説明

プラスチック表面の改質方法、プラスチック表面のメッキ方法、プラスチック、プラスチック表面改質装置

【課題】簡便な方法で、プラスチック表面の接着性を向上させること。
【解決手段】真空チャンバ(A)内に配置され、プラスチック(S)を支持するプラスチック支持部材(H)と、前記真空チャンバ(A)内に分圧が1Pa以上16Pa以下の水蒸気を供給する水蒸気供給装置(F2)と、前記プラスチック支持部材(H)に支持されたプラスチック(S)表面に波長172〜126nmの真空紫外光を照射する真空紫外光源(L)と、を備えたことを特徴とするプラスチック表面改質装置(U)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチック表面を改質するプラスチック表面改質方法、前記プラスチック表面改質方法により改質されたプラスチック表面にメッキを施すプラスチック表面のメッキ方法、前記プラスチック表面改質方法により改質された表面を有するプラスチック、および、プラスチック表面を改質するプラスチック表面改質装置に関する。前記本発明は、プラスチックとしてのポリイミド系樹脂の表面の改質に対して好適に使用可能である。
【背景技術】
【0002】
現在、プラスチック材は多くの構造材、装飾材、電子部品、工学部品等に使用されている。特に表面に金属被膜を形成したものは、プラスチックの軽量性と導電性・金属光沢の性質を合わせ持ち、きわめて用途が広い。プラスチック(樹脂)の表面に強固な金属皮膜を形成する技術として無電解メッキが挙げられるが、使用するプラスチックと金属の組み合わせによっては、付着力がきわめて弱く実用にならないものもある。プラスチックヘの無電解金属メッキは、金属水溶液からプラスチック表面への金属粒子の核生成過程を経て金属皮膜を析出させるものであるので、プラスチックと水溶液のなじみ、またプラスチックと析出する金属とのなじみが、その付着性に大きな影響を与えていた。
【0003】
特に、優れた耐熱・耐薬品性、絶縁性、電気特性等を有し、電子部品、化学製品に多用されているポリイミド系プラスチックは、その強固な結合性のために、新たに他の分子との結合が行われにくく、メッキ液(水溶液)ともなじまず、またメッキも析出しにくく、さらに析出しても付着力が極めて弱く、容易にはぎ取る事ができるものが多い。
しかし、それでも最近の小型電子機器のフレキシブル基盤などとして使うために、ポリイミド系プラスチックにメッキ(金属被膜)を施したいという要望は強い。
【0004】
前述のように他の材料(メッキ等)との接着性又は密着性(以下、接着性という。)が劣るポリイミド等のプラスチックの接着性を向上させる技術として、下記の従来技術(1),(2)が公知である。
(1)表面改質剤を使用する技術(湿式エッチング)
特許文献1(特開2003−192811号公報)には、アミノアルコールおよびアンモニウム塩を含む表面改質剤をポリイミド樹脂表面に塗布して、接着性を向上する技術が記載されている。
特許文献2(特開2003−239423号公報)には、スパッタリングやサンドブラスト、プラズマ処理、コロナ処理等の物理的処理を行った後、シランカップリング剤等の表面改質剤を塗布して、ポリイミド樹脂表面の接着性を向上させる技術が記載されている。
【0005】
(2)湿式エッチング等の処理と、紫外光照射処理とを組み合わせる技術
特許文献3(特開平8−283411号公報)には、ポリイミドフィルムをアセトンに浸漬し、乾燥させる前処理をした後、KrF(248nm)のエキシマレーザを照射して、ポリイミド樹脂の表面を改質する(接着性を向上する)技術が記載されている。
特許文献4(特開平11−293009号公報)には、ポリイミド樹脂に過酸化水素水や次亜塩素酸等による湿式エッチングを行った後、波長170nm〜360nmの紫外線を照射して、ポリイミド樹脂を改質する技術が記載されている。
特許文献5(特開2001−217554号公報)には、ポリイミドを表面に塗布したシリコン基板をアンモニア水溶液中に浸漬した後、KrFエキシマレーザ光を照射して、ポリイミド表面を改質する技術が記載されている。
特許文献6(特開平9―157417号公報)には、酸素、オゾン等の第1酸化剤の存在下で波長250nm程度のKrFエキシマレーザを照射した後、過マンガン酸塩等の第2酸化剤でエッチング処理を行ってポリイミド樹脂の表面を改質する技術が記載されている。
【0006】
前記従来技術(1)、(2)のように、プラスチック表面の接着性を高めて金属被膜を行う技術とは異なる方法で、プラスチック表面に金属被膜を形成する技術として、下記の従来技術(3)が公知である。
(3)プラスチック表面に直接金属被膜を形成する技術
特許文献7(特開2001−73159号公報)には、アルカリ水溶液で処理された後中和されたポリイミド樹脂を、銅とパラジウムを含む溶液で処理した後に、金属塩を還元剤で還元することにより、ポリイミド樹脂表面に金属皮膜(触媒核)を作成し、触媒核のさらに表面にメッキを施す技術が記載されている。
