説明

プラズマグラフト重合により物品を防液性にする方法

物品を気体状態のプラズマに、保護層、特に高分子層が物品の表面に形成されるのに十分な時間曝すことを含む、液体の取り込みに起因する重量増から物品を保護する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品、特に衣類又は履物の物品を、液体の取り込みに起因する重量増から保護する方法に関する。特に、本発明は、前記物品を、気体状態のプラズマに十分な時間曝して、高分子層を物品の表面に形成させることを含む、物品、特に衣類又は履物の物品を、液体の取り込みに起因する重量増から保護する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばポリプロピレン、ポリエステル及びナイロンといった合成高分子又は例えば綿、セルロースといった天然繊維、及び皮革などの素材を含む布帛ロールに適用できる撥液性化学物質が、Dupont、Clariant、3M、Asahi、及びDaikinなどの会社により製造されてきた。これらの技法は、汚れを最小化することができることに加えて、非常に良好なレベルの耐油性及び耐水性の両方を材料に提供してきた。これらの処理剤は、耐久性撥水剤(DWR)と称されることが多い。
【0003】
衣服及び履物などの製品が、ある程度の耐液性を提供するか、又は防水性になるように構成されるとき、使用される主構成要素の一つは、DWRを使用することにより耐水性になる材料であると思われる。それに加えて、これらのDWR仕上げは、テント、傘、寝袋、天幕及び種々の他の屋外用又は保護材料などの多くの製品に提供することができて、高レベルの全体的な液体保護を与える。
【0004】
研究されてきた耐液性を付与する他の手法は、構成後ウォッシュイン加工及びスプレー式製剤の使用を含む。
【0005】
高レベルの撥水性を与えるために布帛ロールは上記のような態様で処理することができるが、次にこれらの材料で製品を構成しなければならない。衣服又は履物などの製品の場合には、継ぎ目、ファスナー、レース、ジッパー、靴底、裏地、靴の中底などの他の構成要素が必要になる。これらの追加の構成要素は、それ自体が本質的に耐液性ではないことがあり、又は不利な溶液エネルギー又はそのプロセスとの物理的不適合性などの要因のために、それらに耐液性を付与することが困難なこともある。その上、製品の構成に含まれる縫合などのプロセスは、最終使用者により要求される保護レベルを提供しないさらなる領域を、製品中にそれ自体で創り出すであろう。例えば、履物又は衣服の縫い目を通る水の侵入は、製品を装用者にとって許容できないものにするであろう。
【0006】
履物を例にとれば、美的な若しくは通気の必要性のために材料に求められる孔などの広範なデザイン態様、又は材料及び結合技法の選択のために、従来のDWRの適用では良好なレベルの保護を与えることができない態様で、靴が設計されることが多い。さらなる問題、及びしばしばより重要な問題は、特に湿潤状態において大きな重量増加に至り得る、靴全体の水の取り込みの増加である。それ故、装用者は、靴の中に現に存在するものとその材料に吸収されたものの両方の実質的に余計な重量の水を持ち歩き、より多くのエネルギーを消費しなければならない。また、Sympatex、Gore−tex及びeVentという商標のもののような膜などの物理的障壁が、その膜を被う上側の材料にDWRが適用されているかどうかによらず使用されたときに、このようなことが起こり得る。この場合、水は、外側、上側の布帛と膜との間に浸透して集積することができるので、その結果重量を増加させる。
【0007】
最高レベルの「防水性」を主張する膜を使用する履物又は衣服は、靴又は衣服の残部に何らかの形態で縫い付けられたか、若しくは取り付けられた、DWRを有する外側の布帛から常に構成されていて、通気性及び快適性を維持するためにこれに非常に大きく依存している。膜の完全性は、足の窪み又は衣服の内側への水の侵入を防止できるということは事実であるが、この外側の水の浸透は起こり得て、実質的な重量増加をもたらす。
【0008】
ウォッシュイン及びスプレー式加工の有効性は、使用される材料に依存して、製品によって異なるであろう。保護されずに残された小さな区域だけでも多量の液体侵入をもたらし、それにより達成可能な保護を台無しにし得るので、物品の完全被覆の達成にも困難が生じ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
それ故、適切な防液性保護を提供するが、液体の取り込みによる重量増も回避して、それにより装用者に対する負担を減少させる、履物及び衣服などの物品のための処理を提供する改良された方法が必要とされている。
【0010】
