm以下の幅を有する細溝である。ここで、凹溝における第1変曲点および第2変曲点について、図18(a)を用いて説明する。図18(a)に、凹溝部分の断面拡大図を示した。図示右側斜線部がボトル本体10である。ボトル本体上部210Aの壁面が凹溝216Aに差し掛かる曲線部分を第一のリブ曲線、凹溝216Aの凹み部分を構成する曲線部分を第二のリブ曲線、凹溝216Aが再びボトル本体上部210Aの壁面に差し掛かる曲線部分を第三のリブ曲線とすると、第一のリブ曲線が第二のリブ曲線に変わる点が第1変曲点L1であり、第二のリブ曲線が第三のリブ曲線に変わる点が第2変曲点L2となる。そして、本発明においては、これら変曲点の間の距離Lを上記の範囲とする(以下で説明する環状凹溝212Bにおいても同様である。)。図示した形態においては、計三つの凹溝216Aが水平方向に略同一間隔で形成されている。該凹溝216Aを形成することによって、ボトル本体上部210Aに左右方向の剛性を付与することができる。図示した形態のボトル本体上部210Aは、図示上方向に行くに従い径が小さくなる略円錐形状となっている。先端部においては、径が小さくなる割合がより大きくなり、円錐状の縮径部217が形成されている。上端には開口部218が形成されており、閉蓋できるようになっている。
【0055】
ボトル本体下部210Bは、略円筒状の直胴部である。図示した形態においては、直胴部を一周するように複数の環状凹溝212Bが形成されている。該環状凹溝212Bは、第1変曲点から第2変曲点までの幅が1mm以上、好ましくは2mm以上であり、5mm以下、好ましくは4mm以下の細溝であり、これにより横方向の剛性が向上されている。環状凹溝212Bが形成される位置、本数等は特に限定されず、例えば、横方向の剛性を向上させたい位置、および、どの程度剛性を向上させたいのかによって、適宜決定される。図示した形態においては、合計五つの環状凹溝212Bが水平方向に略同一間隔で形成されている。
【0056】
また、ボトル本体下部210Bにおいて、横方向の剛性を特に向上させたい位置、つまり、ライン上での搬送において隣り合うボトルと接触する箇所には、リブ214Bが形成される。リブ214Bは、以下において説明する耐ラインプレッシャー強度を担保するものである。詳細については後述する。
図9に、図5のI−I断面図を示した。ブロー成形により取り付けられたボトル本体210および把手100の関係を示している。ボトル本体210をブロー成形したときに、把手取付用凹部230の壁面が上下の支持腕22、24の先端部を覆うと共に、その先端から上方に突出した係合部62、64に絡み付くようにして把手取付用凹部230に把手100が取り付けられる。
【0057】
(ボトル200の全体質量)
本発明の把手付ボトル200は、ボトル全体の質量が54g以上73g以下、好ましくは55g以上70g以下、さらに好ましくは56g以上68g以下の範囲である。従来、1.5リットルないし2.0リットルという大容量の把手付ボトルにおいては、種々の強度が必要とされることから、軽量化して樹脂使用量を減らすことは難しかったのであるが、本発明はこのような限界を超えて軽量化を実現したものである。
【0058】
(ボトル本体下部210Bの平均肉厚)
本発明の把手付ボトル200のボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.22mm以上0.40mm以下である。従来は、ボトル本体下部210Bの横方向の剛性、つまり、十分な耐ラインプレッシャー強度を付与するためには、ボトル本体下部210Bの平均肉厚を少なくとも0.41mmから0.6mm程度と厚くする必要があった。特に、コンベア上において隣り合ったボトルと接触する部分であるボトルの底面付近においては、特に肉厚を厚くする必要があり、0.5mm以上の平均肉厚を必要としていた。本発明においては、耐ラインプレッシャー強度を十分なものとしつつ、ボトル本体下部210Bの平均肉厚を約半分程度に薄くすることに成功したものであり、これにより、把手付ボトル200全体の軽量化、そして、使用樹脂量の大幅な減少に成功したものである。なお、ボトルの内容量を例えば1.7リットルないし1.9リットルとした場合は、ボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.24mm以上0.39mm以下とすることが好ましい。また、ボトルの内容量を1.8リットルとした場合には、ボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.25mm以上0.38mm以下とすることが好ましい。
【0059】
(耐ラインプレッシャー強度)
本発明の把手付ボトル200の23℃における耐ラインプレッシャー強度は、少なくとも40Nであることが好ましく、50N以上であることがより好ましく、70N以上であることがさらに好ましい。このような耐ラインプレッシャー強度を備えることによって、ライン上での搬送中等においてボトルに凹み等の変形が生じるのを防ぐことができる。
【0060】
従来、耐ラインプレッシャー強度を付与することを目的として、搬送ベルト上を滑走中に隣接ボトル同士が接して押圧力が加わるボトル胴部の最大外径部分(コンタクトポイント)の肉厚を厚くしたり、このコンタクトポイントに沿ってボトル壁面に凹状または凸状のリブを周設してボトルを成形し、ボトル胴部の押圧力が加わる部分の剛性を局所的に高めたりする措置がとられていた。
【0061】
しかしながら、前者のようにコンタクトポイントの肉厚を厚くする場合、ラインプレッシャーに対する強度は増すものの、ボトルの軽量化を図るという本発明の目的を達成することはできない。また、軽量化を図るためにコンタクトポイント以外の部分の肉厚を薄くしたのでは、減圧強度や座屈強度といったボトルの他の物性が低下することになる。
【0062】
また、後者のようにコンタクトポイントに沿って単にリブを周設しただけでは、ラインプレッシャーに対する十分な剛性は得られなかった。
【0063】
従来、一般的には、コンタクトポイントに沿ってリブを形成するだけでは十分なラインプレシャー強度は得られないというのが、大方の見解であった。しかし、本発明者は、リブ214Bをコンタクトポイントに沿って形成すると共に、そのコンタクトポイントにおけるボトルの肉厚を上記したように0.22mm以上0.40mm以下と薄くすることにより、意外にも大きなラインプレッシャー強度が得られることを見出した。
【0064】
従来、コンタクトポイントにおける肉厚を薄くすることは、耐ラインプレッシャー強度を小さくすることであるというのが常識であった。そのような常識の中、本発明者は、あえてコンタクトポイントにおける肉厚を薄くした。その結果、肉厚を薄くしたことと、リブ214Bを形成したことが、相乗効果を示し、優れた耐ラインプレッシャー強度を備えた本発明の把手付ボトル200が完成した。
【0065】
このように優れた耐ラインプレッシャー強度を備えることができた理由として、本発明者は以下のように考えている。従来のコンタクトポイントに沿ってリブを形成したボトルの場合、ライン上での搬送中、リブの頂点において隣接するボトルと接触することとなっていた。つまり、コンタクトポイントがリブの頂点である一点となっており、ラインプレッシャーがこの一点に集中して、凹み等が発生し易いものとなっていた。これに対して、本願のボトル200においては、コンタクトポイントに沿ってリブ214Bを形成すると共に、該部分の肉厚を薄くしているので、ラインプレッシャーがかかった時に、隣接するボトルと面接触するようになっている。つまり、肉厚が薄いことから、リブ214Bが柔らかく、このため、隣接するボトルのリブ214B同士が互いにつぶれて、面接触となるのである(言い換えると、コンタクトポイントがコンタクトエリアになるということである。)。そして、点が面になったことでラインプレッシャーが分散され、耐ラインプレッシャー強度が向上するのである。
【0066】
上記のように、隣接するボトル同士を面接触とする観点から、リブ214Bの幅を広くすることが好ましい。また、リブ214Bを複数設けて接触面積を広げることもできる。図10〜15に本発明のリブ214Bの種々の実施形態を示した。図10〜15に示した各実施形態において、(a)はボトル本体下部210Bの下側のみにリブ214Bを設けた例であり、(b)はボトル本体下部210Bの上側にも同様のリブ214Bを設けた例である。(b)においては、接触面積が二倍となっているので、より耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。なお、リブ214Bとは、コンタクトポイントに沿ってボトルの周方向に形成したボトルの最大外径部分を含む環状形状をいい、例えば、断面略半円形あるいは断面略台形の環状凸状部をいう。図18(b)にリブ214Bの拡大断面図を示した。図示左側の斜線部がボトル本体210である。本発明においてリブ214Bの幅とは、リブ形状を形成する曲線における接線の傾きが斜め45°になる点c1からc2までの距離cをいう。
【0067】
図10(a)には、リブ214Bをボトル本体下部210Bの下側に一つ形成した形態を、また図10(b)には、リブ214Bをボトル本体下部210Bの上側と下側に二つ形成した形態をそれぞれ示した。本実施形態において、リブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、リブ214Bの直径bとボトル本体下部210Bのリブ14B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。本発明においては、ボトル本体下部210Bの肉厚が薄くなっているので、リブ214Bを上記のように設計することで、ラインプレッシャーがかかったときに、隣接するボトル同士の接触面積(以下、該面積をコンタクトエリアと呼ぶことがある。)が拡大して、耐ラインプレッシャー強度がより大きなものとすることができる。
【0068】
図11(a)には、ボトル本体下部210Bの下側に二つのリブ214B(1)、214B(2)を形成した形態を、また図11(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側にそれぞれ二つずつのリブ214B(1)、214B(2)を形成した形態をそれぞれ示した。この場合、それぞれのリブのコンタクトエリアの合計がボトルの接触面積となるので、より耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。また、リブを複数形成することによって、横方向の剛性を向上させるという効果もあり、これにより耐ラインプレッシャー強度がさらに向上する。二つのリブ214B(1)、214B(2)の幅は、それぞれ3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、リブ214B(1)、214B(2)のそれぞれの直径bとボトル本体下部210Bのリブ214B(1)、214B(2)以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0069】
図12(a)には、ボトル本体下部210Bの下側に凸リブ214Bを形成した形態を、図12(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側に二つの凸リブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。形成した凸リブ214Bは幅広であるので、コンタクトエリアが大きくなる。また、肉厚を薄くした効果により、ラインプレッシャーがかかった時に凸リブ214Bが変形して、ボトル200同士がボトル胴部全体で接触するようになり、さらに耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。凸リブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、凸リブ214Bの直径bとボトル本体下部210Bの凸リブ214B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0070】
