説明

プラネタリウムのスクリーンの構造及びその施工方法

【課題】既設の投影方式のプラネタリウムにビデオ投影プロジェクター方式を併設するためにスクリーンを構成する横方向及び上下方向に隣り合うパンチングアルミパネル同士の左右・上下方向の継ぎ目部が薄明かりの中でクリーンを観る観客にとって大変目障りな白いスジとなって見えると云う欠点が出ないようにする。
【解決手段】新設または既設のプラネタリウムのドーム球面スクリーンを構成する隣り合うパンチングアルミパネル4,5の端部を突き合わせた継ぎ目部の上に、該パネル4,5と同系の白系地で表全面に黒いドットを多数印刷すると共に裏面に接着層を塗布した長尺のテープ1を貼着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラネタリウムでプロジェクタータイプの投影機を使用する際にスクリーンを構成するスクリーンパネルの縦、横の継ぎ目部がスジとなって現れるのを防止したプラネタリウムのスクリーンの構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラネタリウムでは、暗闇にしたプラネタリウムの半球体のドーム球面スクリーンに投影機から強力な光線により多くの星や星座を投影表示する投影方式と共に、近年、風景や星の映像や星座絵などの画像を該プラネタリウムのドーム球面スクリーンにプロジェクターにより投影するプロジェクター方式を併設又は新設するタイプのプラネタリウムドーム館が増加してきている。
【0003】
プラネタリウムのドーム球面スクリーンの取付けについて図6〜図12により説明する。プラネタリウムの投影ドームには、観客席におわん状のドーム球面スクリーンを被せた水平型のものと、おわん状のドーム球面スクリーンを15〜30度程度傾いた傾斜型のものとがあり、図6は傾斜型のプラネタリウムドームの縦断したものを示している。
【0004】
従来のプラネタリウムのドーム球面スクリーンの施工の一例を図7により説明する。メインフレーム24は、ドーム頂点よりドーム内周に沿って床面に向かって複数本が放射状に配されてドームの骨組みを構成する構造体である。各メインフレーム24のドーム内側の上下方向に適宜間隔をもって胴縁受け金具30が設けられている。そして、このメインフレーム24のドーム内側の上下方向に適宜間隔をもって設けられた胴縁受け金具30にドームの横割り方向の内周に沿った金属製の環状のヨコ胴縁29は支承される。環状のヨコ胴縁29には、メインフレーム24と同数のタテ胴縁28は図示されていないボルト、リベットや溶接等によりメインフレーム24のドーム内側に沿う形で取付けられている。この複数本のタテ胴縁28のドーム内側にスクリーンを構成する複数のパンチングアルミパネル31、32がリベット33などの取付け手段により張設されている。
【0005】
このように各メインフレーム24に環状のヨコ胴縁29を介して取付けられている各タテ胴縁28の横方向にパンチングアルミパネル31、32の側端部を互いに重ね貼り方式により水平方向に所要枚数接続されていると共に、また、各タテ胴縁28の上下方向にパンチングアルミパネル31とパンチングアルミパネル32の上下端部を互いに重ね貼り方式により所要数枚が接続されることによりプラネタリウムドームの床部から頂部のドーム内面にドーム球面スクリーン25を形成している。このようにドーム球面スクリーン25は、複数のパンチングアルミパネル31、32を横方向、上下方向に接続することにより構成されている(図8参照)。
【0006】
ここで、ドーム球面スクリーン25を形成するパンチングアルミパネル31、32はスクリーン面が白系に塗装されたアルミ製であり、該パンチングアルミパネル31、32の全面に並行型又は千鳥型に径1.5〜2.0mm程度の孔36が多数形成されている。この各パンチングアルミパネル31、32に多数形成されている孔36を通して建屋27とドーム球面スクリーン25との間の空間部に設けられているスピーカー26からの解説や音響などの音声が観客席の観客に伝えられる。また、ドーム球面スクリーン25の建屋27側には、ドーム球面スクリーン25から間隔を置いてガラスウール等の吸音材34が配設されており、この吸音材34はドーム内の音が反響するのを防止すると云う音響的効果を奏している。また、タテ胴縁28金属製の環状のヨコ胴縁29には、観客席側からパンチングアルミパネル31、32に形成された多数の孔36、・を通して両胴縁28、29からの光の反射を防止するために全体が艶消しのために予め黒く塗装されており、更に反射防止の効果を高めるために吸音材34とドーム球面スクリーン25との間に図示しない寒冷紗が配設されている。
【0007】
