説明

プラスチック光学素子材料、それを用いたプラスチック製光学素子、及び光ピックアップ装置

【課題】光安定性を向上させ、透明性に優れ、且つその特性を長時間に亘って維持することができる、プラスチック光学素子材料、これを用いたプラスチック製光学素子、及びそれを用いた良好なピックアップ特性を有する光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂の少なくとも1種を含む樹脂組成物、あるいは更に反応性基を有する無機微粒子の少なくとも1種と多官能性化合物の少なくとも1種を重合反応させた重合体を含む樹脂組成物であることを特徴とするプラスチック光学素子材料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック製の光学素子等に好適に用いられるプラスチック光学素子材料、これを用いたプラスチック製光学素子、及びこのプラスチック製光学素子を適用した光ピックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、MO、CD、DVDといった光情報記録媒体(以下、媒体と略記)に対して、情報の読み取りや記録を行うプレーヤー、レコーダー、ドライブといった記録機器には、光ピックアップ装置が備えられている。光ピックアップ装置は光源から発した所定波長の光を媒体に照射し、反射した光を受光素子で受光する光学素子ユニットを備えており、光学素子ユニットはこれらの光を媒体の反射層や受光素子で集光させるためのレンズ等の光学素子を有している。
【0003】
光ピックアップ装置の光学素子は、射出成形等の手段により安価に作製できる等の点でプラスチックを材料として適用することが好ましい。光学素子の適用可能なプラスチックとしては、環状オレフィンとα−オレフィンの共重合体(例えば、特許文献1参照。)等が知られている。
【0004】
ところで、例えば、CD/DVDプレーヤーのような複数種の媒体に対して情報の読み書きが可能な情報機器の場合、光ピックアップ装置は両者の媒体の形状や適用する光の波長の違いに対応した構成とする必要がある。この場合、光学素子ユニットはいずれの媒体に対しても共通することがコストやピックアップ特性の観点から好ましい。
【0005】
また、近年、CDやDVDよりも高い密度で情報を記録できる媒体として、CD(λ=780nm)やDVD(λ=635、650nm)で用いるよりも短い波長で情報の記録、再生を行うBlu−ray Disc等の媒体や、これらの媒体で情報の読み書きを行う情報機器の開発が新たに行われている。
【0006】
しかしながら、Blu−ray Disc等の所謂次世代DVDでは、情報の記録、再生には波長400nm付近の光を用いるため、上記特許文献1に記載された熱可塑性樹脂で構成された光学素子では、当該光学素子がこのような短波長の光照射やそれに伴う熱の影響を受け、それ自体が白濁したり、光学面が変形したりして光や熱に対する耐久性に劣る。
【0007】
一方、透明性が高く光学的に優れた性質を有し、且つ光に対する耐久性にも優れていると言われる樹脂としてシリコーン系樹脂が知られており、例えば、酸素透過性を有するコンタクトレンズや可変焦点レンズ等特殊な用途にゴム状ポリジメチルシロキサンが応用されているが、これらは機械的強度が求められるレンズ、プリズム等の一般的な光学素子への適用は困難であった。これに対し、近年、ラダー型シルセスキオキサン骨格を有するシリコーン系光学樹脂を用いた光学素子が提案されているが(例えば、特許文献2参照。)、例えば、前記400nm付近の光を用いる光学素子へ適用するには耐熱性が未だ不十分であり、光に対する耐久性とともに高い耐熱性を満足するプラスチック製光学素子材料が未だ得られていないのが実情である。
【特許文献1】特開2002−105131号公報
【特許文献2】特開2004−354547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題・実情に鑑みなされたものであり、その解決課題は、光安定性を向上させ、透明性に優れ、且つその特性を長時間に亘って維持することができるプラスチック光学素子材料、これを用いたプラスチック製光学素子(以後、単に「光学素子」とも言う。)、及びそれを用いた良好なピックアップ特性を有する光ピックアップ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
【0010】
1.下記一般式(1)で表されるオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂を含有する樹脂組成物であることを特徴とするプラスチック光学素子材料。
【0011】
【化1】

【0012】
(式中、R1〜R22はそれぞれ水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、アミド基、又はイミド基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R23は水素原子又は炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R24は単結合又は2価の有機基であり、Aはオリゴシロキサン基である。a、d、e、fはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、b、cはそれぞれ独立に1又は2の整数であり、Xは単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−NR25−、又は、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基を表し(R25は水素原子又は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基である。)、nは10〜1,000,000の整数である。)
2.前記一般式(1)で表されるオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂が有する前記オリゴシロキサン基(A)が、Tn構造(下記一般式(2))及びDm構造(下記一般式(3))で表される構造単位からなり、これらから下記一般式(4)で表される構造の基であることを特徴とする前記1に記載のプラスチック光学素子材料。
【0013】
一般式(2) R26Si(OH)3nn2
一般式(3) R27Si(OH)2mm2
(式中、nは1〜3の整数を表し、mは1、2の整数を表す。R26、R27はそれぞれ水素原子又は置換基を表す。)
一般式(4) −(T3plqor
(式中、TはSiについてのシロキサン結合の数が3であることを、DはSiについてのシロキサン結合の数が2であることを表す。lは1、2の整数、oは1、2の整数、pは4〜20の整数、q、rは0〜20の整数を表し、p+q+r≧6である。)
3.前記樹脂組成物が、反応性基を有する無機微粒子及び2つ以上の反応性基を有する多官能性化合物を重合反応させて得られる重合体を含む樹脂組成物であることを特徴とする前記1又は2に記載のプラスチック光学素子材料。
【0014】
