説明

プラズマディスプレイ装置及びその駆動方法

【課題】プラズマディスプレイパネルの駆動状態に応じてプラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付をより適切に防止できるようにする。
【解決手段】プラズマディスプレイ装置において、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データの表示負荷率を検出し、検出した表示負荷率に応じて決定された印加可能な所定時間あたりのサステインパルス数と予め設定した制御目標サステインパルス数との差分を算出し、その差分の大きさに応じて増減量を変化させて、プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数の制御に係る制御動作カウンタを増減させるようにして、制御目標サステインパルス数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してプラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数の制御を行えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ装置において、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止する方法として、総発光回数を監視し、所定の基準値を越えた状態がある頻度以上発生した場合には総発光回数を減少させ、所定の基準値を下回る状態がある頻度以上発生した場合には総発光回数を増加させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、前記提案を最適に使用するための方法も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−99242号公報
【特許文献2】特開2004−45886号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1や前記特許文献2等に提案された方法では、総発光回数が基準値を越えた頻度に応じて総発光回数の制御が行われていた。
本発明の目的は、プラズマディスプレイパネルの駆動状態に応じてプラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付をより適切に防止できるプラズマディスプレイ装置及びその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一観点によれば、2電極間で放電を行う複数の電極群を持つプラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルの電極群に電圧を印加して駆動する駆動回路と、前記駆動回路を制御する制御回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、前記制御回路は、前記プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データの表示負荷率を検出し、前記表示負荷率に応じて決定された印加可能な所定時間あたりのサステインパルス数と予め設定した制御目標サステインパルス数との差分を算出し、前記差分の大きさに応じて増減量を変化させて、前記プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数の制御に係る制御動作カウンタを増減させるカウント動作を行うことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
検出された表示負荷率に応じて決定された印加可能な所定時間あたりのサステインパルス数が制御目標サステインパルス数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してプラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数の制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。本実施形態におけるプラズマディスプレイ装置は、プラズマディスプレイパネル1、X駆動回路2、Y駆動回路3、アドレス駆動回路4、及び制御回路5を有する。
【0009】
X駆動回路2は、維持放電を繰り返す回路からなり、プラズマディスプレイパネル1に形成されたX電極(維持電極)X1、X2、…に所定の電圧を供給する。以下、X電極X1、X2、…の各々を又はそれらの総称を、X電極Xiともいい、iは添え字を意味する。
【0010】
Y駆動回路3は、線順次走査して表示すべき行を選択する回路、及び維持放電を繰り返す回路からなり、プラズマディスプレイパネル1に形成されたY電極(走査電極)Y1、Y2、…に所定の電圧を供給する。以下、Y電極Y1、Y2、…の各々を又はそれらの総称を、Y電極Yiともいい、iは添え字を意味する。
【0011】
アドレス駆動回路4は、表示すべき列を選択する回路からなり、プラズマディスプレイパネル1に形成されたアドレス電極A1、A2、…に所定の電圧を供給する。以下、アドレス電極A1、A2、…の各々を又はそれらの総称を、アドレス電極Ajともいい、jは添え字を意味する。
【0012】
制御回路5は、外部から入力される入力信号(表示画像データ、クロック信号、水平同期信号、及び垂直同期信号等)に基づいて制御信号を生成する。制御回路5は、生成した制御信号をX駆動回路2、Y駆動回路3、及びアドレス駆動回路4に供給し、これら駆動回路2、3、4を制御する。
【0013】
プラズマディスプレイパネル1では、Y電極Yi及びX電極Xiが水平方向に並列に延びる行を形成し、アドレス電極Ajが垂直方向に延びる列を形成する。Y電極Yi及びX電極Xiは、垂直方向に交互に配置されて表示ラインを構成する。すなわち、Y電極Yi及びX電極Xiは互いに平行に配置されて、アドレス電極AjはY電極Yi及びX電極Xiに略垂直な方向に配置される。Y電極Yi及びアドレス電極Ajは、i行j列の2次元行列を形成する。
【0014】
