説明

プラズマ発生体及びプラズマ発生装置

【課題】放電空間におけるプラズマの分布及び流れを好適化できるプラズマ発生体を提供する。
【解決手段】誘電体3の貫通孔9は、放電空間9aと、放電空間9aとは反対側を拡径させる傾斜面3eを内周面の一部とする導入空間9bとを含む。第1対向電極5Aは、z方向の正側から放電空間9aに面し、放電空間9a側が誘電体3により覆われている。第2対向電極5Bは、第1対向電極5Aと放電空間9aを挟んで対向している。第1イオン風用電極7Aは、第1対向電極5A側の傾斜面3eに位置している。プラズマ発生体1は、第1対向電極5A及び第2対向電極5Bの間に電圧が印加されることにより放電空間9aにプラズマを発生可能であり、第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aの間に電圧が印加されることにより導入空間9bから放電空間9aへ流れるイオン風を発生可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ発生体及びプラズマ発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ発生体は、有害ガス等のガスの改質、半導体ウェハ等の加工、光源等の種々の用途に利用されている。
【0003】
特許文献1では、貫通孔が形成された誘電体と、当該誘電体に埋設され、貫通孔を挟んで対向する1対の電極とを有するプラズマ発生体が開示されている。当該プラズマ発生体では、1対の電極間に電圧が印加されることにより、貫通孔においてプラズマが発生する。
【0004】
また、特許文献2では、平板状の誘電体と、当該誘電体の主面に設けられた1対の電極とを有するイオン風発生体(プラズマ発生体)が開示されている。このイオン風発生体では、1対の電極間に電圧が印加されることにより、誘電体の主面においてプラズマが発生し、ひいては当該主面に沿って流れるイオン風が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−117532号公報
【特許文献2】特開2008−290711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術では、貫通孔が狭くなると、貫通孔内の流体の圧力損失が大きくなり、流速が低下する。その結果、例えば、貫通孔内にガスを供給して当該ガスの改質を行う場合において、ガスの処理効率が低下する。
【0007】
特許文献2は、翼周りの流れの制御に関する技術であり、貫通孔内にプラズマを発生させるものではない。また、仮に、特許文献2の誘電体の主面によって貫通孔の内周面を構成したとしても、特許文献2の技術では、誘電体の主面近傍においてしかプラズマを発生させることができないから、貫通孔が広くなると、貫通孔全体にプラズマが充満しない。その結果、例えば、貫通孔にガスを供給して当該ガスの改質を行う場合において、ガスの処理効率が低下する。
【0008】
本発明の目的は、貫通孔内におけるプラズマの分布及び流れを好適化できるプラズマ発生体及びプラズマ発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るプラズマ発生体は、放電空間と、前記放電空間とは反対側を拡径させる傾斜面を内周面の一部とする導入空間とを含む貫通孔が形成された誘電体と、前記貫通孔の径方向の前記傾斜面側から前記放電空間に面し、前記放電空間側が前記誘電体により覆われた第1対向電極と、前記第1対向電極と前記放電空間を挟んで対向し、前記第1対向電極との間に電圧が印加されることにより前記放電空間にプラズマを発生可能な第2対向電極と、前記傾斜面に位置し、前記第1対向電極との間に電圧が印加されることにより前記導入空間側から前記放電空間側へ流れるイオン風を発生可能な第1イオン風用電極と、を有する。
【0010】
好適には、前記第2対向電極は前記放電空間側が前記誘電体により覆われており、前記第1イオン風用電極と前記導入空間を挟んで対向し、前記プラズマ発生体には、前記第2対向電極との間に電圧が印加されることにより前記導入空間側から前記放電空間側へ流れるイオン風を発生可能な第2イオン風用電極が設けられている。
【0011】
好適には、前記第1対向電極は、前記放電空間に面する本体部と、前記本体部から前記導入空間側へ前記傾斜面に沿って延びる延在部と、を有する。
【0012】
好適には、前記誘電体は、前記第1対向電極に対して前記放電空間側に位置し、前記第1対向電極の上流側、下流側若しくは外周側に位置する部分よりも誘電率が大きい高誘電率部を有する。
【0013】
好適には、前記プラズマ発生体は、前記第1対向電極及び前記第2対向電極の対向領域よりも下流側に位置し、閉ループを構成しない状態で直流電圧が印加される直流電極を更に有する。
【0014】
