説明

プラズマ制御装置及びプラズマ制御装置に用いられる流量制御装置、流量制御用プログラム

【課題】真空チャンバ内に導入するべき導入ガスの流量値が大きくても、その流量値の近傍の狭い区間で流量を高速制御でき、例えば、真空チャンバ内のプラズマを所望の状態で保ち続けて、成膜等に最適な状態を維持することが可能なプラズマ制御装置及び流量制御装置を提供する。
【解決手段】前記真空チャンバVC内に導入される導入ガスが流れる第1流路L1上に設けられた第1バルブ11と、前記第1バルブ11を経由して前記真空チャンバVC内に導入される前記導入ガスの流量が第1流量となるように当該第1バルブ11の開度を制御する第1バルブ制御部12と、プラズマモニタ3と、前記導入ガスが流れる第2流路L2上に設けられた第2バルブ21と、前記プラズマモニタ3で測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記第2バルブ21の開度を制御する第2バルブ制御部22と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばスパッタ法により薄膜を形成する際に生成されるプラズマの状態を制御するためのプラズマ制御装置及び流量制御装置、流量制御用プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルに用いられる機能性フィルムや、有機EL照明等の製造においては、成膜時におけるフィルムへのダメージを避けるために、他の成膜方法に比べて低温化での成膜が可能な反応性スパッタ法が用いられている。
【0003】
この反応性スパッタ法は、特許文献1に示されるように真空チャンバ内にAl、ITO、Si等のターゲットと、薄膜がその表面に形成される基板やフィルム等の基材とを対向させて配置するとともに、真空チャンバ内にAr等の希ガスと、反応性ガスであるO2やN2等を流入させながら、ターゲットと基板との間に高磁場をかけることでプラズマを発生させて成膜を行う方法である。このようにすることで、プラズマによってターゲットを構成するイオンとして弾きとばし、弾きとばされたイオンと反応性ガスとが反応してできる酸化物や窒化物等の化合物を基材の表面に堆積させて成膜を行うことができる。
【0004】
ところで、上述したような反応性スパッタ法は、真空チャンバ内に流入させる反応性ガスの流量によって、プラズマの状態が変化し、基材上に形成される酸化膜等の成膜速度や成膜の形態が変化することが知られている。より具体的には、Arガスを一定流量に保ちつつ、反応性ガスの流量を増加させていくと、図5に示すようにメタルモード、遷移領域、反応性モードの順で成膜速度と、成膜の形態が変化する。
【0005】
各反応形態にについて説明すると、反応性ガスが小流量の間に表れるメタルモードは、成膜速度は高速であるが、反応性ガスの流量がターゲットから弾きとばされるイオンに対して過小であるため、化学反応の生じていないターゲットそのものが基材に堆積する成膜形態である。言い換えると、メタルモードは通常のスパッタリングの状態に近く、所望の化合物による成膜を行えていない。
【0006】
一方、反応性ガスが大流量の間に表れる反応性モードでは、反応性ガスがターゲットから弾き出されるイオンに対して過剰であるため、ターゲットから弾き出されたイオンと反応性ガスが反応するだけでなく、ターゲットの表面自体でも反応性ガスと反応が生じてしまう。このため、ターゲットが反応性ガスと反応してできる化合物を基材の表面に堆積させて成膜できるものの、その成膜速度は低速となってしまう。
【0007】
これらのモードに対して、メタルモードと反応性モードとの間にある遷移領域は、図5から明らかなように反応性ガスの流量の区間としては非常に狭い区間であるが、ターゲットから弾きとばされたイオンのみが、反応性ガスと反応する領域であるため、前記反応性モードに比べて所望の化合物を5〜6倍の速度で成膜することが可能である。
【0008】
このため、反応性スパッタ法においては、反応性ガスの真空チャンバへの流入流量を制御し、前記遷移領域での成膜を行い続けられることが求められている。このような遷移領域での成膜状態を保つことを目的として、従来は図4に示すようなプラズマ制御装置100Aを用いている。このものは、反応性ガスを真空チャンバVC内に導入するための流路L1上に設けられ、導入ガスの流量を制御するマスフローコントローラ1Aと、真空チャンバVC内のプラズマ強度を測定するプラズマモニタ3Aと、を備えたものである。そして、遷移領域でのプラズマ強度を設定プラズマ強度とするとともに、プラズマモニタにおいて測定される測定プラズマ強度と前記設定プラズマ強度との偏差が小さくなるように前記マスフローコントローラ1Aにより導入ガスの流量をフィードバック制御している。
【0009】