4.前記反応性基を有する無機微粒子が無機酸化物であって、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基から選ばれる反応性基を有することを特徴とする前記1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子材料。
【0015】
5.前記1〜4のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子材料を用い、光学面に微細構造が設けられていることを特徴とするプラスチック製光学素子。
【0016】
6.前記1〜4のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子材料を用いて成形された厚さ3mmの成形体の波長400nmにおける光線透過率が85%以上であることを特徴とするプラスチック製光学素子。
【0017】
7.集光機能を有する集光装置に用いられることを特徴とする前記5又は6に記載のプラスチック製光学素子。
【0018】
8.光情報記録媒体に対して情報の再生及び記録のいずれかを行う光ピックアップ装置であって、光を出射する光源と該光源から出射された光の該光情報記録媒体への照射及び該光情報記録媒体で反射される光の集光のいずれかを行う光学素子ユニットとを備え、且つ該光学素子ユニットは前記5〜7のいずれか一項に記載のプラスチック製光学素子を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
【0019】
9.前記光源が波長390〜420nmの光を出射することを特徴とする前記8に記載の光ピックアップ装置。
【発明の効果】
【0020】
本発明の上記手段により、光安定性を向上させ、透明性に優れ、且つその特性を長時間に亘って維持することができる、プラスチック光学素子材料、これを用いたプラスチック製光学素子、及びそれを用いた良好なピックアップ特性を有する光ピックアップ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明のプラスチック光学素子材料は、前記一般式(1)で表されるオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂を含有する樹脂組成物であることを特徴とする。この特徴は、請求項1〜9に係る発明に共通する技術的特徴である。
【0022】
以下、本発明の特徴について更に詳しく説明する。
【0023】
請求項1〜4に記載の発明における光学素子に適用されるプラスチック光学素子材料は、スピロ構造を有するオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂の少なくとも1種を含む樹脂組成物、あるいは更に反応性基を有する無機微粒子の少なくとも1種、及び多官能性化合物の少なくとも1種を重合反応させて得られる重合体を含む樹脂組成物であることを特徴としている。
【0024】
ノルボルネン系樹脂は透明性が高く光学特性に優れた樹脂ではあるが、近年の光学機器の機能の高度化に対し、光学素子に対する物性の高度化や、より高い信頼性が求められてきている。特に光学特性の環境変動は大きな課題となっており、線膨張係数の低減や、耐熱性の向上といった物性改善が要求されている。これに対し、スピロ構造を有するノルボルネン系樹脂をオリゴシロキサン基で変性した熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を用いて製造された光学素子は、高い光線透過率を有すると共に光照射に対する安定化効果が高く、例えば、400nm付近の短波長の光の照射を継続的に受けても白濁や屈折率の変動が抑えられ、更に、例えば、85℃前後の高温環境下における光学面の変形を長時間抑制できることを見出した。つまり、光学素子の光安定性と熱安定性を向上させることができ、当該特性を長時間に亘って維持することが可能な素子を製造することができることが判明した。更に、前記樹脂組成物を、反応性基を有する無機微粒子の少なくとも1種、及び2つ以上の反応性基を有する多官能性化合物の少なくとも1種を重合反応させて得られる重合体を含む樹脂組成物とすることで、より安定性の高い素子を製造することができる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、少なくとも1つの光学面に微細構造が設けられているもので、この光学素子は請求項1〜4のいずれか一項項に記載のプラスチック光学素子材料を用いて成形されることから、光や熱といった環境変動に対して高い形状安定性を有しており、微細構造に変形を生じるといったことを適正に抑制することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、本発明のプラスチック光学素子材料を用いて成形された、厚さ3mmの成形体は高い形状安定性を有し、高エネルギーの波長400nm付近の光を透過させても当該成形体に白濁、屈折率の変動や変形等が生じるのを抑えることができる。これにより、波長400nm付近における光線透過率は85%以上とすることができる。従って、例えば、Blu−ray Discのような高い情報密度を有する光情報記録媒体に対する光学素子として好適に用いることができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、集光機能を有する集光装置に光学素子を用いても、当該光学素子は高い形状安定性を有しているので、光学素子の光学特性を低下させるといったことがなくなる。即ち、光学素子に対して集光により高いエネルギーが付与されても、当該光学素子の有する高い形状安定性によって、光学素子の変形を長時間に亘って抑制することが可能となり、光学素子の光学特性の低下を防止することができる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂を含む樹脂組成物、及びこれに反応性基を有する無機微粒子、多官能性化合物とを含有し、これらを重合反応させて得られる重合体を含む樹脂組成物である本発明のプラスチック光学素子材料を用いて製造される光学素子であるため、光照射に対する安定化効果が高く、例えば、400nm付近の短波長の光の照射を継続的に受けても、白濁や屈折率の変動が抑えられる。
【0029】
また、例えば、85℃前後の高温環境下における光学面の変形を長時間に亘って抑制することができる。つまり、光学素子の光安定性を向上させることができ、当該特性を長時間に亘って維持することができる。従って、例えば、Blu−ray Discのような高い情報密度を有する光情報記録媒体に対して、長期間に亘って良好なピックアップ特性で情報の読み書きを行うことができ、光ピックアップ装置として信頼性の高いものを得ることができる。
【0030】
請求項9に記載の発明によれば、光源から出射される光の波長は390〜420nmである。即ち、例えば、Blu−ray Discのような高い情報密度を有する光情報記録媒体に対応した390〜420nmという範囲の光を透過する場合でも、本発明における光学素子に適用される樹脂組成物は、オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂、あるいはこれに反応性基を有する無機微粒子、多官能性化合物とを共重合させて得られる重合体を含む樹脂組成物であるため、白濁や屈折率の変動といった光学素子の劣化を防止することができる。これにより光学素子の寿命を延ばして、光ピックアップ装置として信頼性の高いものを得ることができる。
