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プラズマ処理された透析カテーテルカフ
説明

プラズマ処理された透析カテーテルカフ

【課題】改善された組織内方成長性能を有するカテーテルカフを提供する。
【解決手段】少なくとも1つの管腔および長手方向軸を規定する細長管状本体であって、管状本体は、遠位端12aおよび近位端12bを有する、細長管状本体;ならびに管状本体の周囲に配置された、組織に接触するように構成されたカフ72であって、カフ72は、プラズマ処理された材料から形成されている、カフ72、を備える、カテーテル。カテーテルは、組織内への移植のために構成された血液透析カテーテルであり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(技術分野)
本開示は、医療用カテーテルに関し、そしてより特定すると、増強された組織内方成長特性を有するプラズマ処理されたカフを有するカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の背景)
特定の医療処置において、流体を投与する目的で、および/または精製、試験、監視、もしくは廃棄のために体液を身体から取り出す目的で、特定の所望の内部身体部位への長期間の血管アクセスを確立することが望ましい。
【0003】
特に、長期間にわたって、連続的にまたは定期的に、身体に流体を投与するかまたは身体から流体を取り出す場合、医療分野において、皮下に移植されたデバイス(例えば、血液透析カテーテルおよびトンネル状(tunneled)中心静脈カテーテル(CVC))を数週間から数年間にわたる期間にわたって使用する、「永久」カテーテル法技術として公知であるものを使用することが公知である。このような皮下に移植されるデバイスおよび関連する医療デバイスの例は、特許文献1および特許文献2に見出され、これらの全内容は、本明細書中に参考として援用される。特定の内部身体位置へのこのような長期間の連続的または定期的なアクセスを必要とする治療計画の例としては、非経口栄養補給、化学療法、抗生物質投与、および透析などが挙げられる。
【0004】
代表的に、カテーテルは、管状の可撓性医療デバイスであり、1つの管腔または複数の管腔(例えば、二重管腔もしくは三重管腔)を有する。多管腔カテーテルは、二方向への流体の流れを容易にし、これによって、例えば1つの管腔が、血液の引き出しを行い、そして他の管腔が、処置された血液を血管に再度導入する。例示的な血液透析手順中、多管腔カテーテルが身体に挿入され、そして血液がこのカテーテルの動脈管腔を通して引き出される。この血液は血液透析ユニットに供給され、この血液透析ユニットは、この血液を透析し、すなわちきれいにして、老廃物および過剰な水を除去する。この透析された血液は、このカテーテルの静脈管腔を通して、患者に戻される。代表的に、この静脈管腔は、内部カテーテル壁(セプタムと呼ばれる)によって、この動脈管腔から分離される。
【0005】
医療用カテーテルデバイスの特定のクラス(例えば、腹膜透析カテーテル)において、このデバイスのカフまたはリップの周囲での上皮組織増殖を促進することは、多数の利点を与え得る。この上皮は、感染に対する身体の天然の障壁であると同時に、カテーテルに関連する感染を引き起こす微生物の最大の貯蔵庫の温床である。上皮に対する外傷(例えば、カテーテルを身体に挿入するために必要とされる切開)は、この外傷を治癒させるように、そしてこの皮膚が感染を防止する能力を再確立するように設計された、一連の生理学的機構を実行に移す。これらの自然の機構に対する洞察、およびカフ技術を有するカテーテルを切開部位に備え付けてこれらの自然の防禦機構の首尾よい完了を容易にすることは、カテーテルに関連する罹病率および費用を低下させるための有効なストラテジーを提供する。従って、改善された組織内方成長性能を有するカテーテルカフを提供することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7,141,035号明細書
【特許文献2】米国特許第7,777,605号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
少なくとも1つの管腔および長手方向軸を規定する細長管状本体であって、該管状本体は、遠位端および近位端を有する、細長管状本体;ならびに
該管状本体の周囲に配置された、組織に接触するように構成されたカフであって、該カフは、プラズマ処理された材料から形成されている、カフ、
を備える、カテーテル。
(項目2)
前記カテーテルが、組織内への移植のために構成された血液透析カテーテルである、上記項目に記載のカテーテル。
(項目3)
前記カフが吸収性材料から形成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のカテーテル。
(項目4)
前記カフが非吸収性材料から形成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のカテーテル。
(項目5)
前記非吸収性材料がポリエチレンテレフタレートである、上記項目のうちのいずれかに記載のカテーテル。