しかしながら、図5に示しているように遷移領域となる反応性ガスの流量の区間は非常に狭い上に、流量値としても比較的大きい値であるため、プラズマの状態が変動した場合でも反応性ガスの流量を最適な値に保ち続けて遷移領域の状態に保ち続けることは難しく、実際には成膜速度を高速に保ちつづけることはできていない。より具体的には、流すべき反応性ガスの流量が大きいため、制御可能レンジの大きいマスフローコントローラを選定せざるを得ず、このようなマスフローコントローラでは、実際に流す流量を遷移領域となる狭い流量区間に保ち続けられる高応答性を実現することは難しい。一方、遷移領域となる狭い流量区間内での流量制御が可能な高応答性を有するバルブだけを用いた場合には、バルブの可動範囲が小さすぎるため、そもそも必要な流量値を流すことができない。
【0010】
さらに、図5に示されるように反応性ガスの流量と成膜の形態との間の関係にはヒステリシスがあるので、マスフローコントローラの応答性が足りず、追従に失敗して一度でも過剰な反応性ガスが真空チャンバ内に導入されてしまうと、元の状態に復旧するのには反応経路を一周する必要があるため非常に長い時間がかかってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平2−290966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上述したような問題を鑑みてなされたものであり、真空チャンバ内に導入するべき導入ガスの流量値が大きくても、その流量値の近傍の狭い区間で流量を高速制御でき、例えば、真空チャンバ内のプラズマを所望の状態で保ち続けて、成膜等に最適な状態を維持することが可能なプラズマ制御装置及び流量制御装置、流量制御用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、本発明のプラズマ制御装置は、プラズマが生成される真空チャンバに接続されており、前記真空チャンバ内に導入される導入ガスが流れる第1流路上に設けられた第1バルブと、前記第1バルブを経由して前記真空チャンバ内に導入される前記導入ガスの流量が第1流量でとなるように当該第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部と、前記真空チャンバ内で発生しているプラズマのプラズマ強度を測定するプラズマモニタと、前記第1流路の前記第1バルブよりも下流、又は、前記真空チャンバに接続されており、前記導入ガスが流れる第2流路上に設けられた第2バルブと、前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部と、を備えたことを特徴とする。ここで、「真空チャンバ」とは、完全な真空だけでなくプラズマを発生させるのに適した圧力まで減圧されているチャンバを含む概念である。
【0014】
このようなものであれば、前記第1流路上に設けられた前記第1バルブにより、真空チャンバ内に導入される流量として、まず第1流量を確保しつつ、その上で、前記プラズマモニタにより測定されるプラズマ強度の偏差分に対応する流量だけを前記第2流路上に設けられた第2バルブで制御することができる。このことから、第2バルブは、測定されるプラズマ強度において生じ得る偏差に対応する導入ガスの流量だけを制御すればよいので、制御レンジが限定されていることから、可動範囲が狭い一方、高応答性を有するバルブを選定することができる。従って、所望の設定プラズマ強度とするのに必要な最適流量値が、比較的大きな値であり、しかも、許容できる流量誤差が小さい場合であっても、前記第1流量で最適流量値に近い値を実現しておき、前記第2流量で変動分を制御することで高速制御する事が可能となる。
【0015】
そして、本発明のプラズマ制御装置は、上述したような流量制御特性を有することから、例えば、反応性スパッタ法で成膜を場合であれば、導入するべき反応ガスの流量値が比較的大きく、しかも許容される流量値の範囲が狭い遷移領域であっても維持しつづける事が可能となる。従って、従来に比べて成膜速度を5〜6倍に向上させることができるようになる。
【0016】
前記第1流量だけで、過剰の導入ガスが導入されてしまい、所望の設定プラズマ強度を実現することができなくなる、あるいは、第2バルブが全閉状態で固定されてしまうといった不具合を防ぐためには、前記導入ガスを前記第1流量のみで前記真空チャンバに導入した際に、前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度が、前記設定プラズマ強度よりも小さい値となるように、当該第1流量が設定されていればよい。このようなものであれば、特に前記導入ガスが反応性ガスであり、反応性スパッタ法を用いる場合には、メタルモードから遷移領域へとプラズマの状態を移行させることができ、より短い時間で成膜を行うことができる。
【0017】