図13(a)には、ボトル本体下部210Bの下側にコンタクトエリア216Bを周方向に形成し、さらに、エッジ218Bを形成した形態を、図13(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側にコンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bを形成した形態をそれぞれ示した。本実施形態では、あらかじめ幅広のコンタクトエリア216Bが形成されているため、耐ラインプレッシャー強度が向上されている。また、エッジ218Bを加えることにより、横方向の剛性が向上され、耐ラインプレッシャー強度がより向上される。コンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、コンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bの直径bとボトル本体下部10Bのコンタクトエリア216Bおよびエッジ218B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0071】
図14(a)に、ボトル本体下部210Bの下側に凹形状のリブ214Bを形成した形態を、図14(b)にボトル本体下部210Bの上側と下側に凹形状のリブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。ラインプレッシャーがかかったときは、肉厚が薄くなっているためこの凹形状がつぶれて平坦となる。よって、コンタクトエリアが拡大して耐ラインプレッシャー強度が向上し、ラインプレッシャーが除かれたときに凹形状両端部のリブ効果により復元するようになる。凹形状のリブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。なお、凹形状のリブ214Bの場合は、リブ214Bの曲線における接線の傾きが斜め45°となる部分は、最大4箇所あるが、そのうち最上部および最下部の点をc1およびc2として、その間の距離をリブ214Bの幅cとした。また、凹形状のリブ214Bの最大直径bとボトル本体下部210Bの凹形状のリブ214B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0072】
図15(a)に、多角形タイプのリブ214Bを形成した形態を、図15(b)にボトル本体下部210Bの上側と下側に多角形タイプのリブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。また、図15(c)には、図15(b)におけるII−II線の断面図を示した。この多角形タイプのリブ214Bは、ボトル本体下部210Bの下側を外周側に膨出させて最大外径部分となる環状膨出部を形成すると共に、この環状膨出部を、ボトル中心方向へ凹んだ湾曲凹面であって、周方向の長さが長い長辺凹面部と、周方向の長さが短い短辺凹面部とが交互に連なって形成されている。長辺凹面部および短辺凹面部は、湾曲凹面となってボトル内方へ凹み、その隣接凹面部と交わる両端側がボトル外方へ突き出た角部となっている。そして、かかる角部そのものが補強として機能し、角部を挟んで周方向に連続した湾曲凹面が凹状リブと同様な補強として機能する。このため、コンタクトポイントの機械的強度が高まり、コンタクトポイントの剛性を高めることができる。
【0073】
また、コンタクトポイントとなる環状膨出部を縦断面略台形状に形成することにより、ブロー成形時の延伸が円滑に行われ、コンタクトポイント全周に亘って均一な肉厚に成形することができる。そして、前記環状膨出部に長辺凹面部と短辺凹面部とを形成することにより、それぞれの凹面部と上下の傾斜壁面との境に角部が形成され、これがつぶれ変形に対して補強として機能するため、コタクトポイントの機械的強度がさらに高まることになる。
【0074】
(座屈強度)
本発明の把手付ボトル200の、充填後の23℃における座屈強度は少なくとも392Nであることが好ましい。座屈強度(垂直荷重強度)の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトル200に常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5リットルないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、該ボトルを圧縮する。そして、該ボトルが座屈した時の荷重(N)を座屈強度(垂直荷重強度)とした。このような座屈強度を備えることによって、把手付ボトルに垂直方向の力が加わったときに、把手付ボトルが座屈変形してしまうのを防止することができる。
【0075】
把手付ボトルに醤油やミリン等を充填密封してダンボール箱に詰め、このダンボールを上下方向に複数段重ねて保管したり、輸送したりする場合、上段に積載したダンボール箱の荷重が下段のダンボール箱中の把手付ボトルに加わるため、下段のダンボール箱に箱詰めされた把手付ボトルの把手取付用凹部が座屈変形してボトル上部が把手側に倒れるように変形することがあった。
【0076】
この座屈変形を、図16を用いて説明する。図16(a)は従来のボトルの側面図であり、図16(b)は、図16(a)におけるIII−III線横断面図である。プリフォームを延伸して把手付ボトルをブロー成形したとき、径方向の延伸倍率が大きい最大外径部X2は肉薄となる。また、把手取付用凹部230の壁面を両側縁部から中央に向かって穏やかに膨出した湾曲凸面231とした場合、該湾曲凸面231の中央部Y1は径方向の延びが小さいため肉厚となり、延びが大きい湾曲凸面231の両側縁部Y2は肉薄となる。
【0077】
このため、このような従来のボトルに上方から垂直荷重Wが加わったとき、荷重Wは把手100を介して肉薄となった部分Xに加わるため、この部分X2と肉薄となった両側縁部Y2が座屈変形することがあった。このとき、肉厚となった湾曲凸面231の中央部Y1は座屈変形しないため、この中央部Y1が支点となって肉薄となった部分X2と両側縁部Y2とが座屈変形し、ボトル上部が矢印Rで示すように把手側に倒れるように変形することがあった。
【0078】
本発明においては、把手取付用凹部230に形成する湾曲凸面231の両側縁部Y2の剛性を確保し、把手の下部、すなわち肉薄となった最大外径部X2に集中する荷重を分散させて座屈強度を高め、上方から垂直荷重が加わっても把手取付用凹部230が座屈変形することがないようにするため、把手取付用凹部230に種々の補強手段を形成した。これにより、本発明の把手付ボトル200は上記した好ましい範囲の座屈強度を備え、座屈変形が防止される。
【0079】
種々の補強手段について、図5および図8(b)を用いて説明する。種々の補強手段としては、把手取付用凹部230の壁面を両側縁部から中央に向かって穏やかに膨出するように形成した湾曲凸面231、および、該湾曲凸面231の把手100が取り付けられた中央の上下位置に設けた膨出突起236、238を挙げることができる。すなわち、上部支持腕22が取り付けられた部分の下方に膨出突起236が設けられると共に、下部支持腕24が取り付けられた部分の上方に膨出突起238が設けられている。なお、この膨出突起236、238は上下に連続して設けることもできる。膨出突起236、238を形成することによって、把手100が把手取付用凹部230の壁面にしっかりと固定されると共に、湾曲凸面231が補強されて剛性が高まる。
【0080】
また、補強手段としては、湾曲凸面231の両側縁部近傍に設けた上下方向に延びる補強用リブ234A、234Bを挙げることができる。図示した形態においては、湾曲凸面231の両側の左右対称位置には、プラットホーム状に膨出した隆起面232A、232Bが形成されており、湾曲凸面231の両側縁部と近接する隆起面232A、232Bの段差部によって上下方向に延びる補強用リブ234A、234Bがそれぞれ形成されている。
【0081】
この補強用リブ234A、234Bは湾曲凸面231を補強して、上方から加わる垂直荷重によって湾曲凸面231が座屈変形するのを防止するものである。これにより、湾曲凸面231の両側縁部が補強されて剛性が高まると共に、把手100を介してその下部に加わる荷重が分散されて座屈強度が向上する。そして、上方から加わる垂直荷重によって把手取付凹部230が座屈変形するのが防止される。また、把手100の取付位置の上下が膨出突起236、238によって補強されていることと相俟って、湾曲凸面231の剛性が確保され、上下方向に対する座屈強度が格段に改善される。
【0082】
<本発明の把手付ボトル200の製造方法>
本発明の把手付ボトル200の製造方法の好適な例について、図17を参照しつつ説明する。本発明の把手付ボトル200は、あらかじめ把手100をボトル本体210とは別体で、射出成形等の方法により成形しておき、ボトル本体210のブロー成形の工程において、両者を一体化することにより製造される。
【0083】
本発明のボトル本体210は、プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル樹脂を用いて、まず、射出整形により中間製品である管状素材(以下「プリフォーム」という。)を形成し、次いで、該プリフォームを延伸温度、例えばポリエチレンテレフタレートの場合は90℃以上120℃以下まで加熱した状態でブロー成形金型にセットし、プリフォーム内に高圧空気等を吹き込んで2軸延伸ブロー成形して得られる。本発明において、把手100はポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等が使用できる。特に、把手体の材質としてボトル本体と同様のポリエステル樹脂を採用すると、回収してリサイクルする際に、本体と一緒に処理することができ、また把手体として再生樹脂を使用することができるので好ましい。
【0084】
ブロー成形に使用する金型260は、図17に示すように、図示上方に引き抜き可能な底型262、および不図示の頚部形成型からなっている。金型260の側面部には、把手取付用凹部230形成用の型264が形成されている。この型264部分には、把手100の支持腕22、24の先端部分が金型内に露出するような状態で、把手100がセットされる。また、金型260内には、上記した把手取付用凹部230の補強手段232、234等、リブ214Bを形成するための形状が備えられている。
【実施例】
【0085】
(実施例1)
図1、図2および図3に示した上方延設部40を形成したボトル取付用把手100Aを、射出成形により作製した。図2および図3に示した各寸法は、上方延設部40の高さL1が2mm、上下方向の全長L2が94.6mm、上部支持腕22の係合部62の高さL3が4.3mm、下部支持腕24の係合部64の高さL4が3mm、係合部62、64の厚さL5が3mmである。また、左右方向の最大幅W1が20mm、くびれ部50の後方板14の左右方向の幅W2が4mm、くびれ部50の前方板12の左右方向の幅W3が10mm、凹凸18部分の左右方向の幅W4が14mm、握り部の前後方向の厚みW5が7.6mmである。作製したボトル取付用把手100Aの質量は、11.3gであった。
【0086】
作製したボトル取付用把手100Aを用いて、図5〜8に示した形状であって、高さ300mm、直胴部の外径103.5mm、内容積1865ml、リブ214Bの外径106mm、リブ214Bの幅6mmの把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0087】