【0007】
さらに、前記従来技術(1)〜(3)とは異なり、シリコンウェハまたはガラス基材のようなセラミックスの表面に、金属被膜を形成する技術として、下記の従来技術(4)が公知である。
(4)特許文献8(特開2002−212779号公報)記載の技術
特許文献8には、シリコンウェハまたはガラス基材のようなセラミックスの表面に、電気銅メッキの膜を形成する技術が記載されている。特許文献8には、セラミックスの表面に電気銅メッキのシード層とフォトレジスト層を形成し、所定のパターンを有するマスクを用いて、フォトレジスト層を露光して、現像した後、電気銅メッキの直前に、室温常圧下で紫外光を照射することで、シード層表面に残った現像剤や溶剤などを分解除去したり、非常に薄く均一な酸化膜を形成する技術が記載されている。紫外光照射で形成された酸化膜は、酸洗浄またはメッキ液浸漬時に除去している。
【0008】
【特許文献1】特開2003−192811号公報(段落番号「0005」〜「0021」)
【特許文献2】特開2003−239423号公報(段落番号「0043」〜「0048」、「0073」〜「0084」)
【特許文献3】特開平8−283411号公報(段落番号「0024」〜「0025」、「0035」〜「0055」)
【特許文献4】特開平11−293009号公報(段落番号「0007」〜「0023」)
【特許文献5】特開2001−217554号公報(段落番号「0042」〜「0056」、「0064」〜「0080」)
【特許文献6】特開平9―157417号公報(段落番号「0008」〜「0023」)
【特許文献7】特開2001−73159号公報(段落番号「0003」〜「0008」)
【特許文献8】特開2002−212779号公報(段落番号「0018」〜「0020」)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記従来技術(1)のような湿式エッチングだけでは、接着性があまり向上せず、直接メッキを行った場合、容易にはがれてしまう程度のメッキしかできないという問題がある。
前記従来技術(2)のようなエッチング等の処理と紫外線照射の処理とを組み合わせる技術では、メッキを行う前に、エッチング等の薬品処理の工程と、紫外線を照射する工程の2工程が必要となり、工程が複雑になるという問題がある。また、多くの電子機器への応用を考えた場合、ポリイミド樹脂に接着する金属として最も需要が高いのは銅であるが、種々金属の中で、無電解銅メッキについては付着性の向上が顕著であるとは言えない。
【0010】
また、前記従来技術(1)や従来技術(2)で行われる湿式エッチングを行うと、ポリイミド樹脂の表面だけでなく、樹脂(プラスチック)内部が部分的に変質する恐れがあるという問題もある。
前記従来技術(3)では、触媒核を作成した後、銅等の金属皮膜(メッキ)を施しているが、実用化を考えた場合、触媒核を介して銅メッキを施すのではなく、直接ポリイミド樹脂表面に実用強度の銅メッキを施したいという要求があり、また、従来技術(3)では、手間やコストがかかるという問題もある。また、前記従来技術(4)でも、プラスチックではなくセラミック表面にシード層を形成する必要があり、プラスチック表面に直接銅メッキを形成できず、手間やコストがかかる問題がある。
【0011】
さらに、前記従来技術(1)〜(3)では、紫外光により表面を改質するために、高出力のレーザを使用する必要があり、高出力レーザを発生させる特別な装置が必要になるという問題もあった。
また、前記従来技術(2)では、プラスチックを液体中に浸漬した状態で紫外光を照射するとあるが、実際には波長が短くなるほど紫外光は急激に液体中を透過しなくなり、プラスチック表面に到達させることが極めて困難であることを本発明者は確認した。さらに、使用する液体が特殊な化学薬品であり、取り扱いや後処理に注意しなければならないという問題がある。
さらに、前記従来技術(1)〜(3)では、処理後のポリイミド樹脂表面に直接メッキ処理を行っても、現実には接着力が非常に弱く、実用に耐えない程度のメッキしかできていない。
【0012】
前述の事情に鑑み、本発明者は、簡便な方法でプラスチック表面の接着性を向上させるための研究を鋭意行った。その結果、本発明者は、水蒸気等の気体状酸化剤の雰囲気中でプラスチックに真空紫外光を照射することによりプラスチックの接着性を向上させる発明について出願をおこなった(特願2005−098776号、特開2006−274176号公報)。本発明者は、前記先願について更に研究を行った結果、プラスチックの接着性を更に向上させる本発明をするに至った。
【0013】
本発明は、前述の事情に鑑み、簡便な方法で、プラスチック表面の接着性を向上させることを第1の技術的課題とする。
