説明

プラントのセンサ診断装置およびセンサ診断方法

【課題】プラントのプロセス値を検出するセンサの相関関係をもとに、各センサの組合せを適切に設定可能なセンサのドリフト診断装置および診断方法を提供する。
【解決手段】複数のプロセス値からセンサの状態を診断するセンサ診断装置において、相関のあるセンサ組合せパターンを複数有し、プラント運転中のプロセス値を用いて前記センサ組合せパターンの相関値を計算し、前記相関値が最大のセンサ組合せパターンを用いてセンサのドリフト診断を実施する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原子力発電プラント等の各種プラントにおけるセンサの診断装置およびセンサ診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原子力プラントにおけるセンサ、回転機、弁などの機器は一定期間ごとに保守作業が行われている。保守作業は主に定期検査において行われ、センサの校正、機器の分解点検、取替えなどの作業量は膨大なものとなっている。このうちプラントのプロセス量を計測するセンサについては、主にセンサ出力のドリフト発生の有無を点検し、基準値を超えるドリフトが発生した場合に校正作業を行っている。
【0003】
センサにドリフトが発生していると、プラントのプロセス量の計測値と真値との誤差が大きくなり正しいプラント制御が実施できない。また、基準値を超えるドリフトが発生しているセンサがわかれば、定期検査における校正作業の計画が容易になる。したがって、プラント運転中にセンサ診断を行い、センサのドリフトを監視することは重要である。
【0004】
プラント運転中にセンサドリフトを診断する方法として、特許文献1には検出器校正支援装置が開示されている。ここで、互いに相関のある複数の検出器からの検出器信号を受け取る入力手段と、記憶手段に格納された推定モデルを用いて入力手段に入力された検出器信号の実測値に基づいて真値を推定する真値推定手段と、各検出器のフルスパンに渡る下限値および上限値と検出器のドリフト特性データを格納する記憶手段と、推定された真値および検出器信号の実測値と、各検出器の下限値および上限値と、検出器のドリフト特性に基づいて、検出器のフルスパンに渡ってドリフト量を推定するドリフト量推定手段と、推定された真値、検出器信号の実測値、検出器のドリフト特性及びドリフト量推定結果を出力する出力手段とを有している。
【0005】
また特許文献2には、プラント内のセンサ等を含む機器の診断方法において、指定機器から一定距離内にある機器を抽出して、各機器に対するプロセス値による相関値を計算し、所定値以上の相関値を持つ機器をグループ化して、各グループ内の各機器の異常診断を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−207373号公報
【特許文献2】特開2010−190582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の特許文献1の方法では、あらかじめ相関のある複数のセンサを組合せる必要があり、センサの組合せが適切でない場合には診断精度の低下などが生じる。例えば、新設プラントで運転実績データがない場合、設計変更によりセンサの相関が変わった場合、センサ間の相関に関する知見が得られない場合には、適切な組合せができない可能性がある。しかし、相関のあるセンサの組合せを適切に設定する方法についはて特許文献1に記載されていない。
【0008】
また、特許文献2の方法では、診断する機器の組合せパターンを指定機器から一定距離内という物理的条件を基に選択した機器グループとして決定しており、診断対象となるセンサの範囲が制約されるという問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、センサの相関関係をもとに、センサの組合せパターンを適切に設定可能として信頼性の高いプラントのセンサ診断方法およびセンサ診断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、プラントのプロセス値を計測する複数センサと、複数のセンサの出力を入力して記憶するデータ入力装置と、複数センサのうち互いに相関を持つセンサ組合せパターンを収納するセンサ組合せデータベースと、データ入力装置の出力をセンサ組合せデータベースのデータを用いて複数センサ計測値の真値からのドリフトを演算するドリフト演算装置と、ドリフト演算装置の診断結果を出力する診断結果出力装置を備えたプラントのセンサ診断装置において、ドリフト演算装置は、センサ組合せパターンの相関値を計算するセンサ相関判定手段と、センサ相関判定手段の相関値から基準値を下まわらない相関値を選択する相関値比較手段と、相関値比較手段の出力から最大の相関値を持つセンサ組合せパターンを選択するセンサ組合せ選択手段と、データ入力装置からの運転中のプラントのプロセス値及びセンサ組合せ選択手段で選択されたセンサ組合せパターンを用いて、複数センサのドリフト量を推定するドリフト量推定手段を有することを特徴とする。