【0031】
本発明のプラスチック製光学素子に適用されるプラスチック光学素子材料は、オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂、あるいはこれに反応性基を有する無機微粒子、多官能性化合物とを共重合させて得られる重合体を含む樹脂組成物であることを特徴としている。一般に、プラスチック製の光学材料はガラスやセラミックスといった無機材料と比較すると、その性質上熱膨張係数が大きいため、高温環境下で使用される用途においては素子の形状変化が大きな問題となる。
【0032】
これに対し、本発明者等は上記問題を解決するため鋭意検討した結果、上述した本発明のプラスチック光学素子材料を用いることで、例えば、85℃前後の高温環境下においても光学面の変形を長時間抑制できることを見出した。更に、例えば、400nm付近の短波長の光の照射を継続的に受けても透明性を維持し白濁や屈折率の変動が抑えられる等、光照射に対する安定化効果が高く、光学素子の熱安定性と光安定性を向上させることができ、当該特性を長時間に亘って維持することが可能な素子を製造することができることが判明した。
【0033】
以下、本発明とその構成要素等について更に詳細な説明をする。
【0034】
(オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂)
本発明で用いられるオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂は、下記一般式(5)で表されるスピロ構造を有するノルボルネン系モノマーと、下記一般式(6)で表されるビニル基を有するオリゴシロキサン化合物の混合物を開環メタセシス重合させた後、分子鎖中の炭素−炭素二重結合を単結合に変換することによって得られる。
【0035】
【化2】

【0036】
(式中、R1〜R22はそれぞれ水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、アミド基、又はイミド基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。a、d、e、fはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、b、cはそれぞれ独立に1又は2の整数であり、Xは単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−NR25−、又は、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基を表す(R25はそれぞれ独立に酸素原子、窒素原子、イオウ原子もしくはケイ素原子を含む連結基を有していてもよい置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基である。))。
【0037】
一般式(6) CH2=CR23(R24)−(T3plqor
(式中、T3plqor構造はTn構造(下記一般式(2))及びDm構造(下記一般式(3))で表される構造単位からなる基で、
一般式(2) R26Si(OH)3nn2
一般式(3) R27Si(OH)2mm2
nは1〜3の整数を表し、mは1、2の整数を表す。R26、R27はそれぞれ水素原子又は置換基を表し、R23は水素原子又は炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R24は単結合又は2価の有機基であり、lは1、2の整数、oは1、2の整数、pは4〜20の整数、q、rは0〜20の整数を表す。)
前記オリゴシロキサン基はTレジンとも呼ばれるもので、通常のシリカが(SiO2)の式で表されるのに対し、(RSiO32)で表される化合物であり、通常はテトラエトキシシランに代表されるテトラアルコキシシラン(Si(OR′)4)の1つのアルコキシ基をアルキル基またはアリール基に置き換えた(RSi(OR′)3)化合物の加水分解−重縮合で合成されるポリシロキサンであり、分子配列の形状としては、無定形、ラダー状、籠状(縮合ケージ状)が知られている。具体的にはT38:(RSiO328の化学式で表されるタイプ((4)−1)、T310:(RSiO3210の化学式で表されるタイプ((4)−2)、T312:(RSiO3212の化学式で表されるタイプ((4)−3)、T314:(RSiO3214の化学式で表されるタイプ((4)−4、(4)−5)及びT316:(RSiO3216の化学式で表されるタイプ((4)−6、(4)−7)等が知られている。これらは、前記一般式(2)においてn=3で表される、即ちT3構造のみから出来上がっている。
【0038】
【化3】

【0039】
【化4】

【0040】
これらは完全縮合ケージと呼ばれているが、この他にも一般式(4)中、q≠0あるいはr≠0である不完全縮合ケージと呼ばれるタイプも知られており、本発明においてはいずれのタイプの化合物も使用することができる。不完全縮合ケージと呼ばれるタイプの具体例としては、T3622で表されるタイプ((4)−8)、T3622で表されるタイプ((4)−9)、T3622で表されるタイプ((4)−10)が挙げられる。
【0041】
3622については、前記一般式(2)のT3構造が6個と前記一般式(2)においてn=2で表される即ちT2構造が2個とからなり、T3622については、前記T3構造が6個、前記T2構造が1個、及び前記一般式(3)においてm=2で表される即ちD2構造1個とからなり、更にT3622については、前記T3構造が6個と前記D2構造2個とからなる。
【0042】
【化5】

【0043】
本発明のオリゴシロキサン化合物を表す一般式(6)において、構成される構造単位を示す一般式(2)、及び一般式(3)中のR26、R27で示される置換基としては、水素原子や、メチル基、エチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基、2−エチルヘキシル基、t−ブチル基、2−クロロエチル基、メタクリロキシプロピル基、アリル基、3−アミノプロピル基、3−メルカプトプロピル基、3−グリシドキシプロピル基等のアルキル基、あるいはフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、フェナントリル基等アリール基等の芳香族基を表す。これらオリゴシロキサン化合物は複数種を併用して用いてもよい。
【0044】