本発明の一態様に係るプラズマ発生装置は、放電空間と、前記放電空間とは反対側を拡径させる傾斜面を内周面の一部とする導入空間とを含む貫通孔が形成された誘電体と、前記貫通孔の径方向の前記傾斜面側から前記放電空間に面し、前記放電空間側が前記誘電体により覆われた第1対向電極と、前記第1対向電極と前記放電空間を挟んで対向する第2対向電極と、前記傾斜面に位置する第1イオン風用電極と、前記第1対向電極と前記第2対向電極との間に電圧を印加して前記放電空間にプラズマを発生させるとともに、前記第1対向電極と前記第1イオン風用電極との間に電圧を印加して前記導入空間側から前記放電空間側へ流れるイオン風を発生させる電源装置と、を有する。
【発明の効果】
【0015】
上記の構成によれば、貫通孔内におけるプラズマの分布及び流れを好適化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るプラズマ発生装置の外観を示す斜視図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線における断面図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るプラズマ発生装置を示す断面図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るプラズマ発生装置を示す断面図。
【図4】図4(a)及び図4(b)は本発明の第4の実施形態に係るプラズマ発生装置を示す断面図及び斜視図。
【図5】本発明の第5の実施形態に係るプラズマ発生装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の複数の実施形態に係るプラズマ発生体及びプラズマ発生装置について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明で用いられる図は模式的なものであり、図面上の寸法比率等は現実のものとは必ずしも一致していない。
【0018】
各実施形態の説明において、既に説明された実施形態と共通又は類似する構成について、既に説明された実施形態と共通の符号を用い、また、図示や説明を省略することがある。
【0019】
<第1の実施形態>
図1(a)は本発明の第1の実施形態に係るプラズマ発生体1及びプラズマ発生装置51の外観を示す斜視概略図であり、図1(b)は図1(a)のIb−Ib線における断面概略図である。
【0020】
なお、プラズマ発生体1は、いずれの方向が上方、下方とされてもよいものである。以下では、直交座標系xyzを定義して、xyzを参照して方向を特定することがある。
【0021】
同一若しくは同様の構成については、「第1対向電極5A」、「第2対向電極5B」のように、同一名称及び同一符号に対して互いに異なる番号及び大文字のアルファベットを付して区別することがあり、また、単に「対向電極5」というなど、区別しないことがあるものとする。
【0022】
プラズマ発生装置51は、プラズマ発生体1と、プラズマ発生体1に電圧を印加してプラズマ発生体1にプラズマを発生させる電源装置53と、電源装置53を制御する制御装置55(図1(a))とを有している。
【0023】
プラズマ発生体1は、誘電体3と、誘電体3に設けられた第1対向電極5A、第2対向電極5B、第1イオン風用電極7A及び第2イオン風用電極7Bとを有している。なお、プラズマ発生体1は、この他、各電極と電源装置53とを接続するための配線等を有していてもよい。
【0024】
誘電体3には、x方向に貫通する貫通孔9が形成されている。貫通孔9内は、放電によってプラズマを発生させるための空間として利用される。また、貫通孔9は、その貫通方向の一方側(x方向の正側)へ流れるイオン風の発生にも利用される。
【0025】
貫通孔9は、例えば、主としてプラズマの発生に利用される放電空間9aと、その上流側にて、主として放電空間9aにおける流れの好適化に利用される導入空間9bとを有している。
【0026】
放電空間9aは、例えば、概ね直方体状に形成されている。従って、誘電体3の、放電空間9aを挟んでz方向において対向する対向面3aは、流れ方向(x方向)に見て互いに平行であり、また、流れの幅方向(y方向)に見て互いに平行である。また、放電空間9aの貫通方向に直交する断面積は流れ方向において一定である。
【0027】
導入空間9bは、例えば、流れの幅方向(y方向)に直交する断面形状(図1(b)に示す断面形状)が台形状に形成されている。従って、誘電体3の、導入空間9bを挟んでz方向において対向する面(3e)は、貫通孔9の一方側(x方向の負側)を拡径させる傾斜面3eとなっている。なお、傾斜面3eは、例えば、平面状に形成されており、導入空間9bを挟んで対向する傾斜面3e同士の距離は、流れの幅方向において一定である。傾斜面3eの貫通孔9の貫通方向(x方向)に対する傾斜角は適宜に設定されてよいが、例えば、30°〜60°である。
【0028】
