説明

プラズマ溶接トーチ、及びプラズマ溶接トーチを用いた溶接方法

【課題】従来よりも小型化が可能になるプラズマ溶接トーチを提供すること。
【解決手段】、非消耗式電極13の外周空間にアルゴンガス等の不活性ガスGが供給されると、そのうちの一部がプラズマガスGPとして用いられ、プラズマ貫通孔51を介して非消耗式電極13と母材2との間にプラズマアークPAが発生する。この状態を維持したまま、プラズマ溶接トーチ1は図4中矢印の方向に移動する。このとき、ガス流通部21に供給された不活性ガスGの一部は、プラズマガスGPとして用いられずにシールドガスGSとして、シールド貫通孔52を介して溶接方向の前方の母材2に対して噴出する。このシールドガスによって、プラズマアークPAと母材2とが大気から遮断(シールド)された状態で、母材2に対する溶接が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、母材に対するプラズマアーク溶接を行うプラズマ溶接トーチ、及び当該プラズマ溶接トーチを用いた溶接方法に関する。詳しくは、従来よりも小型化が可能になるプラズマ溶接トーチ、及び当該プラズマ溶接トーチを用いた溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、非消耗式電極と母材との間に発生させたプラズマアークを用いて、母材に対して溶接を行う技術(例えば特許文献1参照)が知られている。このような溶接は、一般的に「プラズマアーク溶接」と称されている。
【0003】
プラズマアーク溶接においては、非消耗式電極が収納されるプラズマ溶接トーチが用いられる。
従来のプラズマ溶接トーチには、非消耗式電極と母材との間にプラズマアークを発生させるためにプラズマガスが供給されると共に、シールドガスも供給される。このシールドガスが従来のプラズマ溶接トーチから噴出されることで、母材に形成された溶融池の酸化が防止され、その結果、溶接の品質が確保される。
このため、従来のプラズマ溶接トーチにおいては、非消耗式電極を囲むように、プラズマガス用のノズルが設けられ、さらに、当該プラズマガス用のノズルを囲むように、シールドガス用のノズルが設けられている。即ち、従来のプラズマ溶接トーチは、二重構造のノズルを有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】2008−238242号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、狭所に存在する母材に対してもプラズマアーク溶接を行いたいという要望が挙げられているが、従来のプラズマ溶接トーチは上述の如く二重構造のノズルを有しているため、その先端径が大きくなっている。即ち、当該要望に応えるためには、より小型のプラズマ溶接トーチが必要になる。
【0006】
本発明は、母材に対するプラズマアーク溶接を行うプラズマ溶接トーチ、及び当該プラズマ溶接トーチを用いた溶接方法であって、従来よりも小型化が可能になるプラズマ溶接トーチ、及び当該プラズマ溶接トーチを用いた溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプラズマ溶接トーチ(例えば実施形態におけるプラズマ溶接トーチ1)は、
母材(例えば実施形態における母材2)との間にプラズマアークを発生させる非消耗式電極(例えば実施形態における非消耗式電極13)と、不活性ガスが流通するノズル(例えば実施形態におけるノズル11)と、を備えるプラズマ溶接トーチにおいて、
前記ノズルには、
前記非消耗式電極が収容され、外部と貫通する第1の貫通孔(例えば実施形態におけるプラズマ貫通孔51)と、
前記第1の貫通孔の一部から、前記非消耗式電極と所定の角度をなす方向に延在して、外部と貫通する第2の貫通孔(例えば実施形態におけるシールド貫通孔52)と、
が設けられており、
前記プラズマ溶接トーチが前記母材に対して所定方向に移動するときに、前記第1の貫通孔に不活性ガスが流通し、
前記不活性ガスの一部がプラズマガスとして、前記第1の貫通孔を介して、前記非消耗式電極と前記母材との間にプラズマアークを発生させ、
前記不活性ガスの残りの一部がシールドガスとして、前記第2の貫通孔を介して、少なくとも前記所定方向の前記母材に対して噴出される、