本発明に用いられるメタセシス重合触媒は、ノルボルネン系モノマーをメタセシス開環重合させることができれば特に限定はされない。メタセシス重合触媒としては、周期表第4〜8族遷移金属カルベン錯体触媒や、遷移金属化合物と助触媒としてのアルキル化剤又はルイス酸との組み合わせによる開環メタセシス重合触媒が挙げられる。これらの中でも触媒活性が高いことから、周期表第4〜8族遷移金属カルベン錯体触媒を用いることが好ましく、特にルテニウムカルベン錯体触媒を用いることが好ましい。一方、遷移金属化合物とアルキル剤又はルイス酸との組み合わせによる触媒における遷移金属化合物としては、MoCl4、MoBr2、MoBr3、MoBr4、WCl2、WBr2、WCl4、WBr4、WCl5、WBr5等が挙げられ、助触媒としては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウムメチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド等が挙げられ、はルイス酸としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、テトラメチルスズ、テトラエチルスズ、テトラブチルスズ等が挙げられる。開環メタセシス重合触媒の使用量は、触媒の除去の容易性及び重合活性の観点から、ノルボルネン系モノマー1molに対して0.1〜0.0000001molが好ましく、より好ましくは0.01〜0.0000005mol、特に好ましくは0.001〜0.000001molである。
【0045】
オリゴシロキサンにより変性されたノルボルネン系開環メタセシス重合体中の炭素−炭素二重結合を水素化し単結合に変換するには、水素化触媒存在下に水素ガスを用いて水素化反応させることによって行われる。上記水素化反応に用いられる触媒は、不均一系触媒、均一系触媒等、特に限定はされず、オレフィン化合物の水素化反応に一般的に用いられる触媒を使用することができる。不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、ニッケル等の金属を、活性炭、シリカ、アルミナ等に担持させた触媒が挙げられ、具体的にはパラジウム/活性炭、パラジウム/シリカ、パラジウム/アルミナ、白金/活性炭、白金/アルミナ、ロジウム/活性炭、ルテニウム/活性炭、ニッケル/シリカ等が挙げられる。均一系触媒としては、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、前記開環メタセシス重合に用いられる触媒として記載したルテニウムカルベン錯体、ルテニウム錯体触媒等が挙げられる。これらの中で、炭素−炭素二重結合を選択的に水素化できることから、ロジウム錯体触媒、ルテニウム錯体触媒及びパラジウム/活性炭等のパラジウム担持触媒を用いることが好ましい。
【0046】
(反応性基を有する無機微粒子)
本発明において用いられる無機微粒子としては、無機酸化物微粒子が挙げられ、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、これら酸化物より構成される複酸化物であるニオブ酸リチウム、ニオブ酸カリウム、タンタル酸リチウム等、これら酸化物との組み合わせで形成されるリン酸塩、硫酸塩等を挙げることができる。
【0047】
これら無機微粒子は樹脂中に分散された状態で存在するため、これを含むプラスチック光学素子材料を光学素子に適用する場合は、透明性を確保する上で平均粒子径が1nm以上、50nm以下が好ましい。更に好ましくは1nm以上、30nm以下、あるいは1nm以上、20nm以下がより好ましく、最も好ましくは1nm以上、10nm以下である。平均粒子径が1nm以上であると、製造時における無機微粒子の分散が容易であるため所望の性能が得られ易く、また平均粒子径が50nm以下であれば、得られるプラスチック光学素子材料が濁ることが無く透明性が維持され、光線透過率が70%以上となる。ここで言う平均粒子径は粒子と同体積の球に換算した時の直径を言う。
【0048】
無機微粒子の形状は特に限定されるものではないが、好適には球状の微粒子が用いられる。また、粒子径の分布に関しても特に制限されるものではないが、広範な分布を有するものよりも比較的狭い分布を持つものが好適に用いられる。
【0049】
本発明で用いられる無機微粒子は、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基等の反応性基を有するシランカップリング剤と無機微粒子を混合し、これを加水分解させて両者を結合させて反応性基を導入した無機微粒子であって、これと多官能性化合物との混合組成物中で反応、硬化させ、樹脂中に均一に分散させることによって硬化樹脂の透明性を確保することができる。
【0050】
用いられるシランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0051】
これら無機微粒子は複数種を併用して用いてもよい。
【0052】
(多官能性化合物)
本発明で用いられる多官能性化合物としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基等の反応性基を2つ以上有する化合物であって、前記籠状シルセスキオキサン、及び反応性基を有する無機微粒子と反応し、樹脂中に架橋構造を形成するものである。
【0053】
例えば、多官能(メタ)アクリレートとして(メタ)アクリロイル基を2つ以上有する、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコーリジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が、多官能エポキシ化合物として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル及びダイマー酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルエーテルトリフェニルメタン、テトラグリシジルエーテルテトラフェニルエタン、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、テトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテル等が、多官能オキセタン化合物として、多官能フェノール化合物とオキセタンクロライドの反応生成物、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビフェニル型、カルド型等の2官能オキセタン化合物、トリスフェノールメタン型、トリスクレゾールメタン型等の3官能オキセタン化合物、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、カリックスアレーン型等の多官能オキセタン化合物等が挙げられる。
【0054】
これら多官能性化合物は複数種を併用して用いてもよい。
【0055】
(安定剤)
本発明のプラスチック光学素子材料では、ヒンダードアミン系安定剤、フェノール系安定剤、リン系安定剤、イオウ系安定剤の中から選ばれた1種以上の安定剤を追加して添加してもよい。これら安定剤を適宜選択し、プラスチック光学素子材料に添加することで、例えば、400nmといった短波長の光を継続的に照射した場合の白濁や、屈折率の変動等の光学特性変動をより高度に抑制することができる。
【0056】