誘電体3の外形は、適宜に設定されてよいが、例えば、直方体状とされている。誘電体3は、無機絶縁物により形成されてもよいし、有機絶縁物により形成されてもよい。無機絶縁物としては、例えば、セラミック、ガラスが挙げられる。セラミックとしては、例えば、酸化アルミニウム質焼結体(アルミナセラミックス)、ガラスセラミック焼結体(ガラスセラミックス)、ムライト質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、コーディライト焼結体、炭化珪素質焼結体が挙げられる。有機絶縁物としては、例えば、ポリイミド、エポキシ、ゴムが挙げられる。誘電体3は、その全体が同一材料により一体的に形成されていてもよいし、異なる材料により形成された部材が互いに固定されて形成されていてもよい。
【0029】
対向電極5及びイオン風用電極7それぞれは、例えば、厚さが一定の平板状(層状)に形成されている。その平面形状は、例えば、矩形とされている。これらの電極のy方向における長さは、例えば、互いに同一とされている。
【0030】
2つの対向電極5は、放電空間9aを挟んで対向するように配置されている。具体的には、例えば、2つの対向電極5は、互いに平行になるように、また、対向面3aに平行になるように、誘電体3に埋設されている。2つの対向電極5は、例えば、互いに同一の形状及び大きさであり、また、放電空間9aに対して対称の位置に配置されている。
【0031】
イオン風用電極7は、傾斜面3e上に設けられており、導入空間9bに露出している。2つのイオン風用電極7は、例えば、互いに同一の形状及び大きさであり、また、導入空間9bに対して対称の位置に配置されている(導入空間9bを挟んで斜めに対向している。)。
【0032】
第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aの位置関係及び大小関係と、第2対向電極5B及び第2イオン風用電極7Bの位置関係及び大小関係とは、例えば、互いに同一である。これらの位置関係及び大小関係は、第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aの位置関係及び大小関係を例にとると、以下のとおりである。
【0033】
第1イオン風用電極7Aが設けられた傾斜面3eの平面視において、第1対向電極5Aは、第1イオン風用電極7Aよりも下流側(矢印y1で示す方向)に位置する部分(本実施形態では第1対向電極5Aの全体)を有している。
【0034】
なお、第1対向電極5Aは、第1イオン風用電極7Aが設けられた傾斜面3eの平面視において、第1イオン風用電極7Aよりも下流側に位置し、且つ、傾斜面3eと重なる部分を有していることが好ましい。
【0035】
また、第1イオン風用電極7Aが設けられた傾斜面3eの平面視において、第1対向電極5Aの上流側部分は、第1イオン風用電極7Aの下流側部分に対して、重なっていてもよいし、隣接していてもよいし、離間していてもよい(本実施形態ではこの場合を例示)。
【0036】
第1イオン風用電極7Aは、傾斜面3eに設けられていることから、対向面3aよりも貫通孔9の径方向外側に位置している。さらには、第1イオン風用電極7Aは、第1対向電極5Aの対向面3aに平行な部分(本実施形態では第1対向電極5Aの全体)よりも径方向外側に位置している。
【0037】
別の観点では、2つのイオン風用電極7間の距離は、2つの対向電極5間の距離よりも長く、さらには、2つのイオン風用電極7間の放電開始電界強度は、2つの対向電極5間の放電開始電界強度及び対向電極5とイオン風用電極7との間の放電開始電界強度よりも大きい。
【0038】
第1対向電極5Aの長さ(x方向)及び第1イオン風用電極7Aの長さ(矢印y1で示す方向)は、適宜に設定されてよい。ただし、プラズマ発生体1を小型化しつつ効果的にプラズマ(若しくはイオン風)を発生させる観点からは、第1対向電極5Aの長さは、第1イオン風用電極7Aの長さよりも長いことが好ましい。
【0039】
対向電極5及びイオン風用電極7は、金属等の導電性材料により形成されている。金属としては、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、金、パラジウム、白金、ニッケル、コバルトまたはこれらを主成分とする合金が挙げられる。
【0040】
電源装置53は、第1対向電極5Aと第2対向電極5Bとの間、第1対向電極5Aと第1イオン風用電極7Aとの間、及び、第2対向電極5Bと第2イオン風用電極7Bとの間に交流電圧を印加する。好適には、第1対向電極5Aと第2イオン風用電極7Bとは同電位とされ、第2対向電極5Bと第1イオン風用電極7Aとは同電位とされる。
【0041】
電源装置53により印加される交流電圧は、正弦波等により表わされる、電位が連続的に変化するものであってもよいし、パルス状の、電位の変化が不連続なものであってもよい。また、交流電圧は、1対の電極の双方において基準電位に対して電位が変動するものであってもよいし、1対の電極の一方が基準電位に接続され、他方においてのみ電位が基準電位に対して変動するものであってもよい。電位の変動は、基準電位に対して正及び負の双方に変動するものであってもよいし、基準電位に対して正及び負の一方のみに変動するものであってもよい。
【0042】
