説明

プラスチック面を有する外科用器具

【課題】組織を捕捉またはクランプ留めするために用いられるツールアセンブリの閉鎖部材とツールアセンブリの接触面との間に存在する大きな摩擦力を低減する外科用器具を提供する。
【解決手段】ハンドル部分510;ハンドル部分510から遠位方向に延び、第1の長軸方向軸を規定する本体部分512;ハンドル部分510上に配置され、駆動部材と機械的協動にある移動可能なハンドル;アンビル、カートリッジアセンブリ18および接触面を有するツールアセンブリ17;その近位端に隣接して配置された近位係合部分を有し、駆動部材の一部分を係合するような形態である駆動ビーム;駆動ビームの遠位端に隣接して配置され、それによって移動可能なハンドルの少なくとも部分的な作動が閉鎖装置を遠位方向に接触面との係合に移動し、アンビルとカートリッジアセンブリ18とを接近させる閉鎖装置、を備える、外科用器具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(技術分野)
本開示は、その上にプラスチック面を含む外科用器具および使い捨て可能な装填ユニットに関する。より詳細には、本開示は、ツールアセンブリの閉鎖装置および接触面の少なくとも1つの上にプラスチック面を含む外科用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
組織が、最初、対向する顎構造の間に握られ、またはクランプ留めされ、そして、次に、外科用ファスナーによって接続される外科用デバイスは、当該技術分野で周知である。いくつかの実施形態では、ファスナーによって連結された組織を切断するためにナイフが提供される。これらのファスナーは、代表的には、外科用ステープラーの形態であるが、2つのパーツのポリマーファスナーがまた利用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この目的のための器具は、組織を捕捉またはクランプ留めするために各々用いられる2つの細長い部材を含み得る。代表的には、これら部材の一方は、少なくとも2つの側方の列で整列された複数のステープルを収容するステープルカートリッジを保持し、その一方で、他方の部材は、これらステープルがステープルカートリッジから駆動されるときステープル脚を形成するための面を規定するアンビルを有する。いくつかの器具では、上記2つの細長い部材、またはツールアセンブリの閉鎖は、その上に閉鎖装置を有する駆動ビームをツールアセンブリの接触面中に移動し、それ故、上記ツールアセンブリの部材を接近する移動可能なハンドルの作動によって行われる。大きな摩擦力が、上記ツールアセンブリの閉鎖部材と接触面との間に存在し得、それ故、上記移動可能なハンドルに付与されるべき比較的大きな量の力が潜在的に必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(要旨)
本開示は、ハンドル部分と、本体部分と、移動可能なハンドルと、ツールアセンブリと、駆動ビームと、そして閉鎖装置とを含む外科用器具に関し、ここで、上記閉鎖装置および上記ツールアセンブリの接触面の少なくとも1つは、プラスチック面を含む。上記本体部分は、上記ハンドル部分から遠位方向に延び、そして第1の長軸方向軸を規定する。上記移動可能なハンドルは、上記ハンドル部分上に配置され、そして駆動部材と機械的協動にある。上記ツールアセンブリは、上記本体部分の遠位端に隣接して支持され、そしてアンビル、カートリッジアセンブリおよび接触面を含む。上記駆動ビームは、その近位端に隣接して配置された近位係合部分を含み、そして駆動部材の一部分を係合するような形態である。上記閉鎖装置は、上記駆動ビームの遠位端に隣接して位置され、そして上記ツールアセンブリの接触面を係合するような形態であり、そして開示された実施形態では、切断面を含む。上記移動可能なハンドルの少なくとも部分的な作動が、上記閉鎖装置を遠位方向に上記接触面との係合に移動し、上記アンビルと上記カートリッジアセンブリとを接近する。
【0005】
1つの実施形態では、上記閉鎖装置は、上記閉鎖装置の一部部分、例えば、水平面を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つのプラスチックキャップを含む。上記閉鎖装置の少なくとも一部分は、プラスチックから作製され得るか、またはプラスチックでオーバーモールドされる。
【0006】
開示される実施形態では、上記駆動ビームは、複数の層を含む。上記閉鎖装置は、I形状断面を有することがまた開示される。
【0007】
1つの実施形態では、上記ツールアセンブリは第2の長軸方向軸を規定し、そしてこの第2の長軸方向軸が上記第1の長軸方向軸と実質的に整列される第1の位置から、この第2の長軸方向軸が上記第1の長軸方向軸と角度をなして配置される第2の位置まで移動可能である。この実施形態では、上記ツールアセンブリは、関節運動し得る。
【0008】
1つの実施形態では、上記閉鎖デバイスは、使い捨て装填ユニットの一部分(パーツ)である。本開示はまた、上記に記載のような、上記閉鎖装置および上記ツールアセンブリの特徴を含む使い捨て可能な装填ユニットに関する。
【0009】
本発明により、さらに以下が提供される。
(項目1)
外科用器具であって:
ハンドル部分と;
該ハンドル部分から遠位方向に延び、そして第1の長軸方向軸を規定する本体部分と;
該ハンドル部分上に配置され、そして駆動部材と機械的協動にある移動可能なハンドルと;
アンビル、カートリッジアセンブリおよび接触面を有するツールアセンブリであって、該本体部分の遠位端に隣接して支持されるツールアセンブリと;
その近位端に隣接して配置された近位係合部分を有し、そして駆動部材の一部分を係合するような形態である駆動ビームと;
該ツールアセンブリの接触面を係合するような形態である駆動ビームの遠位端に隣接して配置され、それによって該移動可能なハンドルの少なくとも部分的な作動が該閉鎖装置を遠位方向に該接触面との係合に移動し、該アンビルと該カートリッジアセンブリとを接近させる閉鎖装置と;を備え
ここで、該閉鎖装置および該接触面の少なくとも1つが、プラスチック面を含む、外科用器具。
(項目2)
前記閉鎖装置が、その一部分を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つのプラスチックキャップを含む、項目1に記載の外科用器具。
(項目3)
前記プラスチックキャップが、前記閉鎖装置の少なくとも1つの水平面を覆う、項目2に記載の外科用器具。
(項目4)
前記閉鎖装置の少なくとも一部分が、プラスチックから作製される、項目1に記載の外科用器具。
(項目5)