また、本発明は、プラスチック内部の変質を起こさずに、接着性を向上させることを第2の技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために、第1発明のプラスチック表面の改質方法は、
水蒸気の分圧が1Pa以上16Pa以下の雰囲気中で波長172〜126nmの真空紫外光をプラスチック表面に照射することにより、前記プラスチック表面の接着性を改良することを特徴とする。
【0015】
前記構成要件を備えた第1発明のプラスチック表面の改質方法では、水蒸気の分圧が1Pa以上16Pa以下の雰囲気中で波長172〜126nmの真空紫外光をプラスチック表面に照射するので、プラスチック表面の接着性が改善される。したがって、無害且つ安価な水蒸気を使用し、真空紫外光を照射するという簡便な方法でプラスチック表面の接着性を向上させることができる。また、反応がプラスチック表面部分で発生するため、プラスチック内部の変質を起こさず接着性を向上させることができる。
【0016】
また、前記第1発明において、アルゴンエキシマランプを使用して波長126nmの真空紫外光を照射することも可能である。
この場合、波長が短くエネルギーが大きな真空紫外光を照射できる。
【0017】
さらに、前記第1発明において、水蒸気の分圧が1Pa以上6Pa以下の雰囲気中で前記真空紫外光を5分以上照射することができる。
この場合、真空状態で真空紫外光を照射した場合に比べて、密着性が大きく改善され、テープ試験による剥離面積を小さくすることができる。
【0018】
また、前記第1発明において、前記プラスチックをポリイミド化合物とすることが可能である。
この場合、プラスチックとしてのポリイミド化合物の接着性を向上でき、メッキをすることができる。
【0019】
さらに、前記第1発明において、前記プラスチックをポリイミドフィルムとすることができる。
この場合、薄く可撓性のあるフィルム状のプラスチックの表面を改質することができる。この結果、フレキシブルプリント基盤を容易に作成することもできる。
【0020】
(第2発明)
第2発明のプラスチック表面のメッキ方法は、前記第1発明のプラスチック表面の改質方法により前記プラスチック表面を改質してから、前記プラスチック表面に金属メッキ膜を形成することを特徴とする。
【0021】
前記構成要件を備えた第2発明のプラスチック表面のメッキ方法では、第1発明のプラスチック表面の改質方法でプラスチック表面が改質されているので、プラスチック表面に接着性、密着性の高い金属メッキ膜を形成することができる。
【0022】
また、前記第2発明のプラスチック表面のメッキ方法において、前記改質されたプラスチック表面に、触媒を付与した状態で無電解メッキにより金属を析出させることにより、金属メッキ膜を形成することも可能である。
この場合、無電解メッキにより金属を析出させることにより、接着性の高い金属メッキ膜を形成することができる。
【0023】
さらに、前記第2発明のプラスチック表面のメッキ方法において、前記改質されたプラスチック表面に、脱脂処理をした後に、前記金属メッキ膜を形成することができる。
この場合、脱脂処理により、歩留まりを向上させることができ、接着性、密着性の高い金属メッキ膜を安定して形成することができる。
【0024】
(第3発明)
第3発明のプラスチックは、前記第1発明のプラスチック表面の改質方法により改質されたプラスチック表面を有することを特徴とする。
前記構成要件を備えた第3発明のプラスチックでは、第1発明のプラスチック表面の改質方法により改質されたプラスチック表面を有するので、プラスチック表面に接着力の高い金属メッキ膜を形成することができる。
【0025】
また、前記第3発明のプラスチックは、水接触角が19度以下のプラスチック表面を有する構成とすることもできる。
この場合、水接触角が19度以下なので、テープ試験での剥離面積を大きく改善することができる。
【0026】
さらに、前記第3発明のプラスチックは、前記第2発明のメッキ方法によりメッキ膜を形成することもできる。
この場合、接着性の高い金属メッキ膜が形成されたプラスチックとすることができ、接着性が高く信頼度の高い回路基板等を作製することもできる。
【0027】
また、前記第3発明のプラスチックは、ポリイミド系プラスチックの表面に銅メッキ膜を形成することもできる。
この場合、プラスチックとして、優れた耐熱・耐薬品性、絶縁性、電気特性を有するポリイミド系プラスチックの表面に、導電性の良い銅メッキ膜が形成できる。
【0028】
(第4発明)
第4発明のプラスチック表面改質装置は、
真空チャンバ内に配置され、プラスチックを支持するプラスチック支持部材と、
前記真空チャンバ内に分圧が1Pa以上16Pa以下の水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、
前記プラスチック支持部材に支持されたプラスチック表面に波長172〜126nmの真空紫外光を照射する真空紫外光源と、