(実施例2)
図4(a)に左側面図を示したボトル取付用把手100Bを、射出成形により作製した。ボトル取付用把手100Bは、上方延設部40が形成されてなく、上部支持腕22の上面がフラットとなっている。上方延設部40を形成していないので、L1が0である以外は、各寸法は実施例1の把手100Aと同様である。なお、角部E1はR5である。作製したボトル取付用把手100Bの質量は、10.8gであった。
【0088】
作製したボトル取付用把手100Bを用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0089】
(実施例3)
図4(b)に左側面図を示したボトル取付用把手100Cを、射出成形により作製した。ボトル取付用把手100Cは、上方延設部40が形成されてなく、上部支持腕22の上面がフラットとなっている。角部E2がR8.8である以外は、各寸法は実施例2の把手100Bと同様である。作製したボトル取付用把手100Cの質量は、10.7gであった。
【0090】
作製したボトル取付用把手100Cを用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0091】
(比較例1)
図19(a)に示した従来のボトル取付用把手110を射出成形により作製した。図19(a)に示した各寸法は、上方延設部40の高さL1が16.4mm、上下方向の全長L2が94.6mm、上部支持腕22の係合部62の高さL3が4.3mm、下部支持腕24の係合部64の高さL4が3mm、係合部62、64の厚さL5が3mmである。また、左右方向の幅W1が20mmであり、くびれ部は形成されていない。握り部10の前後方向の厚みW5は7.6mmである。作製した従来のボトル取付用把手110の質量は、14.5gであった。なお、L1〜L6、W1およびW5は、図2および図3と同様の位置を示している。
【0092】
作製した従来のボトル取付用把手110を用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0093】
(比較例2)
比較例1と同じ把手110を用いて、図19(b)に示した従来のボトルであって、高さ300mm、直胴部の外径103.5mm、内容積1865ml、コンタクトポイントの外径106mmでコンタクトポイントにリブの無い、把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0094】
<評価方法I>
上記の実施例1および比較例1で作製した把手付ボトルに対して以下の評価を行った。
【0095】
(把手嵌合強度)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。そして、該ボトルを横倒して固定し、ボトルキャップ天面から125mmの位置を500mm/分の速度で引っ張った。そして、把手が外れた時の荷重(N)を測定し、これを嵌合強度とした。結果を表1に示す。
【0096】
(垂直落下試験)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。該ボトルを垂直に立てた状態で、床面からボトル底面までの高さ(H)が90cmの状態から、ボトルを落下させた。把手の外れ、把手の割れ、ボトルの割れ等の不具合が生じなかった場合は、同じボトルを使用して高さ(H)を120cmとして、同様の落下試験を行った。さらに不具合が生じなかった場合は、高さ(H)を150cm、そしてさらに180cmとして落下試験を繰返して行った。各高さにおいて、ボトルに不具合が生じた場合は、その時点で試験を終了させた。結果を表2に示す。
【0097】
(結果)
【0098】
【表1】
本発明の把手100Aを用いた場合(実施例1)は、把手嵌合強度が平均で570N以上であり非常に大きな値を示した。また、実施例1においては、最小値でも559Nという大きな値を示しており、把手嵌合強度にばらつきがなく、安定して大きな強度が得られることが分かった。
【0099】
【表2】
【0100】
本発明のボトル取付用把手100A(実施例1)は、従来の把手に比べて、垂直落下試験においても良好な結果を示した。
【0101】
<評価方法II>
上記の実施例1および比較例2で作製した充填用把手付ボトルに対して以下の評価を行った。
(座屈強度)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、ボトルを圧縮した。そして、ボトルが座屈した時の荷重(N)を測定し、これを座屈強度(垂直荷重強度)とした。
【0102】
(耐ラインプレッシャー強度)
作製した把手付ボトルを三本用意して、それぞれに23℃の常温水を1.8リットル充填した。互いに平行に対向させて配置した支持板と押圧板との間に、これら三本のボトルを鉛直に立てて一列に並べた。このとき、隣接するボトルのコンタクトポイント同士が接触するように並べた。そして、一列に並べた両端のボトルの側面にそれぞれ支持板と押圧板とを当接させた状態で押圧板を支持板方向へと押圧してゆき、中央のボトルの壁面(コンタクトポイント)に座屈変形(潰れ)が生じたたきの押圧板の押圧力(N)を測定し、これを中央のボトルの耐ラインプレッシャー強度とした。
【0103】
【表3】
【0104】
表3より本発明の把手付ボトルは、ボトルの質量が軽く、かつ、ボトル本体下部の平均肉厚とコンタクトポイントの肉厚が薄いにも関わらず、座屈強度および嵌合強度が従来のボトルより大きく、また耐ラインプレッシャー強度も70N以上あるため、搬送中の変形を十分抑えることが可能である。
【0105】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うボトル取付用把手および把手付ボトルもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0106】
100A、100B、100C ボトル取付用把手
10 握り部
22 上部支持腕
24 下部支持腕
40 上方延設部
62、64 係合部
210 ボトル本体
210A ボトル本体上部
210B ボトル本体下部
214B リブ
230 把手取付用凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックボトル取付用把手に関し、より詳しくは1.5リットル以上の大容量を充填するための大型ボトルに取り付けるための把手、および、該把手を備えた把手付プラスチックボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックボトルは、大型化すると取り扱いが不便になるため、プラスチックボトル(以下「ボトル」と省略する。)の一部に把手を取り付けた把手付ボトルが醤油、ミリン等の調味料用容器として使用されている。使用者は把手を掴むことで、高重量の大型ボトルであっても、安定して取り扱うことができる。
【0003】
このような把手付ボトルは、あらかじめ把手をボトル本体とは別体に射出成形等の方法により成形しておき、ボトル本体のブロー成形の工程において、両者を一体化することが一般的に行われている。ブロー成形の際に、把手の一部にボトルが絡み付くようにして成形され、両者が一体化されるのである。
【0004】
このように把手は、ボトル本体とはもともと別体で形成されるものであるので、把手がボトル本体に十分強く嵌合していることが要求される。また、大型ボトルにおいては、把手とボトル本体との嵌合部分が、ボトルの全重量を支えることとなるため、その要求は特に大きい。
【0005】
特許文献1には大型ボトル用の把手が記載されている。図3には、握り部、およびその上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備え、さらに上部支持腕が握り部から分岐する位置より握り部の上方に延設された上方延設部を備えた把手が記載されている。把手は、ボトルの上部側面に形成された凹部に、上部支持腕および下部支持腕を介して取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−43877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に記載されているような従来の形状の把手を取り付けたボトルは、ボトルを床に落とす等により、ボトルに衝撃が加わった際に、ボトルから把手が外れる場合があった。流通段階あるいは一般家庭における使用時に、床に落とす等の大きな衝撃が把手付ボトルに加わることは十分に考えられ、一度ボトルから把手が外れてしまうと、それを戻すことは一般的に不可能であった。そのため、ボトルに大きな衝撃が加わったとしても、把手が外れる心配がないような把手付ボトルが求められていた。
【0008】
そこで、本発明は、大きな衝撃が加わったとしても、ボトルから外れることがない、新規形状の把手、および、該把手を備えた把手付ボトルを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、これにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0010】
第1の本発明は、握り部(10)、握り部(10)の上下部から前方向に突出する上部支持腕(22)および下部支持腕(24)を備えて構成され、上部支持腕(22)および下部支持腕(24)を介してボトルに取り付けるための把手であって、把手が、上部支持腕(22)が握り部(10)から分岐する位置より握り部(10)の上方に延設された上方延設部(40)を備えていないか、あるいは備えていたとしても、上部支持腕(22)の上面を水平とした場合に、該上面から上方延設部(40)の頭頂部までの高さが15mm以下とされている、ボトル取付用把手(100)である。ここで、符号100は、100A〜100Cを包含する上位概念として用いている。
【0011】
本明細書において、「上下」方向は、把手(100)をボトル本体に取り付けた状態において、ボトル底面を下側にしてボトルを平面上に載置した状態における方向を意味する。また、把手(100)をボトル本体に取り付けた状態において、把手(100)を観察者側に配置した状態を基準として、ボトル本体側を前方、把手(100)側を後方とする。
【0012】
第1の本発明のボトル取付用把手(100)は、握り部(10)の上部に上方延設部(40)を備えていないか、あるいは、備えていたとしても、その高さが低く制限された構造を有している。このような構造とすることによって、ボトル本体に把手(100)を取り付けた場合に、把手嵌合強度を大きくすることができる。そして、把手付ボトルを床に落とす等によりボトルに衝撃が加わった際においても、ボトルから把手(100)が外れることが防止され、ボトルに耐衝撃性を付与することができる。
【0013】
第1の本発明において、握り部(10)の少なくとも一部にくびれ部(50)が形成されていることが好ましい。なお、くびれ部(50)とは、握り部(10)の断面積が減少することにより細くなっている部分をいう。くびれ部(50)は、左右方向から中心に向かって細くなる形状であってもよいし、前後方向から中心に向かって細くなる形状であってもよい。
【0014】
握り部(10)の少なくとも一部にくびれ部(50)を形成することによって、把手(100)の樹脂使用量を減らして、軽量化、コストの削減に寄与することができる。また、くびれ部(50)を形成することで、握り部(50)に柔軟性を付与することができ、把手(100)を取り付けたボトルの耐衝撃性をより向上させることができる。
【0015】