プラズマ蒸着法は、様々な表面、特に布帛表面に高分子被膜を蒸着させるために非常に広く使用されてきた。この技法は、従来の湿式の化学的方法と比較して廃棄物を少ししか発生させない、清潔な乾式技法であると認められている。この方法を使用して、プラズマは電場にさらされた有機分子から発生する。これが基材を存在させて行われると、プラズマ中の化合物のラジカルが基材上で重合する。従来のポリマー合成は、モノマー種に強度の類似を有する反復単位を含有する構造を生成する傾向があるが、プラズマを使用して発生した高分子網目は、極めて複雑になり得る。生成した被膜の特性は、基材の性質並びに使用されたモノマーの性質及びそれが蒸着した条件に依存し得る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、プラズマ増強技法を使用することによって、高度の防液保護を得ることができるだけでなく、プラズマ増強物品により、その未処理対応品と比較して、完成物品による水取り込みにおける顕著な減少が示されることも見出した。気相は、複雑な3次元最終製品への完全浸透が可能であり、イオン化により、構成要素を構成している材料に依存せずに、製品の全ての構成要素への撥液性官能基の付着が可能になる。これは、水の取り込みが最小になるように分子的に調整した製品を形成し、その結果、装用者が「持ち歩く」重量が小さくなり、エネルギー消費も少なくなっていく。
【0012】
したがって、本発明は、物品を気体状態のプラズマに、保護層が物品の表面に形成されるのに十分な時間曝すことを含む、液体の取り込みに起因する重量増から物品を保護する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】プラズマ加工により保護された種々の市販のスポーツシューズについての経時的な水の取り込みの程度(斜線付)を、それらの対応未処理品(斜線なし)と比較したグラフである。
【図2】プラズマ加工により保護された種々の市販のスポーツシューズについての経時的な水の取り込みの程度(斜線付)を、それらの対応未処理品(斜線なし)と比較したグラフである。
【図3】プラズマ加工により保護された種々の市販のスポーツシューズが水に曝されたときの強化された耐久性を示すグラフである。
【図4】プラズマ加工により保護された種々の市販のスポーツシューズが水に曝されたときの強化された耐久性を示すグラフである。
【図5】プラズマ加工により保護された種々の市販のスポーツシューズが水に曝されたときの強化された耐久性を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書において使用されるとき、「気体状態の」という表現は、気体又は蒸気の単体、またはその混合物、並びにエアロゾルを指す。
【0015】
「保護層」という表現は、液体による損傷に対するいくらかの保護を提供し、特に、液体(油及び水など)を撥く層、特に高分子層を指す。物品がそれから保護される液体の発生源には、水、及び特に雨など環境による液体並びに偶発的にこぼされることがある任意の他の油又は液体が含まれる。
【0016】
本発明による方法は、履物又は衣服の物品、特に、ランニングシューズ若しくは運動靴などスポーツ活動において使用するための物品又は履物又は衣服に、適当に適用してよい。
【0017】
物品の表面上に撥水性の高分子被膜層を形成するためにプラズマ重合を受ける任意のモノマー化合物又は気体が、適当に使用され得る。使用することができる適当なモノマーには、プラズマ重合により基材上に撥水性高分子被膜を形成できる当技術分野で既知のものが挙げられ、例えば、反応性官能基を有する炭素質化合物、特に実質的に−CF3が支配的なペルフルオロ化合物(国際公開第97/38801号を参照されたい)、過フッ素化アルケン(Wangら,Chem Mater 1996,2212−2214)、所望によりハロゲン原子を含有している水素含有不飽和化合物、又は少なくとも10個の炭素原子から成る過ハロゲン化有機化合物(国際公開第98/58117号を参照されたい)、2個の二重結合を含む有機化合物(国際公開第99/64662号)、所望によりヘテロ原子が挿入されている少なくとも5個の炭素原子から成り、置換されていてもよいアルキル鎖を有する飽和有機化合物(国際公開第00/05000号)、置換されていてもよいアルキン(国際公開第00/20130号)、ポリエーテルで置換されたアルケン(米国特許第6,482,531号)及び少なくとも1個のヘテロ原子を含有する大環状分子(米国特許第6,329,024号)が挙げられ、それらの全ての内容は参照により全体で本明細書に援用される。
【0018】
好ましくは、式(I)
【化1】

{式中、R、R及びRは、水素、アルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールから独立に選択され、Rは、X−R基(ここでRはアルキル又はハロアルキル基であり、Xは結合部である)、又は式−C(O)O−、−C(O)O(CHY−基(ここでnは1〜10の整数であり、Yは結合部又はスルホンアミド基である)、又は−(O)(O)(CH−基(ここでRはハロにより置換されていてもよいアリール、pは0又は1、qは0又は1、tは0又は1〜10の整数であるが、qが1である場合にはtは0以外である)である}の化合物を含むプラズマに物品を、保護高分子層を物品の表面に形成させるのに十分な時間曝すことにより形成された高分子被膜が、物品に提供される。
【0019】
1、R2、R3及びR5に適したハロアルキル基はフルオロアルキル基である。アルキル鎖は、直鎖でも分岐でもよく、環状部分を含んでもよい。
【0020】
については、アルキル鎖は、2個以上の炭素原子を含むことが適当で、2〜20個の炭素原子が適当、及び6〜12個の炭素原子が好ましい。
【0021】