前記閉鎖装置の少なくとも一部分が、プラスチックでオーバーモールドされる、項目1に記載の外科用器具。
(項目6)
前記閉鎖装置が、その上に切断面を含む、項目1に記載の外科用器具。
(項目7)
前記接触面の少なくとも一部分および前記閉鎖装置の少なくとも一部分が、その上にプラスチック面を含む、項目1に記載の外科用器具。
(項目8)
前記駆動ビームが、複数の層を含む、項目1に記載の外科用器具。
(項目9)
前記閉鎖装置が、使い捨て可能な装填ユニットの一部分である、項目1に記載の外科用器具。
(項目10)
前記ツールアセンブリが第2の長軸方向軸を規定し、該ツールアセンブリが、該第2の長軸方向軸が前記第1の長軸方向軸と実質的に整列される第1の位置から、該第2の長軸方向軸が該第1の長軸方向軸と角度をなして配置される第2の位置まで移動可能である、項目1に記載の外科用器具。
(項目11)
前記閉鎖装置が、I形状断面を含む、項目1に記載の外科用器具。
(項目12)
使い捨て可能な装填ユニットであって:
その近位端に隣接して配置される近位係合部分を有し、第1の長軸方向軸を規定する駆動ビームと;
アンビル、カートリッジアセンブリおよび接触面を含むツールアセンブリであって、該駆動ビームの遠位方向に配置され、そして第2の長軸方向軸を規定するツールアセンブリと;
該ツールアセンブリの接触面を係合するような形態である該駆動ビームの遠位端に隣接して配置され、それによって、該駆動ビームの遠位方向移動が該閉鎖装置を遠位方向に該接触面との係合に移動し、該アンビルと該カートリッジアセンブリとを接近させる閉鎖装置と;を備え、
ここで、該閉鎖装置および該接触面の少なくとも1つがプラスチック面を含む、使い捨て装填ユニット。
(項目13)
前記閉鎖装置が、その一部分を少なくとも部分的に覆う少なくとも1つのプラスチックキャップを含む、項目12に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
(項目14)
前記プラスチックキャップが、前記閉鎖装置の少なくとも1つの水平面を覆う、項目13に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
(項目15)
前記閉鎖装置の少なくとも一部分が、プラスチックから作製される、項目12に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
(項目16)
前記閉鎖装置の少なくとも1部分が、プラスチックでオーバーモールドされる、項目12に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
(項目17)
前記閉鎖装置が、I形状断面を含む、項目12に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
(項目18)
前記接触面の少なくとも一部分および前記閉鎖装置の少なくとも一部分が、その上にプラスチック面を含む、項目12に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
(項目19)
前記駆動ビームが、複数の層を含む、項目12に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
(項目20)
前記ツールアセンブリが、第2の長軸方向軸が前記第1の長軸方向軸と実質的に整列される第1の位置から、該第2の長軸方向軸が該第1の長軸方向軸と角度をなして配置される第2の位置まで移動可能である、項目12に記載の使い捨て可能な装填ユニット。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本明細書に開示される外科用器具の種々の実施形態は、本明細書において図面を参照して開示される。ここで:
【図1】図1は、関節運動するツールアセンブリを備えた本明細書に開示される外科用器具の1つの実施形態の遠位端からの側方斜視図である。
【図1A】図1Aは、ツールアセンブリを含む図1に示される外科用器具の使い捨て可能な装填ユニット(DLU)の近位端からの側方斜視図である。
【図2】図2は、図1に示される外科用器具のDLUのパーツを分離して、取り付けアセンブリおよびツールアセンブリの遠位端の側方斜視図である。
【図3】図3は、パーツを分離して図1Aに示される取り付けアセンブリおよびDLUの近位本体部分の側方斜視図である。
【図3A】図3Aは、図1に示される外科用器具のカップリング部材の側方斜視図である。
【図3B】図3Bは、図1に示される外科用器具のDLUの取り付けアセンブリの上部取り付け部分の側方斜視図である。
【図3C】図3Cは、図1に示される外科用器具のDLUの取り付けアセンブリの下部取り付け部分の側方斜視図である。
【図3D】図3Dは、その非関節運動位置にあるツールアセンブリを備えた外科用器具の取り付けアセンブリおよびDLUのツールアセンブリの、近位本体部分の上からの側方斜視図である。
【図3E】図3Eは、関節運動された位置にあるツールアセンブリを備えた、図3Dに示される取り付けアセンブリおよびツールアセンブリの近位本体部分の上からの側方斜視図である。
【図3F】図3Fは、その非関節運動位置にあるツールアセンブリを備えた外科用器具のDLUの取り付けアセンブリおよびツールアセンブリの近位本体部分の下からの側方斜視図である。
【図3G】図3Gは、関節運動された位置にあるツールアセンブリを備えた、図3Fに示される取り付けアセンブリおよびツールアセンブリの近位本体部分の下からの側方斜視図である。
【図4】図4は、図1Aに示されるDLUのツールアセンブリの側方断面図である。
【図5】図5は、図3に示される近位本体部分ロック機構のロック部材アクチュエーターの上からの斜視図である。
【図6】図6は、図3に示されるロック機構のロック部材の底からの斜視図である。
【図7】図7は、そのロック位置にあるロック機構を備えた図1Aに示されるDLU近位本体部分の近位端の平面図である。
【図8】図8は、図7の線8−8に沿ってとった断面図である。
【図9】図9は、その非ロック位置にあるロック機構を備えた図1Aに示されるDLU近位本体部分の近位端の平面図である。
【図10】図10は、図9の断面線10−10に沿ってとった断面図である。
【図11】図11は、外科用器具へのDLUの取り付けの前の図1に示されるDLUおよび外科用器具の側方からの斜視図である。
【図12】図12は、外科用器具の遠位端への取り付けの前の図11に示されるDLUの近位端および外科医器具の遠位端の平面図である。
【図13】図13は、DLUが外科用器具の遠位端中に直線状に進行されるとき、図11に示されるDLUの近位端の平面図である。
