説明

プラスチック電極材料及びそれを用いた二次電池

【課題】
窒素を含む導電性高分子と、導電性炭素材料とを配合して、0.2M〜5Mの水素イオン含有酸性電解液により、該配合された材料を活性化させ、該導電性炭素材料の重量を、配合された材料の総重量の1%〜40%としたプラスチック電極材料、及び該プラスチック電極材料を正負極として用いる二次電池を提供する。
【解決手段】
本発明では、マイクロメータサイズ、又はナノサイズの高導電性を有する炭素材料を電池電極材料に添加すると共に、水素イオンを高濃度に含む電解液により電極を活性化させるので、プラスチック電極の電子伝導性を向上させるができ、二次電池の充放電効率、及び寿命を改善するができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極材料に関するものであり、特に高充放電容量を有し、高速充放電可能な、導電性ポリマーからなるプラスチック電極材料、及び前記プラスチック電極材料を電極とするプロトン二次電池に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プロトン(水素イオン)伝導型ポリマー二次電池は、リチウムイオン二次電池に替わる、新規な小型蓄電池である。水素イオンは、そのイオン半径がリチウムイオンより小さいと共に、イオン速度も大きいので、作動電圧が高く、比エネルギーが大きく、放電電位曲線が安定し、漏れ電流が小さく、サイクル寿命が長く、低温性質が良好で、再生性よく、汚染がない等の利点を有するものである。更に、プロトン(水素イオン)伝導型ポリマー二次電池は、ポリマーにより製造することができると共に、良好な高電流充放電特性(単電池の場合でも、その電流は10アンペアと高い)を有することから、携帯電池(2 Ah)の他にも、薄膜電池(200 μAh)や小型電池(200 mAh)、大型電池(50 Ah)などにも利用されている。
【0003】
導電性ポリマー二次電池の性能は、正極材、負極材、及び電解質の材料に依存しており、特に正極材の材料は、その電位が負極材の電位より高く、組成の変更による作動電圧への影響が小さく、更に良好な電子伝導性を有する場合には、高作動電圧、安定な電圧、小さいIR抵抗、及び降下電圧の変化が小さいなどの特性を有する電池を得ることができ、又、正極材は、正イオンを吸蔵・放出する可逆性、高い拡散性、及び良好な吸蔵性を有し、充放電により電池の体積が変化しにくい場合には、サイクル寿命が長く、電容量が高く、電流が大きいなどの特性を有する電池を得ることができる。又、正極材が、電解質に対する安定性、及び充電時の熱安定性を有する場合には、サイクル寿命が長く、安定性が優れるなどの特性を有する電池を得ることができる。
【0004】
即ち、高作動電圧、安定な電圧、小さいIR抵抗、及び降下電圧の変化が小さいなどの特性を有する、高性能の電池を製造するためには、最適な正極材料を使用しなければならない。導電性がある高分子活性物質(例えばポリインドール)を正負極材料とし、酸性環境においてプロトンにより充放電を高速に行う二次電池又はコンデンサは、他の電池系(例えばリチウム・コバルト電池系)に比べて以下の点において優れている:(1)一体形成が可能である。例えば、化学、電気化学、或いは公知の方法により、金属製ガーゼや多孔質金属基材、導電性炭素基材に電池を直接に形成することができる。(2)充放電のサイクル可逆性が非常に優れ、その充放電のサイクル回数が10万回以上であり、短時間以内に充電を終了することができる。(3)従来の電池製造プロセスを用いることができる。(4)充放電においては主としてプロトンを電荷キャリアとして用いる。
【0005】
現在、ポリインドールの主な合成方法としては、電気化学法か、酸化剤を用いた化学重合法が採用され、後者の場合では、その酸化剤には、塩化第一鉄、チオ硫酸ナトリウム等が含まれる。このポリマーは炭素、水素、窒素からなるものであるので、自然環境に優しく、好ましい材料であると共に、合成技術の向上に伴って、その価格が下がり、実用化が可能となっている。従来は、三つの環状インドールモノマーからなるプレポリマーが形成され、酸性電解質溶液での正イオンの吸着・脱着による充放電メカニズムによって、50〜60 mAh/gと高い放電容量、及び90%の充放電サイクル寿命において、安定したサイクル回数が10万回以上と高い効果が得られる。
また、先行技術である米国特許第6,300,015号において開示されている、導電性高分子からなる正負電極の間にセパレタを介在させ、酸性電解質が用いられる電池組は、前記欠点を改善したが、リチウム電池に比べて、その電池容量が少ないと共に、その作動起電力が低すぎるため、現実的にその使用は難しい。
【0006】
以上のように、二次電池の放電効率を向上させるために、ポリニトロインドールからなる正極材の負イオン吸着力、及び導電性を向上させることが検討されている。
【特許文献1】米国特許第6,300,015号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、従来の電極材料の放電効率が劣るとの問題点に鑑みてなされたものであり、高充放電容量を有し、高速充放電可能なプラスチック電極材料及びそれを用いた二次電池を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明のプラスチック電極材料は、窒素を含む導電性高分子と、導電性炭素材料とが配合されている。該窒素を含む導電性高分子は、ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリインドール(polyindole)である。該導電性炭素材料の重量は、該プラスチック電極材料の総重量の1%〜40%である。又、0.2M〜5Mの水素イオン含有プロトン酸電解液により、前記配合された材料を活性化させる。
【0009】
又、本発明の二次電池は、前記プラスチック電極材料を正極として用いる。
【0010】
本発明の二次電池は、
ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、又はポリインドール(polyindole)から選ばれる、窒素を含む導電性高分子と、導電性炭素材料とが配合されてなるものを、0.2M〜5Mの水素イオン含有プロトン酸電解液により、活性化させたものであり、又、該導電性炭素材料の重量は、該プラスチック電極材料の総重量の1%〜40%である正極材と、
ポリフェニルビニレン(polyphenylvinylene)、ポリフラン(polyfuran)、多硫化物(polysulfide)、ポリチェニレン(polythienylene)、ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、又はポリインドール(polyindole)である導電性高分子と、導電性炭素材料とが配合されてなるものを、0.2M〜5Mの水素イオン含有プロトン酸電解液により、活性化させたものであり、又、該導電性炭素材料の重量は、負極材の総重量の1%〜40%である負極材と、
正極材、負極材を隔離するセパレタと、
前記正極材と負極材との間に存在し、硫酸水溶液、又は酸性有機電解液を含む電解液と、
前記正極材に接触する正極集電器と、
前記負極材に接触する負極集電器と、
前記正極材、負極材、及び電解液をシールする外部シール部材とを備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を達成できる。
