説明

プラズマ発生装置及びこれを用いた洗浄浄化装置

【課題】使用者の誤使用や装置の誤動作に伴う非正常事象を回避することができるプラズマ発生装置及びこれを用いた洗浄浄化装置を提供する。
【解決手段】洗浄浄化装置40は、プラズマ発生装置1の使用時に発生する非正常事象を検知し、その検知結果に基づいてプラズマ放電を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマ発生装置及びこれを用いた洗浄浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、気泡を含む液中で放電を行うことで気泡にラジカル等を発生させ、液体を改質するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示される水中放電方法では、放電容器内の水に非接触状態で対向配置された電極に交流パルス電圧を印加し、電位反転の際に誘起されて放電容器内に発生する電場により水中放電を行なう。このように水中放電を行なうことで、気泡に有効成分が生じ、この気泡を含む液が改質される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−9463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術によると、液中放電時において使用者が誤使用する可能性があった。また、正常使用時においても何らかの誤動作に伴って液漏れなどが発生する可能性があった。そのため、このような正しくない使用状況に対する対策が望まれている。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、使用者の誤使用や装置の誤動作に伴う非正常事象を回避することができるプラズマ発生装置及びこれを用いた洗浄浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、少なくとも水を含む液体を収容する液体収容部と、気体を収容する気体収容部と、前記液体収容部と前記気体収容部とを隔て、前記気体収容部中の前記気体の流通を許容して前記気体を前記液体収容部へ導く気体通路が形成された隔壁部と、前記気体収容部に配設された第1電極と、前記第1電極と距離を隔てられ、少なくとも前記第1電極と対になる側の部分が前記液体収容部中の前記液体と接触するように配設された第2電極と、前記気体収容部の前記気体を前記気体通路を介して前記液体収容部へ圧送させる態様で、前記気体収容部に少なくとも酸素を含む気体を供給する気体供給部と、前記第1電極と前記第2電極との間に所定の電圧を供給して前記第1電極と前記第2電極との間に放電を発生させることにより、前記液体収容部中の前記液体内において前記気体収容部に導入された前記気体がプラズマ化するプラズマ電源部とを備えたプラズマ発生装置を用いた洗浄浄化装置であって、前記プラズマ発生装置の使用時に発生する非正常事象を検知し、その検知結果に基づいてプラズマ放電を制御することを特徴とする。
【0007】
また、前記洗浄浄化装置の本体に開閉式の蓋を備え、前記蓋が閉まっている時のみプラズマ放電を発生させてもよい。
【0008】
また、電気かみそりの重量を検知する重量検知部を備え、前記電気かみそりの重量を検知した時のみプラズマ放電を発生させてもよい。
【0009】
また、電気かみそりの駆動音を検知する収音部を備え、前記電気かみそりの駆動音を検知した時のみプラズマ放電を発生させてもよい。
【0010】
また、洗浄水の有無を検知する洗浄水検知部を備え、前記液体収容部に洗浄水がある時のみプラズマ放電を発生させてもよい。
【0011】
また、発熱を検知する発熱検知部を備え、異常発熱を検知するとプラズマ放電を強制停止させてもよい。
【0012】
また、液漏れを検知する液漏れ検知部を備え、液漏れを検知するとプラズマ放電を強制停止させてもよい。
【0013】
また、漏電を検知する漏電検知部を備え、漏電を検知するとプラズマ放電を強制停止させてもよい。
【0014】
また、洗浄水の電気抵抗値を検知する電気抵抗値検知部を備え、その電気抵抗値が水以外の液体のものであればプラズマ放電を強制停止させてもよい。
【0015】
本発明は、前記洗浄浄化装置に用いられるプラズマ発生装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、使用者の誤使用や装置の誤動作に伴う非正常事象を回避することができるプラズマ発生装置及びこれを用いた洗浄浄化装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ発生装置の構成を模式的に示す一部断面を含む図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ発生装置の第1電極側の電位と第2電極側の電位の関係を示す図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ発生装置の動作を説明するための一状態を模式的に示す部分拡大断面図である。
【図4】図4は、図3に示す状態の後の状態を模式的に示す部分拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態にかかる洗浄浄化装置の構成を模式的に示す一部断面を含む図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ発生装置を用いた洗浄浄化装置の一部の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ発生装置を用いた洗浄浄化装置の側断面図である。