(項目6)
前記カフが複数の層を備え、少なくとも1つの層は吸収性材料から形成されており、そして少なくとも1つの他の層は非吸収性材料から形成されている、上記項目のうちのいずれかに記載のカテーテル。
(項目7)
前記カフが、イオン化酸素と、メタン、エタン、プロパン、ブタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素ガスとのプラズマにより処理される、上記項目のうちのいずれかに記載のカテーテル。
(項目8)
カテーテルカフをプラズマ処理する方法であって、
酸素と少なくとも1種の炭化水素ガスとの混合物をプラズマチャンバ内に供給する工程;
該混合物に点火してプラズマを形成させる工程;および
該プラズマをカテーテルカフに向ける工程、
を包含する、方法。
(項目9)
前記プラズマチャンバ内の圧力が、約50mTorr〜約2000mTorrに維持され、そして酸素対前記少なくとも1種の炭化水素ガスの比が、約1:4〜約1:5である、上記項目に記載の方法。
(項目10)
前記向ける工程が、約10秒間〜約20分間の時間にわたって行われる、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目11)
前記カフが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリエチレンテレフタレート、シリコーンゴム、キトサン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料から形成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目12)
カテーテルカフをプラズマ処理する方法であって、
酸素とメタンとの混合物をプラズマチャンバ内に、約15sccm〜約40sccmの組み合わせ流量で供給する工程;
該混合物に点火してプラズマを形成させる工程;および
該プラズマを約1分間〜約5分間にわたってカテーテルカフに向ける工程、
を包含する、方法。
(項目13)
前記プラズマチャンバ内の圧力が、約50mTorr〜約2000mTorrに維持され、そして酸素対メタンの比が、約1:4〜約1:5である、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目14)
前記点火する工程が、約10W〜約1000Wの平均電力を有する電気エネルギーを前記酸素とメタンとの混合物に供給する工程を包含する、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
(項目15)
前記カフがポリエチレンテレフタレートから形成されている、上記項目のうちのいずれかに記載の方法。
【0008】
(摘要)
カテーテルが開示される。このカテーテルは、長手方向軸を規定してその遠位端まで延びる細長管状本体を備え、この管状本体は、少なくとも1つの管腔、およびこの管状本体の周囲に配置されて組織に接触するように構成されたカフを有し、このカフは、増強された組織内方成長特性を有する、プラズマ処理された材料から形成される。
【0009】
(要旨)
本開示は、カテーテルを提供する。このカテーテルは、1つ以上の管腔および長手方向軸を規定する細長管状本体を備え、この管状本体は、遠位端および近位端を有する。このカテーテルはまた、この管状本体の周囲に配置され、組織に接触するように構成されたカフを備え、このカフは、プラズマ処理された材料から形成される。
【0010】
ある実施形態において、カテーテルカフをプラズマ処理する方法もまた開示される。この方法は、酸素と少なくとも1種の炭化水素ガスとの混合物を、プラズマチャンバに供給する工程;この混合物に点火してプラズマを形成させる工程;およびこのプラズマをカテーテルカフに向ける工程を包含する。
【0011】
さらなる実施形態において、カテーテルカフをプラズマ処理する方法がさらに開示される。この方法は、酸素とメタンとの混合物をプラズマチャンバに、約15sccm〜約40sccmの組み合わせ流量で供給する工程;この混合物に点火してプラズマを形成させる工程;およびこのプラズマを約1分間〜約5分間にわたってカテーテルカフに向ける工程を包含する。
【0012】
本開示の種々の実施形態が、図面を参照しながら本明細書中以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本開示によるカテーテルの部分断面斜視図を示す。
【図2】図2は、図1の切断線2−2に沿って見た正面断面図を示す。
【図3】図3は、図1のカテーテルを移植されたラットの写真を示す。
【図4】図4は、ラットに移植された7日後のカテーテルからの、プラズマ処理済みカテーテルカフおよび未処理カテーテルカフの断面スライスの写真を示す。
【図5】図5は、図4のカテーテルカフへの細胞浸潤の棒グラフを示す。
【図6】図6は、図4のカテーテルカフ内の細胞密度の棒グラフを示す。
【図7】図7は、図4のカテーテルカフ内でのコラーゲン産生の棒グラフを示す。
【図8】図8は、図4のカテーテルカフの組織接着力の棒グラフを示す。