1)本発明においては、マイクロメータサイズ、又はナノサイズの高導電性を有する炭素材料を電池電極材料に添加すると共に、水素イオンを高濃度に含む電解液により電極を活性化させるので、電極における水素イオン及び電子伝導性の向上が可能であり、二次電池の充放電効率の改善を図ることができる。
2)本発明の二次電池は、電極材料を改善することにより、高作動電圧、高エネルギー密度、安定な電圧、幅広い作動温度範囲、優れたサイクル性、長期保存性などの特性を得ることができる。また、本発明の二次電池は、有機物により構成することができ、環境に悪影響を及ぼす重金属を含まないので、本発明によれば、環境に優しい二次電池を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。尚、下記実施例は、本発明の好適な実施の形態を示したものにすぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例そのものに何ら限定されるものではない。
【0013】
本発明の二次電池の好適な実施形態は、図1に示すように、外部シール部材(1)、正極材(2)、負極材(3)、セパレタ(4)、電解液(5)、正極集電器(6)、及び負極集電器(7)を備え、
前記外部シール部材(1)は、金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなることができ、正極材、負極材、及び電解液をシールし、前記各材料を収納するものである。
前記正極材(2)は、窒素を含む導電性高分子物質と、導電性炭素材料とを、該導電性炭素材料の重量が、正極材の総重量の1%〜40%となるように配合されてなる、電子伝導性の向上したものに対し、0.2M〜5Mの水素イオン含有プロトン酸電解液にて活性化させた、高イオン伝導性を有するものである。
【0014】
本実施形態では、窒素を含む導電性高分子物質は、ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリインドール(polyindole)であり、該ポリインドールは、例えばニトロ基含有ポリインドール、シアノ基含有ポリインドール、ハロゲン基含有ポリインドール、ホウ酸基含有ポリインドール、リン酸基含有ポリインドール、スルホン基含有ポリインドール、シアナト基含有ポリインドール、又はイソシアナト基含有ポリインドール等の、電子を吸引する基を有するものであるが、そのうち、ニトロ基含有ポリインドールが最も好ましい。
【0015】
前記実施例において、正極材(2)は、化学合成法により製造されるが、これに限られるものではない。
【0016】
前記導電性炭素材料は、例えば、マイクロメータサイズ、ナノサイズのカーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維などであり、その粒径は10μm未満である。尚、前記プロトン酸は、硫酸、有機酸でもよい。
【0017】
前記負極材(3)は、導電性高分子物質と、導電性炭素材料とを配合することにより、電子伝導性を向上させ、該導電性炭素材料の重量は、負極材の総重量の1%〜40%であり、また、0.2M〜5Mの水素イオン含有プロトン酸電解液で該配合された材料を活性化させた、高イオン伝導性を有するものである。
【0018】
本実施形態では、前記導電性高分子物質は、ポリフェニルビニレン(polyphenylvinylene)、ポリフラン(polyfuran)、多硫化物(polysulfide)、ポリチェニレン(polythienylene)、ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、ポリインドール(polyindole)などがであり、窒素を含む導電性高分子が好ましく、ポリアニリン(polyaniline)が最も好ましい。
【0019】
前記実施例において、負極材(3)は、化学合成法により製造されるが、これに限られるものではない。
【0020】
前記導電性炭素材料は、例えば、マイクロメータサイズ、ナノサイズのカーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維などであり、その粒径は10μm未満である。尚、前記プロトン酸は、硫酸でもよい。
【0021】
正極、負極を隔離するセパレタ(4)は、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなり、その微細孔サイズが50μm未満である。
【0022】
前記正極材(2)と負極材(3)との間に存在する電解液(5)には、硫酸水溶液、又は酸性有機電解液を含んでいる。
本実施形態において、前記酸性有機電解液は、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であり、尚、前記電解液には更に、ナノ二酸化チタン、ナノシリカ、又はナノフラーレンなどからなるナノ無機粒子を含んでもよく、これにより、電解液(5)の導電性が、ナノ無機粒子が添加されない場合と比べて10倍以上向上される。
【0023】
前記正極材(2)に接触する正極集電器(6)、及び負極集電器(7)は、金属メッシュ/金属箔や導電性炭素材料であってもよく、該金属メッシュ/金属箔は、金めっき銅メッシュ/金めっき銅箔、金めっきアルミニウムメッシュ/金めっきアルミニウム箔、銅メッシュ/銅箔、又はアルミニウムメッシュ/アルミニウム箔などであり、該導電性炭素材料は、炭素繊維布/炭素不織布、ナノ炭素繊維布/ナノ炭素不織布、又はグラファイトウイスカー繊維布/グラファイトウイスカー不織布であってもよい。
【0024】
真性導電率を持つ導電性高分子が有する電気伝導度のみでは、全有機化した本発明の二次電池における活性正負電極の需要に対応しきれないので、本発明における導電性高分子は、ドーピング(例えば、硫酸の含有量の制御)により、所定の活性物質、例えば、水素イオンを導入してその導電性を変更し、高エネルギー密度を有する酸化還元状態を提供して電極の電気伝導度を向上する必要がある。このように、その電気伝導度を、ドーピング前の10−6〜10−4S/cmからドーピング後の10−1S/cm、更により高くまで、けた違いに大きいほど増加させることが可能である。
【0025】
活性正負電極のドーピング工程は主に、化学方法により導電性高分子を気体ドーパント又は液体ドーパントに接触させるか、又は電気化学酸化や、電気化学還元によっても行うことができ、ドーピングした後は、半導体である導電性高分子自身は、新しいエネルギーステータスになり、即ち、そのバンドギャップ(bandgap)においてよりエネルギーの低いミッドギャップ(midgap)が形成される。
【0026】
一般に、このミッドギャップは、電子伝導に寄与するものであり、有機化学の観点から、ドーパントは、導電性高分子における電子を除去又は添加する役割を演ずるものである。例えば、硫酸をポリインドールにドーピングした場合、硫酸によりインドール環における一つの電子を吸引することによって、ポリインドール側においては一つの電子を失い、ラジカルカチオンを有するインドール環を形成する。そのカチオン(ポラロン(polaron)とも呼ばれる)の正電荷は、静電相互作用の影響により、その移動速度が小さくなり、一方、ポリインドールに吸着される水素イオンは、高速に移動することができるが、導電性高分子鎖において水素イオンを高速に移動させるためには、硫酸を高濃度にドーピングして、ポリインドールにおける、ラジカルカチオンの数量を増加させなければならない。即ち、正負電極に硫酸又は有機酸をドーピングすればするほど導電性が高くなる。但し、ドーピング量には好適な範囲が存在する。