なお、誘電体3、対向電極5及びイオン風用電極7の各部寸法、各種電極の埋設深さ等の位置、並びに、交流電圧の大きさ及び周波数は、プラズマ発生装置51(プラズマ発生体1)が適用される技術分野、要求されるプラズマ量等の種々の事情に応じて適宜に設定されてよい。
【0043】
プラズマ発生体1の製造方法は、例えば、概略、多層基板の製造方法と同様の製造方法とされてよい。誘電体3が複数のセラミックグリーンシートを積層して焼成したセラミック焼結体により構成される場合を例にとると、以下のとおりである。
【0044】
まず、複数のセラミックグリーンシートを用意する。セラミックグリーンシートは、x方向、y方向及びz方向のいずれの方向に積層されて誘電体3を構成するものであってもよい。セラミックグリーンシートは、例えば、スラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法等によりシート状に成形することによって形成される。スラリーは、原料粉末に適当な有機溶剤及び溶媒を添加混合して作製される。原料粉末は、アルミナセラミックを例にとると、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)、カルシア(CaO)及びマグネシア(MgO)等である。
【0045】
次に、セラミックグリーンシートに対向電極5となる導電ペーストを設ける。例えば、セラミックグリーンシートがz方向に積層されるものであれば、セラミックグリーンシートの主面(重ね合わされる面)に導電ペーストを層状に設ける。また、例えば、セラミックグリーンシートがx方向若しくはy方向に積層されるものであれば、セラミックグリーンシートに、その積層方向に貫通するビアを設け、当該ビアに導電ペーストを充填する。
【0046】
導電ペーストは、例えば、タングステン、モリブデン、銅または銀等の金属粉末に有機溶剤及び有機バインダを添加し混合することによって作製される。導電ペーストは、必要に応じて分散剤や可塑剤などが添加されていてもよい。混合は、例えば、ボールミル、三本ロールミル、またはプラネタリーミキサー等の混練手段により行われる。また、導電ペーストは、例えば、スクリーン印刷法等の印刷手段を用いてセラミックグリーンシートに印刷塗布される。
【0047】
次に、複数のセラミックグリーンシートを積層する。次に、パンチングにより貫通孔9を形成する。このとき、パンチの一部の形状を根元側ほど径が大きくなる形状(台形)としたり、メス型の径をパンチの径よりも大きくしたりすることにより、傾斜面3eが形成される。その後、傾斜面3eにイオン風用電極7となる導電ペーストを塗布する。
【0048】
その後、積層されたセラミックグリーンシート及び導電ペーストを同時焼成する。これにより、各種電極が埋設若しくは表面に形成されるとともに貫通孔9が形成された誘電体3、すなわち、プラズマ発生体1が形成される。
【0049】
なお、傾斜面3eは、貫通孔9を形成するためのパンチとは別に、貫通孔9の一部を押し広げるプレス加工を行って形成されてもよい。傾斜面3eが形成される前若しくは後の貫通孔9は、積層前のセミラックグリーンシートに貫通孔9となる孔をパンチ若しくはレーザにより形成することによって構成されてもよい。
【0050】
以下では、プラズマ発生体1の作用を説明する。
【0051】
プラズマ発生体1は、空気、処理対象のガス若しくはその他の適宜なガスが貫通孔9内に充満している状態で使用される。なお、処理対象のガスは、例えば、窒素酸化物(NOx)、フロン、CO、揮発性有機溶剤(VOC)、又は、これらを含む空気である。自動車の排ガスは、窒素酸化物(NOx)を含むガスとしてよく知られている。
【0052】
2つの対向電極5に電圧が印加されると、放電空間9aには電界が形成される。そして、その電界の強度が所定の放電開始電界強度を超えると誘電体バリア放電が開始され、プラズマが発生する。2つの対向電極5は、放電空間9aを挟んで対向していることから、プラズマは、放電空間9aにおけるzy平面の全体に亘って発生、充満する。
【0053】
また、第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aに電圧が印加されると、貫通孔9の内周面のうち第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aの近傍(特に傾斜面3eの下流側部分や対向面3aの上流側部分)にも電界が形成される。そして、その電界の強度が所定の放電開始電界強度を超えると誘電体バリア放電が開始され、プラズマが発生する。
【0054】
このプラズマ中の電子又はイオンは、第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aにより形成された電界により移動する。また、中性分子も電子又はイオンに随伴して移動する。これにより、貫通孔9をその貫通方向に流れるイオン風が誘起される。より具体的には、第1イオン風用電極7Aが露出し、第1対向電極5Aが誘電体3内に埋設されていることから、第1イオン風用電極7Aから第1対向電極5A側に誘電体バリア放電が生じ、矢印y1で示すように、第1イオン風用電極7A側から第1対向電極5A側へ流れるイオン風が生じる。