【図14】図14は、DLUが直線状に進行された後ではあるが、DLUの外科用器具へのロックする前の図12に示されるDLUの近位端および外科用器具の遠位端の平面図である。
【図15】図15は、DLUが直線状に進行され、そして外科用器具上に回転可能にロックされた後の、図13に示されるDLUの近位端および外科用器具の遠位端の平面図である。
【図16】図16は、本開示の実施形態に従う、外科用器具との使用のためのロックアセンブリの斜視図である。
【図17】図17は、図16のロックアセンブリの種々の構成要素の斜視図である。
【図18】図18は、非関節運動位置にある関節運動ツールアセンブリとともに示される図16および17のロックアセンブリの一部分の拡大された斜視図である。
【図19】図19は、図16〜18のロックアセンブリの一部分の、そしてリンクを含む拡大斜視図である。
【図20】図20は、関節運動した位置にある関節運動ツールアセンブリとともに示される図16〜19のロックアセンブリの一部分の拡大斜視図である。
【図21】図21は、本開示の実施形態に従う外科用器具との使用のための別のロックアセンブリの拡大斜視図である。
【図22】図22は、図21のロックアセンブリの底からの斜視図である。
【図23】図23は、本開示の実施形態による、複数の層を有する駆動ビームおよび閉鎖装置の斜視図である。
【図24】図24は、パーツを分離した図23の駆動ビームおよび閉鎖装置の斜視図である。
【図25】図25は、図23および24の駆動ビームおよび閉鎖装置の一部分の断面図である。
【図26】図26は、本開示の実施形態による駆動ビームおよび閉鎖装置の断面図である。
【図27】図27は、図26の駆動ビームおよび閉鎖装置の断面図である。
【図28】図28は、本開示の実施形態によるツールアセンブリの斜視図である。
【図29】図29は、図28のツールアセンブリの組み立て図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態の詳細な説明)
本明細書に開示される外科用器具およびDLUの実施形態は、ここで、図面を参照して詳細に説明され、図面においては、同様の参照番号は、いくつかの図面の各々で同一または対応する要素を指定する。
【0012】
図1を参照して、外科用器具500は、ハンドル部分510、本体部分512、および使い捨て可能な装填ユニット(「DLU」)16を含む。ハンドル部分510は、静止ハンドル514および移動可能なハンドルまたはトリガー516を含む。移動可能なハンドル516は、静止ハンドル514に対して移動可能であり、本体部分512の遠位端から突出する制御ロッド50を進行する。ハンドル部分510および本体部分512は、本明細書中に参考してその全体が援用される米国特許番号第6,330,965号に開示される様式で構築され得る。あるいは、その他の外科用器具がDLU16とともに用いられ得、内視鏡外科的手順を実施する。
【0013】
図1および1Aを参照して、要約すれば、DLU16は、ツールアセンブリ17、近位本体部分200および取り付けアセンブリ202を含む。本体部分200は、以下に詳細に論議される様式で外科用器具500(図11)の遠位端を離脱可能に契合するように適合された近位端を有する。取り付けアセンブリ202は、本体部分200の遠位端に旋回可能に固定され、そしてツールアセンブリ17の近位端に固定して取り付けられる。本体部分200の長軸方向軸に垂直な軸の周りの取り付けアセンブリ202の旋回移動は、ツールアセンブリ17の長軸方向軸が本体部分200の長軸方向軸と整列される非関節運動位置と、ツールアセンブリ17の長軸方向軸が本体部分200の長軸方向軸に対して角度をなして配置される関節運動位置との間でツールアセンブリ17の関節運動を行う。
【0014】
図2〜4を参照して、ツールアセンブリ17は、カートリッジアセンブリ18およびアンビルアセンブリ20を含む。アンビルアセンブリ20は、複数のステープル変形窪み40(図4)を有するアンビル部分28、およびアンビル部分28の上面に固定されるカバープレート32を含む。カバープレート32およびアンビル部分28は、駆動アセンブリ212(図3)の遠位端を受容するような寸法である窪み(図4)をそれらの間に規定する。カバープレート32は、駆動アセンブリ212の遠位端を取り囲み、DLU16の作動の間に組織をつまむことを防ぐ。長軸方向スロット38がアンビル部分28を通って延び、駆動アセンブリ212の保持フランジ40の通過を容易にする。アンビル部分28上に形成されたカム作用面42は、駆動アセンブリ212の保持フランジ40上に支持された一対のカム部材40aを係合するように位置決めされ、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリの接近を行う。一対の旋回部材44が形成される。一対の安定化部材50は、キャリア48上に形成された個々のショルダー52を係合し、カム作用面42が旋回部材44の周りで旋回されるとき、アンビル部分28がステープルカートリッジ54に対して軸方向にスライドすることを防ぐ。
【0015】
カートリッジアセンブリ18は、ステープルカートリッジ54を受容するような寸法および形態である細長い支持チャネル56を規定するキャリア48を含む。ステープルカートリッジ54および細長い支持チャネル56に沿ってそれぞれ形成された対応するタブ58およびスロット60は、支持チャネル56内の固定された位置でステープルカートリッジ54を保持するよう機能する。ステープルカートリッジ54上に形成された一対の支持支柱62は、キャリア48の側壁上に静止するように位置決めされ、支持チャネル56内にステープルカートリッジ54をさらに安定化する。キャリア48は、アンビル部分28の旋回部材44を受容し、そしてアンビル部分28を間隔を置いた位置と接近位置との間で移動させるためのスロットを有する。
【0016】
ステープルカートリッジ54は、複数のステープルまたはファスナー66およびプッシャー68を受容するための保持スロット64(図2)を含む。複数の側方に間隔を置いて離れた長軸方向スロット70は、ステープルカートリッジ54を通って延び、作動スレッド74(図2)の直立するカムウェッジ72を収容する。中央長軸方向スロット76は、ステープルカートリッジ54の実質的長さに沿って延び、ナイフブレード(図4)の通過を容易にする。外科用ステープラー10の作動の間に、駆動アセンブリ212は、作動スレッド74と接し、そして作動スレッド74をステープルカートリッジ54の長軸方向スロット70を通って押し、カムウェッジ72をプッシャー68との逐次的接触に進める。プッシャー68は、ファスナー保持スロット64内でカムウェッジ72に沿って垂直に並進し、そしてファスナー66を、保持スロット64からアンビルアセンブリ20のステープル変形腔30(図4)中に押す。