【図9】図9は、図4のカテーテルカフの組織内方成長対時間のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態の詳細な説明)
カテーテルおよび使用方法の開示される例示的な実施形態は、身体へ、および/または身体からの流体の投与(引き出し、導入など)のための医療用カテーテルの観点で議論される。このカテーテルは、有利には、その管腔間での可逆的な流体流れを容易にするように構成される。本開示は、ある種類のカテーテル(例えば、血液透析、腹膜、注入、PICC、CVC、およびポート)、ならびにカテーテル用途(外科手術、診断および関連する疾患の処置が挙げられる)、ならびに被験体の身体の病気に対して使用され得ることが想定される。開示されるカテーテルに関連する原理としては、種々のカテーテル関連手順(例えば、血液透析、心臓、腹、尿、および腸管での、慢性用途および急性用途)との使用が挙げられることがさらに想定される。
【0015】
以下の議論において、用語「近位」とは、構造体の、医師に近い方の部分をいい、一方で、用語「遠位」とは、医師から遠い方の部分をいう。本明細書中で使用される場合、用語「被験体」とは、ヒト患者または他の動物をいう。本開示によれば、用語「医師」は、医者、看護士または他の管理提供者をいうと理解されるべきであり、補助人員を含み得る。
【0016】
ここで図面を参照すると、図面において、類似の構成要素は数枚の図にわたって類似の参照番号により表され、図1は、本開示の原理に従う例示的な血液透析カテーテルアセンブリ10を図示する。カテーテルアセンブリ10は、遠位端12aおよび近位端12bを有するカテーテルハブ12、カテーテルハブ12から遠位に延びる細長カテーテル部材14、ならびにカテーテルハブ12から近位に延びる第一の延長管16および第二の延長管18を備える。カテーテルアセンブリ10は、カテーテル部材14と一体的に形成されたハブ12を備え得る。あるいは、ハブ12は、カテーテルが医師により患者内に配置された後に、カテーテル部材14に取り付けられるように構成されてもよい。カテーテルアセンブリ10は、1対のクランプ20をさらに備え、これらのクランプは、延長管16、18の周りに配置可能である。各クランプ20は、開位置から、対応する延長管16、18を圧縮し、流体が延長管16、18を通って流れることを妨げるための実質的に閉じた位置へと移動可能である。延長管16、18の各々は、その近位端に、血液透析装置に結合するためのコネクタ74を備える。
【0017】
カテーテルハブ12は、医師による把持のための構成および寸法にされ、そして延長管16、18に隣接して配置される近位(後)ハウジングセクション22、およびカテーテル部材14に隣接して配置される遠位(前)ハウジングセクション24を備える。近位ハウジングセクション22は、第一の延長管16および第二の延長管18を、固定された関係でそれぞれ受容するように適合される。例えば、延長管16、18は、カテーテルハブ12のそれぞれの延長導管(図示せず)内に、締りばめまたは摩擦ばめ、セメント、接着剤の使用によって、または他の任意の適切な様式で、固定され得る。カテーテルハブ12の遠位ハウジングセクション24は、中心開口部(図示せず)を規定し、この中心開口部は、カテーテル部材14を、例えば、締りばめまたは摩擦ばめ、セメント、接着剤の使用によって、または他の任意の適切な様式で、固定された関係で受容するような構成および寸法にされる。
【0018】
図1に図示されるカテーテルアセンブリ10の実施形態において、カテーテルハブ12は、カテーテルハブ12から外向きに延びる対向する1対のウィング26をさらに備える。ウィング26は、カテーテルハブ12を患者に対して固定するために1本以上の縫合糸(図示せず)が周囲で固定され得る、表面として働く。あるいは、ウィング26またはカテーテルハブ12は、その外側表面に環状溝(図示せず)を備え得、この環状溝は、縫合糸(単数または複数)を受容するような構成および寸法にされ、この場合、この縫合糸は、この環状溝内に配置され得、引き続いて、患者に固定され得る。
【0019】
図1および図2を参照すると、カテーテル部材14は、外壁28を備え、そして長手方向軸「X」を規定する。カテーテル部材14の外壁28は、必要または所望であれば、補強材料を備えて、その安定性および硬さを増大させ得ることが想定される。図2に示されるように、本開示の1つの実施形態において、カテーテル部材14は、セプタム壁34によって分離された、第一の内部管腔30および第二の内部管腔32を備える二重管腔構成を呈し得、このセプタム壁は、カテーテル部材14の全長に延びても延びなくてもよい。この実施形態において、第一の長手軸方向管腔30および第二の長手軸方向管腔32は、各々が、カテーテル部材14の近位端と遠位端との間の流体連絡のための構成および寸法にされ、そしてこの意図される目的に適した任意の断面構成(長方形、腎臓型、D字型、円形、またはパイ型などが挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。管腔30、32のいずれが取り込み(動脈)管腔として機能しても戻り(静脈)管腔として機能してもよいことが想定されるが、以下の議論全体にわたって、管腔30が静脈管腔と称され、そして管腔32が動脈管腔と称される。図2においては横に並んだ配向で図示されるが、管腔30、32はまた、同軸の関係で配置されてもよい。