【0027】
本発明の二次電池システムは、各部品のpH値を3未満にする必要があり、又、各活性電極にマイクロメータサイズ、ナノサイズのカーボンブラック、グラファイトウイスカー、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、電解液(例えば、プロトン酸電解液や、酸性有機電解液、有機コロイド電解液)がドーピングされており、更に、該活性電極における導電性高分子やカーボンブラック、グラファイトウイスカー、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブは酸ドーピング処理されているので、電極の活性化、電極における水素イオン含有量の向上、電極の電子伝導性の向上が可能である。
【0028】
本発明の二次電池システムは、(1)高作動電圧、(2)高エネルギー密度、(3)安定な電圧、(4)幅広い作動温度範囲、(5)優れたサイクル性、(6)長期保存性、及び(7)環境に悪影響を及ぼす重金属を含まないという利点があるので、高性能を有するものである。又、二次電池の性能は、正極材料の他に、電解質材料、負極材料、及びセパレタ膜にも依存しており、更に、二次電池の電極における水素イオン及び電子伝導性は、充放電効率に影響を与える主な原因であるので、本発明の主な特徴としては、電極にマイクロメータサイズ、又はナノサイズの高導電性を有する炭素材料や、他のナノ材料が添加されると共に、水素イオンを高濃度に含有する電解液により電極を活性化させることである。
【0029】
また、本発明における正極材料は、窒素を含む導電性高分子を始め、ポリインドールや電子を吸引する基、例えば、ニトロ基、スルホン基、シアナト基などを持つポリインドールを基に、酸化重合方法により、遊離基重合反応を通じて形成されたポリインドールを骨格とした高分子であり、そのポリインドールの構造は、下記[化1]で表される。
【0030】
【化1】

【0031】
さらに、電子を吸引する基を、前記[化1]で表されるポリインドールにおけるX位置に導入することにより、熱安定性及び電子を吸引する能力を向上することができる。又、電気化学的性質を調べることにより、主鎖に位置する異なる基の高分子化合物に与える影響が分かることから、さらにその特性を利用することにより、駆動電圧の低減、効率の向上に効果的に寄与することができ、又、官能基置換工程によりその特性を改良することができるので、実際の応用価値を大幅に向上させることによって、導電性デバイスにおけるホール輸送材料として使用可能となる。
【0032】
本発明に用いられるポリインドールは、その製造プロセスが簡単であると共に、大量生産が可能であり、更に高ガラス転移温度及び高熱安定性を有するので、優れた正極材を製造することができる。
【0033】
以下、導電性高分子であるポリインドール(正極材料)を、酸化重合反応により製造する工程を説明する。
ステップ1は、インドールを出発原料にして、塩化鉄と遊離基重合反応を行ってポリインドールを形成した後、硝酸/硫酸と硝化反応を行って電子を吸引する基を導入し、電子を吸引する基、例えば、ニトロ基、スルホン基、シアナト基などをもつポリインドールを形成する。
ステップ2は、インドール側鎖の2位、5位の位置にニトロ基又はシアナト基が導入されたインドールを出発原料にして、塩化鉄と遊離基重合反応を行ってポリインドールを形成する。
ステップ3は、アニリン(負極材料)を出発材料にして、ペルオキソ二硫酸アンモニウムと遊離基重合反応を行い、ポリアニリン(polyaniline)を形成する。
【0034】
本発明のポリマー電池の正負極及び電解質は、ポリマーにより製造することができ、該正負極材料は、真性導電率を有するポリマーを主成分とすると共に、該正負極及び電解質は何れも正負極及び電解質におけるイオン間相互作用を活性化させるように、ポリマー内に塩類が混合されてイオン間の錯体を形成させる。これにより、ポリマー及び塩類中の正イオン間の錯体により、電池の充放電性能が向上される。
【0035】
その充放電は、塩類中の正イオン(水素イオン又は/及びリチウムイオン)が電場作用で高分子中を移動することによるものである。従って、正イオンが高分子中を移動して吸着・脱着できるようにするために、導電性高分子は、以下のことが必要となる。(1)正イオン(例えば、水素イオン、リチウムイオン等)と配位結合させるために、その分子鎖に、共有電子対を有する原子(例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子など)を持たせ、これにより、正イオン(例えば水素イオン、リチウムイオン)と高分子との間に配位結合を形成できるので、正イオンと高分子との結合力を向上できると共に、塩類の正負イオンの分散力を向上できる。(2)イオンの移動特性を向上させるために、高分子のガラス転移温度を低くさせる。
【0036】
本発明のポリマー電池における、真性導電率を有するポリマーを主成分とする正負極は、イオンを吸蔵する機能を持っていなければならず、そのイオンの移動特性は、高分子電解質と同様であるので、高分子電解質におけるイオン移動を説明する。
【0037】
現在、高分子電解質には、固体高分子電解質、ゲル高分子電解質、導電性無機物が添加された複合高分子電解質の三種類があり、その最大差異は導電性、及び寸法安定性である。
【0038】
前記固体高分子電解質について、その正イオンは駆動電圧で駆動して高分子鎖に沿って移動し、高分子の主鎖上における極性基の非共有電子対と結合して錯体を形成する。この時、高分子鎖は可撓性を有するので、高分子電解質体の両端に電圧を加えれば、高分子鎖の結合作用によりリチウムイオンの移動を促すため、高分子電解質がイオン導電性を有するようになる。しかし、通常高分子は部分結晶性を持っているので、可撓性が不足して充放電容量が低下してしまう。故に、高充放電効率を達成するためには、作業温度を高くしなければならない。
【0039】
又、ゲル高分子電解質は、固体電解質の導電性不足を改善するために開発されたものであり、可塑剤(例えば、低分子量の有機電解質やイオン溶液)を高分子電解質に加えることにより、高分子電解質の可撓性を高めてイオンの移動性を促進することができる。なお、このような電解質はゲル状であるので、通常はゲル電解質と称される。又、このような可塑剤は、塩類中の正イオンと錯体を形成するので、塩類の解離度を向上させて電荷担体の濃度が増えると共に、一部の正イオンを高分子鎖から脱着させて、可塑剤の移動によりイオンの移動性を高めることができる。
従って、イオンの輸送は、このような電解質中の高分子鎖及び可塑剤の移動の他に、可塑剤と正イオンとの錯体形成程度にも影響される。
【0040】
現在は、この電解質の導電性の利用が可能となり、且つこのゲル電解質は液体ではないことから、液漏れの問題を解決できるので、安全性を確保することができる。但し、電解質には大量の溶剤が含まれているので、電解液の液漏れが発生すると、導電度の低下を引き起こしてしまう。又、その寸法安定性及び機械的性質は固体電解質に比べて劣るので、充放電容量を低下させ電池のサイクル寿命を低下させてしまう。
【0041】
また、複合高分子電解質は、前記二種類の電解質の欠点を解決できるものであり、酸化ジルコニウムやチタニア、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素などの使用により、機械的性質を高めることができると共に、高分子の結晶度を低下させてその導電性を向上させることができる。