好ましいフェノール系安定剤としては、従来公知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ジ−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニルアクリレート等の特開昭63−179953号公報や特開平1−168643号公報に記載されるアクリレート系化合物;オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタン、即ち、ペンタエリスリメチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、トリエチレングリコールビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート)等のアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、4−ビスオクチルチオ−1,3,5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン基含有フェノール系化合物;等が挙げられる。
【0057】
また、好ましいヒンダードアミン系安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)スクシネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(N−シクロヘキシルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1−アクロイル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)2,2−ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)デカンジオエート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート、4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル]−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−メチル−2−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)プロピオンアミド等が挙げられる。
【0058】
また、好ましいリン系安定剤としては、一般の樹脂工業で通常使用されるものであれば格別な限定はなく、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド等のモノホスファイト系化合物;4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−イソプロピリデンビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)等のジホスファイト系化合物等が挙げられる。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が特に好ましい。
【0059】
また、好ましいイオウ系安定剤としては、例えば、ジラウリル3,3−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,3−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,3−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス(β−ラウリルチオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等が挙げられる。
【0060】
これらの安定剤の配合量は本発明の目的を損なわれない範囲で適宜選択されるが、樹脂組成物100質量部に対して通常0.01〜2質量部、好ましくは0.01〜1質量部である。
【0061】
(界面活性剤)
界面活性剤は同一分子中に親水基と疎水基とを有する化合物である。界面活性剤は樹脂表面への水分の付着や上記表面からの水分の蒸発の速度を調節することで、プラスチック光学素子材料の白濁を防止する。
【0062】
界面活性剤の親水基としては、具体的にヒドロキシ基、炭素数1以上のヒドロキシアルキル基、ヒドロキシル基、カルボニル基、エステル基、アミノ基、アミド基、アンモニウム塩、チオール、スルホン酸塩、リン酸塩、ポリアルキレングリコール基等が挙げらる。ここで、アミノ基は1級、2級、3級のいずれであってもよい。界面活性剤の疎水基としては、具体的に炭素数6以上のアルキル基、炭素数6以上のアルキル基を有するシリル基、炭素数6以上のフルオロアルキル基等が挙げられる。ここで、炭素数6以上のアルキル基は置換基として芳香環を有していてもよい。アルキル基としては、具体的にヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデセニル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ミリスチル、ステアリル、ラウリル、パルミチル、シクロヘキシル等が挙げられる。芳香環としてはフェニル基等が挙げられる。この界面活性剤は上記のような親水基と疎水基とをそれぞれ同一分子中に少なくとも1個ずつ有していればよく、各基を2個以上有していてもよい。
【0063】
このような界面活性剤としてはより具体的には、例えば、ミリスチルジエタノールアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシトリデシルアミン、2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシテトラデシルアミン、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ジ−2−ヒドロキシエチル−2−ヒドロキシドデシルアミン、アルキル(炭素数8〜18)ベンジルジメチルアンモニウムクロライド、エチレンビスアルキル(炭素数8〜18)アミド、ステアリルジエタノールアミド、ラウリルジエタノールアミド、ミリスチルジエタノールアミド、パルミチルジエタノールアミド等が挙げられる。これらの内でも、ヒドロキシアルキル基を有するアミン化合物またはアミド化合物が好ましく用いられる。本発明ではこれら化合物を2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0064】
界面活性剤は、プラスチック光学素子材料100質量部に対して0.01〜10質量部添加される。界面活性剤の添加量が0.01質量部を下回る場合、温度、湿度の変動に伴う成形物の白濁を効果的に抑えることができない。一方、添加量が10質量部を超える場合、成形物の光透過率が低くなり、光ピックアップ装置への適用が困難となる。界面活性剤の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して0.05〜5質量部とすることが好ましく、0.3〜3質量部とすることが更に好ましい。
【0065】
(プラスチック光学素子材料の硬化成形方法)
本発明で用いられる樹脂組成物において、反応性基を有する無機微粒子、及び多官能性化合物を共重合させた重合体を含む場合、これらは紫外線及び電子線照射、あるいは加熱処理のいずれかの操作によって硬化し得るもので、前記オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂と、反応性基を有する無機微粒子、及び多官能性化合物を未硬化の状態で混合させ、更に必要に応じて安定剤、界面活性剤等の添加剤を加えた樹脂組成物を調製後、硬化させることによって得られる。オリゴシロキサン変性ノルボルネン樹脂の含有量は、樹脂組成物100質量部に対して10〜90質量部とすることが好ましく、20〜70質量部とすることが更に好ましい。無機微粒子の添加量は樹脂組成物100質量部に対して5〜70質量部とすることが好ましく、10〜50質量部とすることが更に好ましい。多官能性化合物の添加量は、樹脂組成物100質量部に対して5〜80質量部とすることが好ましく、10〜60質量部とすることが更に好ましい。