セルCijは、Y電極Yi及びアドレス電極Ajの交点並びにそれに対応して隣接するX電極Xiにより形成される。このセルCijが、例えば赤色、緑色、青色のサブピクセルに対応し、これら3色のサブピクセルで1画素が構成される。パネル1は2次元配列された複数の画素の点灯により画像を表示する。Y駆動回路3の線順次走査して表示すべき行を選択する回路とアドレス駆動回路4とによってどこのセルを点灯させるかを決め、X駆動回路2とY駆動回路3とによって繰り返し放電を行うことにより、プラズマディスプレイ装置での表示動作が行われる。
【0015】
図2は、本実施形態におけるプラズマディスプレイパネル1の構成例を示す分解斜視図である。
【0016】
前面ガラス基板11上に、バス電極(金属電極)12と透明電極13からなる表示電極(サステイン電極ともいう。)が形成されている。表示電極(12、13)は、図1に示したY電極Yi及びX電極Xiに対応する。表示電極(12、13)の上には、誘電体層14が設けられ、さらにその上には、MgO(酸化マグネシウム)保護層15が設けられている。すなわち、前面ガラス基板11に配置された表示電極(12、13)は、誘電体層14に覆われており、さらにその表面がMgO保護層15に覆われている。
【0017】
前面ガラス基板11と対向して配置された背面ガラス基板16上に、表示電極(12、13)と直交する方向に(交差するように)アドレス電極17R、17G、17Bが形成されている。アドレス電極17R、17G、17Bは、図1に示したアドレス電極Ajに対応する。アドレス電極17R、17G、17Bの上には、誘電体層18が設けられる。
【0018】
さらに誘電体層18上には、格子状に配置された、すなわち放電空間をセル毎に区画する閉鎖型の隔壁(リブ)19、及びカラー表示のための赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の可視光を発光する蛍光体層PR、PG、PBが形成されている。対をなす表示電極(12、13)間の面放電で生じる紫外線によって蛍光体層PR、PG、PBを励起して各色が発光する。
【0019】
隔壁19は、アドレス電極17R、17G、17Bが延びる方向に形成された縦隔壁(縦リブ)と、表示電極(12、13)が延びる方向に形成された横隔壁(横リブ)とからなる。すなわち、本実施形態におけるプラズマディスプレイパネル1は、閉鎖型隔壁構造を有する。
【0020】
蛍光体層PR、PG、PBは、アドレス電極17Rの上方に赤色に発光する蛍光体層PRが形成され、アドレス電極17Gの上方に緑色に発光する蛍光体層PGが形成され、アドレス電極17Bの上方に青色に発光する蛍光体層PBが形成されている。言い換えれば、セル対応の隔壁19内面に塗布されている赤色、緑色、青色の蛍光体層PR、PG、PBに対応するようにしてアドレス電極17R、17G、17Bが配置されている。
【0021】
プラズマディスプレイパネル1は、前面ガラス基板11と背面ガラス基板16を、保護層15と隔壁19が接するように封着し、その内部(前面ガラス基板11と背面ガラス基板16との間の放電空間)にNe−Xe等の放電ガスを封入して構成される。
【0022】
図3は、本実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法の一例を説明するための図である。1つのフィールドは、複数のサブフィールドから構成される。図3には、一例として1つのフィールドが10個のサブフィールド201〜210からなる構成を図示しているが、これに限定されるものではない。
【0023】
各サブフィールド201〜210は、リセット期間211、アドレス期間212、及びサステイン期間213で構成される。リセット期間211において電極上の壁電荷状態を初期化し、アドレス期間212において表示画像データに基づいて壁電荷状態を調整して点灯させようとするセルを選択し、サステイン期間213で表示画像データに対応したセルを点灯させる(表示画像データに応じて選択されたセルを放電発光させる)。
【0024】
本実施形態におけるプラズマディスプレイ装置においては、1フィールドが重み付けされたサステインパルス数を有する複数のサブフィールドで構成され、その複数のサブフィールドのうちの点灯するサブフィールドのパターンを選択することにより画像を階調表現することができる。すなわち、サブフィールド201〜210は、輝度の相対比率に応じた重み付けがなされ、どのサブフィールド201〜210で点灯させるかを選択することにより、階調表現が実現される。
【0025】
図4は、第1の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。
第1の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、及びサステイン周波数制御部105を有し、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。ここで、サステイン周波数fSUSは、所定時間あたり、例えば1秒間あたりに印加可能なサステインパルス数である。
【0026】
表示負荷率検出部101は、プラズマディスプレイパネル1における表示画像データを入力として、表示画像データの表示負荷率を検出する。この表示負荷率とは、画面のセルの総数に対する点灯すべきセルの割合を示す値である。
【0027】
サステイン周波数比較部102は、表示負荷率検出部101で検出された表示負荷率に応じて決定されたサステイン周波数と、制御目標サステイン周波数供給部103から供給される制御目標サステイン周波数とを比較し、その差分を計算する。
【0028】
制御目標サステイン周波数供給部103は、プラズマディスプレイパネル1におけるパネル管面温度をある温度に制御するためのサステイン周波数を記憶しており、そのサステイン周波数を制御目標サステイン周波数として出力する。なお、制御目標サステイン周波数供給部103に記憶されるサステイン周波数は、あらかじめ測定等を行うことにより設定される。
【0029】
制御動作カウンタ104は、サステイン周波数を制御目標サステイン周波数とする制御を開始するためのカウンタ及び制御を解放するためのカウンタである。この制御動作カウンタ104は、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じてカウント値の増減量が変化される。