さらに、前記複合高分子電解質にセラミックス粒子を含有すれば、導電性、電気化学安定性、機械的性質、及び正イオンの移動性を向上させる効果が得られることが判っており、又、本発明においてナノ技術を用いることにより、電池のイオン導電性を高めて電子の電極面での反応を低減することが可能となったことから、現在では実用化されている。
【0042】
更に、前記導電性を向上するために、本発明のポリマー電池における正負極を構成する真性導電率を有するポリマーに塩類を配合すると共に、マイクロサイズ、更にナノサイズのカーボンブラック、グラファイトウイスカー、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は他の導電性セラミックス粒子を添加することにより、実用化を可能とした。
【0043】
本発明においては、導電性高分子鎖における窒素や酸素、硫黄原子による水素イオン吸着特性を活用することにより、正負極の間において水素イオンが移動するようにして、充放電流を形成する。若し有機溶剤、ゲル電解質、又は固体電解質である有機電解質を使用する場合には、有機材料の分子鎖を構成する物質として、例えば、酸素、窒素、硫黄などの共有電子対を有する原子を含有するものを選択しなければならない。
尚、それらの原子によれば、有機分子と正イオンの間に配位結合を形成して、正イオンと有機分子の間の結合力を向上し、塩類中の正負イオンの引力を低減させることができるので、高充放電容量及び高速充放電を達成することができる。
【0044】
本発明の電解液の最適濃度を得るために有機電解質を採用する場合には、正負極に有機酸が配合されているので、充放電においてプロトンを充分に拡散させる必要があると共に、ドーピングされた導電性高分子の活性、及び安定性を確保するために、ドーピング時及び組立て時の濃度を厳密に制御する必要がある。
【0045】
又、電池内部の導電性を高め、電池内部抵抗及び抵抗分極を低減させ、充放電容量及び可逆性を向上させるために、本発明においては、マイクロメータサイズ、更にナノサイズの導電性炭素材料に、例えば、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブなどを用いることにより、放電能力及び安定性を大幅に向上させたので、電圧が4.2ボルトから3.0ボルトまで低下する間に、電池容量の80%を取り出せるようになった。
【0046】
以下、本発明の40%(5.3モル)の硫酸が配合された電池を例に、本発明の電池の放電特性を説明する。
【0047】
酸性媒質(硫酸)中におけるポリインドールのI-Vカーブは、次の二つの特性を有する。(1)0〜0.9ボルトの間に、不安定な不可逆ピークを二つ有するが、数回のサイクル後、安定する。(2)1.05ボルトの位置に、非常に安定した可逆ピークを1つ有する。
【0048】
酸性媒質中におけるポリニトロインドールのI-Vカーブは、以下の特性を有する。即ち、1.15ボルトの位置に可逆ピークを有し、0〜0.9ボルトの間に不可逆ピークを有しない。又、可逆ピークの電位は、0.1ボルト増加した。これは、ポリニトロインドールでインドールにおける窒素原子の電子吸引能力が向上されたので、このシステムの作業電圧が高くなるからである。
【0049】
また、ポリニトロインドールに係る充放電サイクルについては、I-Vカーブにおいて0〜0.8ボルトの範囲でポリニトロインドールと、ドーピングされたイオンとの反応が可逆反応であり、且つポリニトロインドールの酸化還元反応が終了した時の、プロトン吸脱着に伴う可逆過程は、そのI-Vカーブにおいて0.9〜1.2ボルトの範囲にある。
【0050】
前記過程において、プロトン吸脱着反応が進行しており、且つドーピングされた対イオンの中では、プロトンの体積が最小であることから、そのシステムの反応過程が非常に安定しているので、電池正極に用いれば、使用寿命を長くすることができる。又、プロトン二次電池正極が、導電性高分子であるポリニトロインドール、導電性微細粉末(マイクロメータサイズ、更にナノサイズのカーボンブラック、グラファイトウイスカー、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ)、及び無機プロトン酸、有機プロトン酸、コロイドであるプロトン酸からなる場合、プロトン酸がドーピングされたポリニトロインドールのpHは、3未満でなければならず、又、充放電反応機構は、以下の通りとなる。
(1)0〜0.9ボルト(銀/塩化銀電極に対し)において、ドーピングされた負イオンがポリニトロインドールに吸着・脱着することによる充放電時の可逆反応については、以下の化学反応式で表すことができる。


(2)0.9〜1.2ボルト(銀/塩化銀電極に対し)において、プロトン吸脱着によるポリニトロインドールの酸化還元反応による充放電時の可逆反応については、以下の化学反応式で表すことができる。

【0051】
前記説明からも分かるように、0.9〜1.2ボルトにおいてプロトン二次電池の充放電は主に、プロトン吸脱着によるものであるので、高速充放電が可能であると共に、一万回以上(充放電は、電池容量の60%を維持する条件で行われる)の高いサイクル寿命を達成できる。
【0052】
ポリアニリン(polyaniline)に40%(5.3モルの硫酸)のプロトン酸をドーピングして、酸化還元反応を起こすと同時に、プロトン吸脱着の可逆過程を起こした時の反応電位は、−0.2〜0.4ボルトであり、その特性は非常に安定しているので、電池負極として適用できる。また、プロトン酸電解液におけるポリアニリン(polyaniline)の可逆反応については、以下の化学反応式で表すことができる。

【0053】
前記両電極材料による二次電池は、酸化還元反応が可逆的に進行することが可能であり、且つ図2に示すI-Vカーブのように、両電極の間に電流を形成することができるので、エネルギー吸蔵・放出の使用目的を達成することができる。
又、前記導電性高分子の分子鎖における窒素が水素イオンを吸着する特性により、正負極の間において水素イオンを移動させることができれば、水素イオンは、体積が小さく、質量が軽く、移動速度が速いので、反応の際に、電極構造に大きな影響を与えることはなく、電極材料も破壊することがない。従って、リチウム電池に比べれば、本発明による二次電池は安全性及び安定性が高いので、現在受けている要求を満たすことができる。
【0054】
本発明においては、電池材料の含有量が電池容量に与える影響について、正極では所定量に、負極では過剰量にするように設計され、負極における過剰量は正極における含有量の10〜15%となっているので、最高単位質量当たりの比容量及び最高単位質量当たりの比容量を得るには、正極におけるポリニトロインドールの最適含有量を75〜80%にすれば、100 mAh/gの放電容量が得られることになる(電解質にプロトン酸電解液を使用する)。
【0055】
また、本発明の電解液の最適濃度を得るために、プロトン酸電解液を電解質に使用する場合には、正負極に硫酸がドーピングされるので、充放電においてプロトンを充分に拡散させると共に、ドーピングされた導電性高分子の活性、及び安定性を確保するために、硫酸ドーピング時及び組立て時の濃度を厳密に制御する必要がある。
【実施例】
【0056】
以下、実施例により本発明の説明を行うが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0057】
実施例1:ニトロ化ポリインドールの合成
工程1:ポリインドールの合成


実験の流れ:200gのインドールを出発原料として溶媒に加え、1.5〜2リットルの1M溶液を製造する。
