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プランテオースを含有する食品組成物及び医薬品
説明

プランテオースを含有する食品組成物及び医薬品

【課題】低カロリーな機能性糖質素材を有効成分として含有する、ヒト及びヒトを除く動物に有用な生理作用を発揮する食品組成物及びその製造方法、有用な医薬品等を提供する。
【解決手段】プランテオースを1%以上含有する食品組成物を製造することで、抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用が期待できる食品組成物を簡便かつ効率的に提供し、また、プランテオースを有効成分として含有させることで、抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用を発揮する医薬品を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランテオースを含有する食品組成物及びその製造方法、プランテオースを有効成分として含有する医薬品等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の健康志向を背景に、ヒトなどに有益な生理作用をもたらす天然成分(いわゆる機能性成分)が注目されており、その代表格として挙げられるのが機能性糖質素材である。機能性糖質素材とは、生活習慣病(高血圧、糖尿病など)予防治療、腸内環境改善、抗ストレス、虫歯予防治療などの作用を有する単糖、オリゴ糖、多糖類、糖アルコールなどを指す。
【0003】
このうち、機能性糖質素材の虫歯予防治療用途としての抗う蝕効果については、いくつかの具体的な報告がされている。例えば、オリゴ糖であるパラチノースの抗う蝕効果(非特許文献1)やジフルクトース・ジアンヒドリドの抗う蝕効果(特許文献1)、糖アルコールであるキシリトールの抗う蝕効果などが報告され、これらを添加した機能性食品や、これらを有効成分とした医薬品などが開発されている。
【0004】
また、機能性糖質素材の腸内環境改善用途としてのビフィズス菌増殖効果については、オリゴ糖であるラフィノースのビフィズス菌増殖効果(非特許文献2)などが具体的に報告されている。そして、ラフィノース等を添加した機能性食品や、これらを有効成分とした医薬品なども同様に開発されている。
【0005】
なお、機能性糖質素材の多くは元来植物等に含まれているものであるが、その含有量はごくわずかであるため、通常そのような植物等をそのまま摂取しても十分な効果を得ることは難しい。また、ラフィノースのように末端にフラクトシル基がβ2,1結合で結合した機能性糖質素材は酵母菌などの発酵菌により資化されるため、例えば発酵食品において、このような機能性糖質素材を含有させたものを製造する際には、通常、単に素材を添加するだけでは当該発酵食品中に有効量を残存させることは困難であり、当該糖質素材を有効成分とする機能性発酵食品を得ること自体が困難であった。よって、微生物を利用する食品等での機能性糖質素材の利用においては、発酵菌などの利用微生物の資化性を勘案して製造する必要があった。このような背景から、当業界において、より幅広く利用しやすい新規な機能性糖質素材の開発が常に期待されている。
【0006】
一方、最近、低カロリーな新規糖質素材としてプランテオースが見いだされ、その製造方法などが報告されている(特許文献2)。このプランテオース(α−D−galactopyranosyl−(1→6)−β−D−fructofuranosyl α−D−glucopyranoside)は、ガラクトースとスクロースのフラクトシル基が1,6結合した構造を有するα−ガラクトオリゴ糖であり、オオバコ属植物、タバコ、ゴマ、サルビアの種子などに含まれている。
【0007】
しかし、プランテオースについては、標品が試薬として市販されていないため、その生理機能の詳細について未だ具体的な報告はない。また、プランテオースの酵母菌、ビフィズス菌、う蝕原性細菌等による資化性についても詳細は確認されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−284985号公報
【特許文献2】特開2009−148189号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】小児歯科科学雑誌,23(3),678(1985)