【0055】
また、第2対向電極5B及び第2イオン風用電極7Bに電圧が印加されると、第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aに電圧が印加されたときと同様に、第2イオン風用電極7B側から第2対向電極5B側へ流れるイオン風が生じる。
【0056】
以上のとおり、本実施形態では、プラズマ発生体1は、誘電体3、第1対向電極5A、第2対向電極5B及び第1イオン風用電極7Aを有する。誘電体3には、貫通孔9が形成され、当該貫通孔9は、放電空間9aと、放電空間9aとは反対側を拡径させる傾斜面3eを内周面の一部とする導入空間9bとを含む。第1対向電極5Aは、貫通孔9の径方向の傾斜面3e側(z方向の正側)から放電空間9aに面し、放電空間9a側が誘電体3により覆われている。第2対向電極5Bは、第1対向電極5Aと放電空間9aを挟んで対向している。第1イオン風用電極7Aは、第1対向電極5A側の傾斜面3eに位置している。プラズマ発生体1は、第1対向電極5A及び第2対向電極5Bの間に電圧が印加されることにより放電空間9aにプラズマを発生可能であり、第1対向電極5A及び第1イオン風用電極7Aの間に電圧が印加されることにより導入空間9bから放電空間9aへ流れるイオン風を発生可能である。
【0057】
従って、貫通孔9(放電空間9a)が大きくても貫通孔9にプラズマを充満させることができ、その一方で、貫通孔9が小さくてもその内周面(傾斜面3e等)近傍においてイオン風を発生させ、圧力損失による流速低下を補償することができる。すなわち、種々の大きさの貫通孔において好適にプラズマを充満させつつ流れさせることができる。その結果、例えば、ガスを貫通孔9にてプラズマ処理する場合において、効率的に処理を行うことができるとともにプラズマ発生体1の設計の自由度が向上する。別の観点では、プラズマ発生体1の使用範囲(ガス密度若しくは流速等の範囲)を広げることができる。
【0058】
さらに、貫通孔9は、導入空間9bにおいて上流側ほど拡径していることから、放電空間9aへガス等を取り込みやすくなる。また、傾斜面3eに沿って流れるイオン風が放電空間9aに斜めに導入されることによって、放電空間9a内におけるプラズマの拡散が促進され、例えば、ガスの処理効率向上が図られることが期待される。
【0059】
第2対向電極5Bは放電空間9a側が誘電体3により覆われている。また、プラズマ発生体1には、第1イオン風用電極7Aと導入空間9bを挟んで対向し、第2対向電極5Bとの間に電圧が印加されることにより導入空間9b側から放電空間9a側へ流れるイオン風を発生可能な第2イオン風用電極7Bが設けられている。換言すれば、プラズマ発生体1は、第1対向電極5A側と第2対向電極5B側とで同様の構成とされている。
【0060】
従って、第1対向電極5A側と第2対向電極5B側との双方においてイオン風を発生させることができ、上述した効果が向上する。また、2つのイオン風用電極7は、互いに露出して対向していることから、誘電体バリア放電に比較して制御が難しいアーク放電を生じてしまうおそれがある。しかし、放電空間9aよりも拡径していく導入空間9bを挟んで2つのイオン風用電極7が対向することにより、放電空間9aと同一の径の空間を挟んで2つのイオン風用電極7が対向する場合に比較して、アーク放電の発生が抑制される。
【0061】
<第2の実施形態>
図2は、第2の実施形態に係るプラズマ発生装置251の構成を示す、図1(b)に対応する断面図である。
【0062】
プラズマ発生装置251は、対向電極の形状のみ(厳密には誘電体3も)が第1の実施形態と相違する。具体的には、以下のとおりである。
【0063】
対向電極205は、第1の実施形態の対向電極5と同様の形状及び大きさの本体部205aと、本体部205aから導入空間9b側へ延びる延在部205bとを有している。延在部205bは、傾斜面3eに沿って(例えば平行に)延びている。
【0064】
このような対向電極205は、例えば、本体部205a及び延在部205bとなる導電ペーストが一の平板状に配置された積層セラミックグリーンシートにおいて、貫通孔9を押し広げて傾斜面3eを形成するときに、導電ペーストの傾斜面3eに重なる部分(延在部205b)を傾斜面3eと共に傾斜させることにより形成される。
【0065】
イオン風は、傾斜面3eの平面視において、上流側の電極(イオン風用電極7)と下流側の電極(対向電極5)との距離が短いほど、また、下流側の電極の流れ方向における長さが大きいほど、風量(風速)が大きくなる。従って、延在部205bが設けられることにより、イオン風の風量が大きくなる。その結果、導入空間9bから放電空間9aへのイオン風の流れもスムーズになる。
【0066】
なお、延在部205bは、下流側ほど傾斜面3eに対して浅い位置に位置するように設けられてもよい。この場合、延在部205bが局部的にイオン風用電極7に近づくことを抑制しつつ、延在部205b全体をイオン風用電極7に近づけて、延在部205bの全体に亘って大きな風速を得ることができる。