ステップ1)まず、反応温度を−5〜15℃(氷浴)に下げて所定量の塩化鉄(1.5eq)を反応瓶内に加えた後、塩化鉄を溶解するために0.1〜2リットルのクロロホルムを加えて約5〜25分かき混ぜる。
ステップ2)塩化鉄/クロロホルム溶液中に、所定量のインドール(1eq、200g)をバッチ方式で約1時間をかけて投入する。尚、その過程において、インドールが反応瓶の壁に吸着することを防止するために、インドールを加えると同時に、溶媒(クロロホルム)を加える必要がある。又、インドールと塩化鉄の反応は激しいので、最初に反応温度を約−5〜15℃に制御しなければならない。
ステップ3)反応瓶に窒素ガスを通し、約1〜3時間毎に氷を加える。また、反応時間である2〜10時間の間−5〜15℃に維持して、その後、自然に室温まで戻らせる。
ステップ4)生成物を収集する時には、まず溶媒(クロロホルム)をろ過してろ過ケーキを得て、1〜3リットルの水で該ろ過ケーキを洗浄する。この時、放熱反応により生成物が飛び散ることを防止するために、氷浴を用意する必要がある。そして、生成物と水との反応が激しくなくなった時には、バッチ方式で生成物をろ過して水で数回洗浄する。
ステップ5)最後に、真空オーブンに生成物を放置して60〜100℃で乾燥を行う。
【0058】
工程2:ポリインドールの硝化反応


実験の流れ:200gのインドールを出発原料として溶媒に加え、約1.5〜2リットルとする。
ステップ1)まず、反応温度を−5〜15℃(氷浴)に下げて、所定量の無水酢酸(1〜6eq:522グラム)を反応瓶内に加えた後、漏斗で反応瓶内に所定量の硝酸(1.5eq:230グラム)を徐々に(1〜10秒に1滴程度)滴下して約15〜20分かき混ぜる。
ステップ2)バッチ方式で、用意したインドールを、無水酢酸/硝酸溶液を有する反応瓶内に徐々に(約0.5〜5時間かけて)投入する。又、インドールと無水酢酸/硝酸溶液の反応は激しいので、最初に反応温度を約−5〜150〜5℃に制御する必要がある。
ステップ3)反応過程において、全部のポリインドールが反応瓶内に入るまで温度を−5〜15℃に制御し、約10〜30分毎に砕氷の塊を加えて、約15〜20分かき混ぜる。
ステップ4)生成物を収集する時には、まず、溶媒(クロロホルム)をろ過してろ過ケーキを得て、1リットルの水で該ろ過ケーキを洗浄する。この時、放熱反応により生成物が飛び散ることを防止するために、氷浴を用意する必要がある。生成物と水の反応が激しくなくなった時は、バッチ方式で生成物をろ過して、無色透明になるまで洗浄する。
ステップ5)最後に、室温で生成物を48時間乾燥させ。真空オーブンに放置して60〜100℃で1〜5日乾燥を行う。
【0059】
実施例2:ポリ−5−ニトロインドールの合成


実験の流れ:250gの5−ニトロインドールを出発原料として溶媒に加え、1.5〜2リットルの1M溶液を製造する。
ステップ1)まず、反応温度を−5〜15℃(氷浴)に下げて所定量の塩化鉄(1〜6eq)を反応瓶内に加えた後、塩化鉄を溶解するように0.5リットルのクロロホルムを加え、約10〜15分かき混ぜる。
ステップ2)塩化鉄/クロロホルム溶液中に、所定量の5−ニトロインドール(1eq、200g)をバッチ方式で(約0.5〜5時間かけて)投入する。尚、その過程中において、5−ニトロインドールがフラスコの壁に吸着することを防止するために、5−ニトロインドールを加えると同時に、溶媒(クロロホルム)を加える必要がある。
ステップ3)反応瓶に窒素ガスを通す必要があり、約2時間毎に氷を加える。また、反応時間である6時間−5〜15℃に維持して、自然に室温まで戻らせる。
ステップ4)生成物を収集する時には、まず溶媒(クロロホルム)をろ過してろ過ケーキを得て、1〜4リットルの水で該ろ過ケーキを洗浄する。この時、放熱反応により生成物が飛び散ることを防止するために、氷浴を用意する必要がある。また、生成物と水との反応が激しくなくなった時は、バッチ方式で生成物をろ過して水で数回洗浄する。
ステップ5)最後に、真空オーブンに生成物を放置して60〜100℃で乾燥を行う。
【0060】
実施例3:ポリアニリンの合成


実験の流れ:
ステップ1)過硫酸アモニウム(11.5グラム)を塩酸(HCl)溶液(1M、200ミリリットル)に加えて、氷浴で温度を約1℃に下げる。
ステップ2)アニリン(aniline)(20ミリリットル)を塩酸(HCl)溶液(1M、300ミリリットル)に加えて、氷浴で温度を約1℃に下げる。
ステップ3)アニリン(aniline)と塩酸(HCl)の混合溶液を約750ミリリットルの反応瓶内に入れ、次いで過硫酸アモニウムと塩酸(HCl)の混合溶液をフラスコ内に徐々に(約1分かけて)滴下した後、約1.5時間かき混ぜる。
ステップ4)生成物を収集する時には、漏斗でろ過して濃緑色の沈殿物を得て、次いで、そのろ液が無色になるまで塩酸(HCl)(1M)で生成物を洗浄する。
ステップ5)洗浄した後、アンモニア(0.1M、500ミリリットル)でドーパントを除去してポリアニリン(polyaniline、PAN)粉末を得る。
【0061】
実施例4:本発明に係るプロトン二次電池に用いる、ポリインドール/ポリアニリンである活性電極材料、及びその製造技術(硫酸で正負極を活性化させる)。
1%〜40%の比率で、ポリ−5−ニトロインドール又はニトロ化ポリインドールである導電性高分子とカーボンブラックとを均一に混合した後、溶剤を加えてかき混ぜる。次いで、真空下で乾燥を行い、粉末にして篩いにかけ、その後、0.2M〜5Mの電解質である硫酸を加えてペースト状に調製し、集電メッシュに均一に塗布して、過剰な電解質である硫酸を除去して正極材を得る。
又、ポリアニリンと、マイクロメータサイズのカーボンブラック(好ましくは、ナノサイズのカーボンブラックズ)、グラファイトウイスカー、炭素ナノ繊維、又はカーボンナノチューブとを、ポリアニリンの割合が1質量%〜40質量%となるように均一に混合した後、溶剤を加えてかき混ぜる。次いで、真空下で乾燥を行い、粉末にして篩いにかけ、その後、0.2M〜5Mの電解質である硫酸を加えてペースト状に調製し、集電メッシュに均一に塗布して、過剰な電解質である硫酸を除去して負極材を得る。
【0062】
更に、セパレタとしては、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(poly(ether sulfone))、又はフッ素含有樹脂からなる、微細孔を有するものを用い、正負電極及び電解液には同濃度の電解質である硫酸を使用する。また、組立の時には、正極では所定量に、負極では過剰量となるように各部分の電解液量を制御する。尚、プロトン二次電池の各部分の組立ての詳細は、図3のフローチャートに示されている。
【0063】
本実施例の説明からも分かるように、本発明の電池が1つの場合(例えば、体積が1.5cm×5.0cm×1.0cm)、その重量は、13.5グラムであり、電池容量は500mAhであり、電池電圧は1.25ボルトである。
【0064】
実施例5:本発明に係るプロトン二次電池に用いられる、ポリニトロインドール、又はニトロ化ポリインドール/ポリアニリンからなる活性電極材料、及びその製造技術(有機酸で正負極を活性化させる)
ポリ−5−ニトロインドール又はニトロ化ポリインドールからなる導電性高分子と、導電性炭素材料とを、導電性高分子の割合が1質量%〜40質量%となるように均一に混合した後、溶剤を加えてかき混ぜる。次いで、真空下で乾燥を行い、粉末にして篩いにかけ、その後、3〜5モルの有機酸を加えてペースト状に調製し、集電メッシュに均一に塗布して、過剰な電解質である有機酸を除去して正極材を得る。