を備えたことを特徴とする。
【0029】
前記構成要件を備えた第4発明のプラスチック表面改質装置では、真空チャンバ内に配置されたプラスチック支持部材には、プラスチックが支持される。水蒸気供給装置は、前記真空チャンバ内に分圧が1Pa以上16Pa以下の水蒸気を供給する。真空紫外光源は、前記プラスチック支持部材に支持されたプラスチック表面に波長172〜126nmの真空紫外光を照射する。
したがって、第4発明のプラスチック表面改質装置では、水蒸気の分圧が1Pa以上16Pa以下の雰囲気中で波長172〜126nmの真空紫外光をプラスチック表面に照射するので、プラスチック表面の接着性が改善される。したがって、無害且つ安価な水蒸気を使用し、真空紫外光を照射するという簡便な方法を採用したプラスチック表面改質装置により、プラスチック表面の接着性を向上させることができる。また、反応がプラスチック表面部分で発生するため、プラスチック内部の変質を起こさず接着性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0030】
前述の本発明は、簡便な方法でプラスチック表面の接着性を向上させることができる。
また、本発明は、プラスチック内部の変質を起こさずに、接着性を向上させることができる。
さらに、接着性が高く、はがれにくい金属被膜を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
(プラスチック表面改質装置の説明)
図1は本発明のプラスチック表面改質装置の実施の形態1の説明図である。
図1に示す実施の形態1のプラスチック表面改質装置Uは、試料Sが収容される試料収容室(真空チャンバ)Aを有する。前記試料収容室Aには、内部の空気を真空排気するスクロールポンプF1aおよびターボ分子ポンプF1bからなる真空排気装置F1と、試料収容室Aの内部に水蒸気を供給する水蒸気供給装置F2とが接続されている。
試料収容室Aの内部には上下方向に移動可能(昇降可能)なホルダ支持部材1が配置されており、ホルダ支持部材1の上面には試料ホルダ(プラスチック支持部材)Hが着脱可能に支持されている。試料ホルダHの上部には試料(プラスチック)Sが着脱可能に支持されている。
試料収容室Aの外壁には図示しない開口が形成されており、前記開口を外部と連通状態とすることにより、前記試料収容室A内と外部との間で試料ホルダHおよび試料Sの交換作業を行うことができる。
【0032】
前記試料収容室Aの上壁には円形の上壁開口A2が形成されている。前記上壁開口A2の上部には、ランプ支持部A3が形成されており、ランプ支持部A3には真空紫外光源としてのエキシマランプLが支持されている。なお、実施の形態1では、所定の強度の真空紫外光を試料Sに照射するために、ホルダ支持部材1が上壁開口A2まで上昇し、エキシマランプLに試料Sを近接させた状態で真空紫外光を照射する。
【0033】
前記試料Sは、表面が改質されるプラスチックとして、ジフェニルテトラカルボン酸とP−フェニレンジアミンとからなるポリイミド樹脂を使用できる。なお、前記構成のポリイミド樹脂に限定されず、従来公知のポリイミド樹脂あるいはポリイミド樹脂以外のプラスチックを使用可能であるが、テトラカルボン酸とジアミンとの組み合わせからなるポリイミド樹脂を主成分とするのが好ましい。これに属するものとしては、例えば、ピロメリット酸とP,P′−ジアミノ−ジフェニルエーテルとからなるポリイミドフィルム(例えば、東レデュポン株式会社製の「カプトン(登録商標)」や鐘淵化学株式会社製の「アカピル」)や、ジフェニルテトラカルボン酸とP−フェニレンジアミンとの組み合わせからなるポリイミド樹脂(例えば、宇部興産株式会社製の「ユーピレックス(登録商標)S」)、および、ジフェニルテトラカルボン酸と4,4′−ジアミノ−ジフェニルエーテルとの組み合わせからなるポリイミド樹脂(例えば、宇部興産株式会社製の「ユーピレックス(登録商標)R」)が挙げられる。
また、前記試料Sは、フィルム状のポリイミドフィルムを使用することが好ましいが、形状、形態は任意のものを使用可能である。
【0034】
前記水蒸気供給装置F2から供給される水蒸気(水)は、分圧が1Pa〜16Pa程度供給することが好ましく、特に、真空排気装置F1により真空排気した後に、水蒸気供給装置F2により水蒸気を試料収容室Aに供給することが好ましい。
前記水蒸気供給装置F2から供給される水蒸気は真空紫外光源Lにより照射される真空紫外線により活性化されて、酸素ラジカルやOHラジカルを生成する。また、ポリイミド自身も真空紫外線により一部分解されて表面形状に粗面に変えつつ、前記ラジカルと化学反応を起こす。この現象が、水接触角を低下させて親水性を向上させ、メッキ溶液がなじみやすくなり、メッキの接着特性の向上に関与していると考えられる。
【0035】