前記第2バルブについて高応答性のものを選定しやすくするとともに、前記真空チャンバに導入される導入ガスの流量制御の精度を向上させやすくするには、前記第1バルブ制御が、前記第2流路を経由して前記真空チャンバに導入される前記導入ガスの流量である第2流量が前記第1流量よりも小さい値となるように、前記第1バルブの開度を制御するように構成されており、前記第2バルブと前記バルブ制御部が、前記第1バルブと前記第1バルブ制御部よりも高応答性を有するように構成されているものであればよい。すなわち、前記第2バルブは、前記第1バルブよりも可動範囲の狭いものであってもよく、応答性に特化したものを選定する事が可能となる。ここで、各バルブと各バルブ制御部の応答性とは、開ループ又は閉ループにおける目標値に対する出力値の追従性能に関するものであり、例えば、オーバーシュート量や静定時間等の制御評価値に基づいて比較される。
【0018】
例えば反応性スパッタ法における遷移領域を維持するのに適した高応答性を有する第2バルブの具体例としては、ピエゾバルブが挙げられる。
【0019】
前記プラズマ強度を正確に測定し、所望のプラズマ状態を保ちやすくするための具体的な実施の態様としては、前記プラズマモニタが、前記真空チャンバ内のプラズマから放射される光の強度に基づいて前記プラズマ強度を測定するものが挙げられる。
【0020】
従来からあるプラズマ制御装置に対して、真空チャンバへ導入される導入ガスの流量制御能力を向上させ、例えば反応性スパッタ法における遷移領域等の所望のプラズマ状態を制御し続けることを可能とする流量制御装置としては、プラズマが生成される真空チャンバに接続されており、前記真空チャンバ内に導入される導入ガスが流れる第1流路上に設けられた第1バルブと、前記第1バルブを経由して前記真空チャンバ内に導入される前記導入ガスの流量が第1流量となるように当該第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部と、前記真空チャンバ内で発生しているプラズマのプラズマ強度を測定するプラズマモニタと、を備えたプラズマ制御装置に用いられる流量制御装置であって、前記第1流路の前記第1バルブよりも下流、又は、前記真空チャンバに接続されており、前記導入ガスが流れる第2流路上に設けられた第2バルブと、前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部と、を備えたことを特徴とするものであればよい。
【0021】
このようなものであれば、従来からあるプラズマ制御装置に対して、前記第2バルブと前記第2バルブ制御部を有する流量制御装置を付加するだけで、反応性スパッタ法における遷移領域の維持が可能となる。
【0022】
例えば、既存のプラズマ制御装置を構成するコンピュータ等に制御プログラムの書き換えをするだけで、精度よくプラズマの状態を制御できるようにするには、プラズマが生成される真空チャンバに接続されており、前記真空チャンバ内に導入される導入ガスが流れる第1流路上に設けられた第1バルブと、前記真空チャンバ内で発生しているプラズマのプラズマ強度を測定するプラズマモニタと、前記第1流路の前記第1バルブよりも下流、又は、前記真空チャンバに接続されており、前記導入ガスが流れる第2流路上に設けられた第2バルブと、を備えたプラズマ制御装置に用いられる流量制御プログラムであって、前記第1バルブを経由して前記真空チャンバ内に導入される前記導入ガスの流量が第1流量となるように当該第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部と、前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部と、を備えたことを特徴とする流量制御用プログラムであればよい。また、この流量制御用プログラムを記録した記録媒体があれば、各種プラズマ制御装置を構成するコンピュータに新たな流量制御プログラムをインストールして上述した効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0023】
このように本発明のプラズマ制御装置及び流量制御装置によれば、前記第1バルブで所定の流量を流しつつ、前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度と、設定プラズマ強度の偏差分の流量を前記第2バルブで制御するように構成してあるので、前記第2バルブを可動範囲が狭くても高応答性を有するものを使用することができる。従って、真空チャンバ内に流入させるべき導入ガスの流量が大流量でかつ、許容できる流量誤差が小さい場合でも、導入ガスの流量制御を高速で行うことができ、例えば、従来は維持する事が難しかった反応性スパッタ法における遷移領域を維持し続けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラズマ制御装置の構成を示す模式図。
【図2】同実施形態における流量制御の概念を示す模式的グラフ。