【非特許文献2】Bifidobacteria Microflora,6,59−63(1987)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、低カロリーな機能性糖質素材を有効成分とした、ヒト及びヒトを除く動物に有用な生理作用を発揮する食品組成物及びその製造方法、有用な医薬品等を提供することを目的とする。また、この機能性糖質素材の添加量(有効量)が維持された発酵食品及びその簡便な製造方法の提供を副次的な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明者らは、純度の高いプランテオースを酵素合成法によって量的に得ることに成功し、その生理機能の詳細について鋭意研究の結果、所定量のプランテオースを有効成分として添加することで抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用を発揮する食品組成物及び医薬品を提供できることを見いだした。さらに、本発明者らは、プランテオースが耐イースト性を有することも見いだし、酵母菌による発酵食品の製造時にプランテオースを添加しても、製品中に添加したプランテオースがほぼ残存することも明らかにした。そして、プランテオースの添加により、抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用の発揮が可能な発酵食品を簡便かつ効率的に提供できることを見いだした。
【0012】
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)プランテオースを食品100g当り1g以上(好ましくは2g以上)含有してなることを特徴とする食品組成物。
(2)発酵食品であることを特徴とする(1)に記載の食品組成物。
(3)発酵菌として酵母菌(特に、パン酵母及び/又は酒精酵母)のみを用いて製造してなる発酵食品であることを特徴とする、(2)に記載の食品組成物。
(4)発酵食品の製造に用いる酵母菌が、Saccharomyces cerevisiaeであることを特徴とする(2)又は(3)に記載の食品組成物。
(5)パン類、清酒類、ビール類、ワイン類から選ばれる少なくともひとつであることを特徴とする(2)〜(4)のいずれか1つに記載の食品組成物。
(6)抗う蝕機能を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の食品組成物。
(7)ビフィズス菌増殖機能を有することを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の食品組成物。
(8)プランテオースを添加した後に、発酵菌として酵母菌(特に、パン酵母及び/又は酒精酵母)のみを用いて製造することを特徴とするプランテオースを食品100g当り1g以上(好ましくは2g以上)含有する発酵食品の製造方法。
(9)酵母菌が、Saccharomyces cerevisiaeであることを特徴とする(8)に記載の製造方法。
(10)パン類、清酒類、ビール類、ワイン類から選ばれる少なくともひとつの製造方法であることを特徴とする(8)又は(9)に記載の製造方法。
(11)プランテオースを有効成分として含有することを特徴とする抗う蝕剤。
(12)プランテオースを有効成分として含有することを特徴とするビフィズス菌増殖剤。
(13)経口投与により、1日あたりプランテオースとして0.2〜500mg/kg・体重、好ましくは1〜250mg/kg・体重、更に好ましくは10〜150mg/kg・体重の量で用いられることを特徴とする(11)又は(12)に記載の剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、プランテオースを有効成分として含有する抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用を有する食品組成物及び医薬品を提供できる。そして、酵母菌を用いて発酵製造した発酵食品にプランテオースを添加しても、当該成分について安定的に有効量(添加量)を残存させることができ、抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用の発揮が可能な発酵食品を簡便かつ効率的に製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】各種糖質素材含有液へのStreptococcus mutans MT8148株添加時のpH変化グラフを示す。なお、図中のSucはスクロース、Plaはプランテオース、DFAIIIはジフルクトース・ジアンヒドリドIII、Rafはラフィノース、Xyl−OHはキシリトールを示す。
【図2】各種糖質素材含有液へのStreptococcus mutans 6715株添加時のpH変化グラフを示す。なお、図中のSucはスクロース、Plaはプランテオース、DFAIIIはジフルクトース・ジアンヒドリドIII、Rafはラフィノース、Xyl−OHはキシリトールを示す。
【図3】プランテオース及びラフィノースの耐イースト性確認試験結果(イースト資化処理による残存率)を示すグラフである。
