説明

プランジャーによって作動されるポンプを備える製品分配器

本発明は、液体またはペースト様の製品のための分配器に関する。この分配器は、リザーバ(14)とポンプ(16)とを備え、このポンプ(16)は、プランジャー(18)により作動され、ポンプ本体は、このリザーバの断面より小さい断面を有する管状部品を有し、このポンプ本体は、ピストン(24)と環状スペーサー(28)とを収容し、これによってこのピストンは、製品のための環状チャンバ(32)を提供するようにリザーバの内壁に対してしっかりと取り付けられ、リザーバの底に設けられた配給チャンバ(20)と連絡する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体または中程度にペースト状の製品のための分配器に関し、基本的に、リザーバおよびプランジャーによって作動されるポンプから構成され、このポンプは、リザーバ内に力強くはめられる。本発明は、より具体的には、化粧品分配の分野に適合される。本発明は、主に、化粧品使用のためのゲルまたはクリームのための分配器を提供する。別の分野(噴霧器の分野)において、本発明は、1回用量の贅沢な製品(例えば、香水など)を含むように設計された噴霧器に適用され得る。噴霧器の場合、この分配器は、噴霧するノズルを備える。このような分配器または噴霧器が小型化される場合、これらの分配器および噴霧器は、これらが含む製品を、顧客が発見し、そして理解するための顧客への無料配給を主に対象とする。
【背景技術】
【0002】
上で規定される分野において、本発明者らの一定の目的は、デバイスの構造を単純化し、そして製造コストを下げることである。従って、本発明者らは、構成要素の数を減らし、主に成形によって製品の製造をより単純にさせることを追求する。本発明者らは、さらに、組立を単純にすることを目指す。
【0003】
例えば、高粘度またはペースト状の製品(例えば、特定の化粧品)の分配器の分野において、文献FR 2 740 118は、製品全体を含むポンプチャンバが規定されるデバイスを記載する。このチャンバは、リザーバとピストンとの間に直接規定される。このデバイスは、抽出量を配給させない。
【0004】
さらに、液体製品の分配器は、主に噴霧器で公知であり、これは、概して、リザーバとこのリザーバに設置されたプランジャーポンプとを備える。このポンプは、ピストンが取り付けられたポンプ本体を含む。液体を配給するチャンバは、ポンプの本体で規定され、そしてこのピストンは、このチャンバの移動可能な壁を形成する。吸込弁は、配給チャンバと、噴霧される液体を含むリザーバとの間の接続を確立し、そして出口弁は、配給チャンバと、製品を分配するための手段との接続を確立する。スプリングは、この配給チャンバがその最大容積に達する所定の非作動位置内に、ピストンを移動させる。ポンプ本体は、リザーバの開口部に取り付けられる。プランジャーは押される度に、所定の量の製品が排出される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、クリームもしくはゲルの化粧品または噴霧される液体製品に適用され得る配給分配器の構造を単純化することである。本発明は、本発明が備える部品の数を減らすことを可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
より具体的には、本発明は、リザーバとプランジャー作動性ポンプとを備える、液体または高粘度の製品のための分配器に関し、このプランジャーは、プンプ本体の内側で移動可能なピストンと接続される。本発明は、ポンプ本体が、このリザーバの径よりも小さい径の管状部品および環状スペーサーを備え、この管状部品が、ピストンを覆い、この環状スペーサーによって、このポンプ本体が、このポンプ本体の内壁に対してしっかりと取り付けられて、上記管状部品の外面と上記リザーバの内面との間に上記製品のための環状チャンバを設けること、円柱状の配給チャンバ(これは、上記環状チャンバと連絡する)が、上記リザーバの底に位置すること、上記ピストンが、上記プランジャーが押された場合に、上記配給チャンバの内側にて密室様式で挿入されそしてスライドすること、および出口弁が、上記ピストン内に設置されることを特徴とする。
【0007】
可能な製造方法に従うと、配給チャンバは、ポンプ本体の底に規定される。配給チャンバは、もはや標準吸込管を備えないことから、このポンプ本体は、リザーバ内に幅広く挿入される。これらの条件において、配給チャンバは、上記リザーバのまさに底に配置され、上記環状チャンバ内に含まれた製品は、ピストンが作動されない場合、上記配給チャンバ内に重力の作用によって流れ得る。この位置において、この配給チャンバは、ポンプ本体の側方通路によって環状チャンバと連絡する。この連絡は、プランジャーが押されたときに、ピストンによって中断される。