なお、この光化学反応はポリイミドフィルムの極く表面でのみ起こるため、ポリイミドの本質的特性(耐熱性、絶縁性、電気的特性等)を劣化させることなく、その表面を改質することができる。
また、一般にポリイミド樹脂は撥水性が強いため、従来は苛性ソーダ水溶液のような濡れ性を付与する性質の薬品での前処理が行われたが、前記真空紫外線の照射により濡れ性は飛躍的に向上するので、省略することができる。
さらに、これらの光化学反応は常温〜200℃程度で行うことができる。高温であるほど反応は早く進むが、常温で行う場合は、特別な設備が不必要になるため、コスト低減による経済的効果は大きい。
【0036】
前記真空紫外光源Lにより照射する真空紫外光としては、高エネルギーのものが好ましい。市販の各種の真空紫外光源を使用することができるが、前記光化学反応は、230nm程度の波長から効果が現れ始め、特に、180nm〜120nmの波長域がよく、さらには、172nm〜126nmの波長域では顕著な効果が得られた。したがって、前記真空紫外光源Lとしては、具体的に、KrClエキシマランプ(波長222nm)、ArFエキシマランプ(波長193nm)、Xeエキシマランプ(波長172nm)、Krエキシマランプ(波長146nm)、Arエキシマランプ(波長126nm)等を使用することができる。しかし、前記真空紫外光源はこれらに限定されず、必要に応じて、波長が120nm〜180nm程度の波長域の真空紫外線を照射する真空紫外光源を使用することが可能である。
なお、高エネルギーを持っている真空紫外線を照射する場合においては、過剰な照射を行った場合には、ポリイミドそのものの分解が進んでしまうことに注意が必要となる。使用する真空紫外光源や水蒸気の分圧にもよるが、例えば、Arエキシマランプを使用した場合、水蒸気存在下で10〜20分の照射が好ましい。
【0037】
(真空紫外光照射実験)
真空紫外光照射実験では、試料Sとして、東レデュポン株式会社製の「カプトン(登録商標)H」を使用し、2cm×2cm、厚さ40μmの試験片を、室温で、Arエキシマランプ(真空紫外光源)を用いて約2mW/cm2の照度で、0分、1分、3分、5分、10分、20分、波長126nmの真空紫外光を照射した。
比較例1では、水蒸気を供給していない真空状態(4Pa)において真空紫外光を照射した。
実施例1では、真空状態(4Pa)から水蒸気を1Pa分供給してチャンバ内の気圧が5Paとなった水雰囲気状態において真空紫外光を照射した。
比較例1及び実施例1の結果を、図2および図3に示す。
【0038】
図2は比較例1と実施例1の真空紫外光照射試験の結果のグラフであり、横軸に真空紫外光の照射時間をとり、縦軸に水接触角をとったグラフである。
図3は本発明の実験例における試料表面のAFM画像の説明図であり、図3Aは真空紫外光照射前のAFM画像、図3Bは4Paの真空状態の比較例1でのAFM画像、図3Cは5Paの水雰囲気状態の実施例1のAFM画像である。
図2において、真空状態で真空紫外光を照射した場合の水接触角は最大でも33°程度であったのに対し、5Paの水雰囲気状態では水接触角が14°程度に低下している。また、図3において、AFM(原子間力顕微鏡、Atomic Force Microscope)で試料表面を検出した結果、水雰囲気中での真空紫外光照射により、試料表面の凹凸が細かく、鋭くなっていることが観察できた。この結果、実施例1では、比較例1に比べ、親水性が向上し、メッキ溶液になじみやすくなった。
【0039】
(メッキ密着性(接着性)測定実験)
続いて、真空紫外光が未照射の状態の試験片と、比較例1および実施例1の試験片に、通常の無電解銅メッキの処理に従い表面調整(奥野製薬株式会社製ATSプリコンディションPIW−1を使用)、脱脂・コンディショナ(奥野製薬株式会社製ATSコンデクリンCIW−2を使用)、Pd(パラジウム)触媒を付与(奥野製薬株式会社製OPC−SALM,OPC−80キャタリスト、OPC−555アクセレーターMを使用)し、無電解Cuメッキ(奥野製薬株式会社製ATSアドカッパーIWを使用)を約0.4μm行った。このメッキ処理により析出したメッキ層について、JISK5400に準じ、テープによる剥離試験(メッキの密着性の測定実験)を行った結果を図4および図5に示す。
【0040】
図4は比較例1と実施例1の試験片のメッキ剥離試験の結果を示すグラフであり、横軸に真空紫外光照射時間をとり、縦軸に剥離面積を取ったグラフである。
図5は剥離試験後の試験片の外観の説明図であり、図5Aは真空紫外光未照射の状態の試験片の外観説明図、図5Bは比較例1において20分間真空紫外光を照射した状態での試験片の外観説明図、図5Cは実施例1において20分間真空紫外光を照射した状態での試験片の外観説明図である。
図4,図5Aにおいて、真空紫外光が照射されていない状態では、剥離面積が100%となり、メッキは全て剥がれた。また、図4、図5Bにおいて、4Paの真空状態の比較例1では、水接触角が33°程度になっても、メッキの90%近くが剥離した。