【図4】プランテオース(Pla)、スクロース(Suc)、ラフィノース(Raf)の酸性条件における熱安定性試験結果(100℃、30min処理後の残存率)を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明においては、プランテオースを有効成分として使用する。プランテオース(α−D−galactopyranosyl−(1→6)−β−D−fructofuranosyl α−D−glucopyranoside)は、オオバコ属植物、タバコ、ゴマ、サルビアの種子などから抽出して得た抽出物、その精製物などが使用できるが、スクロースとガラクトースを含む原料から微生物由来の酵素等によって合成して得たものなどの合成品を用いても良い。また、試薬レベルの純品を用いることも差し支えない。これらを食品又は医薬品に有効量添加する。
【0016】
まず、医薬品の場合、その形態としては例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤等をあげることができる。これらの各種製剤は、常法にしたがって有効成分であるプランテオースを賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤等を用いて製剤化することができる。
また、食品組成物の形態についても限定はなく、プランテオースを添加できる形態であれば固体状(粉末、顆粒状その他)、ゲル状、ペースト状、液状ないしは懸濁状などどのような形態でも良く、さらにはこれらを通常の食品(飲料、発酵食品、乳製品や畜肉加工品等の動物性加工食品、小麦粉製品や豆加工品等の植物性加工食品など)に添加、混合するなど、適宜選択することができる
【0017】
本発明に係る医薬品は、ヒト又はヒトを除く動物に経口投与を行う。投与量は、例えば1日あたりプランテオースとして0.2〜500mg/kg・体重、好ましくは1〜250mg/kg・体重、更に好ましくは10〜150mg/kg・体重の量で用いるのが有効である。一部のヒトを除く動物などにおいては、ヒトへの投与量等から常用される所定の換算を行って、適宜投与量を設定、変更してもよい。
医薬品へのプランテオース配合量は、上記投与量にしたがって適宜設定すればよい。なお、プランテオースは非常に安全性の高い天然成分であるため、上記投与量を超えて設計してもその安全性に問題はない。
【0018】
本発明に係る食品組成物は、プランテオースを食品100g当り1g以上(好ましくは2〜3g以上)含有させる。これにより、天然の植物などには見られない濃度のプランテオースを含有した食品組成物を提供できる。なお、発酵食品の場合には、プランテオースを添加した後に酵母菌によって発酵させて製造するのがプランテオースの特性利用や簡便性という点で好適である。しかし、発酵後にプランテオースを添加する方法も選択できる。酵母菌としては、パン酵母及び/又は酒精酵母を使用するのが好ましく、特に、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)を使用するのが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本発明に係る発酵食品は、製造に利用する発酵菌(主にアルコール発酵)として酵母菌のみを用いて製造してなることが特徴であり、限定されるものでないが、パン類、清酒類、ビール類、ワイン類が例示される。なお、本発明の「酵母菌のみ」とは、発酵菌としてではなく、原料中の澱粉類の糖化などの目的で麹菌等の酵母菌以外の微生物を利用する発酵食品も含まれるし、製造に利用する微生物が酵母菌だけの発酵食品(つまり、微生物として酵母菌だけを利用して製造する発酵食品)も本発明の範囲に含まれる。また、いわゆる発酵食品でなくとも、酵母菌のアルコールや炭酸ガス産生作用等を利用する食品も除外されない。
【0020】
上記のような酵母菌以外の微生物を利用する発酵食品の例としては、麹菌を利用する清酒類が挙げられる。清酒製造においては、最初にプランテオースを添加して製造することもできるが、もろみ仕込み工程を経た後、発酵工程直前にプランテオースを添加するのがより好ましい。
【0021】
このようにして得られる本発明のプランテオースを有効成分とする食品組成物又は医薬品を給与又は投与(特に経口投与)することにより、ヒト又はヒトを除く動物に対してビフィズス菌増殖促進作用(腸内環境改善作用)及び/又は抗う蝕作用(虫歯予防治療作用)という有益な生理作用をもたらすことができる。
したがって、プランテオースを有効成分として配合することで、有用な虫歯予防治療医薬品・食品、腸内環境改善医薬品・食品等が提供できる。
【0022】
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
【実施例1】
【0023】
(う蝕原性細菌の各種糖質素材資化性確認)
う蝕は、う蝕原性細菌(虫歯菌)が糖質素材を資化して生成する有機酸が歯のエナメル質を脱灰することで起こる。そこで、う蝕原性細菌の各種糖質素材の資化性について確認するため、以下の試験を実施した。
【0024】