【0066】
硬化前の樹脂組成物を調製するにあたっては、適宜の手法を採用することができるが、例えば、調製される樹脂組成物の性状が液体状である場合には各成分を所定量配合した後に溶解混合し、またはミキサー、ブレンダー等で均一に混合した後にニーダーやロール等で加熱混練して、液体状の硬化性樹脂組成物を得ることができ、また調製される樹脂組成物の性状が固体状である場合は各成分を所定量配合した後に溶解混合し、またはミキサー、ブレンダー等で均一に混合した後にニーダーやロール等で加熱混練したものを、冷却固化した後粉砕して固体状の樹脂組成物を得ることができる。
【0067】
前記樹脂組成物を硬化させる方法として、樹脂組成物が紫外線及び電子線硬化性の場合は、透光性の所定形状の金型等に必要に応じて光重合開始剤を添加した樹脂組成物を充填、あるいは基板上に塗布した後、紫外線及び電子線を照射して硬化させればよい。
【0068】
ここで用いられる光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、べンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の光ラジカル開始剤等が挙げられる。
【0069】
一方、樹脂組成物が熱硬化性の場合は、必要に応じて熱ラジカル発生剤等の熱重合開始剤を添加した樹脂組成物を調製後、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形等により熱硬化成形することができる。ここで用いられる熱重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1′−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物等が挙げられる。
【0070】
(光ピックアップ装置)
本発明に係る光ピックアップ装置の好ましい態様は、光情報記録媒体に対して情報の再生及び記録のいずれかを行う光ピックアップ装置であって、光を出射する光源と該光源から出射された光の該光情報記録媒体への照射及び該光情報記録媒体で反射される光の集光のいずれかを行う光学素子ユニットとを備え、且つ当該光学素子ユニットは本発明の上記プラスチック製光学素子を備えることを特徴とする。なお、後述するように、本発明のプラスチック製光学素子は、集光機能を有するレンズ或いは集光装置に用いられることが好ましい態様である。また上記光源が波長390〜420nmの光を出射する光源であることが好ましい態様である。
【0071】
次に、本発明のプラスチック製光学素子及び光ピックアップ装置について図1及び図2を参照して説明する。
【0072】
本発明の光ピックアップ装置1は、波長650nmの光を適用する現行のDVD(以下、現行DVDと表記)、波長405nmの光を適用する、所謂次世代のDVD(以下、次世代DVDと表記)の2種類の光情報記録媒体5について情報の再生、記録を行う装置である。
【0073】
光ピックアップ装置1は、光源2から出射されるレーザー光(光)をコリメータレンズ3、後述する微細構造を有する対物レンズ(プラスチック製光学素子)10といった単玉光学素子を通過させて、光軸4上で光情報記録媒体5の情報記録面6に集めて集光スポットを形成し、情報記録面6からの反射光を偏向ビームスプリッタ7で取り込み、検出器8の受光面に再びビームスポットを形成するものである。
【0074】
光源2はレーザーダイオードを有して構成されており、公知の切り換え方法により、650nm、405nmと言う2種類の波長の光を選択して出射できる構成となっている。
【0075】
コリメータレンズ3、対物レンズ(プラスチック製光学素子)10、偏向ビームスプリッタ7は、光学素子ユニットを構成する。
【0076】
本発明に係る対物レンズ10は微細構造を有する光学素子であって、樹脂組成物を射出成形で成形することにより作製される。対物レンズ10は、図2に示すように両面非球面の単玉光学素子であり、その一方(光源側)の光学面11上に該光学面11を通過する所定の光に対して予め定められた光路差を付与する光路差付与構造20(微細構造)を有している。
【0077】
光路差付与構造20は、光学面11が光軸4を中心とした3つの輪帯状レンズ面(以下、内側から順に第1輪帯状レンズ面21、第2輪帯状レンズ面22、第3輪帯状レンズ面23と言う)により構成され、該3つの輪帯状レンズ面21〜23の内隣り合う輪帯状レンズ面21〜23は異なる屈折力を有している。
【0078】
第1輪帯状レンズ面21と第3輪帯状レンズ面23とは同一の光学面11上にあり、第2輪帯状レンズ面22は光学面11から平行移動した面となっている。
【0079】
第1輪帯状レンズ面21は、波長650nm、405nm両方の光を通過させ、第2輪帯状レンズ面22は、現行DVDに対応した波長650nmの光を通過させ、第3輪帯状レンズ面23は、次世代DVDに対応した波長405nmの光を通過させる。そして、各輪帯状レンズ面21〜23を通過した光は、情報記録面6の同じ位置に集光されるようになっている。
【0080】
なお、図2では、第1輪帯状レンズ面21と第3輪帯状レンズ面23とは同一光学面11上に設けられているが、これら第1及び第3輪帯状レンズ面21、23とは同一光学面上に設けなくてもよく、また第2輪帯状レンズ面22は、光学面11から平行移動した面となっているが、特に平行移動した面でなくてもよい。また、3つの輪帯状レンズ面21〜23は5つであってもよく、少なくとも3つ以上であればよい。
【0081】
こうして形成された光路差付与構造20の作用により、対物レンズ10は現行DVD、次世代DVDといった複数種の光情報記録媒体5に対して、光源2で出射した光の情報記録面6への集光と、情報記録面6で反射した光の検出器8へ向けての集光を高い信頼性で行うことができる。また、対物レンズ10をなす樹脂組成物は85%以上と言う高い光透過率を有しているため、上記集光は高い効率で行うことができる。よって、光源2の消費電力を小さくすることができるので、光ピックアップ装置1全体の消費電力を軽減できる。
【0082】
なお、本発明に係る対物レンズ10は、上記光路差付与構造20を有するものに限らず、例えば、図3〜図7に示す光路差付与構造20a〜20dを有する対物レンズ10a〜10eとしてもよい。
【0083】
図3における光路差付与構造20aは、光軸4を中心とした複数の回折輪帯21aからなり、複数の回折輪帯21aの断面が鋸歯状であり、且つ各回折輪帯21aの光学面11aが不連続面となっている。また、複数の回折輪帯21aは光軸4から離れるにしたがって厚みが増すように形成されている。図3に示す対物レンズ10aは所謂回折レンズである。
【0084】