第1の本発明において、上部支持腕(22)および下部支持腕(24)の先端に上方に突出するように形成された係合部(62、64)が備えられていることが好ましい。係合部(62、64)を備えていることによって、把手(100)とボトル本体とをブロー成形によって一体化した際に、係合部(62、64)がアンカーの役割を担い、把手嵌合強度を大きくすることができる。
【0016】
第2の本発明は、ボトル本体(210)、ボトル本体(210)の上部側面に形成された把手取付用凹部(230)、および、把手取付用凹部内(230)に取り付けられた第1の本発明のボトル取付用把手(100)、を備えて構成される把手付ボトル(200)である。第2の本発明は、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とすることができ、また第1の本発明の把手(100)を備えていることで、把手嵌合強度が大きな把手付ボトル(200)とすることができる。具体的には、第2の本発明は、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とした場合、把手(100)の23℃における嵌合強度を、少なくとも245Nとすることができる。
【0017】
把手嵌合強度の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトルに常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5ないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、該ボトルを横倒して固定し、ボトルキャップ天面から125mmの位置を500mm/分の速度で引っ張った。そして、把手が外れた時の荷重(N)を嵌合強度とした。該強度は把手付ボトルに特有のものであり、上記の嵌合強度を備えた把手付ボトルは、より信頼性の高い把手付ボトルといえる。
【0018】
第2の本発明の把手付ボトルは、充填容量を1.5リットル以上2.0リットル以下とした場合、把手付ボトル(200)全体の質量が54g以上73g以下であり、下部支持腕(24)が取り付けられた部分より下側のボトル本体下部(210B)の平均肉厚が0.22mm以上0.40mm以下である、軽量化ボトルとすることができる。この軽量化ボトルは、従来得られなかったような軽量化を可能としたものである。そして、軽量化しつつも、座屈強度および耐ラインプレッシャー強度といった大型ボトルに必要とされる強度を十分な値とすることができる。具体的には、軽量化ボトルにおいて、充填後の23℃における座屈強度(垂直荷重強度)を、少なくとも392Nとすることができる。また、23℃における耐ラインプレッシャー強度を、少なくとも40Nとすることができる。
【0019】
なお、本明細書において「ボトル本体下部の平均肉厚」とは、下部支持腕(24)が取り付けられた部分より下側であって、ボトル底面のボトル設置部より上側のボトル本体下部(210B)を構成するボトル側壁の平均厚みをいい、ボトル設置部を含むボトル底面の平均厚みを含まない。
【0020】
第2の本発明の把手付ボトルは、1.5リットル以上、好ましくは1.6リットル以上、より好ましくは1.7リットル以上であって、2.7リットル以下、好ましくは2.5リットル、より好ましくは2.0リットル、さらに好ましくは1.9リットル以下の内容量、特に好ましくは1.8リットルの内容量を充填するボトルとして用いることができる。第2の本発明の把手付ボトルは、ボトル本体下部の平均肉厚を薄くし軽量化しても強度を保つことができ、1.5リットル以上の大容量の把手付ボトルとしてはこれまで得られていなかった軽量なボトルとすることができる。
【0021】
座屈強度(垂直荷重強度)の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトルに常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5リットルないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、該ボトルを圧縮する。そして、該ボトルが座屈した時の荷重(N)を座屈強度(垂直荷重強度)とした。上記の座屈強度を備えることによって、充填したボトルを倉庫保管で多段積みする等して把手付ボトルに垂直方向の力が加わったときに、把手付ボトルが座屈変形してしまうのを防止することができる。
【0022】
耐ラインプレッシャー強度の測定は、以下の手順で行った。すなわち、同一の本発明の把手付ボトルを三本用意してそれぞれにボトルの内容量に合わせて1.5ないし2.0リットルの常温水(23℃±2℃)を充填する。互いに平行に対向させて配置した支持板と押圧板との間に、これら三本のボトルを鉛直に立てて一列に並べる。このとき、隣接するボトルのコンタクトポイント同士が接触するように並べる。そして、一列に並べた両端のボトルの側面にそれぞれ支持板と押圧板とを当接させた状態で押圧板を支持板方向へと押圧してゆき、中央のボトルの壁面(コンタクトポイント)に座屈変形(潰れ)が生じたたきの押圧板の押圧力(N)を測定し、これを中央のボトルの耐ラインプレッシャー強度とした。本発明の把手付ボトルは、ボトル本体下部の肉厚を薄くして軽量化を図ったとしても、上記の耐ラインプレシャー強度を備えることができる。そして、ボトル搬送時においてボトルにつぶれ等の変形が生じるのを防止して、ボトルの外観品質を保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のボトル取付用把手100Aの斜視図である。
【図2】(a)は本発明のボトル取付用把手100Aの左側面図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は底面図である。
【図3】(a)は図2(a)のA−A線断面図、(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
【図4】(a)は本発明のボトル取付用把手100Bの左側面図、(b)は本発明のボトル取付用把手100Cの左側面図である。
【図5】本発明の把手付ボトルの背面図である。
【図6】本発明の把手付ボトルの側面図である。
【図7】本発明の把手付ボトルの正面図である。
【図8】(a)は、図6におけるA−A線断面図である。(b)は、図6におけるB−B線断面図である。
【図9】図5のI−I線断面図である。
【図10】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図11】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図12】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図13】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図14】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図15】リブ214Bの実施形態を示す図である。
【図16】(a)は、座屈強度を説明するための把手付ボトルの側面図である。(b)は(a)におけるIII−III線断面図である。
【図17】本発明の把手付ボトルを製造するためのブロー成形用金型260である。
【図18】(a)は、凹溝216A、212Bの拡大断面図である。(b)はリブ214Bの拡大断面図である。
【図19】(a)は従来の形状の把手である。(b)は従来の形状の把手を従来の形状のボトル本体に取り付けた把手付ボトルである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0025】
<ボトル取付用把手100>
図1に本発明の一実施形態のボトル取付用把手100Aの斜視図を示す。図示したように、ボトルに取り付けた状態においては、握り部10が略垂直となるように配置される。握り部10の上端よりも少し下側に前方向に突出するように上部支持腕22が設けられている。握り部10の下端には前方向に突出するように下部支持腕24が設けられている。ボトルのブロー成形の際において、ボトル本体が、これら上部支持腕22および下部支持腕24に絡み付くことによって、ボトル本体と把手100Aとが一体化される。
【0026】
(上方延設部40)
図1に示した形態においては、上部支持腕22が握り部10から分岐する位置よりも握り部10の上方に、上方延設部40が形成されている。上方延設部40は、把手付ボトルを把手を掴んで持ち上げた場合、把手が矢印X1の方向に外れてしまわないようにするためのストッパーの役割を担っており、従来から設けられている補強部材である。
【0027】
本発明者らは、把手付ボトルを床に落とす等により把手付ボトルに瞬間的に大きな衝撃が加わった際には、この上方延設部40はストッパーとしての役割を果たすのではなく、逆に、把手100が外れるのを助長する場合があることを見出した。このような観点から、本発明者らは、該上方延設部40の形状について鋭意検討し、その結果、上方延設部40を形成しないで、上部支持腕22上面をフラットな状態とするか、あるいは、上方延設部40を形成したとしても、その高さを所定の範囲に制限することが必要であることを見出した。
【0028】
図2(a)にボトル取付用把手100Aの左側面図、(b)に正面図、(c)に平面図、(d)に底面図を示した。上方延設部40の高さについて、図2(a)を用いて説明する。上方延設部40の高さは、上部支持腕22の上面Y1を水平とした場合に、該上面Y1を基準として15mm以下とする必要がある。つまり、上面Y1から上方延設部40の頭頂部Y2に向けて引いた垂線の長さL1が15mm以下である必要がある。また、L1は、10mm以下であることが好ましく、5mm以下であることがより好ましく、3mm以下であることがさらに好ましい。また上方延設部40は、上部支持腕22と同一面上に設けることも可能であるため、上方延設部40の下限は0mmとすることができる。
【0029】
(くびれ部50)
本発明のボトル取付用把手における握り部10は、少なくとも一部にくびれ部50を備えていることが好ましい。くびれ部50とは、握り部10の断面積が減少することにより細くなっている部分をいう。図3(a)に握り部10のA−A線の断面図、(b)にB−B線の断面図を示す。後で詳細に説明するが、図示した実施形態においては、握り部10は、前方板12および後方板14とをリブ16が連結する構造となっている。
【0030】
図3(b)はくびれ部50部分の断面図を示しているが、図3(a)と比較すると、前方板12の上下方向の長さ、特に後方板14の上下方向の長さが減少している。これにより、全体として断面積が減少し、くびれ部50が形成される。図示した形態では、握り部10の左右方向から中心に向かって細くなってくびれ部50が形成されているが、前方および後方から中心に向かって細くなることによりくびれ部50が形成されていてもよい。この場合は、図3のリブ16の紙面左右方向の長さを減少させることになる。
【0031】
このように、握り部10の少なくとも一部にくびれ部50を形成することによって、把手100の樹脂使用量を減らして、軽量化、コストの削減に寄与することができる。把手100の質量は、12g以下、好ましくは11.5g以下、より好ましくは11g以下、さらに好ましくは10.5g以下である。また、くびれ部50を形成することで、握り部10に柔軟性を付与することができ、該把手100を取り付けたボトルの耐衝撃性をより向上させることができる。つまり、ボトルを床に落下させる等によりボトルに大きな衝撃が加わった場合、把手取付用凹部がつぶれるような方向にボトルが曲がり、その際に、把手100には上下方向から応力が加わる。その際、把手100が柔軟性のないものであれば、上下方向からの圧迫により、凹部から把手100が外れてしまったり、場合によっては、把手100が折れてしまったりする。本発明においては、くびれ部50を形成することにより、把手100に柔軟性を付与しているので、このような事態を防ぐことができる。