【0011】
また、プラントのセンサ診断装置において、センサ相関判定手段の計算する相関値は、相関係数、標準偏差、周波数成分の少なくとも1つを用いて計算することを特徴とする。
【0012】
また、プラントのセンサ診断装置において、センサ相関判定手段の計算する相関値は相関係数を用いて計算し、各センサ間の相関係数の平均値をセンサ組合せパターンの相関値とすることを特徴とする。
【0013】
また、プラントのセンサ診断装置において、相関値比較手段における相関値の基準値を0.9としたことを特徴とする。
【0014】
また、プラントのセンサ診断装置において、ドリフト量推定手段は、ドリフト未発生時期の複数センサのプロセス値を複数センサの正常値として学習し、プラント運転中の複数センサのプロセス値を正常値と比較してドリフト量を推定することを特徴とする。
【0015】
また、プラントのセンサ診断装置において、データ入力装置は、複数センサの出力を一時記憶する記憶装置を有することを特徴とする。
【0016】
さらに、プラントのプロセス値を計測する複数センサと、複数センサの出力を入力して記憶するデータ入力装置と、複数センサのうち互いに相関を持つセンサ組合せパターンを収納するセンサ組合せデータベースと、データ入力装置の出漁をセンサ組合せデータベースのデータを用いてセンサの計測値の真値からのドリフトを演算するドリフト演算装置と、ドリフト演算装置の診断結果を出力する診断結果出力装置を備えたプラントのセンサ診断方法において、プラントのプロセス値をドリフト演算装置に入力するステップと、センサ組合せパターンにおける相関値を計算するステップと、計算された記センサ組合せパターンにおける相関値から基準値を下回らない相関値を選択するステップと、プラントのプロセス値の正常値を学習するステップと、運転中のプラントのプロセス値と正常値を比較して、センサドリフト量を推定するステップを有することを特徴とする。
【0017】
さらにプラントのセンサ診断方法において、相関値は相関係数、標準偏差、周波数成分の少なくとも1つを用いて計算することを特徴とする。
【0018】
さらに、プラントのセンサ診断方法において、相関値は相関係数を用いて計算し、各センサ間の相関係数の平均値をセンサ組合せパターンの相関値とすることを特徴とする。
【0019】
さらに、プラントのセンサ診断方法において、基準値以上の相関値を選択するステップにおける基準値を0.9としたことを特徴とする。
【0020】
さらに、プラントのセンサ診断方法において、ドリフト量を推定した診断結果を出力するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、プラントのセンサ診断装置において、プラントのプロセス値を計測する複数センサと、データ入力装置と、複数センサのうち互いに相関を持つセンサ組合せパターンを収納するセンサ組合せデータベースと、複数センサ計測値の真値からのドリフトを演算するドリフト演算装置と、ドリフト演算装置の診断結果を出力する診断結果出力装置を備え、ドリフト演算装置は、センサ組合せパターンの相関値を計算するセンサ相関判定手段と、センサ相関判定手段の相関値から基準値を下まわらない相関値を選択する相関値比較手段と、相関値比較手段の出力から最大の相関値を持つセンサ組合せパターンを選択するセンサ組合せ選択手段と、データ入力装置からの運転中のプラントのプロセス値及びセンサ組合せ選択手段で選択されたセンサ組合せパターンを用いて、複数センサのドリフト量を推定するドリフト量推定手段を有することにより、相関関係をもとにセンサの組合せを最適に設定して信頼性の高いセンサ診断を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明実施例のセンサ診断装置の構成図である。
【図2】本発明実施例のプロセス値の例を示す説明図である。