図4における光路差付与構造20bは、光軸4を中心とした位相差を生じる複数の輪帯状凹部21bを同心円状に有している。輪帯状凹部21bは、光学面11bの内の光軸4を中心とした一方の面(図4における光軸4を中心に上下の光学面)に5つずつ形成されている。また、隣り合う輪帯状凹部21bどうしは連続して一体になっており、各輪帯状凹部21b全体としての断面が階段状となっている。また、各輪帯状凹部21bを形成する光学面22bは、光学面11bに対して平行移動した面となっている。図4に示す対物レンズ10bは、所謂位相差レンズである。
【0085】
なお、図4では隣り合う輪帯状凹部21bどうしが連続して一体になっていて、全体の断面が階段状のものであるとしたが、単に光学面11bに輪帯状凹部21bを個々に設けたものとしてもよい(この場合、例えば、図2に示した対物レンズ10と同様の構造となる)。また、図4では輪帯状凹部21bを同心円状に有しているとしたが、図5に示すように、図2の第3輪帯状レンズ面23上に輪帯状凸部23bを有した対物レンズ10cとしてもよい(図5中、図2と同様の構成部分については同様の符号を付した)。
【0086】
図6における光路差付与構造20dは、光軸4を中心とした複数の回折輪帯21dからなり、複数の回折輪帯21dの断面が鋸歯状であり、且つ各回折輪帯21dの光学面11dが不連続面である。そして、各回折輪帯21dの断面が光軸方向に沿った3段22dの階段状であり、各段22dの光学面12dが不連続面で、光軸4に対して直交する面となっている。
【0087】
なお、図6に示すレンズ10dは、例えば、図7に示すように図6と同様の光路差付与構造20dを有するホログラム光学素子(HOE)10eと対物レンズ10fとで別体の構成としてもよい。この場合、ホログラム光学素子10eは平板状の光学素子を使用して、該光学素子の対物レンズ10fの面に光路差付与構造20dを設ける。
【0088】
なお、光ピックアップ装置1は、例えば、CD、現行DVD、次世代DVDの3種の光情報記録媒体5について情報の再生、記録を行うこととしてもよい。光ピックアップ装置1で情報の再生、記録を行う光情報記録媒体5の組み合わせは設計事項であり、適宜設定される。
【実施例】
【0089】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】
(製造例1)
特開2004−323489号公報等に記載された製造方法にて、5−ノルボルネンジメタノールとフルオレンを反応させ、下記に示されるスピロ構造を有するノルボルネン誘導体Aを得た。
【0091】
【化6】

【0092】
特開2006−298957号公報等に記載された製造方法にて、上記で得られたノルボルネン誘導体Aと、オリゴシロキサンとして籠状シルセスキオキサン;Methacryl−Isobutyl−POSSTM(シグマアルドリッチ社製)とを開環メタセシス重合させた後、水素化反応を行いスピロ構造を有するオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂Aを得た。
【0093】
(製造例2)
製造例1において、ノルボルネン誘導体Aの代わりにテトラシクロドデセンを用いる以外は同様にして、オリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂Bを得た。
【0094】
(製造例3)
0.027モルのリン酸水素二ナトリウムを含有する水溶液3Lに、3.53モルの硫酸アルミニウム水溶液と、7.06モルのリン酸水素二ナトリウム水溶液のそれぞれ2Lを、ダブルジェット法で10分間かけて添加した。微粒子形成中のpHは硫酸を用いて3.0に、温度は30℃に制御した。添加終了後、限外濾過法により可溶性塩類を脱塩除去し、10質量%のリン酸アルミニウム分散液を得た。この分散液100質量部にメタノール300質量部と1モル%の硝酸水溶液を添加した。この液を50℃で撹拌しながら、メタノール100質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6質量部の混合液を60分かけて添加し、その後更に2時間撹拌した。得られた透明な分散液を酢酸エチルに懸濁させ、遠心分離を行い、白色の微粒粉末を得た。TEM観察によればこの粉末は平均粒径約20nmであった。これを無機微粒子Aとした。
【0095】
(製造例4)
日本アエロジル社製の酸化アルミニウムC(平均粒径約13nm)微粒子5質量部に、メタノール300質量部と1モル%の硝酸水溶液とを添加した。この液を50℃で撹拌しながら、メタノール100質量部とγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン6質量部の混合液を60分かけて添加し、その後更に2時間撹拌した。得られた透明な分散液を酢酸エチルに懸濁させ、遠心分離を行い、白色の微粒粉末を得た。TEM観察によればこの粉末は平均粒径約15nmであった。これを無機微粒子Bとした。
【0096】
実施例1〜3、比較例1〜5
表1に示す配合組成に従って、各原料を混合後、混練機を用いて混練することで均一な熱硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をそれぞれ30mm×30mm×3mmの寸法の金型内に充填した後、220℃で20min加熱プレスすることで板状のプラスチック製光学素子を得た。但し、比較例4については透明な素子が得られなかった。
【0097】
【表1】

【0098】
なお、表1中、無機微粒子以外の各成分の詳細は以下の通りである。
【0099】
多官能性化合物A:ペンタエリスリトールテトラアクリレート
多官能性化合物B:トリメチロールプロパントリメタクリレート
重合開始剤:アゾビスイソブチロニトリル
安定剤A:テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート
安定剤B:2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト
界面活性剤:ペンタエリスリトールジステアレート。
【0100】
次に、実施例1〜3、及び比較例1〜3、5にて得られたプラスチック製光学素子について、以下の方法に基づき光学特性評価を実施し、結果を表2に示した。
【0101】
〔プラスチック製光学素子の評価〕
(着色性及び透明性評価)
上記プラスチック製光学素子について、波長400nmによる光線透過率の測定し、透過光を介しての色調を目視観察し、着色性及び透明性の評価を行った。その結果、各プラスチック製光学素子とも光線透過率が86%以上で、高い透過率を示した。
【0102】
(光耐久性の評価)
90℃、55%RHの恒温恒湿槽内で、図1に記載の光ピックアップ装置を用い、各プラスチック製光学素子上に光源2のレーザーダイオードから405nmの波長の光を直径1mmの円形スポット光として1500時間に亘り連続照射を施した後、そのレーザー照射箇所を目視観察し、下記の基準に従って、(1)白濁による透明性(着色度)、(2)形状安定性について評価した。
【0103】
(1)着色度
○:連続照射後、レーザー照射箇所に極僅か濁りが認められる
△:連続照射後、レーザー照射箇所に濁りが認められる
×:連続照射後、レーザー照射箇所に白濁現象が認められる
△以上なら、実用上許容の範囲にある。
【0104】
(2)形状安定性
◎:連続照射後、レーザー照射箇所の変形は認められない
○:連続照射後、レーザー照射箇所に極僅か変形が認められる
△:連続照射後、レーザー照射箇所に僅かに変形が認められる