【図8】図8は、図7のA−A断面図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施形態にかかるプラズマ発生装置を用いた洗浄浄化装置の側断面図である。
【図10】図10は、本発明の第2実施形態にかかる洗浄浄化装置の説明図である。
【図11】図11は、本発明の第3実施形態にかかる洗浄浄化装置の説明図である。
【図12】図12は、本発明の第4実施形態にかかる洗浄浄化装置の説明図である。
【図13】図13は、本発明の第5実施形態にかかる洗浄浄化装置の説明図である。
【図14】図14は、本発明の第6実施形態にかかる洗浄浄化装置の説明図である。
【図15】図15は、本発明の第7実施形態にかかる洗浄浄化装置の説明図である。
【図16】図16は、本発明の第8実施形態にかかる洗浄浄化装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる洗浄浄化装置は、ラジカルを効率よく大量に発生させることができるプラズマ発生装置1を用いることを前提としている。そこで、まずは、このプラズマ発生装置1について詳細に説明する。
【0020】
《プラズマ発生装置》
本実施形態にかかるプラズマ発生装置1は、図1に示すように、略円筒状のケース部材2を備えている。ケース部材2の形状は円筒状に限らず、角筒状としてもよい。ケース部材2の内側にはセラミックス部材3が配設されており、このセラミックス部材3によってケース部材2の内部空間が上下に仕切られている。ケース部材2の内部空間のうち、セラミックス部材3の上側の領域は、水を含む液体17を収容する液体収容部4となっている。一方、セラミックス部材3の下側の領域は、気体を収容する気体収容部5となっている。このように、セラミックス部材3は、液体収容部4と気体収容部5とを隔てる隔壁部に相当する。
【0021】
液体収容部4の外周端部には、ケース部材2とセラミックス部材3との隙間を塞ぐリング状のシール材6が装着されている。これにより、液体収容部4内の液体17は、ケース部材2とセラミックス部材3との隙間から気体収容部5内に漏れ出ないようになっている。
【0022】
ケース部材2の天壁部(液体収容部4側の壁部)2aには、液体収容部4に液体17を導入する液体導入口7が設けられている。また、液体収容部4内に導入された液体17を外部に送り出す液体排出口8が設けられている。
【0023】
ケース部材2の側壁2bの下部には、気体収容部5と外部とを連通する気体導入口9が設けられている。この気体導入口9には配管(気体導入路)10が挿通され、配管10を介して気体収容部5と気体供給部11とが接続されている。本実施形態では、少なくとも酸素(O)を含む気体が気体供給部11から気体収容部5内に供給されるようになっている。セラミックス部材3には気体通路3aが形成されている。そのため、気体供給部11から気体収容部5内に導入された気体等は、この気体通路3aを経て液体収容部4内へ送り出されることになる。
【0024】
このように、気体供給部11は、気体収容部5の気体を気体通路3aを介して液体収容部4へ圧送させる態様で、気体収容部5に少なくとも酸素を含む気体を供給する機能を有している。本実施形態では、気体通路3aの孔径を約1μm〜10μm程度とし、液体収容部4に収容された液体17が気体通路3aから気体収容部5内に漏れ出ることがないようにしている。
【0025】
また、プラズマ発生装置1は、第1電極12と第2電極13とを備えている。第1電極12は、気体収容部5に配設されている。第2電極13は、第1電極12と距離を隔てられ、少なくとも第1電極12と対になる側の部分が液体収容部4中の液体17と接触するように配設されている。具体的には、ドーナツ状の第1電極12およびドーナツ状の第2電極13をそれぞれ気体収容部5および液体収容部4に配設している。
【0026】
ドーナツ状の第1電極12は、図1に示すように、セラミックス部材3の気体収容部5側の表面3bに、中心が気体通路3aとなるように配置されている。この第1電極12の表面は、誘電体(図示せず)によって被覆されている。また、第2電極13は、少なくとも第1電極12と対になる側の部分が液体収容部4中の液体17と接触するように、液体収容部4に配置されている。この第2電極13も中心が気体通路3aとなるように配置されている。すなわち、第1電極12と第2電極13とが同心状に配置されている。
【0027】
このように、気体収容部5にドーナツ状の第1電極12を配設することで、第1電極12が、液体収容部4に導入される液体17に接触しないようにしている。一方、ドーナツ状の第2電極13を液体収容部4に配設することで、第2電極13(少なくとも第1電極12と対になる側の部分を含む)が、液体収容部4に導入される液体17に接触するようにしている。
【0028】
そして、第1電極12および第2電極13は、それぞれリード線14を介してプラズマ電源部15(図1参照)に電気的に接続されており、この第1電極12と第2電極13との間に所定の電圧が印加されるようになっている。なお、図2に示すように、液体17中にある第2電極13側の電位を気体中にある第1電極12側の電位よりも低くしておく。
【0029】
次に、プラズマ発生装置1の動作およびヒドロキシラジカルの生成方法について説明する。
【0030】