う蝕原性細菌としては、独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンターより入手したStreptococcus mutans MT8148株(JCM5175)及びStreptococcus mutans 6715株(JCM5176)を使用した。また、糖質素材としてはスクロース、プランテオース、ジフルクトース・ジアンヒドリドIII、ラフィノース、キシリトール、パラチノースを使用した。なお、ジフルクトース・ジアンヒドリドIII及びラフィノースは日本甜菜製糖株式会社製品を用い、プランテオースは酵素縮合反応により調製した凍結乾燥品(純度95%)を使用し、その他は試薬グレードの精製品を使用した。
【0025】
まず、上記のう蝕原性細菌をそれぞれNUTRIENT液体培地(関東化学株式会社製品)300μLにて懸濁した。そして、この菌体懸濁液200μLをBLAIN HEART INFUSION液体培地(BHI液体培地,関東化学株式会社製品)5mLに加え、37℃で24時間静置培養した。同じ操作をもう一度行って継代培養し、培養液をBHI液体培地100mLに加えて37℃で24時間攪拌しながら本培養を行った。
【0026】
上記本培養液を容器に移し、7000rpmで10分間遠心分離を行い、上清を分離除去したあと5mM濃度のPBS(リン酸生理食塩水)で2回洗浄処理した。得られた菌体をPBSにてOD550が10〜15となるように調製し、試験に使用する菌液とした。
【0027】
上記の7種糖質素材をそれぞれ5%溶液(10mL)となるように調製し、これらを37℃でインキュベートし、菌液2mLを加えてから最初5分間は1分おきに、その後は5分おきにガラス電極のpHメーターでpHの経時変化を測定した。なお、純水に菌液を添加したものをコントロールとした。
【0028】
測定結果を図1及び図2に示した。Streptococcus mutans MT8148株及びStreptococcus mutans 6715株のいずれについてもプランテオース添加でのpH変化はほとんどなく、いずれの菌株もプランテオースを資化せず有機酸を産生しないことが示された。
【実施例2】
【0029】
(ビフィズス菌の各種糖質素材資化性確認)
ビフィズス菌のグルコース、ラフィノース、プランテオース資化性について確認するため、以下の試験を実施した。
【0030】
ビフィズス菌としては、独立行政法人 理化学研究所 バイオリソースセンターより入手したBifidobacterium adolescentis(JCM1275)、Bifidobacterium longum(JCM1277)、Bifidobacterium breve(JCM1192)、Bifidobacterium bifidum(JCM1255)、Bifidobacterium pseudocatenulatum(JCM1200)、Bifidobacterium catenulatum(JCM1194)を使用した。
【0031】
まず、糖分解試験用GAM半流動培地(日水製薬株式会社製品)に0.2%ブロモクレゾールパープルを20mL/Lの割合で添加し、これに上記糖質素材を各0.5%添加した。これを試験管に2.5mLずつ分注後、高圧滅菌(115℃15分)したものを試験培地とした。なお、グルコースは試薬グレードの精製品を、ラフィノースは日本甜菜製糖株式会社製品を用い、プランテオースは酵素縮合反応により調製した凍結乾燥末品(純度95%)を使用した。
【0032】
各ビフィズス菌はBL培地(日水製薬株式会社製品)で嫌気培養し、発育したコロニーをシステイン・HClチオグリコール液に懸濁して試験培地の底部に0.02mL/2.5mLの割合で摂取した。これを37℃で3日間培養し、pHの変化を調べた。
【0033】
各ビフィズス菌の培地の色調変化を表1に示した。ラフィノースは一部菌株で資化できないものが見られたが、プランテオースはグルコースと同様にほぼ全ての菌株で資化性が見られた。よって、プランテオースは、ビフィズス菌増殖作用を有することが示された。
【0034】
【表1】

【実施例3】
【0035】
(プランテオースの耐イースト性確認試験)
プランテオース等のイーストによる資化の有無(耐イースト性)を確認する目的で、以下の試験を実施した。
【0036】
糖質素材としては、プランテオース及びラフィノース(いずれも日本甜菜製糖株式会社製品)を使用した。イーストは、パン酵母(スーパーカメリアドライイースト、日清フーズ株式会社製品)を使用した。
まず、Bx40に調整したプランテオース又はラフィノースの糖溶液各1.3gに、イーストを0.13g加えて60℃で反応させた。そして、その反応液を経時的にサンプリングし、HPLC(パルスドアンペロメトリー法)にて糖液を分析した。
【0037】
結果を図3に示した。ラフィノースは反応開始後徐々に加水分解され、メリビオースとフルクトースにまで分解された。そして、反応開始後15分にはラフィノースは残存率0%となった。これに対し、プランテオースは全く加水分解されず、耐イースト性を有することが明らかとなった。
【実施例4】
【0038】
(プランテオースの酸性条件における熱安定性確認試験)
プランテオースを含む各種糖質素材の酸性条件における熱安定性を確認するため、以下の試験を実施した。