【0017】
図3を参照して、取り付けアセンブリ235は、上部取り付け部分236および下部取り付け部分238を含む。中央に位置される旋回部材284は、上部取り付け部分236から第1のカップリング部材246中に形成された個々の開口部246を通って延びる。下部取り付け部分238は、旋回部材284を受容するためのボア239を含む(図3Fを参照のこと)。旋回部材284は、ボア239および第2のカップリング部材247の開口部247aを通って延びる。カップリング部材246、247の各々は、上部ハウジング半分体250および下部ハウジング半分体252から形成される内側ハウジングの遠位端中に形成された溝290中に受容される形態である相互ロックする近位部分246b、247bを含む。カップリング部材246、247は、取り付けアセンブリ235のそれに対する旋回移動を許容しながら、取り付けアセンブリ235ならびに上部および下部ハウジング半分体250および252を互いに対して長軸方向に固定された位置に保持する。
【0018】
図3A〜3Cを参照して、各カップリング部材246、247は、取り付けアセンブリ235を係合するように位置決めされた遠位端246dを有する片持ち(カンチレバー)スプリングアーム246cを含む。より詳細には、上部取り付け部分236は、個々のカップリング部材246のスプリングアーム246cの遠位端246dを受容するような寸法の窪み236bを含む上面236aを含む。下部取り付け部分238は、個々のカップリング部材247のスプリングアーム247cを受容するような寸法である窪み238cを規定する一対の高くなった面238bを有する底面238aを含む。あるいは、少なくとも1つの窪みがツールアセンブリ17の近位端に形成され得る。
【0019】
図3D〜3Gに示されるように、カップリング部材246、247のスプリングアーム246c、247cの遠位端が、上部取り付け部分236および下部取り付け部分238の窪み236bおよび238c中にそれぞれ位置決めされるとき、スプリングアーム246c、247cは、取り付けアセンブリ235を非関節運動位置に保持する。スプリングアーム246c、247cは、窪み236bおよび238cからスプリングアーム246cを曲げるに十分な所定の力から付与され、取り付けアセンブリ235とツールアセンブリ17の関節運動を行うまで、取り付けアセンブリ235をその非関節運動位置に保持する。この所定の力が取り付けアセンブリ235およびツールアセンブリ17に付与されるとき、スプリングアーム246c、247cは、図3Eから3Gに示されるように、窪み236bおよび238cから外方に跳ねるか、または曲がり、DLU16の近位本体部分200の遠位端に対する取り付けアセンブリ235(そしてそれ故、ツールアセンブリ17)の旋回移動を許容する。
【0020】
上記で論議されたように、スプリングアーム246cおよび窪み236bおよび238cは、取り付けアセンブリ235の窪み236bおよび238cからスプリングアーム246c、247cの係合を解くために取り付けアセンブリ235に所定の力が付与されるまで、ツールアセンブリ17をその非関節位置に維持する。このスプリングアーム/窪みは、ステープラー、把持器(図3Hを参照のこと)、電力付与されるシールデバイス、例えば、RFシールデバイスなどを含む任意の関節運動する外科用デバイス中に組み込まれ得る。さらに、2つのスプリングアーム/窪みが示されているけれども、単一のスプリングアームが提供され得る。さらに、上記関節運動ツールアセンブリは、DLUのパーツを形成する必要はなく、むしろ、外科用器具の遠位端上に直接支持され得る。例えば、上記取り付けアセンブリは、ツールアセンブリに離脱可能または離脱不能に固定されても良く、そして外科用器具の遠位端に直接固定される。
【0021】
上部ハウジング半分体250および下部ハウジング半分体252は、本体部分200の外側スリーブ内に含まれる(図3)。本体部分200は、上部ハウジング半分体250上に形成されたボスまたは突出部250aを受容するような寸法である切り抜き251aを含む。切り抜き251a内の突出部250aの位置決めは、本体部分200の外側スリーブ251内の上部ハウジング半分体250および下部ハウジング半分体252の軸方向および回転移動を防ぐ。1つの実施形態では、ボス250aは、側方寸法より大きい軸方向寸法を有する実質的に矩形形態を有する。より大きな軸方向寸法は、スリーブ251内の上部ハウジング半分体250および下部ハウジング半分体252の回転を防ぐための増加した表面積を提供する。ボス250aの近位部分250bは傾斜している。傾斜した近位部分250bは、スリーブ251が、上部ハウジング半分体250および下部ハウジング半分体252がスリーブ251内に位置決めされるとき、ボス250a上をスライドすることを可能にする。ボス250aがその他の形態、例えば、円形、方形、三角形などのその他の形態をとり得、そしてなおその意図された機能を達成することが想定される。さらに、ボス250aは、上部ハウジング半分体250に沿って任意の位置に再配置され得るか、または、それに代わって下部ハウジング半分体252上に、もしくは各半分体250および252の各々の上に部分的に位置決めされ得る。
【0022】
上部ハウジング半分体250の近位端または挿入先端部193は、差し込みタイプ様式で外科用器具の遠位端を離脱可能に係合するための係合ナブ254を含む(図1Aおよび7を参照のこと)。上部ハウジング半分体250および下部ハウジング半分体252は、その中に軸方向駆動アセンブリ217をスライド可能に受容するためのチャネル400を規定する。関節運動リンク256は、上部ハウジング半分体250と下部ハウジング半分体252と間に形成されたスロット402内にスライド可能に位置決めされるような寸法である。一対のH−ブロックアセンブリ255が、ハウジング部分200の遠位端に隣接し、かつ軸方向駆動アセンブリ212の遠位端に隣接して位置決めされ、外科用ステープル留め装置10の関節運動および発射の間の駆動アセンブリ212の外方座屈およびふくらみを防ぐ。各H−ブロックアセンブリ255は、本体部分200に固定して取り付けられる近位端、および取り付けアセンブリ235に固定して取り付けられる遠位端を含む可撓性本体255aを含む(図3)。
【0023】