【0008】
別の可能な製造方法に従うと、上記配給チャンバは、現実的なリザーバにおいて(リザーバの底で)規定される。このリザーバは、円柱状の配給チャンバを形成するより小さい径の部品を備え、そしてポンプ本体の内端は、上記配給チャンバの方に開き、上記ピストンがこのようなチャンバに侵入することを可能とする。この製造方法は、このポンプ本体が、単一の片で作製され得るという利点を有する。この場合、上記リザーバは、環状チャンバと配給チャンバとの間に規定された環状肩を備え得、そしてポンプ本体は、この肩に支えられ得、この肩は、リザーバの内側でポンプ本体の位置を、正確に固定する。上述の通路は、ポンプ本体の内端付近に設けられ、製品が、重力の作用によって環状チャンバから配給チャンバへ流れることを可能とする。
【0009】
別の製造方法に従うと、ピストンの内端は、比較的可撓性のある材料で作製されたテーパー状スカートを備え、このテーパー状スカートは、その円形の自由端が配給チャンバにおいて液密様式でスライドし得るような大きさである。従って、このテーパー状スカートは、プランジャーが押された場合に、特定の圧が配給チャンバの内側で維持されることを保証し得る。このテーパー状スカートは、出口弁の一部である。
【0010】
要素の「内端」とは、リザーバ内で最も奥に挿入された端を意味する。
【0011】
さらなる製造方法に従うと、ピストンは、プランジャーの軸継手で強制的に取り付けられた強固なロッドを備え、そしてテーパー状スカートは、成形された管状部分によって延ばされ、上記ロッドに取り付けられる。上述の出口弁は、上記ロッドの広がった自由端と、上記テーパー状スカートの内面から突出した環状リブとの間に規定される。出口チャネルは、上記出口弁と、プランジャーにおいて規定された出口ポートとの間に設けられる。噴霧器の場合、プランジャーは、噴霧ノズルを覆う。
【0012】
高粘度の液体またはゲル状化粧品の分配器についてより特に推奨される製造方法に従うと、テーパー状スカートと一体的に形成される管状部分は、この管状備品が所定の軸クリアランスで上記ロッド上をスライドするように取り付けられて、このことは、配給チャンバにおいてかなりの加圧を行うことなく出口弁を開かせる。このようにして、製品は、ジェットを生じることなく、ゆっくりと押し出される。
【0013】
噴霧される液体製品の分配器についてより特に推奨される別の製造方法に従うと、テーパー状スカートと一体的に形成される管状部分は、ロッド上に固定化されるが、出口ポートと連絡する出口チャネルへ通じる通路を開けるために、テーパー状スカートは、その弾性に起因して曲げられ得る。テーパー状スカートは、概して、プランジャーに位置する噴霧手段と組合わされる。この場合、出口弁を開けるために必要なテーパー状スカートの歪みは、配給チャンバの内側のより大きい圧力の増加を伴い、この圧力増加は、製品の噴霧にとって好都合である。
【0014】
好都合なことに、ポンプ本体の内側の引っ込められた位置において、ピストンの自由端は、ポンプ本体の壁から離れている。従って、ピストンが使用されない場合にピストンが曲がる危険はなく、ピストンは、元の形のままであり、このことは、上記配給チャンバの円柱状の壁との液密な接着に適している。
【0015】
全ての部品は、成形された可塑性材料から作製され得る。これらの部品の全ては、容易に成形される。一方、ポンプ本体は、容器の内側で完全に位置する。ポンプ本体は、この容器の内壁によってガイドされ、リザーバの底または配給チャンバ付近に規定された肩に支えられる。結果的に、プランジャーは、容器の最高部にまさにしっかりはまる様式で適応され得る。プランジャーは、側方スカートを備えるが、側方スカートは、容器に侵入し、そしてプランジャーと容器の内壁との間の半径方向のラップは、最小である。
【0016】
一例としてのみ提供され、かつ添付の図面を参照して作製される、本発明の原理に従う液体製品分配器についての、現在好ましい製造方法の以下の説明を読むことにより、本発明は、よりよく理解され、さらなる利点が明らかにされる。
【0017】