【図3】本発明の別の実施形態における流量制御装置を、既存のプラズマ制御装置に付加した場合を示す模式図。
【図4】従来のプラズマ制御装置の一例を示す模式図。
【図5】反応性スパッタ法における反応性ガスの流量に対する、成膜の形態の変化、成膜速度の変化を示す模式的グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
本実施形態のプラズマ制御装置100は、反応性スパッタ法により真空チャンバVC内に載置されたウエハやフィルム等の基材Bの表面にターゲットTと反応性ガスの化合物を堆積させ成膜するためのものである。例えば、前記ターゲットTの例としては、Al、ITO、Si等であり、前記反応性ガスの例としては酸素や窒素が挙げられる。そして、このプラズマ制御装置100を用いて、ターゲットTを構成する物質の酸化物、窒化物の薄膜を前記基材Bの表面に成膜し、タッチパネル等に用いられる材料の成膜が行われる。
【0027】
より具体的には前記プラズマ制御装置100は、図1に示すようにプラズマが生成される真空チャンバVC内への導入される導入ガスであるAr等の希ガスと、酸素等の反応性ガスのうち、反応性ガスの流量を主として制御するように構成してある。すなわち、前記プラズマ制御装置100は、前記真空チャンバVCに接続されている希ガスラインNGLと、反応性ガスラインRGLのうち、前記反応性ガスラインRGLに設けられた流体制御機構FCと、内部が減圧された状態を保たれたチャンバである前記真空チャンバVC内のプラズマの状態をモニタするプラズマモニタ3と、前記プラズマモニタ3からの出力信号に基づいて、前記流体制御機構FCを制御する制御部Cと、から構成してある。
【0028】
各部について説明する。なお、以下の説明において流量とは、質量流量、体積流量いずれの概念も含むものとして記載している。
【0029】
前記真空チャンバVCは、内部が高真空に保たれており、その内部に薄膜として付けたいAl等の金属や、ITO、Si等の塊であるターゲットTと、前記ターゲットTと対向させて設けられた基材Bと、が収容してある。前記ターゲットTと前記基材Bとの間には、前記希ガスラインNGLと、前記反応性ガスラインRGLからそれぞれArと反応性ガスが流入するようにしてある。さらに、前記ターゲットTと前記基材Bとの間に高電圧を印加する電圧印加部等により、導入したガスによりプラズマが生成されるようにしてある。
【0030】
前記希ガスラインNGLを構成する配管上にはマスフローコントローラ4が設けてあり、前記真空チャンバVC内に一定の流量でArを導入するようにしてある。
【0031】
前記反応性ガスラインRGLは、真空チャンバVCに接続されており、前記真空チャンバVC内に導入される反応性ガスが流れる第1流路L1と、前記第1流路L1に対して並列に形成された第2流路L2とから構成してある。
【0032】
前記第1流路L1上には、所定の第1流量を常に一定で流し続けるためにマスフローコントローラ1が設けてある。前記マスフローコントローラ1は、その内部に少なくとも流量センサ13と、請求項での第1バルブに相当する流量制御バルブ11と、前記流量制御バルブ11の開度を制御する流量制御コントローラ12と、を備え、1つのパッケージを構成しているものである。前記流量制御コントローラ12は、請求項での第1バルブ制御部に相当するものであり、例えば、マイコンや制御用ボード等によりその機能を発揮するものである。より具体的には、前記流量制御コントローラ12は、前記流量センサ13により測定される測定流量と、予め設定される設定流量である第1流量との偏差が小さくなるように前記流量制御バルブ11の開度をフィードバック制御するものである。なお、流量制御コントローラ12に設定される設定流量は、前記マスフローコントローラ1自体で入力することもできるし、例えば後述する制御部Cからの外部入力により適宜変更することもできる。このように第1流路L1上に設けてあるマスフローコントローラ1は、自身の流量制御バルブ11を通過する反応性ガスの流量が、第1流量となるように流量制御を行うものであるので、前記真空チャンバVC内には少なくとも第1流量の反応性ガスが略一定流量で流入し続けるようにしてある。
【0033】
前記第2流路L2は、前記第1流路L1に対してマスフローコントローラ1の上流から分岐し、当該マスフローコントローラ1の下流に再び合流するように形成された流路である。この第2流路L2上には、請求項での第2バルブに相当するピエゾバルブ21を設けてある。前記ピエゾバルブ21は、前記流量制御バルブ11と比べて可動範囲は狭く、流すことのできる流量の範囲は小さい。しかしながら、前記ピエゾバルブ21と後述するピエゾバルブ制御部22との組み合わせは、前記前記流量制御バルブ11と前記流量制御コントローラ12の組み合わせよりも高応答性を有するように構成してある。すなわち、前記第2流路L2に設けられたピエゾバルブ21は、前記流量制御バルブ11を通過する第1流量と比較して、少量の第2流量が流れるようにしてあり、前記真空チャンバVCに流入させたい目標流量と第1流量との差分だけの流量制御を行うようにしてある。