【0032】
(係合部62、64)
本発明のボトル取付用把手の上部支持腕22および下部支持腕24の先端部分には、上方に突出するように係合部62、64が形成されていることが好ましい。係合部62、64の形状は特に限定されず、上部支持腕22および下部支持腕24の各上面から略垂直方向上向きに突出した形状であればよい。係合部62、64は、両方とも上向きであることが好ましい。
【0033】
ボトル本体のブロー成形の際に、ボトル本体が上部支持腕22および下部支持腕24に絡み付くことによって、把手100がボトル本体に固定されるが、この際に、係合部62、64がアンカーの役割を担い、把手嵌合強度を大きくする。
【0034】
(実施形態100A)
図1〜図3に示した本発明のボトル用把手の実施形態100Aについて説明する。ボトル用把手の実施形態100Aにおける握り部10は、前方に配置された前方板12および後方に配置された後方板14とをリブ16が連結して構成されている。握り部10の上下方向中央部よりも上側には、くびれ部50が形成されている。くびれ部50は、図3(b)に断面図を示したように、前方板12および後方板14の双方が、左右方向に長さを減少させることにより形成される。特に、後方板14の長さは、大きく減少しており、これにより、後方板14は前方板12に比べて大きくくびれている。
【0035】
握り部10の上下方向中央部よりも下側には、滑り止め用の凹凸18が形成されている。凹凸18は、前方板12および後方板14の側面に上下方向に数箇所連続して設けられている。
【0036】
握り部10の上部からは、前方向に突出するように上部支持腕22が形成されており、該上部支持腕22は、上面板22aおよび下面板22bをリブ16が連結して構成されている。図示の形態においては、上面板22aに比べて下面板22bの左右方向の幅が狭く形成されている。上面板22aは上部支持腕22の前方先端部で下方向に直角に折れ、該前方先端部において下面板22bと連結している。下面板22bと、握り部10の前方板12とは、それぞれの端部が湾曲されて連結し、両者で一つの曲面を形成している。
【0037】
握り部10の上部には、上方延設部40が形成されている。上方延設部40は、上面板22aが後方に向かって上方に隆起されて形成されている。上面板22aと前方板14とはそれぞれの端部を湾曲させ連結し、両者で一つの曲面を形成している。上部支持腕22の上面板22aの上面先端部には、上方向に突出した係合部62が形成されている。該係合部62は、底面が前方を向いた断面台形の角柱形状となっている。
【0038】
握り部10下部には、凹凸18の下方向にくびれが形成されている。該くびれはくびれ部50と同様の機能を有するものである。握り部10の下部からは、前方向に突出するように下部支持腕24が形成されている。該下部支持腕24は、上面板24aおよび下面板24bをリブ16が連結して構成されている。上面板24aおよび下面板24bは、略同一幅であり、下部支持腕24の前方先端部で互いに連結している。握り部10の前方板12は、凹凸18の下部においてくびれて左右の幅が小さくなったまま湾曲し、同様に湾曲した同一幅の上面板24aと連結して、一つの曲面を形成している。
【0039】
握り部10の後方板14は、凹凸18の下部においてくびれ左右の幅が小さくなった後、再び左右の幅を広げつつ湾曲し、同様に左右の幅を広げつつ湾曲してきた下面板24bと連結して、一つの曲面を形成している。
【0040】
下部支持腕24の上面板24aの上面先端部には、上方向に突出した係合部64が形成されている。係合部64の形状は、上記の係合部62と同様である。図示した形態においては、下部支持腕24の先端部の側面に突起が形成されている。該突起は、係合部64と同様の機能を有するものである。
【0041】
図2(d)に示したように、下部支持腕24の下面板24bには、凹凸26が形成されている。ボトルのブロー成形時に、ボトルが該凹凸26に食い込むことによって、把手嵌合強度をさらに高めることができる。さらに、極めてまれではあるが、この部分にピンホールが発生する場合があり、この場合には、ピンホール検出用エア抜き溝としても作用する。
【0042】
(実施形態100B、100C)
図4(a)に本発明のボトル用把手の他の実施形態100Bの左側面図、(b)に他の実施形態100Cの左側面図を示した。実施形態100B、100Cにおいては、上方延設部40が形成されていない。上部支持腕の上面板22aは、後方に真っ直ぐのびそのまま下方に湾曲し、把手10の後方板14と連結している。実施形態100Bと100Cとでは、握り部10上方の角部E1、E2のRが異なっている。実施形態100B(E1)ではR5となっており、実施形態100C(E2)ではR8.8となっている。Rを大きくすることにより、樹脂使用量を減らして、把手の質量を減少できるとう利点がある。
【0043】
(製造方法)
本発明のボトル用把手100A〜100Cは、通常、射出成形により製造される。射出成形は、可動型および固定型とから構成され、両型が把手の左右方向中央部から分割できる射出成形型を用いて行われる。実施形態で示したボトル用把手100A〜100Cは、握り部10、上部支持腕22および下部支持腕24が、断面H字形状となっている。これにより、射出成形型の分割方向および把手の抜き方向に対して抵抗となるいわゆるアンダーカット部が生じないので、両型を分割して把手を取り出す工程が容易になるという利点がある。断面をH字形状としないで十分な強度を得ようとすると、その分、厚さを大きく取る必要が生じ、厚さを大きく取ると、把手を射出成形するときの冷却過程における収縮により、特に係合部62、64の上方先端面に凹み(いわゆる「ヒケ」)が生じやすくなる。このように断面H字形状にすることにより、このようなヒケが生じにくく、かつ生じたヒケが目立たないという利点がある。
【0044】
<把手付ボトル200>
本発明の把手付ボトル200は、ボトル本体210および本発明の把手100を備えて構成される。図5に本発明の把手付ボトル200の背面図、図6に側面図、図7に正面図を示した。また、図8には、図6におけるA−A線断面図(図8(a))およびB−B線断面図(図8(b))を示した。把手100は、ボトル本体210に形成された把手取付用凹部230に取り付られている。本発明の把手付ボトル200の内容量は、1.5リットル以上、好ましくは1.6リットル以上、より好ましくは1.7リットル以上であって、2.7リットル以下、好ましくは2.5リットル以下、より好ましくは2.0リットル以下、さらに好ましくは1.9リットル以下であり、最も好ましくは1.8リットルである。
【0045】
(把手嵌合強度)
把手100の支持腕22、24の先端には上方に突出した係合部62、64が形成されている。本発明のボトル本体210をブロー成形した時に、把手取付用凹部230の壁面が上下の支持腕22、24の先端部を覆うと共に、その先端から上方に突出した係合部62、64に絡み付くようにして、把手取付用凹部230に把手体100が取り付けられる。このようにして、嵌合形状を複雑なものとすることにより、嵌合強度を高くすることができる。
【0046】
また、本発明のボトル取付用把手100においては、従来ストッパーとして設けられていた上方延設部40を形成しないで、上部支持腕22の上面をフラットな状態とするか、あるいは、上方延設部40を形成したとしても、その高さを所定の範囲に制限している。これにより、本発明の把手付ボトル200は、把手嵌合強度を大きくすることができる。そして、ボトルを床に落とす等によりボトルに衝撃が加わった際においても、ボトルから把手が外れることを防ぐことができる。
【0047】
本発明の把手付ボトル200においては、把手100の23℃における嵌合強度を、規格値として要求されることが多い245N以上とすることができる。そして、この嵌合強度を、好ましくは400N以上、より好ましくは500N以上、さらに好ましくは540N以上とすることができる。また、握り部10にくびれ部50を形成した場合には、嵌合強度をさらに向上させることができる。
【0048】
また、以下の好ましい実施形態で説明するが、把手取付用凹部30の補強手段として膨出突起236、238等を設けた場合は、嵌合強度をさらに向上させることができる。
【0049】
以下、本発明の把手付ボトル200の好ましい形態として、従来のボトルでは得られなかったような軽量化を達成することができ、かつ、座屈強度、耐ラインプレッシャー強度といった大容量の把手付ボトルに必要とされる種々の強度を備えている本発明の把手付ボトル200について説明する。
【0050】
<軽量化把手付ボトル200>
(ボトル本体210)
ボトル本体210は、図6に示すように上下方向中央付近にくびれ211が形成されている。このくびれ211によりボトル本体210は補強されると共に、ボトル本体上部210Aとボトル本体下部210Bに略二分されている。なお、図示した形態においては、くびれ211は把手取付用凹部230の下部により一部分断されているが、周方向に連続した形態とすることもできる。また、該くびれ211の形成は任意であり、形成しなくてもよい。
【0051】
ボトル本体上部210Aの側面には、把手取付用凹部230が形成されている。この把手取付用凹部230には把手100が取り付けられ把手付ボトル200とされる。本発明のボトルは醤油等の調味料を入れるため等に使用される大型(大容量)のボトルである。従って、ボトルの胴周りが大きいため、使用者はボトル本体210を掴むことは難しい。そのため、ボトル本体210に把手100を取り付けハンドリング性(持ち易さ)を向上させている。
【0052】
把手取付用凹部230の深さは、ボトル本体210の最大外径部の直径の1/4から1/3の範囲で設定するのが好ましい。例えば、高さが310mm、最大外径寸法が106mm、内容積が1885mlのポリエチレンテレフタレート樹脂製ボトルの場合には、把手取付用凹部230の深さを30mm前後に設定することが好ましく、これにより把手100が握り易くなる。図示した形態においては、該把手取付用凹部230に種々の補強構造(232、234等)が形成されている。該補強構造の詳細については後述する。
【0053】
図5に示した把手取付用凹部230が形成されたボトル背面の裏側、つまり図7に示したボトル正面におけるボトル本体上部210Aには、その上側に略平面状の傾斜壁面212Aと、曲面状の円筒壁面214Aとが交互に形成されている。このような構造にすることによって、ボトルの上下方向および左右方向の剛性を高めることができ、かつ内容液の温度に伴う密度変化に起因するボトル内圧変化を緩和し、ボトルラベル部等の変形を防止することができる。また、傾斜壁面212Aは、平面状であってもよいが、図8(a)に示したようにボトル内部方向に若干窪んだ形状とすることもできる。この形状とすることで、左右方向の剛性をさらに向上させることができる。
【0054】