、R及びRについては、アルキル鎖は、1〜6個の炭素原子を有することが一般的に好ましい。
【0022】
好ましくは、Rはハロアルキル、より好ましくはペルハロアルキル基、特に式C2m+1(ここで、mは1以上の整数であり、適切には1〜20、好ましくは4〜12、例えば4、6又は8などである)のペルフルオロアルキル基である。
【0023】
、R及びRに適当なアルキル基は、1〜6個の炭素原子を有する。
【0024】
一実施形態において、R、R及びRの少なくとも1つは水素である。特定の実施形態においては、R、R、Rは全て水素である。しかしながら、さらなる実施形態においては、Rはメチル又はプロピルなどのアルキル基である。
【0025】
Xが−C(O)O−、−C(O)O(CHY−基である場合、nは適当なスペーサー基を提供する整数である。特に、nは1〜5、好ましくは約2である。
【0026】
Yに適当なスルホンアミド基としては、、式−N(R)SO基(ここで、R7は、水素又はC1-4などのアルキル、例えば特にメチル若しくはエチルである)が挙げられる。
【0027】
一実施形態において、式(I)の化合物は、式(II)の化合物
CH2=CH−R5 (II)
であり、式中、R5は式(I)に関して上記で定義された通りである。
【0028】
式(II)の化合物において、式(I)におけるXは結合である。
【0029】
しかしながら、好ましい実施形態においては、式(I)の化合物は式(III)のアクリレート
CH=CRC(O)O(CH (III)
であり、式中のn及びRは式(I)に関して定義された通りで、Rは、水素、C1−10アルキル、又はC1−10ハロアルキルである。特に、Rは水素又はメチルなどのC1−6アルキルである。式(III)の化合物の特定の例は、式(IV)の化合物であり、
【化2】

式中、Rは上記で定義された通りであり、特に水素であり、xは1〜9、例えば4〜9の整数、好ましくは7である。その場合、式(IV)の化合物は、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートである。
【0030】
あるいは、少なくとも1種は2個の炭素−炭素二重結合を含む1種以上の有機モノマー化合物を含むプラズマに物品を、表面に高分子層を形成させるのに十分な時間曝すことにより、高分子被膜を形成してよい。
【0031】
2個以上の二重結合を有する化合物は、式(V)の化合物を含むことが適当であり、
【化3】

式中、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールから全て独立に選択され、Zは架橋基である。
【0032】
式(V)の化合物において使用するのに適当な架橋基Zの例は、高分子技術分野において知られたものである。特定の場合、それらは、酸素原子が挿入されていてもよく、所望により置換されているアルキル基を含む。架橋基Zのための適当な任意の置換基は、ペルハロアルキル基、特にペルフルオロアルキル基を含む。
【0033】
特に好ましい実施形態において、架橋基Zは、1個または複数のアシルオキシ又はエステル基を含む。特に、式Zの架橋基は、下位の式(VI)の基であり、
【化4】

式中、nは、1〜10、適当には1〜3の整数であり、R14及びR15のそれぞれは、水素、アルキル又はハロアルキルから独立に選択される。
【0034】
、R、R10、R11、R12、及びR13は、フルオロアルキルなどのハロアルキル、又は水素であることが適当である。特定の場合には、それらは全て水素である。
【0035】
式(V)の化合物は、少なくとも1つのハロアルキル基、好ましくはペルハロアルキル基を含有することが適当である。
【0036】
式(V)の化合物の特定の例としては、下記のものが挙げられる。
【化5】

式中、R14及びR15は、上記で定義された通りである。ただし、R14又はR15の少なくとも1つは水素以外である。そのような化合物の特定の例は、式Bの化合物である。
【化6】

【0037】
さらなる態様において、高分子被膜は、少なくとも5個の炭素原子を有し、ヘテロ原子が挿入されていてもよく、置換されていてもよいアルキル鎖を含むモノマー飽和有機化合物を含むプラズマに、物品を十分な時間曝して、表面に高分子層を形成させることにより形成される。
【0038】
本明細書において使用する「飽和」という用語は、モノマーが、芳香環の一部ではない2個の炭素原子間に多重結合(即ち、二重又は三重結合)を含有しないことを意味する。「ヘテロ原子」という用語は、酸素、イオウ、ケイ素又は窒素原子を含む。アルキル鎖に窒素原子が挿入される場合、それは第二級又は第三級アミンを形成するように置換される。同様に、ケイ素は、例えば2個のアルコキシ基で適切に置換される。
【0039】
特に、適当なモノマー有機化合物は、式(VII)の化合物であり、
【化7】

式中、R16、R17、R18、R19及びR20は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールから独立に選択され、R21は、X−R22基(R22はアルキル又はハロアルキル基であり、Xは結合である、)、式C(O)O(CHY−基(ここでxは、1〜10の整数であり、Yは結合又はスルホンアミド基である)、又は−(O)23(O)(CH−基(ここでR23は、ハロで置換されていてもよいアリール、pは0又は1、sは0又は1、tは0又は1〜10の整数であるが、sが1である場合、tは0以外である)である。