又、ポリアニリンと、マイクロメータサイズのカーボンブラック(好ましくは、ナノサイズのカーボンブラック)、グラファイトウイスカー、炭素ナノ繊維、又はカーボンナノチューブとを、導電性高分子の割合が1質量%〜40質量%となるように均一に混合した後、溶剤を加えてかき混ぜる。次いで、真空下で乾燥を行い、粉末にして篩いにかけ、その後、0.2〜5モルの電解質である有機酸を加えてペースト状に調製し、集電メッシュに均一に塗布して、過剰な電解質である有機酸を除去して負極材を得る。
【0065】
更に、セパレタとしては、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなる、微細孔を有するものを用い、正負電極及び電解液には同濃度の有機電解質(炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、及びテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)など)を使用する。
本実施例の説明からも分かるように、本発明の電池が1つの場合(例えば、体積が3.5cm×5.5cm×0.8cm)、その重量は、100グラムであり、電池容量は1500mAhであり、電池電圧は4.5ボルトである。
【0066】
本発明の実施例5のポリマー二次電池の放電性能については、図4に示すように、本発明の重量が1.2グラムである電池は、放電電流が100〜1000mA、電圧が3.5〜4.2ボルトである場合、その単位質量当たりの比容量は約200〜250mAh/gとなる。以下、本発明の実施例4、5の電池、リチウム電池、及び鉛蓄電池の特性を表に示す。

【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ポリニトロインドールからなる正極材の負イオン吸着力、及び導電性を向上させることにより、二次電池の放電効率を向上させるものであり、好ましい有機電解質溶媒を使用することにより、プロトン二次電池の作業電圧を3ボルト以上と高くすると共に、その単位質量当たりの比容量及び単位質量当たりの比容量を向上させることができる。
前記実施例においては、活性正負電極としてポリニトロインドール/ポリアニリンを使用し、更にマイクロメータサイズ、又はナノサイズのカーボンブラック、カーボンナノチューブを添加する。又、電解液としては、プロトン酸水溶液又は酸性有機電解液などを用い、後者によるプロトン二次電池は、その起電力が4ボルト以上、サイクル寿命が10万回以上と高くなり、又、充放電において起動力の変化が約3.5〜4ボルトの範囲である場合、その充放電容量は90%以上で、単位質量当たりの比容量は240mAh/gとなる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施例による二次電池システムを示す図である。
【図2】本発明の実施例による、硫酸水溶液電解質を含有した電池の電流−電圧特性図である。
【図3】本発明の実施例に係るフローチャートである。
【図4】本発明の実施例における、有機電解質電池の各放電電流のエネルギーグラフである。
【符号の説明】
【0069】
1 外部シール部材
2 正極材
3 負極材
4 セパレタ
5 電解液
6 正極集電器
7 負極集電器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、又はポリインドール(polyindole)から選ばれる、窒素を含む導電性高分子と、導電性炭素材料とが配合されてなるものを、0.2M〜5Mの水素イオン含有酸性電解液により活性化させたものであり、該導電性炭素材料の重量が、前記配合された材料の総重量の1%〜40%であることを特徴とするプラスチック電極材料。
【請求項2】
前記ポリインドールが、ニトロ基含有ポリインドール、シアノ基含有ポリインドール、ハロゲン基含有ポリインドール、ホウ酸基含有ポリインドール、リン酸基含有ポリインドール、スルホン基含有ポリインドール、シアナト基含有ポリインドール、又はイソシアナト基含有ポリインドールであることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック電極材料。
【請求項3】
前記ポリインドールが、ニトロ基含有ポリインドールであることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック電極材料。
【請求項4】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項3に記載のプラスチック電極材料。
【請求項5】
前記酸性電解液に硫酸を含むことを特徴とする請求項4に記載のプラスチック電極材料。
【請求項6】
前記酸性電解液に酸性有機電解液を含むことを特徴とする請求項4に記載のプラスチック電極材料。
【請求項7】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項2に記載のプラスチック電極材料。
【請求項8】
前記酸性電解液に硫酸を含むことを特徴とする請求項7に記載のプラスチック電極材料。
【請求項9】
前記酸性電解液に酸性有機電解液を含むことを特徴とする請求項7に記載のプラスチック電極材料。
【請求項10】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項1に記載のプラスチック電極材料。
【請求項11】
前記酸性電解液に硫酸を含むことを特徴とする請求項10に記載のプラスチック電極材料。
【請求項12】
前記酸性電解液に酸性有機電解液を含むことを特徴とする請求項10に記載のプラスチック電極材料。
【請求項13】
ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、又はポリインドール(polyindole)から選ばれる、窒素を含む導電性高分子と、導電性炭素材料とが配合されてなるものを、0.2M〜5Mの水素イオン含有酸性電解液により該配合された材料を活性化させたものであり、該導電性炭素材料の重量が、前記配合された材料の総重量の1%〜40%である正極材を用いることを特徴とする二次電池。
【請求項14】
前記ポリインドールが、ニトロ基含有ポリインドール、シアノ基含有ポリインドール、ハロゲン基含有ポリインドール、ホウ酸基含有ポリインドール、リン酸基含有ポリインドール、スルホン基含有ポリインドール、シアナト基含有ポリインドール、又はイソシアナト基含有ポリインドールであることを特徴とする請求項13に記載の二次電池。
【請求項15】
前記ポリインドールが、ニトロ基含有ポリインドールであることを特徴とする請求項14に記載のプラスチック電極材料。
【請求項16】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項15に記載のプラスチック電極材料。
【請求項17】
前記酸性電解液に硫酸を含むことを特徴とする請求項16に記載のプラスチック電極材料。
【請求項18】
前記酸性電解液に酸性有機電解液を含むことを特徴とする請求項16に記載のプラスチック電極材料。
【請求項19】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項18に記載の二次電池。
【請求項20】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項14に記載のプラスチック電極材料。