【0034】
このように前記第1流路L1上に設けてある前記マスフローコントローラ1と、前記第2流路L2上に設けてある前記ピエゾバルブ21により前記真空チャンバVCに導入する反応性ガスの流量を制御するための流体制御機構FCが構成してある。
【0035】
前記プラズマモニタ3は、前記真空チャンバVC内において前記ターゲットTと前記基材Bとの間を臨むように設けられ、発生しているプラズマからの光を取得する光取得部と、前記光採取部31と光ファイバ32により接続され、プラズマからの光を強度に応じた電気信号に変更するフォトマル33と、前記フォトマル33からの電気信号に基づいて、前記プラズマのプラズマ強度を出力するプラズマ強度算出部とから構成してある。
【0036】
前記制御部Cは、CPU、メモリ、A/D、D/Aコンバータ、入出力インターフェイス等を備えたいわゆるコンピュータによりその機能を実現されるものであり、前記メモリに格納されたプログラムに基づいて、少なくともピエゾバルブ制御部22としての機能を発揮するものである。
【0037】
前記ピエゾバルブ制御部22は、請求項での第2バルブ制御部に相当するものであり、前記プラズマモニタ3で測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記ピエゾバルブ21の開度を制御するように構成してある。
【0038】
前記設定プラズマ強度は、実際の製品の製造を開始する前の下準備において予め測定を行って定めるものである。より具体的には、前記反応性ガスラインRGLから前記真空チャンバVC内に導入する反応性ガスの流量を少しずつ増加させていき、成膜の形態がメタルモードから反応性モードへ至る途中の遷移領域となった時のプラズマ強度を設定プラズマ強度としてある。例えば、反応性ガスの流量が遷移領域となるのに適した流量となると、前記プラズマモニタ3で測定されるプラズマ強度が最大値となる場合は、下準備において観測された最大のプラズマ強度を前記設定プラズマ強度として設定する。また、前記マスフローコントローラ1に流すべき流量として設定される第1流量値は、最大プラズマ強度となった時の反応性ガスの流量である適正流量よりも小さい値、すなわち、設定プラズマ強度となるときの反応性ガスの流量よりも若干小さい値にしてある。より好ましくは前記第1流量と、前記設定プラズマ強度となる適正流量との間の差分は、前記ピエゾバルブ21により前記第2流路L2を経由して前記真空チャンバVC内に流入させることができる最大流量よりも小さく設定してあればよい。言い換えると、前記適正流量と前記第1流量の差分の流量は、前記ピエゾバルブ21の可動範囲から決まる流量制御可能範囲内に収まるように第1流量を設定してある。
【0039】
前記遷移領域となった場合に、プラズマ強度が最大値となる場合における前記ピエゾバルブ制御部22の動作についてより具体的に説明する。前記マスフローコントローラ1により、反応性ガスが第1流量分だけ前記真空チャンバVC内に流入するよう保たれている状態から、前記ピエゾバルブ制御部22は前記ピエゾバルブ21の開度を前記測定プラズマ強度と前記設定プラズマ強度の偏差に対してPID演算を行ったフィードバック量だけ増加させていく。真空チャンバVC内のプラズマの強度が設定強度となった後に、再び前記測定プラズマ強度と前記設定プラズマ強度との間に偏差が発生した場合には、前記ピエゾバルブ制御部22は、偏差が再び生じるまでの前記ピエゾバルブ21の増減傾向に応じて、前記ピエゾバルブ21の開度を変化させる方向を変化させる。すなわち、前記ピエゾバルブ制御部22は、前記ピエゾバルブ21の開度が増加傾向にある状態において前記プラズマモニタ3で測定される測定プラズマ強度が設定プラズマ強度となった後に、再び偏差が生じた場合には、偏差にPID演算を行ったフィードバック量だけ前記ピエゾバルブ21の開度を減少させる。逆に、前記ピエゾバルブ21の開度が減少傾向にある状態において前記プラズマモニタ3で測定される測定プラズマ強度が設定プラズマ強度となった後に、再び偏差が生じた場合には、偏差にPID演算を行ったフィードバック量だけ前記ピエゾバルブ21の開度を増加させる。例えば、前記ピエゾバルブ21の開度に関して時間変化量や時間微分に基づいて増減傾向を取得し、前記ピエゾバルブ制御部22がピエゾバルブ21の開度を制御するようにしてもよい。
【0040】
次に、メタルモードから遷移領域を介して反応性モードへと至る間において発生しているプラズマから観察されるプラズマ強度が、単調増加又は単調減少である場合の前記ピエゾバルブ制御部22の動作について説明する。例えば、メタルモードにおいては真空チャンバVCに流入する反応性ガスの流量に対するプラズマ強度の増加率が小さく、遷移領域においてプラズマ強度の増加率が急激に上昇し、反応性モードでは再びプラズマ強度の増加率が小さくなるような場合を考える。