保持部材288は、軸方向駆動アセンブリ212の係合セクション270上に支持される。保持部材288は、下部半分体252中に形成されたスロットまたは窪み255a内に離脱可能に位置決めされる一対のフィンガー288aを含む。作動において、SULU16が外科用器具に取り付けられ、そして軸方向駆動アセンブリ212が、外科用器具500(図11)の作動部材516に所定の力を付与することによって作動されるとき、軸方向駆動アセンブリ212は、遠位方向に進行され、駆動アセンブリ212および保持部材288を遠位方向に移動する。保持部材288が遠位方向に進行されるとき、フィンガー288aは、窪み252aから押され、この外科用器具が起動されたことの音響および触覚指標を提供する。保持部材288は、輸送の間のようなDLU16の不注意の部分的作動を、所定の軸方向の力が軸方向駆動アセンブリ212に付与されるまで、DLU16内の固定された位置で軸方向駆動アセンブリ212を維持することによって防ぐように設計される。
【0024】
軸方向駆動アセンブリ212は、遠位作動ヘッド268および近位係合セクション270を含む細長い駆動ビーム266を含む。1つの実施形態では、駆動ビーム266は、材料の複数の積み上げられたシートから構築される。係合セクション270は、駆動部材272中に形成された一対の対応する保持スロットを取り付けて係合する一対の弾性係合フィンガー270aおよび270bを含む。駆動部材272は、DLU16の近位端が外科用器具500の本体部分512と係合されるとき、外科用器具の制御ロッド520(図11)の遠位端を受容するような形態である近位ポートホール274を含む。
【0025】
図5〜10をまた参照して、DLU16は、ロック部材300およびロック部材アクチュエーター302を含むロック機構をさらに含む。ロック部材(図6)は、DLU16の本体部分200の上部ハウジング半分体250の近位部分中に形成された長軸方向または軸方向スロット310(図7)内に回転可能に支持される。ロック部材300は、ロック部材300が駆動アセンブリ212を発射前位置に維持する第1の位置(図7および8)から、駆動アセンブリ212が軸方向に自由に移動する第2の位置(図9および10)まで移動可能である。
【0026】
図6に示されるように、ロック部材300は、本体部分200の上部ハウジング半分体250中に形成される横方向スロット310内にスライド可能に位置決めされる半円筒形の本体312を含む。本体312は、半径方向の内方に延びるカム部材314および半径方向の内方に延びるフィンガー316を含む。フィンガー316は、駆動アセンブリ212中に形成されるノッチまたはスロット270c(図3)内にスライド可能に受容される寸法である。駆動アセンブリ212のノッチ270c中のフィンガー316の係合は、駆動アセンブリ212が本体部分200内で直線状に移動することを防ぎ、そしてそれ故、DLU16の起動を防ぐ。
【0027】
図3、5および7を参照して、ロック部材アクチュエーター302は、DLU16の本体部分200の上部ハウジング半分体250中に形成された軸方向スロット320(図7)内にスライド可能に位置決めされる。アクチュエーター302は、近位アバットメント部材322、遠位スプリングガイド324、および中央カムスロット326を含む。軸方向スロット320は、横方向スロット310と、ロック部材300のカム部材314が、ロック部材300のカム部材314がロック部材アクチュエーター302のカムスロット326内にスライド可能に位置決めされるように交差する。付勢部材またはスプリング328(図7)が、アクチュエーター302の遠位面330と軸方向スロット320の遠位端を規定する壁322(図7)との間でスプリングガイド324の周りに位置決めされる。スプリング328は、アクチュエーター302を、軸方向スロット320内のその退却された位置に押す。その退却された位置で、アバットメント部材322は、近位本体部分200の挿入先端部に隣接するDLU16の近位端上に位置決めされ、そしてその半径方向の外方に延び、そしてカムスロット326は、カム部材314を、ロック部材300のフィンガー316が駆動アセンブリ212のノッチ270c内に位置決めされるように位置するように位置決めされる。
【0028】
図11〜15は、外科用器具500へのDLU16の取り付け前および取り付けの間のDLU16および外科用器具を示す。DLU16の外科用器具500上への取り付けの前に、スプリング328は、アクチュエーター302をその退却された位置に押し、上記で論議されたように、ロック部材300をそのロックされた位置まで移動する。挿入先端部193DLU16が外科用器具500の本体部分512(図13)の開放端部522(図11)中に直線状に挿入されるとき、ナブ254は、本体部分512の開放端部522中に形成されたスロット(示されず)を直線状に通って移動する。ナブ254がスロットを通過するとき、ナブ254から角度がオフセットされているアバットメント部材322の近位端322aは、ナブ254を受容するために上記スロットを規定する壁276cに接する。DUL16が本体部分512中にさらに移動されるとき、ロック部材アクチュエーター302は、その退却位置からその進行位置まで図14中の矢印「T」に示される方向に移動する。アクチュエーター302がその進行位置に移動されるとき、ロック部材300は、図14に矢印「U」によって示される方向に、駆動アセンブリ212で係合されるそのロック位置(図8)からその非ロック位置(図10)にカム移動され、フィンガー316をノッチ270cから移動する。ロック部材300およびロック部材アクチュエーター302を含むロック機構は、DUL16の装填の間のような、外科用器具500上へのDLU16の駆動部材の偶発的または不注意の進行または操作を防ぐ。
【0029】
DLU16が、器具500に対して、本体部分200の近位面530が本体部分512(図15)の内面276cに接する位置に移動されるとき、DLU16は、差し込みタイプ作用で本体部分512に対して回転され得、本体部分512の開口部536内にナブ254を位置決めし、DLU16を本体部分512上にロックする。差し込みカップリングの他にその他のカップリングタイプ、例えば、スプリング移動止またはスナップばめカップリング、摩擦ばめカップリング、相互ロック部材、ねじカップリングが、DLU16を器具500に接続するために用いられ得ることが想定される。
【0030】
図16〜20に示される本開示の実施形態では、ロックアセンブリ600が、外科用器具500および使い棄て可能な装填ユニット16(例えば、図1を参照のこと)との使用のために示される。示される実施形態では、ロックアセンブリ600は、ハウジング602、プッシャー604、ロッド606、スライド608、少なくとも1つのスプリング610、カムフィンガー612、スロット616とリンク618を有する旋回プレート614を含む。ロック部材600は、一般に、ツールアセンブリ17(図17)を補助し、外科用器具500の発射の間にその位置を維持する。