【図3】本発明実施例のセンサ組合せデータベースのデータを示す説明図である。
【図4】本発明実施例のドリフト量を示す説明図である。
【図5】本発明実施例の診断結果出力画面を示す説明図である。
【図6】本発明実施例のセンサ診断装置の処理方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明実施例のセンサ間の相関係数を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0024】
図1は、本実施例のセンサ診断装置の構成図を示す。センサ1A、1B、1C、1Dは、図示しないプラントのプロセス値である温度、圧力、流量、水位などを計測するために設けられたセンサを模式的に示したものであり、実際のプラントでは更に多数のセンサが設けられる。
【0025】
データ入力装置2は、センサ1A、1B、1C、1Dで計測したプロセス値をドリフト演算装置4へ入力する。データ入力装置2は、現在計測しているプロセス値に加えて、過去に計測したプロセス値を蓄積する記憶装置3を備え、プロセス値のログデータをドリフト演算装置4へ入力する。図2に、センサ1A、1B、1C、1Dで計測したプロセス値の例を、定格値に対する相対値として示す。
【0026】
センサ組合せデータベース5には、相関のあるセンサ組合せパターンが格納されている。図3にセンサ組合せデータベース5に格納されたデータ内容を示す。図3の例では、給水流量Aのセンサドリフト量を推定するためのセンサ組合せパターンとして、「給水流量A」「給水流量B」「主蒸気流量」の3つのセンサを組合せたパターン1、または「給水流量A」「給水流量B」「復水流量」の3つのセンサを組合せたパターン2があることを示している。
【0027】
同様に、給水流量Bのドリフト量を推定するためのセンサ組合せパターンとして、「給水流量A」「給水流量B」「主蒸気流量」の3つのセンサを組合せたパターン1、または「給水流量A」「給水流量B」「復水流量」の3つのセンサを組合せたパターン2があることを示している。実際のプラントではセンサの種類はこれに限定されない。従ってセンサ組合せパターンの数はさらに多くなり、その中から各対象センサ毎に最適のセンサ組合せパターンを選択することになる。
【0028】
センサ組合せパターンは、あらかじめ複数の組合せパターンを、設計上の知見、先行プラントの事例、相関係数の計算結果などを基に設定して、センサ組合せデータベース5に格納しておく。また、新規プラント等において組合せに関する知見が蓄積されていない場合には、考えられる全ての組合せを登録しておいてもよい。
【0029】
図1において、ドリフト演算装置4のセンサ相関判定手段6は、データ入力装置2に入力した複数のセンサからのプロセス値を用いてセンサ組合せデータベース5に格納されたセンサ組合せパターンの相関値を計算し、各センサ組合せパターンの相関の強さを比較判定する。相関値の計算には、従来から知られている相関係数、標準偏差、周波数成分などを用いた相関値計算手法を用いる。
【0030】
相関値比較手段7は、センサ相関判定手段6で計算されたセンサ組合せパターンの相関値に対し、一定値以上の相関値を持つもののみを抽出して、センサ組合せ選択手段8に出力する。所定値以下の相関値をもつものについては、適切なセンサの組合せでないと判断し、演算処理を中止する。
【0031】
センサ組合せ選択手段8は、センサ相関判定手段6の結果をもとに、各センサ毎にセンサ診断に用いる最適なセンサ組合せパターンとして、最大相関値を持つセンサ組合せパターンを選択する。
【0032】
ドリフト量推定手段9は、データ入力装置2から入力した複数のセンサ1A、1B、1C、1Dのプロセス値と、センサ組合せ選択手段5で選択したセンサ組合せパターンを用いて、各センサのドリフト量を推定する。ドリフト量の推定方法は、例えば従来知られているニューラルネットワークを用いた推定方法などを用いれば良く、その詳細手順は省略する。
【0033】
ドリフト量推定方法では、まずデータ入力装置2からプラント起動後1カ月間などのセンサにドリフトが発生していない時期のプロセス値をドリフト量推定手段9に入力し、正常値として学習させる。次に、センサ1A、1B、1C、1Dで計測したプラント運転中のプロセス値を正常値と比較してドリフト量を推定する。推定したドリフト量の例を図4に示す。ドリフト量は通常、時間の経過に応じて変動してゆく。
【0034】
診断結果出力装置10は、ドリフト量推定手段9で得たドリフト量をディスプレイ等に画像表示する。診断結果出力装置10の出力画面の例を図5に示す。