ことを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、ノズルには第1の貫通孔及び第2の貫通孔が設けられており、第1の貫通孔に供給された不活性ガスのうち、一部はプラズマガスとして用いられ、残りの一部は第2の貫通孔から噴出されてシールドガスとして用いられる。
これにより、従来のプラズマ溶接トーチに設けられていたシールドガス用のノズルが不要になる。即ち、従来のプラズマ溶接トーチに設けられていたプラズマガス用のノズルに相当するノズルだけで、プラズマガスのみならず、シールドガスの供給も可能になる。
その結果、良好な品質で溶接を行うことが可能なプラズマ溶接トーチを、従来と比較して小型に構成することが可能になる。
【0009】
本発明のプラズマ溶接トーチを用いた溶接方法は、上述した本発明のプラズマ溶接トーチを用いた溶接方法である。従って、従来と比較して小型なプラズマ溶接トーチを用いて、良好な品質で溶接を行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ノズルには第1の貫通孔及び第2の貫通孔が設けられており、第1の貫通孔に供給された不活性ガスのうち、一部はプラズマガスとして用いられ、残りの一部は第2の貫通孔から噴出されてシールドガスとして用いられる。
これにより、従来のプラズマ溶接トーチに設けられていたシールドガス用のノズルが不要になる。即ち、従来のプラズマ溶接トーチに設けられていたプラズマガス用のノズルに相当するノズルだけで、プラズマガスのみならず、シールドガスの供給も可能になる。
その結果、良好な品質で溶接を行うことが可能なプラズマ溶接トーチを、従来と比較して小型に構成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に係るプラズマ溶接トーチの概略構成を示す断面図である。
【図2】図1のプラズマ溶接トーチのノズルの内部の概略構成を示す断面図である。
【図3】図1のプラズマ溶接トーチのノズルの外観の概略構成を示す斜視図である。
【図4】図1のプラズマ溶接トーチが母材に対する溶接を行う際に吐出される不活性ガスの様子を示す模式図である。
【図5】図1のプラズマ溶接トーチにおいて、プラズマガス流量とシールドガス流量とについての、元ガス流量、及び、ノズルの第1の貫通孔と第2の貫通孔との開口面積比の関係の一例を示す図である。
【図6】図1のプラズマ溶接トーチのノズルの第2の貫通孔の開口面積を特定する要素を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ溶接トーチ1の概略構成を示す断面図である。
【0014】
プラズマ溶接トーチ1は、ノズル11と、トーチ本体部12と、タングステン電極等の非消耗式電極13と、を備えている。
【0015】
図2は、ノズル11の内部の概略構成を示す断面図である。
図3は、ノズル11の外部の概略構成を示す斜視図である。
【0016】
ここで、ノズル11の端部のうち、プラズマ溶接トーチ1が母材2に対する溶接を行う場合に母材2と対向する端部11tを、以下「先端部11t」と称し、先端部の逆側の端部11bを、以下、基端部11b」と称する。
【0017】
ノズル11には、基端部11bから先端部11tに向かう方向に、接続部41と、チップ部42と、が設けられている。
【0018】
接続部41は、図1に示すように、トーチ本体部12の中央内部に螺合されることによって、ノズル11をトーチ本体部12に接続する。
接続部41とチップ部42との中央内部には、基端部11bから先端部11tまで貫通するプラズマ貫通孔51が設けられている。このプラズマ貫通孔51と、トーチ本体部12の中央内部に設けられた空間とにより、後述する不活性ガスが流通するガス流通部21が形成される。
即ち、プラズマ貫通孔51を含むガス流通部21は、非消耗式電極13が収容され、非消耗式電極13と略平行に延在して、ノズル11の先端部11tにおいて外部と貫通する。
チップ部42にはさらに、ガス流通部21の一部から、非消耗式電極13と所定の角度をなす方向に延在して、チップ部42の側面において外部と貫通するシールド貫通孔52が設けられている。