【0030】
例えば、制御動作カウンタ104は、サステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分が正(サステイン周波数>制御目標サステイン周波数)である場合にはカウント値が増加される。そして、所定のカウント値に到達した場合にサステイン周波数を抑制するよう制御回路により制御目標サステイン周波数へとサステイン周波数を減少させる制御が行われる。また、例えば、制御動作カウンタ104は、サステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分が負(サステイン周波数<制御目標サステイン周波数)である場合にはカウント値が減少される。そして、所定のカウント値に到達した場合に制御回路により制御目標サステイン周波数へとサステイン周波数を減少させる制御が停止され、例えば表示負荷率に応じたサステイン周波数に戻すよう制御される。
【0031】
サステイン周波数制御部105は、プラズマディスプレイパネル1におけるサステイン周波数を制御する。サステイン周波数制御部105は、例えば制御動作カウンタ104のカウント値がある値を超えるまでは、表示負荷率検出部101で検出された表示負荷率に応じたサステイン周波数をサステイン周波数fSUSとして出力する。また、サステイン周波数制御部105は、例えば制御動作カウンタ104のカウント値がある値を超えた場合には、制御目標サステイン周波数供給部103から供給される制御目標サステイン周波数をサステイン周波数fSUSとして出力する。
【0032】
次に、動作について説明する。
表示負荷率検出部101で検出された表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数と、制御目標サステイン周波数供給部103から供給される制御目標サステイン周波数との差分に応じて、制御動作カウンタ104のカウンタ値が増減される。例えば、サステイン周波数が制御目標サステイン周波数より大きい場合には、その差分に応じた変化量でカウント値が増加され、サステイン周波数が制御目標サステイン周波数より小さい場合には、その差分に応じた変化量でカウント値が減少される。
【0033】
制御動作カウンタ104のカウント値がある値を超えるまでは、表示負荷率検出部101で検出された表示負荷率に応じたサステイン周波数がサステイン周波数制御部105よりサステイン周波数fSUSとして出力される。そして、制御動作カウンタ104のカウント値が増加していき、カウント値がある値を超えると、制御目標サステイン周波数供給部103から供給される制御目標サステイン周波数がサステイン周波数制御部105よりサステイン周波数fSUSとして出力される。この状態で、制御動作カウンタ104のカウント値が減少し、カウント値がある値以下となると、表示負荷率検出部101で検出された表示負荷率に応じたサステイン周波数がサステイン周波数制御部105よりサステイン周波数fSUSとして出力される。
【0034】
第1の実施形態によれば、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じた変化量で制御動作カウンタ104のカウント値が増減され、そのカウント値に基づいてX駆動回路2及びY駆動回路3に対して出力されるサステイン周波数fSUSが制御される。これにより、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してサステイン周波数fSUSの制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0035】
ここで、制御動作カウンタ104のカウント値がある値を超えた場合に、サステイン周波数制御部105より出力されるサステイン周波数fSUSを表示負荷率に応じたサステイン周波数から制御目標サステイン周波数に抑制する制御は、複数のフレーム分の期間をかけて、例えば図5に示すように行われる。なお、サステイン周波数を減少させる傾き、すなわち単位時間あたり(例えば、1フレームあたり)のサステイン周波数の減少量は任意である。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0037】
ここで、前述した特許文献1、2に記載のような技術においては、総サステインパルス数が大きな値のままである状態が高い頻度で発生した場合には、高輝度の部分の面積が小さいパターンが頻繁に表示されている可能性があると判断して、総サステインパルス数を減少させる制御を行っている。具体的には、図6(a)に示すように、表示負荷率が大きくなった際に電力を所定値以下に保つようにサステインパルス数を減らす制御(破線から実線への制御)が行われている。この際に、図6(b)に示すように、減少したサステインパルス数に応じて輝度も同様に減少する。
【0038】
このような制御では、プラズマディスプレイパネルのパネル管面温度が高温となる、制御が必要となる表示以外においても、制御の動作条件を満たしてしまい、制御が動作してしまうことがある。そこで、パネル管面温度が上昇し、制御を動作させなければならない表示と、そうでない表示を切り分ける必要が生じる。以下に説明する実施形態は、パネル管面温度を抑制させる制御が必要となる表示のみで動作させることができるようにするものである。
【0039】
第2の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の全体構成及びプラズマディスプレイパネルの構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
図7は、第2の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。この図7において、図4に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0040】