【0035】
上記の、センサ相関判定手段6、相関値比較手段7、センサ組合せ選択手段8およびドリフト量推定手段9を有するドリフト演算装置4は、計算機内において作動する所定の演算プログラム上に構成され、各処理を実行するように構成することができる。また、データ入力装置2、センサ組合せデータベース5、診断結果出力装置10をドリフト演算装置4と別体に形成しているが、これらはドリフト演算装置4内に一体に含めた構成としてもよい。
【0036】
図6は、本実施例のセンサ診断装置の診断方法を示すフローチャートである。
【0037】
ステップS101では、データ入力装置2によりプラントのプロセス値を入力する。
【0038】
ステップ102では、センサ組合せデータベース5に格納された各センサの複数の組合せパターンについて相関値を計算する。本実施例では、相関値として相関係数の平均値を用いる。例えば、図3の給水流量Aのパターン1の相関値は、給水流量Aと給水流量Bの相関係数、給水流量Bと主蒸気量の相関係数、主蒸気量と給水流量Aの相関係数の平均値である。相関係数の計算方法は公知であるので省略する。
【0039】
各センサ間の相関係数の例を図7に示す。例えば、給水流量Aと給水流量Bの相関係数は0.99である。この値を用いると、図3の給水流量Aのパターン1の相関値は、(0.99+0.97+0.97)/3=0.978、給水流量Aのパターン2の相関値は(0.99+0.95+0.95)/3=0.963となる。
【0040】
ステップS103では、相関値が一定値(基準値)以上であるかどうかを判定する。センサの組合せパターンが複数ある場合にはそれらの内で最大の相関値を持つ組合せパターンについて、相関値が一定値以上であるかどうかを判定する。一定値は例えば相関が強いと考えられる0.9に設定しておく。
【0041】
相関値が一定値以上の場合には、ドリフト量推定を実施するのに必要なセンサの組合せが設定されていると判定できるので、ステップS104で、相関値が最大のセンサ組合せパターンを選択する。上記の例では、給水流量Aのセンサ診断に用いるセンサ組合せパターンとして、相関値の大きいパターン1を選択する。
【0042】
一方、ステップS103で相関値が一定値以上ない場合には、ドリフト量推定を実施するのに必要なセンサの組合せが適切に設定されていないと判定できる。この場合、正しくドリフト量を推定できず、誤診断をする可能性が高いのでドリフト診断を実施しない。このとき、ドリフト診断を実施しない旨を診断結果出力装置10に出力してもよい。
【0043】
ステップS105では、選択したセンサ組合せパターンの各センサについて、ドリフトが発生していない時期のプロセス値をデータ入力装置2から入力し、ドリフト量推定手段9に正常値として学習させ、ドリフト診断時の基準値とする。
【0044】
ステップS106では、選択したセンサ組合せパターンの各センサについて、現在測定中のプロセス値をデータ入力装置2から入力し、ドリフト量推定手段9により各センサのドリフト量を推定する。
【0045】
ステップS107では、診断結果を診断結果出力装置10に出力する。
【0046】
ステップS101〜S107の手順は、例えば、プラント起動後1カ月経過してドリフト診断のための学習データが蓄積された時期に実施する。以上の手順により、センサの相関関係をもとに、センサ組合せを最適に設定可能として信頼性の高い的確なセンサ診断を実施することができる。
【0047】
本発明はまた、新設プラントで運転データがない場合、設計変更によりセンサの相関が変わった場合、センサ間の相関に関する知見がない場合等においても、確実に適切なセンサ診断ができる。
【0048】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1A、1B、1C、1D:センサ
2:データ入力装置
3:記憶装置
4:ドリフト演算装置
5:センサ組合せデータベース
6:センサ相関判定手段
7:相関値比較手段
8:センサ組合せ選択手段
9:ドリフト量推定手段
10:診断結果出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラントのプロセス値を計測する複数センサと、該複数のセンサの出力を入力して記憶するデータ入力装置と、前記複数センサのうち互いに相関を持つセンサ組合せパターンを収納するセンサ組合せデータベースと、前記データ入力装置の出力を前記センサ組合せデータベースのデータを用いて前記複数センサ計測値の真値からのドリフトを演算するドリフト演算装置と、該ドリフト演算装置の診断結果を出力する診断結果出力装置を備えたプラントのセンサ診断装置において、