【0040】
16、R17、R18、R19、及びR20に適したハロアルキル基は、フルオロアルキル基である。アルキル鎖は直鎖であっても分岐であってもよく、また、環状部分を含んでもよく、且つ、例えば1〜6個の炭素原子を有する。
【0041】
22については、アルキル鎖は、1個又は複数の炭素原子を含むことが適当であり、1〜20個の炭素原子が適当で、6〜12個の炭素原子が好ましい。
【0042】
好ましくは、R22はハロアルキルであり、より好ましくはペルハロアルキル基、特にC2z+1の式のペルフルオロアルキル基であり、式中、zは1又は2以上の整数であり、1〜20が適当で、6〜12、例えば8又は10などが好ましい。
【0043】
Xが−C(O)O(CHY−基である場合には、yは、適当なスペーサー基を提供する整数である。特に、yは1〜5であり、好ましくは約2である。
【0044】
Yに適したスルホンアミド基は、式−N(R23)SO基(R23は、水素、アルキル又はハロアルキル、例えばC1−4アルキル、特にメチル又はエチルなどである)を含む。
【0045】
本発明の方法において使用されるモノマー化合物は、ハロゲンにより置換されていてもよいC6−25アルカン、特にペルハロアルカン、とりわけペルフルオロアルカンを含むことが好ましい。
【0046】
さらに別の場合には、物品は、置換されていてもよいアルキンを含むプラズマに、表面に高分子層を形成させるのに十分な時間曝される。
【0047】
本発明の方法において使用されるアルキン化合物は、1個または複数の炭素−炭素三重結合を含む炭素原子鎖を含むことが適当である。その鎖は、所望によりヘテロ原子が挿入されていて、また、環及び他の官能基を含む置換基を有していてもよい。直鎖であっても分岐であってもよい適当な鎖は、2〜50個の炭素原子、より適当には6〜18個の炭素原子を有する。それらは、出発原料として使用されるモノマー中に存在するか、又はプラズマ適用時にモノマー中で、例えば開環により形成されてよい。
【0048】
特に、適当なモノマー有機化合物は、式(VIII)の化合物であり、
24−C≡C−X−R25 (VIII)
式中、R24は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールであり;Xは、結合又は架橋基であり;そしてR25は、アルキル、シクロアルキル又はハロゲンにより置換されていてもよいアリール基である。
【0049】
適当な架橋基Xとしては、式−(CH−、−CO(CH−、−(CHO(CH−、−(CHN(R26)CH−、−(CHN(R26)SO−基が挙げられ、ここでsは0又は1〜20の整数であり、p及びqは1〜20の整数から独立に選択され;そしてR26は水素、アルキル、シクロアルキル又はアリールである。R26のための特定のアルキル基としては、C1−6アルキル、特に、メチル又はエチルが挙げられる。
【0050】
24がアルキル又はハロアルキルである場合、1〜6個の炭素原子を有することが一般的に好ましい。
【0051】
24に適したハロアルキル基としては、フルオロアルキル基が挙げられる。アルキル鎖は、直鎖であっても分岐であってもよく、環状部分を含んでもよい。しかしながら、R24は水素であることが好ましい。
【0052】
好ましくは、R25はハロアルキルであり、より好ましくはペルハロアルキル基であり、特に式C2r+1(式中、rは1又は2以上の整数であり、1〜20が適当、6〜12、例えば8又は10などが好ましい)のペルフルオロアルキル基である。
【0053】
好ましい実施形態において、式(VIII)の化合物は、式(IX)の化合物である。
CH≡C(CH−R27 (IX)
式中、sは上記の定義の通りであり、R27はハロアルキル、特にペルハロアルキル、例えばC13のようなC6−12ペルフルオロ基などである。
【0054】
別の好ましい実施形態において、式(VIII)の化合物は、式(X)の化合物である。
CH≡C(O)O(CH27 (X)
式中、pは1〜20の整数であり、R27は上記式(IX)に関して定義された通りであり、特にC17基である。好ましくは、この場合には、pは1〜6の整数であり、最も好ましくは約2である。
【0055】
式(I)の化合物の他の例は、式(XI)の化合物、
CH≡C(CH2pO(CH2q27 (XI)
(式中、pは上記の定義の通りであるが、特に1であり、qは上記の定義の通りであるが、特に1であり、R27は式(IX)に関して定義された通りで、特にC13基である);
又は式(XII)の化合物
CH≡C(CHN(R26)(CH27 (XII)
(式中、pは上記の定義の通りであるが、特に1であり、qは上記の定義の通りであるが、特に1であり、R26は上記の定義の通りであり、特に水素であり、R27は式(IX)に関して定義された通りであり、特にC15基である);
又は式(XIII)の化合物
CH≡C(CH2pN(R26)SO227 (XIII)
(式中、pは上記の定義の通りであるが、特に1であり、R26は上記の定義の通りであるが、特にエチルであり、R27は式(IX)に関して定義された通りであり、特にC817基である)である。
【0056】