一方、図4,図5Cにおいて、5Paの水雰囲気状態の実施例1では、水接触角が20°以下となる照射時間が5分後から、剥離面積が60%を下回り、水接触角が14°の照射時間20分の場合では、剥離面積が40%を下回っている。この結果、5Paの水雰囲気中で真空紫外光を5分以上照射することにより剥離面積について改善され、メッキの密着性が大きく向上していることがわかった。
【0041】
(その他の実施例)
前記実施例1と同様の試験片について、実施例2では、真空状態(4Pa)から水蒸気を6Pa分供給してチャンバ内の気圧が10Paとなった水雰囲気状態において真空紫外光を照射した。
同様に、実施例3では、水蒸気を16Pa分供給してチャンバ内の気圧が20Paとなった水雰囲気状態で真空紫外光を照射した。
前記比較例1、実施例1〜3のメッキ剥離試験の結果のグラフを図6に示す。
【0042】
図6は、比較例1と実施例1〜3の試験片のメッキ剥離試験の結果を示すグラフであり、横軸に真空紫外光照射時間をとり、縦軸に剥離面積を取ったグラフである。
図6において、10Paの水雰囲気状態の実施例2では、20分間照射すると、剥離面積が約4%まで改善し、密着性が著しく改善している。すなわち、ニッケルメッキに比べてメッキが困難な銅メッキでも十分な密着性が得られた。
また、20Paの水雰囲気状態の実施例3では、真空紫外光を3分間照射した時に真空状態の比較例1に対して改善効果が見られた。
なお、実施例3において、5分以上照射すると、メッキ密着性の改善効果は見られなかった。これは、試料表面の反応が進みすぎたためと考察される。
したがって、水蒸気の分圧が16Paよりも多くなりすぎると、メッキ密着性が向上しないことが推察される。
【0043】
したがって、前記各実施例および比較例の結果から、本発明の実施の形態1のプラスチック表面改質装置では、ポリイミド表面のメッキの密着性、接着性が向上するので、ポリイミド表面に直接接着性の高い銅メッキ(金属膜)を形成することができる。この結果、フレキシブル基盤等を容易に作成することができ、小型電子部品の信頼性を向上させることができる。また、水蒸気という無害且つ安価な気体を使用することで、プラスチック表面の接着性を著しく向上させることができるとともに、従来のような特殊な化学薬品が必要ないため、安全且つ環境にやさしいという効果もある。さらに、実施の形態1のプラスチック表面改質装置Uでは、従来使用されていた紫外光よりもエネルギーの強い真空紫外光を照射しているので、従来技術のような高出力のレーザを照射する装置が必要なく、真空紫外光を照射するランプを使用できるので、装置の構成も簡便となりコストも低減できる。
【0044】
なお、前記実験結果(実施例および比較例)では、Arエキシマランプ(波長126nm)の実験結果を記載したが、本発明者の実験の結果、Xeエキシマランプ(波長172nm)やKrエキシマランプ(波長146nm)を使用した場合には、Arエキシマランプ使用時に比べ接着性改善効果が小さかったものの、従来に比べ接着性改善効果が見られた。
また、前記実施の形態1では、表面改質のための化学エッチング処理を行わなかったが、必要に応じて、真空紫外光の照射の前後に化学エッチングを行うことも可能である。
さらに、前記実施の形態1において、メッキする金属は銅に限定されず、ニッケル等とすることも可能である。
また、前記試料としてポリイミドフィルムを例示したが、これに限定されず、水雰囲気下での真空紫外光によりメッキ密着性が向上する難メッキプラスチックに適用可能である。
【0045】
(実行される前処理とメッキの接着性の安定性との関係についての実験)
次に、メッキの前処理として行う本願発明の真空紫外光の照射や、従来から行われている前処理であるエッチング(化学薬品による粗面化処理、表面調整)や脱脂処理と、メッキの接着性(付着強度)との関係について実験を行った。
実験は、以下の工程(1)〜(6)を適宜組み合わせて実施した。
工程(1)…エッチング(表面調整)処理(奥野製薬株式会社製ATSプリコンディションPIW−1を5ml使用して、45℃で2分)。
工程(2)…脱脂処理(奥野製薬株式会社製ATSコンデクリンCIW−2を使用して、60℃で5分)。
工程(3)…触媒付与処理(奥野製薬株式会社製OPC−80キャタリスト、OPC−SAL Mを使用して、32.5℃で6分)。
工程(4)…触媒活性化処理(奥野製薬株式会社製OPC−555アクセレーターMを使用して、32℃で8分)。
工程(5)…無電界銅メッキ処理(奥野製薬株式会社製ATSアドカッパーIW―A、IW−M、C、無電解銅R−N、32℃で10分)
工程(6)…真空紫外光照射処理(波長126nmの真空紫外光を10Paの水雰囲気で20分照射、すなわち前記実施例2の条件)
【0046】
前記工程(1)〜(6)を組み合わせて、以下の実験(A)〜(F)を行った。