【0019】
ここで、図1に示す白抜き矢印の方向が、プラズマ溶接トーチ1が母材2に対する溶接を行う場合に移動する方向であり、以下、「溶接方向」と称する。
詳細については後述するが、この溶接方向にシールド貫通孔52の開口部が向くように、プラズマ溶接トーチ1が配設された状態で、プラズマ溶接トーチ1が母材2に対する溶接を行うと、ガス流通部21を流通する不活性ガスの一部がプラズマガスとして、プラズマ貫通孔51を介して非消耗式電極13と母材2との間にプラズマアークを発生させる。また、ガス流通部21を流通する不活性ガスの残りの一部がシールドガスとして、シールド貫通孔52を介して溶接方向の母材2に対して噴出する。
【0020】
次に、図4を参照して、以上のプラズマ溶接トーチ1の動作について説明する。
図4は、プラズマ溶接トーチ1が母材2に対する溶接を行う際に噴出される不活性ガスGの様子を示す模式図である。
【0021】
図4に示すように、非消耗式電極13の外周空間であるガス流通部21にアルゴンガス等の不活性ガスGを少量供給し、例えば図示せぬ電源装置により非消耗式電極13とノズル11との間に高電圧を印加して、非消耗式電極13と、ノズル11の先端部11tのプラズマ貫通孔51付近との間に小電流のパイロットアークを発生させる。
この状態で、不活性ガスGの供給量を、プラズマ貫通孔51から高速で噴射するレベルまで増加し、例えば、図示せぬ電源装置により非消耗式電極13と母材2との間に高電圧を印加することによって、プラズマアークPAを発生させる。
【0022】
この状態を維持したまま、プラズマ溶接トーチ1は、図示せぬ駆動機構により溶接方向に、即ち図4中白抜き矢印の方向に移動する。
このとき、ガス流通部21に供給された不活性ガスGの一部は、プラズマガスGPとして用いられずにシールドガスGSとして、シールド貫通孔52を介して溶接方向の前方の母材2に対して噴出する。図4に示すように、このシールドガスGSによって、プラズマアークPAと母材2とが大気から遮断(シールド)された状態で、母材2に対する溶接が行われる。
なお、図4の例では、不活性ガスGはアルゴンであり、プラズマ溶接トーチ1の移動速度は0.5m/分であり、不活性ガスGの流量(後述する元ガス流量)は、2リットル/分であり、プラズマ溶接トーチ1の前方21mm周辺のシールドガスGSの濃度は約25%である。
【0023】
このように、本実施形態のプラズマ溶接トーチ1では、ガス流通部21に供給された不活性ガスGのうち、一部がプラズマガスGPとして用いられ、残りの一部がシールドガスGSとして用いられる。
【0024】
ここで、母材2の溶融池において適切な溶け込み深さを得るためには、プラズマガスGPの流量(以下、「プラズマガス流量」と称する)を適切にすることによって、プラズマアークPAが母材2を溶融させて貫通させる能力(以下、「貫通能力」と呼ぶ)を十分に発揮させる必要がある。
一方、母材2の溶融池の酸化を防止して、溶接の品質、即ち溶接後の母材2の外観やブローホールに関する品質を確保するためには、シールドガスGSの流量(以下、「シールドガス流量」と称する)を適切にすることによって、プラズマアークPAと母材2とを大気から遮断(シールド)する能力(以下、「シールド能力」と呼ぶ)を十分に発揮させる必要がある。
従って、要求される貫通能力とシールド能力とを共に発揮させるためには、プラズマガス流量とシールドガス流量とを共に適切にしなければならない。
このためには、ガス流通部21に供給される不活性ガスGの流量(以下、「元ガス流量」と呼ぶ)を適切に管理し、かつ、当該元ガス流量をプラズマガス流量とシールドガス流量とに分配する比率(以下、「ガス分配比率」と呼ぶ)を適切に管理する必要がある。
プラズマガス流量は、プラズマガスGPが噴出されるプラズマ貫通孔51の開口面積に依存する。同様に、シールドガス流量は、シールドガスGSが噴出されるシールド貫通孔52の開口面積に依存する。従って、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比を変化させることによって、ガス分配比率も変化させることができる。