第2の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、及びサステイン周波数制御部105に加え、領域別表示負荷率検出部111、カウント領域決定部112、及びカウント最大値確認部113を有する。第2の実施形態における制御回路5は、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。
【0041】
領域別表示負荷率検出部111は、表示画像データを入力として、表示画像データの表示負荷率を複数の領域別に検出する。領域別表示負荷率検出部111は、例えば図8に一例を示すような領域別に表示負荷率を検出する。図8には、表示画面を縦方向にn分割し、横方向にm分割して、画面全体をn×mのブロックL111〜L1nmの領域に分割した例を示している。
【0042】
カウント領域決定部112は、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に基づきカウント値が増減される領域を、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域毎の表示負荷率に応じて選択し決定する。ここで、本実施形態では、制御動作カウンタ104は、各領域に対応する複数のカウンタからなる。したがって、領域別表示負荷率検出部111で選択された領域のカウンタのカウント値が、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて増減され、その他の領域のカウンタのカウント値は維持される。
【0043】
カウント最大値確認部113は、制御動作カウンタ104における各領域に対応する複数のカウンタの最大値を確認する。そして、本実施形態では、この最大値に基づいて、サステイン周波数制御部105より出力されるサステイン周波数fSUSが制御される。
【0044】
前述した第1の実施形態と同様に、表示負荷率検出部101で検出された表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数と、制御目標サステイン周波数供給部103から供給される制御目標サステイン周波数との差分に応じて、制御動作カウンタ104のカウント値が増減される。例えば、サステイン周波数が制御目標サステイン周波数より大きい場合には、その差分に応じた変化量でカウント値が増加され、サステイン周波数が制御目標サステイン周波数より小さい場合には、その差分に応じた変化量でカウント値が減少される。
【0045】
ただし、第2の実施形態では、領域別表示負荷率検出部111で選択された領域のカウンタのカウント値が、表示負荷率検出部101で検出された表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数と、制御目標サステイン周波数供給部103から供給される制御目標サステイン周波数との差分に応じて増減される。
【0046】
制御動作カウンタ104における各領域に対応する複数のカウンタの最大値がある値を超えるまでは、表示負荷率検出部101で検出された表示負荷率に応じたサステイン周波数がサステイン周波数制御部105よりサステイン周波数fSUSとして出力される。そして、制御動作カウンタ104における各領域に対応する複数のカウンタの最大値がある値を超えると、制御目標サステイン周波数供給部103から供給される制御目標サステイン周波数がサステイン周波数制御部105よりサステイン周波数fSUSとして出力される。この状態で、制御動作カウンタ104における各領域に対応する複数のカウンタの最大値がある値以下となると、表示負荷率検出部101で検出された表示負荷率に応じたサステイン周波数がサステイン周波数制御部105よりサステイン周波数fSUSとして出力される。
【0047】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様に表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してサステイン周波数fSUSの制御を行うことができ、さらにはパネル管面温度を抑制させる制御が必要となる表示に対して適切に制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の全体構成及びプラズマディスプレイパネルの構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0049】
図9は、第3の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。この図9において、図4及び図7に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0050】
第3の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、サステイン周波数制御部105、領域別表示負荷率検出部111、カウント最大値確認部113、及び表示負荷率分散値演算部121を有する。第3の実施形態における制御回路5は、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。
【0051】
表示負荷率分散値演算部121は、表示負荷率検出部101で検出された表示画像データの画面全体の表示負荷率と、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率とを入力として、表示画像データの画面全体の表示負荷率と領域別の表示負荷率との差を分散値として分割した領域の数だけ加算していく。
【0052】
そして、本実施形態では、表示負荷率分散値演算部121で演算された分散値が所定の値を超えた場合には、映像が偏り負荷が集中していると判断し、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて制御動作カウンタ104のカウント値が増減される。ここで、本実施形態においても、制御動作カウンタ104は、各領域に対応する複数のカウンタからなり、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率に応じて選択された領域のカウンタのカウント値が、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて増減される。