この場合の図1および2に示される液体製品分配器11は、高粘度またはゲル状の化粧品の分配器である。この分配器は、リザーバ14と、プランジャー18によって作動されるポンプ16とを備える。配給チャンバ20は、上記リザーバに取り付けられたポンプ本体22の底で規定される。プランジャー18は、ピストン24に接続され、ピストン24は、ポンプ本体の内側で移動可能である。ポンプ本体は、リザーバ本体27の径よりも小さい径を有する管状部品26を備える。ポンプ本体は、ピストン24を覆う。さらに、ポンプ本体22は、環状スペーサー28を備え、好ましくは、示されるように、リザーバ本体27の内壁に対ししっかりと取り付けられたスカート30を備える。このようにして、環状チャンバ32は、製品が分配されるように規定され、この環状チャンバは、基本的に、ポンプ本体の上記管状部分の外面と、リザーバ本体の内面との間に規定される。環状スペーサー28は、環状チャンバをその最高部で閉じる。リザーバの底は、より小さい径の部品34を備え、この部品34は、テーパー状壁36によってリザーバ本体に接続され、このリザーバ本体は、より大きな径を有する。
【0018】
より正確には、ポンプ本体22は、成形された可塑性材料から作製された2つの部品を備える。これらの部品の1つは、(環状スペーサー28によって半径方向に延ばされる)管状部品26で構成され、この管状部品26は、その内端で開いている。他方は、一種の円柱状のシェル29を形成し、この円柱状のシェル29は、管状部品26の端に軸方向にはまり、ポンプ本体を仕切る。シェル29のエッジは、管状部品26の外側肩31に支えられる。一連の長手軸方向のスロットは、シェル29の側壁に設けられ、規定する通路40を規定し、そしてピストンが、ポンプ本体の内側で引っ込められた位置にある場合(図1)、この通路40は、重力の作用によって管状チャンバ32と配給チャンバ20との間で製品が流れることを可能とする。この例において、上記配給チャンバは、シェル29の底において規定される。
【0019】
管状チャンバ26の内端は、配給チャンバ20の上で開き、プランジャー18が作動された場合にピストン24が、配給チャンバ20に侵入することを可能とする。このストロークにおいて、ピストンは、配給チャンバの内側にて液密様式でスライドする。ピストンの内端は、配給チャンバ側にテーパー状スカート42を備え、このテーパー状スカート42は、円形の自由端43が配給チャンバの内側にて液密様式でスライドし得るような大きさである。従って、このテーパー状スカートは、通路40を規定するスロットの端付近に、シェル29で吸込弁を規定する。この弁は、環状チャンバ32と配給チャンバ20との間の製品の流動を制御する。ピストン24およびプランジャー18は、ポンプ本体の最高部の肩とプランジャーとの間で支持されるスプリング45によってリザーバから外側へ押される。結果として、このスプリングの作用を介して、ピストン24は、ポンプ本体内に引っ込み、そして製品が、重力の作用によって環状チャンバ32と配給チャンバ20との間を流れ得る。この位置において、ピストンの自由端、換言すれば、テーパー状スカート42のエッジ43は、ポンプ本体の壁から離れている。実際、このエッジとポンプ本体の壁との間でわずかなあそびが残り、結果として、この非作動位置において、このピストンのテーパー状スカート42が、曲げられる危険はない。この位置において、テーパー状スカートの外面は、ポンプ本体において規定された円形エッジ48に支えられている。比較的液密であるこの接触は、スプリング45の作用を介して維持される。明らかに、ピストンのこの非作動位置において、環状チャンバ32と配給チャンバ20との間の通路40は、開いたままである。ピストン24は、ポンプ本体の口径50にてスライド運動でガイドされる。このスライド運動は、この口径を介して液体を漏れさせないように十分に液密である。
【0020】
上記ピストン24は、プランジャーの軸継手54で強制的に取り付けられた強固なロッド52を備える。上記テーパー状スカートは、管状部分56が上記ロッドに沿ってスライドするように取り付けられた成形された片である管状部分56によって延ばされる。管状部分56の最高部の端は、軸継手54の内端に設けられた円柱状の延長54aの内側にて液密様式でスライドするように挿入される。このようにして、ピストン24は、ロッド52に沿ってストロークhでスライドし得る。出口弁58は、上記ロッドのうちの1つの広がった自由端59(この場合テーパー状である)と、上記テーパー状スカートの内面から突出した環状リブ60との間に形成される。このロッドのテーパー状端59は、テーパー状スカート42の内部に延びる。プランジャーが作動されず、かつピストンがポンプ本体の内側で引っ込められる場合、環状リブ60は、このロッドの広がった自由端59に液密に支えられる。