【0039】
糖質素材としてはスクロース、プランテオース、ラフィノースを使用した。なお、ラフィノースは日本甜菜製糖株式会社製品を用い、その他は試薬グレードの精製品を使用した。
まず、各糖を1%含む水溶液10mLを撹拌しながら1N塩酸を加え、ガラス電極のpHメーターでpHを測定しながらpH1、2、3、4、5に調整し、各pHで700μLサンプリングした。そして、このサンプルを100℃で30分間作用させた後、直ちに氷冷し、HPLC(KS−801カラム法)にて各糖の残存率を求めた。
【0040】
結果を図4に示した。酸性条件における熱安定性(糖残存率)は、プランテオース、ラフィノース及びスクロースの順であった。プランテオースは、pH3〜5付近での安定性はラフィノースやスクロースより高いが、pH1〜2での安定性はラフィノースやスクロースとあまり変わらなかった。
【実施例5】
【0041】
(プランテオース含有製剤及び食品組成物の製造)
製剤としては、プランテオース80重量部、コーンスターチ20重量部を混合し、得られた混合物をヒドロキシプロピルメチルセルロースの5%水溶液で流動層造粒し、プランテオースを主成分とする細粒剤を得た。
【0042】
また、食品組成物としては、強力粉200gに塩、砂糖、イーストフード等を適量添加したものにプランテオースを対粉3%添加し、これに136g加水して混捏しパン生地を作製した後、市販パン酵母(スーパーカメリアドライイースト,日清フーズ株式会社製品)を用いて定法により発酵させ、プランテオースを約3%含有する食パン(発酵食品)を得た。
【0043】
本発明を要約すれば、以下の通りである。
【0044】
本発明は、低カロリーな機能性糖質素材を有効成分として含有する、ヒト及びヒトを除く動物に有用な生理作用を発揮する食品組成物及びその製造方法、有用な医薬品等を提供することを目的とする。
【0045】
そして、プランテオースを1%以上含有する食品組成物を製造することで、抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用が期待できる食品組成物を簡便かつ効率的に提供し、また、プランテオースを有効成分として含有させることで、抗う蝕作用及び/又はビフィズス菌増殖作用を発揮する医薬品を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランテオースを食品100g当り1g以上含有してなることを特徴とする食品組成物。
【請求項2】
発酵食品であることを特徴とする請求項1に記載の食品組成物。
【請求項3】
発酵菌として酵母菌のみを用いて製造してなる発酵食品であることを特徴とする、請求項2に記載の食品組成物。
【請求項4】
発酵食品の製造に用いる酵母菌が、Saccharomyces cerevisiaeであることを特徴とする請求項2又は3に記載の食品組成物。
【請求項5】
パン類、清酒類、ビール類、ワイン類から選ばれる少なくともひとつであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の食品組成物。
【請求項6】
抗う蝕機能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品組成物。
【請求項7】
ビフィズス菌増殖機能を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の食品組成物。
【請求項8】
プランテオースを添加した後に、発酵菌として酵母菌のみを用いて製造することを特徴とするプランテオースを食品100g当り1g以上含有する発酵食品の製造方法。
【請求項9】
酵母菌が、Saccharomyces cerevisiaeであることを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
パン類、清酒類、ビール類、ワイン類から選ばれる少なくともひとつの製造方法であることを特徴とする請求項8又は9に記載の製造方法。
【請求項11】
プランテオースを有効成分として含有することを特徴とする抗う蝕剤。
【請求項12】
プランテオースを有効成分として含有することを特徴とするビフィズス菌増殖剤。
【請求項13】
経口投与により、1日あたりプランテオースとして0.2〜500mg/kg・体重の量で用いられることを特徴とする請求項11又は12に記載の剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−42749(P2013−42749A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185270(P2011−185270)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000231981)日本甜菜製糖株式会社 (58)
【出願人】(303046314)旭化成ケミカルズ株式会社 (2,513)
【Fターム(参考)】