まず、気体収容部5の気体を気体通路3aを介して液体収容部4へ圧送させる態様で酸素を含む気体を気体収容部5に供給する(気体を供給する工程)。本実施形態では、図1に示すように、空気をベースとして酸素を含有した気体(流量約0.01L/min〜1.0L/min(10cc/min〜1000cc/min))が、気体供給部11から配管10を介して気体収容部5に送り込まれる。このとき、気体を送り込む圧力は、約0.0098MPa〜0.49MPa(0.1kgf/cm〜5kgf/cm)程度とされる。
【0031】
このように、気体供給部11は、大気中の気体(空気)を供給する機能を備えている。気体の供給流量は、気体供給部11に設けた流量制御部によって制御されている。大気中の気体だけでなく他の種類の気体(例えば、酸素濃度が異なる気体)を供給できる機能(気種制御部)を気体供給部11に設けてもよい。これにより、様々な種類の気体の中から1種類もしくは複数種類の気体を選択的に供給することが可能となる。
【0032】
気体収容部5の圧力は、気体が気体収容部5に供給されることで、この圧力が大気圧に加わって約0.11MPa〜0.59MPa(1.1kgf/cm〜6kgf/cm)程度となり、陽圧状態になる。気体収容部5を陽圧とすることで、気体収容部5から気体通路3aを経て液体収容部4へ向う気体の流れが形成される。また、気体収容部5を陽圧とすることで、液体収容部4に収容された液体17が気体通路3aから気体収容部5内に漏れ出てしまうのが抑制される。そして、上述したように酸素を含有した気体を供給することで、図3に示すように、気体通路3aの液体収容部4側(図1の上側)の開口端3cにおいて酸素を含む気泡16が成長する(気泡を成長させる工程)。
【0033】
次いで、プラズマ電源部15によって、第1電極12と第2電極13に所定の電圧が印加される。この電圧は、大気圧のもとにおいてグロー放電を可能にする電圧(パワー:約10W〜100W程度)が好ましい。第1電極12と第2電極13に所定の電圧が印加されることで、第1電極12と第2電極13との間には、大気圧あるいはそれ以上の圧力の気体雰囲気のもとで放電が生じる。この放電によって、液体収容部4の液体17中の気体の領域においてプラズマが生成され、液体に含まれる水や気体に含まれる酸素によってオゾンやヒドロキシラジカル等が生成される(ヒドロキシラジカルを生成する工程)。なお、大気圧のもとでプラズマを生成する技術については、たとえば文献A(岡崎幸子、「大気圧グロー放電プラズマとその応用」、レビュー講演:20th JSPF Annual Meeting)に報告されている。
【0034】
本実施形態では、気泡16内の気体(液体収容部4の液体17中の気液境界面近傍の気体)に電位差を生じさせてプラズマを生成している。このように、ヒドロキシラジカルが生成されやすい気液境界面の近傍(気体通路3aの液体17に臨む開口端3c近傍)に電位差を生じさせることで、より多くのオゾンやヒドロキシラジカル等が生成される。すなわち、気体通路3aの液体17に臨む開口端3c近傍の気泡16だけでなく、液体収容部4へ送り出された気泡16内でもオゾンやヒドロキシラジカル等を生成することができる。
【0035】
こうして生成されたオゾンやヒドロキシラジカル等は、上述した気体の流れに伴って、液体収容部4へ送り出されることになる。ヒドロキシラジカル等を含んだ気泡16は、液体収容部4内の液体17の流れにより、セラミックス部材(隔壁部)3からせん断して液体17中に放出される(気泡放出工程)。具体的には、気泡16が成長する液体収容部4では、液体17が導入されることによって液体17の流れ(図3および図4の矢印18参照)が生じている。図4に示すように、矢印18方向に流れる液体17が成長する気泡16にあたると、液体17の流れが気泡16にせん断力として作用し、気泡16は開口端3cから液体17中へ解き放たれる。液体17中に解き放たれた気泡16は微細な気泡であるため、大気中に直ぐに放出されることなく液体17の隅々にまで拡散する。そして、拡散した微細な気泡16の一部は液体17中に容易に溶解する。このとき、気泡16に含まれているオゾン等が液体17中に溶解することで、液体のオゾン濃度は一気に上昇することになる。
【0036】
文献B(高橋正好、「マイクロバブルとナノバブルによる水環境の改善」、アクアネット、2004.6)によれば、通常、オゾンや各種のラジカルを含んだ微細な気泡16はマイナスに帯電していることが多いことが報告されている。そのため、気泡16の他の一部は、液体17中に含まれる有機物、油脂物、染料、たんぱく質、細菌等(図示せず)に容易に吸着する。液体17中の有機物等は、液体17に溶解したオゾンあるいは各種のラジカルや、有機物等に吸着した気泡16に含まれるオゾンあるいは各種のラジカル等によって分解される。
【0037】
例えば、ヒドロキシラジカル等は、約120kcal/mol程度の比較的大きなエネルギーを有している。このエネルギーは、窒素原子と窒素原子との二重結合(N=N)、炭素原子と炭素原子との二重結合(C=C)あるいは炭素原子と窒素原子との二重結合(C=N)等の結合エネルギー(〜100kcal/mol)を上回るものである。そのため、窒素や炭素等の結合からなる有機物等は、このヒドロキシラジカル等によって容易にその結合が切断されて分解されることになる。このような有機物等の分解に寄与するオゾンやヒドロキシラジカル等は、塩素等のような残留性がなく時間とともに消滅するため、環境に配慮した物質でもある。
【0038】