この配置は、出口弁を規定し、この出口弁は、この位置において閉ざされる。出口チャネルは、この出口弁58と、プランジャーにおいて規定される出口ポート62との間に設けられる。この例において、出口チャネルは、ロッド52の表面に長手軸方向に設けられた溝または扁平な切り口66、ロッドの突出部においてプランジャーに設けられる軸方向の導管67、ならびにプランジャーにおいて設けられ、そしてこの導管67と出口ポート62との間で延びる半径方向の導管68によって規定される。一連のフィン55は、ロッドの端がプランジャーの軸方向の導管67をブロックするのを防止するために、継手54において規定される。プランジャー18はまた、リザーバの開口部に挿入された側方スカート70を備える。ポンプ本体16がリザーバの内側で正確に位置され、そしてスペーサー28の高さで強制的にリザーバの内側でしっかりと維持されるために、プランジャーの側方スカート70の外壁と、リザーバ14の内壁との間の半径方向のラップeは、完全に制御され、比較的小さい。操作は、以下のとおりである。
【0021】
上記の非作動位置において、この分配器は、図1に示される位置であり、製品は、環状チャンバ32と配給チャンバ20との間を自由に流れ得る。従って、分配器が垂直に維持されている場合は常に、配給チャンバは、少なくとも重力の作用によって充填される。プランジャーが押されると直ちに、ピストン24は、ピストン24が通路40の下にある配給チャンバ20の円柱状の側壁と液密に接触するまで、ポンプ本体の開いた底の端に向かって移動する。この時点で、環状チャンバ32と配給チャンバ20との連絡は、中断され、そのストロークを続け、このピストンは、配給チャンバ内の圧力のわずかな増加を引き起こす。この圧力増加は、テーパー状スカート42のわずかな上昇をもたらし、このことは、出口弁58を開かせる。この時点で、配給チャンバ内に捕捉された製品は、出口ポート62まで上昇し得る。
【0022】
分配器の全ての部品は、容易に製造され得ることが注意されるべきである。特に、リザーバ14は、リザーバ14が1つの壁のみからなることから、容易に成形され得る。さらに、リザーバの内側のポンプ本体22の完全な位置は、上記のとおり、その位置が、プランジャーの側方スカートとリザーバの内壁との間の非常に小さいラップeを得ることを可能とする。通気口を提供する必要はない。しかしながら、リザーバは、事実上最高部まで充填され得る。なぜなら、配給チャンバ20の上に位置する環状チャンバ32内に収容される製品は、分配器が垂直な位置で維持される限り、重力の作用によって配給チャンバ内に常に流れ得るからである。
【0023】
通気口の欠如はまた、主に、製品が粘稠性またはさらにペースト状である場合に好都合である。なぜなら、パッケージングの間、リザーバ14を特定の量の製品で充填した後、ポンプ本体の取り付けは、過剰圧力を生じ、スカート30の液密なスライディングに起因して空気は、リザーバの内側で捕捉され、これは、配給チャンバを充填することを容易にさせるからである。さらに、ピストンが上に戻る場合、減圧が、配給チャンバ20内に生じる。通路40が開くと直ちに、この減圧と、このチャンバ32内のわずかな過剰圧力との組合わさった効果が、配給チャンバ20を満たすことを容易にさせる。
【0024】
さらに、空気が再挿入されないことから、製品は、酸化および潜在的な細菌学的な混入からより良く保護される。
【0025】
本発明に従ったポンプは、製品中に完全に「沈められる」ことおよびポンプ本体は、リザーバから独立して、完全に完成し、そして底で閉ざされることが注意されるべきである。従って、ポンプ製造者は、デバイスの質の完全な制御を有する。
【0026】
図3に示される改良型において、ポンプ本体16は、その内端で開いており、リザーバの小さい径の部品34の底まで管状の円柱状部分67によって延ばされる。従って、配給チャンバ20は、部分的にポンプ本体、および部分的に部品34の端壁によって規定される。従って、ポンプ本体は、単一の部品として成形され得る。通路40は、テーパー状の壁36の内側のエッジの真上の、管状の円柱状部分67の壁に貫通された穴である。図4に示された改良型において、配給チャンバ20がポンプ本体22の延長部でリザーバ14の底で直接規定される範囲で、ポンプおよびリザーバは、組合わされる。環状肩38は、テーパー状壁36と小さい径部品34のエッジとの間で規定され、配給チャンバの基本的部品を形成する。従って、この肩は、ポンプ本体22の内端のための停止を形成する。
【0027】