【0031】
図16および17を参照して、ロックアセンブリ600の一部分は、ハウジング602内に少なくとも部分的に含まれる。図16は、ハウジング602に対して配置されるロックアセンブリ600を示し、その一方、図17は、ハウジング602から隔離されたロックアセンブリ600を示す。図17の示される実施形態は、プッシャー604は、それから遠位方向に延びるロッド606とともに示される。スライド608は、ロッド606から遠位方向に延び、そしてそれとスライド可能な関係にあり、それ故、スライド608がロッド606に対して軸方向に移動することを可能にする。スプリング610または一対のスプリング(この実施形態では明瞭に示されていない)は、スライド608をロッド606から遠位方向に付勢する。
【0032】
ここで、図18〜20を参照して、カムフィンガー612および旋回プレート614が示される。カムフィンガー612は、スライド608から遠位方向に延び、そして旋回プレート614は、例えば、取り付けアセンブリ235(図3を参照のこと)上に配置され得る。旋回プレート614は、ツールアセンブリ17の一部分上に配置され得るか、またはそれに組み込まれ得る。複数のスロット616(5つのスロット616が示されている)が旋回プレート614上に配置され、そしてその中にカムフィンガー612の少なくとも一部分を受容するようなサイズである。本体部分512に対するツールアセンブリ17の(関節運動の実質的にないことを含む)異なる量の関節運動に際し(例えば、図1を参照のこと)、カムフィンガー612は、旋回プレート614の個々のスロット616とほぼ整列される。図18および19は、中スロット616a(図19では視野から隠されている)と実質的に整列されるカムフィンガー612を示し、そして図20は、側方スロット616bと実質的に整列されるカムフィンガー612を示す。
【0033】
図17および19に示されるリンク618は、旋回プレート614およびカムフィンガー612と機械的に係合している。(図18では、このリンクは除かれている。)リンク618は、開口部620およびスロット622(図19)を有して示される。開口部620は、旋回プレート614上のボス624との旋回関係にあり、そしてスロット622は、カムフィンガー612とスライド可能に係合される。この関係は、本体部分512に対する旋回プレート614の関節運動、および旋回プレート614に対するスライド608の長軸方向転位を可能にする。
【0034】
作動において、移動可能ハンドル516の部分的関節運動に際し(例えば、図1を参照のこと)、プッシャー604は、例えば、制御ロッド520を経由して(例えば、図11を参照のこと)遠位方向に押され、それ故、カムフィンガー612の、旋回プレート614のスロット616中への少なくとも部分的な遠位並進運動を引き起こす。移動可能なハンドル516を作動しカートリッジアセンブリ18およびアンビルアセンブリ20を接近すること(例えば、図1Aを参照のこと)はまた、カムフィンガー612を遠位方向に並進運動するよう機能する。このような実施形態では、関節運動ツールアセンブリ17がその場にあり、そして組織をクランプ留めするとき、さらなる関節運動は、(例えば、移動可能なハンドル516を解放することなく)達成されることはできない。それ故、ロックアセンブリ600は、例えば、ステープルを組織中に据え付ける前に、本体部分512に対して関節運動ツールアセンブリ17を支援して維持する。
【0035】
上記で論議されるように、スプリング610は、スリット608をロッド606から遠位方向に付勢する。スプリング610によって提供されるこの付勢は、それらの間に有意な量の「遊び」を生じ得る、カムフィンガー612が旋回プレート614のスロット616から偶発的または時期尚早に外れないことを支援して確実にする。さらに、スプリング610によって提供される遠位付勢は、スライド608と旋回プレート614との間に存在する製造許容誤差および/またはクリアランスを支援して無くする。カムフィンガー612および/またはスロット616の少なくとも一部分は、それらの間で意図されない任意の移動を支援して減少するような楔形状であり得る。このような実施形態では、カムフィンガー612およびスロット616の遠位部分は、対応する近位部分より狭いであろう。
【0036】
図21および22に示される本開示の実施形態では、ロックアセンブリ700が、外科用器具500および使い棄て可能な装填ユニット16(例えば、図1を参照のこと)との使用のために示される。示される実施形態では、ロックアセンブリ700は、アダプター702、プッシャー704、ピボット706、付勢要素(一対のスプリング708)およびリンク710を含む。ロックアセンブリ700は、一般に、ツールアセンブリ17を所定の位置に支援して維持する。
【0037】
図21を参照して、ロックアセンブリ700のアダプター702は、ほぼ、外科用器具500の本体部分512(例えば、図1を参照のこと)内、または使い棄て装填ユニット16内に収容される。示される実施形態では、プッシャー704が、一対のスプリング708の遠位方向に位置する。プッシャー704は、一対のスプリング708を経由して関節運動ツールアセンブリ17のピボット706に向かって遠位方向に付勢される。プッシャー704の遠位部分は、ピボット706の近位部分に隣接して配置される旋回嵌合面714(図22)と嵌合するような形状および寸法であるプッシャー嵌合面712(図22)を含む。リンク710は、プッシャー704の一部分と機械的に協動し、そしてピボット706に旋回可能に連結されて示され、それ故、関節運動ツールアセンブリ17が、本体部分512に対してその第1の位置とその第2の位置との間を移動することを可能にする。より詳細には、リンク710は、ピボット706の突出部707上に適合する開口部711を含み、それ故、それらの間の旋回移動を可能にする。さらに、リンク710は、アダプター702の一部分とスライド可能に係合され、それ故、それらの間の長軸方向移動を可能にする。
【0038】
ここで図22を参照して、プッシャー嵌合面712は、この実施形態では、その長さの大部分に沿って実質的に平坦である。対応して、旋回嵌合面714もまた、示される実施形態ではその長さの大部分に沿って平坦である。それ故、一対のスプリング708を経由するピボット706に向かう(矢印Aの方向の)プッシャー704の遠位付勢は、その第1の非関節運動位置に関節運動ツールアセンブリ17を支援して維持する。なぜなら、この付勢力は、関節運動ツールアセンブリ17が旋回に抗するのを支援するからである。2つのスプリング708が示されているけれども、より多くの、またはより少ないスプリング708が提供され得る。