【0041】
このようにプラズマ強度が真空チャンバVC内に流入する反応性ガスの流量に対して単調増加又は単調減少する場合には、実験で予め求めておいた遷移領域における任意のプラズマ強度を設定プラズマ強度として設定しておくだけで、測定プラズマ強度との偏差にはプラス、マイナスのいずれかが現れて前記ピエゾバルブ21の制御方向が一意に決まる。従って、上述したような増減傾向をチェックすることなく、通常のフィードバック制御により前記ピエゾバルブ21の開度は、前記ピエゾバルブ制御部22により制御される。
【0042】
このように構成されたプラズマ制御装置100によれば、図2のグラフに示すように設定プラズマ強度でプラズマを発生させるのに必要な反応性ガスの流量を、変動の生じにくい大部分を前記第1流路L1上に設けられた前記マスフローコントローラ1により第1流量として一定流量で流しつつ、プラズマ状態の変動により生じる反応性ガスの必要量の変動分を前記第2流路L2上に設けられた高応答性を有するピエゾバルブ21で第2流量として制御することで前記真空チャンバVC内へ導入することができる。このため、本実施形態のプラズマ制御装置100によれば、反応性スパッタ法において遷移領域での成膜を行い続ける場合のように、前記真空チャンバVC内へ流入させるべき反応性ガスの流量が大きいため、流量制御レンジを広くとらなくてはならず、かつ、流量制御レンジのオーダに対して流量制御誤差の許容量が非常に小さいというような厳しい流量制御条件でも反応性ガスの流量を高速応答させることができ、成膜の形態を遷移領域に保つことができる。
【0043】
また、前記ピエゾバルブ21は、前記プラズマモニタ3で実測された測定プラズマ強度と、設定プラズマ強度の偏差に基づいて制御されるので、プラズマの状態を直接表わす量に基づいて流量制御を行うことができ、成膜の形態を遷移状態に保ち続けやすい。さらに、前記マスフローコントローラ1に対しては、測定プラズマ強度と設定プラズマ強度の偏差をフィードバックせずに一定流量を流し続けるように構成してあるので、反応性ガスの流量制御システムについて安定性を保ちやすい。
【0044】
さらに、本実施形態のプラズマ制御装置100では、反応性ガスの流量について前記マスフローコントローラ1により一定流量で流される第1流量を設定プラズマ強度となる流量よりも小さい流量に設定してあり、さらにピエゾバルブ21により流される第2流量で設定プラズマ強度となるように制御しているので、成膜の形態はメタルモードから遷移領域に移行するように制御できる。仮に反応性ガスが真空チャンバVC内に過剰に導入して、反応性モードから遷移領域に移行させようとすると、ターゲットT自体と反応性ガスが反応して酸化膜等がターゲットTに形成されており、ターゲットTからイオンが弾きだされにくくなって成膜速度がしばらく遅くなってしまう。一方、本実施形態は、メタルモードから遷移領域に移行させその状態で安定させることができるので、従来の反応性モードで安定してしまっていた場合に比べて5〜6倍の成膜速度で、ターゲットTのイオンと反応性ガスが反応してできる化合物を基材B状に堆積させて成膜することができる。
【0045】
次に本発明の別の実施形態について説明する。以下の説明では前記実施形態と対応する部材には同じ符号を付すこととする。
【0046】
図3に示す実施形態では、既存のプラズマ制御装置100に対して本発明の流量制御装置を付加することにより、流量制御性能を向上させ、成膜の形態を遷移領域に保つことを可能としている。
【0047】
前記既存のプラズマ制御装置100は、背景技術において説明した図4のように、プラズマが生成される真空チャンバVC内に希ガスを導入する希ガスラインNGLと、前記真空チャンバVC内に反応性ガスを導入する反応性ガスラインRGLと、前記真空チャンバVC内で発生するプラズマの強度を測定するプラズマモニタ3Aと、前記プラズマモニタ3Aから出力されるプラズマ強度に基づいて前記反応性ガスラインRGLを流れる反応性ガスの流量を制御する制御部Cとを、備えたものである。ここで、従来のプラズマ制御装置100Aは、前記反応性ガスラインRGLは1つの流路しか有しておらず、その流路上に反応性ガスの流量を制御するためのマスフローコントローラ1Aが設けてある。そして、前記制御部Cは、前記プラズマモニタ3Aにより測定される測定プラズマ強度と設定プラズマ強度の偏差に基づいてPID演算を行い、前記マスフローコントローラ1に流量指令値を入力するように構成されている。この流量指令値と測定される測定流量値との偏差に基づいて前記マスフローコントローラ1A内部の流量制御バルブ11Aの開度が制御される。
【0048】