実験(A)…前処理を行わずにメッキを行った。すなわち、工程(3)、(4)、(5)を実行して、メッキを行った。
実験(B)…従来技術と同様に通常の前処理を実行してメッキを行った。したがって、工程(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を順に実行した。
実験(C)…実験(B)において、工程(1)に替えて、工程(6)を実行してメッキを行った(実施例4)。したがって、工程(6)、(2)、(3)、(4)、(5)を順に実行した。
実験(D)…実験(C)において、工程(6)を省略して、メッキを行った。したがって、工程(2)、(3)、(4)、(5)を順に実行した。
実験(E)…実験(B)において、工程(1)、(2)に替えて工程(6)を実行して、メッキを行った(実施例5)。したがって、工程(6)、(3)、(4)、(5)を順に実行した。
実験(F)…実験(B)において、工程(2)を省略して、メッキを行った。したがって、工程(1)、(3)、(4)、(5)を順に実行した。
【0047】
図7はメッキの付着強度を測定するために使用する引張り試験機の説明図である。
前記実験(A)〜(F)を実行して作成された試料について、図7に示す引張り試験機21を使用して、付着強度を測定した。前記引張り試験機21は、実験(A)〜(F)で作成された試料22を固定する試料固定台23を有し、メッキがされた試料22の固定用接着面22aにはL字形状のL字銅板(測定子)24の引剥接着面24aの下面が接着剤で接着される。したがって、前記L字銅板24を引き上げる際に、引き上げた距離と、そのときのL字銅板24にかかる荷重を測定することで、メッキの付着強度(密着性)の一指標である引き剥がしに要する単位面積当りの荷重を求め、比較した。
各実験(A)〜(F)の荷重測定の実験結果を図8に示す。
【0048】
図8は前処理とメッキの接着性の安定性との関係についての実験の実験結果の説明図であり、図8Aは横軸に引張り距離を取り縦軸に荷重を取った実験結果のグラフであり、図8Bは実験結果の最大荷重や付着強度の一覧表である。
図8において、前記実験(A)で得られた試料は、基準となる試料であり、引張り試験機21による引き剥がし試験では、最大荷重が131.4N、測定子の面積(引剥接着面24aの面積)が4cmとなり、付着強度(=最大荷重/測定子面積)が32.8N/cmとなった。
前記実験(B)で得られた試料は、ほぼ均一な銅メッキ膜が形成され、最大荷重が159.1N、測定子の面積が3.99cmとなり、付着強度が39.8N/cmとなった。
前記実験(C)で得られた試料は、ほぼ均一な銅メッキ膜が形成され、最大荷重が202.8N、測定子の面積が4mとなり、付着強度が50.7N/cmとなった。
【0049】
前記実験(D)で得られた試料は、ほぼ均一な銅メッキ膜が得られたが、前記テープによる剥離試験を行った段階で、実験(B)よりも接着性が弱かったため、引張り試験機21による引き剥がし試験は行わなかった。
前記実験(E)で得られた試料は、歩留まりが悪く、実験(C)と同様にメッキの膜形成がしっかり発生するものから、ほとんど発生しないものまであり、不安定な結果となり、数値化できなかった。
前記実験(F)で得られた試料は、指紋のようなムラが多く、均一な膜形成ができなかった。
【0050】
図8A、図8Bにおいて、実験(C)と実験(B)を比較すると、エッチング処理に替えて、本願発明の真空紫外光照射を行うことで、付着強度が約1.3倍に向上することが確認された。また、実験(C)と実験(E)とを比較すると、工程(2)の脱脂処理を実行することで、歩留まりを向上させることができ、安定して付着強度、密着性の高いメッキを形成することができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、電子産業で多用されるフレキシブルプリント基板の作製や、耐熱性の高いプラスチック光学部品(高輝度ランプの軽量反射板)等の作製にも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は本発明のプラスチック表面改質装置の実施の形態1の説明図である。
【図2】図2は比較例1と実施例1の真空紫外光照射試験の結果のグラフであり、横軸に真空紫外光の照射時間をとり、縦軸に水接触角をとったグラフである。
【図3】図3は本発明の実験例における試料表面のAFM画像の説明図であり、図3Aは真空紫外光照射前のAFM画像、図3Bは4Paの真空状態の比較例1でのAFM画像、図3Cは5Paの水雰囲気状態の実施例1のAFM画像である。
【図4】図4は比較例1と実施例1の試験片のメッキ剥離試験の結果を示すグラフであり、横軸に真空紫外光照射時間をとり、縦軸に剥離面積を取ったグラフである。