このように、本実施形態にかかるプラズマ発生装置1では、第1電極12を気体収容部5に配設するとともに、第2電極13を、少なくとも第1電極12と対向する側の部分が液体収容部4中の液体と接触するように配設している。そして、第1電極12と第2電極13との間に放電を発生させることで、液体収容部4中の液体17内における気体の領域においてプラズマを生成し、液体17に含まれる水および気体に含まれる酸素からヒドロキシラジカルを生成するようにしている。このような構成および方法によれば、液体17の電気抵抗による影響をそれほど受けることなく第1電極12と第2電極13との間に放電を生じさせることができる。そのため、気体をより確実にプラズマ化することができ、より安定してオゾンやラジカル等を大量に生成することができるようになる。
【0039】
また、本実施形態によれば、液体収容部4に液体17が導入され、セラミックス部材3によって画成された気体収容部5にプラズマを生成する第1電極12が配設されている。そのため、第1電極12は液体17には全く接触せず、液体17の電気抵抗の影響を受けることがなくなる。これにより、第1電極12と第2電極13との間に放電を安定して発生させることができ、気体収容部5に導入された酸素を含む気体が確実にプラズマ化されて、水と酸素からオゾンあるいはヒドロキシラジカル等を安定に生成することができる。
【0040】
また、本実施形態では、気泡16内の気体(液体収容部4の液体17中の気液境界面近傍の気体)中でオゾンやヒドロキシラジカル等が生成される。そして、オゾンやヒドロキシラジカル等を含んだ気体が微細な気泡16として液体17中に拡散される。これにより、オゾンや各種のラジカルを発生させた後、これらが消滅する前に極めて短時間で効率的にそのオゾンや各種のラジカルを液体17中に送り込むことができる。そして、オゾンや各種のラジカルを含んだ微細な気泡16が液体17中に拡散することによって、液体17のオゾン濃度が高められるとともに液体17中に含まれる有機物等に気泡16が吸着する。これにより、液体17中に溶解したオゾン等や吸着した気泡16に含まれる各種のラジカルによって有機物や細菌等を効率的に分解することができる。
【0041】
また、プラズマを生成する電極としてドーナツ状の第1電極12および第2電極13を用いることで、プラズマ発生装置1のプラズマ電源部15や気体供給部11を除いた本体部分の大きさをコンパクトにすることができる。その結果、既存の装置に組み込みやすくすることができ、新たに装置に搭載する場合においても、その占有空間を最小限に抑えることができる。
【0042】
また、気体供給部11が気体の種類を制御する気種制御部を有していれば、オゾンやヒドロキシラジカル等の生成量等の調整を行うことが可能となる。このとき、気体供給部11が大気中の空気を供給する機能を有していれば、より簡便に気体を供給することができる。さらに、流量制御部により気体の供給流量を制御するようにすれば、より安定的にプラズマを生成することができる。
【0043】
《洗浄浄化装置》
次に、プラズマ発生装置1を用いた洗浄浄化装置の一例について説明する。
【0044】
洗浄浄化装置20は、図5に示すように、上述のプラズマ発生装置1を備えている。セラミックス部材3を収容するケース部材2の液体導入口7には、被洗浄処理対象部(洗浄対象物)30から処理の完了した液体17を液体収容部4に導入する配管(液体導入路)21が接続されている。また、液体排出口8には、液体収容部4内の液体を被洗浄処理対象部30へ送る配管(液体排出路)22が接続されている。
【0045】
次に、上述した洗浄浄化装置20の動作について説明する。
【0046】
まず、図5に示すように、空気をベースとして酸素を含有した所定流量の気体が、気体供給部11から配管(気体導入路)10を介して気体収容部5内に送り込まれる。そして、気体収容部5が陽圧状態とされて、その気体収容部5から気体通路3aを経て液体収容部4へ向う気体の流れが形成される。このとき、被洗浄処理対象部30から処理の完了した液体17が配管(液体導入路)21と液体導入口7を経て液体収容部4に導入される。
【0047】
次いで、第1電極12と第2電極13に所定の電圧を印加すると、第1電極12と第2電極13との間に放電が生じる。この放電によって、液体収容部4の液体17中の気体の領域においてプラズマが生成され、液体17に含まれる水や気体に含まれる酸素によってオゾンやヒドロキシラジカル等が生成される(図3参照)。生成されたオゾンや各種のラジカルは、上述した気体の流れとともに液体収容部4へ送り出される。このとき、成長する気泡は、上述したように液体17の流れによってせん断され、微細な気泡16として開口端3cから液体中へ解き放たれる。
【0048】
液体中に解き放たれた微細な気泡16は液体の隅々にまで拡散する。このとき、拡散した微細な気泡16の一部は、気泡16に含まれていたオゾンやヒドロキシラジカル等とともに容易に液体17中に溶解して、オゾン濃度が上昇する。また、一部の気泡16は、オゾンやヒドロキシラジカル等を含んだ状態で、液体17中に含まれる有機物等に容易に吸着する。さらに、気泡16の一部には微細な有機物が吸着する。
【0049】
こうして、液体17中の有機物等は、液体17に溶解したオゾンあるいはラジカルや、有機物等に吸着した気泡16に含まれるオゾンあるいはラジカル等によって効率的に分解される。有機物等が分解されて浄化された液体17は、液体排出口8から配管(液体排出路)22を経て被洗浄処理対象部30へ戻され、再び使用されることになる。
【0050】
なお、上記では、洗浄浄化装置20として、ケース部材2内で液体17を洗浄浄化する使用態様(使用態様A)のものを例示したが、この他に、微細な気泡を拡散させた液体17を洗浄液として所定の装置に供給する使用態様(使用態様B)も可能である。この場合、洗浄浄化装置20は、以下のように動作する。