【0039】
関節運動ツール17をその第1の非関節運動位置から旋回するために、対のスプリング708からの遠位付勢力は克服されなければならない。このような旋回作用は、対のスプリング708からの付勢に対してプッシャー704を近位方向(矢印Bの方向)に移動する。プッシャー嵌合面714が移動止め(この実施形態では明瞭に示されていない)を含み関節運動顎部材17を選択された関節運動位置に支援して安定化することもまた想定される。
【0040】
図22を続いて参照し、ピボット706はその上に棚716を含む。図22に示されるように、棚716は、プッシャー嵌合面712が旋回嵌合面714と接触するときプッシャー704の少なくとも一部分と重複する。棚716は、関節運動ツールアセンブリ17が回転および/または関節運動されるとき、プッシャー704とピボット706との間で組織がつままれることを支援して防ぐような位置および形態である。
【0041】
図23〜25に示される本開示の実施形態では、複数の層750a〜750eを有する複数層の駆動ビーム750が示され、そして使い棄て可能な装填ユニット(例えば、図1を参照のこと)に含められ得る。Iビームのような閉鎖装置760もまた示される。閉鎖装置760は、図2を参照して上記に詳細に記載されるように、ツールアセンブリ17を接近するためにカム作用面42(またはその他の接触面)に進行可能である水平部分762を含む。
【0042】
図24を参照して、5つの層750a〜750eを有する複数層の駆動ビーム750が示される。複数層の駆動ビーム750を形成するためにより少ないか、またはより多い層が用いられ得ることが想定され、そして本開示の範囲内である。複数層の駆動ビーム750が本開示のその他の実施形態における駆動ビーム266を置き換え得ることもまた想定される。複数層の駆動ビーム750の使用は、使用の間に、特に、例えば、ツールアセンブリ17が関節運動された位置にある間、増加した強度および可撓性を提供し得る。
【0043】
複数の切り抜き770が図23〜25に示され、これらは、複数層の駆動ビーム750の各層を通って延びる。図面では、複数層の駆動ビーム750の層あたり5〜10の切り抜きを示すけれども、切り抜き770の正確な数は、5より少なく、5〜10の間、または10を超え得る。さらに、駆動ビーム750の隣接する層の切り抜き770は、互いに整列しても良いし、していなくても良い。切り抜き770の使用は、駆動ビーム750の断面寸法を減少し、そして屈曲力調節を可能にする。矩形の切り抜き770が示さているけれども、その他の規則的または不規則形状を有する切り抜き770の使用もまた企図される。
【0044】
複数層の駆動ビーム750の各層750a〜750eの取り付け、および閉鎖装置760への取り付けは、図25に示される。示される実施形態では、外側層(図24の750aまたは750e)は、例えば、一対のスポット溶接を経由して2つの位置(各位置は、図25では番号780によって示されている)で閉鎖装置760に固定される。各外側層750a、750eは、閉鎖装置760から突出するボス778上に適合するアパーチャ776を含むこともまた想定される。各外側層750a、750eはまた、恐らくは一対のスポット溶接を経由して、2つの位置で(各位置は、図25で番号781によって示されている)、隣接する層(例えば、750b、750d)に固定される。さらに、各内側層(例えば、750b、750cおよび750d)は、例えば、スポット溶接を経由して2つの位置で隣接する内側層に付着される(例えば、750bは750cに取り付けられ;750cは750bおよび750dに取り付けられ;そして750dは750cに取り付けられる)。取り付け方法としてスポット溶接が開示されているけれども、各層を互いに、そして外側層を閉鎖装置に取り付けるためのその他の方法が想定され、そして本開示の範囲内である。示される実施形態は、閉鎖装置760に隣接する内側層の取り付け点780を示すが、取り付け点780が駆動ビーム750のその他の位置に配置されることが想定され、そして本開示の範囲内である。さらに、駆動ビーム750の少なくも1つの層は、ステンレス鋼のような金属から作製されることが想定される。駆動ビーム750および/または閉鎖装置760の一部分はまた、以下に説明されるように、プラスチック材料から作製され得るか、または少なくとも部分的にプラスチック材料で覆われる。さらに、閉鎖装置790は、組織を切断するためにその上に切断面766(図23)を含み得る。
【0045】
図26および27に示される実施形態では、閉鎖装置800および駆動ビーム802の一部分が示される。ツールアセンブリ17(例えば、図2を参照のこと)の閉鎖装置および/または接触面(例えば、カム作用面42)は、プラスチック表面またはプラスチック被覆を含み得る。この実施形態では、閉鎖装置800は、閉鎖装置800の水平部分806を少なくとも部分的に覆う一対のキャップ804を有して示される。キャップ804は、この実施形態ではプラスチックから作製され得る。ツールアセンブリ17の閉鎖装置800および/または接触面上に配置されるこのようなプラスチック表面は、一般に、それらの間の向かい合った2つの金属表面の摩擦の量を低減する。すなわち、金属に対するプラスチック、またはプラスチックに対するプラスチックの相互作用は、一対の金属表面の間の相互作用より少ない摩擦を生成し得る。摩擦のこの低減された量は、低減された発射力に対応し得る。
【0046】
一対のキャップ804のような、閉鎖装置800の一部分は、プラスチックから作製されるか、プラスチックでオーバーモールドされるか、またはプラスチック被覆を含む。従って、ツールアセンブリ17の接触面、または少なくともその一部分はまた、プラスチックから作製されるか、プラスチックでオーバーモールドされるか、またはプラスチック被覆を含み得る。
【0047】
この開示の実施形態では、閉鎖装置800は、図26および27に示されるように、I形状断面を含み得る。さらに、閉鎖装置800および駆動ビーム802は、使い棄て可能な装填ユニット16の一部分、および/または関節運動し得る外科用器具500の一部分であり得る。さらに、駆動ビーム802は、単一の層または(図26に示されるような)複数の層を含み得、そして駆動ビーム802の少なくとも一部分はプラスチックから作製され得る。なお、さらに、閉鎖装置800は、組織を切断するためにその上に切断面808(図27)を含み得る。
【0048】