【図5】図5は剥離試験後の試験片の外観の説明図であり、図5Aは真空紫外光未照射の状態の試験片の外観説明図、図5Bは比較例1において20分間真空紫外光を照射した状態での試験片の外観説明図、図5Cは実施例1において20分間真空紫外光を照射した状態での試験片の外観説明図である。
【図6】図6は、比較例1と実施例1〜3の試験片のメッキ剥離試験の結果を示すグラフであり、横軸に真空紫外光照射時間をとり、縦軸に剥離面積を取ったグラフである。
【図7】図7はメッキの付着強度を測定するために使用する引張り試験機の説明図である。
【図8】図8は前処理とメッキの接着性の安定性との関係についての実験の実験結果の説明図であり、図8Aは横軸に引張り距離を取り縦軸に荷重を取った実験結果のグラフであり、図8Bは実験結果の最大荷重や付着強度の一覧表である。
【符号の説明】
【0053】
1…ホルダ支持部材
21…引張り試験機
22…試料
22a…固定用接着面
23…試料固定台
24…L字銅板(測定子)
24a…引剥接着面
A…試料収容室
A2…上壁開口
F1…真空排気装置
F1a…スクロールポンプ
F1b…ターボ分子ポンプ
F2…水蒸気供給装置
H…試料ホルダ
L…真空紫外光源、エキシマランプ
S…試料
U…プラスチック表面改質装置
V1…バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水蒸気の分圧が1Pa以上16Pa以下の雰囲気中で波長172〜126nmの真空紫外光をプラスチック表面に照射することにより、前記プラスチック表面の接着性を改良することを特徴とするプラスチック表面の改質方法。
【請求項2】
アルゴンエキシマランプを使用して波長126nmの真空紫外光を照射することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック表面の改質方法。
【請求項3】
水蒸気の分圧が1Pa以上6Pa以下の雰囲気中で前記真空紫外光を5分以上照射することを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック表面の改質方法。
【請求項4】
前記プラスチックがポリイミド化合物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のプラスチック表面の改質方法。
【請求項5】
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の前記プラスチック表面の改質方法により前記プラスチック表面を改質してから、前記プラスチック表面に金属メッキ膜を形成することを特徴とするプラスチック表面のメッキ方法。
【請求項6】
前記改質されたプラスチック表面に、触媒を付与した状態で無電解メッキにより金属を析出させることにより、金属メッキ膜を形成することを特徴とする請求項5に記載のプラスチック表面のメッキ方法。
【請求項7】
前記改質されたプラスチック表面に、脱脂処理をした後に、前記金属メッキ膜を形成することを特徴とする請求項5または6に記載のプラスチック表面のメッキ方法。
【請求項8】
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の改質方法により改質されたプラスチック表面を有することを特徴とするプラスチック。
【請求項9】
水接触角が19度以下のプラスチック表面を有することを特徴とする請求項8に記載のプラスチック。
【請求項10】
前記請求項5ないし7のいずれかに記載のメッキ方法によりメッキ膜が形成されたことを特徴とする請求項8または9に記載のプラスチック。
【請求項11】
ポリイミド系プラスチックの表面に銅メッキ膜が形成されたことを特徴とする前記請求項8ないし10のいずれかに記載のプラスチック。
【請求項12】
真空チャンバ内に配置され、プラスチックを支持するプラスチック支持部材と、
前記真空チャンバ内に分圧が1Pa以上16Pa以下の水蒸気を供給する水蒸気供給装置と、
前記プラスチック支持部材に支持されたプラスチック表面に波長172〜126nmの真空紫外光を照射する真空紫外光源と、
を備えたことを特徴とするプラスチック表面改質装置。

【図1】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−331385(P2007−331385A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−123229(P2007−123229)
【出願日】平成19年5月8日(2007.5.8)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成18年度、独立行政法人科学技術振興機構、地域イノベーション創出総合支援事業、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(803000078)株式会社みやざきTLO (20)
【Fターム(参考)】