【0053】
第3の実施形態によれば、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してサステイン周波数fSUSの制御を行うことができるとともに、パネル管面温度を抑制させる制御が必要となる表示に対して適切に制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0054】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の全体構成及びプラズマディスプレイパネルの構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0055】
図10は、第4の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。この図10において、図4、図7に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0056】
第4の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、サステイン周波数制御部105、領域別表示負荷率検出部111、カウント最大値確認部113、SF(サブフィールド)表示負荷率検出部131及び表示熱分散値演算部132を有する。第4の実施形態における制御回路5は、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。
【0057】
SF表示負荷率検出部131は、表示画像データを入力として、表示画像データのSF表示負荷率を検出する。
表示熱分散値演算部132は、表示負荷率検出部101で検出された表示画像データの画面全体の表示負荷率と、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率と、SF表示負荷率検出部131で検出されたSF表示負荷率とを入力として、表示画像データの画面全体の表示負荷率と領域別の表示負荷率との差を分散値として分割した領域の数だけ加算していき、さらに分散値にSF表示負荷率検出部131で検出された少なくとも1つのSF表示負荷率をかけることで熱分散値を演算する。
【0058】
そして、本実施形態では、表示熱分散値演算部132で演算された熱分散値が所定の値を超えた場合には、負荷が集中し熱が偏っていると判断し、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて制御動作カウンタ104のカウント値が増減される。ここで、本実施形態においても、制御動作カウンタ104は、各領域に対応する複数のカウンタからなり、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率に応じて選択された領域のカウンタのカウント値が、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて増減される。
【0059】
第4の実施形態によれば、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してサステイン周波数fSUSの制御を行うことができるとともに、パネル管面温度を抑制させる制御が必要となる表示に対して適切に制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0060】
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の全体構成及びプラズマディスプレイパネルの構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0061】
図11は、第5の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。この図11において、図4及び図7に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0062】
第5の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、サステイン周波数制御部105、領域別表示負荷率検出部111、カウント最大値確認部113、静止画判定部141、及び領域別表示負荷率保存部142を有する。第5の実施形態における制御回路5は、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。
【0063】
領域別表示負荷率保存部142は、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率が入力され、それを保存する。すなわち、領域別表示負荷率保存部142は、現在のフレームより1つ前のフレームにおいて領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率が格納される。
【0064】
静止画判定部141は、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率と、領域別表示負荷率保存部142に保存されている領域別の表示負荷率とを比較し、すなわち現在のフレームの表示負荷率と1つ前のフレームの表示負荷率とを比較し、表示画像が静止画であるか否かを判定する。例えば、静止画判定部141は、領域別表示負荷率検出部111で検出された(現在のフレームの)表示負荷率と、領域別表示負荷率保存部142に保存されている(1つ前のフレーム)の表示負荷率との差を求め、差が所定の値より小さい場合には表示画像が静止画であると判定し、そうでない場合には動画であると判定する。
【0065】
そして、本実施形態では、静止画判定部141により表示画像が静止画であると判定された場合には、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて制御動作カウンタ104のカウント値が増減される。ここで、本実施形態においても、制御動作カウンタ104は、各領域に対応する複数のカウンタからなり、領域別表示負荷率検出部111で検出された領域別の表示負荷率に応じて選択された領域のカウンタのカウント値が、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて増減される。