以上まとめると、元ガス流量、及び、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比を適切に管理することによって、要求される貫通能力とシールド能力とを共に発揮させるために適切なプラズマガス流量及びシールドガス流量を確保することができる。
【0025】
さらに以下、図5を参照して、元ガス流量、及び、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比の管理手法について説明する。
図5は、プラズマガス流量とシールドガス流量とについての、元ガス流量、及び、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比の関係の一例を示している。
図5において、適正と記載された範囲は、要求される貫通能力とシールド能力とを共に発揮するために適正なプラズマガス流量及びシールドガス流量を確保できる範囲を示している。
GS不足と記載された範囲は、要求されるシールド能力を発揮するために必要なシールドガス流量を確保できない範囲を示している。
GP不足と記載された範囲は、要求される貫通能力を発揮するために必要なプラズマガス流量を確保できない範囲を示している。
GS・GP不足と記載された範囲は、要求されるシールド能力を発揮するために必要なシールドガス流量を確保できず、かつ、要求される貫通能力を発揮するために必要なプラズマガス流量を確保できない範囲を示している。
従って、適正と記載された範囲内となるように、元ガス流量、及び、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比を管理することによって、要求される貫通能力とシールド能力とを共に発揮させるために適切なプラズマガス流量及びシールドガス流量を共に確保することができる。
【0026】
ここで、いわゆるノズル穴に相当するプラズマ貫通孔51の開口面積は、ノズル穴径の仕様で定まる。従って、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比を変更するためには、シールド貫通孔52の開口面積を変更すればよい。
図6は、シールド貫通孔52の開口面積を特定する要素を説明する図である。図6(a)は、ノズル11の斜視図を示し、図6(b)は、ノズル11の断面図を示している。
図6(a)に示す開口角βは、シールド貫通孔52の開口部についての、水平方向の広がり度合いを示す角度である。即ち、プラズマ貫通孔51の軸aとシールド貫通孔52の軸bとの交点を始点として、開口部の水平方向の両端を終点として、シールド貫通孔52の軸bと平行に始点から2つの終点までそれぞれ結ぶ2つの線分がなす角度が、開口角βである。
ここで、シールド貫通孔52の開口部が単一のスリットで形成されている場合、即ち、開口部の水平方向の両端間において連続して開口されている場合がある。このような場合、シールド貫通孔52の開口面積は、図6(a)に示す開口角β、及び、図6(b)に示す開口厚に依存する。開口厚とは、シールド貫通孔52の開口部の垂直方向の厚みをいう。従って、開口角β、及び、開口厚のうちの少なくとも1つの要素を変更することで、シールド貫通孔52の開口面積を変更することができ、その結果、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比を変更することができる。
また例えば、シールド貫通孔52の開口部が複数の穴(以下、「開口穴」と称する)で形成されている場合、即ち、開口部の水平方向の両端間において非連続に開口している場合がある。このような場合、シールド貫通孔52の開口面積を特定する要素は、図6(a)に示す開口角β、並びに、図6(b)に示す複数の開口穴の径及び個数に依存する。従って、開口角β、並びに、複数の開口穴の径及び個数のうちの少なくとも1つの要素を変更することで、シールド貫通孔52の開口面積を変更することができ、その結果、プラズマ貫通孔51とシールド貫通孔52との開口面積比を変更することができる。
【0027】
なお、図6に示す傾斜角α及び開口高さは、母材2に対してシールドガスGSが到達する範囲を特定する要素である。ここで、傾斜角αとは、プラズマ貫通孔51の軸aとシールド貫通孔52の軸bとのなす角度をいう。開口高さは、ノズル11の先端部11tから、プラズマ貫通孔51の軸aとシールド貫通孔52の軸bとの交点までの垂直方向の長さをいう。