図26および27を続いて参照し、プラスチックキャップ804は、閉鎖装置800の強度を増加し得る補強セクション810を含み得るか、または閉鎖装置800のキャップ804と水平部分806との間でより強力な連結を提供し得る。キャップ804は、閉鎖装置800に離脱可能に取り付けられ得ることがまた想定される。このような実施形態では、キャップ804は、任意の実質的摩耗または損傷が生じる場合に除去され、そして置換され得る。
【0049】
図28および29に示される実施形態では、ツールアセンブリ850が示される。この実施形態のツールアセンブリ850は、チャネル852、第1の取り付け部材860、第2の取り付け部材870、アンビルアセンブリ880、第1の取り付けロッド890および第2の取り付けロッド892を含む。第1の取り付けロッド890および第2の取り付けロッド892は、取り付けアセンブリ850の要素が一緒に残ることを容易にする強力な連結を提供する。
【0050】
チャネル852は、その近位端に隣接する開口部854(2つの開口部が示される)を含み、そして第1の取り付け部材860は、それから延びるボス862(2つのボスが示される)を含む。チャネル852は、開口部(単数または複数)854をボス(単数または複数)862上に配置することによって第1の取り付け部材に連結可能であり、それ故、それらの間に旋回連結を提供する。現在の実施形態では、明瞭に示されていないが、チャネル852は、複数の外科用ファスナーまたはステープルカートリッジを収容し得る。
【0051】
アンビルアセンブリ880は、アンビルカバー882およびアンビル886を含む。アンビル886は、例えば、スナップばめ連結を経由するアンビルカバー882との機械的係合のための形態である。アパーチャ884は、アンビルカバー882の一部分を少なくとも部分的に通って延びる。アパーチャ884は、第2の取り付け部材870上に配置さる突出部872上に適合するような形態であり、それによって、アンビルアセンブリ880と第2の取り付け部材870との間の連結を提供する。さらに、アンビルカバー882は、この開示の実施形態では、それを通って少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの開口部888を含む。開口部888は、第1の取り付け部材860のボス862上に適合するような形態である。このような実施形態では、アンビルアセンブリ880は、第1の取り付け部材860および第2の取り付け部材870に対して旋回され得る。
【0052】
第1の取り付け部材860は、それを通って延びる第1の開口部864および第2の開口部866を含む。第2の取り付け部材870もまた、それを通って延びる第1の開口部874および第2の開口部を含む(図29)。さらに、第1の取り付け部材860および第2の取り付け部材870は、第1の開口部864、874が実施的に整列し、そして第2の開口部866、876が実質的に整列するように機械的に係合する。
【0053】
第1の取り付け部材860を第2の取り付け部材870と(そしてそれ故、チャネル852とアンビルアセンブリ880とを)固定するために、第1の取り付けロッド890、またはその一部分は、第1の開口部864および874を通って挿入される。ツールアセンブリ850の上記要素をさらに固定するために、第2の取り付けロッド892、またはその一部分が、第2の開口部866および876を通って挿入される。第1の取り付けロッド890および/または第2の取り付けロッド892が、締め付け可能である2部分リベットのようなリベットであることが想定される。
【0054】
この開示の実施形態では、ツールアセンブリ850は、関節運動し得る使い棄て可能な装填ユニットの一部分である。ツールアセンブリ850の関節運動は、第2の取り付け部材870から延びる突出部874および(図21中のリンク710のような)リンクを経由して外科用器具の本体部分にツールアセンブリ850を旋回可能に取り付けることによって容易にされ得る。さらに、上記に記載のような関節運動アセンブリ850を組み立てる方法が、本開示によって企図される。
【0055】
種々の改変が本明細書中に開示される実施形態になされ得ることが理解される。例えば、上記に記載のロックアセンブリは、DLUを含む種々の外科用器具中に組み込まれ得、そして直線状のステープラー上の使用に制限されない。さらに、このDLUは、開示されるものと接触する外科用器具の挿入先端部を受容するような形態であり得る。従って、上記の記載は、制限的であると解釈されるべきではなく、種々の実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された請求項の範囲および思想内でその他の改変を想定する。
【0056】
(要約)
ハンドル部分、本体部分、移動可能なハンドル、ツールアセンブリ、駆動ビームおよび閉鎖装置を含む外科用器具が開示される。上記閉鎖装置および上記ツールアセンブリの接触面の少なくとも1つは、プラスチック面を含む。上記本体部分は、上記ハンドル部分かから遠位方向に延びる。上記移動可能なハンドルは、上記ハンドル部分上に位置され、そして駆動部材との機械的協動にある。上記ツールアセンブリは、アンビル、カートリッジアセンブリおよび接触面を含む。上記駆動ビームは、近位係合部分を含み、そして上記駆動部材の一部分を係合するような形態である。上記閉鎖装置は、上記ツールアセンブリの接触面を係合するような形態である。上記移動可能なハンドルの少なくとも部分的な作動は、上記閉鎖装置を遠位方向に上記接触面との係合に移動し、上記アンビルと上記カートリッジアセンブリを接近する。
【符号の説明】
【0057】
16 使い捨て可能な装填ユニット
500 外科用器具
510 ハンドル部分
512 本体部分
514 静止ハンドル
516 移動可能なハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。

【図1】
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【図3】
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【図1A】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2013−48929(P2013−48929A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−247138(P2012−247138)
【出願日】平成24年11月9日(2012.11.9)
【分割の表示】特願2007−260422(P2007−260422)の分割
【原出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】