この場合の図5および6に示される液体製品分配器111は、噴霧器であり、さらに具体的には、低容量リザーバ114と、プランジャー118によって作動されるポンプとを備える小型の噴霧器である。以下に説明されるように、配給チャンバ120が、上記リザーバに取り付けられたポンプ本体122の延長部のリザーバの底に直接配置される範囲で、このポンプおよびこのリザーバは、組合わされる。プランジャー118は、ピストン124に接続され、ピストン124は、ポンプ本体の中で移動可能である。ピストン124は、リザーバ本体127の径よりも小さい径を有し、かつピストン124を覆う管状部品126を備える。さらに、ポンプ本体122は、示されるように、リザーバ本体127の内壁に対してしっかり取り付けられた、環状スペーサー128を備え、好ましくはスカート130を備える。このようにして、環状チャンバ132は、液体製品が噴霧されるように規定され、この環状チャンバは、基本的に、ポンプ本体の上記管状部品の外面と、リザーバ本体の内面との間に規定される。環状スペーサー128は、環状チャンバをその最高部で閉じる。リザーバの底は、小さい径を有する部品134を含み、この部品134は、テーパー状壁136およびより小さい径の部品134のエッジを囲む環状肩138によってリザーバ本体に接続され、このリザーバ本体は、より大きな径を有する。配給チャンバ120は、基本的に、より小さい径の部品134において規定される。この環状肩138は、配給チャンバ120とテーパー状壁136の隣接端との間を延びる。この環状肩は、ポンプ本体122の内端のための停止を形成する。
【0028】
ポンプ本体は、ピストンがポンプ本体の内側で引っ込められた位置にある場合(図1)、重力の作用によって、環状チャンバ132と配給チャンバ120との間で製品を流れさせる通路140を、ポンプ本体の内端付近に備える。
【0029】
プランジャー118が押される場合に、ピストン124を配給チャンバ120に侵入させるために、ポンプ本体の内端は、配給チャンバ120へ通じる。このストロークで、このピストンは、配給チャンバの内側にて液密様式でスライドする。ピストンの内端は、配給チャンバの側で、比較的可撓性のある材料(例えば、可撓性のある熱可塑性材料またはエラストマー材料)で作製されたテーパー状スカート142を備え、このテーパー状スカート142は、このテーパー状スカート142の円形の自由端143が配給チャンバの内側にて液密様式でスライドし得るような大きさである。従って、このテーパー状スカートは、環状肩138付近で、リザーバのより小さい径の部品134のエッジで吸込弁を規定する。この弁は、環状チャンバ132と配給チャンバ120との間の液体の流動を制御する。ピストン124およびプランジャー118は、ポンプ本体の最高部の肩とプランジャーとの間で支持されるスプリング145によって、リザーバから外側へ押される。結果として、このスプリングの作用を介して、ピストン124はポンプ本体内に引っ込められ、重力の作用によって、環状チャンバ132と配給チャンバ120との間を、液体が流れ得る。この位置において、ピストンの自由端、換言すれば、テーパー状スカート142のエッジ143は、ポンプ本体の壁から離れている。実際、わずかなあそびが、この自由エッジとポンプ本体の壁の間に残り、結果として、この非作動位置において、ピストンのテーパー状スカート142が、曲げられる危険はない。この位置において、テーパー状スカートの外面は、ポンプ本体において規定された円形エッジ148に支えられている。比較的液密であるこの接触は、スプリング145の作用を介して維持される。明らかに、ピストンのこの非作動位置において、環状チャンバ132と配給チャンバ120との間の通路140は、開いたままである。ピストン124は、ポンプ本体の口径150にてスライド運動でガイドされる。このスライド運動は、この口径を介して液体を漏れさせないように十分に液密である。
【0030】
上記ピストン124は、プランジャーの軸継手154で強制的に取り付けられた強固なロッド152を備える。上記テーパー状スカートは、可撓性のある材料で作製され、このロッド上に固定された成形された片である管状部分156によって延ばされる。出口弁158は、上記ロッドのうちの1つの広がった自由端159(この場合テーパー状である)と、テーパー状スカート142の内側で突起した環状リブ160との間に形成される。このロッドのテーパー状端59は、テーパー状スカートの内部に延びる。プランジャーが作動されず、かつピストンがポンプ本体の内側で引っ込められる場合、環状リブ160は、このロッドの広がった自由端159に液密に支えられる。この配置は、出口弁を規定し、この出口弁は、この位置において閉ざされる。