ボトル正面におけるボトル本体上部210Aの下側には、複数の凹溝216Aが形成されている。該凹溝216Aは、第1変曲点から第2変曲点までの幅が1mm以上、好ましくは2mm以上であって、5mm以下、好ましくは4mm以下の幅を有する細溝である。ここで、凹溝における第1変曲点および第2変曲点について、図18(a)を用いて説明する。図18(a)に、凹溝部分の断面拡大図を示した。図示右側斜線部がボトル本体10である。ボトル本体上部210Aの壁面が凹溝216Aに差し掛かる曲線部分を第一のリブ曲線、凹溝216Aの凹み部分を構成する曲線部分を第二のリブ曲線、凹溝216Aが再びボトル本体上部210Aの壁面に差し掛かる曲線部分を第三のリブ曲線とすると、第一のリブ曲線が第二のリブ曲線に変わる点が第1変曲点L1であり、第二のリブ曲線が第三のリブ曲線に変わる点が第2変曲点L2となる。そして、本発明においては、これら変曲点の間の距離Lを上記の範囲とする(以下で説明する環状凹溝212Bにおいても同様である。)。図示した形態においては、計三つの凹溝216Aが水平方向に略同一間隔で形成されている。該凹溝216Aを形成することによって、ボトル本体上部210Aに左右方向の剛性を付与することができる。図示した形態のボトル本体上部210Aは、図示上方向に行くに従い径が小さくなる略円錐形状となっている。先端部においては、径が小さくなる割合がより大きくなり、円錐状の縮径部217が形成されている。上端には開口部218が形成されており、閉蓋できるようになっている。
【0055】
ボトル本体下部210Bは、略円筒状の直胴部である。図示した形態においては、直胴部を一周するように複数の環状凹溝212Bが形成されている。該環状凹溝212Bは、第1変曲点から第2変曲点までの幅が1mm以上、好ましくは2mm以上であり、5mm以下、好ましくは4mm以下の細溝であり、これにより横方向の剛性が向上されている。環状凹溝212Bが形成される位置、本数等は特に限定されず、例えば、横方向の剛性を向上させたい位置、および、どの程度剛性を向上させたいのかによって、適宜決定される。図示した形態においては、合計五つの環状凹溝212Bが水平方向に略同一間隔で形成されている。
【0056】
また、ボトル本体下部210Bにおいて、横方向の剛性を特に向上させたい位置、つまり、ライン上での搬送において隣り合うボトルと接触する箇所には、リブ214Bが形成される。リブ214Bは、以下において説明する耐ラインプレッシャー強度を担保するものである。詳細については後述する。
図9に、図5のI−I断面図を示した。ブロー成形により取り付けられたボトル本体210および把手100の関係を示している。ボトル本体210をブロー成形したときに、把手取付用凹部230の壁面が上下の支持腕22、24の先端部を覆うと共に、その先端から上方に突出した係合部62、64に絡み付くようにして把手取付用凹部230に把手100が取り付けられる。
【0057】
(ボトル200の全体質量)
本発明の把手付ボトル200は、ボトル全体の質量が54g以上73g以下、好ましくは55g以上70g以下、さらに好ましくは56g以上68g以下の範囲である。従来、1.5リットルないし2.0リットルという大容量の把手付ボトルにおいては、種々の強度が必要とされることから、軽量化して樹脂使用量を減らすことは難しかったのであるが、本発明はこのような限界を超えて軽量化を実現したものである。
【0058】
(ボトル本体下部210Bの平均肉厚)
本発明の把手付ボトル200のボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.22mm以上0.40mm以下である。従来は、ボトル本体下部210Bの横方向の剛性、つまり、十分な耐ラインプレッシャー強度を付与するためには、ボトル本体下部210Bの平均肉厚を少なくとも0.41mmから0.6mm程度と厚くする必要があった。特に、コンベア上において隣り合ったボトルと接触する部分であるボトルの底面付近においては、特に肉厚を厚くする必要があり、0.5mm以上の平均肉厚を必要としていた。本発明においては、耐ラインプレッシャー強度を十分なものとしつつ、ボトル本体下部210Bの平均肉厚を約半分程度に薄くすることに成功したものであり、これにより、把手付ボトル200全体の軽量化、そして、使用樹脂量の大幅な減少に成功したものである。なお、ボトルの内容量を例えば1.7リットルないし1.9リットルとした場合は、ボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.24mm以上0.39mm以下とすることが好ましい。また、ボトルの内容量を1.8リットルとした場合には、ボトル本体下部210Bの平均肉厚は、0.25mm以上0.38mm以下とすることが好ましい。
【0059】
(耐ラインプレッシャー強度)
本発明の把手付ボトル200の23℃における耐ラインプレッシャー強度は、少なくとも40Nであることが好ましく、50N以上であることがより好ましく、70N以上であることがさらに好ましい。このような耐ラインプレッシャー強度を備えることによって、ライン上での搬送中等においてボトルに凹み等の変形が生じるのを防ぐことができる。
【0060】
従来、耐ラインプレッシャー強度を付与することを目的として、搬送ベルト上を滑走中に隣接ボトル同士が接して押圧力が加わるボトル胴部の最大外径部分(コンタクトポイント)の肉厚を厚くしたり、このコンタクトポイントに沿ってボトル壁面に凹状または凸状のリブを周設してボトルを成形し、ボトル胴部の押圧力が加わる部分の剛性を局所的に高めたりする措置がとられていた。
【0061】
しかしながら、前者のようにコンタクトポイントの肉厚を厚くする場合、ラインプレッシャーに対する強度は増すものの、ボトルの軽量化を図るという本発明の目的を達成することはできない。また、軽量化を図るためにコンタクトポイント以外の部分の肉厚を薄くしたのでは、減圧強度や座屈強度といったボトルの他の物性が低下することになる。
【0062】
また、後者のようにコンタクトポイントに沿って単にリブを周設しただけでは、ラインプレッシャーに対する十分な剛性は得られなかった。
【0063】
従来、一般的には、コンタクトポイントに沿ってリブを形成するだけでは十分なラインプレシャー強度は得られないというのが、大方の見解であった。しかし、本発明者は、リブ214Bをコンタクトポイントに沿って形成すると共に、そのコンタクトポイントにおけるボトルの肉厚を上記したように0.22mm以上0.40mm以下と薄くすることにより、意外にも大きなラインプレッシャー強度が得られることを見出した。
【0064】
従来、コンタクトポイントにおける肉厚を薄くすることは、耐ラインプレッシャー強度を小さくすることであるというのが常識であった。そのような常識の中、本発明者は、あえてコンタクトポイントにおける肉厚を薄くした。その結果、肉厚を薄くしたことと、リブ214Bを形成したことが、相乗効果を示し、優れた耐ラインプレッシャー強度を備えた本発明の把手付ボトル200が完成した。
【0065】
このように優れた耐ラインプレッシャー強度を備えることができた理由として、本発明者は以下のように考えている。従来のコンタクトポイントに沿ってリブを形成したボトルの場合、ライン上での搬送中、リブの頂点において隣接するボトルと接触することとなっていた。つまり、コンタクトポイントがリブの頂点である一点となっており、ラインプレッシャーがこの一点に集中して、凹み等が発生し易いものとなっていた。これに対して、本願のボトル200においては、コンタクトポイントに沿ってリブ214Bを形成すると共に、該部分の肉厚を薄くしているので、ラインプレッシャーがかかった時に、隣接するボトルと面接触するようになっている。つまり、肉厚が薄いことから、リブ214Bが柔らかく、このため、隣接するボトルのリブ214B同士が互いにつぶれて、面接触となるのである(言い換えると、コンタクトポイントがコンタクトエリアになるということである。)。そして、点が面になったことでラインプレッシャーが分散され、耐ラインプレッシャー強度が向上するのである。
【0066】
上記のように、隣接するボトル同士を面接触とする観点から、リブ214Bの幅を広くすることが好ましい。また、リブ214Bを複数設けて接触面積を広げることもできる。図10〜15に本発明のリブ214Bの種々の実施形態を示した。図10〜15に示した各実施形態において、(a)はボトル本体下部210Bの下側のみにリブ214Bを設けた例であり、(b)はボトル本体下部210Bの上側にも同様のリブ214Bを設けた例である。(b)においては、接触面積が二倍となっているので、より耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。なお、リブ214Bとは、コンタクトポイントに沿ってボトルの周方向に形成したボトルの最大外径部分を含む環状形状をいい、例えば、断面略半円形あるいは断面略台形の環状凸状部をいう。図18(b)にリブ214Bの拡大断面図を示した。図示左側の斜線部がボトル本体210である。本発明においてリブ214Bの幅とは、リブ形状を形成する曲線における接線の傾きが斜め45°になる点c1からc2までの距離cをいう。
【0067】
図10(a)には、リブ214Bをボトル本体下部210Bの下側に一つ形成した形態を、また図10(b)には、リブ214Bをボトル本体下部210Bの上側と下側に二つ形成した形態をそれぞれ示した。本実施形態において、リブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、リブ214Bの直径bとボトル本体下部210Bのリブ14B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。本発明においては、ボトル本体下部210Bの肉厚が薄くなっているので、リブ214Bを上記のように設計することで、ラインプレッシャーがかかったときに、隣接するボトル同士の接触面積(以下、該面積をコンタクトエリアと呼ぶことがある。)が拡大して、耐ラインプレッシャー強度がより大きなものとすることができる。
【0068】
図11(a)には、ボトル本体下部210Bの下側に二つのリブ214B(1)、214B(2)を形成した形態を、また図11(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側にそれぞれ二つずつのリブ214B(1)、214B(2)を形成した形態をそれぞれ示した。この場合、それぞれのリブのコンタクトエリアの合計がボトルの接触面積となるので、より耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。また、リブを複数形成することによって、横方向の剛性を向上させるという効果もあり、これにより耐ラインプレッシャー強度がさらに向上する。二つのリブ214B(1)、214B(2)の幅は、それぞれ3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、リブ214B(1)、214B(2)のそれぞれの直径bとボトル本体下部210Bのリブ214B(1)、214B(2)以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0069】
図12(a)には、ボトル本体下部210Bの下側に凸リブ214Bを形成した形態を、図12(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側に二つの凸リブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。形成した凸リブ214Bは幅広であるので、コンタクトエリアが大きくなる。また、肉厚を薄くした効果により、ラインプレッシャーがかかった時に凸リブ214Bが変形して、ボトル200同士がボトル胴部全体で接触するようになり、さらに耐ラインプレッシャー強度を向上させることができる。凸リブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、凸リブ214Bの直径bとボトル本体下部210Bの凸リブ214B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0070】