【0020】
カテーテル部材14はまた、前(遠位)端38を備え、この前(遠位)端は、それと一体的に形成されたかまたはそれに設置されたカテーテル先端部材40を有し、このカテーテル先端部材は、有利には、身体組織への最初の挿入を容易にするような構成および寸法にされる。ある実施形態において、先端部材40は、共有に係る米国特許第7,141,035号および同第7,777,605号(これらの全内容は、本明細書中に参考として援用される)に開示されるような、閉塞抵抗性の先端であり得る。
【0021】
図1を参照すると、カテーテル部材14はまた、カテーテル部材14の周りに配置されたカフ72を備える。カフ72は、内在位置でのカテーテルアセンブリ10の長期間の固定のために、カテーテル部材14の移植部位において皮下に、患者内への組織内方成長を提供する。カフ72の内部および周囲での組織内方成長は、カテーテル部材14を患者内に物理的に固定し、そして感染に対するさらなる保護を提供する。いずれの特定の理論によっても限定されないが、カフ72の周囲での線維性組織の形成は、細菌ならびに他の外来物質および生物が移植部位を通って侵入することを防止する、障壁として働くと考えられる。従って、カフ72の周囲での迅速な組織内方成長が望ましい。
【0022】
カフ72は、Wichita,KSのInvistaによってDACRONTMの名称で販売されている、ポリエチレンテレフタレートから作製され得る。しかし、カフ72は、任意の適切な生体適合性材料(吸収性材料および非吸収性材料が挙げられる)から形成され得る。本明細書中で使用される場合、用語「吸収性」は、生分解性材料と生体再吸収性材料との両方を包含し、そして身体条件下で分解するかまたは構造一体性を失うか(例えば、酵素分解、加水分解)、あるいは身体内の生理学的条件下で(物理的にかもしくは化学的に)分解する(例えば、溶解)し、その結果、その分解生成物が身体によって排出可能または吸収可能になる材料を表わす。
【0023】
適切な吸収性材料としては、脂肪族ポリエステル;ポリアミド;ポリアミン;ポリアルキレンオキサレート;ポリ(酸無水物);ポリアミドエステル;コポリ(エーテル−エステル);ポリ(カーボネート)(チロシン由来のカーボネートが挙げられる);ポリ(ヒドロキシアルカノエート)(例えば、ポリ(ポリヒドロキシ酪酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、およびポリ(ヒドロキシブチレート));ポリイミドカーボネート;ポリ(イミノカーボネート)(例えば、ポリ(ビスフェノールA−イミノカーボネート)など);ポリオルトエステル;ポリオキサエステル(アミン基を含むものが挙げられる);ポリウレタン、ならびにこれらの組み合わせなどの、ポリマーが挙げられ得る。
【0024】
他の適切な生分解性ポリマーとしては、ポリ(アミノ酸)(コラーゲン(I、IIおよびIII)、エラスチン、フィブリン、フィブリノゲン、絹、およびアルブミンなどのタンパク質が挙げられる);ラミニンおよびフィブロネクチンの配列を含むペプチド(RGD);多糖類(例えば、ヒアルロン酸(HA)、デキストラン、アルギネート、キチン、キトサン、およびセルロース);グリコサミノグリカン;ガット;ならびにこれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0025】
本開示において使用され得る適切な非吸収性材料としては、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン(超高分子量ポリエチレンが挙げられる)ならびにポリプロピレン(アタクチック、アイソタクチック、シンジオタクチック、およびこれらのブレンドが挙げられる));ポリエチレングリコール;シリコーンゴム;シリコーンおよびポリシロキサン(例えば、ポリジメチルシロキサンおよびポリジフェニルシロキサン);ポリエチレンオキシド;超高分子量ポリエチレン;ポリエチレンとポリプロピレンとのコポリマー;ポリイソブチレンとエチレン−αオレフィンとのコポリマー;フッ素化ポリオレフィン(例えば、ポリフルオロエチレン、ポリフルオロプロピレン、フルオロPEG、およびポリテトラフルオロエチレン);ポリアミド(例えば、ナイロン、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン12、およびポリカプロラクタム);ポリアミン;ポリイミン;ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、およびポリブチレンテレフタレート);ポリエーテル;ポリブタエステル(polybutester);ポリテトラメチレンエーテルグリコール;1,4−ブタンジオール;ポリウレタン;アクリルポリマー;メタクリル類;ハロゲン化ビニルのポリマーおよびコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル);ポリビニルアルコール;ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテル);ポリハロゲン化ビニリデン(例えば、ポリフッ化ビニリデンおよびポリ塩化ビニリデン);ポリクロロフルオロエチレン;ポリアクリロニトリル;ポリアリールエーテルケトン;ポリビニルケトン;ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレン);ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル);ビニルモノマー同士のコポリマー、およびビニルモノマーとオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メタクリル酸メチルコポリマー);アクリロニトリル−スチレンコポリマー;ABS樹脂;エチレン−酢酸ビニルコポリマー;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリホスファジン;ポリイミド;エポキシ樹脂;アラミド;レーヨン;レーヨン−トリアセテート;スパンデックス;シリコーン;ならびにこれらのコポリマーおよび組み合わせが挙げられ得る。
【0026】
特定の実施形態において、吸収性材料と非吸収性材料との両方が、カフ72を形成するために使用され得る。カフ72は、吸収性材料と非吸収性材料とが交互になった、多層構造を含み得る。さらなる実施形態において、カフ72は、不織(例えば、フェルト様)材料または多孔性材料から形成され得る。
【0027】
本開示は、カフ72をプラズマで処理して、カフ72がより迅速な組織内方成長をさらに可能にするためにカフ72の材料を改変するための、システムおよび方法を提供する。用語「プラズマ」とは、本明細書中で使用される場合、かなりの部分がイオン化されている、気体の形態の任意の物質をいう。
【0028】
ある実施形態において、プラズマは、イオン化可能な媒体に送達される電気エネルギーを使用して生成され得る。電気エネルギーは、交流電流(AC)電気として、連続様式またはパルス化様式のいずれかで、約0.1MHz〜約2,450MHzの周波数で、そして別の実施形態においては約1MHz〜約160MHzの周波数で、適切な発電機、電極、およびアンテナを使用して、送達され得る。イオン化可能な媒体に送達される平均電力は、約10ワット(W)〜約1000Wであり得、そしてある実施形態においては、約50W〜約200Wであり得る。
【0029】
イオン化可能な媒体は、イオン化するとプラズマを形成する、任意の適切な組成物であり得、気相、液相、または固相であり得る。液体物質または固体物質が、ネブライザ、微小流体デバイス、圧電ポンプ、および超音波気化機などを使用して、噴霧またはネブライズされ得る。適切なイオン化可能な媒体の例としては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、二酸化炭素、窒素、水素、酸素、炭化水素ガス(例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン)、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
イオン化可能な媒体は、プラズマチャンバ内に、約1標準立方センチメートル/分(sccm)〜約100sccmの流量で送達され得、そしてある実施形態においては、約5sccm〜約35sccmであり得る。複数の気体が使用される場合、各々が、各気体についての流量を変化させることによって、任意の望ましい比で送達され得る。プラズマチャンバ内の圧力は、約50ミリTorr(mTorr)〜約2000mTorrであり得、そしてある実施形態においては、約500mTorr〜約1000mTorrであり得る。ある実施形態において、このプラズマは、カフ72に、約10秒間〜約20分間、そしてある実施形態においては、約1分間〜約5分間、当てられ得る。あるいは、プラズマを当てる他の期間が想定される。
【0031】
ある実施形態において、このプラズマは、酸素と1種以上の炭化水素ガスとの混合物のイオン化によって、形成され得る。酸素は、約1sccm〜約10sccmの流量で供給され得、そしてある実施形態においては、約3sccm〜約6sccmであり得る。炭化水素ガスは、約15sccm〜約30sccmの流量で供給され得、そしてある実施形態においては、約20sccm〜約25sccmであり得る。酸素と炭化水素ガスとの組み合わせ流量は、約15sccm〜約40sccmであり得、そしてある実施形態においては、約20sccm〜約35sccmであり得る。さらなる実施形態において、気体は、酸素対1種以上の炭化水素ガスの比が約1:1〜約1:10になるような任意の適切な流量で供給され得、ある実施形態においては、この比は約1:4〜約1:5であり得る。
【0032】
いずれの特定の理論によっても制限されないが、酸素と炭化水素ガスとをベースとするプラズマを当てると、カフ72をより親水性にすることによりカフ72の化学特性が改変され、これによって、より迅速な組織内方成長が促進されると考えられる。具体的には、プラズマを当てると、酸化された基(例えば、ヒドロキシル、エーテル、エステル、およびカルボニルなど)をカフ72の表面に付加することにより、カフ72の材料の酸化がもたらされる。プラズマ処理されたカフ72は、増強された組織内方成長特性(組織貫入(すなわち、深さ)、細胞密度、コラーゲン産生、および組織接着強度が挙げられる)を提供する。