【0028】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
即ち、ノズル11にはプラズマ貫通孔51及びシールド貫通孔52が設けられており、プラズマ貫通孔51に供給された不活性ガスGのうち、一部はプラズマガスGPとして用いられ、残りの一部はシールド貫通孔52から噴出されてシールドガスGSとして用いられる。
これにより、従来のプラズマ溶接トーチに設けられていたシールドガス用のノズルが不要になる。即ち、従来のプラズマ溶接トーチに設けられていたプラズマガス用のノズルに相当するノズル11だけで、プラズマガスGPのみならず、シールドガスGSの供給も可能になる。
その結果、良好な品質で溶接を行うことが可能なプラズマ溶接トーチ1を、従来と比較して小型に構成することが可能になる。
【0029】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0030】
例えばノズル11のシールド貫通孔52の形成場所、個数、形態等は、上述の図面に示された例に特に限定されず、少なくとも溶接方向にシールドガスが噴出されるものであれば足りる。従って、例えば、溶接方向に加えてさらに別の方向、具体的には例えば逆方向等にシールドガスが噴出されるように、シールド貫通孔52をノズル11に形成するようにしてもよい。
【0031】
例えば、プラズマ貫通孔51及びシールド貫通孔52を流通する不活性ガスGは、上述の実施形態ではアルゴン等とされたが、プラズマガスGP及びシールドガスGSとして用いられるものであれば特に限定されず、その他例えばヘリウムでもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 プラズマ溶接トーチ
11 ノズル
12 トーチ本体部
13 非消耗式電極
21 ガス流通部
51 プラズマ貫通孔
52 シールド貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
母材との間にプラズマアークを発生させる非消耗式電極と、不活性ガスが流通するノズルと、を備えるプラズマ溶接トーチにおいて、
前記ノズルには、
前記非消耗式電極が収容され、外部と貫通する第1の貫通孔と、
前記第1の貫通孔の一部から、前記非消耗式電極と所定の角度をなす方向に延在して、外部と貫通する第2の貫通孔と、
が設けられており、
前記プラズマ溶接トーチが前記母材に対して所定方向に移動するときに、前記第1の貫通孔に前記不活性ガスが流通し、
前記不活性ガスの一部がプラズマガスとして、前記第1の貫通孔を介して、前記非消耗式電極と前記母材との間にプラズマアークを発生させ、
前記不活性ガスの残りの一部がシールドガスとして、前記第2の貫通孔を介して、少なくとも前記所定方向の前記母材に噴出される、
プラズマ溶接トーチ。
【請求項2】
母材との間にプラズマアークを発生させる非消耗式電極と、不活性ガスが流通するノズルと、を備えるプラズマ溶接トーチの溶接方法において、
前記ノズルには、
前記非消耗式電極が収容され、外部と貫通する第1の貫通孔と、
前記第1の貫通孔の一部から、前記非消耗式電極と所定の角度をなす方向に延在して、外部と貫通する第2の貫通孔と、
が設けられた前記プラズマ溶接トーチを、前記母材に対して所定方向に移動させ、
前記第1の貫通孔に不活性ガスを流通させ、
前記不活性ガスの一部をプラズマガスとして用いて、前記第1の貫通孔を介して、前記非消耗式電極と前記母材との間にプラズマアークを発生させ、
前記不活性ガスの残りの一部をシールドガスとして、前記第2の貫通孔を介して、少なくとも前記所定方向の前記母材に対して噴出させる、
プラズマ溶接トーチを用いた溶接方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−177743(P2011−177743A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−43689(P2010−43689)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】