【0051】
まず、ケース部材2内に導入された液体17中に、オゾンやヒドロキシラジカル等を含んだ微細な気泡16が拡散され、微細な気泡16に含まれていたオゾンやラジカルが溶解される。このとき、気泡16の一部には微細な有機物が吸着する。
【0052】
次いで、この液体17が洗浄液として被洗浄処理対象部30へ供給される。被洗浄処理対象部30では、液体17に溶解したオゾンあるいはラジカルや、有機物等に吸着した気泡16に含まれるオゾンあるいはラジカル等によって有機物等が効率的に分解されることになる。
【0053】
なお、洗浄浄化装置を使用態様Aとして使用する場合、たとえば浴槽に溜めた湯、雨水、汚水、下水等の各種の液体の浄化に、この洗浄浄化装置を適用することができる。また、使用態様Bとして使用する場合、たとえば洗濯機や食器洗い機等の各種家電製品、口内洗浄機等の健康家電製品、トイレ等の衛生機器等に使用する水に洗浄液として使用することができる。また、家電製品等の他に、たとえば食品の洗浄や工業製品の製造工程における洗浄等の産業界へ幅広く適用することができる。
【0054】
このように、洗浄浄化装置20に上述のプラズマ発生装置1を備えることで、ラジカルを効率よく大量に発生させることのできる洗浄浄化装置20を得ることができる。また、洗浄浄化装置20にプラズマ発生装置1の位置を調整する位置調整部を設ければ、よりプラズマを安定化させることができる。
【0055】
次に、図6〜図8を参照して、プラズマ発生装置1を用いた洗浄浄化装置40をより具体的に説明する。この洗浄浄化装置40は、除毛装置の一種である電気かみそり50のヘッド部51を洗浄するものであり、上述した使用態様Bとして使用する洗浄浄化装置である。この場合、電気かみそり50のヘッド部51が被洗浄処理対象部30に相当する。
【0056】
洗浄浄化装置40は、図6〜図8に示すように、ヘッド部51を下向きにした電気かみそり50を挿入するための開口41aを有した筐体41と、開口41aを通じて挿入されたヘッド部51を受容する受け皿42とを備えている。また、液体を貯留するタンク43と、受け皿42に連通されたオーバーフロー部44と、タンク43内の液体を注水部60の液体導入口7に循環供給するポンプ45とを備えている。さらに、液体を濾過するフィルタ46aを有したカートリッジ46と、タンク43内の気密状態を制御するための開閉弁47と、液体を循環するための循環経路とを備えている。
【0057】
この循環経路は、配管(液体導入路)21と、配管(液体排出路)22と、経路23(排出路)と、経路24と、経路25と、経路26とで構成されている。配管(液体導入路)21は、タンク43に貯留された液体を液体導入口7に導く。配管(液体排出路)22は、液体排出口8から排出される液体を受け皿42に導く。経路23(排出路)は、受け皿42から排出される液体をカートリッジ46に導く。経路24は、オーバーフロー部44から排出される液体をカートリッジ46に導く。経路25は、カートリッジ46から排出された液体をポンプ45に導く。経路26は、ポンプ45から送出される液体をタンク43に導く。タンク43には、気密経路27を介して開閉弁47が接続されている。
【0058】
筐体41は、その後部に電気かみそり50の把持部52と当接するスタンド部41bを有し、開口41aから挿入される電気かみそり50を受け皿42と共に保持する。スタンド部41bの前面には、図6に示すように、洗浄浄化装置40に電気かみそり50が装着されたことを検知する接点部材41cが設けられている。接点部材41cは、把持部52背面に設けられた端子52aとの接触により電気かみそり50の装着を検知する。このような検知機能に併せて、電気かみそり50に各種制御信号や駆動電力を出力する機能を持たせている。
【0059】
筐体41の前部上方には、洗浄後にヘッド部51を乾燥させるためのファン48を収容している。筐体41の前面には、ファン48用の通気窓41dや、洗浄動作を実行するための動作ボタン41e、動作状態を表示するランプ41f等が設けられている。筐体41の後面側は、タンク43を着装する着装部となっており、タンク43の各口43a、43b、43cと連結される連結口41g、41h、41iを有している。連結口41gは配管(液体導入路)21と繋がっており、連結口41hは経路26と繋がっており、連結口41iは気密経路27と繋がっている。
【0060】
受け皿42は、ヘッド部51の形状に沿うような凹形状とされており、底壁部の背面側にはプラズマ発生装置1が設けられている。プラズマ発生装置1の位置を調整する位置調整部を洗浄浄化装置40に設けるようにしてもよい。例えば、底壁部の背面側にアーム部を設けるとともに、当該アーム部によりプラズマ発生装置1を揺動可能に取り付け、位置調整部によってプラズマ発生装置1が水平に配置されるように調整できるようにしてもよい。こうすれば、プラズマ発生装置1を常時水平に配置することができ、より安定的にプラズマを生成することができるようになる。
【0061】
このプラズマ発生装置1は、配管(液体導入路)21と繋がった液体導入口7と、配管(液体排出路)22と繋がった液体排出口8とを有している。受け皿42の底壁部には、配管(液体排出路)22と繋がった供給口41jが設けられるとともに、経路23と繋がった排出口41kが設けられている。また、受け皿42の底部壁背面側にはヒータ49が設けられている(図8参照)。このヒータ49は、ファン48と連動してヘッド部51の乾燥を行うものである。受け皿42の前方にはオーバーフロー部44が設けられている。本実施形態では、受け皿42とオーバーフロー部44とは一体形成されている。オーバーフロー部44の入口は受け皿42と繋がっており、出口は経路24と繋がっている。経路24は、オーバーフロー部44の出口から、受け皿42後部に設けられた中継口42aを介してカートリッジ46に至る。