【0067】
<第3の実施形態>
図3は、第3の実施形態に係るプラズマ発生装置351の構成を示す、図1(b)に対応する断面図である。
【0068】
プラズマ発生装置351は、誘電体の材料のみが第1の実施形態と相違する。具体的には、以下のとおりである。
【0069】
プラズマ発生装置351のプラズマ発生体301においては、誘電体303は、対向電極5と放電空間9aとの間に、誘電率が他の部分よりも高い高誘電率部303hを有している。
【0070】
例えば、誘電体303の材料としては、シリカ(SiO、比誘電率:3〜4)、アルミナ(Al、比誘電率:8〜11)、二酸化チタン(TiO、比誘電率:83〜183)、チタン酸バリウム(BaTiO、比誘電率:1200〜3000)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO、比誘電率:300)、チタン酸カルシウム(CaTiO、比誘電率:200)、チタン酸バリウムストロンチウム(Ba1−xSrTiO、比誘電率:800〜1500)、チタン酸バリウムカルシウム(Ba1−xCaTiO、比誘電率:600〜1200)を挙げることができ、これらのうち一つは、高誘電率部303h以外の部分の材料とされ、当該材料よりも誘電率が高い他の一つは高誘電率部303hの材料とされてよい。
【0071】
なお、高誘電率部303hは、対向電極5と放電空間9aとの間の部分の、z方向若しくはx方向の一部のみを占めるように形成されてもよい。また、高誘電率部303hと同様に誘電率が高い部分(高誘電率部303hの一部と捉えられてもよい)は、対向電極5よりも内周側において、対向電極5の上流側及び下流側に広がっていてもよいし(高誘電率部303hは、対向電極5よりも外周側の部分に比較して誘電率が高いのみでもよいし)、対向電極5から誘電体3の外面に亘って広がっていてもよい(高誘電率部303hは、対向電極5よりも上流側及び下流側の部分に比較して誘電率が高いのみでもよい)。
【0072】
また、高誘電率部303hは、傾斜面303eまで広がっていることが好ましく、さらに、傾斜面303eまで広がった高誘電率部303hは、イオン風用電極7の下流側縁部まで広がっていることが好ましい。
【0073】
誘電体303は、例えば、z方向に積層されるセラミックグリーンシートのうち対向電極5と放電空間9aとの間に位置するセラミックグリーンシートを他のセラミックグリーンシートよりも誘電率が高いものとしたり(この場合、誘電体303は、対向電極5よりも放電空間9a側の全体において誘電率が相対的に高くなる)、x方向に積層されるセラミックグリーンシートのうち対向電極5が設けられるセラミックグリーンシートを他のセラミックグリーンシートよりも誘電率が高いものとしたり(この場合、誘電体303は、対向電極5のx方向の範囲に亘る全体において誘電率が相対的に高くなる)することにより形成される。また、積層されたセラミックグリーンシートに貫通孔9よりも径が大きい貫通孔を形成したあと、その内面に相対的に誘電率が高い絶縁材料を塗布して高誘電率部303h及び貫通孔9を形成してもよい。
【0074】
本実施形態によれば、対向電極5間の誘電率が高くなるので、プラズマの発生量を多くすることができる。その一方で、高誘電率部303h以外の部分においては、材料のコスト若しくは材料の強度等の観点において有利な材料を選択することができる。また、イオン風用電極7と対向電極5間におけるプラズマの発生量増加及びイオン風の増加も期待される。
【0075】
<第4の実施形態>
図4(a)は、第4の実施形態に係るプラズマ発生装置451の構成を示す、図1(b)に対応する断面図であり、図4(b)は、プラズマ発生装置451のプラズマ発生体401を下流側から見た斜視図である。
【0076】
プラズマ発生装置451は、第1直流電極411A〜第3直流電極411C及びこれら直流電極411に直流電圧を印加する直流電源装置457を有している点のみが第1の実施形態と相違する。具体的には、以下のとおりである。
【0077】
3つの直流電極411は、いずれも、2つの対向電極5の対向領域よりも下流側(x方向の正側)に位置している。より具体的には、第1直流電極411A及び第2直流電極411Bは、例えば、平板状に形成され、対向面3aにおいて対向電極5よりも下流側に設けられている。第1直流電極411A及び第2直流電極411Bは、例えば、互いに同一の形状及び大きさに形成され、互いに対向している。また、第3直流電極411Cは、網状に形成され、貫通孔9の下流側を塞ぐように、直接又は間接に誘電体3に固定されている。
【0078】
直流電源装置457は、閉ループを構成しない状態で直流電圧を直流電極411に印加する。すなわち、直流電極411には、直流電源装置457の正の端子若しくは負の端子のみが接続されており、直流電源装置457からの電流が流れる閉ループは構成されていない。
【0079】