建屋27とパンチングアルミパネル31,32間との空間部には照明などは配置されておらず、また、吸音材34でパンチングアルミパネル31、32の建屋側は覆われており、該空間部は真っ暗であるので、観客席側からはパンチングアルミパネル31、32に形成されている孔36は単に黒い点と認識される。そして、プラネタリウムのドーム内の薄暗い中では、白系に塗布されたパンチングアルミパネル31、32の全面の白地の中に多くの黒い点が点在していることにより白地と黒い点とが相俟ってドーム球面スクリーン25全面は僅かに薄鼠色に感じられる。
【0008】
このようにプラネタリウムのドーム球面スクリーン25は構成されているが、前述したように暗闇にしたプラネタリウムの半球体のドーム球面スクリーンに投影機から強力な光線により多くの星や星座を投影表示する投影方式では、プラネタリウムのドームの暗闇の中で白系のドーム球面スクリーン25に投影機から投影される多くの星や星座は強力な光線による輝く点として表示されるので、暗闇の中にあるドーム球面スクリーン25のスクリーン面は暗い状態のままにありプラネタリウムのドーム内の観客にはスクリーン面は気になることはない。
【0009】
しかしながら、近年投影方式と共に併設されているビデオ投影プロジェクター方式では、風景や星の図柄などの画像を暗闇の中にあるドーム球面スクリーン25に投影表示するので、風景や星の図柄などの画像は広く明るい面として表示される。このため、明るく投影された風景や星の図柄などの画像からの明かりによりプラネタリウムのドーム内は薄明かり状態となり、風景や星の映像や星座絵などの画像が投影されているドーム球面スクリーン25の部分のみならず全体に薄明かりの光が行き渡ることによりドーム球面スクリーン25全体が仄かに明るくなる。そうすると、ドーム球面スクリーン25を形成しているパンチングアルミパネル31、32は孔36が全面に多数形成されているので、ドーム球面スクリーン25全面は僅かに薄鼠色に見えているが、パンチングアルミパネル31、32を左右方向に接続しているタテ胴縁28の部分上の接続部では、パンチングアルミパネル31、32の孔36からタテ胴縁28の地色が図10に示すようにドーム球面スクリーン25全体に縦横のスジ37、38が現れてしまう。また、パンチングアルミパネル31、32を上下方向に接続しているヨコ胴縁29の部分上の接続部39では、パンチングアルミパネル31、32の孔36を通してヨコ胴縁の地色が見えてしまい、丁度これら左右・上下方向での継ぎ目部は、薄明かりの中に縦スジ37や横スジ38のような白いスジが現れると見た目も悪く、またドーム球面スクリーン25を観る観客にとって大変目障りとなっていた(図9、10、11参照)。
【0010】
このためこれら継ぎ目部39が白いスジ(縦スジ37や横スジ38)となって表れるのを防止するために既設の投影方式のプラネタリウムでは、ビデオ投影プロジェクター方式を併設する際、ドーム球面スクリーンを新設することなく図8に示すように、隣り合うパンチングアルミパネル31、32を重ね貼り方式の場合、ドーム内側がわのタテ胴縁28にパンチングアルミパネル31とパンチングアルミパネル32の一方のパンチングアルミパネルを仮止めして載せ、その上に他方のパンチングアルミパネルを載せ、両パンチングアルミパネルをボルト又はリベット33でタテ胴縁28面に取付けて固定する。この時、隣り合う両パンチングアルミパネル31、32の間に黒テープ35を挿入介装して取付ける。また、ヨコ胴縁29と上下に隣り合うパンチングアルミパネル31、32との間にも、上下に隣り合うパンチングアルミパネル31、32の間に黒テープ35を挿入介装して取付ける。
【0011】
このように黒テープ35を貼着介装して取付けることにより、観客席からはパンチングアルミパネルに多数形成した孔36を通して黒テープ35が見えるので、パンチングアルミパネルの継ぎ目部をタテ胴縁28やヨコ胴縁29に取付けた箇所以外と同様、白いスジが見えることなくドーム球面スクリーン25全面は薄鼠色に感じられる。しかしながら、図8に示すように横方向及び上下方向に隣り合うパンチングアルミパネルの重ね貼り方式において、横方向及び上下方向に重ね貼りしたパンチングアルミパネルの間に挿入介装して取付けた黒テープ35がはみ出ないように挿入介装するのは細心の注意を払いながらの施工となり施工が難しく、かと云って、黒いテープが該重ね貼り部の中に入りすぎると入り込んだ部分の白いスジが目立ってしまうと云うことになってしまう。特に、横方向及び上下方向に隣り合うパンチングアルミパネル同士の重ね貼り方式では、タテ胴縁やヨコ胴縁から貼り付けた黒いテープの側端縁がはみ出して黒いテープによる黒いスジがますます目立ってしまう。
【0012】