【0062】
タンク43は、吐出口43aおよび流入口43bと、気密状態を開放するための通気口43cとを前面に有しており、通気口43cの開閉により吐出口43aからの液体吐出が制御されている。タンク43は、筐体41後面側に着脱自在に設けられている。筐体41への装着状態では、吐出口43aは、連結口41gに連結されて配管(液体導入路)21によりプラズマ発生装置1の液体導入口7と繋がっている。また、流入口43bは、連結口41hに連結されて経路26によりポンプ45の送出口45aと繋がっている。さらに、通気口43cは、連結口41iに連結されて気密経路27により開閉弁47と繋がっている。
【0063】
カートリッジ46は、フィルタ46aを内部に収容した略箱状体であり、筐体41の下部後方に着脱自在に設けられている。上部には流入口46bを有し、前部には流出口46cを有している。筐体41への装着状体では、流入口46bは、経路23(排出路)により排出口41kと繋がるとともに、経路24によりオーバーフロー部44の出口と繋がっている。また、流出口46cは、経路25によりポンプ45の吸入口45bと繋がっている。
【0064】
かかる構成とすることで、タンク43からプラズマ発生装置1に導入された液体にオゾンやヒドロキシラジカル等を含んだ微細な気泡16が拡散し、洗浄液が生成される。生成された洗浄液は、供給口41jから受け皿42内に供給され、被洗浄処理対象部30としてのヘッド部51に供給されることとなる。これにより、液体(洗浄液)に溶解したオゾンあるいはラジカルや、気泡16に含まれるオゾンあるいはラジカル等によって、ヘッド部51に付着した有機物等を効率的に分解することができる。
【0065】
ここで、本実施形態では、プラズマ発生装置1の使用時に発生する非正常事象を検知し、その検知結果に基づいてプラズマ放電を制御するようにしている。具体的には、図7に示すように、洗浄浄化装置40の本体に開閉式の蓋60を備えている。蓋60は、電気かみそり50がセットされている状態で閉めることができればよく、その構造は特に限定されるものではない。そして、蓋60が閉まっている時のみプラズマ放電を発生させる。蓋60が閉まっていることは、部材60aと部材60bとが接触しているかどうかで判断することができる。このようにすれば、電気かみそり50がセットされていることを機械的に検知する接点部材41cを使用者が誤って触れてしまった場合でも、蓋60が開いているためプラズマ放電は発生しない。
【0066】
なお、上述した使用態様Aとして洗浄浄化装置を使用する場合は、図9に示すように、プラズマ発生装置1のケース部材2の天壁部を開放し、ケース部材2内で洗浄浄化された液体17にヘッド部51を浸すようにしてもよい。このようにしても、使用態様Bの場合と同様、ヘッド部51に付着した有機物等を効率的に分解することができる。また、接点部材41cを使用者が誤って触れてしまった場合にプラズマ放電が発生しない点も同様である。
【0067】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、プラズマ発生装置1の使用時に発生する非正常事象を検知するようにしている。そして、その検知結果に基づいてプラズマ放電を制御するようにしているので、非正常事象を回避することが可能である。
【0068】
具体的には、洗浄浄化装置40の本体に開閉式の蓋60を備え、蓋60が閉まっている時のみプラズマ放電を発生させるようにしている。これにより、接点部材41cを使用者が誤って触れてしまった場合にプラズマ放電が発生することを回避することが可能である。
【0069】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態を前記第1実施形態と異なる点のみ説明する。
【0070】
図10は、第2実施形態にかかる洗浄浄化装置40の説明図である。この洗浄浄化装置40は、図10(a)に示すように、電気かみそり50の重量を検知する力センサ等の重量検知部61を備え、電気かみそり50の重量を検知した時のみプラズマ放電を発生させるようにしている。もちろん、電気かみそり50の重量を所定時間継続して検知した時のみプラズマ放電を発生させるようにしてもよい。このようにすれば、プラズマ放電部および雰囲気中に使用者の指が誤って触れてしまった場合でもプラズマ放電は発生しない。
【0071】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、電気かみそり50の重量を検知する重量検知部61を備え、電気かみそり50の重量を検知した時のみプラズマ放電を発生させるようにしている。これにより、プラズマ放電部および雰囲気中に使用者の指が誤って触れてしまった場合にプラズマ放電が発生することを回避することが可能である。
【0072】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態を前記第1〜第2実施形態と異なる点のみ説明する。
【0073】