×:連続照射後、レーザー照射箇所に変形が認められる
△以上なら、実用上許容の範囲にある。
【0105】
【表2】

【0106】
表2に示すように、本発明に係る樹脂組成物を用いて成形された成形物は、短波長の光を長時間連続照射しても着色や白濁を生じず、更に変形が生じず高い形状安定性を維持することができた。
【0107】
実施例4
実施例1〜3に記載のプラスチック製光学素子と同様の組成で、射出成形によりそれぞれについて図2〜図7に記載の構成からなる光学素子(対物レンズ)を作製し、図1に記載の構成で各光ピックアップ装置を作製した。次いで、各光ピックアップ装置を用いて、レーザーダイオードによる405nmの波長の光を用い、DVDへの記録及び再生を行った。
【0108】
比較例6
比較例1〜5に記載のプラスチック製光学素子と同様の組成で、実施例4と同様の方法にて光学素子を作製し、同様にDVDへの記録、及び再生を行った。
【0109】
(評価)
実施例4の光学素子を用いた光ピックアップ装置は、長時間連続照射しても、いずれも変形等が認められず良好なピックアップ特性を示した。一方、比較例6の光学素子を用いると、その光学面の構造がより微細(複雑)に形成されているものほど変形が生じ、ピックアップ特性の低下が見られた。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置1の概略を示す側面図
【図2】本発明に係る対物レンズ10の断側面図
【図3】本発明に係る対物レンズ10aの断側面図
【図4】本発明に係る対物レンズ10bの断側面図
【図5】本発明に係る対物レンズ10cの断側面図
【図6】本発明に係る対物レンズ10dの断側面図
【図7】本発明に係るホログラム光学素子10e及び対物レンズ10fの断側面図
【符号の説明】
【0111】
1 光ピックアップ装置
2 光源
3 コリメータレンズ
4 光軸
5 光情報記録媒体
6 情報記録面
7 偏光ビームスプリッタ
8 検出器
10、10a、10b、10c、10d、10f 対物レンズ(プラスチック製光学素子、対物光学素子)
11、11a、11d、12d、22b 光学面
20、20a、20b、20c、20d 光路差付与構造
21 第1輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
22 第2輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
23 第3輪帯状レンズ面(輪帯状レンズ面)
23b 輪帯状凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂を含有する樹脂組成物であることを特徴とするプラスチック光学素子材料。
【化1】

(式中、R1〜R22はそれぞれ水素原子、置換又は非置換の炭素数1〜10の炭化水素基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、シアノ基、アミド基、又はイミド基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R23は水素原子又は炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R24は単結合又は2価の有機基であり、Aはオリゴシロキサン基である。a、d、e、fはそれぞれ独立に0〜2の整数であり、b、cはそれぞれ独立に1又は2の整数であり、Xは単結合、−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−CO−、−NR25−、又は、置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の2価の炭化水素基を表し(R25は水素原子又は置換もしくは非置換の炭素原子数1〜30の1価の炭化水素基である。)、nは10〜1,000,000の整数である。)
【請求項2】
前記一般式(1)で表されるオリゴシロキサン変性ノルボルネン系樹脂が有する前記オリゴシロキサン基(A)が、Tn構造(下記一般式(2))及びDm構造(下記一般式(3))で表される構造単位からなり、これらから下記一般式(4)で表される構造の基であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック光学素子材料。
一般式(2) R26Si(OH)3nn2
一般式(3) R27Si(OH)2mm2
(式中、nは1〜3の整数を表し、mは1、2の整数を表す。R26、R27はそれぞれ水素原子又は置換基を表す。)
一般式(4) −(T3plqor
(式中、TはSiについてのシロキサン結合の数が3であることを、DはSiについてのシロキサン結合の数が2であることを表す。lは1、2の整数、oは1、2の整数、pは4〜20の整数、q、rは0〜20の整数を表し、p+q+r≧6である。)
【請求項3】
前記樹脂組成物が、反応性基を有する無機微粒子及び2つ以上の反応性基を有する多官能性化合物を重合反応させて得られる重合体を含む樹脂組成物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック光学素子材料。
【請求項4】
前記反応性基を有する無機微粒子が無機酸化物であって、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基から選ばれる反応性基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子材料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子材料を用い、光学面に微細構造が設けられていることを特徴とするプラスチック製光学素子。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラスチック光学素子材料を用いて成形された厚さ3mmの成形体の波長400nmにおける光線透過率が85%以上であることを特徴とするプラスチック製光学素子。
【請求項7】
集光機能を有する集光装置に用いられることを特徴とする請求項5又は6に記載のプラスチック製光学素子。
【請求項8】
光情報記録媒体に対して情報の再生及び記録のいずれかを行う光ピックアップ装置であって、光を出射する光源と該光源から出射された光の該光情報記録媒体への照射及び該光情報記録媒体で反射される光の集光のいずれかを行う光学素子ユニットとを備え、且つ該光学素子ユニットは請求項5〜7のいずれか一項に記載のプラスチック製光学素子を備えることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項9】
前記光源が波長390〜420nmの光を出射することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−209601(P2008−209601A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−45361(P2007−45361)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(303000408)コニカミノルタオプト株式会社 (3,255)
【Fターム(参考)】