出口チャネルは、この出口弁158と、プランジャーにおいて規定される出口ポート162、より具体的に、この場合、プランジャーの側方空洞において強制的に取り付けられた噴霧ノズル64の出口ポートとの間に設けられる。この例において、出口チャネルは、ロッド152の表面に長手軸方向に設けられた溝または扁平な切り口166、ロッドの突出部においてプランジャーに設けられる軸方向の導管167、ならびにプランジャーにおいて設けられ、そしてこの導管167と、噴霧ノズル164を備える空洞との間で延びる半径方向の導管168によって規定される。一連のフィンは、ロッドの端がプランジャーの軸方向の導管167をブロックするのを防止するために、継手154において規定される。プランジャー118はまた、リザーバの開口部に挿入された側方スカート170を備える。ポンプ本体116がリザーバの内側で正確に位置され、そしてスペーサー128の高さで強制的にリザーバの内側でしっかりと維持されるために、プランジャーの側方スカート170の外壁と、リザーバ114の内壁との間の半径方向のラップeは、完全に制御され、比較的小さい。操作は、以下のとおりである。
【0031】
上記の非作動位置において、この分配器は、図5に示される位置であり、液体は、環状チャンバ132と配給チャンバ120との間を自由に流れ得る。従って、分配器が垂直に維持されている場合は常に、配給チャンバは、重力の作用によって充填される。プランジャーが押されると直ちに、ピストン124は、ピストン124が配給チャンバ120の円柱状の側壁と液密に接触するまで、ポンプ本体の開いた底の端に向かって移動する。この時点で、環状チャンバ132と配給チャンバ120との連絡は、中断され、そのストロークを続け、このピストンは、配給チャンバ内の圧力のわずかな増加を引き起こす。この圧力増加は、テーパー状スカート142を曲げて、このことは、出口弁158を開かせる。この時点で、配給チャンバ内に捕捉された液体は、噴霧ノズル64まで上昇し得、この噴霧ノズル64から、液体が、細滴のジェットの形態で排出される。これは、図6に示されるものである。
【0032】
明らかに、上記の噴霧器はまた、代わりとして、図1を参照して記載されるような全体的に閉じたか、または図3を参照として記載されるような小さい径の部品134の底で支持されるポンプ本体を備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、非作動位置における分配器の立面断面図である。
【図2】図2は、図1に示される図と同様の図であり、製品が使用されている状態の分配器を示す。
【図3】図3は、図2に示される図と同様の図であり、代替物を例示する。
【図4】図4は、図2に示される図と同様の図であり、代替物を例示する。
【図5】図5は、非作動位置における本発明に従う噴霧器の立面断面図である。
【図6】図6は、図5に示される図と同様の図であり、作動状態の噴霧器を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体またはペースト状の製品のための分配器であって、該分配器は、リザーバ(14)とポンプ(16)とを備え、該ポンプ(16)は、プランジャー(18)によって作動され、該プランジャー(18)は、ピストン(24)に接続され、該ピストン(24)は、ポンプ本体(22)の内側で移動可能であり、該分配器は、以下:該ポンプ本体が、リザーバの径より小さい径を有し、かつ該ピストンを覆う管状部品(26)と、環状スペーサー(28)とを備え、これによって、該管状部品の外面と該リザーバの内面との間に該製品のための環状チャンバ(32)を規定するように、該ポンプ本体が該リザーバの内壁に対ししっかりと取り付けられること、該環状チャンバと連絡する、円柱形である配給チャンバ(20)が、該リザーバの底に位置すること、該ピストン(24)が、該プランジャーが作動される場合に、該配給チャンバの内側で液密様式で侵入し、そしてスライドすること、ならびに出口弁(58)が、該ピストンにおいて規定されることを特徴とする、分配器。
【請求項2】
請求項1に記載の分配器であって、以下:前記ピストンが前記ポンプ本体の内側で引っ込められた該ピストンの位置で、前記環状チャンバ(32)と配給チャンバ(20)との間で前記製品の流動を可能とするために、該ポンプ本体の壁が、該ポンプの内端付近に設けられた通路(40)を備えることを特徴とする、分配器。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれか1項に記載の分配器であって、以下:前記ピストンの内端が、可撓性のある材料で作製されたテーパー状スカート(42)を備え、該テーパー状スカート(42)が、該テーパー状スカート(42)の自由エッジ(43)が前記配給チャンバの内側にて液密様式でスライドし得るような大きさであることを特徴とする、分配器。