【請求項21】
前記酸性電解液に硫酸を含むことを特徴とする請求項20に記載のプラスチック電極材料。
【請求項22】
前記酸性電解液に酸性有機電解液を含むことを特徴とする請求項20に記載のプラスチック電極材料。
【請求項23】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項22に記載の二次電池。
【請求項24】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項13に記載のプラスチック電極材料。
【請求項25】
前記酸性電解液に硫酸を含むことを特徴とする請求項24に記載のプラスチック電極材料。
【請求項26】
前記酸性電解液に酸性有機電解液を含むことを特徴とする請求項24に記載のプラスチック電極材料。
【請求項27】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項22に記載の二次電池。
【請求項28】
ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、又はポリインドール(polyindole)である窒素を含む導電性高分子と、導電性炭素材料とが配合されてなるものを、0.2M〜5Mの水素イオン含有酸性電解液により該配合された材料を活性化させ、該導電性炭素材料の重量が、前記配合された材料の総重量の1%〜40%である正極材と、
ポリフェニルビニレン、ポリフラン、多硫化物、ポリチェニレン、ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、又はポリインドール(polyindole)から選ばれる導電性高分子と、導電性炭素材料とが配合されてなるものを、0.2M〜5Mの水素イオン含有酸性電解液により活性化させたものであり、該導電性炭素材料の重量が、前記配合された材料の総重量の1%〜40%である負極材と、
正極材、負極材を隔離するセパレタと、
前記正極材と負極材との間に存在し、硫酸水溶液又は酸性有機電解液を含む電解液と、
前記正極材に接触する正極集電器と、
前記負極材に接触する負極集電器とを備えることを特徴とする二次電池。
【請求項29】
前記正極材におけるポリインドールが、ニトロ基含有ポリインドール、シアノ基含有ポリインドール、ハロゲン基含有ポリインドール、ホウ酸基含有ポリインドール、リン酸基含有ポリインドール、スルホン基含有ポリインドール、シアナト基含有ポリインドール、又はイソシアナト基含有ポリインドールであることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項30】
前記負極材における導電性高分子が、ポリキノリン(polyquinoline)、ポリフェニルキノキサリン(polyphenylquinoxaline)、ポリカルバゾール(polycarbazole)、ポリピリジン(polypyridine)、ポリピロール(polypyrrole)、ポリアニリン(polyaniline)、又はポリインドール(polyindole)であることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項31】
前記正極材における窒素を含む導電性高分子が、ニトロ基含有ポリインドールであることを特徴とする請求項29に記載の二次電池。
【請求項32】
前記負極材における導電性高分子が、ポリアニリン(polyaniline)であることを特徴とする請求項31に記載の二次電池。
【請求項33】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項32に記載の二次電池。
【請求項34】
前記セパレタは、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなり、その微細孔サイズが50μm未満であることを特徴とする請求項33に記載の二次電池。
【請求項35】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項34に記載の二次電池。
【請求項36】
前記電解液にナノ無機粒子を含むことを特徴とする請求項21に記載の二次電池。
【請求項37】
前記ナノ無機粒子が、ナノ二酸化チタン、ナノシリカ、又はナノフラーレンからなることを特徴とする請求項36に記載の二次電池。
【請求項38】
前記正、負極集電器が、金属メッシュ/金属箔又は導電性炭素材料から構成されるものであることを特徴とする請求項37に記載の二次電池。
【請求項39】
前記金属メッシュ/金属箔が、金めっき銅メッシュ/金めっき銅箔、金めっきアルミニウムメッシュ/金めっきアルミニウム箔、銅メッシュ/銅箔、又はアルミニウムメッシュ/アルミニウム箔であることを特徴とする請求項38に記載の二次電池。
【請求項40】
前記正、負極集電器を構成する導電性炭素材料が、炭素繊維布/炭素不織布、ナノ炭素繊維布/ナノ炭素不織布、又はグラファイトウイスカー繊維布/グラファイトウイスカー不織布であることを特徴とする請求項24に記載の二次電池。
【請求項41】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項39に記載の二次電池。
【請求項42】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項40に記載の二次電池。
【請求項43】
前記セパレタは、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなり、その微細孔サイズが50μm未満であることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項44】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項45】
前記電解液にナノ無機粒子を含むことを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項46】
前記正、負極集電器が、金属メッシュ/金属箔又は導電性炭素材料から構成されるものであることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項47】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項48】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項31に記載の二次電池。
【請求項49】
前記セパレタは、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなり、その微細孔サイズが50μm未満であることを特徴とする請求項48に記載の二次電池。
【請求項50】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項49に記載の二次電池。
【請求項51】
前記電解液にナノ無機粒子を含むことを特徴とする請求項50に記載の二次電池。
【請求項52】
前記ナノ無機粒子が、ナノ二酸化チタン、ナノシリカ、又はナノフラーレンからなることを特徴とする請求項51に記載の二次電池。
【請求項53】
前記正、負極集電器が、金属メッシュ/金属箔又は導電性炭素材料から構成されるものであることを特徴とする請求項52に記載の二次電池。
【請求項54】