このような既存のプラズマ制御装置100に対して、第2バルブと、第2バルブ制御部を備えた本発明の流量制御装置200を追加するために、図3に示すように前記マスフローコントローラ1が設けられた流路を第1流路L1とし、前記第1流路L1に対して並列に設けられ、前記マスフローコントローラ1の下流に合流する第2流路L2を形成する。さらに、前記第2流路L2上に第2バルブとしてピエゾバルブ21を設けておき、前記制御部Cのメモリに新たなプログラムを格納することで、前記プラズマモニタ3から出力される測定プラズマ強度と、設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記ピエゾバルブ21の開度を制御する第2バルブ制御部を構成する。さらに、前記マスフローコントローラ1と前記制御部Cとの間でプラズマ強度に関するやり取りが行われないように接続を解除するとともに、前記マスフローコントローラ1Aには第1流量で反応性ガスを一定に流し続けるように設定する。
【0049】
このように既存のプラズマ制御装置100Aに対して、ピエゾバルブ21と、そのピエゾバルブ21を制御するためのプログラムをインストールしてピエゾバルブ制御部22を構成するだけで、前記実施形態と略同様の機能を実現することができる。すなわち、このように本発明の流量制御装置を既存のプラズマ制御装置100に用いることにより、成膜の形態を遷移領域に保ちつづけて、成膜速度を従来の5〜6倍にすることが可能となる。
【0050】
その他の実施形態について説明する。
【0051】
前記実施形態では、反応性スパッタ法を行うことを前提として、真空チャンバ内への導入する反応性ガスの流量を制御することについて説明したが、例えば、導入するAr等の希ガスの流量を制御するのに本発明の構成を用いても構わない。また、本発明のプラズマ制御装置及び流量制御装置は特に反応性スパッタ法に用いることだけに限定されるものではなく、通常のスパッタ法におけるプラズマ制御に用いても構わない。言い換えると請求項での導入ガスとは、特に反応性ガスに限られるものではなく、真空チャンバ内に導入する流量によって真空チャンバ内のプラズマの状態を制御するためであれば、どのようなガスの制御に本発明を用いても構わない。
【0052】
前記実施形態では、第2流路は第1流路に合流するように設けていたが、例えば真空チャンバにおいて第1流路を流れてきた導入ガスと第2流路を流れてきた導入ガスが合流するようにしても構わない。また、前記第2流路の第1流路に対する合流点は、前記第1バルブの下流であればよく、さらに真空チャンバに近くすることで、実際に真空チャンバ内に導入される導入ガスの流量の精度を良くすることができる。さらに、前記第2バルブはピエゾバルブに限られるものではなく、例えば前記第1流路に設けられる第1バルブよりも応答性のよいものであればよい。
【0053】
さらに、前記第1流路上にマスフローコントローラのような流量制御を行う機器がパッケージ化されたものではなく、それぞれの機器が単体で取り付けられていても構わない。すなわち、第1流路上に第1バルブと、流量測定センサをそれぞれ単体で設けておき、前記制御部により第1バルブ制御部としての機能を発揮させるようにしても構わない。加えて、前記第1バルブ制御部、第2バルブ制御部は、コンピュータを利用して1箇所で構成してあってもよいし、それぞれの設置場所に設けられたマイコン等でその機能を実現されるものであってもよい。
【0054】
また、前記プラズマモニタは、プラズマから放射される光の強度に基づいてプラズマ強度を測定するものだけでなく、プラズマを発生させるために電圧を印加する電源のインピーダンス変化等に基づいてプラズマ強度を測定するものであっても構わない。
【0055】
前記実施形態の動作では、プラズマの状態がメタルモードから遷移領域、反応性モードの順で変わるように導入ガスの流量制御を行っていたが、逆に反応性モードから、遷移領域、メタルモードへと至る経路を使ってプラズマの状態を保持するようにしても構わない。すなわち、最初に遷移領域となる流量よりも若干多めの導入ガスを真空チャンバ内に導入しておき、測定されるプラズマ強度に応じて、第2バルブにより徐々に導入ガスの流量を減少させていくようにしても構わない。
【0056】
また、前記実施形態では第1流路に設けられたマスフローコントローラは自身を経由する流量が常に第1流量で一定に保たれるようにフィードバック制御を行っていたが、成膜工程や導入するガスの種類等に応じて、時間毎に第1流量が変化するものであっても構わない。さらに、前記第1流路に設けられた第1バルブは必ずしもフィードバック制御を必要とするものではなく、例えばフィードフォワード制御により第1流量で保たれるように流量制御するものであっても構わない。加えて、前記第1バルブの開度は、第1流量に対応する所定開度で維持し続けるだけであっても構わない。例えば、前記第1バルブ制御部が、前記第1バルブの開度を所定開度に制御した後は、何の制御も行わずに前記第1バルブの開度を所定開度で固定するようにしてもよい。
【0057】