別の実施形態において、本プロセスで使用されるアルキンモノマーは、式(XIV)の化合物である。
28C≡C(CHSiR293031 (XIV)
式中、R28は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールであり、R29、R30及びR31は、アルキル又はアルコキシ、特にC1−6アルキル若しくはアルコキシから独立に選択される。
【0057】
好ましい基R28は、水素又はアルキル、特にC1−6アルキルである。
【0058】
好ましい基R29、R30及びR31は、C1−6アルコキシ、特にエトキシである。
【0059】
プラズマ重合が有効な態様で起こる厳密な条件は、ポリマーの性質、処理される物品などの要因に依存して変化し、当技術分野において知られた所定の方法を使用して決定し得る。
【0060】
本発明の方法において使用する適当なプラズマは、高周波(RF)、マイクロ波又は直流(DC)により発生するものなど非平衡プラズマを含む。それらは、当技術分野において知られているように、大気圧又は大気圧未満で作用し得る。しかしながら、特に、それらは、高周波(RF)により発生する。
【0061】
種々の形態の設備が、気体状プラズマを発生させるために使用できる。一般に、これらとしては、プラズマを発生させることができる容器又はプラズマ室が挙げられる。そのような設備の特定の例は、例えば国際公開第2005/089961号及び国際公開第02/28548号に記載されているが、他の従来のプラズマ発生装置も多くが利用可能である。
【0062】
その方法においては、一般に、プラズマ室内に、被処理基材を、目的のポリマー物質を生じ得る、本質的に気体状態の1種または2種以上のモノマーと共に入れて、プラズマ室内でグロー放電を起こさせ、適当な電圧(好ましくはパルス電圧でよい)をかける。
【0063】
本明細書において使用されるとき、「本質的に気体状態の」という表現は、気体又は蒸気の単体、またはその混合物、並びにエアロゾルを指す。
【0064】
プラズマ室内に存在する気体は、モノマー化合物単独の蒸気を含んでよいが、それはキャリヤーガス、特に、ヘリウム又はアルゴンなどの不活性ガスと組み合わせてもよい。特に、ヘリウムはモノマーの開裂を最小化できるので、担体が必要とされる場合には、好ましいキャリヤーガスである。
【0065】
混合物として使用されるとき、モノマー蒸気のキャリヤーガスに対する相対量は、当技術分野における従来からの手順に従って適当に決定される。加えられるモノマーの量は、使用される特定のモノマーの性質、基材の性質、プラズマ室のサイズ等に、ある程度依存するであろう。一般的に、従来のプラズマ室の場合には、モノマーは、50〜1000mg/分の量で、例えば10〜150mg/分の速度で供給される。しかしながら、速度は、選ばれた反応器のサイズ、及び同時に加工される必要がある基材の数に非常に大きく依存し、これはまた、必要とされる年間処理能力及び資本経費などの判断にも依存することは明らかあろう。ヘリウムなどのキャリヤーガスは、一定の速度、例えば毎分5〜90標準立方センチメートル(sccm)、例えば15〜30sccmの速度で供給される。ある場合には、モノマーのキャリヤーガスに対する比は、100:0〜1:100の範囲内、例えば10:0〜1:100、及び特に約1:0〜1:10の範囲内であろう。選択される正確な比は、プロセスにより要求される流速が得られることを確実にするようなものであろう。
【0066】
ある場合には、予備的な連続出力プラズマを、プラズマ室内で、例えば15秒〜10分間当ててもよい。これは、表面の前処理又は活性化ステップとして作用することができ、モノマーがそれ自体表面に容易に付着することを確実にして、その結果、重合が起こると、蒸着が表面上で「成長する」。前処理ステップは、モノマーがプラズマ室中に導入される前に、不活性ガスのみの存在下で実施してよい。
【0067】
次に、少なくともモノマーが存在するときに、プラズマを、適当にパルス状プラズマに切り替えて、重合を進行させる。
【0068】
全ての場合には、グロー放電は、高周波電圧を適用することにより、例えば13.56MHzで、適切に起こる。これは電極を用いて適用され、電極はプラズマ室の内部にあっても外部にあってもよく、通常大きい、または小さいプラズマ室それぞれに使用される。
【0069】
気体、蒸気又は気体混合物は、少なくとも毎分1標準立方センチメートル(sccm)、好ましくは1〜100sccmの範囲内の速度で供給されることが適当である。
【0070】
モノマー蒸気の場合に、これは、連続又はパルス電圧をかけながら、80〜1000mg/分の速度で供給されることが適当である。しかしながら、工業的規模の使用においては、所定の加工時間によって異なり、また単量体の性質及び求められる技術的効果にも依存する一定の全単量体供給量を有することがより適切であろう。
【0071】
気体又は蒸気は、プラズマ領域中に引き込むか、又はポンプで送り込むことができる。特に、プラズマ室が使用される場合、排気ポンプの使用により生ずるプラズマ室内圧の低下の結果として、気体又は蒸気がプラズマ室中に引き込まれることが可能になる。あるいは、それらは、プラズマ室中にポンプで送り込むか、若しくは噴射するか、又は液体若しくは蒸気を容器に供給するための任意の他の既知の手段により供給することができる。