【0066】
第5の実施形態によれば、現在のフレームの表示負荷率と1つ前のフレームの表示負荷率との差に応じて制御動作カウンタを有効にし、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じてカウンタ値を増減させる。これにより、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してサステイン周波数fSUSの制御を行うことができるとともに、表示画像に応じて適切に制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0067】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
第6の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の全体構成及びプラズマディスプレイパネルの構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0068】
図12は、第6の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。この図12において、図4及び図10に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0069】
第6の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、サステイン周波数制御部105、及びSF(サブフィールド)表示負荷率検出部131を有する。第6の実施形態における制御回路5は、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。
【0070】
サブフィールド法によるプラズマディスプレイ装置の駆動方法においては、重みの大きいサブフィールドほど表示負荷に及ぼす影響は大きい。そこで、本実施形態では、SF表示負荷率検出部131で検出された重みが大きい側から少なくとも一つのサブフィールドのSF表示負荷率が所定の値を超えた場合には、サステイン周波数比較部102で算出された表示負荷率に応じたサステイン周波数と制御目標サステイン周波数との差分に応じて制御動作カウンタ104のカウント値が増減される。
【0071】
このようにすることで、煩雑な処理を行うことなく、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度だけでなく、その差分も考慮してサステイン周波数fSUSの制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0072】
(第7の実施形態)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
第7の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の全体構成及びプラズマディスプレイパネルの構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0073】
図13は、第7の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。この図13において、図4に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0074】
第7の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、サステイン周波数制御部105、及び環境温度検出部151を有し、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。
【0075】
第7の実施形態では、環境温度検出部151により環境温度を検出し、その検出結果に応じて制御目標サステイン周波数供給部103から出力される制御目標サステイン周波数を変化させる。制御目標サステイン周波数供給部103は、例えば、図14に示すように環境温度が高くなるほど制御目標サステイン周波数が低くなるような環境温度と制御目標サステイン周波数との関係を示すテーブルを有しており、環境温度検出部151により検出された環境温度に応じて制御目標サステイン周波数を決定し出力する。例えば、制御目標サステイン周波数供給部103は、環境温度検出部151により検出された環境温度がT1であれば制御目標サステイン周波数としてN1を出力し、環境温度がT2であれば制御目標サステイン周波数としてN2を出力する。
【0076】
なお、検出した環境温度に応じて制御目標サステイン周波数を変化させる点が異なるだけで、他は前述した第1の実施形態と同様である。また、図13においては、前述した第1の実施形態に適用した場合を一例として示したが、その他の各実施形態にも同様に適用可能である。
【0077】
第7の実施形態によれば、制御目標サステイン周波数を環境温度に応じて変更し、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度及び差分に応じてサステイン周波数fSUSの制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0078】
(第8の実施形態)
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
第8の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の全体構成及びプラズマディスプレイパネルの構成は、第1の実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0079】
図15は、第8の実施形態における制御回路5の構成例を示すブロック図である。この図15において、図4に示したブロック等と同一の機能を有するブロック等には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0080】