【0033】
以下の実施例は、本開示の実施形態を説明するために与えられる。これらの実施例は、説明のみであることが意図され、本開示の範囲を限定することは意図されない。また、部および百分率は、他に示されない限り、重量による。本明細書中で使用される場合、「室温」または「周囲温度」とは、約20℃〜約25℃の温度をいう。
【実施例】
【0034】
実施例1 − DACRONTMカテーテルカフのプラズマ処理
Billerica,MAのAST Products製のPJ Plasma Surface Treatmentを利用して、DACRONTMカフを処理した。プラズマを、約5sccmの流量で供給される酸素および約25sccmの流量で供給されるメタンを使用して発生させた。プラズマチャンバ内の圧力は、約430mTorrであった。供給電力は、約100Wであった。カフを約5分間処理した。
【0035】
プラズマをまた、約10sccmの流量で供給される酸素および約25sccmの流量で供給されるメタンを使用して発生させた。プラズマチャンバ内の圧力は、約465mTorrであった。供給電力は、約120Wであった。カフを約5分間処理した。
【0036】
プラズマをさらに、約5sccmの流量で供給される酸素および約20sccmの流量で供給されるメタンを使用して発生させた。プラズマチャンバ内の圧力は、約388mTorrであった。供給電力は、約100Wであった。カフを約5分間処理した。
【0037】
実施例2 − 血液透析カテーテルの皮下移植
1匹の動物あたり2つの血液透析カテーテル(例えば、コントロールカテーテルおよび試験カテーテル)を用いて、カテーテルをラットに皮下移植し、種々のカテーテルカフ材料の組織内方成長を比較した。各ラットに、代表的なDACRONTMカフを有する第一のカテーテル(コントロールとして使用した)および実施例1のプラズマ処理されたカフを備える第二のカテーテルを移植した。これらのカテーテルを、図3に示されるように動物の背中に、約7日間(群I)および約28日間(群II)移植した。
【0038】
カテーテルの1つの群を最初に、移植の7日後に引き抜き、そして第二の群を、移植の28日後に引き抜いた。これらのカフの横断スライスを得、そして約200倍の倍率で、顕微鏡下で観察した。
【0039】
図4は、7日後に引抜かれた、プラズマ処理された実施例1のDACRONTM、および未処理のDACRONTM材料から作製された、カフの画像を示す。組織浸潤の観察を図5の棒グラフに記録する。この棒グラフは、組織浸潤を、マイクロメートル(μm)を単位とする組織の厚さに基づいて図示する。未処理のDACRONTMカフと処理済みDACRONTMカフとの両方が、7日後に類似の組織浸潤を示した。
【0040】
図4に図示される組織内方成長の細胞密度もまた、これらのカテーテルの各々について測定した。組織内方成長の観察を、図6の棒グラフに記録する。この棒グラフは、組織浸潤を、単位面積あたりの細胞計数(細胞数/mm)として測定された細胞密度に基づいて表わす。実施例1のプラズマ処理されたDACRONTMカフは、細胞密度および組織の厚さの観点で測定される場合、未処理のカフと比較して、7日間の移植後に、最高の細胞密度を示した。
【0041】
組織の厚さおよび細胞密度を評価することに加えて、種々のカフにおけるコラーゲン産生もまた比較した。図7は、組織浸潤を、被覆の百分率に基づくコラーゲン産生に基づいて表わす。ここでまた、プラズマ処理されたDACRONTMカフは、未処理のカフと比較して、7日間の移植後に、最高のコラーゲン密度を示した。
【0042】
組織内方成長の効果をまた、これらのカフの組織接着強度(例えば、このカテーテルを除去するために必要とされる引く力)を測定することによって試験した。組織接着の観察を図8のグラフに記録する。このグラフは、組織接着を、ニュートン(N)を単位として測定した引く力の観点で表わす。プラズマ処理されたDACRONTMカフは、未処理のカフと比較して、7日間の移植後に、最高の組織接着を示した。
【0043】
図5〜図8の棒グラフの結果を図9のグラフにまとめる。このグラフは、経時的な組織内方成長を図示する。図9のグラフに見られるように、プラズマ処理されたDACRONTMカフは、未処理のDACRONTMカフよりも速い速度で、より高い組織内方成長レベルに達する。従って、プラズマ処理されたDACRONTMカフは、より速い速度で達成可能な、より大きい量の組織成長を提供することが見出された。
【0044】
DACRONTMから作製されたカテーテルカフが本明細書中で明示的に議論されたが、他の材料(ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、シリコーンゴム、およびキトサンが挙げられるが、これらに限定されない)もまた、増強された組織内方成長特性に関して、プラズマ処理から利益を得ると考えられる。
【0045】