【0072】
重合は、0.1〜400mtorrの圧力に保たれている式(I)の化合物の蒸気を使用して、適当に達成することができる。溶媒及び/又は接着剤の使用された程度が脱ガス速度と、加工が起こる圧力に影響するため、任意の所定の場合に選ばれる圧力は、加工される靴の種類に依存することは明らかであろう。
【0073】
適用される電場は、適当には5〜500Wの出力、適当には約10〜200Wのピーク出力で、連続又はパルス電場として適用される。パルスが必要とされる場合、それらは、非常に低い平均出力を生ずるシーケンスで、例えば接続時間:切断時間の比が1:500〜1:1500の範囲内にあるシーケンスで、適用することができる。そのようなシーケンスの特定の例は、出力が20〜50μs、例えば約30μsの接続、そして1000μs〜30000μs、特に約20000μsの切断であるシーケンスである。この方法で得られる典型的平均出力は0.01Wである。
【0074】
1バッチの靴を加工するために必要とされる全RF出力は、式(I)の化合物の性質並びにそのバッチで強化される物品の種類及び数に応じて、30秒〜90分、好ましくは1分〜10分適用されるのが適当である。
【0075】
使用されるプラズマ室は、年間処理能力を最大化するために十分な容積を有することが適当で、それ故、個々のプラズマ室のサイズ及び数並びにバッチサイクルで加工することができる靴などの物品の数は、限定されるものではないが、(a)年間生産量、(b)1日当たりの操業時間及び年間操業日数、(c)工場の操業効率、(d)設備の資本コスト、(e)履物のサイズ及び使用される材料などの多数の要因に依存する。
【0076】
プラズマ室の寸法は、処理される特定の物品を収容できるように選択されるであろう。例えば、一般的には、円筒状のプラズマ室が広範囲の用途に適し得るが、必要であれば、細長い若しくは角形の、又はさらに立方体様若しくは任意の他の適当な形状のプラズマ室を組み立てることができる。
【0077】
プラズマ室は、バッチ工程を可能にする密閉可能な容器であってもよく、又は半連続工程で利用することが可能になるように、物品のための入口及び出口を備えてもよい。特に後者の場合、プラズマ室内でプラズマ放電を引き起こすために必要な圧力条件は、例えば「笛を吹くような洩れ(whistling leak)」のある装置に見られる従来の高容量ポンプを使用して、維持される。しかしながら、大気圧、又は大気圧付近で、「笛を吹くような洩れ」の必要を認めずに、履物の物品を加工することも可能である。
【0078】
適用される電場は、20〜500Wの出力のものであることが適当で、パルス電場として約100Wのピーク出力で適用されることが適当である。パルスは、非常に低い平均出力を生ずるシーケンスで、例えば接続時間:切断時間の比が、使用されるモノマー気体の性質に応じて、1:3〜1:1500の範囲内にあるシーケンスで適用される。重合困難の可能性があるモノマーに対して、接続時間:切断時間の範囲は、この範囲の下限、例えば1:3〜1:5にすることができるが、多くの重合は1:500〜1:1500の接続時間:切断時間の範囲で起こり得る。上記のシーケンスの特定の例は、出力が、20〜50μs、例えば約30μsの接続で、そして1000μs〜30000μs、特に約20000μsの切断であるシーケンスである。この方法で得られる典型的平均出力は0.01Wである。
【0079】
電場は、モノマー及び基材の性質、並びに必要とされる目的の被膜の性質に応じて、30秒〜90分、好ましくは5〜60分、適当に適用される。
【0080】
本発明の方法において使用するために適当なプラズマは、高周波(RF)、マイクロ波又は直流(DC)により発生するものなどの非平衡プラズマを含む。それらは、当技術分野において知られているように、大気圧又は大気圧未満で作用することができる。しかしながら、それらは特に高周波(RF)により発生する。
【0081】
全ての場合には、グロー放電は、高周波電圧を、例えば13.56MHzで適用することにより、起こることが適当である。これは、プラズマ室に対して内部でも外部でもよいが、大きいプラズマ室の場合には内部にある電極を使用して適用される。
【0082】
気体、蒸気又は気体混合物は、少なくとも毎分1標準立方センチメートル(sccm)、好ましくは1〜100sccmの範囲内の速度で供給されることが適当である。
【0083】
モノマー蒸気の場合、これは、モノマーの性質に応じて、パルス電圧をかけながら、80〜300mg/分、例えば毎分約120mgの速度で供給されることが適当である。
【0084】
気体又は蒸気は、プラズマ領域中に引き込むか、又はポンプで送り込むことができる。特に、プラズマ室が使用される場合、気体若しくは蒸気は、排気ポンプの使用により生ずるプラズマ室内圧の低下の結果として、プラズマ室中に引き込まれてもよく、又はそれらは、液体の取り扱いにおいて通常行われるように、プラズマ室中にポンプで送り込まれるか、噴霧されるか、滴下されるか、静電気的にイオン化されるか、若しくは噴射されてもよい。
【0085】
重合は、0.1〜400mtorr、適当には約10〜100mtorrの圧力に保たれたモノマーの蒸気を使用して達成することができる。
【0086】