横方向及び上下方向に隣り合うパンチングアルミパネル同士の重ね貼り方式では段差が生じており、この継ぎ目部に横方向からプロジェクターの光が当たると図8のようにパネルの段差による影が現れてしまい映像として見苦しい映像となってしまうと云う課題がある。また、このように既設の投影方式のプラネタリウムにビデオ投影プロジェクター方式を併設するためにドーム球面スクリーンを構成する横方向及び上下方向に隣り合うパンチングアルミパネル同士の左右・上下方向の継ぎ目部が薄明かりの中で白いスジとなって見えると云う欠点が出ないように新設又は改装するには多額の費用が嵩むと共に施工時間がかかると云う課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2002−276478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このため、本願発明のプラネタリウムのスクリーンパネルの構造及びその施工では、上述した課題によりなされたもので、隣り合うパンチングアルミパネルの端部同士を当接して突き合わせ方式や重ね貼り方式の場合においても、隣り合うパンチングアルミパネルの継ぎ目部の上に跨って、ドーム球面スクリーンを形成するパンチングアルミパネルと同系色で、且つパンチングアルミパネルの全面に形成されている孔と同じ大きさの黒い点を並行型又は千鳥型に多数印刷した長尺のテープを張設することにより、例えビデオ投影プロジェクターによる風景や星の図柄などの画像を投影した場合にでも、スクリーンを構成する隣り合うパンチングアルミパネルの継ぎ目部に白いスジもしくは黒いスジが現れるのを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本願発明の請求項1に記載の発明は、新設または既設のプラネタリウムのドーム球面スクリーンを構成するパンチングアルミパネルの継ぎ目部の上に、該パネルと同系の白系地で表全面に黒いドットを多数印刷すると共に裏面に接着層を塗布した長尺のテープを貼着したことを特徴とするものである。
【0016】
上記目的を達成するために、本願発明の請求項2、3に記載の発明は、上記継ぎ目部は、上下又は隣り合うパネルの端部を突き合わせた継ぎ目部、または、上下又は隣り合うパネルの端部を重ね貼りた継ぎ目部であることを特徴とすることを特徴とするものである。
【0017】
上記目的を達成するために、本願発明の請求項4に記載の発明は、新設または既設のプラネタリウムのスクリーンパネルの施工において、プラネタリウムのドーム球面スクリーンを構成するパンチングアルミパネルの継ぎ目部の上に、該パネルと同系の白系地で表全面に黒いドットを多数印刷し、裏面に接着層を塗布した長尺のテープを貼着することを特徴とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本願発明の請求項1〜4に記載の発明は、下記の効果を奏する。
1.プラネタリウムのスクリーンパネルの構造及びその施工において、新設または既設のプラネタリ ウムのドーム球面スクリーンを構成するパンチングアルミパネルの継ぎ目部が、例えパネル同士の 端部を突き合わせた継ぎ目部、またはパネル同士の端部を重ね合わせた継ぎ目部であっても、該継 ぎ目部の上に継ぎ目部に該パネルと同系の白系地で表 全面に黒いドットを多数印刷すると共に裏 面に接着層を塗布した長尺で継ぎ目部の幅よりも少し大きめのテープを貼着することにより、プロ ジェクターでドーム球面スクリーンに風景や星の図柄などの画像を投影表示してもパンチングアル ミパネルの縦横の継ぎ目部が白いスジもしくは黒いスジとなって表れることが無いので、ドーム球 面スクリーンを観る観客にとって観づらく目障りとなることがない。
【0019】
2.プラネタリウムのドーム球面スクリーンを構成するパンチングアルミパネルの継ぎ目部が、例え パネル同士の端部を突き合わせた継ぎ目部、またはパネル同士の端部を重ね合わせた継ぎ目部によ り段差部があっても、横方向から光が当って段差による影が現れて見苦しい映像となってしまうと 云うことも解消することができ、既設のプラネタリウムのドーム球面スクリーンを構成するパンチ ングアルミパネルの継ぎ目部の上に長尺で継ぎ目部の幅よりも少し大きめのテープを貼着するだけ であるので、改修費も安価で済み、且つ、施工が簡単である、
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本願発明で使用する黒いドット付きテープの平面図。
【図2】本願発明の施工の概略を示す施工例を示す要部の斜視図。
【図3】図2の拡大斜視図。
【図4】本願発明のパンチングアルミパネルの第1実施例である突き合わせ方式の概略図。