図13(a)には、ボトル本体下部210Bの下側にコンタクトエリア216Bを周方向に形成し、さらに、エッジ218Bを形成した形態を、図13(b)には、ボトル本体下部210Bの上側と下側にコンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bを形成した形態をそれぞれ示した。本実施形態では、あらかじめ幅広のコンタクトエリア216Bが形成されているため、耐ラインプレッシャー強度が向上されている。また、エッジ218Bを加えることにより、横方向の剛性が向上され、耐ラインプレッシャー強度がより向上される。コンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。また、コンタクトエリア216Bおよびエッジ218Bの直径bとボトル本体下部10Bのコンタクトエリア216Bおよびエッジ218B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0071】
図14(a)に、ボトル本体下部210Bの下側に凹形状のリブ214Bを形成した形態を、図14(b)にボトル本体下部210Bの上側と下側に凹形状のリブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。ラインプレッシャーがかかったときは、肉厚が薄くなっているためこの凹形状がつぶれて平坦となる。よって、コンタクトエリアが拡大して耐ラインプレッシャー強度が向上し、ラインプレッシャーが除かれたときに凹形状両端部のリブ効果により復元するようになる。凹形状のリブ214Bの幅は、3mm以上、好ましくは5mm以上、さらに好ましくは6mm以上であり、10mm以下、好ましくは8mm以下、さらに好ましくは7mm以下の範囲で形成することができる。なお、凹形状のリブ214Bの場合は、リブ214Bの曲線における接線の傾きが斜め45°となる部分は、最大4箇所あるが、そのうち最上部および最下部の点をc1およびc2として、その間の距離をリブ214Bの幅cとした。また、凹形状のリブ214Bの最大直径bとボトル本体下部210Bの凹形状のリブ214B以外の部分の直径aとの比(b/a)は1.015以上、好ましくは1.020以上、さらに好ましくは1.025以上であって、1.050以下、好ましくは1.045以下、さらに好ましくは1.040以下であることが望ましい。
【0072】
図15(a)に、多角形タイプのリブ214Bを形成した形態を、図15(b)にボトル本体下部210Bの上側と下側に多角形タイプのリブ214Bを形成した形態をそれぞれ示した。また、図15(c)には、図15(b)におけるII−II線の断面図を示した。この多角形タイプのリブ214Bは、ボトル本体下部210Bの下側を外周側に膨出させて最大外径部分となる環状膨出部を形成すると共に、この環状膨出部を、ボトル中心方向へ凹んだ湾曲凹面であって、周方向の長さが長い長辺凹面部と、周方向の長さが短い短辺凹面部とが交互に連なって形成されている。長辺凹面部および短辺凹面部は、湾曲凹面となってボトル内方へ凹み、その隣接凹面部と交わる両端側がボトル外方へ突き出た角部となっている。そして、かかる角部そのものが補強として機能し、角部を挟んで周方向に連続した湾曲凹面が凹状リブと同様な補強として機能する。このため、コンタクトポイントの機械的強度が高まり、コンタクトポイントの剛性を高めることができる。
【0073】
また、コンタクトポイントとなる環状膨出部を縦断面略台形状に形成することにより、ブロー成形時の延伸が円滑に行われ、コンタクトポイント全周に亘って均一な肉厚に成形することができる。そして、前記環状膨出部に長辺凹面部と短辺凹面部とを形成することにより、それぞれの凹面部と上下の傾斜壁面との境に角部が形成され、これがつぶれ変形に対して補強として機能するため、コタクトポイントの機械的強度がさらに高まることになる。
【0074】
(座屈強度)
本発明の把手付ボトル200の、充填後の23℃における座屈強度は少なくとも392Nであることが好ましい。座屈強度(垂直荷重強度)の測定は、以下の手順で行った。すなわち、把手付ボトル200に常温水(23±2℃)をボトルの内容量に合わせて1.5リットルないし2.0リットル充填し、キャップをする。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、該ボトルを圧縮する。そして、該ボトルが座屈した時の荷重(N)を座屈強度(垂直荷重強度)とした。このような座屈強度を備えることによって、把手付ボトルに垂直方向の力が加わったときに、把手付ボトルが座屈変形してしまうのを防止することができる。
【0075】
把手付ボトルに醤油やミリン等を充填密封してダンボール箱に詰め、このダンボールを上下方向に複数段重ねて保管したり、輸送したりする場合、上段に積載したダンボール箱の荷重が下段のダンボール箱中の把手付ボトルに加わるため、下段のダンボール箱に箱詰めされた把手付ボトルの把手取付用凹部が座屈変形してボトル上部が把手側に倒れるように変形することがあった。
【0076】
この座屈変形を、図16を用いて説明する。図16(a)は従来のボトルの側面図であり、図16(b)は、図16(a)におけるIII−III線横断面図である。プリフォームを延伸して把手付ボトルをブロー成形したとき、径方向の延伸倍率が大きい最大外径部X2は肉薄となる。また、把手取付用凹部230の壁面を両側縁部から中央に向かって穏やかに膨出した湾曲凸面231とした場合、該湾曲凸面231の中央部Y1は径方向の延びが小さいため肉厚となり、延びが大きい湾曲凸面231の両側縁部Y2は肉薄となる。
【0077】
このため、このような従来のボトルに上方から垂直荷重Wが加わったとき、荷重Wは把手100を介して肉薄となった部分Xに加わるため、この部分X2と肉薄となった両側縁部Y2が座屈変形することがあった。このとき、肉厚となった湾曲凸面231の中央部Y1は座屈変形しないため、この中央部Y1が支点となって肉薄となった部分X2と両側縁部Y2とが座屈変形し、ボトル上部が矢印Rで示すように把手側に倒れるように変形することがあった。
【0078】
本発明においては、把手取付用凹部230に形成する湾曲凸面231の両側縁部Y2の剛性を確保し、把手の下部、すなわち肉薄となった最大外径部X2に集中する荷重を分散させて座屈強度を高め、上方から垂直荷重が加わっても把手取付用凹部230が座屈変形することがないようにするため、把手取付用凹部230に種々の補強手段を形成した。これにより、本発明の把手付ボトル200は上記した好ましい範囲の座屈強度を備え、座屈変形が防止される。
【0079】
種々の補強手段について、図5および図8(b)を用いて説明する。種々の補強手段としては、把手取付用凹部230の壁面を両側縁部から中央に向かって穏やかに膨出するように形成した湾曲凸面231、および、該湾曲凸面231の把手100が取り付けられた中央の上下位置に設けた膨出突起236、238を挙げることができる。すなわち、上部支持腕22が取り付けられた部分の下方に膨出突起236が設けられると共に、下部支持腕24が取り付けられた部分の上方に膨出突起238が設けられている。なお、この膨出突起236、238は上下に連続して設けることもできる。膨出突起236、238を形成することによって、把手100が把手取付用凹部230の壁面にしっかりと固定されると共に、湾曲凸面231が補強されて剛性が高まる。
【0080】
また、補強手段としては、湾曲凸面231の両側縁部近傍に設けた上下方向に延びる補強用リブ234A、234Bを挙げることができる。図示した形態においては、湾曲凸面231の両側の左右対称位置には、プラットホーム状に膨出した隆起面232A、232Bが形成されており、湾曲凸面231の両側縁部と近接する隆起面232A、232Bの段差部によって上下方向に延びる補強用リブ234A、234Bがそれぞれ形成されている。
【0081】
この補強用リブ234A、234Bは湾曲凸面231を補強して、上方から加わる垂直荷重によって湾曲凸面231が座屈変形するのを防止するものである。これにより、湾曲凸面231の両側縁部が補強されて剛性が高まると共に、把手100を介してその下部に加わる荷重が分散されて座屈強度が向上する。そして、上方から加わる垂直荷重によって把手取付凹部230が座屈変形するのが防止される。また、把手100の取付位置の上下が膨出突起236、238によって補強されていることと相俟って、湾曲凸面231の剛性が確保され、上下方向に対する座屈強度が格段に改善される。
【0082】
<本発明の把手付ボトル200の製造方法>
本発明の把手付ボトル200の製造方法の好適な例について、図17を参照しつつ説明する。本発明の把手付ボトル200は、あらかじめ把手100をボトル本体210とは別体で、射出成形等の方法により成形しておき、ボトル本体210のブロー成形の工程において、両者を一体化することにより製造される。
【0083】
本発明のボトル本体210は、プラスチック、例えばポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル樹脂を用いて、まず、射出整形により中間製品である管状素材(以下「プリフォーム」という。)を形成し、次いで、該プリフォームを延伸温度、例えばポリエチレンテレフタレートの場合は90℃以上120℃以下まで加熱した状態でブロー成形金型にセットし、プリフォーム内に高圧空気等を吹き込んで2軸延伸ブロー成形して得られる。本発明において、把手100はポリエチレンテレフタレートで代表されるポリエステル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等が使用できる。特に、把手体の材質としてボトル本体と同様のポリエステル樹脂を採用すると、回収してリサイクルする際に、本体と一緒に処理することができ、また把手体として再生樹脂を使用することができるので好ましい。
【0084】
ブロー成形に使用する金型260は、図17に示すように、図示上方に引き抜き可能な底型262、および不図示の頚部形成型からなっている。金型260の側面部には、把手取付用凹部230形成用の型264が形成されている。この型264部分には、把手100の支持腕22、24の先端部分が金型内に露出するような状態で、把手100がセットされる。また、金型260内には、上記した把手取付用凹部230の補強手段232、234等、リブ214Bを形成するための形状が備えられている。
【実施例】
【0085】
(実施例1)
図1、図2および図3に示した上方延設部40を形成したボトル取付用把手100Aを、射出成形により作製した。図2および図3に示した各寸法は、上方延設部40の高さL1が2mm、上下方向の全長L2が94.6mm、上部支持腕22の係合部62の高さL3が4.3mm、下部支持腕24の係合部64の高さL4が3mm、係合部62、64の厚さL5が3mmである。また、左右方向の最大幅W1が20mm、くびれ部50の後方板14の左右方向の幅W2が4mm、くびれ部50の前方板12の左右方向の幅W3が10mm、凹凸18部分の左右方向の幅W4が14mm、握り部の前後方向の厚みW5が7.6mmである。作製したボトル取付用把手100Aの質量は、11.3gであった。
【0086】
作製したボトル取付用把手100Aを用いて、図5〜8に示した形状であって、高さ300mm、直胴部の外径103.5mm、内容積1865ml、リブ214Bの外径106mm、リブ214Bの幅6mmの把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0087】
(実施例2)
図4(a)に左側面図を示したボトル取付用把手100Bを、射出成形により作製した。ボトル取付用把手100Bは、上方延設部40が形成されてなく、上部支持腕22の上面がフラットとなっている。上方延設部40を形成していないので、L1が0である以外は、各寸法は実施例1の把手100Aと同様である。なお、角部E1はR5である。作製したボトル取付用把手100Bの質量は、10.8gであった。
【0088】