【請求項4】
請求項3に記載の分配器であって、以下:前記テーパー状スカート(42)の外面が、スプリング(45)の作用を介して、前記ポンプ本体において規定された円形エッジ(48)に支えられており、ここで、前記環状チャンバと前記配給チャンバとの間に設けられた前記通路(40)が、前記ピストンの前記引っ込められた位置で開いていることを特徴とする、分配器。
【請求項5】
請求項3または4に記載の分配器であって、以下:前記ピストンが、前記プランジャーの軸継手において強制的に取り付けられた強固なロッド(52)を備えること、前記テーパー状スカートが、管状部分(56)によって保護され、該管状部分(56)が、該ロッド上に取り付けられた成形部品であること、および出口弁(58)が、該ロッド(52)の広がった自由端(59)と環状リブ(60)との間に形成され、該環状リブ(60)が、該テーパー状スカートの内面から突出すること、ならびに出口チャネルが、該出口弁と、該プランジャーにおいて規定される出口ポート(62)との間に設けられることを特徴とする、分配器。
【請求項6】
請求項5に記載の分配器であって、以下:前記ロッドの前記自由端(59)が、テーパー状であること、および該ロッドの該自由端(59)が、前記テーパー状スカート(42)内に延びることを特徴とする、分配器。
【請求項7】
請求項5または6に記載の分配器であって、以下:前記ピストンが、所定のストロークhで前記ロッド上をスライドするように取り付けられることを特徴とする、分配器。
【請求項8】
請求項5または6に記載の分配器であって、以下:前記ピストンが、前記ロッド上に固定されること、および前記テーパー状スカートが、曲げられ得る可撓性のある材料で作製されることを特徴とする、分配器。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の分配器であって、以下:前記ポンプ本体が、円柱状のシェル(29)を備え、該円柱状のシェル(29)が、前記配給チャンバ(20)を規定するために、該ポンプの内端に軸方向にはまることを特徴とする、分配器。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の分配器であって、以下:前記ポンプ本体の内端が、開いており、前記リザーバの底で支えられていることを特徴とする、分配器。
【請求項11】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の分配器であって、以下:前記リザーバ(14)が、前記環状チャンバと前記配給チャンバとの間に規定された環状肩(38)を備えること、およびポンプ本体が、該肩に支えられていることを特徴とする、分配器。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項に記載の分配器であって、以下:前記ピストンが、前記ポンプ本体の口径(50)でスライドするようにガイドされることを特徴とする、分配器。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の分配器であって、以下:前記プランジャーが、側方スカート(70)の外壁と前記リザーバの内壁との間の制御された低い半径方向のラップで該リザーバの開口部に挿入された該側方スカート(70)を備え、該側方スカート(70)に対し、前記環状スペーサー(28)が、しっかりと取り付けられて該リザーバの内側で前記ポンプ本体の位置を確保することを特徴とする、分配器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−521247(P2006−521247A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−504842(P2006−504842)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/EP2004/003116
【国際公開番号】WO2004/085286
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(505091064)レクサム ディスペンシング システムズ (6)
【Fターム(参考)】