プラズマ重合が効果的な態様で起こる厳密な条件は、蒸着されるポリマーの性質、並びに基材の性質などの要因に依存して変化し、所定の方法及び/又は他の技法を使用して決定される。
【0087】
プラズマ室の寸法は、特定の基材又は処理される装置を収容できるように選択される。プラズマ室は、バッチ工程を可能にする密閉可能な容器であってもよく、又はインラインシステムとして連続工程で利用することが可能であるように、基材のための入口及び出口を備えてもよい。特に後者の場合、プラズマ室内でプラズマ放電を引き起こすために必要な圧力条件は、例えば「笛を吹くような洩れ」のある装置における従来の高容量ポンプを使用して保たれる。しかしながら、大気圧で、又は大気圧付近で、「笛を吹くような洩れ」の必要を認めずに薬剤送達システムを加工することが可能である。
【0088】
処理された靴の疎水性は、AATCC 193/2005(American Association of Textile Colourists and Chemists)の試験方法など、当技術分野における従来の試験を使用して評価することができる。
【実施例】
【0089】
ここで、本発明を、添付した図を参照して実施例により具体的に説明することにする。
【0090】
[実施例1]
Victoryブランドの靴(中底を除去した)を、外部に銅製の巻コイル電極を有する、容積が約13リットルのガラスチューブ容器中に入れ、Leybold screwline SP630及びLeybold Roots blower 2001WSU pumpstackを使用して1分間排気した。1分間ポンプで引いた後、履物の表面を活性化するために、Dressler ‘Cesar 1310’高周波発生器及び手製の共振回路を使用して、連続波プラズマを50Wで30秒間当てた。これに続いて、接続時間20マイクロ秒、切断時間20ミリ秒、ピーク出力50Wのパルスプラズマ条件下で、過フッ素化アクリレートモノマーを、5分間、モノマーチューブを通して容器中に導入した。この時間の後、RF供給を切り、同様にモノマー供給源も遮断して系に空気を通し、それから靴を取り出した。
【0091】
靴の疎水性を測定する最初の評価は、AATCC 193/2005の試験(American Association of Textile Colourists and Chemists)に従って、水(又はイソプロピルアルコール混合物)の小滴を靴の上に置き、流れ去り及び浸潤/吸い上げの両者により撥水性の程度を評価することにより実施する。靴はこの試験方法によるw6の防水等級を有する。次に、対応する未処理の靴と比較した、処理された靴の「通気性」は、SATRA Advanced Moisture Management Test (SATRA TMV376)を使用して、高いストレスレベル(34℃及び5ml/hrの発汗速度)のヒトの足を模した標準条件に曝す前と後の靴の重量を測定することにより、評価することができる。
【0092】
[実施例2]
実施例1の方法に従って処理された種々の市販のスポーツシューズについての水浸透度は、EN ISO 20344:2004(E)の試験方法に従って測定した。この国際的に認知されている安全靴に対する試験(しばしば「洗車」試験と称される)において、履物の物品は、所定の深さの水中で、回転する濡れたブラシの機械的作用を受けて、プログラムされた各試験期間の終了時に、水浸透度が検査により測定される。
【0093】
試験は対応する未処理スポーツシューズを使用して繰り返され、処理された靴と未処理の靴とについて経時的な水の取り込みを比較することが可能になる。
【0094】
市販のスポーツシューズNew Balance 1091及びPearl Izumiについて得られた結果を、図1及び2にそれぞれグラフで示す。これらの結果から、処理された靴(斜線付)は、それらの未処理の対応品より水の取り込みがかなり少なく、その結果、重量増が顕著に少なくなることが分かる。
【0095】
図3〜5は、Adidas Supernova GCS GTX (XCR)、Asics Gel Yama及びBrooks Adrenalineのスポーツシューズについてこの試験で得られた、破過(break-through)が起こるまでの靴の水取り込みの結果を示す。3つの場合の全てにおいて、水の破過は、処理された靴よりも未処理の靴についてかなり早く起こることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を気体状態のプラズマに、保護層が物品の表面に形成されるのに十分な時間曝すことを含む、液体の取り込みに起因する重量増から物品を保護する方法。
【請求項2】
物品が、履物又は衣服の物品である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
物品が、スポーツシューズを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記保護層が、物品を式(I):
【化1】