第8の実施形態における制御回路5は、表示負荷率検出部101、サステイン周波数比較部102、制御目標サステイン周波数供給部103、制御動作カウンタ104、サステイン周波数制御部105、及びファン風量決定部161を有し、プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データが入力され、X駆動回路2及びY駆動回路3に対してサステイン周波数fSUSを出力する。
【0081】
第8の実施形態では、ファン風量決定部161によりプラズマディスプレイ装置のファンが動作しているか否か(オン/オフ)を検出し、その検出結果に応じて制御目標サステイン周波数供給部103から出力される制御目標サステイン周波数を変化させる。制御目標サステイン周波数供給部103は、例えば、ファンが動作していない場合には、ファンが動作している場合よりも制御目標サステイン周波数が低く設定されるテーブルを有しており、ファン風量決定部161での検出結果に応じて制御目標サステイン周波数を決定し出力する。
【0082】
なお、検出したファンの動作状態に応じて制御目標サステイン周波数を変化させる点が異なるだけで、他は前述した第1の実施形態と同様である。また、図15においては、前述した第1の実施形態に適用した場合を一例として示したが、その他の各実施形態にも同様に適用可能である。
【0083】
第8の実施形態によれば、制御目標サステイン周波数をプラズマディスプレイ装置のファンの動作状態に応じて変更し、表示画像データの表示負荷率に応じたサステイン周波数が制御目標サステイン周波数を超えた頻度及び差分に応じてサステイン周波数fSUSの制御を行うことができ、プラズマディスプレイパネルの熱破壊や焼付を防止することができる。
【0084】
なお、前述した第3〜第5の実施形態においては、制御動作カウンタ104は各領域に対応する複数のカウンタで構成されるものとしているが、表示画面全体で1つのカウンタを用い、所定の条件を満たす場合にそのカウンタ値を増減させるようにしても良い。また、前述した第6の実施形態において、制御動作カウンタ104は表示画面全体に対応した1つのカウンタとしているが、前述した第3〜第5の実施形態等と同様に各領域に対応する複数のカウンタで構成されるようにして領域毎の表示負荷率等を考慮してカウンタ値を増減させるようにしても良い。また、前述した実施形態の中から複数の実施形態を選択し、それらを組み合わせて制御回路を構成するようにしても良い。
【0085】
なお、前記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【図2】本実施形態におけるプラズマディスプレイパネルの構成例を示す分解斜視図である。
【図3】本実施形態におけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法の一例を説明するための図である。
【図4】第1の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【図5】サステイン周波数制御部によるサステイン周波数の制御例を示す図である。
【図6】従来の表示負荷率とサステインパルス数及び電力との関係、ウィンドウ表示負荷率と輝度との関係の一例を示す図である。
【図7】第2の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【図8】本実施形態における表示画面の領域分割の一例を示す図である。
【図9】第3の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【図10】第4の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【図11】第5の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【図12】第6の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【図13】第7の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【図14】第7の実施形態における環境温度と制御目標サステイン周波数との関係の一例を示す図である。
【図15】第8の実施形態における制御回路の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
1 プラズマディスプレイパネル
2 X駆動回路
3 Y駆動回路
4 アドレス駆動回路
5 制御回路
101 表示負荷率検出部
102 サステイン周波数比較部
103 制御目標サステイン周波数供給部
104 制御動作カウンタ
105 サステイン周波数制御部
111 領域別表示負荷率検出部
112 カウント領域決定部
113 カウント最大値確認部
121 表示負荷率分散値演算部
131 SF表示負荷率検出部
132 表示熱分散値演算部
141 静止画判定部
142 領域別表示負荷率保存部
151 環境温度検出部
161 ファン風量決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2電極間で放電を行う複数の電極群を持つプラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルの電極群に電圧を印加して駆動する駆動回路と、前記駆動回路を制御する制御回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記制御回路は、前記プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データの表示負荷率を検出し、前記表示負荷率に応じて決定された印加可能な所定時間あたりのサステインパルス数と予め設定した制御目標サステインパルス数との差分を算出し、前記差分の大きさに応じて増減量を変化させて、前記プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数の制御に係る制御動作カウンタを増減させるカウント動作を行うことを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項2】