【図5】本願発明のパンチングアルミパネルの第2実施例である重ね貼り方式の概略図。
【図6】プラネタリウムの概略縦断面図。
【図7】従来のプラネタリウムの施工の概略を示す要部の斜視図。
【図8】従来のプラネタリウムのパンチングアルミパネルの重ね貼り方式の概略図。
【図9】従来のプラネタリウムのドーム球面スクリーンに縦・横ジマが表れている状態図。
【図10】従来のプラネタリウムのドーム球面スクリーンに縦ジマが表れている状態図。
【図11】従来のプラネタリウムのドーム球面スクリーンに横ジマが表れている状態図。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0021】
以下、本願発明の実施例を図面により説明する。図1の符号1は、本願発明で使用する長尺でタテ胴縁6またはヨコ胴縁7の幅より若干の幅広を有するテープであって、表面はドーム球面スクリーンを形成するパンチングアルミパネル4、5と同様の白系地のパンチングアルミパネルと同系色であり、且つ、パンチングアルミパネル4、5の全面に形成されている孔11と同じ大きさの黒いドット2がテープの表全面に並行型又は千鳥型に多数印刷されている。このテープ1の裏面には、後述するようにドーム球面スクリーンを形成する隣り合うパンチングアルミパネル4、5同士の継ぎ目部にテープを貼着するための接着層が塗布されている。このテープ1の表面に印刷されている多数の黒いドット2は、薄暗いプラネタリウムのドームの中ではテープ1の全面の白系地とこの白系地のテープ1の全面に多数印刷された黒いドット2の点在と相俟って薄鼠色に感じられる。
【0022】
図2は、本願発明の施工の概略を示す施工例で、図3は図2の拡大斜視図である。符号3はメインフレームであり、ドーム頂点よりドーム内周に沿って床面に向かって複数本が放射状に配されてドームの骨組みを構成する構造体である。各メインフレーム3のドーム内側の上下方向に適宜間隔をもって胴縁受け金具8が設けられている。そして、このメインフレーム3のドーム内側の上下方向に適宜間隔をもって設けられた胴縁受け金具8にドームの横割り方向の内周に沿った金属製の環状のヨコ胴縁7は支承される。環状のヨコ胴縁7には、メインフレーム3と同数のタテ胴縁6が図示されていないボルト、リベットや溶接等によりメインフレーム3のドーム内側に沿う形で取付けられている。この複数本のタテ胴縁6のドーム内側に、スクリーンを構成する複数のパンチングアルミパネル4、5がリベット11などの取付け手段により張設されている。
【0023】
ここで、ドーム球面スクリーンを形成するパンチングアルミパネル4、5は従来のスクリーンと同様、スクリーン面が白系に塗装されたアルミ製のパネルであり、該パンチングアルミパネル4、5の全面に並行型又は千鳥型に径1.5〜2.0mm程度の孔11が多数形成されている。このパンチングアルミパネルに多数形成されている孔11、11、・を通して建屋とドーム球面スクリーンとの間の空間部に設けられているスピーカーからの解説や音響などの音声が観客席の観客に伝えられる。また、ドーム球面スクリーンを形成するパンチングアルミパネル4、5の建屋側には、ガラスウール等の吸音材11が配設されており、吸音材11はドーム内の音の反響防止用として機能している。また、寒冷紗9は、前記タテ胴縁6とパンチングアルミパネル4、5で形成されたプラネタリウムのドーム球面スクリーンの間に設けられており、該ドーム球面スクリーンの裏側に配置された部材等からの光の反射を防止するために配設されている。また、タテ胴縁6と金属製の環状のヨコ胴縁7には、観客席側からパンチングアルミパネル4、5に形成された多数の孔11、11、・を通して両胴縁6、7からの光の反射を防止するために全体が予め黒く塗装されている。艶消しのため予め黒く塗装された両胴縁6、7と寒冷紗9とにより更に反射防止の効果を奏する。
【0024】
ドーム頂点よりドーム内周に沿って床面に向かって配されるタテ胴縁6の横方向にスクリーンを構成するパンチングアルミパネル4、5を取付ける図4の突き合わせ方式について説明する。ドームの骨組みを構成するメインフレーム3のドーム内側の上下方向に適宜間隔をもって設けられた胴縁受け金具に8に支承された環状のヨコ胴縁7に取付けられたタテ胴縁6のヨコ胴縁7の取付け側の反対側面上の長手方向にパンチングアルミパネル4とパンチングアルミパネル5の互いの側端部を突き合わせ、両パンチングアルミパネル4、5をボルト又はリベットでタテ胴縁6面に取付けて固定する。以下このようにパンチングアルミパネルを横方向に周回して下部段のスクリーンを構成する。そして、このように下部段のスクリーンの上部に中段のスクリーンを構成し、更に、上部段のスクリーンを構成し、その上に天頂部のスクリーンを構成する。