なお、図4(a)では、第1直流電極411A〜第3直流電極411Cに互いに同一の電位が付与される場合を例示しているが、これらに付与される電位は、正負が互いに異なるものであってもよいし、及び/又は、電位の絶対値が互いに異なるものであってもよい。ただし、直流電極411間において電位が互いに異なる場合においては、直流電極間において放電が生じないように電圧を抑えることが好ましい。
【0080】
直流電源装置457により直流電極411に直流電圧が印加されると、直流電極411の周囲には電界が形成される。換言すれば、イオン風の下流域若しくは対向電極5の対向領域の下流側には電界が形成される。
【0081】
従って、プラズマ(イオン風)に含まれる電子又はイオンを直流電極411側に引き寄せることにより、イオン風を加速することができる。例えば、直流電極411に正の電位が付与されれば、負の電荷が直流電極411に引き寄せられることになり、イオン風を加速することができ、直流電極411に負の電位が付与されれば、正の電荷が直流電極411に引き寄せられることになり、イオン風を加速することができる。しかも、直流電極411は、閉ループを構成していないことから、消費電力は極めて低い。
【0082】
なお、3つの直流電極411のうち、いずれか1つのみ、若しくは、いずれか2つのみが設けられてもよい。また、これらの直流電極411に加えて若しくは代えて、貫通孔9のy方向に直交する側面に位置する直流電極など、別の直流電極が設けられてもよい。
【0083】
<第5の実施形態>
図5は、第5の実施形態に係るプラズマ発生装置551の構成を示す、図1(b)に対応する断面図である。
【0084】
プラズマ発生装置551のプラズマ発生体501において例示するように、イオン風用電極7は、2つの対向電極5に対応して2つ設けられる必要はなく、一方の対向電極5(第1対向電極5A)にのみ対応して1つのみ設けられてもよい。
【0085】
また、この場合において、2つの対向電極5は、その双方が放電空間509aから誘電体503によって隔てられている必要はなく、第2対向電極5Bは、放電空間509aに露出していてもよい。
【0086】
また、放電空間509a側が誘電体503によって覆われる対向電極5(本実施形態では第1対向電極5Aのみ)は、誘電体503に埋設されている必要はなく、誘電体503の外側面に設けられていてもよい。
【0087】
傾斜面503eは、第1対向電極5A側及び第2対向電極5B側の双方に設けられる必要はなく、一方(第1対向電極5A側)のみに設けられてもよい。なお、図5では、第2イオン風用電極7Bを設けていないが、第2対向電極5Bの放電空間509a側が誘電体503に覆われている場合には、傾斜面503eに対向する、傾斜していない内周面に第2イオン風用電極7Bが設けられてもよい。
【0088】
導入空間509bは、貫通孔509の入口である必要はなく、図5に例示するように、断面積が一定の入口509cよりも下流側の空間であってもよい。
【0089】
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
【0090】
第1〜第5の実施形態は適宜に組み合わされてよい。例えば、対向電極に延在部を設ける特徴(第2の実施形態)、誘電体に高誘電率部を設ける特徴(第3の実施形態)、及び、直流電極を設ける特徴(第4の実施形態)は、これらから2つ以上が選択されて組み合わされてもよい。
【0091】
各種の電極は、矩形の平板状等の実施形態において例示した形状に限定されないし、また、その配置位置も適宜に設定されてよい。
【0092】
例えば、イオン風を発生させる下流側の電極(第1対向電極等)は、側方(y方向の正側若しくは負側)ほど、イオン風の流れ方向(x方向)において長くなるように形成されてもよい。この場合、上述のように、下流側の電極が流れ方向において長くなるほどイオン風は強くなるから、y方向に直交する側面における圧力損失を補償できる。
【0093】
また、例えば、直流電極は、y方向の位置に応じて流れ方向の位置が変化するものであってもよい。この場合、流れに直交する方向の位置に応じて加速効果を変化させることができ、例えば、貫通孔のy方向に直交する側面における圧力損失を補償できる。また、例えば、直流電極は、流れに直交する方向に延びる軸状であってもよい。この場合、流れ方向における小型化を図ることができる。
【0094】
第1イオン風用電極は、第2対向電極と同電位とされる必要は無い。第2イオン風用電極についても同様に、第1対向電極と同電位とされる必要は無い。例えば、第1イオン風用電極及び第2イオン風用電極に同一の(若しくは電位差が相対的に小さい)所定電位を付与し、当該所定電位に対して高い電位と低い電位との間で変動する交流電圧を第1対向電極及び第2対向電極に印加してもよい。なお、この場合、2つのイオン風用電極間の放電開始電界強度は、2つの対向電極間の放電開始電界強度等よりも大きくなくてもよい。また、例えば、上記のような電圧付与の場合、若しくは、第2イオン風用電極が設けられない場合等において、第1イオン風用電極と、誘電体に覆われた第2対向電極との間においても、誘電体バリア放電が生じるように、電圧が付与されてもよい。なお、この場合、第1イオン風用電極の下流端は、第1対向電極よりも径方向の外側に位置していなくてもよい。また、例えば、第1対向電極、第2対向電極及び第1イオン風用電極には、3相交流電圧が印加されてもよい。ただし、第1イオン風用電極と第2対向電極とを同電位とするなどしたほうが、電源装置の構成は簡素化される。