前記金属メッシュ/金属箔が、金めっき銅メッシュ/金めっき銅箔、金めっきアルミニウムメッシュ/金めっきアルミニウム箔、銅メッシュ/銅箔、又はアルミニウムメッシュ/アルミニウム箔であることを特徴とする請求項53に記載の二次電池。
【請求項55】
前記正、負極集電器を構成する導電性炭素材料が、炭素繊維布/炭素不織布、ナノ炭素繊維布/ナノ炭素不織布、又はグラファイトウイスカー繊維布/グラファイトウイスカー不織布であることを特徴とする請求項53に記載の二次電池。
【請求項56】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項54に記載の二次電池。
【請求項57】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項55に記載の二次電池。
【請求項58】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項30に記載の二次電池。
【請求項59】
前記セパレタは、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなり、その微細孔サイズが50μm未満であることを特徴とする請求項58に記載の二次電池。
【請求項60】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項59に記載の二次電池。
【請求項61】
前記電解液にナノ無機粒子を含むことを特徴とする請求項60に記載の二次電池。
【請求項62】
前記ナノ無機粒子が、ナノ二酸化チタン、ナノシリカ、又はナノフラーレンからなることを特徴とする請求項61に記載の二次電池。
【請求項63】
前記正、負極集電器が、金属メッシュ/金属箔又は導電性炭素材料から構成されるものであることを特徴とする請求項62に記載の二次電池。
【請求項64】
前記金属メッシュ/金属箔が、金めっき銅メッシュ/金めっき銅箔、金めっきアルミニウムメッシュ/金めっきアルミニウム箔、銅メッシュ/銅箔、又はアルミニウムメッシュ/アルミニウム箔であることを特徴とする請求項63に記載の二次電池。
【請求項65】
前記正、負極集電器を構成する導電性炭素材料が、炭素繊維布/炭素不織布、ナノ炭素繊維布/ナノ炭素不織布、又はグラファイトウイスカー繊維布/グラファイトウイスカー不織布であることを特徴とする請求項63に記載の二次電池。
【請求項66】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項64に記載の二次電池。
【請求項67】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項65に記載の二次電池。
【請求項68】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項29に記載の二次電池。
【請求項69】
前記セパレタは、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなり、その微細孔サイズが50μm未満であることを特徴とする請求項68に記載の二次電池。
【請求項70】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項69に記載の二次電池。
【請求項71】
前記電解液にナノ無機粒子を含むことを特徴とする請求項70に記載の二次電池。
【請求項72】
前記ナノ無機粒子が、ナノ二酸化チタン、ナノシリカ、又はナノフラーレンからなることを特徴とする請求項71に記載の二次電池。
【請求項73】
前記正、負極集電器が、金属メッシュ/金属箔又は導電性炭素材料から構成されるものであることを特徴とする請求項72に記載の二次電池。
【請求項74】
前記金属メッシュ/金属箔が、金めっき銅メッシュ/金めっき銅箔、金めっきアルミニウムメッシュ/金めっきアルミニウム箔、銅メッシュ/銅箔、又はアルミニウムメッシュ/アルミニウム箔であることを特徴とする請求項73に記載の二次電池。
【請求項75】
前記正、負極集電器を構成する導電性炭素材料が、炭素繊維布/炭素不織布、ナノ炭素繊維布/ナノ炭素不織布、又はグラファイトウイスカー繊維布/グラファイトウイスカー不織布であることを特徴とする請求項73に記載の二次電池。
【請求項76】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項74に記載の二次電池。
【請求項77】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項75に記載の二次電池。
【請求項78】
前記導電性炭素材料が、カーボンブラック、グラファイトウイスカー、非晶質炭素、活性炭、メソ多孔性炭素、多孔質炭素繊維、炭素ナノ繊維、カーボンナノチューブ、又は炭素繊維であり、その粒径が10μm未満であることを特徴とする請求項28に記載の二次電池。
【請求項79】
前記セパレタは、ポリプロピレンの多孔質膜、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合膜、ナイロン、PES(polyethersulfone)、又はフッ素含有樹脂からなり、その微細孔サイズが50μm未満であることを特徴とする請求項78に記載の二次電池。
【請求項80】
前記酸性有機電解液が、炭酸プロピル系、炭酸エチル系、リン酸モノアモリウム、過塩素酸リチウム、ジメチルホルムアミド(DMF)、又は、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボーレイト(TEATFB)であることを特徴とする請求項79に記載の二次電池。
【請求項81】
前記電解液にナノ無機粒子を含むことを特徴とする請求項80に記載の二次電池。
【請求項82】
前記ナノ無機粒子が、ナノ二酸化チタン、ナノシリカ、又はナノフラーレンからなることを特徴とする請求項81に記載の二次電池。
【請求項83】
前記正、負極集電器が、金属メッシュ/金属箔又は導電性炭素材料から構成されるものであることを特徴とする請求項82に記載の二次電池。
【請求項84】
前記金属メッシュ/金属箔が、金めっき銅メッシュ/金めっき銅箔、金めっきアルミニウムメッシュ/金めっきアルミニウム箔、銅メッシュ/銅箔、又はアルミニウムメッシュ/アルミニウム箔であることを特徴とする請求項83に記載の二次電池。
【請求項85】
前記正、負極集電器を構成する導電性炭素材料が、炭素繊維布/炭素不織布、ナノ炭素繊維布/ナノ炭素不織布、又はグラファイトウイスカー繊維布/グラファイトウイスカー不織布であることを特徴とする請求項83に記載の二次電池。
【請求項86】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項84に記載の二次電池。
【請求項87】
金属、プラスチック、又は金属/プラスチック複合材からなり、正極材と負極材とをシールするための外部シール部材をさらに含むことを特徴とする請求項85に記載の二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−102866(P2010−102866A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271506(P2008−271506)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(508316287)銀旺科技股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】