前記ドリフト演算装置は、前記センサ組合せパターンの相関値を計算するセンサ相関判定手段と、該センサ相関判定手段の相関値から基準値を下まわらない相関値を選択する相関値比較手段と、該相関値比較手段の出力から最大の相関値を持つセンサ組合せパターンを選択するセンサ組合せ選択手段と、前記データ入力装置からの運転中のプラントのプロセス値及び前記センサ組合せ選択手段で選択されたセンサ組合せパターンを用いて、前記複数センサのドリフト量を推定するドリフト量推定手段を有することを特徴とするプラントのセンサ診断装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプラントのセンサ診断装置において、前記センサ相関判定手段の計算する相関値は、相関係数、標準偏差、周波数成分の少なくとも1つを用いて計算することを特徴とするプラントのセンサ診断装置。
【請求項3】
請求項2に記載のプラントのセンサ診断装置において、前記センサ相関判定手段の計算する相関値は相関係数を用いて計算し、各センサ間の相関係数の平均値を前記センサ組合せパターンの相関値とすることを特徴とするプラントのセンサ診断装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のプラントのセンサ診断装置において、前記相関値比較手段における相関値の基準値を0.9としたことを特徴とするプラントのセンサ診断装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のプラントのセンサ診断装置において、前記ドリフト量推定手段は、ドリフト未発生時期の前記複数センサのプロセス値を複数センサの正常値として学習し、プラント運転中の前記複数センサのプロセス値を前記正常値と比較してドリフト量を推定することを特徴とするプラントのセンサ診断装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のプラントのセンサ診断装置において、前記データ入力装置は、前記複数センサの出力を一時記憶する記憶装置を有することを特徴とするプラントのセンサ診断装置。
【請求項7】
プラントのプロセス値を計測する複数センサと、該複数センサの出力を入力して記憶するデータ入力装置と、前記複数センサのうち互いに相関を持つセンサ組合せパターンを収納するセンサ組合せデータベースと、前記データ入力装置の出漁を前記センサ組合せデータベースのデータを用いて前記センサの計測値の真値からのドリフトを演算するドリフト演算装置と、該ドリフト演算装置の診断結果を出力する診断結果出力装置を備えたプラントのセンサ診断方法において、
前記プラントのプロセス値を前記ドリフト演算装置に入力するステップと、
前記センサ組合せパターンにおける相関値を計算するステップと、
計算された記センサ組合せパターンにおける相関値から基準値を下回らない相関値を選択するステップと、
前記プラントのプロセス値の正常値を学習するステップと、
運転中の前記プラントのプロセス値と前記正常値を比較して、センサドリフト量を推定するステップ
を有することを特徴とするプラントのセンサ診断方法。
【請求項8】
請求項7に記載のプラントのセンサ診断方法において、前記相関値は相関係数、標準偏差、周波数成分の少なくとも1つを用いて計算することを特徴とするセンサ診断方法。
【請求項9】
請求項8に記載のプラントのセンサ診断方法において、前記相関値は相関係数を用いて計算し、各センサ間の相関係数の平均値を前記センサ組合せパターンの相関値とすることを特徴とするセンサ診断方法。
【請求項10】
請求項7乃至9のいずれかに記載のプラントのセンサ診断方法において、前記基準値以上の相関値を選択するステップにおける基準値を0.9としたことを特徴とするプラントのセンサ診断方法。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれかに記載のプラントのセンサ診断方法において、ドリフト量を推定した診断結果を出力するステップを有することを特徴とするプラントのセンサ診断方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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