さらに、プラズマ処理されたカフの使用が、本明細書中で、二重管腔血液透析カテーテルに関連して議論されたが、プラズマ処理されたカフに関連して本明細書中に開示された利点は、長期間のカテーテル法についてカフの使用から利益を得ることができる、種々のカテーテル(単一管腔カテーテルおよび多管腔カテーテルが挙げられる)に適用可能であることが想定される。従って、本開示の例示的な実施形態が、添付の図面を参照しながら本明細書中に記載されたが、上記説明、開示、および図は、限定であると解釈されるべきではなく、単に、特定の実施形態の例示であると解釈されるべきである。従って、本開示はこれらの正確な実施形態に限定されないこと、ならびに他の種々の変更および改変が本開示の範囲または趣旨から逸脱することなく当業者により行われ得ることが、理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの管腔および長手方向軸を規定する細長管状本体であって、該管状本体は、遠位端および近位端を有する、細長管状本体;ならびに
該管状本体の周囲に配置された、組織に接触するように構成されたカフであって、該カフは、プラズマ処理された材料から形成されている、カフ、
を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記カテーテルが、組織内への移植のために構成された血液透析カテーテルである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記カフが吸収性材料から形成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記カフが非吸収性材料から形成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記非吸収性材料がポリエチレンテレフタレートである、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記カフが複数の層を備え、少なくとも1つの層は吸収性材料から形成されており、そして少なくとも1つの他の層は非吸収性材料から形成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記カフが、イオン化酸素と、メタン、エタン、プロパン、ブタン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも1種の炭化水素ガスとのプラズマにより処理される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
カテーテルカフをプラズマ処理する方法であって、
酸素と少なくとも1種の炭化水素ガスとの混合物をプラズマチャンバ内に供給する工程;
該混合物に点火してプラズマを形成させる工程;および
該プラズマをカテーテルカフに向ける工程、
を包含する、方法。
【請求項9】
前記プラズマチャンバ内の圧力が、約50mTorr〜約2000mTorrに維持され、そして酸素対前記少なくとも1種の炭化水素ガスの比が、約1:4〜約1:5である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記向ける工程が、約10秒間〜約20分間の時間にわたって行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記カフが、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリエチレンテレフタレート、シリコーンゴム、キトサン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される材料から形成されている、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
カテーテルカフをプラズマ処理する方法であって、
酸素とメタンとの混合物をプラズマチャンバ内に、約15sccm〜約40sccmの組み合わせ流量で供給する工程;
該混合物に点火してプラズマを形成させる工程;および
該プラズマを約1分間〜約5分間にわたってカテーテルカフに向ける工程、
を包含する、方法。
【請求項13】
前記プラズマチャンバ内の圧力が、約50mTorr〜約2000mTorrに維持され、そして酸素対メタンの比が、約1:4〜約1:5である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記点火する工程が、約10W〜約1000Wの平均電力を有する電気エネルギーを前記酸素とメタンとの混合物に供給する工程を包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記カフがポリエチレンテレフタレートから形成されている、請求項12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−75166(P2013−75166A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−217150(P2012−217150)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】