【0025】
下部段のスクリーンの上部に中段のスクリーンを設ける場合には、パンチングアルミパネルを横方向に取付けるのと同様、下部のパンチングアルミパネルと上部のパンチングアルミパネルの互いの上下端部とをヨコ胴縁7の側面上で突き合わせ、ボルト又はリベットでヨコ胴縁7に取付けていく。スクリーンの天頂部を構成する場合にも同様の施工を行ない、各パンチングアルミパネル4とパンチングアルミパネル5を突き合わせた継ぎ目部に黒いドット2を多数印刷した長尺のテープ1を貼着する。
【0026】
このようにパンチングアルミパネル4とパンチングアルミパネル5を突き合わせた継ぎ目部に黒いドット2を多数印刷した長尺のテープ1を貼着することにより、プロジェクターによるプロジェクター方式での風景や星の映像や星座絵などの画像の投影表示の際にプラネタリウムのドーム内が仄かに明るくなったとしてもパネルの継ぎ目部の上に黒いドット2を多数印刷した長尺のテープ1を貼着した箇所と、このテープを貼着していないパンチングアルミパネル4とパンチングアルミパネル5の箇所とは観客席からは視覚的に差異は感じられない。また、ドーム球面スクリーンを構成するパンチングアルミパネル4とパンチングアルミパネル5を新規に張設することなく、既設のスクリーンを構成するパンチングアルミパネル4とパンチングアルミパネル5の継ぎ目部の上に黒いドット2を多数印刷した長尺のテープ1を貼着するだけで同様の効果を奏する。
【実施例2】
【0027】
次に、図5の重ね貼り方式について説明する。前記突き合わせ方式と同様、ドームの骨組みを構成するメインフレーム3のドーム内側の上下方向に適宜間隔をもって設けられた胴縁受け金具8に支承された環状のヨコ胴縁7に取付けられたタテ胴縁6のヨコ胴縁7の取付け側の反対側面上の長手方向にパンチングアルミパネル4とパンチングアルミパネル5の一方のパンチングアルミパネルを仮止めして載せ、その上に他方のパンチングアルミパネルを載せ、両パンチングアルミパネルをボルト又はリベット10でタテ胴縁6面に取付けて固定する。以下このようにパンチングアルミパネルを横方向に周回して下部段のスクリーンを構成する。そして、このように下部段のスクリーン、中段のスクリーン、上部段のスクリーンを構成し、その上に天頂部のスクリーンを構成する。そして更に各パンチングアルミパネルとパンチングアルミパネルを重ね貼りた継ぎ目部に黒いドット2多数印刷した長尺のテープ1を貼着する。この重ね貼り方式による継ぎ目部に黒いドット2を多数印刷した長尺のテープ1を貼着した場合も、継ぎ目部に上述したように観客席からは視覚的に差異は感じられず、既設のパネルの継ぎ目部に黒いドット2多数印刷した長尺のテープ1を張設しても突き合わせ方式と同様の効果を奏する。
【符号の説明】
【0028】
1 テープ、
2 黒いドット、
3 メインフレーム、
4 パンチングアルミパネル、
5 パンチングアルミパネル、
6 タテ胴縁、
7 ヨコ胴縁、
8 胴縁受け金具、
9 寒冷紗、
10 吸音材、
11 孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
新設または既設のプラネタリウムのドーム球面スクリーンを構成するパンチングアルミパネルの継ぎ目部の上に、該パネルと同系の白系地で表全面に黒いドットを多数印刷すると共に裏面に接着層を塗布した長尺のテープを貼着したことを特徴とするプラネタリウムのスクリーンの構造。
【請求項2】
上記継ぎ目部は、上下又は隣り合うパネルの端部を突き合わせた継ぎ目部であることを特徴とする請求項1に記載のプラネタリウムのスクリーンの構造。
【請求項3】
上記継ぎ目部は、上下又は隣り合うパネルの端部を重ね貼りた継ぎ目部であることを特徴とする請求項1に記載のプラネタリウムのスクリーンの構造。
【請求項4】
新設または既設のプラネタリウムのドーム球面スクリーンを構成するパンチングアルミパネルの継ぎ目部の上に、該パネルと同系の白系地で表全面に黒いドットを多数印刷し、裏面に接着層を塗布した長尺のテープを貼着することを特徴とするプラネタリウムのスクリーンの施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−262210(P2010−262210A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−114342(P2009−114342)
【出願日】平成21年5月11日(2009.5.11)
【出願人】(501345459)アストロ光学工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】