作製したボトル取付用把手100Bを用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0089】
(実施例3)
図4(b)に左側面図を示したボトル取付用把手100Cを、射出成形により作製した。ボトル取付用把手100Cは、上方延設部40が形成されてなく、上部支持腕22の上面がフラットとなっている。角部E2がR8.8である以外は、各寸法は実施例2の把手100Bと同様である。作製したボトル取付用把手100Cの質量は、10.7gであった。
【0090】
作製したボトル取付用把手100Cを用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0091】
(比較例1)
図19(a)に示した従来のボトル取付用把手110を射出成形により作製した。図19(a)に示した各寸法は、上方延設部40の高さL1が16.4mm、上下方向の全長L2が94.6mm、上部支持腕22の係合部62の高さL3が4.3mm、下部支持腕24の係合部64の高さL4が3mm、係合部62、64の厚さL5が3mmである。また、左右方向の幅W1が20mmであり、くびれ部は形成されていない。握り部10の前後方向の厚みW5は7.6mmである。作製した従来のボトル取付用把手110の質量は、14.5gであった。なお、L1〜L6、W1およびW5は、図2および図3と同様の位置を示している。
【0092】
作製した従来のボトル取付用把手110を用いて、実施例1と同様にして把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0093】
(比較例2)
比較例1と同じ把手110を用いて、図19(b)に示した従来のボトルであって、高さ300mm、直胴部の外径103.5mm、内容積1865ml、コンタクトポイントの外径106mmでコンタクトポイントにリブの無い、把手付ボトルをブロー成形により作製した。
【0094】
<評価方法I>
上記の実施例1および比較例1で作製した把手付ボトルに対して以下の評価を行った。
【0095】
(把手嵌合強度)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。そして、該ボトルを横倒して固定し、ボトルキャップ天面から125mmの位置を500mm/分の速度で引っ張った。そして、把手が外れた時の荷重(N)を測定し、これを嵌合強度とした。結果を表1に示す。
【0096】
(垂直落下試験)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。該ボトルを垂直に立てた状態で、床面からボトル底面までの高さ(H)が90cmの状態から、ボトルを落下させた。把手の外れ、把手の割れ、ボトルの割れ等の不具合が生じなかった場合は、同じボトルを使用して高さ(H)を120cmとして、同様の落下試験を行った。さらに不具合が生じなかった場合は、高さ(H)を150cm、そしてさらに180cmとして落下試験を繰返して行った。各高さにおいて、ボトルに不具合が生じた場合は、その時点で試験を終了させた。結果を表2に示す。
【0097】
(結果)
【0098】
【表1】
本発明の把手100Aを用いた場合(実施例1)は、把手嵌合強度が平均で570N以上であり非常に大きな値を示した。また、実施例1においては、最小値でも559Nという大きな値を示しており、把手嵌合強度にばらつきがなく、安定して大きな強度が得られることが分かった。
【0099】
【表2】
【0100】
本発明のボトル取付用把手100A(実施例1)は、従来の把手に比べて、垂直落下試験においても良好な結果を示した。
【0101】
<評価方法II>
上記の実施例1および比較例2で作製した充填用把手付ボトルに対して以下の評価を行った。
(座屈強度)
作製した把手付ボトルに23℃の常温水を1.8リットル充填しキャップをした。そして、ボトルキャップの天面から垂直下方向に100mm/分の速度にて、ボトルを圧縮した。そして、ボトルが座屈した時の荷重(N)を測定し、これを座屈強度(垂直荷重強度)とした。
【0102】
(耐ラインプレッシャー強度)
作製した把手付ボトルを三本用意して、それぞれに23℃の常温水を1.8リットル充填した。互いに平行に対向させて配置した支持板と押圧板との間に、これら三本のボトルを鉛直に立てて一列に並べた。このとき、隣接するボトルのコンタクトポイント同士が接触するように並べた。そして、一列に並べた両端のボトルの側面にそれぞれ支持板と押圧板とを当接させた状態で押圧板を支持板方向へと押圧してゆき、中央のボトルの壁面(コンタクトポイント)に座屈変形(潰れ)が生じたたきの押圧板の押圧力(N)を測定し、これを中央のボトルの耐ラインプレッシャー強度とした。
【0103】
【表3】
【0104】
表3より本発明の把手付ボトルは、ボトルの質量が軽く、かつ、ボトル本体下部の平均肉厚とコンタクトポイントの肉厚が薄いにも関わらず、座屈強度および嵌合強度が従来のボトルより大きく、また耐ラインプレッシャー強度も70N以上あるため、搬送中の変形を十分抑えることが可能である。
【0105】
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うボトル取付用把手および把手付ボトルもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【符号の説明】
【0106】
100A、100B、100C ボトル取付用把手
10 握り部
22 上部支持腕
24 下部支持腕
40 上方延設部
62、64 係合部
210 ボトル本体
210A ボトル本体上部
210B ボトル本体下部
214B リブ
230 把手取付用凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
握り部、該握り部の上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備えて構成され、該上部支持腕および下部支持腕を介してプラスチックボトルに取り付けるための把手であって、
該把手が、前記上部支持腕が前記握り部から分岐する位置より前記握り部の上方に延設された上方延設部を備えていないか、あるいは備えていたとしても、前記上部支持腕の上面を水平とした場合に、該上面から前記上方延設部の頭頂部までの高さが15mm以下であり、前記握り部が、少なくとも一部にくびれ部を備え、かつ質量が12g以下であることを特徴とする、1.5リットル以上2.0リットル以下のプラスチックボトル取付用把手。
【請求項2】
前記上部支持腕および前記下部支持腕の先端に上方に突出するように形成された係合部を備えている、請求項1に記載のプラスチックボトル取付用把手。
【請求項3】
プラスチックボトル本体、該ボトル本体の上部側面に形成された把手取付用凹部、および、前記把手取付用凹部内に取り付けられた請求項1又は請求項2に記載のプラスチックボトル取付用把手、を備えて構成され、前記ボトル本体下部の胴部の最大外径部分(コンタクトポイント)に沿ってリブを設けたことを特徴とする1.5リットル以上2.0リットル以下の把手付プラスチックボトル。
【請求項4】
前記把手付プラスチックボトル全体の質量が54g以上73g以下であり、前記下部支持腕が取り付けられた部分より下側のプラスチックボトル本体下部の平均肉厚が0.22mm以上0.40mm以下である、請求項3に記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項5】
23℃における耐ラインプレッシャー強度が、少なくとも40Nである請求項4に記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項6】
前記プラスチックボトル本体の把手取付用凹部内に、補強手段が形成されている、請求項3〜5のいずれかに記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項7】
充填後の23℃における座屈強度(垂直荷重強度)が、少なくとも392Nである請求項6に記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項8】
前記把手の23℃における嵌合強度が、少なくとも245Nである請求項3〜7のいずれかに記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項1】
握り部、該握り部の上下部から前方向に突出する上部支持腕および下部支持腕を備えて構成され、該上部支持腕および下部支持腕を介してプラスチックボトルに取り付けるための把手であって、
該把手が、前記上部支持腕が前記握り部から分岐する位置より前記握り部の上方に延設された上方延設部を備えていないか、あるいは備えていたとしても、前記上部支持腕の上面を水平とした場合に、該上面から前記上方延設部の頭頂部までの高さが15mm以下であり、前記握り部が、少なくとも一部にくびれ部を備え、かつ質量が12g以下であることを特徴とする、1.5リットル以上2.0リットル以下のプラスチックボトル取付用把手。
【請求項2】
前記上部支持腕および前記下部支持腕の先端に上方に突出するように形成された係合部を備えている、請求項1に記載のプラスチックボトル取付用把手。
【請求項3】
プラスチックボトル本体、該ボトル本体の上部側面に形成された把手取付用凹部、および、前記把手取付用凹部内に取り付けられた請求項1又は請求項2に記載のプラスチックボトル取付用把手、を備えて構成され、前記ボトル本体下部の胴部の最大外径部分(コンタクトポイント)に沿ってリブを設けたことを特徴とする1.5リットル以上2.0リットル以下の把手付プラスチックボトル。
【請求項4】
前記把手付プラスチックボトル全体の質量が54g以上73g以下であり、前記下部支持腕が取り付けられた部分より下側のプラスチックボトル本体下部の平均肉厚が0.22mm以上0.40mm以下である、請求項3に記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項5】
23℃における耐ラインプレッシャー強度が、少なくとも40Nである請求項4に記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項6】
前記プラスチックボトル本体の把手取付用凹部内に、補強手段が形成されている、請求項3〜5のいずれかに記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項7】
充填後の23℃における座屈強度(垂直荷重強度)が、少なくとも392Nである請求項6に記載の把手付プラスチックボトル。
【請求項8】
前記把手の23℃における嵌合強度が、少なくとも245Nである請求項3〜7のいずれかに記載の把手付プラスチックボトル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−49488(P2013−49488A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−241299(P2012−241299)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【分割の表示】特願2007−15435(P2007−15435)の分割
【原出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【分割の表示】特願2007−15435(P2007−15435)の分割
【原出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000006172)三菱樹脂株式会社 (1,977)
【Fターム(参考)】
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