【0095】
イオン風用電極は、放電空間に露出していなくてもよい。例えば、イオン風用電極は、誘電体の薄膜によってコーティングされていてもよい。また、放電空間に露出し若しくはコーティングされる電極(イオン風用電極若しくは第5の実施形態の第2対向電極5B)は、誘電体の表面に重ねられるものに限定されず、誘電体に形成された凹部に嵌合されて、誘電体の表面と面一の表面を有するものであってもよい。
【0096】
貫通孔の形状は実施形態に例示されたものに限定されない。例えば、側面(y方向に直交する面)が凹状に形成されたものであってもよい。また、例えば、傾斜面は、側面視において(y方向に見て)、膨らむように若しくは凹むように湾曲していてもよい。ただし、貫通孔の対向面(3a)及び傾斜面(3e)は、その幅方向(y方向)における電界及び絶縁破壊強度が均一になるように、流れ方向(x方向)に見て互いに平行であることが好ましい。また、対向面は、互いに平行な平面であることが好ましい。
【0097】
誘電体は、セラミック多層基板からなるものに限定されない。例えば、誘電体は、金型内に絶縁材料が充填されて形成されるものであってもよい。
【0098】
本発明のプラズマ発生体及びプラズマ発生装置の用途は、ガスの改質に限定されるものではない。例えば、本発明のプラズマ発生体は、半導体ウェハの加工等において、小型且つ効率的にプラズマを供給可能なプラズマ供給装置を構成し得る。
【符号の説明】
【0099】
1…プラズマ発生体、3…誘電体、5A…第1対向電極、5B…第2対向電極、7A…第1イオン風用電極、9…貫通孔、9a…放電空間、9b…導入空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電空間と、前記放電空間とは反対側を拡径させる傾斜面を内周面の一部とする導入空間とを含む貫通孔が形成された誘電体と、
前記貫通孔の径方向の前記傾斜面側から前記放電空間に面し、前記放電空間側が前記誘電体により覆われた第1対向電極と、
前記第1対向電極と前記放電空間を挟んで対向し、前記第1対向電極との間に電圧が印加されることにより前記放電空間にプラズマを発生可能な第2対向電極と、
前記傾斜面に位置し、前記第1対向電極との間に電圧が印加されることにより前記導入空間側から前記放電空間側へ流れるイオン風を発生可能な第1イオン風用電極と、
を有するプラズマ発生体。
【請求項2】
前記第2対向電極は前記放電空間側が前記誘電体により覆われており、
前記第1イオン風用電極と前記導入空間を挟んで対向し、前記第2対向電極との間に電圧が印加されることにより前記導入空間側から前記放電空間側へ流れるイオン風を発生可能な第2イオン風用電極が設けられている
請求項1に記載のプラズマ発生体。
【請求項3】
前記第1対向電極は、
前記放電空間に面する本体部と、
前記本体部から前記導入空間側へ前記傾斜面に沿って延びる延在部と、を有する
請求項1又は2に記載のプラズマ発生体。
【請求項4】
前記誘電体は、前記第1対向電極に対して前記放電空間側に位置し、前記第1対向電極の上流側、下流側若しくは外周側に位置する部分よりも誘電率が大きい高誘電率部を有する
請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ発生体。
【請求項5】
前記第1対向電極及び前記第2対向電極の対向領域よりも下流側に位置し、閉ループを構成しない状態で直流電圧が印加される直流電極を更に有する
請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマ発生体。
【請求項6】
放電空間と、前記放電空間とは反対側を拡径させる傾斜面を内周面の一部とする導入空間とを含む貫通孔が形成された誘電体と、
前記貫通孔の径方向の前記傾斜面側から前記放電空間に面し、前記放電空間側が前記誘電体により覆われた第1対向電極と、
前記第1対向電極と前記放電空間を挟んで対向する第2対向電極と、
前記傾斜面に位置する第1イオン風用電極と、
前記第1対向電極と前記第2対向電極との間に電圧を印加して前記放電空間にプラズマを発生させるとともに、前記第1対向電極と前記第1イオン風用電極との間に電圧を印加して前記導入空間側から前記放電空間側へ流れるイオン風を発生させる電源装置と、
を有するプラズマ発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−89537(P2013−89537A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230874(P2011−230874)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】