図11は、第3実施形態にかかる洗浄浄化装置40の説明図である。この洗浄浄化装置40は、図11に示すように、電気かみそり50の駆動音を検知する収音部62を備え、電気かみそり50の駆動音を検知した時のみプラズマ放電を発生させるようにしている。すなわち、電気かみそり50は、所定の位置にセットされるとONになるように制御されている。これにより、電気かみそり50の駆動周波数(例えば233Hz)を検知した場合は、電気かみそり50が所定の位置にセットされていると判断することができる。
【0074】
収音部62は、筐体41の内部に備えておく。すなわち、電気かみそり50が筐体41の外部で駆動する場合、その駆動音の波形は筐体41を介することになるため、所定の駆動周波数(例えば233Hz)が検知されないようになっている。
【0075】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、電気かみそり50の駆動音を検知する収音部62を備え、電気かみそり50の駆動音を検知した時のみプラズマ放電を発生させるようにしている。これにより、プラズマ放電部および雰囲気中に使用者の指が誤って触れてしまった場合でも、プラズマ放電が発生することを回避することが可能である。
【0076】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態を前記第1〜第3実施形態と異なる点のみ説明する。
【0077】
図12は、第4実施形態にかかる洗浄浄化装置40の説明図である。この洗浄浄化装置40は、図12(a)に示すように、洗浄水の有無を検知する洗浄水検知部63を備え、液体収容部4に洗浄水がある時のみプラズマ放電を発生させるようにしている。浄水検知部63としては浮き構造のメカニカルスイッチを採用することができる。すなわち、図12(b)に示すように、浮き63bが液面に応じて上下し、所定の水位に達するとスイッチ63aがONになる構造となっている。
【0078】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、洗浄水の有無を検知する洗浄水検知部63を備え、液体収容部4に洗浄水がある時のみプラズマ放電を発生させるようにしている。これにより、液体収容部4に洗浄水がない時にプラズマ放電が発生することを回避することが可能である。
【0079】
(第5実施形態)
以下、第5実施形態を前記第1〜第4実施形態と異なる点のみ説明する。
【0080】
図13は、第5実施形態にかかる洗浄浄化装置40の説明図である。この洗浄浄化装置40は、図13に示すように、発熱(温度)を検知するサーミスタ等の発熱検知部65を制御回路64に備え、異常発熱を検知するとプラズマ放電を強制停止させるようにしている。発熱検知部65を備える位置は制御回路64に限定されるものではなく、プラズマ放電部近傍であればよい。
【0081】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、発熱を検知する発熱検知部65を備え、異常発熱を検知するとプラズマ放電を強制停止させるようにしている。これにより、プラズマ放電部近傍の温度を所定の温度以下に保つことができる。
【0082】
(第6実施形態)
以下、第6実施形態を前記第1〜第5実施形態と異なる点のみ説明する。
【0083】
図14は、第6実施形態にかかる洗浄浄化装置40の説明図である。この洗浄浄化装置40は、液漏れを検知する液漏れ検知部66を備え、液漏れを検知するとプラズマ放電を強制停止させるようにしている。例えば、図14に示すように、受け皿42内にある水位検知電極を受け皿42の外部にも配置すれば、受け皿42の外部への液漏れを検知することができる。このような液漏れ検知部66は、制御回路64などの回路基板付近に配置するのが好ましい。
【0084】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、液漏れを検知する液漏れ検知部66を備え、液漏れを検知するとプラズマ放電を強制停止させるようにしている。これにより、制御回路64などの回路基板が浸水することを回避することが可能である。
【0085】
(第7実施形態)
以下、第7実施形態を前記第1〜第6実施形態と異なる点のみ説明する。
【0086】
図15は、第7実施形態にかかる洗浄浄化装置40の説明図である。この洗浄浄化装置40は、漏電を検知する漏電検知部を備え、漏電を検知するとプラズマ放電を強制停止させるようにしている。漏電検知部の具体的な構成は特に限定されるものではないが、図15に示すように、洗浄水の水位を検知する水位検知部67の電気抵抗値より漏電の有無を検知するのが好ましい。水位検知部67は既存の部品であるため、追加部品が不要である。
【0087】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、漏電を検知する漏電検知部を備え、漏電を検知するとプラズマ放電を強制停止させるようにしている。これにより、漏電がない時のみプラズマ放電を発生させることが可能である。
【0088】
(第8実施形態)
以下、第8実施形態を前記第1〜第7実施形態と異なる点のみ説明する。
【0089】
図16は、第8実施形態にかかる洗浄浄化装置40の説明図である。この洗浄浄化装置40は、洗浄水の電気抵抗値を検知する電気抵抗値検知部を備え、その電気抵抗値が水以外の液体のものであればプラズマ放電を強制停止させるようにしている。このようにすれば、使用者が誤ってアルコールなどを投入した場合は、プラズマ放電を強制停止させることが可能である。電気抵抗値検知部の具体的な構成は特に限定されるものではないが、図16に示すように、洗浄水の水位を検知する水位検知部67で洗浄水の電気抵抗値を検知するのが好ましい。水位検知部67は既存の部品であるため、追加部品が不要である。なお、洗浄水の電気抵抗値を検知するタイミングは特に限定されるものではない。常時、電気抵抗値を検知するようにしてもよいし、洗浄浄化装置40の使用開始時だけ電気抵抗値を検知するようにしてもよい。