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形や実施形態の組み合わせを行ってもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0058】
100・・・プラズマ制御装置
200・・・流量制御装置
11 ・・・流量制御バルブ(第1バルブ)
12 ・・・流量制御コントローラ(第1バルブ制御部)
21 ・・・ピエゾバルブ(第2バルブ)
22 ・・・ピエゾバルブ制御部(第2バルブ制御部)
3 ・・・プラズマモニタ
L1 ・・・第1流路
L2 ・・・第2流路
VC ・・・真空チャンバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマが生成される真空チャンバに接続されており、前記真空チャンバ内に導入される導入ガスが流れる第1流路上に設けられた第1バルブと、
前記第1バルブを経由して前記真空チャンバ内に導入される前記導入ガスの流量が第1流量となるように当該第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部と、
前記真空チャンバ内で発生しているプラズマのプラズマ強度を測定するプラズマモニタと、
前記第1流路の前記第1バルブよりも下流、又は、前記真空チャンバに接続されており、前記導入ガスが流れる第2流路上に設けられた第2バルブと、
前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部と、を備えたことを特徴とするプラズマ制御装置。
【請求項2】
前記導入ガスを前記第1流量のみで前記真空チャンバに導入した際に、前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度が、前記設定プラズマ強度よりも小さい値となるように、当該第1流量が設定されている請求項1記載のプラズマ制御装置。
【請求項3】
前記第1バルブ制御が、前記第2流路を経由して前記真空チャンバに導入される前記導入ガスの流量である第2流量が前記第1流量よりも小さい値となるように、前記第1バルブの開度を制御するように構成されており、
前記第2バルブと前記第2バルブ制御部が、前記第1バルブと前記第1バルブ制御部よりも高応答性を有するように構成されている請求項1又は2記載のプラズマ制御装置。
【請求項4】
前記第2バルブが、ピエゾバルブである請求項1、2又は3記載のプラズマ制御装置。
【請求項5】
前記プラズマモニタが、前記真空チャンバ内のプラズマから放射される光の強度に基づいて前記プラズマ強度を測定する請求項1、2、3又は4記載のプラズマ制御装置。
【請求項6】
プラズマが生成される真空チャンバに接続されており、前記真空チャンバ内に導入される導入ガスが流れる第1流路上に設けられた第1バルブと、前記第1バルブを経由して前記真空チャンバ内に導入される前記導入ガスの流量が第1流量となるように当該第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部と、前記真空チャンバ内で発生しているプラズマのプラズマ強度を測定するプラズマモニタと、を備えたプラズマ制御装置に用いられる流量制御装置であって、
前記第1流路の前記第1バルブよりも下流、又は、前記真空チャンバに接続されており、前記導入ガスが流れる第2流路上に設けられた第2バルブと、
前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部と、を備えたことを特徴とする流量制御装置。
【請求項7】
プラズマが生成される真空チャンバに接続されており、前記真空チャンバ内に導入される導入ガスが流れる第1流路上に設けられた第1バルブと、
前記真空チャンバ内で発生しているプラズマのプラズマ強度を測定するプラズマモニタと、
前記第1流路の前記第1バルブよりも下流、又は、前記真空チャンバに接続されており、前記導入ガスが流れる第2流路上に設けられた第2バルブと、を備えたプラズマ制御装置に用いられる流量制御プログラムであって、
前記第1バルブを経由して前記真空チャンバ内に導入される前記導入ガスの流量が第1流量となるように当該第1バルブの開度を制御する第1バルブ制御部と、
前記プラズマモニタで測定される測定プラズマ強度と、予め設定された設定プラズマ強度との偏差に基づいて前記第2バルブの開度を制御する第2バルブ制御部と、を備えたことを特徴とする流量制御用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−69419(P2013−69419A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205102(P2011−205102)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000127961)株式会社堀場エステック (88)
【Fターム(参考)】