{式中、R、R及びRは、水素、アルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールから独立に選択され;そしてRは、X−R基(ここでRは、アルキル又はハロアルキル基であり、Xは結合部である)、又は式−C(O)O−、−C(O)O(CHY−の基(ここでnは1〜10の整数であり、Yは結合部又はスルホンアミド基である)、又は−(O)(O)(CH−基(ここでRはハロにより置換されていてもよいアリールであり、pは0又は1であり、qは0又は1であり、tは0又は1〜10の整数であるが、qが1である場合、tは0以外である)}の化合物を含むパルスプラズマに、保護高分子層が物品の表面に形成されるのに十分な時間曝すことにより形成される高分子層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
物品が、プラズマ蒸着室内でパルスプラズマに曝される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
式(I)の化合物が、式(II):
CH=CH−R (II)
(式中、Rは請求項4で定義された通りである)の化合物、
又は式(III):
CH=CRC(O)O(CH (III)
(式中、n及びRは請求項4で定義された通りであり、Rは水素、C1−10アルキル、又はC1−10ハロアルキルである)の化合物である、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
式(III)の化合物が、式(IV):
【化2】

(式中、Rは請求項6で定義された通りであり、xは1〜9の整数である)の化合物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
式(IV)の化合物が、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシルアクリレートである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記保護層が、物品を式(V):
【化3】

(式中、R、R、R10、R11、R12、及びR13は、水素、ハロ、アルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールから全て独立に選択され、Zは架橋基である)の化合物を含むプラズマに曝すことにより形成される高分子層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記保護層が、物品を式(VII):
【化4】

{式中、R16、R17、R18、R19及びR20は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、又はハロで置換されていてもよいアリールから独立に選択され;そしてR21はX−R22基(ここでR22はアルキル又はハロアルキル基であり、Xは結合部である)、又は式−C(O)O(CHY−の基(ここでxは1〜10の整数であり、Yは結合部又はスルホンアミド基である)、又は−(O)23(O)(CH−基(ここでR23は、ハロで置換されていてもよいアリールであり、pは0又は1であり、sは0又は1であり、tは0又は1〜10の整数であるが、sが1である場合、tは0以外である)}の化合物を含むプラズマに曝すことにより形成される高分子層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記保護層が、物品を式(VIII):
24−C≡C−X−R25 (VIII)
(式中、R24は、水素、アルキル、シクロアルキル、ハロアルキル又はハロで置換されていてもよいアリールであり;Xは結合部又は架橋基であり;そしてR25は、アルキル、シクロアルキル又はハロゲンによって置換されていてもよいアリール基である)の化合物を含むプラズマに曝すことにより形成される高分子層である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
目的のポリマー物質を生成できる本質的に気体状態の1種または複数のモノマーと共に、被処理物品をプラズマ室内に入れて、プラズマ室内でグロー放電を起こして、適切なパルス電圧をかける、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
接続時間:切断時間の比が、1:500〜1:1500の範囲内にあるシーケンスでパルスを適用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
液体の取り込みに起因する重量増から物品を保護するための、物品上に撥液性被膜を蒸着するプラズマ重合蒸着法の使用。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法により処理された履物の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−534727(P2010−534727A)
【公表日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516567(P2010−516567)
【出願日】平成20年7月16日(2008.7.16)
【国際出願番号】PCT/GB2008/002416
【国際公開番号】WO2009/010741
【国際公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(508216699)ピーツーアイ リミティド (12)
【Fターム(参考)】