【0090】
以上説明したように、本実施形態にかかる洗浄浄化装置40では、洗浄水の電気抵抗値を検知する電気抵抗値検知部を備え、その電気抵抗値が水以外の液体のものであればプラズマ放電を強制停止させるようにしている。これにより、使用者が誤ってアルコールなどを投入した場合は、プラズマ放電を強制停止させることが可能である。
【0091】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、第1〜第8実施形態のうち任意の実施形態を組み合わせてもよい。また、上記実施形態では、気体通路が形成された隔壁部としてセラミックス部材を例示したが、隔壁部の材料は、セラミックス部材に限られるものではない。例えば、気体と液体を隔壁するガラス板などのような適当な部材を用い、この部材に写真製版とエッチングを施すことによって細孔径が約1μm〜10μm程度の微細孔を形成したものを用いることも可能である。また、隔壁部に複数の気体通路を設けるようにしてもよい。また、液体収容部や気体収容部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 プラズマ発生装置
3 セラミックス部材(隔壁部)
3a 気体通路
4 液体収容部
5 気体収容部
11 気体供給部
12 第1電極
13 第2電極
15 プラズマ電源部
20 洗浄浄化装置
40 洗浄浄化装置
60 開閉式の蓋
61 重量検知部
62 収音部
63 洗浄水検知部
64 制御回路
65 発熱検知部
66 液漏れ検知部
67 水位検知部(電気抵抗値検知部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも水を含む液体を収容する液体収容部と、気体を収容する気体収容部と、前記液体収容部と前記気体収容部とを隔て、前記気体収容部中の前記気体の流通を許容して前記気体を前記液体収容部へ導く気体通路が形成された隔壁部と、前記気体収容部に配設された第1電極と、前記第1電極と距離を隔てられ、少なくとも前記第1電極と対になる側の部分が前記液体収容部中の前記液体と接触するように配設された第2電極と、前記気体収容部の前記気体を前記気体通路を介して前記液体収容部へ圧送させる態様で、前記気体収容部に少なくとも酸素を含む気体を供給する気体供給部と、前記第1電極と前記第2電極との間に所定の電圧を供給して前記第1電極と前記第2電極との間に放電を発生させることにより、前記液体収容部中の前記液体内において前記気体収容部に導入された前記気体がプラズマ化するプラズマ電源部とを備えたプラズマ発生装置を用いた洗浄浄化装置であって、
前記プラズマ発生装置の使用時に発生する非正常事象を検知し、その検知結果に基づいてプラズマ放電を制御することを特徴とする洗浄浄化装置。
【請求項2】
前記洗浄浄化装置の本体に開閉式の蓋を備え、前記蓋が閉まっている時のみプラズマ放電を発生させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項3】
電気かみそりの重量を検知する重量検知部を備え、前記電気かみそりの重量を検知した時のみプラズマ放電を発生させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項4】
電気かみそりの駆動音を検知する収音部を備え、前記電気かみそりの駆動音を検知した時のみプラズマ放電を発生させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項5】
洗浄水の有無を検知する洗浄水検知部を備え、前記液体収容部に洗浄水がある時のみプラズマ放電を発生させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項6】
発熱を検知する発熱検知部を備え、異常発熱を検知するとプラズマ放電を強制停止させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項7】
液漏れを検知する液漏れ検知部を備え、液漏れを検知するとプラズマ放電を強制停止させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項8】
漏電を検知する漏電検知部を備え、漏電を検知するとプラズマ放電を強制停止させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項9】
洗浄水の電気抵抗値を検知する電気抵抗値検知部を備え、その電気抵抗値が水以外の液体のものであればプラズマ放電を強制停止させることを特徴とする請求項1記載の洗浄浄化装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の洗浄浄化装置に用いられるプラズマ発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−22476(P2013−22476A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156443(P2011−156443)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】