前記制御回路は、前記制御動作カウンタのカウンタ値が第1の値を超えた場合に、前記プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数を前記制御目標サステインパルス数まで減少させるように制御することを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項3】
前記制御回路は、複数のフレーム分の期間をかけて、前記プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数を前記制御目標サステインパルス数まで減少させることを特徴とする請求項2記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項4】
前記制御回路は、前記プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数を前記制御目標サステインパルス数まで減少させるように制御している際に、前記制御動作カウンタのカウンタ値が第2の値以下となった場合には、前記プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数を前記制御目標サステインパルス数まで減少させる制御を停止することを特徴とする請求項2又は3記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項5】
前記制御回路は、1フレーム期間毎に前記差分の大きさに応じて増減量を変化させて前記制御動作カウンタのカウント動作を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項6】
前記制御回路は、前記表示負荷率を複数の領域別に検出するとともに、前記機能動作カウンタに前記複数の領域に対応する複数の領域別カウンタを有し、検出された前記表示負荷率に応じて選択した領域の前記領域別カウンタだけ前記カウント動作を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項7】
前記制御回路は、前記表示負荷率を複数の領域別に検出し、画面全体の表示負荷率と前記領域別の表示負荷率との差を分散値として分割した領域の数だけ加算していき、前記分散値が所定の値を超えた場合に前記カウント動作を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項8】
前記制御回路は、前記分散値に少なくとも一つのサブフィールド表示負荷率をかけることで熱分散値とし、前記熱分散値が所定の値を超えた場合に前記カウント動作を行うことを特徴とする請求項7記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項9】
前記制御回路は、前記表示負荷率を複数の領域別に検出し、現在のフレームにおける前記領域別の表示負荷率と1つ前のフレームにおける前記領域別の表示負荷率との差が所定の値より小さい場合に前記カウント動作を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項10】
前記制御回路は、前記表示負荷率をサブフィールド毎に検出し、少なくとも一つのサブフィールドの表示負荷率が所定の値を超えている場合に前記カウント動作を行うことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項11】
前記プラズマディスプレイ装置に係る環境温度を検出し、検出された前記環境温度に応じて前記制御目標サステインパルス数を変化させることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項12】
前記プラズマディスプレイ装置のファンの動作状態に応じて、前記制御目標サステインパルス数を変化させることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載のプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項13】
2電極間で放電を行う複数の電極群を持つプラズマディスプレイパネルと、前記プラズマディスプレイパネルの電極群に電圧を印加して駆動する駆動回路と、前記駆動回路を制御する制御回路とを有するプラズマディスプレイ装置であって、
前記制御回路は、
前記プラズマディスプレイパネルにおける表示画像データの表示負荷率を検出する表示負荷率検出手段と、
前記表示負荷率検出手段で検出された表示負荷率に応じて決定された印加可能な所定時間あたりのサステインパルス数と予め設定した制御目標サステインパルス数との差分を算出する比較手段と、
前記比較手段の結果に応じてカウンタ値が増減される機能動作カウンタと、
前記機能動作カウンタのカウンタ値に応じて、前記プラズマディスプレイパネルに印加するサステインパルス数を制御する制御手段とを有し、
前記比較手段で算出された前記差分の大きさに応じて増減量を変化させ、前記制御動作カウンタのカウンタ値を増減させることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項14】
前記制御回路は、前記表示画像データの表示負荷率を複数の領域別に検出する領域別表示負荷率検出手段を有し、
かつ前記機能動作カウンタは、前記複数の領域に対応する複数の領域別カウンタを有し、
前記領域別表示負荷率検出手段で検出された前記領域別の表示負荷率に応じて選択された領域の前記領域別カウンタだけ、前記比較手段で算出された前記差分の大きさに応じて増減量を変化させてカウンタ値を増減させることを特徴とする請求項13記載のプラズマディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−164840(P2010−164840A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−7984(P2009−7984)
【出願日】平成21年1月16日(2009.1.16)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】